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2006-04-11 第164回国会 参議院 内閣委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年四月十一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月十一日     辞任         補欠選任      松井 孝治君     藤末 健三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         工藤堅太郎君     理 事                 西銘順志郎君                 山内 俊夫君                 芝  博一君                 柳澤 光美君     委 員                 秋元  司君                 鴻池 祥肇君                 佐藤 泰三君                 鈴木 政二君                 竹山  裕君                 中曽根弘文君                 山谷えり子君                 喜納 昌吉君                 黒岩 宇洋君                 藤末 健三君                 藤原 正司君                 風間  昶君                 白浜 一良君                 近藤 正道君                 木俣 佳丈君    国務大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    沓掛 哲男君        国務大臣     猪口 邦子君    副大臣        文部科学大臣  馳   浩君        農林水産大臣  三浦 一水君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    政府参考人        内閣府政策統括        官        林  幹雄君        警察庁生活安全        局長       竹花  豊君        警察庁刑事局組        織犯罪対策部長  米田  壯君        外務大臣官房参        事官       辻   優君        農林水産大臣官        房審議官     高橋 直人君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律  案(内閣提出)     ─────────────
  2. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官林幹雄君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 山内俊夫

    山内俊夫君 おはようございます。  銃砲刀剣類等所持取締法の一部改正ということで、日本安全社会、最近は少しやばくなってきたかなと思っておりますけれども、でも、銃所持が自由にできるアメリカと違ってはるかに安全な社会にあることはもう皆さん承知のとおりかと思います。  大臣は就任以来、安全で安心な社会実現努力されていると私たち承知しておりますが、昨年十二月に栃木県今市市における幼女殺害事件のように、大変痛ましい事件が後を絶たないというところでありますが、また、銃器薬物犯罪などの治安の根幹を揺るがすような事案もかなり増えてきております。  こういった中、安全な日本基本的要因、安全な社会である日本要因というものは、私はやはり先ほど申し上げましたように、銃砲刀剣類所持等取締法日本にはしっかりと存在していると、それが大変大きな私は安全な社会を築いているんではないかなと思っております。ただ、自由に持てる国と、日本社会のようにしっかりとその辺りが確立されている国と、大変安全性に違いがあるということも現実であります。  そういったことを踏まえまして、今日現在の治安情勢に関する大臣認識を少しお聞かせいただければと思っております。
  6. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) 平成十五年以降三年間は連続して刑法犯認知件数が減少し、検挙率も上がり、治安に回復の兆しが見えております。しかしながら、今委員言われましたようないろいろな問題が発生いたしております。その一つが、幼児を対象とした凶悪犯罪が続発し、また銃器薬物犯罪も依然として厳しい状況にあります。  これら犯罪のない社会実現を目指して、その取締り強化するとともに、国民の安全、安心を確保するため、地方警察官増員、今年もう三千五百名認めてもらいましたが、さらに防犯情報提供など、犯罪抑止に向けた多面的な取組を推進することが必要と考えております。  警察として、発生した犯罪の着実な検挙に加え、今後とも、防犯ボランティアを始めとした関係方面連携しつつ、犯罪抑止対策を強力に推進するよう努めてまいりたいと考えております。
  7. 山内俊夫

    山内俊夫君 是非その辺りしっかりと、従来の日本社会の安全を確保していただきたいと思っております。  ところで、今日、今回の法案の一部改正でありますけれども、エアガン中心になっておると思います。まあ準銃砲というように言われておりますけれども、これ、ちょっとサンプルも是非ということで、もう委員皆さん方にも持っていただいて、手で、ビジュアルに確認をいただけたらと思う。(資料提示)  といいますのは、私たちは小さいとき、男社会というのはどうしても銃とか刀とかそういったもので遊ぶくせがありまして、まあ、くせというよりもそれが男社会の体質だろうと思うんですけれども、やはり子供時代からおもちゃの中でもこの銃砲類とか刀剣類大変興味を持つ世代でもあったわけですが、ただ、おもちゃの間はいいんですけれども、最近どうも威力を増しているエアガンというものが随分出回っていると聞いております。こうした治安情勢の中で、単なるおもちゃ段階ならいいんだけれども、人を殺傷する若しくは多大なる被害を起こさすような銃砲等のやはり今回の一部改正というものは、私は大変大切なことじゃないかなと思っておりますけれども。  ここで、生活安全局長に少しお聞きしたいんですけれども、こういった中で、国民に不安を与えているという事例が大変多くなってきておりますので、その発生状況、そしてその被害状況も少しお知らせいただけたらと思います。
  8. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 昨年九月以降に、いわゆるエアガンに係る事件多発をして国民の耳目を集めているところでございますけれども、平成十五年から十七年の三年間に、この種のいわゆるエアガンに係る事件を合計百六十五件検挙いたしているところでございます。  この百六十五件の内訳といたしましては、傷害を負わせた事件三十七件、強盗事件に利用されたものが三件、暴行事件になったものとして処理されたものが七十五件、器物損壊事件として処理されたものが四十二件、脅迫事件に使用されたものが五件でございます。このように大きな被害をもたらしている状況にございます。そして、このうち傷害を負わせた三十七件につきましては、すべて今回規制対象としようとしております威力の強いエアガンが使用されたものでございます。  また、これに加えまして、こうした威力の強いエアガン現行銃刀法で既に規制対象となっております改造空気銃改造される事件多発をしてきております。押収されたそうした改造空気銃は、平成十六年には四丁でございましたところ、昨年、平成十七年には七十三丁と急増いたしておりまして、このようにエアガンをめぐる問題は看過できない状況認識いたしております。
  9. 山内俊夫

    山内俊夫君 このようなエアガン使用事件発生状況からすれば、今回の銃刀法改正は遅きに失したのかなという感も否めないんですけれども、これまで警察は、こうした危険性の高いエアガンについてはどのような対策を取ってこられたのか、その辺りをお聞かせいただけますか。
  10. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘のとおり、エアガンに係る規制については、やはりそうしたものがおもちゃとして広範に出回っているという状況もございまして、これまで警察といたしましては、こうした威力の強いエアソフトガンにはやはりそれなりに注目をして心配をしておりましたけれども、そうしたことに対処するために、平成十二年ころから業界団体連携をいたしまして、業界団体が定めた自主規制値、これはできるだけ威力の弱いものにしようというような自主規制値業界団体が定めまして実施をしようとしていたわけでございますけれども、そうした自主規制値を守って威力の強いエアソフトガン製造しないように、こうした製造業者に働き掛けをしてきたところでございます。  そうした努力中心でございましたが、このような警察努力をしり目にいたしまして、業界団体の中でのこうした自主規制に従わない、いわゆるアウトサイダーの業者輸入事業者が出現をいたしまして、こうした自主規制だけではどうも何とも状況は改善できないという、そういう状況に立ち至りましたことから、今回、法の改正をもって対処しようというふうに考えたところでございます。
  11. 山内俊夫

    山内俊夫君 今回、所持規制されるということになった、その先ほどから話が出ている、準空気銃というんですね。これはどの程度威力があるものかどうか。今日もサンプル先ほどから回させていただいておりますけれども、これは現物を見てもらうということで、中には缶を、普通のおもちゃであるやつと、撃ち抜いてしまう威力を持っているもの、これもう両方持ってこさせていただいたんですけれども、その威力程度を少し具体的に分かりやすく説明していただけますか。
  12. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 今回の改正法所持を禁止いたします準空気銃は、このエアソフトガンのうち人を傷害し得るものというふうに考えております。具体的には、発射された弾丸が有することとなる運動エネルギーが内閣府令で定める値以上となるものが規制対象となりますけれども、弾丸に三・五ジュールパー平方センチメートル以上の運動エネルギーを与えるエアソフトガンを準空気銃として規制する方向で検討しております。  先ほど委員先生方で回覧をされておられましたエアソフトガンはこの三・五ジュール以上のものでございますけれども、これをもって一メートルの距離からビールの空き缶に向けて弾丸を発射いたしますと、突き抜けて貫通いたす威力を有しておりますが、これに至らない、三・五ジュールパー平方センチに至らないものでありますと、へこむだけで、缶がへこむだけだという威力として現れるところでございます。  このような形で、かなり顕著に準空気銃とそうでないエアソフトガンについての威力の差がございます。
  13. 山内俊夫

    山内俊夫君 何かジュール何とかっていう難しい言葉が出ておりますけれども、要するに人に向けて発射されるとかなり傷害を発生するというぐらいの威力だということを、漠然とですが理解をさせていただきますけれども。  例えば、昨年、和歌山車両に向けて撃たれたエアガン、基本的にはエアガンだということを聞いておりますけれども、ガラスが割れるほどの威力を持っておりますが、その和歌山で発生した事件、これは、事件の具体的な内容を少し御報告いただけませんか。
  14. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お尋ねの事件につきましては、昨年九月二十六日未明、和歌山県内近畿自動車道において、車に乗った被疑者がけん銃様のものを走行中の他の車両に向けて発射し、車両窓ガラスが割られるなどの被害が相次いで二件発生し、また大阪府下におきましても、走行中の車両等に対する発砲事件が連続して発生したものでございます。  和歌山警察及び大阪府警察連携を図りながら所要の捜査を進めたところ、大阪府警察におきまして同年十月六日に覚せい剤取締法違反で逮捕した二十五歳の男性が本件犯行を敢行した旨を供述したため、十月二十六日に器物損壊罪及び銃刀法違反で再逮捕したものでございます。  なお、このとき被疑者から押収いたしました銃は、準空気銃に該当する市販エアソフトガン改造いたしまして、いわゆる改造空気銃にいたしたものであることが判明いたしております。
  15. 山内俊夫

    山内俊夫君 市販エアガン改造するということですね。これができるにはそれなりの技術が要るんではないか、また、それなり部品が要るんではないかなという気はいたすんですが、今回の改正案は、危険性の高いエアガンの流通を防止するという観点だけではなくて、その改造そのものに対する防止、そういった視点が私は必要なんじゃないかなと思っておりますし、それまでの、この法案提出までのいろんな検討は、そういった部分についてはされたのかどうか、ちょっと御報告をいただけますか。
  16. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) エアソフトガン空気銃改造をされましてその傷害事件等で使用されたこと、こうした事件を受けまして、警察では、エアソフトガン改造防止対策について様々な検討を重ねてまいりましたが、押収いたしました改造空気銃について調査をいたしましたところ、その改造の大本、土台となりましたエアソフトガンはいずれも元々の発射威力が強いものだということが明らかになってまいりまして、ここが流通しないように規制することでエアソフトガン改造についても防止をできるのではないかというふうに考えたところでございます。
  17. 山内俊夫

