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2006-02-03 第164回国会 参議院 総務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年二月三日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         世耕 弘成君     理 事                 景山俊太郎君                 森元 恒雄君                 山本 順三君                 高嶋 良充君                 内藤 正光君     委 員                 小野 清子君                 尾辻 秀久君                 柏村 武昭君                 木村  仁君                 椎名 一保君                 二之湯 智君                 山崎  力君                 吉村剛太郎君                 伊藤 基隆君                 高橋 千秋君                 那谷屋正義君                 平田 健二君                 藤本 祐司君                 蓮   舫君                 魚住裕一郎君                 澤  雄二君                 吉川 春子君                 又市 征治君                 長谷川憲正君    国務大臣        総務大臣     竹中 平蔵君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        総務大臣官房技        術総括審議官   松本 正夫君        総務省自治財政        局長       瀧野 欣彌君        消防庁長官    板倉 敏和君        厚生労働省社会        ・援護局長    中村 秀一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成十七年度分として交付すべき地方交付税の  総額特例に関する法律案内閣提出衆議院  送付)     ─────────────
  2. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十七年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案の審査のため、本日の委員会総務大臣官房技術総括審議官松本正夫君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君消防庁長官板倉敏和君及び厚生労働省社会援護局長中村秀一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 平成十七年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 椎名一保

    椎名一保君 おはようございます。自由民主党の椎名でございます。お許しをいただきまして、質問をさせていただきます。  大臣にお伺いいたします。  未曾有の豪雪被害に遭っておりまして、地方団体除排雪費大分底をついたと聞いておりまして、衆議院予算委員会でも、我が党から何とか交付税特別交付金の前倒しができないものかというお願いをしてまいったところでございますけれども、まずそのことについて改めてお聞きしたいと思います。
  6. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今回の豪雪に関しましては、我々も大変重く深刻に受け止めておりますし、また先生方にも大変いろいろ御心配をいただいているというふうに思っております。  今委員から御指摘のありました特別交付税の繰上げ等々につきましても、地方事情をよくお聞きしながら我々も真摯に対応をしてきたところでございます。結果といたしまして、特別交付税交付時期、これは言うまでもなく原則として十二月及び三月の年二回であったわけでございますけれども、今回の深刻な被害を踏まえまして、災害救助法適用団体など八十五市町村を対象に、三月に交付すべき特別交付税の一部、約七十九億円を繰り上げて交付すると、させていただくということを本日の閣僚懇で私の方から御報告をさせていただいたところでございます。  今後は、三月分の特別交付税算定がございますけれども、この除雪排雪対策に要する経費多額に上る地方公共団体から引き続きよく事情をお聞きをしまして、財政運営万が一にも支障が生じないように適切に対処をしてまいりたいと思いますので、引き続きよろしく御指導をお願いを申し上げます。
  7. 椎名一保

    椎名一保君 自然災害でございますんで、臨機にこのような対応をしていただくことが、していくことが大切なことだと思いますんで、地方団体は大変感謝していると思います。  続きまして、この補正予算におきまして一兆円を超える交付税の増となることにつきまして、まあ二年続いたわけでございますけれども、景気現状に対する認識も含めてどのように受けておられるか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  8. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 椎名委員今御指摘くださいましたように、二年連続して補正予算において一兆円を超える交付税の増となる状況となりました。  景気現状も含めて述べよということでございますけれども、改革構造改革を我々なりに一生懸命進めてまいりました。日本経済不良債権処理目標は達成いたしました。そして、財政出動に頼ることなく民間主導景気回復の道を歩んでいると、緩やかな、現状景気回復であると認識をしております。これに伴いまして、交付税原資となる国の法定五税の税収が当初の見込みを大幅に上回ったということが今回のその措置の基本的な背景でございます。  今後更に、政策金融改革、総人件費改革、そして資産、負債の改革を通じまして、簡素で効率的な政府を実現していかなければいけないと思っております。各般の構造改革によりまして更に経済を活性して民間需要主導の持続的な経済成長を図る、これはもう当然の努めであると思っております。そのような中で、引き続き税収の増加を我々としても期待をしておりますけれども、現状なかなか厳しいわけでございます。しっかりと見ていきたいと思っております。
  9. 椎名一保

    椎名一保君 補正予算における交付税の増分につきましては、二年続けてその大部分を翌年度に繰り越すことにしておりますが、これにつきましてはどのような考え方によるものなのか、ルールのようなものがおありになるのか、お聞きしたいと思います。
  10. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今回のケースのように、国の税収増等による補正予算によりまして地方交付税が増加するような場合、翌年度に非常に大きな財源不足が見込まれるようなときには、これまでも当該年度普通交付税調整額の復活に要する額を交付した上で、その上での残余、その残余の額を翌年度に繰り越すことというふうにしております。  平成十七年度につきましては、既に地方団体の安定的な財政運営に必要な交付税等一般財源総額確保できているというふうに考えておりまして、その意味では当初の地方財政計画で運用できるものと考えられますことから、地方財政健全化という点も考慮いたしまして、今回、一兆二千九百八億円を平成十八年度地方交付税原資として繰り越すこととしたものでございます。  基本的には、考え方といいますかルールといいますか、非常に大幅な財源不足があるというような中で、今回のような税収増分については、財政厳しき折、繰り越してしっかりと来年度に備えるという措置をとるべきであるというふうに考えているところでございます。
  11. 椎名一保

    椎名一保君 それは理解できるところでございますけれども、地方団体からすれば、この厳しい財政状況の中で、少しでも今年度交付してもらいたいという気持ちがこれは強いと思うんですけれども、現在の地方公共団体財政状況について大臣はどのようにお考えになっておられますか。
  12. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 私自身も、立場上、地方方々の大変深刻な声を聞く機会、多数ございます。  財政状況、現在の地方団体財政状況についてどのように考えているかという御質問でございますけれども、それぞれの地方団体、独自の給与の削減でありますとか定員純減定員純減は十一年連続でこれ行われております。行革に積極的に取り組んでいるというふうに承知をしています。また、地財計画についても、歳出規模で見ますとこれ五年連続一般歳出では七年連続で減少するということで、大変歳出に努めているところでございます。その意味で、椎名委員おっしゃるように、まあ少しでも欲しいなと、財源があるといいなと現状地方団体はやっぱり思っておられるということも私なりには理解できるところでございます。  しかしながら、一方で依然として大変大幅な財源不足、これ平成十八年度で八・七兆円を抱える、フローで赤字が、財源不足があるだけではなくて、ストックの面でも平成十八年度末で債務の残高が二百四兆円と見込まれております。大変厳しい状況にあると思っております。  このような状況の下で、約一・三兆円を翌年度交付税原資として繰り越して、何よりもやはり重要なのは、十八年度地方財源不足の圧縮に活用したいという思いでございます。十八年度においては既に、先ほど言いましたように、当初の地方財政計画で運営できる状況であろうというふうな判断もございまして、今回の措置につきましては地方団体にも御理解をいただけるのではないかというふうに考えております。
  13. 椎名一保

    椎名一保君 三位一体の改革個人住民税、税源移譲されても、財政力の弱い地方団体については引き続きこの地方交付税財源保障が必要ではないかと私は考えるところでございますけれども、今後の地方財政、特に地方交付税制度在り方について大臣はどのようにお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。
  14. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 地方財政在り方、まあそれとの対比で国と地方在り方をどのように構築していくかということは、正に私は経済の面から見たこの国の形そのものであろうと思っております。  そういった意味で、この国の形をやはり抜本的に議論する必要があると以前から感じておりまして、そうしたこともありまして、今総務大臣懇談会として国と地方在り方のビジョンをしっかりと議論するということを始めております。  実は一昨日も、経済財政諮問会議で必ずこのことが議論になりまして、どうしても多くの諮問会議のメンバーの方々は国の財政赤字が深刻であるから地方交付税を減らせというような議論をするわけですけれども、私はそれは間違っているということを重ねて申し上げております。  社会保障費公共事業費というのはこれはいわゆる最終の消費、最終支出でございます。しかし、交付税というのはこれは中間的な支出でありまして、地方もしっかりと歳出を切り詰めて、結果的に交付税が減るような結果になるのはこれは好ましいことであるということは否定いたしませんが、中間支出である交付税そのものを減らせというような議論は、やはりその国の形をそもそも議論していないというふうに私は常に反論をしているところでございます。  結局のところ、この問題、非常に大きな仕組みの問題でございますので、交付税制度在り方そのものだけではなくて、そもそも国と地方の仕事の配分、権限の配分、そして税源の配分をどうするかというところまでさかのぼった議論をしなければいけないと思っております。そういう観点から、地方財政が一方的な交付税削減等々というような誤った財政、単純化された財政健全化論財政再建論にならないように、総務大臣としてはしっかりとここのところも議論をしていかなければいけないと思っております。  全体の姿につきましては、懇談会の進捗に合わせまして、また是非とも先生方にも御議論を賜りたいというふうに思っているところでございます。
  15. 椎名一保

