○後藤博子君 お疲れさまでございます。小泉
先生に引き続きまして、後藤博子、
質問させていただきます。よろしく
お願いいたします。
私は、
障害を持つ
子供たちにとって、一人一人の人間として自活をしていく、そのための
教育は、どういう
教育があれば、その
子供たちが
学校を卒業した後に、先ほど小泉
先生もおっしゃいましたように、職業なり何なり、夢を追い掛けながら一人の人間として生きていける、そのための
教育はどうあるべきなんだろうかと、そういうことを中心にして
質問させていただきたいと思っております。
障害を持つ方が
学校に入ってきました。
学校生活の中でどういう仕組みがあれば、どういうシステムがあれば、どういう
教育が施されていけば、その
障害を持った
子供たちが
社会で、私は自立とは言いたくありません、自活と言いたいんですね、活性する。自分で立つことはなかなかできないんです、
障害を持つ
子供たちは。だから、自立というのは余りにも私は残酷なような気がいたしますので、自立という言葉はなるべく使いたくないという
思いで取り組んでまいりました。その
障害を持つ
子供たちも、
社会の役に立ちたいと一生懸命思っております。守られる立場から守る立場になりたい、自分がいることで周りの人に喜んでもらいたい、役に立ってもらいたい、そういう
思いで
子供たちは日々
障害を克服するために一生懸命勉強したり、励んだり、訓練をしたりしております。
今日、私は
一つの本を持ってきました。これは私の友人、
中島伸子さんが書いた本です。以前、私もこの本は紹介させていただいたことがあるかと
思いますけれ
ども、「立子とともに歩んだ道」、「あなたの母親になれたことに感謝します。」、
最後の締めくくりはそういう本でございました。この立子さんは、生まれながらにして胎盤機能不全症候群と呼ばれて、母子手帳に書かれました。その親子の壮絶な闘いがこの本の中に記されておりますので、具体的にその本を引用させていただきながら
質問に移りたいと思っております。
紹介したいのがあります。この本の中に書かれておりますが、立子さんが書いた作文の中にこういうのがあります。題は「自由」という作文です。全部読みますと時間が掛かりますので、途中はしょって読ませていただきますけれ
ども。
物心が付いてからいろいろないじめがあった、仲間に入れない
経験を通して感じたことは、
障害を克服すれば、いじめにも遭わず、友達もでき自由に楽しく過ごせると自分なりに結論を付けていました。そのために厳しい訓練をやり、それなりの結果を出したのですが、現実はそう甘くはありませんでした。中学、高校と過ごしてきた結果分かったことは、自由とは、
障害の有無や仲間ができるなど外に求めるのではなく、一番大事なことは、自由とは自分の心の中にあるものだということを分かりました。
この作文を書くまでに至り、ずたずたになった立子さんの言葉を紹介します。途中、その作文ができ上がるまでに立子さんの言葉にこういうのがあります。
お母さんは、
思いを強く持てば、必ずそれは実現する、立子にはそれができると私に言い続け、今まではそうなってきたけれ
ども、今回は無理。もう疲れた。夢を持たないことにする。その方が楽だもの。
済みません、これを読むといつも涙が出るんですけれ
ども。そういう
子供たちが一生懸命に自分の
障害を克服しようとしております。そういう
子供たちのために私
たちはどういう
教育をすればいいんでしょうか。それに対して──ごめんなさい、すごく感情的になって、年を取ったのかもしれません。これに対して、お母さんからの手紙があるんですね、この本の中にありますけれ
ども。
あなたの頑張りは、本当にすばらしい。あなたの頑張りは、常に人に勇気を与えてきました。でも、どんなに頑張っても現実はそれほど甘くなく、とても厳しいものだということを、年齢とともに、知らされました。今の
日本は、弱者にとって、まだまだ住みにくい
社会です。何とかしなければなりません。弱者にとって住みやすい
社会になるということは、すべての人間にとって住みやすい
社会になることなのです。いろいろな
経験をしたあなたは、まぶしいほど輝いています。あなたの人生、これからですね。今までは準備期間。今やっとスタート地点に立ちました。立子という名前は、名前の由来の前半はうまくいったと
思います。今後は後半の、生きていくための自立に向かって出発です。一回きりの人生、大いに楽しんでください。立子、あなたの母親になれたことに感謝します。
こういう手紙がこの本の中に書かれております。こういうことをしっかりと私
たちの胸に刻みながら、この
学校の基本法の一部
改正を取り組んでいかなきゃならないと思っております。
そこで、いよいよ
質問に移りますけれ
ども──済みません、このたび、
障害の種類や
程度に応じ、特別の場で
指導を行う
特殊教育から、一人一人の
教育的ニーズを把握し、適切な
教育的
支援を行う
特別支援教育へと転換をいたしました。その経緯を教えてください。簡単によろしく
お願いします。