    山内俊夫君 その空気銃への不正改造ですね、これを防止するためには、その改造土台となるエアガンだけではなくて、その改造に用いられる部品売買、こういったものもかなり規制すべきではないかなと、このように思うわけですが、その辺どうなんでしょうか。
  18. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) エアソフトガン発射威力を高める改造方法といたしましては、中にございますばねなどの部品を強度が強いものに交換するといったような方法があると承知をいたしております。これらの部品一般工業製品等にも用いられております汎用性の高いものでございまして、その規制の在り方については慎重な検討を要するというふうに認識をいたしております。  しかし、エアソフトガン改造に用いられることを知りながらこれらの部品を譲り渡す行為等については、空気銃の無許可製造の幇助に該当いたしますので、これは武器等製造法という、武器製造空気銃製造する法律違反といたしまして検挙をするなど、積極的な取締りを行っていく所存でございます。  また、インターネット等で行われるこうした改造用部品取引に対する監視につきましても、一層強化をしてまいりたいと考えております。
  19. 山内俊夫

    山内俊夫君 今回、そうですね、所持を禁止するということになりますその準空気銃というのは、かなりの数が出回っているんじゃないかなと思っておりますけれども、全部が全部改造するわけじゃないんですけれども、改造してその能力が高まる、人を殺傷するだけの能力に高められるもの、そのベースになるやつですね、これは何丁ぐらい出回っておるんでしょうかね。
  20. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 現在出回っております準空気銃の数でございますが、これは実際、現行法上は規制対象となっていないということもございますし、正確な数量については不明であると言わざるを得ませんが、業界の方々といろいろお話をいたしますと、業界団体の推計では、国内製造販売されたものや輸入をされたもの等合わせまして、現在国内には準空気銃に該当するエアソフトガンは約八十万丁ではないかというふうに見ておるところでございます。
  21. 山内俊夫

    山内俊夫君 数を聞いてびっくりしたんですが、八十万丁ですかね。まあおもちゃ程度ですから、当然もう既に廃棄されたものもあるだろうと思いますけれども、かなりの数がある。そうなってくると、この改正された後、施行後でございますけれども、この準空気銃の密造とか密売に対する徹底した取締りを行ってもらうということは当然なんですけれども、それ以上に、この準空気銃を早急に回収する必要があると考えた方がいいんじゃないかなと思うんですが、その辺りどのような措置を講じられる予定か、それをお聞かせ願います。
  22. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 警察といたしましては、エアソフトガン業界団体とも連携をいたしまして、準空気銃に該当するエアソフトガン所持者に対して、今回の法改正によって準空気銃所持が違法となることを周知をいたしまして、速やかに準空気銃に該当しないものに変えるよう積極的な広報活動を行うことといたしております。  既に、この法案検討段階でも、マスメディアを通じましてこの検討状況が相当広く知れ渡るところとなっておりますけれども、法律ができ上がりました際には、私どもといたしましては、更にマスメディアにも働き掛け、また業界団体にもしっかりとした広報宣伝をお願いするという形で準空気銃所有者に対して、準空気銃でないものに変えるということについて強く働き掛けてまいりたいというふうにいたしております。  また、この改正法案の附則第三項におきまして、エアソフトガン製造事業者販売業者等に対して、準空気銃所持者が行う準空気銃に該当しないものへの変更に協力するよう求める努力義務規定をいたしております。この規定を踏まえつつ、既にエアソフトガン製造事業者業界団体では、各事業者製造販売した準空気銃については無償で変更に応じる意向を示しているところでございます。このようなことも併せて、広く広報してまいりたいと思っております。
  23. 山内俊夫

    山内俊夫君 やはり広報活動をしっかりやっていただいて周知徹底をするということは私は大変大切なことだろうと思っておりますが。  今回の改正により、店頭では確かに大っぴらには販売できなくなる、危険性の高いエアガンが販売されることはなくなるであろうと思われるんですが、車の違法改造もそうですけれども、かなりその改造車自身、またその改造部品をある程度販売することもかなり規制をされております。そうすることによって随分最近は、例えば暴走族の音響が下がったとかいろいろ聞いておりますけれども、この準空気銃にこういったやはり適用を私はしていく必要があると思っておりますけれども、このエアガンというのはガンマニアによって大変、まあこれオタク族も随分いるわけでございます。インターネットも利用されて取引がされるということも聞いておりますけれども、法施行後、準空気銃インターネット上で違法に売買されるということになるということも考えておかなきゃいけないですが、警察はその辺りはどのような取組を考えられておりますか。
  24. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘のように、インターネット上で準空気銃売買が行われ、あるいは準空気銃空気銃への改造の仕方までインターネット上でその情報が流れるという状況が広がっておりまして、昨年、警視庁において検挙いたしました事件でも、そうしたインターネット上に現れた情報察知をいたしまして、それを基に捜査を繰り広げて、こうした準空気銃空気銃への改造事件を摘発した事例があるところでございます。いずれ、今回の法律ができまして、成立をいたしました場合でも、準空気銃に該当するエアソフトガンインターネット上で売買されるということは予想し得るところでございまして、これを防ぐため、インターネット上でのこの種の情報をいち早く察知をして対処をするということが必要であると考えております。  このため、警察におきましては、従来から行っておりますサイバーパトロールというものがございますけれども、こうした活動を更に強化をしていきたいと考えております。また、あわせまして、インターネットユーザーの多くの国民の方がおられますので、こうした国民皆様方からの情報提供も得られるように措置をいたしていきたいというふうに考えております。  本年六月に設置をすることを予定しておりますホットラインという新たな仕組みがございます。これは、インターネット上の違法あるいは有害な情報提供一般国民の、広く国民から受ける団体が、これは民間団体に委託するわけでございますが、こうした民間団体国民からこうした情報を受けて、それを警察やプロバイダーにもたらすという仕組みでございますけれども、こうした仕組みも、多くの国民から情報提供を受けるという点で大きな効果があるというふうに期待をいたしているところでございます。  いずれにいたしましても、委員指摘のように、準空気銃についてはマニアという世界も確かにあるわけでございまして、そのこと自体を否定するわけではございませんけれども、やはりこうしたものを持ちたいという根強い要望もあり、様々な形で取引がなされる可能性もあるわけでございますので、警察としては、そうした状況実態を十分に把握した上で適切に対処するよう努めてまいりたいと考えております。
  25. 山内俊夫

    山内俊夫君 警察当局、非常にいつも地味でありますから、少しこの辺りは、インターネットという社会はもっとある意味では活用するという、逆に活用して、しっかりと広報活動インターネットも通じてやっていただきたい。そうすることによって、やっぱり日本社会がより安全で安心な社会になるということに大変私たち期待をいたしております。この運用方法には十分配慮しながら、是非一生懸命取り組んでいただきたいと思っております。  ところで、もう最後になりましたが、ちょっと予定よりも早くなりました。大臣にもう一度お聞きをしたいんですが、近年、安全で平穏な生活を求める国民要望というのは大変大きくなってきておりますが、ところが、やっぱり犯罪というのは、もう常に多種多様化して変化もしてきております。ますますその犯罪も高まって、日本社会、今まで安全だったなと言いながらも、その安全神話かなり崩れ掛かってきた、検挙率も少し落ちてきているという実態もあります。  そういったことも勘案しながら、今後、警察が果たす役割というのは大変我々は期待もしておりますし、いろんな意味警察官増員ということも、我々も図って予算も増やしてきておるわけでございます。今回の法改正、その一部でありますけれども、国民生活の安全を確保して、そして国民不安感を取り除くためにも大変大きな私は意味があると思っております。それにも増して必要なのは、今回の法改正を踏まえて、警察が一層銃器犯罪の根絶に向けて全力で取り組んでいただきたい。大臣のその辺りの所感並びに決意などをお聞かせいただいて、最後の質問にさせていただきます。
  26. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) 今回の法改正は、国民の安全を守るためのものであり、警察といたしましては、法施行後、準空気銃にかかわる犯罪取締り全力で取り組むことはもちろんのこと、今後とも、銃器犯罪のない社会実現を目指して、国内外の関係機関との連携強化を図りながら、密輸・密売組織の壊滅、暴力団武器庫の摘発、広報啓発活動の推進など、総合的な銃器対策を積極的に推進するように努めてまいりたいと考えておりますが、今日は大変委員から貴重な御意見もたくさんいただきましたので、そういうものも参考にしながら、世界一安全な国日本の復権のために全力を挙げていきたいというふうに考えております。
  27. 山内俊夫

    山内俊夫君 どうもありがとうございました。
  28. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) よろしいですか。
  29. 山内俊夫

    山内俊夫君 はい。     ─────────────
  30. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 委員異動について御報告いたします。  本日、松井孝治君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。     ─────────────
  31. 芝博一

    ○芝博一君 民主党・新緑風会の芝博一でございます。  今日は銃器対策改正法につきまして質問させていただきたいと、こう思います。  その前に、具体的なエアガン規制に入ります前に、全体的な銃器に対する取組について、特に昨今の銃器対策全般について最初にお尋ねをさせていただきたいと、こう思います。  平成七年、政府におきましては、最近の厳しい銃器情勢にかんがみ、銃器対策について、関係行政機関相互間の緊密な連携を確保するとともに、銃器に対する強力な取締り国民の理解と協力を求めるために広報啓発その他総合的かつ積極的な施策を推進するために、内閣に銃器対策本部を設置されました。以来、相当年数がたつわけでありますけれども、これは毎年毎年、銃器対策推進計画を立てて、具体的な取組を行いながら、銃器に対する取組を今日まで行ってきたと聞いております。  そこで、銃器対策の副本部長を務める猪口大臣に、平成十七年度の銃器対策推進計画、これは現在どこまで進捗をして成果を上げているのでしょうか、その総括についてお聞きをさせていただきます。
  32. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 芝先生にお答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、この本部の下におきましてこの基本計画が毎年決定されまして、そして前年度の取組についてのフォローアップを行うという形でこの分野の施策が推進されてきているところでございます。  現在は、いろいろな連携の中で、平成十七年においてまずどういう成果があったかの分析と、今後どういう課題があるかというところを検討しているところでございまして、例えば、銃器発砲事件の発生件数、死傷者数ともに過去最少を記録してございます。また、けん銃使用事件の認知件数も過去十年間では最少であったということから、銃器犯罪一般につきまして一定の歯止めが掛かったというような成果を認めているところでございます。  他方で、もう既に御議論があったと承知しておりますけれども、エアソフトガンに係る事件が増加しております。また、暴力団情勢の悪化が懸念されるということなどもございますので、銃器、いわゆる情勢全体ですね、これにつきましては予断を許さない状況であると考えております。  その中で、この推進計画に基づきまして積極的に施策を推進し、また今後の対策についても検討しているところでございます。
  33. 芝博一

