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2006-05-16 第164回国会 参議院 総務委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十一日     辞任         補欠選任      鈴木  寛君     藤本 祐司君  五月十六日     辞任         補欠選任      平田 健二君     下田 敦子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         世耕 弘成君     理 事                 景山俊太郎君                 森元 恒雄君                 山本 順三君                 高嶋 良充君                 内藤 正光君     委 員                 小野 清子君                 柏村 武昭君                 木村  仁君                 椎名 一保君                 二之湯 智君                 山崎  力君                 吉村剛太郎君                 伊藤 基隆君                 下田 敦子君                 高橋 千秋君                 那谷屋正義君                 平田 健二君                 藤本 祐司君                 蓮   舫君                 魚住裕一郎君                 澤  雄二君                 吉川 春子君                 又市 征治君                 長谷川憲正君    国務大臣        総務大臣     竹中 平蔵君    副大臣        総務大臣    山崎  力君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        総務省情報通信        政策局長     竹田 義行君        総務省総合通信        基盤局長     須田 和博君        総務省政策統括        官        清水 英雄君    参考人        日本放送協会理        事        中川 潤一君        日本放送協会理        事        小野 直路君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○電子署名に係る地方公共団体認証業務に関す  る法律の一部を改正する法律案(第百六十三回  国会内閣提出、第百六十四回国会衆議院送付)     ─────────────
  2. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十一日、鈴木寛君が委員辞任され、その補欠として藤本祐司君が選任されました。     ─────────────
  3. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会総務省情報通信政策局長竹田義行君、総務省総合通信基盤局長須田和博君及び総務省政策統括官清水英雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会日本放送協会理事中川潤一君及び日本放送協会理事小野直路君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 山本順三

    山本順三君 おはようございます。自由民主党山本順三でございます。  今日は、電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案について、質問をさせていただきたいと思います。  この基盤法平成十八年五月三十一日に法期限を迎えるということでございまして、今回、その期限を五年間延長するということでございますが、法案の中身はもう全然変わっておりませんので、期限だけのことでありますけれども、改めて質問をさせていただきたいと思います。  言うまでもなく、情報通信インフラ整備は、我が国社会経済様々構造改革を経て、更にこれから発展を遂げるためには極めて重要なことでございまして、特に光ファイバーを中心としたブロードバンドは、いつでも、どこでも、だれでもICTの恩恵を享受できるという、今後のユビキタスネット社会構築の上で必要不可欠なインフラだというふうに私どもも認識をしておるところであります。  また、時間と距離を克服するという観点からいきますと、そのブロードバンドの特性というものは地方発展にもこれから大きく寄与をしていくであろうということも当然考えられるわけでありまして、地方で今企業誘致のために一生懸命に汗をかいているわけでありますけれども、このブロードバンド整備がないところには企業は行かないよということはよく言われることでございますし、また極論を言うならば、ブロードバンド整備されていないところには嫁も来ないというような、そんな話すら私どもの耳に伝わってくるわけであります。  また、個人生活向上基盤、あるいはまた企業発展基盤としてブロードバンドの果たすべき役割も大変大きな意義を持っておるところでございまして、例えば個人生活の中では、特に若者の間で動画あるいは音楽等のコンテンツの利用ネットショッピング、あるいはまたブログによるコミュニケーション、これだけにとどまらずに、高齢者の安否の確認であったり、あるいは遠隔の医療等々にもこれは大きな役割を果たしているというようなことであります。また、企業活動の中でも、通常の事務に加えまして、SOHOやテレワーク等活用した雇用の創出にも大変大きな貢献をしておるわけであります。  こういった中で、我が国は、平成十三年に政府としてe―Japanを策定して、ブロードバンド環境整備を推進してまいりましたけれども、この結果、日本世界最高水準高速でしかも低廉なブロードバンドサービス提供することを実現しているということでございますけれども、まず第一番目の質問として、これまでにおける我が国ブロードバンド整備状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
  9. 須田和博

    政府参考人須田和博君) お答え申し上げます。  これまでの我が国光ファイバーADSLなどのブロードバンド整備状況でございますけれどもブロードバンド全体の世帯カバー率は九三%、そのうち光ファイバーは七八%となっております。  こうしたブロードバンド全体の整備状況地域別に見ますと、当該エリアのすべての地域利用可能な市町村は二千七十四団体、約六六%でございますけれども、一部の地域利用できない市町村が約二八%、全く利用できない市町村が百七十三団体、五・五%となっておりまして、いまだブロードバンド基盤整備が遅れている地域が多く残されているのが実態でございます。  なお、以上申し上げました団体数でございますけれども、これは合併前の平成十六年の四月一日現在を基準としているものでございます。
  10. 山本順三

    山本順三君 今ほどのお話をお伺いしますと、ブロードバンド整備状況、そのパーセンテージだけ見ると、ある程度着実に進捗はしておるということでありますけれども、さはさりながら、光ファイバー整備等々が、首都圏であるとかあるいはまた近畿圏等々の都会では比較的進んでいるけれども地方においてはまだまだその整備が十分進んでいないというような、そういうお話がありました。そして、中には全くブロードバンド利用できない地域もあると。私どもも調べましたら、富山県それから三重県はCATVの普及等々で一〇〇%のブロードバンド普及率というふうに伺っておりますけれども、それ以外の都道府県ではまだ全く利用できない世帯もあるということが現実であるというふうなことでございます。  そこで、そういったことを踏まえた上での話になりますけれども、今回、基盤法を更に五年間延長してその整備促進するということでございますけれども、その必要性についてその内容を細かくお示しをいただければ大変有り難いと思っておりますので、よろしくお願いします。
  11. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今局長から答弁させていただきましたとおり、大分進んできてはいるんだけれども、まだ地域によって非常にばらつきがあるという現状でございます。  言うまでもありませんけれども、このブロードバンドインフラ、まず巨額投資が必要である、巨額だというのが一つ要因であります。しかも、これやはり先行性が高い投資だというのがもう一つ要因でございます。したがいまして、いろんな意味でまだ整備途上にあるわけでございますけれども、一方で、御承知のように、政府としてはIT改革戦略におきまして、二〇一〇年度までにこの光ファイバー等整備を更に進めて、いわゆるブロードバンドゼロ地域ブロードバンドゼロ地域解消するということを目標に掲げているわけでございます。これは、あくまでもやはり民間主導でやっていただかなければいけない、その意味では民間インセンティブを与える、投資をするインセンティブを持っていただくということが重要になります。その整備促進、それによって促進しなければいけないと考えております。  正に今回の法律改正は、このために基盤法を五年間延長して、事業者による投資を更に促進したいというふうに考えるわけでございます。そうすることによりまして、正にブロードバンド基盤整備をする、そしてユビキタスネットワーク社会における国民生活産業経済活動、行政等様々な活動に不可欠なブロードバンドの正にインフラをしっかりと全国整備してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  12. 山本順三

    山本順三君 実は、先日この委員会通信放送在り方に関する集中審議が行われました。そこで竹中大臣主宰懇談会での論点整理に関する審議が行われ、その中でNTT光ファイバーを始めとするアクセス網整備在り方についても大変熱心な議論が行われました。本来、光ファイバー等ブロードバンド基盤というものは、様々な事業者が公正な競争環境の下で整備を進めていくことが望ましいというふうに私ども考えておるところでございまして、また一方では、NTT民営化に至るまでの様々な経緯やまた現状を、今の現状等々を全く無視することもできない、こんな議論もございました。  そこで、お伺いしたいのでありますけれども、この基盤法光ファイバー網整備促進する法律ではありますけれども、その利用者、これは主にNTTなのか、あるいは他の事業者利用しているのか、あわせて、競争環境の面でこの法律はどのような観点に立っているのか、その点についてお伺いをいたします。
  13. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 基盤法におけます実施計画の認定を受けている事業者についてのお尋ねでございますが、基盤法に基づきます施設整備事業高度通信施設整備事業信頼性向上施設整備事業高度有線テレビジョン放送施設整備事業と三つございますが、こうした三つの事業を全部まとめまして事業者別に分類してみますと、NTT関係事業者が十二社、地域系通信事業者が十社、ケーブルテレビ事業者が十社、その他ベンチャー系事業者などが九社となっているところでございます。  このように、基盤法によりますこの措置利用している事業者につきましては、NTTのみならず地方の比較的小規模の事業者まで含めまして多岐にわたっているところでございます。  私ども情報通信インフラ整備につきましては、民間主導原則の下で事業者に対する適切な競争政策の下推進しているところでございまして、この基盤法によります事業者に対する投資インセンティブ付与につきましては、対象とする情報通信インフラ整備を行う事業者であれば、事業者のいかんを問わず措置利用することができるものとしているところでございますので、その意味では競争中立的なものと認識しております。
  14. 山本順三

    山本順三君 それをお伺いして安心をいたしました。  先ほど、整備目標としてブロードバンドゼロ地域解消をうたっているということがございました。実際に、都市部では光ファイバーADSLなど様々なブロードバンド利用できる一方、今ほども申し上げましたけれども、場所によっては全く利用できないところがある。我が地元の愛媛県におきましても過疎地域、特に離島等々では全く利用できないという地域もございます。都市部との格差がかなり大きくなってきておりますし、この基盤法だけで果たしてすべて対応できるんだろうかというような心配も実はしておるところであります。  そこでお伺いしたいわけでありますけれども、本基盤法によって民間主導による投資促進が図られることは非常に重要なことであると思っておりますけれども、この支援措置だけで果たして大丈夫なのだろうか。この支援措置では採算が取れない、そして民間事業者に対する投資インセンティブ付与ができない、こういう地域もあるのではないだろうかと。そのことがデジタルデバイド解消につながらないことも予想されるわけでありますけれども、そういった中で、このような地域に対してはこの基盤法だけにとどまらずに、他の措置も併せて講じる必要があるのではないかと、このように思っておるところでございますけれども、それについてのお考えをお示しいただきたいと思います。
  15. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) お答えを申し上げます。  先ほど申し上げましたように、この大変重要な情報通信インフラ、これはまさしくインフラであるわけですけれども、しかし多くの先進工業国を見てみると、やはり民間主導でやっている、非常にその意味では特殊なインフラと言わなければいけないのだと思います。  その意味では、民間主導原則民間にやっていただくわけですから、何といっても競争政策をちゃんとするということが重要になります。そして、競争政策をしっかり行った上で、やはりこれは民間に行っていただく以上は投資インセンティブをしっかりと何らかの形で持っていただかなければいけない、それが正にこの法律に相当をしております。  この投資インセンティブ競争政策活用して民間主導でやっていくというのが、これはやはり大変重要な原則であると考えております。しかし一方で、これはもう言うまでもありませんが、現実問題として、例えば過疎地離島、そういう条件不利地域というのは現に存在するわけで、そういうところではやはり民間だけでできるのかということに対しては当然疑問がございます。そういうことに対するしっかりとした目配り政策当局としては当然しなければいけないと考えております。  我々の対応としましては、引き続きこの基盤法是非改正をいただいて、投資インセンティブ付与したい、民間主導原則を貫きたい。その一方で、今年度、地域情報通信基盤整備推進交付金を創設しております。これは正に、政府がその意味ではしっかりと直接、更に踏み込んでそのように関与して、公的な力を活用してインフラ整備するという仕組みになるわけですけれども、これを活用すると、やはりここは各般の幅広い政策を講じなければいけないというふうに考えております。  民間が主体だけれども民間だけでできるとは考えていない、そのための補完的な措置としての政府役割交付金活用等、しっかりとしたきめ細かな対応を取っていきたいというふうに考えております。
  16. 山本順三

