運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2006-03-01 第164回国会 参議院 少子高齢社会に関する調査会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年三月一日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  二月二十八日     辞任         補欠選任      下田 敦子君     前川 清成君      蓮   舫君     尾立 源幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         清水嘉与子君     理 事                 荻原 健司君                 岸  宏一君                 中原  爽君                 円 より子君                 森 ゆうこ君                 鰐淵 洋子君     委 員                 狩野  安君                 川口 順子君                 後藤 博子君                 坂本由紀子君                 関口 昌一君                 朝日 俊弘君                 尾立 源幸君                 加藤 敏幸君                 羽田雄一郎君                 前川 清成君                 松下 新平君                 山本 香苗君                 山本  保君                 小林美恵子君                 荒井 広幸君    事務局側        第三特別調査室        長        岩波 成行君    参考人        奈良県知事    柿本 善也君        江戸川区長    多田 正見君        新潟市にいつ子        育て支援センタ        ー育ち森館長  椎谷 照美君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○少子高齢社会に関する調査  (派遣委員報告)  (「少子高齢社会への対応在り方について」  のうち少子高齢社会課題対策に関する件)     ─────────────
  2. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) ただいまから少子高齢社会に関する調査会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二月二十八日、下田敦子さん及び蓮舫さんが委員を辞任され、その補欠として前川清成さん及び尾立源幸さんが選任されました。     ─────────────
  3. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 少子高齢社会に関する調査を議題といたします。  先般、本調査会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。森ゆうこさん。
  4. 森ゆうこ

    森ゆうこ君 去る二月十六日及び十七日の二日間、静岡県において、少子高齢社会に関する実情調査を行いました。  派遣委員は、清水会長荻原理事円理事鰐淵理事川口委員後藤委員坂本委員田浦委員松下委員山本香苗委員山本保委員小林委員及び私、森の十三名であります。  以下、調査概要を御報告申し上げます。  一日目は、まず、静岡県より、少子高齢化に対する取組概要を聴取いたしました。  静岡県の合計特殊出生率は、平成十六年で一・三七と全国平均よりやや高いものの、高齢化率については一九・九%と全国平均を上回っており、五人に一人が高齢者となっております。  静岡県では、しずおか次世代育成プランに基づき、仕事家庭との両立推進等少子化の流れを変える施策とともに、富国有徳理念の下、新たな産業と雇用創出等に取り組んでおります。また、ふじのくに高齢者プランを策定し、自立支援充実予防重視等基本理念に基づく諸施策を進めており、本年十月にはねんりんピック静岡二〇〇六の開催が予定されています。  派遣委員からは、地域子育て支援センター運営民間への委託状況子育て支援に係る財政上の国への要望若年層雇用不安への対策外国人労働者への対応等について質疑がなされました。  次に、浜松市より、少子高齢化に対する取組等概要を聴取いたしました。  現在、浜松市は、十二市町村合併により人口八十万人を超える静岡最大の市となっており、政令指定都市への移行を目指しております。合計特殊出生率は、平成十六年度で一・四七と全国平均を上回る一方、高齢化率市町村合併により十七年で一九・四%に増加しております。  浜松市は、浜松次世代育成支援行動計画を策定し、地域社会における子育て支援子育て支援をする生活環境整備等を行うとともに、はままつ友愛高齢者プランに基づき、健康増進保健予防事業推進介護サービス充実等に取り組んでいます。  