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野村哲郎君
酪農につきましては、北海道の
先生方の専門家がいらっしゃいますんで、以上をもって
酪農の
質問を終わりますが、次に、肉用牛
対策についてお伺いをいたしたいと思います。
肉用牛
対策につきましては、特に子牛資源をどう
確保していくのか、これは私
ども郷里の大先輩でございます山中貞則
先生がもう常に生前心配されていたことであります。このままでいくと子牛資源が枯渇するぞと、どうするんだという
お話を本当に随分聞かされたものであります。
しかしながら、
政府の方でお考えいただいて、あるいは事業化していただいております
地域肉用牛
振興対策事業、あるいはまた、飼養に対する研究、技術
開発が付きまして、今現在繁殖牛の規模拡大が図られているところでありますが、しかし、依然といたしまして小規模農家が多い、十頭未満の農家が大体八割を占めている、そして高齢者である、こういういろいろな
課題を抱えているわけでありますが。ただ、繁殖農家のその規模拡大が従来図られなかったのは、これはやはり牛の持つ生理的、物理的な障害といいますか、そういうものがあったんだというふうに思いますが、しかし近年、非常に、
政府の
皆さん方の技術
開発、研究
開発によりまして、
一つは妊娠の、いわゆる発情発見器というものができました。これによって多頭飼育が可能になったというのがあります。
それからもう
一つは、スタンチョンの
開発であります。これは、スタンチョンというのは初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますが、牛の場合はなかなか、群で飼っておりまして、一匹ずつ引き出すのに大変であります。発情を見付けてもその牛を捕まえるのに大変だと。それが今、簡単に牛が捕まる方法は、えさをまきますとそこに首を突っ込む、そうするとガチャンと締まって首が抜けなくなる、そういうものが、簡単な機械でありますけれ
ども、でき上がった、それがどれだけの省力化につながっているか、これは、現場の
生産者の
皆さん方はやはり画期的な発明だと、こういうふうにも言っておられます。
そういったスタンチョンの
開発が進んできたし、あるいはまた、早期離乳ができまして、
酪農じゃありませんが、
黒牛の繁殖につきましても、もう三日目には子を離してしまう、それによってまた次の発情を早める。いろんなそういった
皆さん方の研究
開発の成果で多頭飼育が可能になってきたのはつい最近のことであります。
ですから、これから繁殖
基盤を
強化していくために、やはり高齢化が進んでいる、先ほど言いましたように、非常に少数の牛しか飼っていない、そういうのを規模拡大していく条件は整ってきたと、そういうふうに思います。ですから、私
どもの
鹿児島では、繁殖を四百頭という規模のもう農家も生まれてまいりました。これは、先ほど言いましたようないろんなことが相重なりまして可能になってきたと。ただ、やはりまだそういうものが
開発されて期間が短いわけでありますが、徐々にそういうものが定着をしてきております。
ただ、もう
一つ、ほとんど今までそういった規模拡大を阻害していた、ネックになっていたのは、今申し上げましたように、大体解消をされつつございますけれ
ども、
一つだけ
生産農家の
皆さんに何が障害として残るか、この
お話を聞きますと、粗飼料だというんです、粗飼料。規模拡大するにはやはり粗飼料が足らないと。
これは、何といいましても、粗飼料の中でも稲わらでございます。私は、昨年のこの
委員会におきましても、まだ口蹄疫が発生しておりませんでしたけれど、やはり国内の稲わらの
活用、
利活用というのを是非やっていただきたいということで、当時の白須
局長の答弁もいただいたわけであります。しかし、まだもって私
どもの南九州、特に稲わらは全国的には約一割ぐらいしか使われていないというふうに思います。
しかし、全国の中でも、我が
鹿児島と宮崎だけが限定して足らないんです。もう域内のわらは全部使っております。だけれ
ども、域内では不足しているんで、今
皆さん方の御協力も得ながら、お隣の
三浦副
大臣の熊本、あるいはまた佐賀の方から、岩永
先生いらっしゃいませんですね、佐賀から融通していただいておるわけでありますが、もうこの稲わらの
確保というのが、繁殖農家もさることながら、肥育農家にとっても大変これは不足いたしております。現在、イタリアンストローはオーストラリアから入れて代替品として使っているんですけど、やはり国内産のこの
安心、安全な稲わらを使いたい、これはもう農家のやはり声であります。
したがって、先ほ
ども申し上げましたが、稲わらが不足しているのは
鹿児島と宮崎に限定されておりますので、熊本の副
大臣、そして宮崎の政
務官いらっしゃいます、是非、小斉平政
務官に、同じ悩みを持っておられる宮崎県の政
務官として、この稲わら
対策をどう取り組んでいただけるのか、ひとつ御所見をお伺いいたします。