    椎名一保君 大臣衆議院での御答弁地方が良くならないと国も良くならないという、その理念をお聞かせいただいたと思っております。  以上で終わります。
  16. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 おはようございます。民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。  提案されましたいわゆる〇五年度補正交付税法案及び関連する諸課題について、竹中大臣お尋ねをいたします。  今般の強制捜査容疑者となったライブドア堀江貴文氏の経営手法流儀を若者の規範などと持ち上げ、さきの総選挙を劇場型、ワイドショー化するために活用し抜いたのが小泉総理であり自民党であったと。人の心も金で買える、人を動かすのはお金と公言してはばからない、私流に言わせていただければ、悪しき資本の論理にとらえられた拝金主義者そのものであった堀江氏に市民権を与えた小泉政権の罪は、今回の逮捕事実のいかんにかかわらず、弁解の余地がないと考えます。  わけても竹中大臣は、郵政改革担当大臣として、自民党候補でもない堀江容疑者応援公示日に駆け付ける力の入れようでございました。その激励の中身も、堀江容疑者の実力を高く評価しつつ、郵政民営化、小さな政府づくり小泉純一郎、ホリエモン、竹中平蔵の三人でスクラムを組んでやり遂げると、最大級の賛辞を送っていました。公的年金なんかやめちゃった方がいいとうそぶいていた堀江容疑者スクラムを組んだ小さな政府在り方を想起するだけで気がめいってまいります。  ともあれ、大臣自民党からの要請で駆け付けただけだと釈明されておりますが、堀江容疑者に時代の寵児的な位置付けを与え、かつ彼の流儀を全面的に肯定した上での礼賛だと批判されて致し方ないところではないかというふうに思います。御党の重鎮の一人も、堀江容疑者政府保証を与えたとして、竹中大臣の姿勢を厳しく批判しているところでございます。その不明をきちんと認め、国民に率直に謝罪するべきではないでしょうか。
  17. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今、那谷屋委員から御指摘をいただきましたが、大変いろいろな厳しい御指摘をいただいているということを十分に承知をしているところでございます。  さきの総選挙では、もう言うまでもありませんが、これは郵政民営化賛成反対か、私は、郵政民営化賛成反対を問う国民投票的な位置付け選挙であったというふうに私自身考えております。そうした中で、私自身はもちろん郵政民営化を進める立場でありますので、公明党候補を含む多くの賛成派候補応援をさせていただきました。合計で八十か所ぐらいでの応援をさせていただきました。  堀江氏につきましては、無所属でございましたですけれども、郵政民営化賛成という立場でございましたので、党の幹事長からの御要請も受けまして参上いたしましたが、私、要請を受けただけだと、党の要請を受けただけだと、だから行っただけだというようなことは私は決して申し上げておりません。これは、要請はあったかなかったかということに関しましては、そういう要請はありましたけれども、やはり自分判断郵政民営化という観点で参上したと、自分判断で行ったわけでございます。  そういう意味で、今回のような事態に至ったということは大変残念であるし、遺憾であると思っております。応援時点では、そういう今日のようなことに至るということを私自身は見抜けなかったわけでございますから、そういう見抜けなかったという自らの不明については、私自身謙虚に反省をしているところでございます。こうした反省を踏まえて、自らの職責を全うすることが私の責任であるというふうに思っております。  いずれにしましても、まだこれは捜査中でありますので、私も非常に高い関心を持って捜査状況を注視してまいりたいと思っております。
  18. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 見抜けなかったということの中で反省をされているというふうなことだというふうに思いますけれども、何しろ大臣のお言葉あるいは行動というのは大変重いものがございます。そのことを改めて認識していただきながら、二度と国民に混乱を来すような発言あるいは行動というものについては気を付けていただかなければいけない、このことを重ねてお願いを申し上げたいというふうに思うところでございます。  さて、竹中大臣が提唱されます小さな政府論に私が危惧を抱くのは、このような堀江流のもうけがすべて、経済効率一辺倒という考え方に彩られた市場原理万能主義と通底し合う部分を感じざるを得ないからであります。  そこで、豪雪の洗礼に慣れていない地域への拡大も特徴とするこの冬の雪害問題をケーススタディーとして、以下大臣のお考えをただしたいと思います。  昨年来の豪雪による死亡者は、消防庁調べによると、一月末時点では百十八名に達し、六十五歳以上の高齢者の占める割合は約七〇%にも達しています。屋根雪下ろし等高齢者にとってかくも過酷で危険を払うものなのか、さらには自助努力限界をはるかに超えていることを雄弁に物語る数字であります。ある意味、行政としての無力を痛感します。これらの方々の惜しんでも余りある犠牲を今後の施策等に生かすことは政治に携わる者の責務であります。  また、忘れてはならないのが、深刻な雪害に直面する一昨年の新潟中越震災被災者の問題です。震災被害に遭われた皆さん方にとって、経済的にも精神的にも二重苦、三重苦をなめねばならない状況下に置かれています。例えば、豪雪地では、個人融雪のための井戸を掘る必要性に迫られますが、一メートル掘るのに一万円から二万円強掛かると言われており、五十メートルから六十メートル掘る場合さえあります。大変な物入りなわけであります。家の新築等を余儀なくされた被災者の中には、井戸を掘りたくても先立つものがないという苦渋の局面を迎えている方がいるとも聞いています。当然のことながら、そのほか屋根融雪設備小型除雪機などの経費もかさまざるを得ない状況であります。  児童の登下校時等の安全確保面における迅速な対策が強く求められている実態についても触れておきます。歩道が除雪されていないので車道を通ることが常態化していること、その車道除雪により両側が切り立った壁のようになっている、そのために見通しが悪く交通事故発生危険性が高い、雪を流すための側溝に落ちる蓋然性が高まらざるを得ないこと、さらには校内でも屋根からの落雪やつららなどの危険性に絶えずさらされていること等々、数え上げたら切りがないほどであります。  これまでの教訓に学ぶだけでは対応し切れない懸案事項も多く、省庁間のすみ分け意識を取っ払った総合的対策緊要度は増すばかりであります。今般のような雪害が甚大化する前に未然に防ぎ得る施策在り方が今問われているわけであります。小さな政府論を標榜するのであれば、その生命線である効率的手法具体化、すなわちマンパワーを含めた資源の迅速かつ適正な配置が求められていると思います。  今回の事例に当てはめるならば、気力、体力等限界に達しようとしている独居老人のところにしっかり届く、あるいはまた子供たちの安全な通学保障在り方等に関して、要は孤立集落云々、事の大小、前例などにとらわれない機動性柔軟性をどのように発揮していく覚悟がおありかどうか、お尋ねをいたします。  同時に、後手に回りつつあるとはいえ、今年度地財対策に組み込まれた災害関連経費の可及的速やかな積極活用をいかに図るのか。さらには、さきの国会における電波法改正案の本会議採決の討議でも私の方から触れたところでありますが、通信等のいわゆる不感地域早期解消は今次雪害でも改めて痛感させられました。豪雪等によって孤立化した方々に対する多様な情報伝達手段などの確保による疎外感の排除は、前向きなやる気、希望などを引き出すためにも不可欠の要素になります。  先日の本委員会派遣報告の中で愛媛県内子町重松地区の取組も報告されたところでありますが、自然災害で一番弱い立場に置かれる過疎地高齢者などのデジタルディバイド解消早期に完了することは、小さな政府論者が口を酸っぱくして唱える政策選択にかかわる優先度明確化からしても最重要課題だと認識するところであります。  以上三点について明快な答弁お願いいたします。
  19. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員問題意識は大変重要な点を御指摘だと思います。大きな問題について三点御質問をいただいていますので、できるだけ要領よく御説明をさせていただきたいと存じますが、効率的に迅速かつ適正な配分が求められる、特に独居老人の問題、子供通学保障の問題、そうした問題に関する機動性柔軟性の問題が第一でございます。  小さくて効率的な政府ということを我々よく申し上げますが、そのことは決してそうした公共的な財とかの役割を軽視しているわけではございませんし、またその配分の問題ですね、所得や資源配分の問題を軽視しているわけでもこれは全くございません。できるだけ経済の活力を高めながら、そうした必要な配分資源配分、再配分、そして公共財の提供を行っていく、これが政府の非常に重要な役割であるという認識を強く持っております。そのためにも、決して小さな政府をつくる過程でも一律削減ではなくて、めり張りを付けた、必要なところに必要な予算等々が行き届くような努力を我々なりにしているつもりでございます。  そういう意味では、雪害とかきめ細かな柔軟性というようなことになりますと、やはりそれが一番できるのは地方でございます。その地元の地方にしっかりとそういう力を発揮していただいて、良い意味でそういう良い住民サービスを競っていただくような仕組みを提供することが我々総務省としても大変重要であるというふうに考えているところでございます。そのための地方財源の手当て等々も行っているところでございます。  総務省としても、またより具体的には消防庁から、人命確保を最重点とする雪害対策に万全を期するように都道府県に通知をしたところでありまして、先ほど言いましたような必要な財政支援も行っている。これが第一の点について、是非そのような御理解を賜りたいと思っております。  二番目、より具体的に、特別交付税を中心とした資金の配分でございますが、これは先ほど申し上げましたように、三月に交付すべき特別交付税の一部を繰り上げて交付するということを本日閣僚懇報告をさせていただいております。  加えて、これから三月分の特別交付税算定があるわけでございますけれども、除雪排雪対策に要する経費多額に上る地方公共団体財政運営万が一にも支障が生じないように、ここは地方事情をよくお伺いをしているところでありまして、そういったきめ細かな対応が滞らないように、引き続き我々としても努力をしていく覚悟でございます。  三点目にございました特に携帯等々が掛かりにくい問題、それとデジタルディバイド解消、これも実は、政府を簡素化するのであればこそ、政府でなければできないようなネットワーク型のインフラについては、これはめり張りを付けて政府が大変十分に心配りをしなければいけないところであるというふうに考えております。この情報インフラ、正にネットワークインフラの典型でございますから、そこについては我々としても大変力を入れて整備をしなきゃいけないというふうに思っているところでございます。特にやはり携帯電話の問題は防災の観点からも極めて重要でありますので、最優先であるというふうに考えております。  そうした観点から申し上げますと、ブロードバンドサービスについて、その地理的格差解消重要性を踏まえまして、特に条件不利域条件が不利な地域につきまして、地域の特性に応じたICT基盤整備を支援するために、地域情報通信基盤整備推進交付金というのを十八年度に創設することを予定をしております。そうしたことの活用も是非積極的にお願いを申し上げて、安全、安心な日本をつくるための様々な施策をつくり上げたいと思っております。  ICTの話は、先般の新しい戦略にも示されているように、とりわけ安全、安心に活用できる余地が極めて大きいと考えておりますので、委員の御指摘も踏まえましてしっかりと対応していきたいと思っております。
  20. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 政治の重要な役割国民の生命と財産を守るという、そういう前提に立ち返るならば、是非しっかりやっていただけたらというふうに思っているところであります。  さて、〇五年度税収増に伴う地方交付税の増額分について、いろいろな選択肢が考えられる中で、昨年度分の一兆三百億円強に引き続き、今年度も一・三兆円、一兆三千億円という大きな額が次年度交付税に繰り越されることになりました。この判断地方公共団体の意向を真に反映したものと言えるのでしょうか。各自治体財政も不如意の折から、本音は生じた増額分を交付税法第六条三の第一項に定める特別交付税として配分してもらいたかったのではと、余計な気も回したくなるところであります。  発生した増分額については地方公共団体それぞれの固有財源として位置付け得るとの見解に立てば、総務省交付税配分役にすぎないという解釈も可能であります。この立論によるならば、増額が生じた場合は、今年度分は今年度中に各自治体に渡し切りにして、各自治体の責任の下で中長期的観点から財政運営を行うための元手にするという結論も導き出されてよいことになると考えます。  この議論は改めての機会に譲りますが、このような措置が今後も定着していくならば、特例法ではなくて、法律本則の改正が必要になるのではないでしょうか。併せて見解をお聞かせください。
  21. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 今回の補正交付税法案についての御質問でございますが、現在、地方財政につきましては二百四兆円もの借入金残高を抱えまして、また平成十八年度におきましてもなお八兆七千億円もの大幅な財源不足が現在のところ見込まれておりまして、非常に厳しい状況にあるわけでございます。  このような中で、地方財政健全化という観点から、今回、繰越措置ということを考えているところでございまして、我々といたしましては、地方団体の御理解も得られるというふうに考えておりますし、実際、既に地方財政につきまして総務大臣地方六団体会合というのを開催して御説明をいたしておりまして、地方団体の側からも御理解をいただいているというふうに考えておるところでございます。  また、交付税法六条の三第一項についての御指摘がございました。この条項は、御指摘のように、国の税収増によりまして年度途中で地方交付税が増額されるような場合には特別交付税総額に加算するんだと、こういう規定になっておるわけでございます。  しかし、一方、この条文に続きまして二項というものもございます。大幅な財源不足が生じた場合には、地方財政制度の改正又は交付税率の変更を行うと、こういう形になっておるわけでございます。  現在の地方財政、正に非常に大きな財源不足がずっと続いているような状況にございまして、正にこの二項の方に該当する事態になっているわけでございまして、御案内のように、この状況の下、地方と国がそれぞれ財源不足を折半して対応するという状況になっておるわけでございます。  こうした状況の下におきましては、やはり国、地方を通じました財政健全化という観点から今回提案しておりますような措置をとるというようなことなど、適切な政策判断というものが求められているというふうに我々考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、国、地方財政状況を踏まえながら、地方団体財政運営支障がないように適切な措置を講ずるという必要があると判断しておるところでございますが、こういった中でこれまでも繰越しを行ってきたものであり、今回についても御理解を賜りたいというふうに考えております。
  22. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 今年度の繰越分の、先ほど申し上げました一・三兆円が来年度地方交付税十六兆円に占める割合というのは決して少なくないというふうに思います。しかも、たまたまというにしては二年続けて同じような一兆円規模の繰越しであります。そもそも、〇五年度地方財政対策に際して国税収入を過小に見積もって来年度財源として留保したい、留保していたのではないか。さらには、〇六年度地方財政対策においても実は総務省と財務省の間で何らかの財源が留保されているのではないかとも勘ぐりたくなるところであります。  基本的には国税の問題であり、総務大臣に聞くのもなんなんですが、大臣としては、今回の国税にかかわる増額補正に伴う交付税の増加をどのように受け止めていらっしゃるのか。また、このように〇五、〇六年度地方交付税については、前年度繰越分が加算されることにより、その総額確保される枠組みともなったわけであります。しかし、今後も年度当初の見積り以上に国税が増収となり交付税が増加するとは限らないわけで、そのような場合についての地方財政対策としてどのような措置対応等を講じる用意がおありなのか。〇六年度地財関連法案の審議を実り多いものにしていくためにも、参考までに併せてお答えをお願いいたします。
  23. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員から二問いただきましたが、まず最初の方は、税収の増加をどのように受け止めるかという問題でございます。  これ、私、総務大臣を拝命しましてからまだ三か月でございますが、その前、経済財政政策を担当しておりますときにも、やはり翌年度経済見通しとか「改革と展望」の試算を行う際に、この税の見積りというのは本当に厄介な問題でございました。ある程度GDPのその成長の予測というのはそんなに大きく外れないでこれまでできているわけですけれども、実は御承知のように、企業の場合、累積欠損の問題がございます。したがって、GDPが増えても税収が増えない場合もあるし、GDPの増加に比べて税収ががっと増えるときもあるし、そういう点で過小見積り、過大見積りをしているのではないかというような御指摘は常にいただくわけですが、これは正直言いまして本当に難しい。そういう中で、なかなかそんな器用な、ここは過小に、ここは過大に見積りするというのは、これは現実にはなかなかできるものではないなというふうに認識をしております。  景気の回復基調が幸いにして続いていると、そういう中で今回のような事態が生じておりますけれども、こうした回復基調が続けば交付税の法定率分の増加も期待できるというふうに当然思っております。しかし、ここはやはりしっかりと経済を見ていかなければいけない、そのためにも改革を続けていかなければいけない、そのような立場で私自身はこの税収認識をしております。  その上で、今後、じゃどういうふうになるのかと、こんなふうに増がある場合とは限らないだろうという委員の御指摘は、これはもうそのとおりでございます。したがって、引き続き行革を徹底して、行財政改革を徹底して歳出を抑制しなければいけない、そして一方で安定的な財源確保を図らなければいけないということだと思っております。  この点、特に地方財政に関して申し上げるならば、これ骨太方針でもお約束しているわけでございますけれども、歳出歳入一体改革と整合を図りながら中期の地方財政ビジョンをやはり作りたいというふうに考えておりまして、その準備を始めております。そうすることがやはり地方から見たいわゆる予見可能性を高めることにもなりますし、その構造的な問題の所在をより明確にするためにも役立つのではないかというふうに思っているところでございます。  そういう中で、早期に健全な財政運営が可能となるような議論を我々も引き続きしていく覚悟でおります。
  24. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 次に、子供たちの安全確保関連についての質問をさせていただきたいと思います。  民主党は、昨年暮れの党大会で「子どもの安全に関わる緊急アピール」を採択しました。この具体化の一環として、年明けの我が党、次の内閣では、学校施設等の耐震補強化の速やかな完遂も含めた子供たちの安全を早期かつ実効的に確保するために、その所要額七千二百億円強を盛り込んだ補正予算案を取りまとめたところであります。  政府でも、耐震化策は見当たらないものの、同様な趣旨で関係省庁連絡会議を置いて、昨年の十二月二十日、「犯罪から子どもを守るための対策」を策定されました。  本来なら、当初予算で事足れりとなるような課題ではなく、補正に期待される役割等からも、財政を含めた政策、施策の総動員を講じるべきであったということは言うまでもありません。納得し難い思いは募るところでありますけれども、いずれにしても、子供たちの安全を守るためには与野党の垣根を越えて協力し合う必要がございます。この立場から、建設的なやり取りにお互い努めることをまず質疑に際して確認しておきたいというふうに思います。  総務省も、地味とはいえ、いろいろな対策を講じていこうとする意気込みは一応買うところであります。ここ数年来の小学校低学年の児童等に対する憎むべき犯罪の特徴点としては、自宅まであと百メートルあるいは一分未満、もう少しで家に着くという安心の領域に踏み込んだ段階で起きていたことにあります。要は、普通の常識が通用するような施策等を多用したとしても、その効果が決定的に減ずる境界、いわゆる死角でしょうか、を見計らった上での犯行と言えるわけであります。この問題意識を持って、以下、総務省関連の施策の意義をお伺いいたします。  まず、地域の公民館等を防災・防犯活動の拠点、いわゆる地域安心安全ステーションとして整備し、地域の安心、安全を確保するという取組の効用に関してであります。  言うまでもなく、女の子たちに対する卑劣な犯罪が生まれる温床には、地域社会のきずなや教育力の低下が起因していることは論をまちません。地域社会が本来持つ力を再生していくためには、迂遠なようでも、あらゆる階層のマンパワーを結集できる枠組みの整備は喫緊の課題であります。  この点に着目すれば、消防団活動の活性化のために取り組まれている機能別団員、つまりは特定の活動、役割に限定し、老若男女を問わず参加できる団員の掘り起こしに全力を挙げることは、その結果として、間違いなく子供の安全確保の面に関しても大きな意義を持つわけであります。普及拡大に全力を挙げることを強く求める次第であります。  かかる観点からも、児童の下校から自宅までの、言い換えれば学校から自宅までドア・ツー・ドアの安全の確保等に住民が一体となって取り組む地域安心安全ステーションの積極活用を図る必要があります。財政面の措置も講じた具体策についてお聞かせください。
  25. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 消防庁におきましては、これまで地域活動の安全に大変貢献をしてまいりましたコミュニティーの活動というものに着目をいたしまして、自主防災組織などの地域のコミュニティーを中心に防災・防犯活動を行うということで、地域におきまして国民の安心、安全な生活を確保するということを目指しまして、小学校区を念頭に置いてそういう場をつくるということで、地域安心安全ステーションというものを整備をしていこうということでモデル事業として実施をしているところでございます。御指摘登下校時のパトロールなど子供の安全確保の活動につきましても、この重要な活動の一つというふうに認識をしております。  また、そこでの活動を円滑に行いますためには、地域のいろいろな団体が連携を図っていく必要がございます。その連携を図る中心としてコーディネーター、言わばリーダーが必要であると、その養成が非常に重要だと認識をしております。  そういうこともございまして、今後、そのコーディネーターの育成でありますとかシンポジウムの開催、そういうものを通じましてそこでの活動を支援をいたしますとともに、モデル事業でございますので、その成果を生かしてこの活動を全国に普及をさせて地域の安心、安全の確保を図ってまいりたいと、そういうふうに考えております。
  26. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 成果を生かしてという、モデル事業の成果を生かしてということで、是非しっかりと、しかもスピードアップの中でお願いをしたいというふうに思います。  安心の領域を文字どおり確保するための方策としてもう一つ私が注目したいのが、電子タグ等の技術を生かした子供の安全確保整備のメニューであります。全国津々浦々、希望するすべての児童に行き渡るとしたら、犯罪の未然防止の面でも実際的な成果を見込めるのではないかと期待をするところであります。  プライバシー保護の実効性確保や、どの程度の情報量までメモリー化すべきかという問題はあります。しかし、犯罪者の気付きにくいところに身に付けることができる形状の電子タグ等が開発できれば、犯罪発生に対する抑止効果も十分に発揮できると考えるところであります。  縦割り行政、省益の弊害を越えて文科省などとの連携を図ることが大切です。現時点では研究途上ということですが、例えば低学年から順次という現実的な対応等も講じた上で一刻も早い実用化にめどを立てるべきであります。この部分について決意をお聞かせください。
  27. 松本正夫