    山本順三君 今ほどの交付金、これせいぜい活用されて、そして離島とかあるいは過疎とか、ブロードバンドを十分活用できない地域への目配りというものをしっかりとお願いをしたいと思います。  冒頭申し上げましたとおり、情報通信インフラ整備は今後のユビキタスネット社会構築にとって極めて重要である。ブロードバンドの全国的な整備を早急に進めることが、正に地域間格差の是正であったり、あるいは産業発展、さらには豊かな国民生活実現にとって不可欠であるというふうに私どもも考えておりますので、今後ともに積極的な取組をされるように期待申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  17. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  この法律案平成三年に施行されて十五年、途中、十三年に期限を延長して、今回更に延長しようという法律案でございますが、その間の我が国IT政策といいますと、十三年に五年以内に世界最先端IT国家になるというe―Japanというのができました。また、十五年にはe―Japan戦略Ⅱというんでしょうか、そして現在はu―Japanというふうにつながっているわけでありますが、これまで我が国IT政策実現に向けて本法律案が担ってきたものを総務省としてどのように評価しておられるのか。また、今回はこの期限を五年延長ということでありますけれども、本当にそれだけでいいのか、現在のIT政策実現するために十分な内容となっているのかどうか、精査されたことと思いますけれども、その辺りについて御説明お願いをしたいと思います。
  18. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 平成三年から導入していただきましたこの基盤法実績評価お尋ねでございますが、基盤法自体平成三年からはいわゆる光ファイバー等ブロードバンド施設整備する高度通信施設整備事業平成五年からはさらに非常用電源装置などを整備する信頼性向上施設整備事業平成七年からはさらに高度有線テレビジョン放送施設整備を追加して支援してきたところでございますが、こうした支援に対しましての実績としまして、幾つかの支援措置ございますけれども、その中で平成十六年までの支援実績としましては、全体として低利融資が四千四百三十六億円、利子助成が四十億円、税制優遇措置七百八十六億円という形で実績を積んできているところでございます。  こうした実績の下で、e―Japan戦略等政府目標との関係から見た評価でございますけれども、五年前のe―Japan戦略の中では、二〇〇五年時点での政府目標として、いわゆるADSL級高速インターネットにつきまして三千万世帯六〇%、そして光ファイバー級の超高速インターネットにつきましては一千万世帯二〇%の整備目標を掲げていたところでございますけれども、現在、現状といたしまして、これ平成十七年九月末でございますけれども、この三千万世帯に対しまして、既に四千六百五十万世帯九三%の世帯をカバーしているところでございます。また、光ファイバー級の超高速インターネットに関しましては、一千万世帯目標に対しまして三千九百万世帯世帯カバー率、七八%でございますけれども、カバーしているところでございますので、こうした点見ますと、このe―Japan戦略におけます政府目標達成にはこの基盤法が大きく貢献してきたものと信じているところでございます。  しかしながら、こうした光ファイバーなどのブロードバンドインフラでございますけれども、まだ整備途上にございますので、先ほど大臣からのお答え申し上げましたけれどもIT改革戦略におきまして二〇一〇年までにブロードバンドゼロ地域解消するということを目標と掲げて、さらに投資インセンティブ付与等によりましてその整備促進することとしているところでございます。
  19. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 今の二〇一〇年までというお話がございましたけれども平成十六年十二月にu―Japan政策を策定して、いつでも、どこでも、だれでもつながるというユビキタス社会実現に取り組んでいるということでございますが、その社会の目的の一つとして、過疎地域に住む人たち、また障害者あるいは高齢者、子供とか、いろんな制約障害を持つ、その制約を克服して生活を楽しめる社会実現ということだろうというふうに思っておりますが、古い言葉でありますが、デジタルデバイド解消というのは一層しっかり取り組んでいく必要があろうかと思います。  電気通信基盤について、ずっと民間主導によるということでやってきたわけでありますが、この過疎地等においてまだブロードバンドサービスが未提供地域が残っているわけであります。また、市町村内においても、実際に加入が可能である世帯が一部であるような域内デジタルデバイドということもあるようでございますが、今後もこの民間主導原則としていくということでいいのかどうか、そしてまた今言ったようなこの地域的な、地理的なデジタルデバイドにどのような解決策を考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
  20. 須田和博

    政府参考人須田和博君) お答え申し上げます。  委員指摘のように、このような形でブロードバンド基盤整備は着々と整備されているわけでございますけれども、今なお整備途上にございますため、地域的に見ますとまだまだ利用できない地域というのが多く残っておりまして、そうした意味で、このデジタルデバイド、いわゆる地理的デバイドというものが生じることの懸念が残っているわけでございます。  したがいまして、私どもとしましては、こうした問題を解消するために、どうしても民間主導ではできない部分につきましては、先ほど大臣の御答弁申し上げましたように、地方公共団体等との連携の下、整備できますように、地域情報通信基盤整備推進交付金活用を図る等の措置を講じているところでございます。どうしても、例えば携帯電話を見てみますと、もう既に九九%のカバー率があるわけでございますけれども、それだけカバーすればするほど、かえってこの整備に対する個々のニーズというのは強まるというようなケースもございますので、私どもといたしましては、こうした地理的なデジタルデバイド解消のためには、一つ一つ丁寧な対応を今後続けていきたいと思っているところでございます。
  21. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それで、平成十三年の全国ブロードバンド構想という中に、地域公共ネットワーク全国整備というのがあったと思うんですけれども、その達成状況、また同ネットワークは未利用部分民間開放すると、住民に対するブロードバンドサービス提供に結び付けるというふうにしておったと思いますけれども、その状況はいかがでございましょうか。
  22. 竹田義行

    政府参考人竹田義行君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、総務省では地域公共ネットワーク全国整備を目指しまして、これまでに市町村等に対する国庫補助あるいは地方財政措置を講じてきておるところでございます。その結果、地域公共ネットワークにつきましては、二〇〇五年七月現在で、都道府県を含む全自治体のうち七一・六%が整備済みとなっております。  それからまた、同ネットワークの未利用部分開放につきましては、国庫補助により構築されたものに未利用部分がある場合に、電気通信事業者等に対して簡易な手続、これは総務大臣への届出でございますけれども、これによる開放が可能となっております。こうした手続によりまして、平成十七年度末の段階で、合計八十二件のネットワークにおきまして民間開放が進んでいるところでございます。  それからさらに、地域公共ネットワーク構築に対する国庫補助事業一つであります地域イントラネット基盤施設整備事業におきましては、現在、あらかじめCATV事業者の方やあるいは電気通信事業者への開放を目的とした整備も可能となってございます。  総務省といたしましては、今後とも、地域公共ネットワーク整備を進めるとともに、こうした開放手段の手法を進めることによりまして、地理的な情報格差デジタルデバイドの是正に寄与してまいりたいと考えております。
  23. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 それでは、次にラストワンマイルについてお伺いしたいと思います。  過疎地において最後の部分、地理的な悪条件や採算性の問題があろうかと思っておりまして、遅々として進んでいないという部分もあろうかと思いますが、そういう場合には無線というのが非常に有効だと思います。無線ブロードバンドシステムの普及に関してどういうふうにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
  24. 須田和博

    政府参考人須田和博君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、光ファイバーなどの有線、いわゆるケーブルでのブロードバンドサービスの敷設あるいは提供が難しいところにつきましては、無線によるブロードバンド活用というのは非常に有効だろうと思っております。現に、全国の各地域におきまして、様々な無線システムを加入者向け回線として、あるいは離島間などの中継回線として活用することによりまして、ブロードバンド環境整備する動きもいろんな形で出てきているところでございます。  このような無線によりますブロードバンドにつきましては、技術の発展が非常に激しいということもございますので、既に携帯電話や無線LANなどの高速化によりましてADSLに匹敵するサービスが現実化してきてございますし、今後は現在の光ファイバー並みの伝送速度も実現することが期待されているところでございます。ただ、一方では、無線ブロードバンドでございますけれども、当然のことながら電波を使用するわけでございますので、その使用できる周波数に限度があるというような問題がございます。また、通信品質の安定性やセキュリティーに関しましては、どうしても有線系のブロードバンドにはちょっと及ばない面があるのかなということも考えております。  総務省といたしましては、こういった無線システムの長所あるいは短所、これらを総合的に勘案しながら、有線系、ケーブル系のブロードバンドとともに無線を活用したブロードバンド普及が進むように努めてまいりたいと思っております。
  25. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 先ほど地理的なデジタルデバイドについて質問させていただきましたけども、今度は人的なデバイドについてお伺いしたいと思います。  身体障害者、いろいろ、障害といっても千差万別でありますし、例えば同じ目の障害といってもまたこれいろいろでございます。これは、個々の状況によって情報通信機器の在り方もまた千差万別になってくるのかなというふうに思っております。ただ、その場合でも、本当にだれでもが利用できるということが非常に大事かなというふうに思っております。  また、超高齢社会になってくるわけでありますけれども、今でももうそうでございますけども、いかに使いやすい機器が大事かなというふうに思っております。最近、私も携帯電話を見る場合でも、大きい字があるとほっとするというんでしょうか、そういう部分がありまして、そんなこと一つ配慮するのも随分抵抗感が違うなというふうな思っております。  こういう人的なデジタルデバイド解消するにはあらゆる角度から配慮が必要になってくると思いますけども、官民挙げて取り組む必要があろうかと思いますが、現在の取組状況についてお聞かせいただきたいと思います。
  26. 竹田義行