派遣委員からは、市町村合併出生率への影響、保育所待機児童数とその解消見込み等について質疑がなされました。  次に、やまと興業株式会社視察を行いました。  同社輸送用機器部品製造等事業を行っておりますが、高齢者を一日四時間のゆとりタイム勤務の形で再雇用し、通常の八時間勤務と組み合わせるワークシェアリングを実施し、厚生労働省等が主催する高年齢者雇用開発コンテストにおいて優秀賞を受賞しております。本社工場では、再雇用された高年齢従業員方々が若い従業員に溶け込み、技能を発揮している様子実地に見ることができ、直接お話を伺うことができました。  次に、浜松市立萩丘小学校内にあるカナリーニョ教室視察を行いました。  浜松市の外国人登録者数日系ブラジル人を中心に約三万人であり、義務教育相当年齢児童数も二千人近くと推測されていますが、不就学者も多数に上ると言われています。このため、浜松市は、外国人児童実情に合わせた多様な教育機会を提供するための外国人児童学習サポート教室カナリーニョ教室を開設しており、百人近い生徒が利用しています。同教室においては、外国人児童学習様子実地に見るとともに、浜松市の特徴的な施策である外国人市民に配慮した子育て支援について説明を伺うことができました。  派遣委員からは、不就学児童減少に向けた更なる取組と国への要望費用負担に係る問題、高等学校への進学を希望する外国人児童への対応等について質疑がなされました。  二日目は、まず、ヤマハ株式会社視察を行いました。ヤマハは、世界最大総合楽器メーカーですが、ファミリー・フレンドリー企業表彰において厚生労働大臣努力賞を受賞するなど、仕事家庭両立支援に積極的に取り組んでいます。同社では、出産者のほぼ全員育児休業を取得し、取得者のほぼ全員が復職しており、また、育児休業期間保育所への入所や慣らし保育対応して延長するなど、休業休暇制度充実に努めています。また、同社両立支援制度整備労働組合との協議、協力の下に進められており、平成十七年には次世代育成行動計画を策定しております。  派遣委員からは、女性管理職登用状況、男性の育児休業取得についての労働組合取組、非正規雇用社員への制度適用有無等について質疑がなされました。  次に、長泉町より、子育て支援に対する取組概要を聴取しました。  全国合計特殊出生率平成元年の一・五七から十五年には一・二九に低下している中、長泉町では同期間に一・六〇から一・六八に上昇しており、注目を集めています。平成十五年度に長泉次世代育成支援地域行動計画を策定し、「働きながら子育てできるまち」等、五つの基本方針に沿った諸施策推進しており、年少人口割合平成十五年で一六%と高齢化率の一四・八%を上回っています。  派遣委員からは、保育所待機児童解消を実現した取組内容保育士数の確保と人件費等について質疑がなされました。  次に、子育て支援センター「みかんちゃん」の視察を行いました。同センター町立竹原保育園内にあり、長泉町内にある三つの子育て支援センター一つであります。多数の児童保護者方々保育士たちと楽しく遊び、語らう様子を見ることができ、保育士保護者の方からお話を伺うことができました。  最後に、県立静岡がんセンター視察を行いました。  同センターは、静岡県のがん対策の中核を担う高度がん専門医療機関として、平成十四年に開設されたものです。地上地下十二階の同センターには、六百十五の病床があり、電子カルテによる情報の共有、医師・看護師による多職種チーム医療患者家族に対する徹底した支援等が同センターの特徴となっております。高齢化の進展に伴い、今後がん患者の増加が懸念されますが、がん治療の最前線である同センター患者本位医療体制実地に見ることができました。  我が国の人口が予想より二年早く減少局面に入るなど、少子高齢社会への対応はより一層喫緊の課題となっております。今回の派遣を通じて、少子高齢社会の諸問題と取り組んでいる方々お話を伺い、意見を交換することができ、本調査会として充実した調査を行うことができました。  最後に、今回の調査に当たりお世話になった関係各位の御協力に対し心から感謝を申し上げ、報告を終わります。
  5. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。     ─────────────
  6. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 次に、「少子高齢社会への対応在り方について」のうち、少子高齢社会課題対策に関する件について参考人から意見を聴取いたします。  本日は、奈良県知事柿本善也さん、江戸川区長多田正見さん及び新潟市にいつ子育て支援センター育ち森館長椎谷照美さんに参考人として御出席いただいております。  この際、参考人皆様方に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、大変御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。  