    政府参考人松本正夫君) 委員指摘子供の安全確保につきましては、政府全体としても大変重要な課題認識いたしております。昨年十二月二十日に、犯罪から子供を守るための政府対策を取りまとめたところでございます。その中で、総務省では電子タグやセンサーネットワーク技術の研究開発を進め、その成果を子供の安全確保に活用すべく、プライバシー保護にも配慮した実証実験を行うことといたしております。  総務省といたしましては、これらの技術を早期に確立するとともに、その実証実験の成果を関係府省や地方自治体等に広く提供することによりまして、可能な限り早急にこの普及が図られるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  28. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 本当にもういつ起こるか分からないそういう、本当に痛ましいといいますか、非常に許し難いことでございますので、とにかく早期にそれをお願いしたいというふうに思います。  次に、アスベスト関連の質問をさせていただきます。  アスベスト総合対策として千八百億円余りの補正案が組まれています。額が多い少ないの議論を行うことは本意ではないので置いておきますが、既存施設におけるアスベスト除去、飛散防止等に要する費用についての地方債の充当率や地方交付税の算入割合のあるべき水準をどう見いだすべきか、お尋ねをいたします。  地方公共団体の行うアスベストの除去等に対して現時点ではどの程度の算入割合とするのか検討中とのことであります。ただし、一般的な交付税等の算入割合を引いてくることが仮に視野に入っているとしたら、到底理解できるものではありません。地方団体の所有施設におけるアスベスト問題は多くの自治体にとっては普遍的かつ緊急の課題であることを改めて認識すべきであります。  しかも、現在の地方の危機的な財政状況考えた場合、国として必要にして十分な財源措置を講じることなくして実効性のある対応は望めない宿題ともなっていることは明らかであります。地域住民の安心と安全を守ることを存在意義とする地方公共団体が携わるアスベストの除去等は、石綿による健康被害を防止するためにも焦眉の急を要するわけで、最大限のペースアップを図るという意味でも、地方団体の負担にかかわる地方財政措置については可能な限り手厚いものとするべきではないでしょうか。確たる答弁お願いいたします。
  29. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 今回、国の補正予算案によりまして追加されることになりますアスベスト対策関係事業の投資的経費につきましては、地方団体地方負担が生じるわけでございますので、他の事業と同様に補正予算債を一〇〇%充当いたしまして、その元利償還金の五〇%を各団体の地方債発行額に応じて交付税の基準財政需要額に算入するということとしているところでございます。  また、今国会に提出されておりますアスベスト法案の関係におきまして、建築物の解体など通常地方債の対象とならない経費につきましてもアスベスト対策として行うものにつきましては、特例を設けまして地方債の対象といたしたいということでございます。  その場合、どのような充当率あるいは交付税率にするかということについても御質問があったわけでございますが、我々といたしましては、御指摘の点も踏まえながら今後とも地方団体がアスベスト除去事業に積極的に取り組むことができますように、適切に財政措置を講じていきたいというふうに考えておるところでございます。
  30. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非、可能な限り手厚いものということで、よろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、耐震化促進施策についてお伺いします。  政府案では、公立小中学校の施設整備について、一部が約五百五十億円来年度から交付金化される予定となっています。改正の目的は、施設整備を進める観点から創意工夫の発揮が期待できる枠組みの整備にあったはずであります。もとより、財政の論理優先の、減らすための自由度を市町村に与えたものでないことは総務省としてもよく理解するところでありましょう。  この立場からしても、新たな制度創設に当たり、現行制度よりも設置者である市町村の負担増が生じないように適切な地方財政措置を講じる必要がございます。決意がおありかどうか、お聞かせください。  同時に、人命軽視のお粗末な実態についても触れざるを得ません。耐震補強が施されていない公立小中学校施設にもかかわらず、非常災害時の住民の避難所に指定されている問題であります。  昨年四月段階の公立学校施設に関連して、一九八一年以前の旧耐震基準で建てられた建物のうち耐震補強が施された割合が全国平均で二五%強にすぎないことからも、その公算は大であります。人の命に直結する問題であり、ブラックジョークだとして片付けるわけにはまいりません。避難所に指定されている学校施設については、最優先課題として文科省などとも協力して耐震補強化を早期に完了すべきだと考えるところであります。併せて明快な答弁お願いいたします。
  31. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 公立の小中学校の施設整備につきまして、交付金という方向で現在文科省の方で検討中と伺っておるところでございます。その際の地方財政措置についてどうなのかということでございます。  地方財政措置につきましては、従来から学校教育施設等整備事業債という地方債を充てることとしておるわけでございまして、その元利償還金に対する交付税措置につきましては、文科省において現在検討しております交付金の具体的内容を伺った上で検討してまいりたいと。その際、小中学校の耐震化に支障を来さないように検討してまいりたいというふうに考えております。  その場合に、御指摘のように、現在の水準から比較いたしまして不利にならないようにするということを我々も考えておるところでございまして、全体として地方財政措置が現在と同じような状況になり、それが、まあいろいろなものが組み合わされますので全体を見なきゃ分からないわけでございますが、平準化できるように検討してまいりたいというふうに考えております。
  32. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 耐震化に向けた取組というのはなかなか、やらなきゃいけないと知っていてもなかなかやりにくいものであるような、そんなのも理解しないわけではないんですが、いずれにしても、この日本列島、どこでいつどういう地震があるか分からないというふうなことの中でいうならば、やはり人の命を大切にするならば、それを最初にやる、そしてまた、それが、地方がそれに取り組まざるを得ない状況というもの、そうしたものをやはり指導していかなければいけない立場じゃないかというふうに思っているわけであります。  小泉構造改革の必然的結果と言える格差拡大社会がもたらす光と影、いや、今ややみ、影とやみととらえた方が正しいかもしれませんが、生活レベルのみならず自治体間においても顕在化しており、この矛盾についての指摘は、青木自民党参議院会長や神崎公明党代表の代表質問でも触れられたように、与党内でも大きな声となっています。小泉改革の旗振り役を任じてきた竹中大臣に是非肝に銘じていただきたいことをお伝えして、質疑を終わりたいというふうに思います。  平成の大合併の掛け声の下、財政上のあめとむちを振るってまで誘導しようとする市町村合併の流れに私自身は夢を感じません。一人一人の住民が自らの意思を形成し、それを反映させるプロセスの欠如による、つまりは自由の息吹に満ちた住民の夢が読み取れないからであります。お題目をはぎ取ってみると、今進められている市町村合併の目的は、スケールメリット、すなわち規模拡大による行政権力の集中強化、あるいはまた効率化、すなわち職員のリストラだけに焦点が当たるなど、非常にいびつな形で進行しているとの危惧を払拭できません。それらは行政の都合であって、住民の都合ではありません。地方自治とは住民自身の自治であり、地方自治体とは住民のコミュニティーだという発想が決定的に欠けています。合併が問題なのではなく、地方自治の発揚こそが問われるべきであります。この原点に立ち返ることが強く求められているゆえんでもあります。あるべき市町村合併とは趣旨を異にする方向に漂う平成の大合併であります。  同時並行的に取り組まねばならない地方交付税の抜本改革を進めるに当たっては、この轍を踏んではいけません。透明性確保を背骨として、住民の真っ当なニーズにしっかりこたえられる交付税改革を住民に顔をきっちり向けて一歩一歩着実に踏み固めて行っていただきたいところであります。地方自治が確かなものとなり、住民の暮らしを豊かにする。この当たり前の目標をショー・ザ・フラッグとする交付税改革の実現を目指していく、そのことを改めて強く願う次第でございます。  時間が来ましたけれども、そしてまた質問通告にはありませんでしたけれども、感想等をお聞かせいただければと、そして質問を終わりたいと思います。
  33. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 少子高齢化、人口減少、グローバル化、大変厳しい中でこの国の将来の形をつくっていかなければいけないと思っております。そのために、我々はやはり簡素で効率的な政府が重要だというふうに考えるわけでございますが、同時に、もちろんその結果としてすべての人にチャンスがあり、そして結果として格差が大きく拡大しないように、特に地方自治に関しては地域の住民の方々の創意工夫がしっかりと生かされて、良いコミュニティーがつくられて、そしてそれが日本経済そのものを形作っていくという形にならなきゃいけない、その思いは強く持っておりますので、御指摘を踏まえながらもしっかりと対応していきたいと思っております。
  34. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 終わります。
  35. 澤雄二