    ○芝博一君 今大臣の方から平成十七年度の今日までの進捗状況と成果についても概略をお聞かせいただきました。改めてその成果はあるんだろうと認識をしております。特に、今言及されましたように、銃器等の発砲事件等々の減少であったり、銃器等を使用する事件の減少等々、減少傾向にはあるものの、まだまだ予断を許さない、こんな状況も続いていることも反対に現実であります。  そこで、今大臣の方から、今は前年度、すなわち平成十七年度の、失礼、十六年度のできなかったことについて、要するに目標に達成できなかったこと、推進が十分いかなかったことについてフォローアップをどうしていくのかという検討をされているというようなこともお聞かせをいただきました。  現実に十七年度は、取組を立てて目標設定をして、どの点がどのような形で十分な成果を上げられなかったのか、その点が分かりましたらお伝えください。
  34. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 先生御指摘のとおり、銃器をめぐります全般的な情勢につきまして非常に懸念される要素がたくさんございます。特に、海外との関係におきます銃器の、不法銃器の流入でございます等のことから、水際対策強化が重要であるという認識の下に、水際対策の的確な推進、その他銃器犯罪に関する徹底的な捜査や調査、このようなことは順調にこの推進計画に基づいて推進していると評価できると思いますが、今後、今度十八年度のこの推進計画を考える際に、むしろ我々の方の取組の不足というよりも、我々を取り巻く諸状況の変化、特に国際環境をめぐる変容につきまして十分な分析をし、海外からの銃器の流入等を徹底阻止する必要があると、現在のところ認識しています。
  35. 芝博一

    ○芝博一君 今大臣から、昨年度から今年にかけて、まあ十七年度にかけてという部分でありますけれども、そこの部分のお話をいただいた部分、御説明いただきましたけれども、十八年度の部分にも言及をいただきました。改めて、平成七年から逐次現状に合わせながら上昇志向でそれぞれの対策を組んできていただいたと、こう思っておりますけれども、効果は、成果は上がっているものの、やっぱり状況の時代に追い付いていない部分も多々あるんだろうと、こう思っております。  それは、今、水際対策等々のこともありましたけれども、特に昨今、私どもが印象に残りますのは暴力団の銃器等々を使った事件の発生であります。この部分については、大変一般の市民も巻き込まれるというような大きな事件にも発展することも事実であります。そこの部分がある意味ではまだまだ対策が遅れているのかなという思いをするわけでありますけれども、改めて、間もなく開かれるであろう平成十八年度の銃器対策推進計画の中において、大臣としてはどの点を、どんな部分を重点的に取組として考えているのか、その決意を聞かせていただきたいと思います。
  36. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) ありがとうございます。  私は、先生の御指摘は誠に真実であると思います。この銃器犯罪というものは正に平穏な市民の日常をある日突然、直接かつ重大な形で恐怖に陥れるものでありますので、社会としてはこの絶無を期すために全力を尽くさなければならないと、まずその基本認識をこの十八年度の銃器対策の推進計画を考えるに当たって深く抱いていきたいと思っております。  その上で、先ほどお伝えしましたような国内での取締り強化ということと併せて、我が国を取り巻く諸情勢の環境変化、情勢変化を着実に見据えて、特に我が国において押収される真正のけん銃、つまり改造されているとかそういうものではないけん銃の大部分が外国製のものであるということが調査から分かっていまして、このような実態を踏まえれば、国内取組、そして取締りの機関が連携して特に水際対策強化をすることが重要であり、また対外的にも協力を強化しながら、海外からの銃の流入をどう防ぐことができるかということを考える必要があると感じております。  私は、以前にジュネーブや国連におきまして軍縮大使として、小型武器、これはここで論じているこの銃器を含む小型武器取締りと軍縮につきましての国際的なプロセスに力尽くしたことがございます。現在は、国内からどういうふうに、そのような国際的な環境の悪化に伴って国際プロセスにおいて一層取締り強化しなければならないようなこのような銃器の部分について、国内の側からどのように取組強化しなければならないかということを考える立場の担当大臣でございますので、全力を尽くして十八年度の推進計画を取りまとめてまいりたいと考えております。
  37. 芝博一

    ○芝博一君 この銃器対策につきましては尽きることのない永遠のある意味では課題だろうと、こう思っておりますから、気を緩めることなく、十八年度におきましても大いなる成果を上げていただきますように取り組んでいただきたいと、こう思っております。  今も大臣の答弁の中から、銃器に対する部分はほとんどが海外からの流入であって、外国製が多く事件に使われている、また日本に入ってきていると、こういう話もございました。  そこで、日本とその国際的な関係の部分について改めてお尋ねをしたいと、こう思うわけでありますが、国連におきまして、国際的な組織犯罪の複雑化や深刻化を背景として、国際組織犯罪防止条約、そして、それに併せて人身取引や密入国に関する議定書が二〇〇〇年の十一月の十五日に採択をされました。続いて、二〇〇一年の五月の三十一日に銃器に関する議定書が国連で採択をされました。  ここの部分について、当然ながら、今申し上げましたように、一国だけで銃器対策が図れません。世界の中で大きな位置付けといいましょうか、銃器に対する位置付けの認識もございますけれども、現在、この国連で採択、採決をされました国際組織犯罪防止条約、そしてそれに附帯する人身取引、密入国、銃器に関する三つの議定書、現在我が国の署名状況はどうなっているのか、お教えください。
  38. 辻優

    政府参考人(辻優君) お答え申し上げます。  今、委員から御質問のございました国際組織犯罪防止条約並びにそれを補足いたします三つの議定書の件でございますが、国際組織犯罪防止条約につきましては平成十二年十二月に署名を済ましてございます。その他三件の議定書、人身取引、密入国、銃器に関します議定書につきましては平成十四年十二月に署名を済ましてございます。  以上でございます。
  39. 芝博一

    ○芝博一君 条約並びに三つの議定書については既に我が国としては署名をしていると、こういうことであります。  で、これらの条約並びに議定書は、署名しただけでは、ある意味では形だけのものでありまして、効力を発揮いたしません。当然ながら、それを補完するといいましょうか、効力を発揮するために法的な整備をして、ある意味では国会の承認を得ないと実効が上がってこないのも事実であります。  そこで、三議定書の国会の承認状況について御説明ください。
  40. 辻優

    政府参考人(辻優君) お答え申し上げます。  今御質問のございました人身取引、密入国及び銃器に関します三つの議定書の国会で御承認いただいている状況でございますが、人身取引議定書及び密入国議定書につきましては平成十七年六月に国会の御承認を得ております。  ただし、銃器議定書につきましては、現在まだ国会の御承認をいただく状況にございません。可能な限り早期の国会提出に向けて関係省庁とともに鋭意検討を行っている、こういう状況でございます。  以上でございます。
  41. 芝博一

    ○芝博一君 人身取引と密入国の議定書については平成十七年に既に国会承認を終わっている。しかし、銃器についてはまだ国会承認が終わっていないという、こういう答弁でありました。  なぜ銃器に対する議定書がいまだに国会の中で承認を得られていないのか、ここは大変大きな問題であります。この銃器に関する議定書の内容、概略を申し上げますと、銃器等の不正な製造及び取引防止し、これと戦うための協力を推進するため、国際的な法的枠組みを構築することを目的とした議定書であります。しかし、まだ現在、我が国においては法的な整備が進まないという部分から、国会でその承認が得られていません。  そこで、改めて、今御答弁もいただきました猪口担当大臣先ほどからも国際的な立場、海外との連携等々も言われましたけれども、なぜ国会でまだ承認がこの議定書に対して得られていないんでしょう。その理由をお尋ねいたします。
  42. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 恐れ入ります。  おっしゃいますとおり、国会におきます決定をもってこの条約を批准することができるか、また議定書の締結をすることができるかということでございますが、まず私といたしまして、銃器等の不正な製造取引防止、これと戦うためには締約国間の協力を推進し、国際的な法的枠組みを構築することが必要であると。したがって、この銃器議定書の締結に向けて努力する必要があると考えております。  現在のところ、例えば銃器製造日、製造のときですね、それから輸入時の刻印など、こういう新しい制度の創設が求められております。銃器への刻印、記録保管、輸出入管理等、私は国際の部分をやりましたので、そういうところに関する制度が必要でありまして、そのような制度を確立すべく、国内関係法令を、国内担保法の整備と申しますが、そういう関係法令の整備を図る必要がございます。  そして、先ほど先生御指摘のこの十七年度の銃器対策推進計画におきましてそれを記載してございます。国際協力の項目を見ていただけますれば、このように記載してございます。国連国際組織犯罪条約補足銃器議定書の締結に向けて、銃刀法等関係法令の整備を図る、そして国内法の検討作業に協力する、国内担保法の整備等につき引き続き検討を実施していく、その他国際協力の部分につきまして書き込んでございますので、そのように積極的に取り進めてまいりたいと考えております。
  43. 芝博一

    ○芝博一君 猪口大臣取組の姿勢といいましょうか、考え方は分かりました。  私は、まず聞きたいのは、人身取引や密入国はある意味ではスムーズな形で法整備がされて国会承認がされています。銃器がされていないという、なぜ、どんな理由があってされていないのかということが、少し、今のお話では法整備がされていないという説明しかありませんでした。法整備をされない理由、具体的にお教えください。
  44. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 人身取引等の他の分野でも具体的な取組の事務を詰めることは非常に難しい部分が多々あったと思いますが、それはなされたわけでございます。そして、銃器につきましても、実際には、国際的な観点からどの水準のものが求められているか、どのような対応が求められているかということにつきまして、国際的な部分の要求されるところも全般状況としては非常に高度化しているという私は印象を持っております。  そして、この議定書が義務付けている内容は、先ほど申し上げましたような刻印、これマーキングと呼ばれるものです。これは不法に銃が転売され、その責任を、それを取り締まるためにはそのルートを追尾できなければならない、トレーシングと言いますが、そのようなことのためにもまず銃がマークされていなければならない。刻印、そしてすべての取引に関する完全な記録保管、そしてもちろん輸出入の管理等、事務的にその制度を、かつ日本の場合は非常に確度高い制度を条約議定書の締結において構築する努力を誠実にする国家でありますので、そういうところの詰めにつきまして鋭意政府として努力しているところでございます。
  45. 芝博一

    ○芝博一君 なぜ法整備が順調といいましょうか進んでいないのかという部分で、二、三、例えば銃器の刻印の問題とか記録の保持等々に言及をされました。これは内閣だけで調整ができてすべての法整備がそろうものではないと私は認識をしておりますけれども、この銃器議定書、すなわちこれ国会承認まで話を進めようと思いますと、関係する省庁はどことどことどこになってくるんでしょうか。
  46. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 主に警察庁、外務省、経産省、法務省でございます。
  47. 芝博一