    政府参考人竹田義行君) お答えいたします。  ユビキタスネットワーク社会実現ということに向けましては、だれもがICTの恩恵を享受できる社会実現というのが必要不可欠なわけでございます。現在でも、委員指摘のとおり、先進的な民間企業におきましては、高齢者障害者を含めました方々だれもが使いやすい端末あるいは機器の開発が進められておると承知しております。  政府といたしましても、だれもがICTの恩恵を享受できる社会実現というのが重要な政策課題であると認識しておりまして、本年一月に策定されましたIT改革戦略では、重点的な取組といたしまして、ユニバーサルデザイン化されたIT社会といったようなことが明記されております。  総務省では、こうした民間の取組を促すために、だれでもが使いやすいインターネットや電気通信機器、あるいはサービスの開発等を促すために、アクセシビリティーのガイドラインといったようなものを策定を進めるとともに、その普及促進を図っております。それからまた、高齢者障害者が使いやすい情報通信機器とかあるいはサービスの開発提供を行う民間企業等に対しましても、その経費の一部を助成するとともに、その成果の普及促進にも取り組んでおります。  今後とも、高齢者あるいは障害者の方々を始め、だれでもが容易にICTを利用できるよう関連施策の積極的な取組を取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  27. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 次に、セキュリティーについてお聞きしたいと思います。  多くの方がインターネットを利用し、また電子商取引など非常に便利になって、また経済も盛り上がってきていると思いますが、一方で不正アクセスでありますとかあるいはウイルスの脅威も本当により身近になってきているなというふうに思います。また、傾向として、今までの単独な攻撃ということよりも、パスワードを破るというような攻撃、あるいはOSの脆弱性を突くような攻撃へと、悪質性というか、高度化しているというふうに見られます。また、犯罪も本当に、フィッシングとかボットネットとか、いろんな脅威が深刻化しているというふうに言わざるを得ないわけでありますが、このセキュリティー対策もユーザー側に任せるというのは限界があるんではないかなというふうに思います。  IT国家を目指す我が政府としては、恒常的に安全なネットワーク環境を提供していくということが必要ではないかなと思いますが、政府として、この情報セキュリティー政策の位置付けと推進体制はどういうふうになっているのか。特に、人材育成ということも大事だなというふうに思うわけでありまして、アメリカでもハッカーが議会で証言して、いろんな脅威とかあるいは対策とか、いろいろ述べておりましたけれども、やはりもうセキュリティー最優先に考えていく必要があるかなと思っておりますが、その辺につきましてお答えをいただきたいと思います。
  28. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 御指摘のとおり、このIT、ICTの利便性というのは最大限享受をしたいと。しかしその一方で、このセキュリティーの問題というのは利便性が高まれば高まるほど現実に大きな問題になってきていると思います。  私自身も、この問題を考えるとき本当に厄介だなと思うのは、このセキュリティーの問題というのはすべてが技術的なことが絡んできまして、正直なところよく分からないと、そういうのが現実なんだと思うんですね。セキュリティーのプログラムを開発している会社の社長と対談したこともありますけれども、ほとんど何言っているかよく分からなかったという経験もございます。  だから、政府としてはやはりちゃんと分かっている専門家に集まってもらって、それをきちっとチェックするというような仕組みをつくるということ、それと、今委員も言われましたように、分かる人、人材をしっかりと育成すること、それがやっぱり、そういう枠組みをつくるのが我々政策の担当者としての大変重要な役割になってくるんだと思います。  政府全体としては、昨年の五月にIT戦略本部の下、情報セキュリティ政策会議というのを設置をしまして、そして今年の二月に第一次の情報セキュリティ基本計画というのを取りまとめております。また、今年一月に本部決定をいたしました例のIT改革戦略におきましても、安心してITを使える環境の整備という項目を一つ設けておりまして、正にセキュリティーの問題、そうした問題での目標実現に向けた方策についてお示しをしているところであります。  この事務局、内閣官房にございます情報セキュリティセンターというのが設置されております。そこを中心として、各省庁協力しなければいけない。総務省としても当然のことながら最大限の協力をする覚悟でございます。  もう一点、人材育成、これ正に重要なポイントです。この情報セキュリティー教育の推進、そして子供の正に情報モラル教育といいますか、そういうものを体制を整備して、官民一体となって普及啓蒙していかなければいけないと思っています。そのための政策措置というのは、ちょっと細かいことになりますけれども、かなりいろんなものがございます。  時間の関係で全部は申し上げませんけれども、情報セキュリティー人材センター開設支援事業というのを行っております。つまり、情報セキュリティー人材育成に取り組んでいる民間団体に対して初期費用の一部助成というような仕組みも持っております。また、情報通信人材研修事業支援制度というのがございまして、そういう第三セクター等に対する経費の一部助成、補助等々ございます。  また、e―ネットキャラバンというのをやっておりまして、これは保護者とか教職員向けにインターネットの安心、安全利用に向けた啓発を行う講座を、これは民間にも協力をいただいてかなり幅広く実施をしております。そういうことを少し、もっとできるだけ目配りしてきめ細かくやっていくことが重要だというふうに思います。  いずれにしても、総務省としては、政府全体の情報セキュリティー政策に積極的に参画をするということ、そして国民だれもが安心して利用できるような社会実現するように最大限の努力をしてまいるつもりでございます。
  29. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 終わります。
  30. 吉川春子

    ○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  二〇一一年、アナログ停波という国策が進行中ですけれども、仮に衛星通信等による新たな伝送手段の導入が認められたとしても、また仮に地上デジタル放送用中継局設置計画がロードマップどおりに九五%の地域がカバーされても、残りの五%についてだれが責任を負うのかと、こういう問題があります。NHKに設置義務があり、民間事業者にも努力義務はありますけれども、国策である以上、当然最終的な責任を政府が持つべきだというふうに思います。  そこで、お伺いいたしますが、先進国中、デジタル放送を推進している国でアナログ放送をすべて打ち切ったと、そういう国が一国でもあるんでしょうか。
  31. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 国としてアナログ放送を完全に停波したと、そういうところは承知をしておりません。  なお、ドイツの例ですけれども、ベルリンにおきまして二〇〇三年八月四日にすべてのアナログ放送を停波していると、そういう事例があるというふうに承知をしております。
  32. 吉川春子

    ○吉川春子君 国としては一つもないんですね、大臣の御答弁のとおりです。アメリカはデジタル放送を、本年打切りの予定でしたけれども、三年先に延ばしています。  放送法九条の五項、いわゆるあまねく条項の、受信できるように設置しなければならない義務条項を持ち出すまでもありませんが、第七条におけるNHKの存在自体が、公共の福祉のためにあまねく日本全国において受信できるように放送業務を行うということを目標にしています。しかも、国民の受信料で成り立っているのであり、あまねく日本全国の国民放送提供するということからいえば、国民の納得、合意なしにアナログ放送を打ち切るということはできないと思いますが、大臣、いかがお考えですか。
  33. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 御指摘のように、国民があまねく全国でテレビ放送を受信できるような状況をつくっていくということは我々としては大変重要な役割だと思っております。同時に、今技術の体系が大きくアナログからデジタルに変わって、そのデジタル化を推進することによって今までよりも更に質の高い非常に大きな便益が国民に及ぶ、そういう大変重要な、何といいますか、ポイントに私たちがいるという、そういう時代認識も大変重要であるというふうに思っております。  であるからこそ、この二〇一一年までに国民一〇〇%がデジタル放送を受信できる環境を整備すると、それが私たちの務めであるというふうに思っています。ロードマップを九五%から一〇〇%にすること、そして一方で受信機の問題等々もございます。低廉化、多様化を図る、その双方においてしっかりと対応する、また国民に対する広報、周知徹底を丁寧に行っていきたいと考えております。
  34. 吉川春子

    ○吉川春子君 今日私が質問しようと思っていることを総括的に答弁していただいた感じですが、具体的にその今おっしゃったことについて伺っておきます。  条件不利地域でのインフラ整備目標どおりに二〇一一年七月までに一〇〇%カバーできたとしても、今大臣がおっしゃったように、受信機やアンテナの購入をどうするのかという、すべての国民にその買換えができないことであってはならないし、この問題の解決なしにアナログの打切りはできないというふうに思います。  それで、具体的な数字をお伺いします。局長で結構なんですけれども、現在のアナログ放送用受信機の販売台数は累積でどれぐらいになっていますか。地上デジタル放送受信機の台数は累計で何台になっていますか。
  35. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 我が国のテレビが今実は何台あるかというのは、正式の統計はございません。今までの出荷台数をベースに想定をいたしますんですが、現在およそ一億台以上のアナログテレビがあるのではないかと言われております。  これまでデジタルテレビの販売、出荷されているものは、トータルで約一千万台でございます。しかし、最近におきましては、二〇〇五年辺りの数字を見ますと、アナログテレビが五百五十四万台、デジタルテレビが三百十三万台というような形で、現在それぞれのテレビが販売されているものと承知しております。
  36. 吉川春子