    ○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。  今も降り続いています豪雪に関連して質問をいたします。  その前に、今度の豪雪では既に百人以上の方がお亡くなりになっております。心からお悔やみを申し上げたいと思います。また、負傷された方、家を失われた方に対して心からまたお見舞いを申し上げたいと思います。これに対して、政府、関係省庁、それから支援に全力を挙げていらっしゃる警察、消防、自衛隊、全国のボランティアの方に感謝を申し上げたいと思います。  それでは質問に移らせていただきます。  先ほどもほかの委員質問をされておりましたけれども、平成十七年度補正予算により増額をした地方交付税、そのほとんどは翌年に繰り越されることになりました。過去には交付税特別会計の借入金の返還に充てたこともございます。これから予想されている金利の上昇を考えると、そちらに充てた方が少し長いスパンでは効果的かなという意見もございます。それにしても、交付税原資を全部国債でやるんだったら結果的には同じことじゃないかという意見があるのも承知をしております。  また、このところの交付税削減で自治体の財政調整基金、これが底をつき始めております。本委員会でも先日、愛媛県に行ってまいりましたけれども、訪問しました各市では、市長さんからもう底がつき始めているという陳情をたくさん受けました。これを何とかしてくれないかという声があるのも事実でございます。  そこで改めて伺いますけれども、今回こういった選択をされなかった理由について改めてお聞かせいただきたいと思います。
  36. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今、澤委員がいろんな考え方はもう既に御開示してくださっておられます。そういう中での判断、我々はしたわけでございますけれども、御指摘がありましたように、昭和六十二年から平成年度、六十二年度から平成年度にかけまして、この時期は財源不足がほとんどなかった時期でございますけれども、こういうときには交付税の特別会計借入金の償還に充てた時期というのがございます。そのとおりでございます。  しかし、御承知のように、近年、地方財政は大幅な財源不足を抱えておりまして、我々はやはりその縮小を図ることがまずは重要であるというふうに考えております。平たく言えば、借金を返すというのはストック、負のストックを減らしていくことで、これはこれで大変やらなきゃいけないことなんではありますが、まずは当面のフローが確保できるのかどうかというのが差し迫った状況にある中で、取りあえずストックを返そうというところにはなかなか立ち至らないというのが私たちの現状でございます。  十八年度、更に財源不足が拡大することのないようにやはり対応していかなければいけないだろうという思いで今回の措置をとらせていただいております。その点、何とぞ御理解を賜りたいと思っております。
  37. 澤雄二

    ○澤雄二君 今回の豪雪が深刻な被害を各地に与えているのはもう言うまでもないことでございますけれども、各自治体からはもう既に除排雪の予算を使い果たしたという悲鳴が届いております。一方で、本法律案ではこの災害や除排雪にかかわる特別交付税の増額は行われていません。このため、自治体を始めとする関係者の人たちからは大丈夫なのかという心配の声も上がっております。この一般会計予算が、補正予算が決まったのは十二月二十日ですよね。アスベスト対策、新型インフルエンザ、それから耐震偽装事件などの対策費は計上されていますが、この大雪の対策費は計上されておりません。  十二月二十日当時、既にこの豪雪はいわゆる五十九年豪雪を上回ってはいました。しかし、いかに何でもこんなに被害があるだろうということは多分想像をされていなかった、ですから対策費として計上されていなかったんだというふうに思いますが、実はこの今年の豪雪がどんなにすごいのかということを少し話をさせていただきたいと思います。  気象専門家の人たちによりますと、この雪は地球温暖化による気候変動、異常気象ではなくてさらにその上の気候変動によるものだと。どうしてこういうことが起きているかというと、私も専門家じゃありません、詳しいこと分かりませんが、北極振動という現象が起きているんだそうです。これは十年から二十年に一度起きることだと。それともう一つは、東南アジアの赤道付近の対流が非常に活発になっている。これは冬場に起きることはないんだそうであります。これが同時に起きているためにかつてない気象現象が今起きていると。  具体的には、なぜそれが起きるかというと、このことによって物すごい強い冬型の気圧配置になっているんだそうであります。先日、シベリアで千六十ヘクトパスカルという高気圧が現れたそうですが、こんなことは気象予報士は見たことがないというようなことが起きています。  具体的に、日本でいろんな初めての現象が起きていますが、どういうことが起きているかというと、降雪の地域、日本海側全域を今御存じのように覆っています。これまでは豪雪といっても一部の地域や県だけだった。こんなに広い地域豪雪に見舞われたという経験は日本列島、ないそうであります。しかも、十二月にこれだけの豪雪というのも経験したことがない。積雪量ですね、氷点下、非常に気温が冷たいので雪が解けないので積雪量もどんどんどんどん高まっているわけでございますが、これも全部新記録を各地で更新をしています。  それから、今まで山間部が中心だったのが、中心市街地で被害が起きている。これも初めてのことだそうであります。一月の中旬に二日ぐらい大変暖かな日がありましたけど、こんなことも今まで気象観測上なかったそうであります。  もう次から次へとそういうのあるんでございますが、今日は別に気象の説明をするのが趣旨ではございませんのでこの辺でやめておきますけれども、つまり何が言いたいかというと、これまで日本が経験しなかった実は豪雪に見舞われているんだと、その対策費は大丈夫なのかというのが趣旨でございます。そして、大事なことは、今もこの雪は降り続いております。そして、これから二月、三月を迎える、更に被害の拡大が心配をされるわけでございます。そして、三月以降になると、今度は融雪被害が心配をされます。  こういう中で、去年は補正を組む前に台風被害とか中越地震がありましたので、十六年度は七百一億円の特別交付税の増額をされました。今年は本当にこの増額を考えなくてもいいんでしょうかと。それから、更に言いますと、現在の特別交付税の中で除排雪の被害対策に対して傾斜配分配分が大きくなると、そのほかの項目の予算が削られます。これは毎年もらっているものなので、各自治体にとっては、これがどんどん圧縮されると実は大変なことになるという悲鳴も聞こえているわけでございます。  大臣交付税改革を進められているのは十分承知をしておりますが、その上で改めて増額の検討の有無についてお伺いをいたします。また、これも先ほど質問にございましたが、三月に予定されている特別交付税配分算定、これを繰り上げてされることはないかということを改めてお伺いをしたいと思います。
  38. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 私も、気象のことがよく分からない中で、地球の温暖化と豪雪がどう関係するんだろうと素朴に思っておりましたですけれども、大変貴重な御説明に感謝を申し上げます。  その上で、質問交付税のことでございますけれども、まず第一の質問は、豪雪にこれで、今の特別交付税を増額しないでやっていけるのかという非常に重要な御質問でございます。  特別交付税、いろんな使途に使われるわけでございますけれども、豪雪、これはまあ最大の今の関心事でございます。一方で、今年度、豪雨や地震などの災害が比較的少なかったというのがございます。その意味では、これに係る財政需要が昨年度に比べて大幅に減少になるという面がございます。こうしたプラスマイナスを勘案すれば、当初予算における特別交付税総額によって豪雪対応することは可能であろうというふうに考えているわけでございます。  気候変動という大きな枠組みの中でこの先どうなるかということにはちょっとお答えできませんが、当面、今年度ということに関しては私どもは今申し上げたように認識をしております。  その上で、増額をしない場合には現在の枠内で急増している地方団体に、配分の問題ですね、配分をどうするのか、大丈夫かというお尋ねが二番目にあったというふうに思います。  この除雪・排雪経費につきましては、従来から、これ普通交付税の基準財政需要額の算定においても寒冷補正を行っておりまして、積雪の度合いに応じて所要額を措置していると、これはもう委員承知のとおりかと存じます。豪雪によってそうした経費が、必要な経費多額に上る地方公共団体に対しましては、地方公共団体から報告されている一般財源の所要額がどれだけか、普通交付税措置額がどれだけか、そして財政状況等を勘案しながら特別交付税によりその所要の額というのを講じていると、そういう仕組みになっているわけでございます。  特別交付税につきましては、先ほど御紹介くださいましたし、私も申し上げましたが、一部繰り上げてやらせていただくことになりました。  更に加えて、三月分の算定作業中でございますけれども、これ多額経費が上っていることは承知をしておりますので、そういうことの財政運営支障が生じないように適切な算定を努めてまいる所存でございますので、引き続きここは地方事情をよくお伺いしながら対応考えていくという、そういう姿勢でおるところでございます。
  39. 澤雄二