参考人皆様方から、「少子高齢社会への対応在り方について」のうち、少子高齢社会課題対策に関する件につきまして忌憚のない御意見をお述べいただきまして、調査参考にいたしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。  議事の進め方でございますけれども、まず、参考人皆様方からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、各委員から質疑をいただきたいと存じます。  なお、質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行っていきたいと存じます。  また、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。  それでは、柿本参考人からお願いいたします。柿本参考人、どうぞ。
  7. 柿本善也

    参考人柿本善也君) 奈良県知事柿本でございます。  こういう機会を与えていただきましたことに、心から御礼を申し上げます。  では、早速御説明をさせていただきたいと思います。  大変大切な話についてこういう意見機会をいただきましたことに、まず御礼を申し上げたいと思います。  お手元に実はこういうA3判の、A4ですか、A4の大きさで、「奈良県における少子化対策取組と国への提言について」という四ページ物の資料をお配りしております。それから、いろいろ活動をしている活動のパンフレット、冊子等をお配りさせていただいております。後者につきましてはちょっと全部説明している余裕はございませんので、時折引用させていただくという形で後ほどごらんいただきたいと思います。  まず、本県取組でございますが、まず基本的に申し上げておきますと、前提として、奈良県ではこの少子化対策、むしろ奈良県では少子化対策という言葉をちょっと嫌ってまして、少子化が妥当であるというような印象を与えることが望ましくないということで、ストップ少子化という言葉を実は通常は使っております。そういうことに、ストップ少子化に対して地域でできることをできるだけ主眼にしてやろうと、こういうことで取組を行っております。  お手元資料をごらんいただきたいと思いますが、一番目として本県取組ということを書いてございます。  平成十三年から十六年まで、実はこれは各県でも少子化対策実施計画というものをお作りになっているはずでございますが、これを、単にこんな堅い名前では一般の方には分かりにくいということで、当初から実は本県の場合は、かぎ括弧で書いてありますように、「結婚ワクワクこどもすくすくプラン」という名前で使わせていただいております。これは、別に言葉を入れ替えたから中身が変わるわけではございませんが、結婚とか子育てに夢とか希望を持てる社会、ごく当たり前の社会だと思いますが、そういうものを実現したいと、こういうことでこういう名前をあえて当初から採用しております。そして、それの県民運動としての取組として、同じ名前結婚ワクワクこどもすくすく県民会議というものを作りまして、これから申し上げるいろんな対策取組推進母体になっていただいております。  それから、平成十五年には次世代育成支援法ができましたので、これに基づいて新しい行動計画を作ったんですが、これも「新 結婚ワクワクこどもすくすくプラン」と、こういうことにしてあります。そしてその中で、その行の四行目に書いておりますように、この県民会議の中に、なら結婚応援団というのと、なら子育て応援団というものを作っております。後ほど御説明申し上げます。  で、本県少子化対策の特色と大げさに書いてあります。最大なんて書いてありますが、簡単に申し上げますと、一つ結婚支援しようという、晩婚化、非婚化に対してできる限り、まあ当たり前の姿を皆様方に意識していただこうということと、それから結構子育てについて不安を持っておられる方がいらっしゃいます。調べてみますと、実はいわゆる共稼ぎの御夫婦よりも専業の方の主婦が子育て心配をされているという数字も出ておりまして、何も知らないで考えたのと違うような結果が社会に存在するようでございます。したがって、子育て支援ということも独立して考えなけりゃならぬということで、この子育てに不安をなくすような支援をしようと、この二つを考えて対策を試みております。  当然、事業のやり方は、そういう考え方を啓発していくことと、具体的にカウンセリングとかいろんな相談とかをやりまして支援していくと、こういうことでございます。  なお、そこに書いておりますように、これまでの主な取組については四枚目のところに表にしてあります。その中身はこれから説明していきますので、後ほどごらんいただきたいと思います。  それで、まずその中の結婚支援施策についての説明でございますが、ねらいは、先ほども申し上げましたように普通の結婚観、そういうものの意識とか雰囲気をつくる、あるいは言葉をいさめて言えば現在の風潮、ある種の風潮を変えると、こういうことが大切だと思っておりまして、そういう本来の姿に気付いていただくことに主眼を置いております。  啓発事業としては、一つは、平成十三年から「結婚のおはなし 二十一世紀のシンデレラストーリー」とかいう冊子を作ったり、それから、これは結構マスコミに受けたんですが、平成十六年に「プロポーズの言葉百選」というものを全国に募集いたしました。