    ○吉川春子君 まあ一人一台ぐらいの割でテレビが普及しているということを見ると、アナログテレビは一億三千万台、まあそれ前後というようなことをおっしゃっていることもありますし、十五年十一月末の日本ケーブルラボの調査によりますと、デジタルテレビは七百三十七万台というふうに資料が出されていますけれども、まあ六百六十万台ぐらいかなと、こういう学者の方の論文もあります。  それで、いずれにしても圧倒的にアナログテレビが多いわけですけれども、一億台を超えるそのデジタル用のテレビの販売がなければ、現在利用している国民の利便性は大きく損なわれると思いますし、仮に一家に一台としても四千万台の販売が必要になると。で、アナログ波が止まれば一億台前後の活用できるテレビ、これがごみ同然になるということも言えるわけです。  国策によって使えるテレビをごみにする、こういう不合理なことは許されないのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  37. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 先ほど言いましたように、アナログからデジタルへの大きな技術体系の転換によって、やはり国民一人一人が大変大きな利益を享受できる、そういう重要な今転換の節目にあると思います。我々の目指すところは、だからこそ国民全員に一〇〇%の確率でこのデジタル化のメリットを享受していただきたいということに尽きるわけでございます。その意味では、この受信機そのものは国民の皆さん一人一人で整備、手元にその整備していただかなければいけないものだとは思いますけれども、先ほど局長から答弁させていただきましたように、着実にデジタルテレビの出荷は増えていると認識をしています。  例えば二年前、デジタルテレビの割合ですね、出荷の割合は一八%、二割弱だったわけですけれども、今年の一―三月期について見ますと、四八%がデジタルテレビになってきております。これは、しっかりと周知広報して国民の皆さんにデジタル化の意味を御理解いただきつつある重要なプロセスであるというふうに思っているところでございます。  いずれにしても、しかし機器を低廉化するということは重要でありますし、もう一つ、いわゆるチューナーですね、チューナーを取り付けることによってより安い価格で、アナログ停止の後も、停波の後もテレビを見ることができるわけでございますので、そういうことの更に一層の低廉化、そしてこのことの周知徹底を行うことによって、結果的に一〇〇%の国民の皆さんがこのデジタル化の恩恵を受けられるようにしたい、私たちはそのように考えております。
  38. 吉川春子

    ○吉川春子君 ところが、総務省は全国電機商業組合連合会とか百貨店協会等に対して、その協力依頼では、二〇一一年アナログテレビ放送終了というこのステッカーを張るということを協力依頼をしているわけですね。  国民の不安を取り除くためには、今あるテレビでも十分大丈夫だと、買い換えなくても大丈夫なんですよというメッセージをもっともっと送る必要があると思うんです。こういうステッカーを張ると、放送終了しますから買い換えてくださいねと言わんばかりのステッカーを張ることを推奨するということは、これは総務省が電機メーカー御用達のようなものと思われても仕方がないと思います。  この通達を改めて、改善して、テレビの買換えを希望しない家庭にはコンバーターの取付けやアンテナの取替えで大丈夫なんだと、そういうことをもっともっと周知徹底させて国民の不安を取り除くようにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  39. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先生御指摘の、今メーカー出庫のときにはそれぞれのテレビだとかそういうようなものにそのシールを張っていただいたりしておりますが、そのときにも二〇一一年アナログテレビ放送終了としまして、地上デジタル放送をご覧いただくには専用チューナーが必要となりますというところも書き込んでおりますので、そういう意味では、例えば既存のアナログテレビを御購入、新たに御購入される方は当然その時点でまた二〇一一年のときには専用チューナーがというところが分かっていただけるかと思います。  それから、説明資料、告知ポスター等においても、その辺り、チューナーを活用するというところも項目の中に入れているところでございます。
  40. 吉川春子

    ○吉川春子君 その通達、拝見しているんですけれども、一番大きいのは、だからその二〇一一年アナログテレビ放送終了でね、あと本当に虫眼鏡で見なければならないような感じで、いや、実はチューナーでも大丈夫なんですよと、項目がびっしりあって、もう小さい字で書いてあるんですよ。私、幸い近眼ですので読めますけれども、これは非常にやっぱり二〇一一年アナログテレビ放送終了と、このステッカーを張ってくださいということにウエートを置かれています。ですから、チューナーの取替えで大丈夫ですよと、今のテレビでも使えるんですよという宣伝を、竹中大臣、もっとそこを国民に発信して、不安感を取り除いていただきたいと思いますが、いかがですか。
  41. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) ステッカーそのものは二〇一一というふうにキャッチにそれをやって、そこは大きくなっていますので、これは一つの有効な、目を引くデザインだというふうに思うんですが、吉川委員指摘のように、確かにチューナーでもできる、いいんだと、できるんだと、全部買い換えなくてもチューナーでも引き続きテレビが見られるんだということを確かに周りの人でも知らない人、結構いますね。それは私も思います。  そういうことをちょっと念頭に置いて、私自身もいろんなところで発言するときに注意したいと思いますし、いろんなそういった意味での周知広報は丁寧に行いたいと思っております。
  42. 吉川春子

    ○吉川春子君 今日の法案のダイレクトの問題なんですけれども、過去五年の光ファイバー普及率を見ますと、二〇〇四年度末で全国平均が八四%、政令指定都市、県庁所在地、都市エリアでは九五%でありますが、人口十万の都市では八八%、それ以下の都市では六五%でしかないと。過疎地域で非常に普及率が低いわけで、これまでは企業が、まあ当然のこととは思いますが、もうかる地域を中心に光ファイバーを施設し、これに補助金を付けてきたと、この法案ですね、そういう結果であると思います。  今回、その電気通信基盤充実事業を更に五年間延長するというのであれば、国民デジタルデバイド解消のためにきちっと普及するように、特に過疎地が残らないように、そういう予算の執行、法の執行ということに配慮する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  43. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員指摘のように、今委員挙げてくださいました整備状況の数字、き線点光化率の数字だと思いますけれども、それに関しまして地域間でまだら模様があるというのは、御指摘のとおり、私たちも強く認識をしております。  先ほど申し上げましたように、これはやはり先行性のある非常に巨額投資であります。かつこれは、もう各国頭を悩ましていますけれども、やはり民間主導でやらなきゃいけないということでありますので、その跛行性がある程度今はあるというふうには承知をしておりますが、であるからこそ私たちは二〇一〇年というおしりの年限を区切って、そのときまでにはきちっとそれが行き渡るように計画を立ててしっかりとやっていきたいという決意を持っているわけでございます。  そのために今回の法律競争政策に合わせて投資インセンティブを与える今回の法律改正お願いしておりますし、また先ほども申し上げさせていただいたいわゆる条件不利地域に関して交付金を、そのための交付金を創設をいたしました。こういうものを活用して、また地域でもしっかりといろんな形で御相談いただいて、国の役割地域役割民間企業役割、いろいろあると思います。そういう点をきめ細かく目配りしながら、二〇一〇年の目標年次にはブロードバンドゼロ地域を完全に解消できるように全力を尽くしたいと考えております。
  44. 吉川春子

    ○吉川春子君 時間がなくなりましたので質問ができなくなりましたが、事業者の中でもとりわけNTTの責任は大きいわけです。しかも、電話加入債権の国民への返還を勝手に返金しないことに決めています。当然、電話加入世帯への整備責任もあるわけで、この十五年間、低利融資利子助成、税制優遇、債務保証と国民の税金により約五千三百億の支援を行って、更に今後五年間特別交付税を付けて体制を厚くすると。NTTが圧倒的な割合、六割でこの優遇措置を受けてきたということがあります。三月の連結決算では、光回線サービスの販売でIP系が千八百五億も利益を伸ばしています。私は、こういうNTT企業としての社会的責任が非常に大きいと思います。こういう点も十分配慮して、この社会的責任を果たさせるように配慮した上でこの予算の執行をしていただきたいということを最後に要望いたしまして、終わります。
  45. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  本題に入る前に、五月十日の諮問会議での竹中大臣地方交付税に関する発言がまたも削減の面を強調する形で報道されていますので、真意を伺っておきたいと、こう思います。  前回、私は大臣の同じく三月二十九日の諮問会議での地方交付税六兆円削減という発言報道を取り上げました。これに対して大臣は、一つのメディアが面白おかしい言い方をしているんだと、こういうふうに、誤解だというふうにお答えになったわけですが、どうも二回続いてまいりますと果たして本当に大臣そうなのかと、こう言いたくなるわけでありまして、何か交付税削減の方向に大臣なり諮問会議の方が向いているんじゃないのかと、こう思えてしようがない。  そこで、私は、大臣のこの地方財政改革についての諮問会議でのレジュメをいただきました。正味四枚でありますが、まず、一ページのタイトルが「地方財政制度の問題点と対応」とあって、問題点として四点挙げられていますね。まず一つは複雑で分かりにくい、二つ目には地方の自由度がない、三つ目に地方の責任が不十分、四つ目に国に依存し過ぎている、こう書いてあるわけでありますけれども、これらがなぜ交付税削減になるのか、こう言いたくなるわけですが、今挙げたこの四つというのは全部国がつくった制度ですからね。国の責任なわけですよね、基本は。もちろん、大臣がおっしゃっているのは新型の五兆円に全部移行するのではないことは分かっておりますけれども、しかし、いかにも交付税が悪者で、そういう意味では大幅に減らすことが何か改革だと言わんばかりに聞こえてしようがないわけです。  そこで、もう一度大臣に交付税制度の意義のイロハのイについて確認をいただきたいと、こう思っているわけですが、まず第一番に、交付税の財源である所得税等の一部は、形式上は国税として国庫に入ってくるけれども、これは自治体の固有の財源であって、国の政策で減らすことはこれは許されない。したがって、新型交付税といっても、交付税総額の中での算定の一部簡素化なのであって、減らす提案ではないんだろうということをまず一つは確認いただきたい、こう思います。  第二に、交付税は、地方自治体の財源不足の補てんとはいっても、現実には大半の自治体にとっては地方税と並ぶ、いやむしろ地方税以上に額が多い不可欠な一般財源になっているということ。  それから三つ目に、不交付団体を減らせるのは唯一地方税を増やした場合、つまり国税の税源移譲をした場合であって、これは大臣自身が毎回認める発言をされてきたと思いますが、この点が三点目だと思いますね。  以上、この三点について、これ以上マスコミや諮問会議に誤解を生まないようにもうはっきりと単純明快にお答えをいただきたいと、こう思います。
  46. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 前回の諮問会議に関する御質問でございますが、又市議員、諮問会議の議事録は出ていると思います。是非御確認いただければ、私がそういうことは言っていないというのはもうすぐに委員は御理解をくださっていると思います。  今回、新聞報道でもそういう削減、削減という話はなかったのではないかなと、ちょっと私は認識をしておりますんですが、といいますのは、その諮問会議の冒頭で、まずこの話というのは、国、地方を合わせたプライマリーバランスの回復に向けてその点は努力しなければいけない。だから歳出削減には国も地方も努力しなければいけない。そのマクロの議論と仕組みの議論というのは、これは分けて考えなければいけません。私は仕組みの議論を今日はするんですと。そのマクロの話は、むしろ今、これは政府・与党、自民党の中で政調でやっておりますので、そこには御協力するけれども、今日の議論はその仕組みの議論でありますということをわざわざ前提を置いて議論をしておりますので、削減の議論を前回したというのではこれは全くないということは御理解をいただけると思います。  一方で、削減しろという声は諮問会議の中では非常に強いです。これは事実です。交付税の仕組み等々どこまで御理解なのかよく分かりませんが、そういう議論が強いというのは、これは現実の問題としてはそうだと思っております。その意味でまず削減ありきではないでしょうということを私は繰り返しその中では述べているつもりでございます。  委員の御質問の中で、今お答えした部分はあると思いますが、それ以外の点について申し上げますと、これは新型交付税について私は提案をさせていただきました。私の思いは、今は交付税ないしは地方に対する一方的な批判がありますけれども、最大の問題は、国の役割地方役割が非常に不明確なまま推移しているというこの点に私は尽きると思っております。だからこそ、国の役割地方役割の明確化のための分権一括法の見直しのようなことを、これは時間が掛かると思いますけれども、やっぱりそこに踏み出さないといけないということをこの間の提案で明確化しております。  もう一つ、しかし今でも国の基準付けがない部分というのがあるわけです。その部分について、まずその部分を新型の交付税ということで、各地域の一定額の歳入を保障するような形で、新型交付税という形で算定の簡素化を行うということを提案をしているわけでございます。したがいまして、それも含めて、これはもう何度も御答弁させていただいていますけれども地方共有の固有財源であるということは、これはもうこれまでの国会の答弁のとおりでございます。  いずれにしましても、国がもっと自由度を持てるようにする、そして同時にしっかりとした財源の基盤を持ってもらって、その範囲でしっかりと責任も負っていただくようにする、そういう改革に是非一歩踏み出したいと考えております。
  47. 又市征治