    ○澤雄二君 繰上げ算定配分をするということは、被害地にとって大変な朗報であろうかと思います。  もう一つ、陳情といいますかお願いでございますけれども、豪雪被害を受けている各地域では、高齢者それから障害者の雪下ろしの対策費というのを実は自治体が予算に計上しております。この予算特別交付税の対象になるんでしょうか。もしならなかったらなるようにしていただけないかというお願いでございます。
  40. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 最近のいろんなニュース等々で、特に御高齢の方々のいろんな被害を聞くにつけ、委員問題意識、大変私も重要だというふうに考えております。  この特別交付税措置でございますけれども、原則として従来は道路や公共施設の除排雪に要する経費を対象としていた、従来はそのようにしていたところでございます。この冬の豪雪におきましては、高齢者等の雪下ろし作業中の痛ましい事故が多発しているということを踏まえまして、地方公共団体が行う高齢世帯等の雪下ろし支援に要する経費、これについても道路等の除排雪経費と同様に特別交付税措置を講ずることにいたしました。また、全国会議の場等を活用しまして、この地方公共団体にその旨を周知を既にしたところでございます。  今後、この豪雪地帯の地方公共団体において、住民の安全と安心を確保するように、引き続き適切な取組が行われることを私どもも期待をして、今申し上げたような運用をしたいと考えております。
  41. 澤雄二

    ○澤雄二君 それも大変な朗報であると思います。どうもありがとうございます。  次に、質問の内容を変えますけれども、テーマを変えますが、通信と放送の在り方に関する懇談会についてお伺いをいたします。  この懇談会は、竹中総務大臣懇談会として先月発足して、既に二回会合が行われております。通信と放送の在り方については、大臣が既に指摘されておりますように、国民の利便性、それから産業の振興という観点からも非常に重要なテーマですし、それ以上に多分この在り方が一体どうなるかということが日本のITを決めていくんだろうというふうに私も思っております。したがいまして、この懇談会のこれからの議論、大変私も期待をしておりますし、この議論の内容については本委員会でも度々討議をされることになるんだろうというふうに思います。  そこで、今日は一つだけお尋ねをしたいと思います。  それは、この懇談会の重要なテーマに放送と通信、若しくは通信と放送の融合ということが掲げられています。この融合という概念を大臣はどのようにとらえられているのか。また、それから放送と通信がどんな融合の姿、いろんなことをこれまで思い描かれたんだと思います。そのことに対して、これは一体どうなんだという検証を懇談会に提示をされたんだというふうに理解をしておりますが、具体的にその融合の姿というのはどういうことを思い描かれたのか、お聞かせ願えればと思います。
  42. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 澤委員はこの分野の御専門家でいらっしゃって、とりわけ放送に大変もうお詳しい第一人者でいらっしゃいます。  融合とは何か、どんな融合を考えているのか、これはなかなか短時間でお答えできなくて、そのために懇談会でいろいろ御専門家に御議論いただいているわけでございますが、この融合がじゃなぜ重要だと考えてこんな問題提起をしているのかというそもそもの問題意識を是非お話しさせていただきたいと思いますが。  日本で、実はちょっと話が飛ぶように思われるかもしれませんが、音楽、CDですね、昔でいえばレコード、今でいうCDの売上げというのがこの七、八年で約四割低下しているという驚くべき事実がございます。歌がこれだけ若者に、まあ中高年にも支えられているにもかかわらず、CDの売上げが低下している。これはなぜかというと、要するに、もう御承知のようにネットで音声情報が配信されると。その速度が我々が考えた以上にとんでもない速度で進展していたということに気が付くわけでございます。IPのインフラ、IPインフラ整備される中で、音声情報がそのように配信されるようになった。  で、間違いなく今度は映像、画像情報について同じことが起こり得るのではないかというやはり問題意識を世界じゅうが私は持っているのだと思います。今までそういう意味では画像、映像の情報というのは基本的には放送で、放送は大変重要なコンテンツを持っておられます。ところが、それがIP網でも技術的には、少なくとも技術的にはIP網で可能になったと。そういう観点からいいますと、少なくとも技術的にはこの一対nに対する放送と一対一に対する通信を少なくとも技術的に隔てるものがなくなってきたというのはこれはもう事実なのだと思います。もちろん、一方で放送、一対nの中にはマスメディア、報道の問題、放送文化の問題、非常に高い公共性の問題があるということは私も承知をしております。しかし、技術的にそういう変化がある中で、例えばCDの変化のようなものが、今度やはり映像の中でどのようになっていくのか。そこにはしかし間違いなく大きなチャンスがあるわけですから、私は放送も通信も、放送四兆円、通信十六兆円という売上げですね、両方とも二倍にできるようなそういうチャンスが目の前にあるのだと、そしてそれは国民のニーズを満たしていくことになるのだというふうに思っております。  そういう観点から、融合を是非前向きにとらえて議論をしていただきたいというのが今回の問題の提起でございます。その中で、どんな融合になるのか。繰り返し言いますが、これは決して技術が可能だったから何でもいいというふうに考えているわけではなくて、放送文化という文化的な価値、報道という社会的な価値、そういうものはそういうものとしてしっかり認識をしながら、しかし技術の新しいフロンティアの中で対応していかなければいけない、そのような思いで今専門家に御議論をいただいております。これはもう大変重要な問題でありますし、世界じゅうが今必死になって考えている問題でございますので、何とぞ問題意識を受け止めていただいて、当委員会でも御議論を賜りたいと思っております。
  43. 澤雄二

    ○澤雄二君 今大臣言われましたように、このテーマは本当に日本の将来にとって大変重要なテーマでございますので、この委員会でも大臣と忌憚なく意見の交換をしてすばらしい結果を残したいと私も考えております。  以上で質問を終わります。
  44. 吉川春子

    ○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  除排雪対策に係る地方交付税について伺います。  この冬の例年にない大雪で過疎地、高齢世帯、母子世帯などは除排雪が非常に困難になって、農業、生活に大きな影響が出ています。生存権が脅かされている地域もあります。  二月二日現在で死者は百十八名、重軽傷者千七百三十三名、大災害になっています。亡くなられた方々に心から御冥福をお祈りしたいと思います。  で、今年のすさまじい豪雪で市町村は予算を使い果たしています。    〔資料配付〕
  45. 吉川春子

    ○吉川春子君 資料を配付いたしました。これは総務省に計算していただいて、パーセンテージだけ私が計算して入れたものですが。  新潟県十日町では特交総額が二十六億六千五百万円、これは十六年度です。そして、決算額が十四億四千万円ということで五四%でした。ところが、今年は、特交はまだ配付されておりませんけれども、執行見込額が既に九七・八%という数字になっております。新潟県津南町におきましても、昨年の特交総額二億千八百万円に対して決算額は一億三千六百万円、六二・四%でしたけれども、今年の執行見込額は既に一〇〇%を超えていると。長野県栄村は昨年の特交総額が一億百万円で決算額は八〇・二%でした。今年は執行見込額が一五四%と、こういう数字になっております。どの自治体も昨年の倍近い除雪経費が必要だと見込まれています。こうした不足額を補うためにも豪雪対策特別交付税について是非十分な確保を求めたいと。大臣、いかがでしょうか。
  46. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今、吉川委員が具体的な三市町村についての大変深刻な状況を御報告くださいました。我々も大変厳しい状況にあるということを把握しているつもりでございます。  その上で、こうした豪雪に対しては、これは災害でありますから国としての当然の対応はしなきゃいけないというふうに思っております。先ほど繰上げ、特交の繰上げ交付をすると、これは豪雪で特交を繰り上げするのはこれが初めてでございますけれども、その決断をしたと申し上げましたが、ここに御紹介してくださいました三市町村はいずれもその対象に今回も入っているところでございます。しっかりときめ細かな対応をしていきたいと思います。  その上で、十分の額が可能なのかどうかということの御懸念であろうかと思います。これにつきましては、先ほども申し上げましたように、特交全体としましては豪雪による需要額は多額になると思います。一方で、今年度は豪雨や地震などの災害が比較的少ないということで、それに係る財政需要額が昨年度に比べると大幅に減になるという面もございます。こうした事情を勘案しますと、当初予算における特別交付税総額によりましてこの除雪、排雪の経費等に対応することが可能であるというふうに思っております。  しかし、同時に、委員指摘のようにきめ細かくこれを対応しなければいけませんので、ここは各地方の御意見をよく伺いながら、状況を見ながら、地方の自治体の財政運営万が一にも支障が生じないように適切な算定に努めてまいる所存でございます。
  47. 吉川春子