    ○芝博一君 この各省庁間の調整が当然ながら要るということでありまして、外務省、警察庁、経産省、法務省が主なところであると、こう今も答弁いただきました。  今、大臣の答弁でいろんな問題点がありましたけれども、同じ共有認識かどうか、まず警察庁と外務省、この銃器の議定書に対する問題把握についてお答えください。
  48. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 銃器議定書にかかわる法整備については、銃刀法改正を要するものと認識をいたしておりまして、そのための準備を鋭意進めてきたところであり、今後もできるだけ早期に準備が整うように努力してまいりたいと考えております。
  49. 辻優

    政府参考人(辻優君) お答え申し上げます。  先ほど、この銃器議定書の目的につきましては委員の方から御説明ございまして、私ども、この議定書を締結いたしますことは、銃器等の不正な製造取引防止する等の見地から極めて有意義と考えてございまして、外務省は条約を所管する省庁でございますので、関係省庁と御相談をさせていただきながら、先ほど猪口大臣からも御説明ございました、いろいろと国内法の整備の問題、これについて鋭意検討をするよう努力をしてございまして、可能な限り早期の締結を目指して努力して、続けてまいりたいと思います。  以上でございます。
  50. 芝博一

    ○芝博一君 警察庁さん、外務省さん、取組と姿勢を聞いているんじゃないんです。  今、時間が掛かって調整ができないと言われている問題点は大臣から二、三御報告をいただきました。刻印の問題であるとか記録登録の問題とか、いろいろなことがありました。  それぞれの中で、それだけじゃない、だから調整ができないと私は理解しているんですが、改めて何の問題が、課題があって調整がまだか、どうかということを具体的にお答えください。答えになっていません。
  51. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 現在、法整備について詳細な検討を進めておるところでございまして、それは非常に実務的な問題として時間も掛かっているということでございまして、警察庁といたしましては特段何か具体的な支障があるという問題ではございません。
  52. 辻優

    政府参考人(辻優君) お答えいたします。  国内法の整備ということでございますので、今警察庁の方からも御説明がございましたけれども、特に刻印の在り方の問題、それから記録の保持等も含めまして関係省庁に鋭意御検討をお願いしているところでございまして、できるだけ早期にやるという姿勢だけで恐縮でございますけれども、引き続き努力をさせていただきたいと思います。
  53. 芝博一

    ○芝博一君 そうすると、時間的な部分でまだそんなにまで至っていないという理屈だと思いますけれども、問題点、何が問題かということは同じ共通事項だろうと、こう思っております。  そこで、銃器対策の推進本部として担当されている猪口大臣に、これらの関係省庁を早急に働き掛けをいただきまして、私は一刻も早く承認をして国際的な取組を進めていくべきと考えておりますけれども、改めて、できるだけ早くじゃなしに、いつごろまでに、今十八年度の推進計画の中でも取り上げているというお話がございましたけれども、それでは十八年度で承認ができるような形で取組をするのか、いやいや時期はまだ分かりませんよという状況なのか、その見通しについて具体的にお答えください。
  54. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 大変難しい質問をいただいたのですが、まず非常に重要であるという認識を、この内閣委員会の場を通じましても、また先生の御質問に答弁させていただく形をもっても改めて再確認できたところでございます。  私といたしましては、まずこの推進本部の副本部長としての立場であり、本部長は官房長官でいらっしゃいます。その下で万全の努力をもって働きたいと考えております。また、銃器対策特命担当大臣でもありますので、そういう観点からは、行政各部の施策の統一を図り、必要であるならば、総合調整に関する事務をつかさどる立場にございますので、最善の努力をもって、関係省庁の足並みがそろい、連携が深まり、先生御指摘のこの必要なることにつきまして早期に取り組み、実施できますよう最善の努力を尽くす所存でございます。
  55. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、人身取引や密入国についても、それなりのいろんな課題を抱えた中で、平成十七年六月に、いろんな調整をしながら現実に国会の中で承認をいただいて効力を発揮するところまで来ているんですよ。銃器に対しては、今足並みをそろえ調整をしながらという形であります。課題をいろいろ、二、三言われましたけれども、具体的に課題が分かっているならその調整をしながら、推進計画の中でも取り組むというだけじゃなしに、十八年度なら十八年度で承認に向けて取り組むというぐらいの具体的目標を掲げて私は早急に対処しなければ、ある意味では推進計画も空念仏に終わってしまうわけですよ。現状の追認にほかならない、こう思います。時代は国際的な関係で一刻も、深刻な状況になっているわけでありますから、再度その辺をこれから開かれる推進計画の中で、まず目標設定として大臣の強いリーダーシップを発揮されるお気持ちはございませんか。
  56. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 既に私として最大級の決意を述べたつもりでございます。  私は、この分野につきまして、先ほどから答弁させていただいておりますとおり、その専門性にかんがみ、かつて国際的なプロセスにおいて専門家としてまた日本の大使として活動したことがございますので、その込み入った内容、そしてまた世界各国の取組かなり変化してきているというようなことも理解しております。そのような私なりに理解していることも含めて、現在のこの特命担当としての任務に生かしつつ、全力を尽くして、この十八年度の推進計画をこれから策定するところにございますが、先生の本日の御質問の内容につきまして深く重く受け止めて対応してまいりたいと思っているところでございます。
  57. 芝博一

    ○芝博一君 考えようによれば、大臣、今日これから本来の目的でありますエアガン、すなわち準空気銃規制法施行よりも、今申し上げましたような議定書の締結の方が大きな意味では大事な意味があると思っているんですよ。そこのところをしっかりと認識をいただいて取り組んでいただきますことを、これ以上議論しても前へ進まないと思いますから、大臣の決意を十分述べていただいたと把握して、十分に対応、対策を、そして早急に国会に提出されることを御要望して、この件については終了させていただきます。  続いて、本来の準空気銃関連についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  先ほどから同僚議員からの質問等々もございましたけれども、今回の規制対象となる強い威力を持ったエアガン、これは推計で八十万丁という御報告をいただきました。でも、これも恐らく先ほどの答弁で推測だろうと、こう思っているんですね。  この根底になる全体のソフトエアガン、ここの普及状況、その方の推測についてもお答えください、警察庁。
  58. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 業界団体からの説明によりますと、エアソフトガンと称されるものを年間約百五十万丁市場に出荷をしているということでございます。
  59. 芝博一

    ○芝博一君 今の警察庁のソフトエアガン、それから先ほど規制対象となる準空気銃の八十万丁についてもほとんどが業界からの情報を基にされているんですね。ところが、業界以外で、各マスコミ、新聞社では百五十万丁の一般ソフトエアガンが出回っている、いや三百万丁、いやいやもっとあって四百五十万丁から五百万丁ですよ、こんな報道も、情報もあるわけですよ。私はその推測の根拠が非常にあいまいだと思っているんです。ソフトエアガン自体でそんな部分でありますから、その中で規制対象になる八十万丁も果たして正確かどうか、もっともっと出回っているんではないか、こう思っているんです。  そこのところをしっかりと踏まえながら以下の質問をさせていただきたいし、この対応策も取っていただきたいと、こう考えているわけでありますけれども、先ほどからの御報告で、例えば平成十五年から十七年度まではこのソフトエアガン、大多数出回っているソフトエアガンによる犯罪が百六十五件検挙した、この御報告をいただきました。その中で、今回の準空気銃を使用した事件は五十五件と言いましたか、三十五件と言われましたか、ちょっと聞き逃したので。
  60. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 五十五件でございます。
  61. 芝博一

    ○芝博一君 五十五件が起こっているわけでありますけれども、本来、今回このエアソフトガンを準空気銃として規制しようとしたのは、先ほど委員からも発言がありましたように、このソフトガンを使って多くの事件、事故が起こっている。ある意味では規制するには遅きに失したという感もございますけれども、ある意味では当然ながらの今回の規制であろうとも考えます。  しかし、これだけ多く出回っているソフトエアガン、これを規制する規制値は、先ほど、一メートル離れたところから一平方センチ当たりで三・五ジュール以上の威力を発揮するものという、こんなことを考えていると御報告いただきました。現実にどんな銃で撃てば、あの先ほどの空き缶に空いた穴、威力等々も御明示をいただきましたけれども、よく実態といいますか実感がわかないんであります。    〔委員長退席、理事柳澤光美君着席〕  先ほどの空き缶でありますけれども、これは今、内閣府令で基準を考えていますけれども、三・五ジュールで撃った穴なのか、それとも最高値の二十ジュールまで行った穴なのか、ここにも大きな開きがあるわけであります。もっと分かりやすく説明いただけませんか。
  62. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 先ほど回されましたビールの空き缶に対して、穴が空いているものでございますが、また先ほど委員の間で回覧をされましたエアソフトガンの強度についてでございますけれども、一つは四・六ジュールパー平方センチ、一つは四・二ジュールパー平方センチでございますが、このいずれで撃ちましてもあのような形で貫通した穴が空くものでございます。  いずれ、こうした三・五ジュールパー平方センチ以上の威力の強いエアソフトガンの強度は、人の生命に危険を与えるほどのものではございませんけれども、人の皮膚を挫滅する、そうした威力を有するものでございます。
  63. 芝博一

    ○芝博一君 先ほどの空き缶の例は四・二と四・六ジュール威力で撃ったものと、こういうことでありますけれども、そうすると、二十ジュールに近い値になるとどれぐらいの威力があるのかというのはもう想像が私どもはできません。ここにいる先ほど空き缶を見て銃を見た人もしかりでありますけれども、国民はもっと分かりにくいわけであります。  是非、この規制値が三・五ジュール空気銃の手前の二十ジュール以下という、ここの部分が具体的に、例えば身体に傷害がある、こう言われますけれども、傷害にも低いジュール威力と高いジュール威力では大きな差があろうと思うんですね。もう少し分かりやすく説明いただけませんか。
  64. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘空気銃威力を有するものと考えております二十ジュールパー平方センチのものについてでございますけれども、やはり空気銃というのは一つの武器ということで、従来から銃刀法規制対象としてきたものでございます。  一方、エアソフトガンと申しますのは、子供が玩具として使うものを含めた、広く言わばおもちゃとして使用されてきたというベースが一つあるわけでございます。  そこから出発いたしまして検討いたしますと、三・五ジュールパー平方センチといいますのは、おもちゃとしては強過ぎる威力だとだれもが感じられるものであり、現実に人の皮膚を撃ちますとその皮膚を挫滅をするという、傷害を与え得る能力を持っているものと考えるものとして相当の、ジュールというのは基本的には運動エネルギーを表す単位でございますので、そうした三・五というのは一つの目安として相当のものではないかということを考えているところでございます。
  65. 芝博一