    ○又市征治君 もう一つだけ、この五月十日のレジュメ、大臣のレジュメで最も引っ掛かる具体例、具体的な問題を一つ挙げて、これは是非訂正をいただきたいなと思ったんですが、四の国に依存し過ぎているということの具体例として、地方の借金の返済を国が支弁していると、地方債の元利償還における交付税措置のことを非難がましくお書きになっているんですが、しかしこの地方債の一部というのは、国が交付税財源が足りないためにいわゆる折半ルールを自治体に押し付けたわけですね。他の一部は国が景気対策として公共事業を拡大をして、財源がないのに地方に実施させた、その分を地方債許可を乱発をしたわけです。どちらも実はこれは国の政策的責任に由来をしているのであって、だから国が払っているのであって、今さら、国が支弁しているんだ、おまえが自分で返せみたいに言うのはこれは約束違反だと、自治体の側からすればそういうことになるんですよね。したがって、ここのところはもう一度御答弁をいただきたいと思います。
  48. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) その点につきましても、地方債について、さきの懇談会の取りまとめの部分について、その点、正に又市委員言われるような問題を踏まえてかなり正確な記述をしておりますので、その点を是非御確認をいただきたいと思います。そこはあくまでレジュメですので、分かりやすく、特に諮問会議で複雑な地方の仕組みのことをなかなか分かっていらっしゃらない議員の方もいらっしゃるので、分かりやすく書いているわけですけれども、そもそもの考え方は、地方債というのはやはり財政的な側面と金融的な側面、両方あります。財政的な側面、正に今委員言われたように、投資事業について事業量をどう設定するかと、そしてそのときの財政措置をどうするかというところから現実のような形になっているということは、これはもう御指摘のとおりだと思います。しかし、一方、地方債というのは市場の中ではあくまでも金融の手段でありますから、その金融の手段で、地方債のその償還のときに国からその分言わば交付税の後払い的にその支出がなされているというのも金融的側面としては事実なんだと思います。  そういう観点から、まず、地方債に対する交付税措置の廃止を提案していますけれども、これは既発債についてそういうことを適用するということは懇談会でも想定していませんし、私も全くそれは想定されないことであるというふうに思っています。工程表を私示していますけれども、この地方債の自由化を進めていく中で、新発地方債に対する交付税措置の廃止は、これは徐々にそういう措置をとっていって十年後に完成するという位置付けでございますので、その間、今言いましたように、投資事業についての国、地方役割分担、その際必要な事業量をどのように設定するかといったことを併せて検討する、投資事業に対する財政措置在り方を見直すということが当然並行して進められなければならない、そういう性格のものであるというふうに考えております。
  49. 又市征治

    ○又市征治君 まだ本当は議論したいんですが、時間がありませんで、本題の側に入れませんので、この点はこれで打ち切らしていただいて本題に入りたいと思います。  さて、電気通信基盤充実臨時措置法の延長について伺いますが、今ほども同僚議員から、この財源支援制度がほとんどNTTなどの大企業の設備投資に流れているという指摘がありました。それもそうですが、問題は出口というか、投資された場所だろうと私は思います。  我が党は衆議院でも問題にいたしましたけれども、この制度の恩恵が地域によって非常に偏在をしている、つまり、NTTは国から受けた優遇措置による光ファイバー網の設置を地方では経済効率がないという理由で怠っている、この結果、人口十万未満の都市では六五%と非常に低いわけですね。この対策として、衆議院での我が党の重野委員への答弁では、投資効率が悪い地域について交付金を新設するからというものであります。それはつまり、今の基盤法が、既に延長を含めて十五年実施をしてきたけれども、最も重要な目標高速通信のユニバーサルサービス化に役立たなかった、欠陥があったことの証明にほかならないんではないか、こう思うんです。この点をどう反省なさっているのかというのがまず第一点。  また、なぜこの交付金は法改正に盛り込まないのか。新施策は体系が違うと言いたいんでしょうけれども、現に今、基盤法以外にその数倍の額、六十五億七千八百万円をほかの基盤整備関連事業に出しているわけですね。だったらこの際、法改正を機に過去の不備を補って、ブロードバンド充実関係の施策を一つに体系化して法案にする方が分かりやすいし、適切なんではないかと思うんですが、この以上二点について答弁をお願いします。
  50. 須田和博

    政府参考人須田和博君) お答え申し上げます。  先ほどのお答えと繰り返しになりますけれども、私ども、この基盤法によりまして、こうしたブロードバンドを全国に整備するということで平成三年以降支援措置を講じてきたわけでございますけれども、その結果、先ほど申し上げましたように、e―Japan戦略に掲げておりますADSL級では六〇%の世帯カバー率、そして光ファイバー級では一千万世帯、二〇%のカバー率ということにつきましては二〇〇五年に達してきているわけでございますので、そういった意味でこの支援措置の意義、効果というのは大きなものがあったのではないかと思っているところでございます。  そうした中で、もう一つ指摘いただきました、もう少し総合的、体系的な形で法律整備すべきではないかというふうな点でございます。  釈迦に説法になりますけれども、この基盤法は、繰り返しになりますけれども、あくまで民間主導による情報通信基盤整備促進するため、民間事業者投資インセンティブ付与する、そしてそのための利子助成などの各般の措置を講じるというものでございまして、そのために総務大臣の定める基本指針に基づく認定を受けた民間事業者をその対象としているものでございます。  他方、地域情報通信基盤整備推進交付金は、民間による整備が進みにくい地域など条件不利地域におきまして、地方公共団体整備を行う場合に、その投資額の一部を予算措置により負担するものでございますので、自治体に対するその他の交付金や補助金と同様、必ずしも法律に規定すべきというものではございません。  こうした意味で、この二つの措置につきましては支援対象とかあるいは政策手法を異にしているところでございますし、さらにこの二つの措置以外にも、地方財政措置や、先ほども指摘ございましたけれども、公共光ファイバー開放促進措置など、様々な情報通信基盤整備のための措置を講じているわけでございまして、これらを一つ法律の中に規定するというのは私どもとしてはいかがなものかなと考えているところでございます。  しかしながら、御指摘いただきましたように、大きな目的というものは全体一体的に、一つと思っております。したがいまして、これらの施策につきまして、周知するに当たりましては基盤法措置交付金あるいはそれ以外の措置のそれぞれの役割をよく示しつつ、総合的に提示してまいりたいと考えております。
  51. 又市征治

    ○又市征治君 時間が参りましたからもう質問できませんが、最後に、この法律による固定資産税の軽減ですけど、現在五億六千三百万円、全国ベースではわずかとはいえ、税をまける立場の個々の自治体にとって負担はどうかと、こう思うんです。離島過疎地ブロードバンド普及させるのが目的なのに、ただでさえ財源に乏しいそうした地域の自治体に対して法律によって税収を奪うのはいかがなものかと、こういうことであります。  固定資産税の軽減は廃止をして、その分、国が法人税の償却をアップするなり代替策を取ったらどうか、この点の意見を申し上げて、終わりたいと思います。
  52. 平田健二

    平田健二君 民主党の平田です。  法案質疑に入る前に、NHKに二、三お聞きをしておきたいと思います。  平成十六年の夏に不正経理が発覚をして、NHK挙げて組織の改革に取り組んできた。そういうさなかに、また札幌の支局、総局ですか、空出張が発覚をしたと。NHKが提出しております報告書、読まさしていただきました。このとおりに内部で調査をし、モラルの向上に努めておればこういった事件は再び起こらなかったというふうに思っておるんですけども、ここに書いてあることが実施されてなかったんじゃないんでしょうか。今日までの、不祥事発覚以降、内部での調査あるいは規律を正すこと、そういったことについてお尋ねをいたしたいと思います。まず一点。  実は、不祥事が発覚をして、全国で受信料の契約の拒否件数もここにいただいております。十七年末、十六年に不祥事が発覚をして十七年末までに随分と改善されてきてますけども、この空出張が発覚した後、どのくらいその拒否件数があるのか、こういったことも含めて、今までやってこられた対策とこれからどのように取り組んでいくのか、そういったことについてまずお聞かせをいただきたいと思います。
  53. 小野直路

    参考人小野直路君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、おととし不祥事が発生して以来、私どもといたしましては組織を挙げて改革に取り組んできたというところでございます。コンプライアンス推進委員会というものを立ち上げまして、各部局にコンプライアンスの担当を置くとともに、倫理・行動憲章というものに全職員が誓約するというような形で意識の改革、それから経理の適正化や倫理の向上というものに取り組んできたということでございますけれども、それからまた外部の専門家による経理適正化委員会等、外部の方々の御意見も伺いながら体制を整えてきたというところでございます。  ただ、今回、こうした形でまた出張旅費の不正ということが明らかになりまして、一年半近くにわたって私ども積み重ねてまいりました改革、いまだに不十分であったということで、痛切に反省をしているところでございます。  今御質問にございました営業への影響はどうかということでございますけれども、まだこれは二か月単位でNHKまとめておりますので、この間の影響が最終的にどのぐらいになるかということはきちんと集計はできておりませんけれども、四月の十一日に発表をいたしまして以降、営業の方への影響はかなりあるというふうに報告を聞いております。  今後、今スポーツ報道センター、それから札幌放送局を中心に経費のチェックということを緊急業務調査という形で行っておりますけれども、これが五月中に一定の結果が、調査結果がまとまりましたところで、それを踏まえまして、今後の新たな再発防止のための抜本対策というものを外部の専門家の意見等も伺いつつ立案していきたいというふうに考えているところでございます。
  54. 平田健二