    ○吉川春子君 軽度生活支援事業の廃止、一般財源化について伺いますが、過疎地で高齢化が進んでいる自治体におきましては、除排雪のための人手確保というのが緊急な課題です。新潟県は冬期保安要員、県単です。長野県の栄村は十二月中旬から三月末まで期間を区切って臨時公務員を採用して冬期に備えています。これは地域の雇用にも貢献しています。五十歳代を中心に雪下ろしの経験が十八年から二十二年というベテランをそろえて、雪が多い少ないにかかわらず毎年こういう制度を行っているわけです。  また、お年寄りや体の不自由な人が雪に閉じ込められて家の外に出られず、外出はおろか火事があっても逃げられない、デイサービスの迎えの車が来てもそこまでたどり着けない、こういう事態も起こっています。栄村では、自力で自宅から除雪路線までの道踏みが困難で国の支援が望めない世帯に対して、村が道踏み支援隊を派遣して無料で道踏み支援というものを行っているわけです。  問題は、この制度を維持する財源です。栄村では、雪害対策救助員を日当一万二千円で一シーズン五十日保証で雇用して、これを国の制度、市町村による雪下ろし事業、軽度生活支援事業を活用して行ってきました。また、雪踏み支援事業もこの国庫補助を活用してきたんです。  そして、これはどこでも大変歓迎されていた制度だったんですけれども、十七年度の三位一体改革によってこの事業が廃止されて一般財源化されてしまいました。まあ単独事業として継続しているところもあるんですけれども、こういう雪国にとってもうなくてはならない制度に対して確実な財政支援政府として行うべきだと思うんですけれども、この財源対策についてどうでしょうか。
  48. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員指摘のように、この問題、やはり人手の確保というのが極めて重要なポイントだと思います。いわゆる三八豪雪のときのフィルム等々を改めて拝見すると、本当にやはり村に若い人がおられて、その人たちが一生懸命やっておられるというのが映像として出てくる。それがもう今ではやはり様変わりになっていると。少子化、高齢化、そこは現実問題として深刻に受け止めなければいけないというふうに思っております。  委員の御指摘、御心配は、国庫補助、その軽度生活援助事業の廃止によってその人手の確保が十分できるのかと、その分が失われないかという御懸念なわけでございますけれども、これは今地方公共団体において高齢者世帯等の雪下ろしの支援等々を行っておりますけれども、このような支援は言うまでもなく多くの地方公共団体、これは極めて重要な地方自治体としての仕事であるというふうに思います。そのため、これに要する経費につきましても、道路等の除排雪と同様に、今回、特別交付税措置を講ずることというふうに私たちの方で今回対象にしております。  今後、豪雪地帯の地方公共団体において住民の安全と安心を確保するため、今の私たちが考えているような措置を活用していただきまして、つまり、こうした費用、人手確保ですね、高齢者の世帯の雪下ろし支援のような経費についても特別交付税措置の対象とすることにいたしましたので、そこはしっかり活用できるものを活用して、自治体の方でも努めていただきたいと思っております。
  49. 吉川春子

    ○吉川春子君 高齢者等の雪下ろし支援経費というふうなことになっているんですけれども、この高齢者等の「等」の中に要支援世帯に限らないという内容も含まれているというふうに理解してもよろしいでしょうか。
  50. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 雪下ろし支援の対象者としましては、高齢者のほかに障害者などを、日常生活上の援助が必要な者を含めるということを予定をしております。また、支援の方法としまして、これ民間事業者に雪下ろしを委託する場合もあるでしょう、地方公共団体が直接職員を雇い上げる場合もございますでしょう、またボランティアを雇って直接雪下ろしを行う場合もございますでしょう。いろんな形態を想定しておりまして、それが可能なように考えているところでございます。  この特別交付税算定に当たりましては、地方公共団体が必要であると判断した今申し上げたような取組に要する経費を広く対象とすることとしてまいりたいと思っております。
  51. 吉川春子

    ○吉川春子君 厚労省に伺いたいと思います。  豪雪それ自体が災害という国土庁長官の答弁は有名なんですけれども、災害救助法では一シーズン十三万七千円、一軒当たり、という額が例示されておりますけれども、例えば栄村ではもう今年はこれは使い果たしたということです。  災害救助法を決めた県に対しては必要な費用を国が見るべきだと思いますが、その点についてどうでしょうか。
  52. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答え申し上げます。  今回、災害救助法の適用により除雪、住宅の除雪を実施することが可能になるわけでございますが、災害救助法では様々な基準がございまして、こういったケースの場合、一般基準では今委員からお話がございました一世帯当たり十三万七千円以内とされているところでございます。  しかしながら、こういった一般基準で対応できない場合につきましては、都道府県の方から厚生労働省に協議しまして特別基準を設定できることとなっております。御指摘のような、費用が掛かるような場合については都道府県の方とよく御相談して、その特別基準の設定ということで支障がないように対応してまいりたいと考えております。
  53. 吉川春子

    ○吉川春子君 竹中大臣、今年の豪雪災害ではもう死者が百十八名も出ているわけですけれども、その一因に軽度生活援助事業の廃止が指摘されてもおります。過疎・高齢化が進む中で、豪雪による被害者を二度と出さないためにも、今回の災害から教訓を酌み取るということが大事です。災害対策に必死になっている関係自治体からどういう施策が必要なのか十分に意見を聞いて、制度的にも対策を検討してほしいと思いますが、いかがですか。
  54. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今回の豪雪、これは被害が深刻であるということが明らかになりましたその初期の段階から度々閣僚懇等々で総理から御指示がありまして、各省庁よく連携しろと、そして何ができるかを一生懸命考えろと、もう何度も総理から檄が飛んでおります。この問題に関しては、防災担当大臣が今日も口火を切って御発言くださっていまして、それに合わせて私も、また国土交通大臣も発言して、情報交換をしながら良い方策を検討しているという状況でございます。  委員の御指摘は正に今回のことから教訓を学べということでございますから、これはまあ防災担当大臣を中心に、私も、また国交大臣も、その他関連する大臣、よくこのような問題について話合いをしていきたいと思います。政府の中での連絡協議会のような場もございますし、そのような場を活用いたしまして、委員指摘のように教訓として、その場その場の対応は重要でありますけれども、それだけでは確かに不十分なのだと思います。そのような観点から対応してまいります。
  55. 吉川春子

    ○吉川春子君 ちょっと時間がなくなってライブドアまで行けなくなったんですけれども、最後に一問だけ、ライブドアの、竹中大臣が閣僚としてただ一人堀江氏の応援に行ったという問題について指摘をして、伺いたいと思います。  ライブドアが一株を百分割、一年間で累計一万株に株式分割すると、ニッポン放送株取得の時間外取引など、錬金術について専門家などから違法性があると指摘されてきました。金融担当大臣でもあったわけですから、堀江氏の応援に行く際に、こういうことで手法を駆使して甘い汁を吸っている会社であるということは当然知っておられたんじゃないかというふうに私は思うわけです。小泉、ホリエモン、竹中スクラムを組んで改革をやり遂げますなどと演説した責任は大変重いと思うんですが、その点についてどういうふうに反省しておられるのか、一言伺って終わりたいと思います。
  56. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 先ほども申し上げましたように、選挙においては郵政を民営化するかしないかというのが争点でございました。私、郵政民営化担当大臣でございましたので、そのことを大変重く受け止めて、そのことを重視して私のできる範囲の活動を一生懸命やったつもりでございます。  百分割等と言われておりますが、当時私が聞いておりました範囲では決して違法ではないと、違法なことをしているわけではないと、そのような認識で私自身はおりました。  しかし、委員指摘のように、しかし結果はどうだったのだというふうに問われれば、今回のような容疑を掛けられて逮捕されるという事態に至ったわけでございますから、そうした点を見抜けなかった自らの不明に関しましては真摯に反省をしております。  まだ捜査中でございますから、そうした点についてしっかりと状況を見守っていきたいと思っております。
  57. 吉川春子

    ○吉川春子君 終わります。
  58. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今日は期せずして与野党問わず雪害対策問題の質問が多く出ています。私も、冒頭その問題から入りたいと思います。  この年末からの想定外の豪雪で、自治体の除雪予算がもう既に底をつきつつある、まあついてしまったという自治体が出てきています。しかも、今年の豪雪被害の過去よりも大きいのは、豪雪地域の住民構成が非常に高齢化をしてきている、こういう点が特徴点の一つと言われます。  政府は道路と公共施設の除雪しか対象にこれまでしてこなかったわけですが、市町村は高齢者世帯などの雪下ろしにも補助をしてきている、こういう状況にあります。例えば、私の出身の富山県の市町村は、もう年末時点で除排雪に六十億円使い果たしてしまった、その大部分は道路、公共施設分であって、住宅の雪下ろし支援などというのはもう残り一割ぐらいしか回せない、こういう状況になっています。高齢世帯ではこれに頼らざるを得ないわけですけれども、予算がもうないと、こういう状況なんですね。  せんだって青森の、青森市のニュースが載っておりましたけれども、既に十七億八千万円使い、残りは一億五千万しかない。地元の新聞が八十五歳の女性の声として、町が除雪をしてくれると民生委員から聞いていたので頼んだらお金が掛かると聞いてあきらめた、夫婦二人でかつかつの生活ですからという声を載せています。  総務省は今回初めて、高齢者住宅の除雪特別交付税で算入する方向で調査をされて、昨日が締切りだったそうですけれども、どんな結果になりそうなのか、まずこの傾向からお伺いをしたいと思います。
  59. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 御指摘のように、高齢者世帯の屋根の雪下ろし経費につきましても今回から特交の対象にいたしたいと考えておりまして、調査をしているところでございます。  現在の我々の方に来ております報告によりますと、全国で二百二十三市町村が高齢者世帯などの雪下ろし支援を行っておりまして、その一般財源所要額は約八億円というふうに見込まれておるところでございます。  我々といたしましては、こういう特交の対象として雪下ろし費用も対象にするんだということを更に地方団体にもちゃんと徹底をいたしまして、今後三月分の特別交付税算定の中で生かしていきたいというふうに考えております。
  60. 又市征治

    ○又市征治君 今二百二十三、八億円ぐらいという話ですが、この実際の助成が実態的に言うと一日一万二千円ぐらい、こういう状況で頭打ちというところが多いんですね。ところが、実勢価格はもうこの三倍ぐらい掛かっているわけですよ、一日分ね。で、また一世帯に対して年に二回ぐらいまでしか出せないと、こういう制限があって、不足分は全部住民の自腹と、これはもう当然そうなるわけですね。だからやれない、だから無理しても屋根にお年寄りが上る、こういう問題起こっているわけで、これからがいよいよ本番なわけです、雪本番。もう高齢者宅のあるいは障害者の皆さんの本当に暮らしが思いやられる。  政府は、交付税の増収分から自治体が高齢者宅などの実情に合った支援ができるように、これはもう特別交付税考えていきたいというお話ですが、大臣、この点についてやっぱり十分に配慮する、この点については明確にお答えをいただきたいと思います。  あわせてもう一つ、厚生労働省も聞いておきたいと思いますが、合併が進んで、山間部の旧町村では災害救助法の適用が役場の所在地を基準にしているために適用されなくなったんではないかという不安の声があちこち上がっているというふうに聞きます。まあそうではないというふうに私は思いますが、そこで確認をしますけれども、今後も合併にかかわりなく災害救助法は旧市町村ごとに個別に適用される、こういうふうに理解をしてよろしいですか。  以上、二問。
  61. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今の又市議員の御指摘は、調査は調査としてやっただろうけれども、実勢価格というお言葉を使われましたが、実態はもっと厳しい可能性もあると、そこをしっかりと見てくれという御指摘だと思います。  これはもう、我々しっかりと実態調査をやってきたつもりでありますし、今後も更にそのような努力をしていくつもりでございます。地方自治体が、そういう地方団体がそのような対象にすれば、それは、私たちはそれは地方団体から生の声を伺って、それでこの調査結果に反映させているわけでございますので、地方でそのような対応がなされれば、我々はもう間違いなく真摯にその数字に基づいて対応してまいります。その意味では、委員の御指摘については十分踏まえてやってまいります。
  62. 中村秀一

