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鈴木寛君
是非頑張っていただきたいと思うんですけれ
ども、
科学技術政策というのは難しいですよね。まあ、これ評価も非常に難しいと思います。単に何か国際競争で、例えばスパコンでいえば抜いたとか抜かれたとかということが報道とかは、我々もそういうことに関心が行きがちなんですけれ
ども、例えば、仮にそういう
意味での
研究成果で負けたとしても、私は、こういうプロジェクトの最大の
成果は、優秀で有為な
人材が育った、あるいはそういう
人たちのネットワークができたと、やっぱりこれだと思うんですね。これがあれば、じゃ次のステージになったときにまた今度は抜き返すと。
要するに、そういう世界のリーグの中にやっぱり居続けるということがこれ非常に重要で、余りその一回ごとの勝った負けたということに行かない方がいいと、こういうことも思ったりもします。
ですから、かつ、
科学技術というのは、それが本当にどういう
意味があるのかという、しかも短期的
意味、中期的
意味、長期的
意味、それからそれが知的財産につながるつながらない、あるいは
人材育成につながる、非常に複合的で複雑なものであります。それを御担当されるというのは大変だと思いますけれ
ども、正に
研究分野の領域も広がっていく、しかし総合的かつ戦略的にやっていかなきゃいけないと。例えば
テーマの設定も、バイオだと思っていたらまた今度新しいものも出てくるかもしれないし、ナノテクとかいろいろなことも出てきます。
そういう
意味で、本当に国内外の英知を結集して、正しい判断、まあ何が正しいかも難しいんでありますが、しかし
一つだけ明らかなことは、これ、単なる大衆討議あるいは劇場民主主義、あるいはそういうふうな短期間の流れに流されて決めていいものでは全くないと、こういうことです。特に、
小泉政権になっての心配は、そういうところに非常に流されて、本当に国家の基盤になる
科学技術政策というのが非常に難しい局面にあると、こういうことを私は懸念するわけであります。
それで、
日本の強いところ、弱いところあります。非常に確定した
分野におけるそのレベルというのは、これはやっぱり
日本は
相当高いレベルにあると思いますけれ
ども、新しい
研究領域は何なのかと。あるいは、ふくそうする
研究領域間でどういうふうに
テーマ選定あるいはウエート付けあるいは新しいそういうふうな学者の集まりといいますか、それを含めるコミュニティー、その知的
研究コミュニティーを新しくつくり上げていくとか、やっぱりこういうところがどうしても、今
科学技術総合会議のお話がございましたが、そこに出ておられる
先生も私も何人も存じ上げていますけれ
ども、その
分野ではすごい
先生ばかりです。
しかし、これはどの
先生もしようがないと思いますけれ
ども、じゃ隣の
分野について評価できるんだろうか、あるいは、今はメジャーではないけれ
ども今後大事な
分野というものについて、そういう知見がおありになるかないかはそれはまた別の話でありまして、そこはある
意味で今現在は本当に個々の
委員の
先生方の個人的才覚といいますか、識見といいますか、そういう立派な方が会議のメンバーになっておられますけど、これもう少し、個の力のみに頼るんじゃなくて、適切な
テーマ設定とかあるいは
資源配分とかあるいは
人材育成
計画、こういうことを、
プロジェクトマネジメント論も含めて、そういう領域の設定とか
分野の設定とか
資源投入とか、あるいはそういうプロジェクトの
マネジメント、例えばバイオの
RアンドDの
マネジメントと情報の
RアンドDマネジメント、全然違いますね、これ。そうすると、ITでうまくいった方式、
政策をバイオに導入しても全然これうまくいかないということになります。
それから、当然、臨床と
基礎研究、これまた違う。それから、その間のTRみたいな話も違っていくというようなことを私はもう少し、何といいますか、層を厚くしっかりと遺漏なきようやっていくためにはどうしたらいいか、これは自問自答も含めて思っているわけでありますけれ
ども、
是非こういう
分野に、更に言うとコンセンサスの醸成、それから世論の支持を獲得する、当然民主主義の国でありますし、貴重な税金をこれは公的
分野は使い続けていかなきゃいけないわけで、そういう
意味でのきちっと理解を求めるということも含めてこれ大変大事な
課題だと思いますけれ
ども、この点いかに取り組んでいかれるかをお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。