    平田健二君 是非ひとつ、NHK挙げてこういった問題の解消に取り組んでいただきたいなというふうに思います。  そこで、今日は竹中大臣もいらっしゃるんでお答えづらいと思いますが、五月十一日に通信放送在り方に関する懇談会、ここで論点が整理されて公表されておりますけれども、中でもNHKに対して、経営委員会の経営委員の常勤化、それからチャンネルの削減、NHK本体のスリム化、さらには受信料の大幅引き下げ、NHKにとっては大変重い課題がこの懇談会議論をされて、ある程度NHKとしても方向性を出さなきゃならぬ、こういうことだと思います。  これらについてどのようにお考えなのか。もちろん、こういったことが出てくることは、今申し上げました不正経理だとか、空出張だとか、職員のモラルの低下、こういったのが根底にあるというふうに思われます。これらについてどのようにお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
  55. 中川潤一

    参考人中川潤一君) お答え申し上げます。  まず、大臣のこの懇談会につきましては、そのお考えを尊重すべきものというふうに心得ているつもりでございます。ただ、今回出されましたものは、最終報告に向けての論点整理ということでございまして、何々ではないかというような表現の中でそれぞれの課題意識を出されたものと理解しております。  そういった中で、その課題意識を端的に表すキーワードというものは非常に分かりやすく出されているというふうに思いますが、一方で、そのキーワードがどういう方向の議論の中に向かっていくのかということ、あるいはどういう論理の中で展開されているのかということにつきましては、まだ私どもは十分そこを把握している段階ではございません。  したがいまして、おっしゃる中で、例えばそのチャンネルの削減というものもございますが、単にそのチャンネルが多い少ないという議論ではなかろうというふうに私どもはまず受け止めておりまして、これは御案内のように、放送普及基本計画に基づいて国内放送八波のチャンネルをその趣旨に沿って実行しているところでございますけれども、なお、私どもは視聴者の方々のニーズあるいは利益というものはどの辺にあるのかということを踏まえてこういった議論はなされるべきかなというふうにも考えておりまして、いずれにしましても、これ現段階でNHKそれぞれのお考えを申し上げるというよりも、最終報告がまとまった段階でまた機会をいただければNHKなりの考え方を申し上げたいというふうに考えております。
  56. 平田健二

    平田健二君 懇談会の方向性というのがこれで示されたわけでございますんで、やはりNHKとしてもこういった内容についてしっかり議論をするということが必要だと思いますね。  次に、特殊な世界だと思いますが、放映権料あるいは出演者への出演料、それから制作委託費、こういったものが外部との契約でなされると思うんですけれども、例えばある音楽番組のディレクターといいますか責任者が直接プロダクションと話をして、最終的に契約をして、契約書がNHKの経理に回っていってそれで精算をすると、そういうシステムなのか、例えばですよ、すべての契約はすべての部署に集まって、そこできちっと契約をして行うのか、そこらについて教えていただきたい。
  57. 中川潤一

    参考人中川潤一君) お答え申し上げます。  端的な例として申し上げたいと思いますが、プロスポーツの放送権料というのがございます。これは例えば野球ですと各球団、サッカーですとJリーグ、そういったそれぞれの団体や組織がございますので、そういったところと交渉をいたしますけれども、これは原則として、報道局に中にございますスポーツ報道センターという部門がございますが、そこの担当者がそれぞれのそういった組織、団体と交渉を、放送権の交渉をいたします。それで、その最終決定は基本的には報道局長となっておりますが、なお、オリンピックでございますとかワールドカップサッカーとか、こういう非常に大きなビッグスポーツイベントで、しかも多額な放送権料が要求されていると、そういう場合にはこの決定権者は放送局長ということになってございます。  それからまた、芸能のところでも歌手あるいは放送作家といいますか、そういった人たちにそれぞれお願いするわけでございますが、こういった方たちの出演料なり、それから構成料といいますかこういったものは、まず概括的には、マルチメディア局というところがございまして、ここが一括してその団体と、例えば最低基準ランクを設けると、それからランクの考え方も設けるということがございます。それはまず一般的な基礎的なところでございますが、さらに個別の番組につきましては、それぞれの方々に対して、これはその番組の部長が責任者となりまして、それぞれ今回の番組は幾らでお願いをしたいとか、基準はこうなっているんでここでお願いをしたいとか、そういうことをやらせていただいているというところでございます。  なお、一昨年の芸能プロデューサーの不祥事がございまして、特に放送作家という人たちの頼み方に問題があるのではないかということがございましたので、こういった外部の方々に業務を委嘱する場合には、委嘱する前にその委嘱の妥当性とか報酬のランクがどうかとか、そういった必要性につきまして十分、そういう審査機構を設けまして、その審査委員会の中できちんとまず議論した上でお願いをするというふうなことをやっておりますが、こういったできるだけ様々な形で透明性を図っていくことは様々な業務において必要なことというふうに考えてございます。
  58. 平田健二

    平田健二君 普通の企業と違って、あるいは民放の皆さんもそうでしょうけれども、やはり私どもから見るとなかなか難しい契約のようだなと。そこにそういう不正が働く要因があるんではないかなというふうに思われますので、そういったところはやはり透明性を確保するという観点から、やはりきちっと整備をする必要があるのかなというふうに思いますね。また別な機会でございましたら、もう少し詳しくお聞かせいただきたいというふうに思っております。  今日は、NHK、以上です。ありがとうございました。
  59. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 退室していただいて結構ですか。
  60. 平田健二

    平田健二君 はい。
  61. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) じゃ、NHK、退室いただいて結構です。
  62. 平田健二

    平田健二君 それでは、法案について御質問をいたしたいと思います。  IT関連の法律は非常に似たようなものが多くて分かりにくいんですけれども、最初に基本的なことを二つ三つお伺いをしたいと思います。  まず、平成三年六月に基盤法が施行され、電気通信基盤整備事業を進めてきたわけですけれども、まず、支援措置、四種類あるわけですが、その実績についてまずお聞きしたい。あわせて、廃止期限を五年間延長する、五年間この法律を延長するということなんですけれども、その理由をお聞かせいただきたい。
  63. 須田和博

    政府参考人須田和博君) お答え申し上げます。  基盤法に係ります四つの措置平成十六年までの実績でございますけれども低利融資につきましては平成三年から十四年間の間で四千四百三十六億円、利子助成につきましては平成七年から十一年間の間で四十億円、税制優遇措置につきましては平成四年から十三年間の間で七百八十六億円となっております。なお、債務保証につきましては、これまでのところ実績はございません。  また、廃止期限を今回延長五年とした理由でございますが、情報通信インフラ整備につきましては、IT戦略本部の策定いたしましたIT改革戦略におきまして、二〇一〇年度を新たな目標年次と設定していること、また、総務省といたしましても、u―Japan政策におきまして、二〇一〇年には世界最先端のICT国家として世界を先導することを目標とし、そのために必要な情報通信インフラ整備を図る必要があるとしていることがございますので、こうした点から延長期間としては五年間としたものでございます。
  64. 平田健二

    平田健二君 日本ブロードバンド整備は実に評価が高いわけでして、高速あるいは超高速ブロードバンド整備の進捗状況について御説明をいただきたいと思います。
  65. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 我が国ブロードバンド整備の進捗状況でございますけれどもブロードバンド全体として見ますと、世帯カバー率は九三%でございます。そのうち、光ファイバーは七八%のカバー率ADSLはこの九三%カバー率となっておりますけれども、ケーブルインターネットは六八%のカバー率となっております。  こうしたカバー率の中で、現実の加入数といたしましては、ブロードバンド全体の加入数は二千二百三十七万加入、そのうち光ファイバーは四百六十四万加入、ADSLは千四百四十八万加入、ケーブルインターネットは三百二十三万加入となっております。
  66. 平田健二

    平田健二君 今御報告いただきましたけど、高速インターネットADSLですね、では四千六百五十万世帯利用可能、そのうち千四百五十万、三分の一。光ファイバーですと三千九百万世帯で四百六十四万ですか、八分の一。今言いましたように、料金も安い、速度も速い、世界一番の水準だと胸を張られたんですけれども利用率が悪いと。これ、どういう理由なのか。  それからもう一点、利用可能とはどういうことを指すのか、これを教えてください。
  67. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 最初に、利用可能というカバー率でございますけれども利用したい方が事業者に対しましてサービスを提供してくださいと申し込むと、それに事業者対応できるという意味でのサービスエリア、こういったものを前提にしましてカバー率ということでとらえているところでございます。  そうした意味でのカバー率はかなりの数字達しているわけでございますけれども、そういう中で、委員指摘のように、このカバー率と比べますと利用率というのはまだまだ低いところがございます。しかしながら、この利用率、二〇〇五年十二月で、合計、ブロードバンドの契約回線数は二千二百三十七万となってございますが、これは人口普及率で見ますと一七・六%、世帯普及率で見ますと四四・四%という数字になります。  この人口普及率での一七・六%という数字でございますけれども、これ、諸外国と比較しても遜色のない普及状況ではないのかなと思っております。例えば、二〇〇五年末におきまして、これはOECDの統計でございますけれども、この日本の一七・六%の人口普及率に対しまして、いわゆるICTの先進国と言われております米国も一六・八%ということでございますので、全般的に見て国際的な普及率、利用率は必ずしも別に低いというわけではないと思っております。  ただ、現時点では、利用という観点から見ますと、まだまだ魅力あふれるコンテンツが不足しているとか情報セキュリティーの不安だとか、利用面で解決すべき課題がいろいろあると思っているのは事実でございますですが、私どもとしましても、今後更にこういった点を適切に対応することによりまして一層の利用率の向上を図っていきたいと考えているところでございます。
  68. 平田健二