    ○芝博一君 この威力について、私も、今説明いただいても十分にのみ込めない、具体的に見てみないと分からない部分があろうと、こう思っております。そこのところについては後ほどまた質問をさせていただきますけれども。    〔理事柳澤光美君退席、委員長着席〕  先日来、電気製品の安全管理に関するPSE法で大変混乱が起こりました。これは、一に周知徹底が遅かった、十分でなかったと、こう言われております。そして経産省の運用が一転し二転したと。大変混乱をいたしました。今回のこの準空気銃規制においても、そのことが非常に心配をされるわけであります。  現実に、今ソフトエアガン所持する人、製造輸入をする人及び一般国民に対して私は広く広報啓発をし周知徹底をしなければならない、そうでないとまた同じように、PSE法と同じような混乱が起こると危惧をしております。  具体的な方策をお考えでしたら、公安委員長から御説明をいただきたいと思います。
  66. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) 委員指摘のように、徹底した広報活動というのは必要だというふうに思っておりまして、改正法施行に当たりましては、早々、趣旨について広報啓発を行うことが重要であることは委員指摘のとおりでございます。  警察に対しては、ホームページあるいはビラあるいはパンフレットなどを活用することによって、現にエアソフトガン所持している者を含め広く国民に、今回の法改正によって準空気銃所持が違法となることを周知させたいと考えております。  また、業界団体に対しましても、エアソフトガンの購入者名簿等を活用するなどして、特に準空気銃に該当するものを所持している者に向けて、速やかに準空気銃に該当しないものに改めることを呼び掛けるよう求めていきたいというふうに思っております。  何はともあれ、今委員のおっしゃられたようなこの広報活動は、今回のような改正において極めて重要と認識しておりますので、徹底してやっていきたいというふうに考えております。
  67. 芝博一

    ○芝博一君 是非早めの、これでいいではなしに、徹底した周知徹底をお願いをしたい、これがまさしく混乱を防ぐまず第一歩であろうし、改めて、所持をする人がきちっと対応するためには、所持をする人にきちっと対応してもらうためにもこの周知徹底を是非ともお願いをしたいと、こう思います。  その観点で、ガンマニアの中には、準空気銃に当たることが分からない、当たるかどうか分からない、そのまま所持するケースも考えられます。といいますのは、今、三・五ジュールという大変難しいような専門用語で広報をしているわけでありますから、ガンマニアでも分からない、一般国民は分からないわけですよ、その威力について。  そこで、今自分が持っている、所持している銃が今回の準空気銃規制値に当てはまるかどうか、規制対象になるのかどうか、これを確認する方法、これをどうお考えか、お教えください。
  68. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お持ちになっておりますエアソフトガンが法の規制対象になるかどうか確認をしたいという方々がおられるということも念頭に置きまして、この法律施行になりましたら直ちに、警察庁あるいは都道府県警察本部のホームページを活用するなどいたしまして、確認をしたい方々はこういう警察署あるいはこうした業界団体のこういうところに御連絡をくださいということも含めまして、広報活動に取り組みたいと考えております。  また、もちろん、どうすればよろしいですかというお問い合わせがありましたときには、最寄りの適切な場所を御案内するように努めてまいりたいと考えております。
  69. 芝博一

    ○芝博一君 ホームページ等で案内をすると、署とか団体と、こう言われました、確認する場所を。  署と団体というのは、警察署は各警察署ですね、それは分かると思うんですけれども、各種団体とか適切な場所というのは具体的にどういうところを指すんでしょう。
  70. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 私の発音がいけなかったかと存じますけれども、警察施設、警察署にもこうした測定をするところができるところを設けることになると思いますので、そのような警察署の名前。それから業界団体も、業界団体の施設がございますので、そうした確認ができる機能を持ったものを設置をしている場所でございます。それは今後、業界団体とも相談をしながら、どういうところを広報していくのかということについては詰めてまいりたいと考えております。
  71. 芝博一

    ○芝博一君 各署とか団体の設置する場所ということであります。  そうすると、それは全国で相当数設置されなければ、ある意味では、地方の人が東京まで来て、名古屋まで行って、大阪まで行ってというような状況が起こりかねません。売った販売店等々でも気軽に手軽にその測定ができて、自分の持っている銃が規制対象になるかならないかと分かることがまず大事だと、こう思っているんですけれども、そこまでの体制を組んでいないような御答弁であります。  私は、この測定する部分、相当数の整備をしないと五十万丁の確認も八十万丁の確認もできないと、こう思いますし、改めて、これはよく知識のある方なら個人でも測定できる数値なんですか。方法なんですか。
  72. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 簡易にこのエアソフトガン威力を測ります機械、これはエアソフトガンの弾速測定器と一般に言われているものでございますけれども、これは市場において安価で販売をされております。したがいまして、非常に、マニアの方で多数のこうした銃をお持ちの方であればまあ手に入れてもおかしくない程度の安価なもの等もございますし、また業界団体や販売所、またもちろん警察においてもできる限りこうした機械を、まあこれは簡易のものでありますけれども、そうしたものを設置するように努めてまいりたいと考えております。
  73. 芝博一

    ○芝博一君 できるだけ手軽にその確認ができるという体制、場所を整備いただきたいと思います。  そうすると、確認をした、私が例えば持っているエアソフトガン規制対象にならない、なるは別にして、もう要らないよと、どうぞこれを、例えば警察署行って、若しくは業界団体のその施設で、販売店で処分をもうしてしまいたいと。こうしたときには、それはだれがどのように責任を持って処分をしてくれるのか、そしてその処分に対する費用負担等々は発生するんでしょうか。
  74. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 警察施設にお持ちになって処分を依頼されましたら、私どもは快くこれを受け入れまして、基本的にはこれを分解をいたしまして、エアソフトガンとしての機能を失わしめた上、ごみとして焼却をする。その処理の費用は、まあこれは他のごみと併せて焼却をする、処理をするということになろうかと存じます。  業界団体におきましても、現在その点についても話合いを進めておりますけれども、処理をゆだねられれば同様な形で処理をいたすことというふうにこれから話をしていきますけれども、多分そのような形で警察と同じような処置をとられるものと承知をいたしております。
  75. 芝博一

    ○芝博一君 相当数、今回の規制によってもう処分したいよという人がいると、警察署へ行けば当然ながら今責任を持って分解をすると、こういうことでありますけれども。ある意味では販売業者に、店頭へ持っていって処分をしてくれと、また個人で処分をするような方も見えると思うんですけれども、いずれにいたしましても警察なり各都道府県、それから関係団体との連携、連帯をより綿密に組み立てていただきまして、そこの対応をきちっと図っていただきたい、こう思っております。  そこで、マニアの中には、検査に行く、要するに自分の銃が規制対象になるかならないか、若しくはきちっと警察署へ行って処分してくださいと、これも面倒だと、手間が掛かる、だからもう要らないんだ、そうしたときにはもうほってしまおう、放棄しよう、廃棄しよう、こんな方がたくさん出てくるだろうと予測をしております。ところが、ごみ捨て場に捨てられたり、道端に捨てられたり、畑や田んぼに捨てられた部分、そこから知らない人の、大人でも子供でも拾ってきて二次的な事件や事故が発生する可能性が大いに考えられます。そこのところをどのような対策を取っていくおつもりか、お聞かせください。
  76. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 確かに、委員指摘の懸念もあろうかと存じます。したがいまして、法施行相なりました際には、そうした処理の在り方についても、事前に広くこうしたエアソフトガン所持者に対して広報啓発活動を進めていくということで対処してまいりたいと考えております。
  77. 芝博一

    ○芝博一君 この辺についても、私は、法施行前に限らず、施行後に限らず、大いに広報啓発をしないと、本当に無責任にほってしまう、放棄してしまう、廃棄してしまうという事例が出てくると思います。そこのところはしっかりと対策と啓発をしていただきたい。これはもう要望であります。  ところで、法施行後六か月は経過措置があります、改修等々の、威力を落とすための。それはいいとして、六か月たって以降、自分は所持を忘れていて出てきたよ、若しくはそのときには所在が不明であった、それが例えば法施行後出てきた。それが発覚したときには、その所持者は処分を受けて罰則対象になるんでしょうか。
  78. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) その準空気銃所持について、あったことを忘れていたというのは、それはもう、所持をしていたという、まあ故意といいますか犯意がございませんので、まあもちろん具体的な事情によるわけでございますけれども、そこら辺のことについては、事実認定いかんによりまして犯罪が、この銃刀法違反にならない場合もあろうかと思います。そこら辺は、事実関係様々ございますので、事実関係よく確認をした上で、もちろんこれが銃刀法違反として措置すべきものであれば措置をいたしますけれども、今委員指摘のような状況であれば銃刀法違反にならない場合もあろうかと存じます。
  79. 芝博一

    ○芝博一君 そこのところは、法律ですから、きちっとした基準を設けて、各都道府県警なりそれぞれの現場へ通達をしてもらわないと、各都道府県警で扱いが違うようでは困るわけでありますから、改めて、再度そこの運用基準というものをしっかりと定めていただきたい、こう思います。  ところで、現在、全国の各地方自治体では青少年健全育成条例の中で既に早くから青少年のためのソフトエアガン規制を行っております。例えば、この東京都では、満十八歳未満の青少年に五十センチ離れたところから〇・一三五ジュール以上のソフトエアガンは売ってはならない、売った場合は業者を処分対象とする、すなわち違反、罰則対象とすると、こうなっております。  ところが、今回のこの準空気銃の扱いの基準値、そして罰則の対象等々について大いなる不整合がある、整合性がない、こう思っているんですが、ここの部分の運用について、国家公安委員長はどのような形で整合性を持って、そしてどのような関係になるのか、お答えください。
  80. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、現在でも多数の都道府県、今四十一都道府県かとは思いますが、青少年健全育成条例等によりエアソフトガンが有害玩具として規制対象とされておりますが、これらの条例は青少年の健全育成を目的とし、青少年へのエアソフトガンの販売等を規制しているものであります。青少年への販売を規制するという立場からのものでございます。  一方、今回の改正法は、準空気銃による危害の発生を防止するため、何人に対しても準空気銃所持を禁止するものであります。改正法において規制対象とする準空気銃威力の詳細については今いろいろ検討しておりますが、今、先ほど来もお話のありましたように、銃口から一メートルの位置で測定した弾丸運動エネルギーが三・五ジュールパー平方センチ以上のものを準空気銃として規制することを今の時点では想定いたしております。  他方、都道府県条例で規制されておりますエアソフトガンは準空気銃に該当しない威力の弱いものも含まれておりますが、改正法と条例は、規制の目的、それから規制態様などが異なるものであり、改正法は条例と抵触するものではないというふうに考えております。  なお、改正法施行後、青少年に準空気銃を販売した者は、改正法による準空気銃の不法所持にかかわる罪と、それから都道府県の条例で決められております青少年育成条例違反の双方に該当することになるものと考えております。  以上でございます。
  81. 芝博一