    政府参考人中村秀一君) お答えを申し上げます。  災害救助法の適用のお話でございますが、今回の豪雪、二十年ぶりに災害救助法が適用されるということで、このことから見ましても大変今回の大雪が尋常ではなく、多くの援助を必要としているという状況だと認識いたしております。  災害救助法の適用については二つの基準がございまして、一つは住家、家ですね、家の滅失数に関する基準と、それから二つ目は、多数の住民の方の生命、身体が危害を受け、あるいはその受けるおそれが生じるかどうかという二つの基準がございます。  委員が御指摘になった市町村単位で測るという基準は、住居が滅失したというときに分母として市町村単位ということになりますので、たくさんの市町村が合併した場合分母が大きくなるんで、一つの旧市町村で被害が出た場合に、従来であったら適用されるかどうかという基準が適用されなくなるんではないかと、そういう御心配を各地でいただいているということだと思います。  そこで、今回そういうことについて誤解のないようにということで、一月十一日にも私どもからも通知を出させていただいたわけですが、今回現に適用しておりますのは、とにかく雪が多くて、このままでいったら多数の方の住民の生命、身体が危害を受けるおそれがある、あるいは現に危害を受けていると、こういう二番目の方の基準で適用しておるものでございますので、そういった点では、旧村単位というよりも、そちらの危害のおそれの方で実質的には全部救われているということでございます。  なお、委員指摘のように、こういうふうに市町村合併して大きくなっておりますときに、災害救助法、一般的な問題としてどういう単位でやるのかというのは研究に値する点もあろうかと思いますので、よくその辺については、これからの災害の実態とかそういうことを踏まえながら対応してまいりたいと思います。
  63. 又市征治

    ○又市征治君 それと、まあこれは大臣お願いしておきますが、本当にこうした雪の中で、こうした山間部の役場の職員というのは、朝起きると、我が家の雪下ろしなんというのはやらないで、早速もう高齢者宅、障害者宅、寡婦宅、こんなところの除雪に出掛けて、夕方にようやく役場へ戻ってきて事務をこなして、ようやく夜中に今度は自分の自宅の雪下ろしと、毎日こんなことが続くわけですね。  これが市町村合併によってそこに職員がいなくなった、こういう問題などが逆の意味でこの山間部の住民の本当に暮らしにくさというものをますます拡大をして、離村であるとか過疎化を招きつつある。こういう問題については十分に行政上も配慮をいただく、留意をいただく、このことについて意見として申し上げておきたいと思います。  時間がなくなってまいりましたが、今日の議案の関係について最後に御質問いたしますが、今年度交付税原資の増収が一兆三千五百十六億円出た。で、交付税法第六条三の第一項にのっとって直ちに当年度特別交付税として追加配分すべきだと、これはもう与党の側からもさっきその話が出ました。  これに反して、その九六%、一兆二千九百八億円を来年度へ繰り越すというこの特例法案ですね、これはもう賛成できない。調整の六百九億円だけ今年度でいいという考えは、全く問題のけたを取り違えているんではないかと、こう言わざるを得ません。この交付税増収は地方固有の財源でありますから、雪害その他、今需要のあるなしにかかわりなく、法の本則だと思うんです。これを繰り越そうというのは、単に二〇〇六年度交付税への政府の責任を軽くしよう、これエゴとしか言いようがない、私はそんなふうに思うんです。  そこで、我が党の重野衆議院議員が去る二十七日衆議院で、せめて増収分は今年度当初の財源対策債と振り替えて地方の借金を減らせと、こう提案をしたんですが、この点にはどうお答えになるのか。  二つ目に、そのとき竹中大臣は、繰り越すのがこれまでの原則だと答弁をされておりますけれども、これは明らかに言い過ぎですよ。昨年も特例法です。今年も特例法を出す以上、地方交付税法本則からの逸脱ではありませんか。この点について、明快なお答えをいただきたいと思います。
  64. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) まず、三つ御質問をいただきましたが、まず最初の点は、残余の額を翌年度にどうして繰り越すのかということでございます。  委員は、交付税法の第六条の三第一項を引いて御指摘くださいましたが、この点につきましては、先ほど瀧野局長からも御答弁させていただきましたとおり、六条の三第二項において、大幅な財源不足額が生じた場合には地方財政制度の改正又は交付税率の変更を行うこととされている。この三第二項に該当する十兆円前後の大幅な財源不足がここのところずっとあると、そのような観点から我々は今回のような対応お願いしているわけでございます。  先ほど言いましたように、そのストックを、要するに残高を減らせればそれはそれでこしたことはありません。しかし、今フローで赤字が大幅に続いておりまして、このストックを返してもすぐまた次の年のフローが大幅に増えてしまうと、それはやっぱり不健全なことではないかというふうに思うわけでございます。そういう大幅な赤字、フローの面で見た赤字があるということを前提にして今回の措置をとらせていただいているということを是非御理解を賜りたいと思います。  三点のうちの一と二におおむねお答えできたかとは思うんですけれども、三番目の、先般の私の答弁に関してでございますけれども、私は、もちろん法令の規定としては特別交付税にこれは加算されていることであるわけですけれども、長期にわたって大幅な財源不足がある中で、これまでも、これまでも翌年度に繰り越すこととして法改正をお願いしてきたと。我々は、そういうふうにストックをまず減らすに至らないようなときには、まずフローの問題が重要だというようなことをまあ原則的な考えとして私たちは持っているという趣旨で申し上げたわけでございまして、これはもう御指摘のとおり、これは特例法としてお願いしているわけでございます。そのストック、フローの関係についての考え方、私たちの原則的な考え方を申し上げたというつもりでございます。何とぞ御理解を賜りたいと思います。
  65. 又市征治

    ○又市征治君 時間が参っておりますから、最後に。  今の説明、それは役所内の対処、慣例を言っているにすぎないわけであって、国民や自治体の目から見れば、六条の三どおりに年度内に配付することを原則というんだろうと思うんです。まあ余り紛らわしい言葉遣いはやめていただきたいと、この点だけ申し上げて今日は終わりたいと思います。
  66. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。  私は、こういう形で竹中総務大臣に、総務大臣としての竹中大臣に御質問させていただきますのは御就任後初めてでございますので、多少遅くなりましたが、改めて御就任のお祝いを申し上げたいと思います。  私は、さきの国会、その前の通常国会で郵政民営化法案に反対をいたしましたけれども、そういう私の関心で総務大臣というお仕事を見ますと、郵政行政の最高責任者ということでございますので、特段の関心を持ってお仕事ぶり拝見をさせていただいております。  今、郵政公社におきましても、あるいは株式会社として発足をしました企画会社、郵政株式会社におきましても、本格的な民営化に向けての今準備が盛んに行われているように承知をしておりますけれども、新聞で報道されているような、例えば郵政公社の提案で、もう特定局はなくしてしまうんだとか、あるいは地方の小さな郵便局の局長も転勤をさせるんだとか、あるいはその定年を六十五歳を六十歳に変えるんだとかいうようなことがいろいろ今議論されてきているようでございますけれども、こういったことが我々が懸念をしておった、本当にその地方、全国津々浦々の郵便局が生き生きと仕事ができるようなことに本当になるんだろうか。国会の中の御答弁では、竹中大臣もあるいは小泉総理も大丈夫だということを盛んに言われたわけでありますけれども、そういったことが本当に担保されるような形で今の提案というものが検討されているんだろうか。あるいはそうではなくて、法律さえ通ってしまえば、あとはもう利益追求一辺倒でいくんだということなのだろうか。  まあ盛んに今気にしているところでございますが、今日はそういうことを議論する場ではございませんので、改めて別の適切な機会に御質問をさせていただきたいということで、早速本論に入りたいというふうに思います。  先ほど来、交付税に関連をして、豪雪被害を受けておられる地域のことが盛んに話に出てまいりました。本当に大変なことだと思います。私なんかは埼玉県の熊谷というあの雪の降らない地域の出身でございますので、本当のつらさは分からないんですけれども、しかし、たまたま視察などに行かせていただきますと、本当に惨状にびっくりをするという状況でございます。  そういう中で、地元の人たちが頼りにしておりますのは、先ほど来お話に出ているような地方自治体の人たち、とりわけ警察あるいは消防の人たちの活躍ということが地方の皆さんの心の支えになっているというふうに思うわけでありまして、余り注目をされる機会はないのかもしれませんが、縁の下の力持ちとして頑張っている消防庁長官、ひとつ最近の状況の御報告とともに、これから先、二、三月もまだ災害の、豪雪のおそれもあるわけでございますが、お覚悟のほどをお聞かせいただければ有り難いと思います。
  67. 板倉敏和

    政府参考人板倉敏和君) 消防庁といたしましては、この豪雪対応いたしまして、昨年の十二月の二十七日に長官の名前で関係道府県知事に対しまして、豪雪対策の強化についてのお願いをさせていただきました。また、一月六日には災害対策室というものを立ち上げまして、情報収集、伝達などの体制を強化をいたしております。さらに、改めて本年一月の十三日付けで通知を出しまして、消防団を始め消防機関による高齢者等の安全確保、消防機関の県内相互応援及び緊急消防援助隊の活用、除雪作業において特に必要な対策、雪崩等に対する適切な避難勧告等の発令などの徹底を図らせていただきました。  消防機関の活動といたしましては、例えば新潟、長野の孤立地域に対しまして、消防防災ヘリコプターを活用した医療チームの派遣ですとか、新潟県内の消防団などが広域的に防排雪を実施をするというようなことなど、地域住民の安心、安全の確保に万全を尽くしてきているところでございます。  消防庁といたしましては、今後、大規模な雪害など万一の事態が発生をした場合における緊急消防援助隊の派遣ですとか、事態に応じました消防機関の活動に遺漏なきを期してまいりたいと考えております。  よろしくお願いいたします。
  68. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ありがとうございます。  消防といいますと、単に火事だけでなくて、救急救助ということで、急病の際の対応等も幅広く対応しておられるわけでありまして、日ごろの活躍に心から敬意を表します。その気持ちはもうここにおられる総務委員先生方みんな同じ気持ちだと思いますので、どうぞこれからの二、三月、豪雪の山場に向けて、皆さん方、本当に心を一つにして地域の皆さんのために貢献をしていただくように激励をさせていただきたいと思いますので、よろしく配下の皆さんにお伝えをいただければ有り難いと思います。  ところで、豪雪とそれから交付税の話でございますけれども、先ほど来の話で、私も心配でならないわけであります。  先ほど大臣からCDの話が出てまいりました。若者の使えるお小遣いというのは限られているわけでありますから、携帯の方にお金がたくさん掛かればCDの方が減ってくる。携帯でもCDに代わる楽しみを得ることができると、こういうことですから、私は全くそのとおりだと思うわけですね。  この特別交付税の世界でも同じことが言えるわけでありまして、やはり昨年に比較をして豪雪の度合いがひどい。除排雪だけじゃなくて、災害も起きているわけでございますので、そういうものに費用が優先して振り向けられざるを得ないということになれば、その他の需要というのは後回しに後回しにということになるわけでありまして、トータルとしてやはり地方は相当きつい状況になるのではないかというふうに思っているわけでありますけれども、当初の総額の範囲内で本当に対応できると考えておられるのかどうか、これはもう局長で結構ですので、お答えをいただきたいと思います。
  69. 瀧野欣彌