    平田健二君 この整備がスタートしてちょうど十五年ですか、平成三年ですから十五年ですね。今おっしゃられたように十五年掛けて四四・四%。で、二〇一〇年にはいつでも、どこでも、何でも、だれでもと、日本全国に全部ブロードバンドを使えるようにすると言いながら、十五年掛けて四四%。あと五年で、延長することによって、これが今総務省おっしゃっておるようにいつでも、どこでも、だれでも、何でも全部ということになりますか。いかがですか。
  69. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 若干繰り返しの答弁になりまして恐縮でございますが、二〇一〇年の目標としておりますのは、先ほど申し上げました利用可能にできるようにするということで、だれでも使いたいときには使えるようにするということの数字で一〇〇%を目指しているところでございます。  それに対しまして、現実には、世帯あるいは個人によりましても、自分はこういうブロードバンドは余り使いたくないんだ、信念上使いたくないとか利用がどうも満足いかないとか、そういう方はもちろんたくさんいらっしゃるだろうと思います。また、料金の面とサービスの面との兼ね合いとか、利用するのをためらっている方もたくさんいらっしゃると思っております。  したがいまして、私どもとしては、まず利用可能にするということが非常に大切だろうということから、こうしたものを政府目標として掲げておりまして、あと現実の利用につきましては、利用環境をいかに整えていくのかということで現実の利用を推進していきたいと考えているものでございます。
  70. 平田健二

    平田健二君 そうなんですよね。パソコンだけ使うんじゃなくて、そうなれば、光ファイバーで来たテレビも見れるし、テレビも利用できるし、電話も利用できるし、パソコンもと、こういうことで、多分何らかの形で利用するんだと思いますが、やはり先ほどお尋ねしたなぜ五年なのかということについて、私は、十五年で四四%、あと五年で本当に行くのかな、できるのかなということだと思います。  そこで、実はブロードバンドが未整備地域がまだあるわけですよね。ブロードバンド整備地域、残された部分の主なところは離島だとか過疎地域、こういったところだというふうに思っております。整備費も掛かりますし、利用者も少ない、そういった経済的な要因が一番大きいと思いますけれども、そのように理解をしてよろしいですか、離島だとか過疎地について。いかがでしょう。
  71. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 離島あるいは過疎地域に属する市町村でございますけれども、例えばこうした市町村におきまして光ファイバーが一部でも利用できるのは、離島は二・七%、過疎地域に属する市町村につきましては六・七%と非常に低い数字にとどまっておりますので、御指摘のように、離島過疎地域整備が特に遅れていることは事実でございます。  ただ、ブロードバンド基盤整備につきましては、今委員御案内のように、全体としてまだ整備途上にございますので、例えば離島過疎地域に限らず、例えば人口三十万人以上の都市を含めて、これを利用できない地域というのはまだまだ多数存在するという状況でございます。
  72. 平田健二

    平田健二君 ICTにはいろんな課題がありますね。二十幾つか項目がずっと書いてありましたけれども、その中でも地理的な情報の格差が最も重要な課題ではないかというふうに思っております。  私は地元は岐阜なんですが、岐阜も過疎化が進んでいる地域も多いわけでして、もう既に、今でも都市部との比較しても様々な格差があるというふうに認識をしております。少なくとも情報通信の分野においては格差を招かないようにしなければならないと思いますが、地理的な情報格差解消の重要性に対する大臣の所見をお伺いをしたいというふうに思います。
  73. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 平田委員指摘のとおり、情報通信技術の普及、それと地域格差の問題というのは、二通りの観点から私は極めて重要だと考えています。  一つは、いろんな意味での今地域格差が言われておりますけれども、この格差を是正するためにも情報インフラというのが実は大変大きなそもそも役割を果たすことができるはずだという点でございます。これは、遠隔地医療もそうですし、遠隔地教育もそうですし、いわゆる資源の賦存状況が厳しいような山間地域においても、この情報インフラ整備することによって様々な問題解決に役立つという非常に重要な面がございます。  ところが、一方で、これは委員も御指摘になられたように、実は、その情報インフラ整備するに当たって実は地域格差が出てくるのではないのかと。山間地域離島等々、本来最も必要としているはずであるところになかなかそれが行き渡らないというような問題がもしも出てくれば、これはその格差を二重、三重に拡大させることになってしまう、そのように考えなければいけないと思っております。であるからこそ、二〇一〇年にブロードバンドゼロ地域解消する、これは正にあまねくこのブロードバンドアクセスが全国でできるようにするということを政府目標として掲げているわけでございます。そして、そのために必要な措置をとらなければいけない。  この情報インフラは、その性格上、各国、大変いろんな工夫をしながら民間主導で進めております。民間主導で進めるに当たっては競争政策が大事であるし、またそのために、今回の法律改正によって、民間投資家に対して、民間事業者に対して投資インセンティブを与えたいと考えるわけでございます。また同時に、それでもやはり民間だけではできないところについて交付金の制度もつくって、政府としての役割、そして地方自治体としての役割、そういうものを総動員しながら、是非二〇一〇年にブロードバンドゼロ地域解消、それを実現して、地域格差が生じないように全力を尽くしたいと考えております。
  74. 平田健二

    平田健二君 そこで、地理的情報の格差についてお尋ねをいたします。  それぞれ、過疎地であるとか離島だとか、そういったところの格差解消するためにいろんな技術が開発をされておるというふうに思っております。低コストで有用と思われる技術が中にはあるわけでして、その中に固定型のWiMAXがあるわけですけれども、この方式について御説明をいただきたいと思います。
  75. 須田和博

    政府参考人須田和博君) WiMAXでございますけれども、これは携帯電話と無線LANのそれぞれの長所を取り入れたような新しいタイプの無線ブロードバンドシステムの一つでございまして、米国が主導して、具体的には、米国の民間標準化団体でございます米国電気通信学会、よくIEEEというような言い方をしておりますけれども、ここが標準化を行ったものでございます。その中でも、携帯電話のようなモビリティーを重視したタイプと、それから、どちらかというと無線LANのように高速性を重視した固定的なものとの二つのタイプがあるわけでございます。  委員指摘の固定型WiMAXでございますけれども、従来の無線LANと比較しまして、より高速で、またより広域をカバーする、こういったものでございますので、その利用としても無線スポット的な利用に加えまして、今後のブロードバンド時代におけるラストワンマイルの加入者回線としての利用も期待されているところでございます。  我が国におきましても、この二月に情報通信審議会に対しましてこのような性格を有する新たなワイヤレスブロードバンドシステムの技術条件につきまして諮問して、現在、審議が行われているところでございますけれども、このWiMAXも審議の対象となるシステムの一つとなっております。
  76. 平田健二

    平田健二君 大臣、今お話がありましたように、WiMAX、過疎地域ブロードバンド整備に大いに役立つんではないかなと思いますけれども大臣、どうでしょう。
  77. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 私、技術の専門家ではございませんですけれども、いろんな専門家のお話を伺うにつけ、このWiMAXというのは大変大きな可能性を持っているなというふうに考えております。  特に、これ、これから非常に多様な技術を活用しながら、先ほど申し上げましたブロードバンドゼロ地域解消を目指さなきゃいけないと思うんですね。そういう中で、非常にこのWiMAXも、都市の地域、また過疎地、それぞれにおいていろんな活用の仕方があるんだろうなというふうに考えております。是非、専門家に、先ほど局長から話がありました、今審議会で詰めてもらっておりますので、このことの積極活用の可能性を詰めていただきたい。私自身は大変期待をしている一つでございます。
  78. 平田健二

    平田健二君 あわせて、離島等における衛星ブロードバンド利用ですけれども、これも衛星用のアンテナを立てれば比較的低コストで整備できると思うんですけれども交付金を併用すれば実現可能だと思いますけれども、これについてはいかがでしょう。
  79. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) お尋ねは衛星ブロードバンドでございますね、特に離島における活用等々。  この衛星通信のシステムというのは、もう言うまでもありませんけれども、非常に広域性があって、同報性があって、そしていろんな災害に強いという特徴を有していると思います。離島においては、衛星を用いると効率的な通信インフラ整備が可能になる、有効な手段であるというふうに思います。  この衛星通信事業者、現在、ブロードバンド整備地域向けに衛星による事業者向けインターネットサービスを実施中であるというふうに承知をしておりますけれども、一方で、これ、初期投資がやっぱり高いということとランニングコストが高いという面もあると聞いています。また、陸上でのブロードバンドに比べまして十分な伝送速度が実現できていないために、現状では必ずしもその利用は進展してない状況にあるということだと思います。  総務省としましては、先ほど申し上げました点、デジタルディバイドの解消に向けまして衛星ブロードバンド利用の有用性は基本的には高いというふうに考えております。この衛星通信の大容量化を図る、そして離島などの条件不利地域においても利用可能となるように、コストの問題もございますから、更なる研究開発を推進しているところでございます。
  80. 平田健二

    平田健二君 次に、都市部での利用率の向上ということでお尋ねをいたしますが、都市部においても最後の一マイル、ラストワンマイルですか、問題が起きているわけですね。数キロ四方をカバーするような無線局をき線点に設置をすれば、引込線を引くこともなく、待機、待つこともなく、私の子供も、近くまで来ておるんですが、マンションが穴を開けるのを嫌がっておるんですね、光ファイバーを通すのに。そういった必要もなくなりますし、各世帯は送受信機を設置するだけで利用できる。こういうことだと利用率の向上につながるということで、都市部での固定型の無線ブロードバンドの有用性について、大臣はいかがお考えでしょう。
  81. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 都市における無線ブロードバンドでありますけれども、一般論としては過疎地のような人口密度が低いところで無線ブロードバンドが有用であるというふうに言われていると思います。人口密度の高い都市部のようなところでは有線ブロードバンドの方が有用性が高いというのが一般的な考え方だと思います。  しかしながら、その都市部においてもこの光ファイバーを施設することが困難な場合があります。河川を越えられるか、鉄道を越えられるか、またげるかというような問題、古いマンションでは多額の工事費が掛かるという、そういう点もありますので、無線システムがブロードバンドの加入者回線として利用されている例が増えているというふうに思います。また、現実に、最近はいろんなところに行きましても、いわゆる無線スポット、これ空港とか駅とか、ホテルの中全体とか、いろいろなところ増えている。その意味では、局部的な形でうまくそれを活用して、都市の中でも大変有用性を高く用いている例があると承知をしております。  先ほども申し上げましたように、いろんな技術の組合せで、多様な技術を用いて、きめ細かな、正にユビキタスなネットワークをつくっていくことが重要であると思っております。
  82. 平田健二