    ○芝博一君 今の公安委員長の御答弁の最後の部分でありますが、青少年条例は販売者に対する部分の規制、罰則があります。で、今回の準空気銃規制所持者に対する罰則規定であります。  これが、例えばですよ、十八歳未満の十七歳の少年、私が、準空気銃を取得したとしますと、当然本規定上で、売った側も取得した側も当然ながら罰せられます。しかし、全国の青少年条例によりますと、十七歳の子供だったら青少年条例の対象にならないわけですよ。売った業者だけが対象になるんです。そうすると、今大臣の答弁では、どちらかの形でも、業者は本法律でも県条例でも二重摘発をされるという、そんな解釈でよろしいですか。
  82. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 売った、もちろん業者が、準空気銃を売るための業者というのはもうごくごく、この法律で例外的に認められている場合でございますので、業者がそうしたものをふだん持てるような状況、準空気銃を売れるような状況所持をしている状況はないわけでございまして、そうした、その準空気銃所持していること自体についてまずこの銃刀法違反として罪になるわけでございます。これを少年に売り渡した場合には、その当該都道府県の青少年健全育成条例で売り渡した罪も併せて罪になるということでございます。
  83. 芝博一

    ○芝博一君 併せて罪になるということですね、その売り渡した業者としてはね。そうすると、本法律案で一年以下若しくは三十万円以下となりますか、それの部分で適用も受けて、改めて青少年条例の中での罰則も受けるという解釈でよろしいんですね。そこはそれでいいと思います。  そこで、今お話に出てきましたところ、これは準空気銃については所持した場合の罰則規定しか挙がっておりません。一年以下、三十万円以下の罰金だと思っております。ところが、ほかのけん銃とか空気銃のように製造、すなわち改造のための部品製造、これも含んでいる。さらには、今言いましたように譲渡、受渡し等々も含めて、これはまあ当然、受け渡すためには持っている人は当然所持になるわけで、これはやっぱり対象になるわけでありますけれども。それとか、改造行為、持たなくてもAさんのけん銃を改造しましたよ、ここに対する罰則規定はまるっきり挙がっていないんです。なぜ挙がらないのか、その理由をお答えください。
  84. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 現在、改造を含めました製造が法で規制されておりますのはけん銃、猟銃、空気銃等の銃砲でございまして、譲渡が法で規制されておりますのはけん銃及びそれらの部品でございます。で、これらはいずれも人の生命に危険を及ぼし得る武器又はその密造に供されるものでございます。  一方、今回規制いたします準空気銃は、人の身体に傷害を与える可能性があるものではございますが、人の生命に危険を及ぼすほど威力の強いものではないことから、武器よりも危険性は低く、その製造、譲渡については今回特段罰則を新設せず、準空気銃を正当な理由なく製造、譲渡した者については準空気銃の不法所持として取り締まることといたしたものでございます。
  85. 芝博一

    ○芝博一君 最後に。  今回、準空気銃規制については、県の青少年条例で同じエアソフトガンでも対象が違ってくるとか、いろんな複雑な要素も絡んでおりますし、一般に対する、所持者国民に対する周知徹底がポイントだろうと、こう思っております。  そこのところを十分把握をされまして、適切かつ慎重な対応をしていただきますことを御要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  86. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間ですけれども、確認になるかもしれませんけれども、先ほど業者からの情報によると、エアソフトガンは八十万丁出回っているというふうにありましたけれども、どんな業者が作っているのか、おもちゃ業者なんでしょうかね、教えてくれますかね。
  87. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 我が国でエアソフトガン製造している業者の多くは、威力が強くないエアガン製造に努めているところでございますけれども、そうした業者の一部が、威力の強く準空気銃に該当するものを製造してきたことがございますし、また、一部の販売店等が顧客の要望にこたえて威力の強いエアソフトガン改造するというふうなこともあったというふうに聞いておりまして、このようなものが合わさりまして約八十万丁出回っていると業界の中で推計をいたしていると聞いております。
  88. 風間昶

    ○風間昶君 ですから、推計でずっと今議論しているということなんでしょうけれども、そうすると、さっきもちょっと出ましたけれども、二十ジュールパー平方センチメーター以上空気銃で、三・五ジュール以上は準空気銃というふうに定めていますけれども、さっきの年間百五十万丁ほど出荷されているということでありますけど、全体総数は、本物の銃器も分からないけれども、この言わば空気銃も分からないということになるんですかね。教えてくれますか、そこは。
  89. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 年間百五十万丁ほどエアソフトガンが出荷されてきたということでありますけれども、この中には、いわゆる先ほど申し上げました威力の強いものも含まれた数値として承っております。  したがいまして、一年間に百五十万丁でありますから、大体耐用三年といたしますと、それに三を掛けた数字といったものがエアソフトガンとして大方現在世の中に出回っているものというふうに考えてよかろうかというふうに存じます。  一方、空気銃はその所持には許可が必要としておりまして、許可をいたしております空気銃の数は三万数千丁と承知をいたしております。
  90. 風間昶

    ○風間昶君 はい、分かりました。ちょっと私も勘違いしていました。空気銃が三万数千丁ね、分かりました。  今回のこの改正された法案所持が禁止になるわけでありますけれども、実効性を高めるためにはこの準空気銃が違法に国内に供給される道を断たなきゃならないと思っておりますけれども、製造については、国や地方公共団体に譲り渡す場合などに限って認められるのは分かりましたけど、輸入について厳しく規制する必要があるんじゃないかと思いますが、この部分についての水際作戦も含めてどのように対処されるのか、教えてください。
  91. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 今回の法改正によりまして、輸入自体を規制はいたしておりませんが、輸入されまして国内に持ち込まれた段階で不法所持ということになりますので、そこを適用いたしまして規制をいたしたいというふうに考えております。  このような法が施行になりますれば、業者が大量に国内に頒布するものとして輸入をするというような事態は恐らく影を潜めるだろうというふうに期待をいたしておりますし、そういう効果もあろうかと思いますけれども、ただ、個人が個人として輸入をするというような事態につきましては、これにつきまして、そうした方法というのは、基本的にインターネット上の世界で情報交換がされるということも多いというふうに承知をいたしておりまして、そうしたところから情報を収集することで、個人による輸入といったものについても不法所持として摘発するということを、そうした取締りを十分行っていきたいと考えております。
  92. 風間昶

    ○風間昶君 そうすると、輸入の部分は分かりました。製造の部分も分かったけど、国内での今度、何ですかね、今のインターネットを含めて、製造する事業者ガンマニアなどに横流しする可能性、これあるんですよね、ネットだけじゃなくてね。それはないんですか。
  93. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) そうした場合はやはり罪になりますので、それは業者としての生命を絶たれるということにもなりかねないという事態でございますし、私どもとしては、恐らくそうした横流し事犯というものは、もちろん届出を、私ども、各公安委員会がこうした業者についての届出を受けますので、そうした業者に対する日常的な働き掛けを行うことを通じましてそのようなことがないように、もちろん働き掛けを進めていくということもやっていきたいと存じておりますし、そういうことも考えますと、恐らく横流しという事態についてはさほど大きな心配はしなくてもいいのではないかというふうにも考えているところでございます。
  94. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  改造については製造同様の規制と考えていいでしょうか。特に、ガンマニアによるこの改造についてどのように対処するかということを伺いたいと思います。
  95. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 威力の弱いエアソフトガン威力の強い準空気銃として改造するという事案については、準空気銃の不法所持として対処をするということでございます。
  96. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  それから、先ほども議論になっておりましたけれども、この今回の二十四条の二項に、準空気銃の一時保管、警察官による一時保管が準空気銃を保管する対象に追加する法律の中身になってますけれども、問題は、だからこの保管したやつは、先ほどの御答弁で、分解してエアガンとして役に立たないようにしてごみとして処理するという──いいですか。
  97. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 済みません。
  98. 風間昶

    ○風間昶君 いや、聞こえてました。
  99. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) はい。
  100. 風間昶

    ○風間昶君 二十四条の二項に、準空気銃警察官が一時保管するという項目になってますよね。これは通告してないんだけれども、なってますよね。
  101. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) はい。
  102. 風間昶

    ○風間昶君 それで、問題は、だから先ほどの同僚議員の質問で、警察に来たやつはどうするんですかと言ったら、エアガンとして使えないように分解してからごみに出すというお話をされましたよね。  それで、私が危惧しているのは、さっきの議論もそうですけれども、警察に持っていくのはいいとしても、持っていかないでいわゆる捨てる、放置するというか捨てる場合は、一般の人が鉄砲の姿を見たら必ず撃ってみたくなるのは当たり前なんで、いや大したことないなと、それはどうか分からぬけれども、とにかくやって、要らないといって投げる、投げるというか捨てるときに、燃えないごみとして出すわけですよ、普通はね。気が付かないようにして燃えないごみにして出すかどうかは別にして、出すんですよね。  だから、いわゆる産廃ではなくて一般廃棄物としてごみに出ていくとなると、それぞれの地域の回収車が回収していくことになるけど、あれ、エアコンプレッサーでがあっと圧縮するんですよね、ごみ、たくさんこう中へ押し込むために。そうすると、圧縮されることによって、もしかしたら不測の事態が起こるかもしれない。そういうふうに、いや懸念しているんです、素人的に。  そういうようなことを考えるならば、警察庁のマターではないけれども、捨てる際の一定のルールというのが必要ではないかなというふうに思うんですけれども、細かいかなあ。どうでしょうか。
  103. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 先ほど来申し上げておるところでございますが、本法成立いたしましたら、直ちにそうした廃棄のありようについても具体的に広報を進めていく必要があるというふうに考えております。その内容におきまして、今委員指摘の点を踏まえて、どういう広報の中身が適当であるのかということについて今後検討させていただきたいと存じます。
  104. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  この資料にエアソフトガンに係る事件件数が、けん銃使用事件の五分の一ぐらいですけれども、いずれにしてもこの三年間で五十数件あるわけでありますけれども、このうち少年がエアガンを使用して犯罪を起こした例というのはどのぐらいあるんでしょうか。ほぼイコールですかね。
  105. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 十五年から十七年の三年間におけるエアソフトガンに係る事件全体の検挙、補導は百六十五件でございますが、このうち少年が関与しておりますものは七十六件でございます。また、委員指摘の準空気銃を扱った事件が全体としてこの百六十五件のうち五十五件あるわけでございますが、このうち少年がかかわったものが十五件でございます。
  106. 風間昶

