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神本美恵子君 だから、強制はできないということは確認していいですね。──はい。
文科省としては参加されるように一生懸命働き掛けるというのは分かりますが、ただ、犬山市はなぜ参加しない見通しだというふうに言っているかというと、今
文科省、先ほど
目的や
方法を御
説明いただきましたが、その
方法では、犬山市がやっている、それこそ
文科省が推進してきた
地域の特色、
教育の特色を出すというようなそういうことでやってきた施策から見れば、自ら学ぶ力というのを力点を置いてきたと、そのことはこのような
学力調査、今
計画していらっしゃるような
学力調査では測定できないというふうに判断していらっしゃるんですね。それから、特色ある
教育をやっているけれども、それはそれぞれの
地域の目標に応じて総合的に評価されるべきであって、こういう
全国一律の、しかも
国語、算数、数学だけというようなことでは評価されないということと、それから先ほどの
目的の二番目にありましたが、ああ、一番目ですかね、
子供たちの
理解度や
到達度、
学習指導要領に照らしてそういうものを
把握したいということですけれども、それは私も
学校にいた経験がありますけれども、もう毎日の
教育実践の中で、授業実践の中で、この子は掛け算、九九が、まだ七の段がいまいちだなというのは毎日
教育実践の中で評価しているわけですよね。それが、すべての子が上の学年に上がるときにはすべて到達させたいと思いながら、ああ及ばなかったな、そのことは次の
先生に引き継いでいこうというふうにやってるわけですので、この犬山市もそういう視点から今
文科省がやろうとしている
全国学力調査には参加しない、こういう自治体がほかにも出てくるのは当然だと思いますが。
となると、でもせっかくこれだけ、まあ二十九億からその三倍ぐらい掛かりそうなお金を掛けるんであれば、有効な
調査にしなきゃいけないと思うんですね。そうすると、余り今
計画している
方法にこだわることなく、是非有効な
調査にするということを
考えていただきたいというふうに思います。
時間がないので次に行きますが、その有効な
調査という
意味で、今行われようとしているのは小六、中三の全員対象ですね。いわゆる悉皆
調査になっていますけれども、この悉皆の
必要性というのをお聞きしましたら、
学校評価や
教職員評価や、それから
子供たちに返して
子供のつまずきに気付かせるというふうなことでおっしゃっていますけれども、犬山市はそれが要らないというふうに言ってるんですよね。ですから、悉皆
調査はやめるべきだと思いますけれども、それについては、今すぐそういう答えは言えないでしょうね。まあそれはちょっと意見として言っておきます。
で、この
調査項目の中に、私の方にも御
要望いただいているんですが、
調査内容やその
分析ということで重要な問題が
指摘されております。
それは、PISA
調査でも二〇〇三年に行われたということなんですが、
子供たちの
学力というものの規定要因の
一つに、重要な要素として、
家庭環境、
家庭の文化的な、あるいは
経済的、社会的な背景が、
家庭階層といいますか、そういうものが
学力を規定する要因の
一つとしてあるのではないかと。これは、そのPISA
調査では、例えば親の職業や
家庭のクラシックな文化的所有物、そういうものが得点を上げる効果が大きいというふうに
指摘をされております。
これは専門家検討
会議の中でもそういう
指摘があったというふうに聞いておりますけれども、
調査をするならば悉皆ではなくてこのような規定要因もきちっと
分析できるような
調査内容にすべきだと思いますけれども、それについてはいかがでしょうか。