    平田健二君 是非、都市部でも無線型のブロードバンド、是非整備をしていただきたいなというふうに思います。  最後になりますけれども、私は、地理的情報格差解消には無線ブロードバンド利用が最も有効だろうというふうに考えております。そして、事業者投資インセンティブをより強く働かせるためには広いマーケットを持つ移動型が必要だと思うんですね。基盤法の目的である高度通信ネットワーク社会実現させるためにも、移動型のブロードバンド基盤法の対象に入れるべきだというふうに思いますけれども大臣の見解を聞いて、質問を終わりたいと思います。
  83. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたように、ブロードバンド全国整備を図る上では有線系、これは有線系は大変重要で基幹になると思いますけれども、それに加えまして無線によるブロードバンドを補完的に整備するというのは大変重要な、有効な方策だと思います。現実に、無線LANのように、固定系のこの無線ブロードバンドにつきましては、この基盤法支援対象としております。正に整備促進を図っているところでございます。  一方で、移動系の無線ブロードバンドについて、これはなかなか、いまだ実用化の段階には至っておりませんで、その技術的条件について情報通信審議会で審議をされているところでございます。その答申を受けまして、その後、技術基準の検討が行われることになっていると承知をしています。  したがって、この移動系無線ブロードバンドについて基盤法の対象とすべきかどうか、その点につきましては、この現在検討中の技術基準の策定動向でありますとか、現実に事業者やサービス動向どうなっていくのかということを注視をしながら、今後、是非検討してまいりたいというふうに思っております。
  84. 平田健二

    平田健二君 終わります。
  85. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。  日本情報通信インフラ、順調に整備が今日まで進んできて、今日、世界で最も低廉なブロードバンド環境ができているというのはもう誠に喜ばしいことでありまして、更に高度なネットワークをつくり上げるためにこの電気通信基盤充実臨時措置法をもう五年延長しようと、そして二〇一〇年には日本じゅうどんなところでも高速ブロードバンドのサービスが利用できるようにしよう、誠に結構なことだというふうに思っております。  そこで、いつものように私が最後の質疑者でありますけれども、いささか総括的に御質問を申し上げたいと思うわけでございますが、一つは、この法律、再三お話に出ておりますように、平成三年に作られまして、最初十年の予定であったものがその後五年延長されて、更に今回また五年延長ということでございますが、その間に何遍かの法律改正がなされております。  手元の資料を見ますと、平成八年の第百三十六回国会のときの参議院の逓信委員会の附帯決議、これを見ますと二つの要望を申し上げているわけでありますけれども一つは、せっかくブロードバンド光ファイバーを中心としたブロードバンドの環境をつくるわけですから、その機能が十分に発揮できるように各種のアプリケーション、利用方法ですね、の開発・実用化の一層の促進に努めることというのが一つ要望されておりますが、もう一つ、情報通信ネットワークの安全・信頼性の向上という観点から災害に強い情報通信基盤を構築すること、こういう要望がなされております。  今までの御質問をずっと聞いておりまして、この点についての御指摘がなかったように思いますので、今日まで、この平成八年の参議院の逓信委員会で付けました附帯決議の、この災害に強い情報通信基盤の構築という点につきまして、どんな取組を行って、どんな進展があったのか。日本は元々災害の多い国でありますし、関東大震災、いつ来てもおかしくないと、そんな状況にあるわけでもございますので、この点について御説明をいただきたいと思います。
  86. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 総務省といたしましては、従来から、情報通信サービスの安定的な提供を確保するため、電気通信事業法に基づき技術基準を定めるなど、必要な措置を講じてきているところでございますが、これに加えまして、平成八年の御指摘電気通信基盤充実臨時措置法の改正以降は、御指摘の附帯決議を踏まえ、ネットワークの安全性、信頼性の向上に向けて更に取組を強化してきているところでございます。  具体的に述べさせていただきたいと思いますが、まず、現在御審議いただいております基盤法信頼性向上施設整備事業の対象設備でございますけれども平成八年度には、まず阪神・淡路大震災の教訓の下に、停電対策、代替伝送路の確保、こういったものを図るために非常用電源装置、非常用無線装置を対象設備として追加したところでございますし、さらに平成十三年度に高信頼管路設備、十八年度にも高信頼伝送装置、経路最適化装置等の設備を対象設備として拡充してきているところでございます。また、技術基準の見直しに関しましては、平成十六年度にIP電話、インターネットを使いました電話でございますけれども、この安全・信頼性を確保するための規定を整備しております。さらに、平成十七年度には緊急通報者の位置情報などを警察、消防などに通知することを制度化してございます。平成十五年度におきましては電気通信事業法の改正をしていただきましたけれども、その際に、電気通信事業者が相互に連携して重要通信を確保することを新たに制度化いただいたところでございます。  さらに、今後でございますが、現にネットワークのIP化の進展というのが我々の政策課題として大きな課題になってございますが、インターネットは基本的にいわゆるベストエフォートの形でございますので、どうしても通話品質の確保等につきましては様々な問題ございますし、必ずしも、従来のネットワークと比べますと、こうした意味で安全性、信頼性という観点からはまだまだ検討すべき課題が多いと思っておりますので、私どもといたしましては、このようなIP化の進展に対応しても十分な安全性、信頼性を確保していただくように、電気通信事業法に基づきます技術基準を情報通信審議会において御検討いただいているところでございます。  総務省といたしましては、御指摘のように、本当に国民の皆様が災害時などにおいても安定的に情報通信サービスを受けるようにすることが非常に重要だと思っておりますので、ハード面、ソフト面の両面から取り組んでまいりたいと思っております。
  87. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 どうもありがとうございます。  私は、ますますこれから、皆さん方の御努力だけではなくて、世の中全体が情報通信ネットワークというものに対する依存率が高くなってくるというふうに思いますので、そういう意味では、ネットワークそのものが脆弱であったのでは全く意味がありませんから、世の中で、例えばIPとよく言われますけど、インターネットの通信方式を使った通信だとか、それからEコマースと言われるような商業行為等、どんどんどんどん発展をしていくんだろうと思いますけれども、肝心の情報通信インフラが何かあったときにはすぐ使えなくなるということでは困りますので、より一層充実に努めていただきたいというふうに思っております。  もう一問で終わりにしたいと思います。  大臣お尋ねをいたしますけれども、こういうことで情報通信の高度化が図られて、二〇一〇年にはブロードバンドゼロ地域というものがなくなると、地方でも都会でも同じようにブロードバンド利用できるようになる、こういうことでございますけれども、こういった整備を通じて、結果的に、じゃ、一体世の中どんなふうになるんですかという、その具体的なイメージということになりますと、なかなか国民の皆さんに分かりづらいのではないかという気がするわけであります。一体どういう点が便利になり、あるいは、これから少子高齢化というようなことが言われるわけでありますけれども、そういった国の姿が見えている中で、高度情報通信社会というものが一体何をもたらしてくれるのか、どんな社会なのかというそのイメージにつきまして、大臣、大変こういうお話はお得意だと思いますので、国民に分かるような形の何かメッセージのようなものでも発していただければ大変有り難いと思います。
  88. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 大変難しい御質問が一番最後に来たわけでございますが、九〇年代の半ばから後半にかけて、一体IT社会とはどういうイメージなのかということで専門家がいろんな夢を語った時代がございました。  ブロードバンド時代がそれを受けてどういう時代になるのかと。よく似たようなところがあるのだと思います。これはますますこれからいろんな知恵を出さなきゃいけないところでございますから、一面的にこういう社会、イメージということを私とても申し上げることはできないわけでございますが、実は、二〇一一年に地上デジタル、そして二〇一〇年にブロードバンドゼロ地域解消、正にあと五年ぐらいで日本全体が本格的なデジタル社会に入るということを意味しているんだと思います。  デジタルな社会というのはどういう社会かというと、これはなかなか一律には言えませんが、私は、専門家から教えていただいたことでいいますと、最初も私もデジタルという意味がよく分かりませんでしたが、デジタルというのは、要は数字に変えることであると、数字に変えるからいろんな情報が圧縮できて、簡単に高速で送れるし、数字に変えるから、それを復元するときに非常にきれいな形で復元できるんだと、そういう画期的な技術体系に私たちの社会が移行するということだと思います。  そして、それをどのように活用するか。そこにこそ正にビジネスチャンスがあり、私たちの生活のライフスタイルの変革があるということだと思います。そこは正にこれから我々自身がいろんな知恵を出さなきゃいけないと思いますが、あえて言えば、それによって私はやはり機会の平等が広がるということなんだと思うんです。時間と距離を超えて高速にいろんなやり取り、情報のやり取りができるようになる、機会の平等を広げる、その中で新たな価値が生み出されていくであろうと。そして、それは私たちにとってやはり当面の重要な課題である。一方には、私たちにやっぱり社会の競争力を高めて経済を豊かにしていくということ、一方で、安全と安心というもう一つの私たちのニーズを満たしていく非常に重要な武器になるであろうということだと思っております。  この二〇一〇年を正にデジタル、本当の意味でのデジタル元年をきちっと迎えられるように、この五年間、大変重要な時期になるというふうに考えております。
  89. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 どうもありがとうございます。  本格的なそういうデジタルの社会が進んでまいりまして、そのことが日本に住んでいる国民の皆さんにとって、より便利なものになったり、より安心なものになったり、力強い味方になるように心から期待をするものでありますし、また日本だけではなくて、恐らく世界各国も同じような努力を続けているんだと思いますけれども、先頭を走っている日本として世界を大いにリードしていただければ有り難いと思います。  以上で質問を終わります。
  90. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  91. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、平田健二君が委員辞任され、その補欠として下田敦子君が選任されました。     ─────────────
  92. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  93. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  95. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 電子署名に係る地方公共団体認証業務に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。竹中総務大臣
  96. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 電子署名に係る地方公共団体認証業務に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、電磁的方式による申請、届出その他の手続における電子署名の円滑な利用の更なる促進を図るため、行政機関等及び裁判所に対する申請、届出その他の手続に関し、利用者電子署名を行ったことを確認することができる者の範囲を拡大するとともに、自己の認証業務情報を開示請求する際の事務の規定の見直しなどを行うこととしております。  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  97. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十七分散会