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鈴木寛君 今のお話は分かるんですよ。これから正にICTを基に新しい
サービス、新しい産業をつくっていくと、そのためにきちっと見直して、大丈夫かということを見ていきましょうと。まあそういうことで、私が思いますに、ICTの
サービスの創意工夫を発揮するレーヤーというのは、これだんだん上に上がってきてますよね。正にいわゆる
通信レーヤーからアプリケーションレーヤー、コンテンツレーヤーと、こういうところになってくると、私もそういう
方向だと思います。
ですから、今大臣がおっしゃった、特にコンテンツレーヤーのビジネスモデルをつくるときに、私も文部科学
委員会にずっとおりまして、この間、毎年著作権の審議は私が当たらさしていただきましたので、デジタル著作権の
在り方についてきちっと見直さなきゃいけないというのは、
総務委員会と文教科学
委員会が一緒になってこれはやっていく、それはよく分かります。
そのときに、これから、今ギャオのお話が出ました。私の最大の関心も、ナローバンドから
ブロードバンドになって何が変わるんだろうと。端的に
ユーザーの観点から申し上げれば、やっぱりこれは映像、動画というものを本当に安く、そして極めてコンビニエントに見れる、あるいはそれをつくれると、こういう時代が来ましたと。これは本当すばらしい時代だと思います。そうなったときに、今ギャオのお話がありました。今、私が思いますに、インターネット
テレビといいますか、私も実はやってますけれども、インターネット
テレビ局を個人で、そこに参入していきたいとは思ってますけれども。
大きく申し上げると、ギャオのグループがあると。それから、いわゆる
テレビバンク、ソフトバンクグループが
テレビバンクに進出をしていく。それから民放連と電通が新しい会社をつくっていく。このどこがどういうふうになるんだろうかというのは私も大変に関心、わくわくしながら関心を持って、もちろんいろいろ山と谷はあるかもしれませんけれども、関心を持っていると。そういうところで創意工夫にあふれたビジネスがどんどんどんどんでき上がると、そのための
インフラをチェックしようと、これはよく、大変よく分かります。
そのときに、私是非申し上げたいのは、この
世界は、釈迦に説法ですけれども、正に
競争政策とそれから正に知的財産
戦略とのトレードオフをどういうふうにしていくのかと。こういう問題と、それからやっぱり情報
サービス財に特有の、先ほど
ネットワーク経済効果のお話がありました。正に
ネットワーク外部経済効果、結局ウイナー・テークス・オールになるわけですね。結局今までこの十年間、我々
日本チームは何に苦しんできたかというと、結局はウイナー・テークス・オールだと。シリコンバレー発信の企業がウイナー・テークス・オールで
ネットワーク経済効果でどんどんデファクトスタンダードを取っていくと。こういうことの中で、もちろん我々
ユーザーとしては
サービスも享受したけれども、しかしそこに
日本発のものも、別に
日本だけがということじゃありませんけれども、グローバルな新しいビジネスの創意工夫の中に我々の持っている
技術とかあるいは人材とかコンテンツとか、そういうものも参画をして、そこに貢献をしていきたい、こういう発想だと思います。
その中の
一つが、正に村井先生が進められてきたIPv6なんかもそういうことになるんだと思いますし、それから、今回
日本がやっと
世界の頂点に久しぶりに上り詰めたこの光
技術といいますか光パラダイムといいますかね、これもその
一つだというふうに思うわけです。
そのときに、私は、違和感がありますのはというか、要するにこの
議論できちっと整理をしておかなければいけないのは、公正有効
競争政策の考え方というのをやっぱりコンシステントにしておかなきゃいけないんじゃないかなと、こういうふうに思うわけです。
で、先ほども森元
委員との御
議論の中で、ドミナントだから
規制するわけではないということをおっしゃった、だから必ず、という理由だけで
規制するわけではないと、そのところを
懇談会に投げているんだと、こういうお話がありましたが、この点は極めて重要な話で、これにはいろいろな考え方がありました。そもそもドミナントだからこれは分割をするという考え方もかつて
アメリカに、九五、六年のときに、マイクロソフトの、バーサス司法省の中で、マイクロソフトを分割をするということによって、これは伝統的に