    ○風間昶君 なるほど。  そうすると、結構、半数まで行かないけれども半数近くあるということですから、要するに人の体に傷付ける、皮膚が挫滅するあるいは挫傷するということの、このエアガンを世の中から排除するということはなかなか難しいわけですけれども、それにも増して、人を傷付けないというか思いやるという善悪の判断能力をやはりきちっと教育の現場で教えていくというとおかしいですけど、体験していく、させていくというのが大事なことでありますから、学校現場のところでそのことを含めて、人に危害を与えない、傷付けるとこうなるということも含めて、どのような取組しているのか、教えていただきたいと思います。
  107. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 基本的に小学校から、道徳の時間そのほかの生活とか総合的な学習の時間などを通じて、規範的にこういうことをしてはいけない、人に危害を加えてはいけない、ルールを守りましょうということを教えておりますし、また今日ちょっと持ってきたんですけれども、この非行防止教室等プログラム事例集というのを、これは警察庁と一緒に協力をして学校の先生方に配っておりますが、これは今現在、小中高校で非行防止教室というのを行っておりまして、その事例集を取りまとめたものでありまして、ここは全体のまだ四六%程度でしかないので、できるだけもうほとんどすべての学校で非行防止教室を実際にやっていただく、より一層取り組もうと思ってるんですが、小学校でいえば、まさしく万引きしてはいけませんよとか、他人を傷付けてはいけませんよと、ルールを守りましょうと、子ども一一〇番はこういうところにありますよと、こういうことを伝えたりする。中学校になってくると、自主的に防犯活動に取り組みましょうと。高校段階になってくると、犯罪被害者から、被害に遭った人の気持ちを理解しましょうとか、また最近多い携帯電話を使った性犯罪、こういったこと、また、薬物あるいは銃器等への対応、こういったことを具体的に理解をして、こういったことに手を染めてはいけない。また、指導する立場である先生方には、非行等があった場合にどういう流れで、少年院とか弁護士さんとか、いわゆる警察との連携を取りながら、と同時に更生させていくかというプログラムも指導しながら取り組んでいるところであります。  やはり今一番効果があるのは、警察官の方が直接学校に来ていただいて、やっぱり実践的に、教師としてはやはり観念的に道徳とか社会規範を教えられますが、警察官の方々が、実際に現場におられる方々に、やっぱりこういったことは良くないんだとしっかり教えていただく、そういったことから総合的に学んでいくという姿勢を伝えるというふうなことを、取り組んでいるということをお伝えさしていただきたいと思います。
  108. 風間昶

    ○風間昶君 そして、それが少年非行犯罪防止になっていくことになればいいんですけれども、それをずっと続けていくおつもりだと思いますけれども、それが一番いいんですかね。今後ずっとそれを続けていかれるんですか。
  109. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) これは当然やっぱり警察庁と連携しながら、どういう指導、対応したら子供たちの心にしっかり届くのかと。実際に中学生が暴力団の勧誘に遭わないようにするにはどうしたらいいのかとか、具体的なことはなかなか学校の教職員だけでは分からないところがありますから、実際犯罪の現場、取締りの現場にいる警察の方々にも伺いながらやっていくべきと思いますし、恐らく各都道府県でも、教育委員会警察の方と人事交流も進んで、日ごろから連携をして、学校教育の中だけでは対応し切れない部分も警察連携しながら、また司法関係者とか福祉関係者とも連携しながら取り組んでいるところでありますので、ここのより一層取組を進めていくということが必要だと考えております。
  110. 風間昶

    ○風間昶君 そのような教育の取組を踏まえて、最近の少年非行に関する国家公安委員長としての認識を一言で伺いたいと思いますし、またそれに対してどのように取り組んでいかれるのかを伺って、質問を終わりたいと思いますけれども。
  111. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) お答えいたします。  最近の少年非行情勢につきましては、刑法犯検挙人員の約三割を少年が占めており、人口当たりの検挙人員で見ましても少年は成人の約六倍と依然として高水準にあると承知しております。また、個別の事例で見ましても、少年による社会の耳目を集める重大な事件は後を絶たず、少年の非行の現状に懸念を有しているところであります。  このような状況に対しましては、少年が非行や犯罪に巻き込まれず健全に育っていくよう、学校等とも連携して街頭補導活動の補強、少年を取り巻く環境の浄化など、非行や犯罪被害防止に取り組んでいるところであります。  今後とも、地域の子供は地域で守り育てるという機運を高めるとともに、少年の非行防止被害抑止のため総合的な取組が推進されるよう努めてまいりたいと思っておりますが、今、風間委員から言われましたいろいろなことについて、今文部副大臣の馳さんからいろいろなお答えがありましたが、私はこれに対して一番やっぱり期待しているのは二つありまして、一つは、いわゆるスクールサポーターというのを設置させていただいております。これは警察官のOBの方々が中心になっているものでございまして、学校の生徒さん方に、今、馳さんがおっしゃられたようないわゆる安全のために必要なことなどなどいろいろ具体的に教育して教えてくださる人たちでもあります。  もう一つは、いわゆる非常にこれが最近活発に活動していただいている防犯ボランティアでございますが、この防犯ボランティアは全国で約今二万団体ほどできてきております。急速にできてまいりました。全国の学校区、小学校の学校区が約二万三千でございますから、大体学校区に一つぐらい防犯ボランティアが出ております。私も先日栃木へ参りましたら、栃木県では全学校区に一つずつボランティアができて、それがいろいろ活動してくださっているという、やはり地域住民の方々のそういう盛り上がるような、この防犯に関してあるいは青少年の非行に対するそういうものを抑止していこうという、そういうものをやはり生かしながらやっていかなければならないし、特に今委員いろいろ御心配されている、きっと持続性ですね。やっぱり一時的には確かにそういうことはできるけれども、こういう問題はやっぱり持続しながら続けていくことが非常に大切でございますので、今申し上げたようなこういう制度、そういうものを生かしつつ、持続的に青少年の非行に走る問題などなどへの適切な対応を今後とも皆さんの御指導もいただきながらやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  112. 風間昶

    ○風間昶君 終わります。
  113. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) よろしいですか。
  114. 近藤正道

    ○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  質問時間がわずか十二分でありますんで、二つほど質問できればいいなと、こういうふうに思っております。  一つ目でございますが、エアソフトガン、これは従来は規制対象外だったわけでございますが、このエアソフトガンのうち人を傷害し得る威力を持つものについて所持を禁止するということでございます。  六か月の経過措置の後に発効するわけでございますが、このエアソフトガンのうち人を傷害し得る威力を持つもの、これが外観で一目瞭然で分かる場合と分からない場合がございまして、分かる場合は検挙は容易だというふうに思いますが、分からない場合どういうふうに現場で捜査官が対応されるのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
  115. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) やはり、犯罪の構成要件がこうした準空気銃に当たるかどうかということについては、三・五ジュールを目安としたものを内閣府令で定めるわけでございますので、そうしたものであることが確実に明確にならないと検挙ができないところでございますので、できるだけ迅速に簡易な、そして威力の鑑定を含めまして、威力鑑定が進められるように措置をしてまいりたいというふうに考えております。
  116. 近藤正道

    ○近藤正道君 簡易な測定器を持っているということはいいんですが、通常はそういうものを持ち歩いているわけではなくて、街頭等でいろんな形でその可能性がある事態に遭遇したときに、現場の捜査員は、警察官はどういう対応をするんですか。例えば任意捜査とかあるいは職務質問とか、いろいろありますけれども、いずれにしても、そのエアガンを出してもらって、そしてそれを測定しなけりゃそれは分からぬわけでございますが、現場の言わばイメージが私にはよく分からない。典型的なケースでひとつ御説明をいただきたいと思います。
  117. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) もちろん、エアソフトガン所持しているかどうかについて、警察がその端緒を得るにはいろいろな方法があろうかと思います、ありようがあろうかと思います。  もちろん、関係者から彼は持っているよというような情報提供が事前にあって捜査をする場合、これについてはそうした簡易の測定器を準備するなど適切な方法を講じることが可能かと思いますが、突然、街頭を歩いている一般の方がどうも銃らしきものを持っているということが分かりました際には、これはやはり本人の承諾を得まして、それについて簡易な鑑定が迅速に行えるような方法に御協力をいただくということで対処をしていくことが必要であろうかと存じます。
  118. 近藤正道

    ○近藤正道君 そうすると、通常は、職務質問か何かやって、そして説得をして提出をしてもらって、測定器に掛けて、そしてレベルを超えたらこれは犯罪に該当するということで検挙すると、こういう形になると、こういうことでしょうか。
  119. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 状況にもよりますのですべてがそのとおりにいくかどうか分かりませんけれども、いずれ今先生が言われたようなことが基本的なありようになろうかというふうに存じます。
  120. 近藤正道

    ○近藤正道君 別に意地悪な質問しているわけじゃないんですけれども、そうすると、職務質問等をやって、そして任意提出に応じてもらえないようなときには、これは事実上対応できないと、こういう形になるんでしょうか。その場合は何かいい方法はあるんでしょうか。
  121. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) これは、準空気銃に限らず、いずれ、例えば薬物らしきものを持っている場合にも、これを任意提出を求めてなかなか説得に応じていただけないこともしばしば実務上あるわけでございまして、そうした一般の例に倣って粘り強く本人を説得をするということになろうかと思います。  ただ、薬物等とは異なりまして、これは準空気銃ということでもございますので、いわゆる武器ではございませんし、恐らくいろいろな事情をお話をする中で御協力がいただける場合がかなり多いのではないかというふうにも感じるところでございます。
  122. 近藤正道