    政府参考人瀧野欣彌君) 除排雪経費が非常に多額になる中で、全体として特別交付税足りるかどうかという御心配でございます。  先ほど大臣からも御答弁がございましたけれども、やはり除排雪経費について、我々、地方団体の実際の支出額を把握して、きちんと対応いたしたいというふうに考えておるところでございますが、一方、今年度におきましては、昨年、台風が日本に十個も上陸したというようなこともございましたけれども、今年度はそういった点につきましては比較的少なくなっておるわけでございまして、そういった財政需要を見ますと、昨年は災害、台風等で一千億近くの特交の財政需要がございましたけれども、その部分が二百億円程度に下がるだろうというふうに考えておるところでございます。  そういったことを全般的に見ますと、除排雪経費に対してきちんと対応した上で、当初におきます特別交付税総額により全体として対応できるのではないかなというふうに考えているところでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  70. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 そこで、大臣にまずはお願いなんですけれども、仮に特別交付税のこの繰越しを来年に行って、そして今年の特別交付税というのは予定のとおりだということにした場合に、やはり特に豪雪被害を受けている小規模な市町村にしわ寄せが行かないように、ここは先ほど来、例えば三月に交付すべき交付税を繰り上げるとか、雪下ろしの対策のためにも使われるとか、非常に柔軟な対応政府考えておられるというのは大変よく分かりまして、私も結構なことだと思いますけれども、ひとつこの小さな市町村に特別の御配慮をいただきますようにお願いを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
  71. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) ただいま局長からは、全体としては減るものもあるから大丈夫だと思うという答弁をさせていただいたんですが、今の長谷川委員の御指摘は、配分が変わるということなのだから、それによってしわ寄せが生じないようにきめ細かな配慮をしろと、正にそういう御指摘であろうかと思います。  言うまでもありませんが、特別交付税は、これ、災害等の緊要度の高い財政需要を優先して算定するということにしております。このため、地方公共団体に対しては、これ、当初予算の編成時期から災害等の需要が、財政需要がない場合には、これは特別交付税が減少することとなるんだと、だから過大に予算計上をすることのないよう、これは我々としても再三にわたり注意を喚起をしてきております。  今年度は、豪雪によって除雪、排雪に要する財政需要が多額に上る一方で、先ほども答弁しましたように豪雨、地震などの災害が比較的少なく、全体として大幅な財政需要、これらに係る需要は昨年に比べて小さくなる。そのようなことを勘案しますと、豪雪地帯の小規模町村の財政運営に結果としていろんな不都合が生じるような、そういう支障が生じるようなことはないというふうに考えております。  いずれにしましても、これは最終的には配分の問題でございますから、三月分の交付税額のそれぞれの個別の算定に当たりましては、各地方公共団体よりよく財政事情をお聞きして、適切に対応してまいる所存でございます。
  72. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ありがとうございます。そのお答えをいただいた上で、私も、先ほど来各委員から御指摘がありますように、この交付税の翌年度への繰越し、軽々に行うべきでないという意見を申し上げたいと思います。  先ほど来御指摘がありますように、地方交付税法の原則というのは、お金が、税収が上がってお金が出てきたら、それは当該年度のその特別交付税総額に加算する、それがもう第一原則。もちろん、そうでない場合のこともいろいろ考えなさいよというのは、考えてもいいよというのはありますけれども、これが第一原則なわけですね。そういう意味でいいますと、今年のように税収の上がったときに、その余った額を全部翌年度に繰り越してしまうんだというのは、私はやはり行き過ぎだろうというふうに思うわけであります。  ちなみに、特別交付税の推移というのを私、見さしていただいているわけでありますが、平成十二年度を山にして、その後一貫して下がってきているわけですね。平成十二年度が一兆三千百五億であります。そして、十七年度には一兆百四十億円まで下がってきているわけでありまして、私は、こういうことを考えると、苦しいときに、地方財政苦しいわけですし、国の財政も苦しいわけですから、こういうことでみんなで我慢をするという流れはよく分かりますけれども、今年のように、税収が上がったとき、そして雪害、先ほどの澤委員のお話で私はもう明快によく分かったんですけれども、なるほどこれはもう大変異常な現象が今起きているんだという状況の中で、何かやはりお考えをいただいてもいいのではないかと。  今年のこの政府の案によりますと、特別交付税の額というのは昨年に比べても六百九十三億円下がるということなんですね。昨年でも七百一億円のたしか特別交付税の追加をしておられると思いますけれども、そういったことを一切しないで、それで地方の皆さん、大丈夫ですよというのは、私は、せっかく交付税の繰上げまで政府がお決めになるとするならば、もう一歩踏み込んで、すべての額を翌年に繰り越すことはありませんけれども、せめて一千億ぐらいの金額をこれは特別交付税に加算をすると言っていただいてもしかるべきだと思うんですが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
  73. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今、財源不足が見込まれるという非常に大きな背景がある中で今回のような措置考えさせていただいているんだと、これはもう何度も申し上げたとおりでございます。今の委員の御指摘は、そのことも踏まえまして、さらに特別交付税自体をどのように考えるかという重大な問題提起でもあろうかと思います。  これは、私も総務大臣になって改めて実感するわけでございますが、財政制度に大変お詳しい国会議員のある先生方はかねてより、特別交付税というのはやっぱり使途が分かりにくいと、したがって、そういうものをもっともっとルールに基づく配分に変えていくべきではないのかと、したがって、特別交付税そのものは減らしていって、総務省の裁量と言われるようなことをなくす方がよいのではないか。これは一貫して一方ではある議論なのだと思っております。ところが、今回のようにやはり豪雪のような問題が生じますと、特別交付税を活用してしっかりと対応してくれと、そういう声が一方で強くなってまいります。ここは、やはりルールの問題、透明化の問題と、それと緊要、緊急性のある場合の一種のクッションといいますか、そういうものとしての交付税と、大変やっぱり抜本的にどのように今後考えていったらよいのかという問題を提起しておられるということでもあろうかと思います。  我々としては、とにかく必要な、財政上やっぱり賄わなきゃいけないわけですから、その意味で今回改めてこの特別交付税重要性というものを認識しているところでございます。我々としては、その意味では、この特別交付税重要性とそして透明性の確保ルールへの移行というのをやっぱり同時に中期的な課題として実現をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。  今回の措置に関しては、もう同じ答えになって恐縮ですけれども、やはり非常に大きな財源不足が見込まれると、もう来年度、フローで見てまた大変な財源不足があるということはもう目の前に分かっているわけでありますので、やはりそうしたことを踏まえた措置をとるべきであるというふうな判断をして今回の法案をお願いしているところでございます。
  74. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 長谷川憲正君、時間が過ぎております。
  75. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 時間がなくなりましたのでこれで終わりますけれども、今後ともひとつ柔軟な発想で御対応いただくようにお願いを申し上げます。  ありがとうございます。
  76. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  暫時休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      ─────・─────    午後二時二十三分開会
  77. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) ただいまから総務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十七年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  78. 吉川春子

    ○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、平成十七年分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案に対し、反対の討論を行います。  反対の理由は、本法案が、本来二〇〇五年度地方配分すべき交付税を翌年度に繰り越し、国の財政不足の補てんに充てているからであります。  地方交付税法は、地方交付税財源不足額を上回った場合、その増額を当該年度特別交付税に加えると規定しています。また、地方財政法は、その増額の処理について、災害に生じた経費財源、歳入欠陥を埋めるための財源又は緊急に実施が必要な大規模な土木その他の建設事業などの財源に充てる場合のほか、積立てや地方債の償還の財源に充てなければならないと、年間調整は地方公共団体自身が行うことを規定しています。こうした現行法の規定に反して来年度に繰り越すことは容認できません。  今、政府が強引に進めている市町村合併や三位一体改革の下で、多くの自治体は財政危機にあえいでいます。私は、昨年、合併自治体である函館市、阿賀野市、佐渡市を独自に調査したほか、本委員会の調査で愛媛県にも行ってきました。共通しているのは、二〇〇四年度、三位一体改革の名によって地方交付税の大幅削減が行われ、財政が危機に瀕していること、地方交付税確保お願いしたいという切実な要望でした。  さらに、昨年来の異常豪雪であります。既に、全国で死者が百十八名に達するなど、甚大な人的、物的被害が出ており、質問指摘したように、新潟県、長野県でも自治体の除排雪経費が急増しています。これに最大限の支援を行わなくてはなりません。  こうした地方財政現状考えれば、地方固有の財源である二〇〇五年度地方配分すべき交付税を翌年度に繰り越し、国の財政不足の補てんに充てるなどは認められません。  以上、私の反対討論を終わります。
  79. 又市征治

    ○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、二〇〇五年度地方交付税特例法案に反対の討論を行います。  今年度交付税原資の増収が一兆三千五百十六億円出ました。これは交付税法第六条の三の第一項にのっとり、直ちに当該年度特別交付税に追加して自治体に配分すべきです。ところが、政府提案の特例法案は、本則に反して、この大部分である九六%、一兆二千九百八億円を来年度へ繰り越すというものであり、昨年度と同様、賛成できません。  そもそも、交付税年度中の増収分は、特別交付税の一般的な要件、つまり年度途中で特殊事情としての雪害その他の追加需要のあるなしとはかかわりなく、当該年度内に自治体に交付し、それぞれの自治体の判断で処分せよということであっって、需要額がなければ次年度へ繰り越せという国の裁量の余地はありません。  また、その処分方法についても、地方財政法第四条の三で、国が調整するのではなく、自治体それぞれが積立て、財産の取得又は地方債の償還に充てるべしとまで定めています。つまり、追加分の使い道は自治体が選択すればよいのであって、特例法案は地方財政法にも反する、自治体財政に対する余計な干渉であります。  あくまでも自治体に配分、配付せず、国の手の中で繰り越そうというのは、単に二〇〇六年度交付税への政府財政責任を軽くしようというエゴイズムから出た案と言うほかありません。それでなくても、小泉内閣の下で交付税は減らされ続けてきました。これを出口ベースでいえば、二〇〇〇年度の二十一兆四千億円から、二〇〇五年度は五兆五千億円、二五%も減ったのです。しかも、来年度予算では更に九千九百億円減らそうとしています。  削減の手法は様々で、合併もしかり、需要額の切り込みもしかりです。つまり、需要額は当初予算で満たしたからとは言えないのです。したがって、昨年度の一兆円や今年度の一兆三千億円は、過去の削減の穴埋めという意味でも無条件で自治体に交付すべきです。それでもあえてというのであれば、せめて今年度当初の、交付税のいわゆる財源不足対策として定めた自治体の負担する財源対策債と振り替えることで地方の借金減らしをするという選択肢も可能です。  なお、竹中大臣は、去る一月二十七日の衆議院総務委員会で、繰り越すのがこれまでの原則だと答弁されましたが、これは明らかに言い過ぎで、昨年も特例法、今年も特例法として提案している以上、地方交付税法の本則からの逸脱であることは明らかです。  あわせて、竹中大臣は、このほかにも新年度から交付税のペナルティー制とか破産制度とか、あの手この手の交付税削減、自治体の財政自主権の侵害を制度化しようと諮問されているようですが、いやしくも地方自治行政を預かる総務大臣である以上、そのような偽装改革の志向は捨てて、もっと自治体及び住民の立場に立った本当の改革を目指すべきです。そのことを強く求め、討論を終わります。
  80. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  平成十七年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  81. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 世耕弘成

    委員長世耕弘成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十九分散会