アメリカの司法省がやってきた独禁
政策ですけれども、分割をして競争をさせてという、こういう考え方ありました。しかし、ITについては、ICTについては、それは結局はそういう方策を取らずにやってきたと、こういう話がありますね。
では次に、今局長も、必ずしもドミナントであるからというわけではないということの御答弁があったと思います。じゃ、次に考え得る考え方として垂直統合というセオリーがありますね。結局、局長の御答弁はそれに近いのかなというふうに聞かせていただきましたけれども、要するに、メタルの加入ではやっぱりシェアが大変多かったと。その多いシェアに基づいてそこにバーティカルに乗っけていくから、この部分はやっぱりドミナント
規制を引き続きやる必要があるんだと言うのか言わないのかという、これも
一つの論点としてそういう論点はあり得ると思っています。
確かに、
アメリカでも、結局、マイクロソフトのOSの上にオフィスを乗っけて、その上にインターネットエクスプローラーを乗っけてと。で、それが要するにネットスケープとのシェア争いにおいて逆転したのは、正にバーティカル統合、垂直統合
戦略の結果だったと。
その都度いろんな
議論があって、しかしながら、そのパウエルさんはですよ、まあいろいろな
規制の考え方あるかもしれないけれども、これだけ
技術革新が激しくて、かつパラダイムチェンジが激しい中で、かつマーケットがグローバル化している中で、恐らく彼らの一番の
問題意識は、ブリティッシュ・テレコムと
アメリカ勢とのいわゆるアジア市場とかにおける
国際競争というその現実に直面をし、そして必ずICTは正にそのパテントとのパッケージでもって
議論をしなければいけないと、こういう
議論の中で、
アメリカは今までのオープン
規制を、アンバンドルをやめて、そして競争力強化
政策に来ているんだと、こういうふうに私は
認識しているわけです。
そして、そういうふうなことを踏まえて、今、もちろんいろいろな手を打たなきゃいけないと思います。しかし、順番を間違えてはいけないし、あんばいを間違えてはいけないということと、それから、
IP化するということはですよ、結局、正に午前中も交差弾力性の理論の話を
松原さんとさせていただいたんですけれども、正に業態間競争で光だけに注目、まあこれ
技術ニュートラル性の話がございましたけれども、正にIPが進むということは、要するにそこに着目しているということは、IPプロトコルのところによるその大量なデジタル情報送信の
サービスということでいえば、その伝送路は
関係なくと、こういう話を展開しようとおっしゃっているわけですから、そうすると、光の話にこだわるというのはその話とは矛盾すると。
したがって、一本筋を通して、なるほどなと、そういう
世界観で、こういう
行政をやろうとしているんだなというところのこの統一的な、だから、個別個別に見ると、答弁を聞いているといろんな理屈を持ってきて、それぞれはまあコンシステントだけど、全体としてじゃどういうふうなコンシステントでかつ整合的で論理的な情報
通信政策というかICT
政策をやろうとしているのかということをやっぱりきちっと整理しておかないといけないんではないかなと。
また、現に、やっぱり私は
NTTの最大の問題は
国際化の後れだと思います、はっきり申し上げて。私は、
NTTに今課すべき
課題は、きちっと中国とかインドとかのマーケットに出ていくと。
たまたま昨日でしたか、トヨタが売上げ二十兆円を超えたというニュースがありました。我々
ユーザーは、トヨタが
世界的にグローバルに活躍していただいているおかげで物すごく恩恵を被っているわけですよね。であれば、
NTTだって、中国、インドとかで頑張っていただいて、かつ光であれば、これは
AT&Tにもブリティッシュ・テレコムにも負けないし、それが
NTTが
サービスを始めれば、当然、
日本のICT機器メーカーだって
サービスメーカーだってSIヤーだってそこにくっ付いて相当なビジネスチャンスを取れる。しかも、この九月に小泉さんが替わられるということで、対中ビジネスはもう大チャンスなわけですね。
だから、こういうような中で、やっぱりきちっとさっきのセオリー、せっかく竹中大臣が大臣やっておられるわけで、ここの経済性、産業
政策を整理していただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。