    ○近藤正道君 私も大部分の場合はうまくいくんだろうというふうに思っておりますけれども、しかし、外観上明らかに違法のエアガンを持っている場合ならいいんですけれども、そうでない場合は測定しないと分からぬという、事柄の特質上そういう問題がありますので、是非、現場で混乱が起こらないような一つの対応をやっぱりしっかり取っていただきたい、そのことを要望しておきたいというふうに思います。  もう一つでございますが、先ほど猪口大臣が十七年度の総括をされておりました。そして、銃器犯罪については一般的に減少傾向である、しかしそのエアガンが拡大をしているということと、もう一つ、暴力団情勢は予断を許さない情勢であるというお話がございました。ですから、水際対策をやっぱり強化しなければならないということでございました。  いずれにいたしましても、この銃器犯罪のやっぱり圧倒的多数は暴力団関係、ここから発生しているわけでございまして、今日はエアガンの問題ではございますけれども、銃器犯罪を撲滅する、あるいは封じ込めるということであれば、暴力団に対する銃器封じ込めの対策というのがやっぱり決定的に重要だというふうに思っております。  そこで、もう一つの質問は、公安委員長にお尋ねしたいというふうに思いますが、暴力団に対する銃器封じ込めの現状と、とりわけ今現在の課題、これは何なのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
  123. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) お答えいたします。  平成十七年の暴力団によると見られる銃器発砲事件の発生回数は五十一回で、前年の八十五回に比べ減少し、うち対立抗争によると見られるものも十一回で、前年の十九回から減少しているところでありまして、今委員からもそういうお話が、説明がございました。  そこで、銃器発砲事件や対立抗争事件が減少した背景としては、暴力団対策法に基づく事務所使用制限命令の活用や、あるいは指定暴力団の代表者等が対立抗争等に伴う不法行為につき無過失の損害賠償責任を負う旨の規定を設けた平成十六年の暴対法の改正、さらに対立抗争事件に伴う巻き添え被害等について、暴力団組長等の民事的責任を追及する動きが活発化していることなどがあるものと考えております。  警察としては、今後とも、被疑者の早期検挙はもとより、事務所使用制限命令の積極的活用、あるいは暴力団組長に対する損害賠償請求訴訟の原告側の支援等の諸対策を強力に推進しております。  他方、平成十七年の暴力団構成員及び準構成員からのけん銃押収丁数は二百四十三丁で、前年に比べ六十六丁減少するなど、その摘発強化が課題と認識いたしております。  けん銃押収丁数が減少した理由には、先ほど申し上げたとおり、対立抗争事件が実質的に減少し暴力団が手近にけん銃を持つ機会が減少していること、銃器の隠匿方法が大変巧妙化していることの要因があり、警察としては、今後とも、暴力団が組織的に管理するけん銃に重点を置きつつ、広範囲にわたる徹底した捜査、逮捕した被疑者からの突き上げ捜査等を強力に推進することにより、暴力団にかかわるけん銃の摘発を強力に推進していきたいというふうに考えております。
  124. 近藤正道

    ○近藤正道君 終わります。
  125. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 最後の質問になりますけれども、しばしの間、よろしくお願いします。  今日、同僚議員からかなり重なる質問が出ておりますので、銃刀法関係では一つだけ。  これは、先ほど銃、エアガンのモデルガンを回したわけでございますが、やはり本物の銃、アメリカで私も触ったことありますけれど、今の銃と非常に見分けが付きにくいという話は、先ほど来から話がずっとあるわけでございます。  そこで、やはり何百万丁という本物に似たけん銃、モデルガンが出回っているということであれば、本気でこれを準危険なもので、準空気銃ということで取り締まるとすれば、例えば色をもう緑にしちゃうとか、それとも何か大きな何か、PSEで失敗しましたけれども、何か大きな検印というかマークを付けるとか、こういうことがなければこれを到底取り締まることはできないだろうと思うんですけれど、これ一つだけ聞きたいんですが、委員長、どうですか。
  126. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) じゃ、答えさせていただきます。  まず、最初の質問の見分け方でございます。準空気銃を外から見ても余り変わらないのでどう見分けるかというお話が一点でございますので、まずそれからお答えさせていただきます。  準空気銃は、外見が空気銃や準空気銃以外のエアソフトガンに類似していることから、準空気銃であることを一見して判別することが困難な場合もあると考えます。しかしながら、警察では、改正法施行後の取締りを厳正に行うため、現在市販されている国内製のエアソフトガンについては、業界団体の協力も得て、どれが準空気銃に該当するかといった個別具体的なメーカー名、型式を把握する予定であり、これによって取り締まることが可能であるというふうにも考えております。  それからもう一つ、今何かこう色を変えたらどうかというようなお話でございましたが、正にそういうことにつきましても、今後、銃、準空気銃に該当せず、改正法施行後も所持が許容されるエアソフトガンなどについては、業界団体等の協力を得るなどして、既に販売されているものも含め、規制対象外である旨を示すシールを張るなどの方法もこれから検討してまいりたいと考えております。
  127. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 ありがとうございます。しっかり取り締まるために、そしてまた気軽に遊ぶ方も大事かと思いますので、両方が見分け付くように明確にしていただきたいというふうに思っております。  委員長のお許しをいただきまして、若干でございますが、消費者関係の法案が後に出てまいりますけれども、その関連ということでちょっと二問だけ農水の副大臣に質問をしたいと思っておりまして、これは一つは、一つはというか、今、食料の残飯というのが全国で七百万トン、これは全世界の援助の全体の七割を占めているというふうに聞いておるわけでございます。これ大変な量を捨てられているわけで、実は日本の食料のエネルギーの関係の指標を見ますと、一人当たりのエネルギー量で見ると三分の一は捨てているというのが現在なようでございます。  それと、ちょっとそのまま当てはまるかどうか分からないんですが、この食品には、特に捨てられているのは、スーパー等とコンビニとかこういったもの、又はレストランの残飯が多いと思うんですけれど、消費期限、賞味期限というラベルが打ってあるわけでございます。私自身もスーパーにたまに買物に行くわけでございますが、この消費期限、賞味期限というのが、非常に音が似ているということもあったりして非常に区別が付きにくいということと、最近非常に消費者がセンシティブになっていて、例えば、消費期限というのが足の短い方らしいんですね、賞味期限というのが足が長い方、数か月もつ方だということらしいんですが、消費期限一日前、例えばあしたがもうリミットでも結局捨ててしまうようなものもあって、結局食品リサイクル等々もうちょっと有効利用できないかと、こういう話があるらしいんですけれど。  一点伺いたいのは、例えば、それがごちゃごちゃになっているんじゃないかということでありまして、例えば牛乳の場合にでも、高温殺菌のものは賞味期限、低温殺菌のものは消費期限、こういうふうに分かれていると。例えば、ヨーグルトは賞味期限、納豆は消費期限のものと賞味期限のものがこれ二つあるということで、こういったものを明確にもう少しすべきではないかというふうに思うんですが、どうでしょうか。
  128. 高橋直人

    政府参考人(高橋直人君) 御指摘の消費期限と賞味期限、この区別は平成十五年の三月に、厚生労働省とそれから私どもの共同開催しております食品の表示に関する共同会議、これは両省の審議会の下部機関を一緒にやっておるものでございますけれども、そこで消費期限と賞味期限の表示上のルールを取りまとめまして、昨年の八月から完全実施に現在移行しております。  これは、物の考え方は、消費期限はその期限を過ぎますと腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴って衛生上の危害が発生するおそれがある期限と。ですから、これを過ぎて食べるとちょっと問題がありますよと、健康上ちょっとどうかなと、こういうことでまあ五日以内、おおむね製造日から五日以内で品質が急速に劣化する食品、こういうものに付しております。  また、賞味期限につきましては、この期限内はすべての品質の保持は十分に可能であると認められる期限でありまして、比較的劣化しにくい食品に付けられております。したがいまして、この賞味期限を過ぎて食べても、まあ味はメーカーが宣伝するほどのものでないにしても、じゃ健康に何か害があるのかと、そういうもの、期限ではないわけでございます。そこの区別というのは、このように、ですから一般的には傷みやすいものには消費期限、比較的傷みにくいものには賞味期限、こういう区分でやっておりまして、そこの期限はちょっと私ども、現在施行してまだ日が浅いわけでございますので、それほど大きい消費者の方からの混乱もないというふうに見ております。  それから、あと、どちらかに統一してはどうかというような話があり得るのかどうかということもあり得るんですけれども、今やはり足の長いものについてはそれだけもちますんで、まあどこかで長い間には必ず賞味期限を過ぎても食べられるということから、まあその辺は過ぎても食べていらっしゃる方も間々いらっしゃいますし、そこに大きな消費者の間で混乱は出ているというふうには私ども受け止めておりません。
  129. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 もう一問だけ。  かつては、製造年月日の義務付け表示であったと思うんですよね。これは実は名古屋で有名な生菓子屋さんが、いや、これはやはり消費者からすると、賞味期限、消費期限というのがごちゃごちゃになっていると。さらには、足が短い、つまり五日以内のものを消費期限で、長いのを賞味期限と言うんですけれども、やっぱりこれがごちゃごちゃになって、例えばあしたもうリミットであるというようなことであると、今日例えば、何というんですか、食べようと思ってももうこれ古いんじゃないかということで捨ててしまうと。で、その実はお菓子屋さんというのは、これテレビのCMでも、それを揚げてでもまた食べてくださいというようなところなものが、そういう効果もなく無駄になってしまうと。  まあ重ねてなんですけれども、日本の今の食料の関係を見てみると、三分の一が結局エネルギーの関係でいうと捨ててしまっているというのを何とかできないかという観点で、どういう対応を農水省としては取られているか、また取られようとしているかというところにつながっていくわけなんですが、そこだけちょっと副大臣、何かお答えいただければと思うんですけれども。
  130. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 食品の日付の表示につきましては、消費者にとって分かりやすいものをということで検討をしてまいっております。先ほどお話ししたことに加えまして、製造年月日ではなく消費期限を表示するというルールを整えてきたところでございます。  御指摘の食品の廃棄ロスと食品の期限表示との関係につきましては、一概に消費期限と製造年月日等を比較してどちらが食品ロスの防止に効果的であるかということについて判断することは難しいと考えております。食品衛生の観点からは、食品期限を表示する方が品質の劣化に衛生上の危害が発生するおそれがない期限が分かりやすいのではないかとも考えております。  いずれにしましても、消費者に対しまして、適切な商品選択を行っていただきますために、あらゆる機会を通じて食品表示に関する普及啓発に努めてまいる所存でございます。
  131. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 終わります。
  132. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  133. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、柳澤光美君から発言を求められておりますので、これを許します。柳澤君。
  134. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 私は、ただいま可決されました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び各派に属しない議員木俣佳丈君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。  一、準空気銃規制値等に関して明解な基準を早急に公表するとともに、本法の運用に当たっては、明確な運用基準を都道府県警察に示して、その適正な執行がなされるようにすること。  二、本法の趣旨及び内容について、エアソフトガン所持する者、製造輸入・販売業者及び一般国民に対する積極的な広報啓発を行い、その周知徹底を図ること。  三、新たに規制対象となる準空気銃については、警察を始め関係行政機関や関係団体が密接に連携し、改修等が円滑に行われるようにするとともに、準空気銃の廃棄による事故等の未然防止に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  135. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいま柳澤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  136. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、柳澤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、沓掛国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。沓掛国家公安委員会委員長
  137. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法案の実施に努めてまいる所存であります。
  138. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時九分散会