これは結構取り上げられまして応募者数が三千六百余集まりまして、そこから百選を選びまして、「世界でいちばんしあわせな愛のことば」という本となって、これは市販しております。ほとんど売り切れました。二万部ほぼ完売でございます。実は、これは冊子にしてお配りしようという予算を組んであったんですが、出版社の方からこれを本にしたいという申出がありまして、印税を少しいただきました。という望外の話もございましたが、結構、我々がこうしなければならないという気持ち以上に、要するに社会でそういう需要があるということでございます。  そういうことの成功を基にいたしまして、平成十七年は、同工ではございますが「幸せなふたりのであい百選」という切り口でやはり同じ応募をいたしまして、二千通余の応募をいただきまして、これも同じく四月にこの本が出版される予定でございます。  それで、実は来年度、十八年度、ここに書いてございませんが、やっぱりやり掛けた以上三部作にしようということで「Happy Wedding 百選」ということを募集予定でございます。これは、そういうことで、それを読んでいただいて、まあ先ほども、繰り返し同じ言葉で恐縮でございますが、普通の気持ちをみんながほのぼのと持ってもらう、これが一番大切だと思って、こういうことでございます。まあドジョウは何匹もいませんので三部作で終わる予定でございますが、こういうこともやっております。  それから、その次にイの具体的な支援事業でございますが、これは別途の活動で、実は結婚につきまして、昔は近所そこらにいろいろおせっかいといいますか大変親切なおばさんたちとおじさんが一杯いらしたんですが、今日びはなかなかそういう方は少のうございます。それをやはり、代わりになる代替機能をやはり社会に必要だということで、そういう出会いの場をつくろうということで県庁内にシングルクラブというものを設置しました。これは独身職員交流会でございますが、これは県庁同士職員ばっかりいる必要ございません。外部の方も入っていただける。ただし、どなたでもいいというわけにいきませんので、県庁職員の紹介さえあれば入っていただくと、こういう格好で交流会をやっております。  この趣旨は、実は県内企業にも同種のものを各企業でつくってくださいと、それなら喜んで県庁職員も参加しますと。まあどの企業体もこのごろ大変独身男女を抱えて苦労しているところでございますので、そういう働き掛けをいたしましたが、こっちの方は余り反応は良くありませんで、県庁シングルクラブだけは動いております。  実は、こういうものが必要だと思ってこれ始めるときにずっとインターネットで調べたら、アメリカにもこういう種類のシングル何とか、名前ちょっと忘れたんですが、シングルボランティアの、NPOのでかい、連邦ワイドのものがあるそうでございます。やはりそういうものは国を越えてもあるんではないかと思いますが、という気持ちを持ってますが、なかなかこれはこれ限りで発展しませんでした。  そこで、平成十七年に今度はなら結婚応援団という組織をこの県民会議の下に立ち上げまして、これは出会い機会をやっぱりつくってあげなければいけないということで、そういう出会いの場を、今度は企業としてではなくて自分の事業として場をつくる、企業や店舗やNPO等に募りましてそういうものをつくりまして、今、団員として三十二団体入っておりまして、これに登録している人も四千二百人ほどありまして、いろんな会合を会費制でやっておりまして、実施回数、今まで百二十回ほどやっております。結構参加者は多くて、予定を出しますとその日のうちに予定数終了というのが大体の状況でございます。この種のものがいかに必要とされているかということでございます。  時間の都合で、ちょっとはしょって次に参らしていただきます。  二ページでございますが、今度は子育て支援対策でございます。子育ての方は、実は私どもの判断としては親対策が肝心だと思っておりまして、啓発事業としては、そこに書いてありますようないろんな冊子を作っております。一つは、「新米パパ子育て読本」、もう中身は御説明は省略します。それからもう一つは、十五年には、「親の子離れ、子の親離れ いっしょに考えてみませんか」、これはパラサイト現象に対する冊子でございます。それから平成十六年には、「あかちゃんがやってきた」、これは家族が一人から二人に増えるときの良さを啓発したものでございます。  それから、具体的な支援事業としては、子育て家庭サポートセンター、これは直接やるというより、この種の子育てサークルが結構ございます、その間の情報相互交流といいますか、いろいろ情報収集したり提供したり、そういうことをするためのサポートセンターを起こしました。今、子育てサークル等県内に二百二十ほどございます。それから、「子育てネットなら」、ポータルサイト、子育てのホームページを起こしております。それから、なら子育て応援団事業ということを開始いたしまして、これも会員応援団に入る会員を募集いたしまして、子育て家庭歓迎隊であるとか、多子世帯に対して料金割引をしてくれる商店街とか、いろんなここに書いておりますようなこととか、機関紙を出しております。  それから、ちょっと面白い試みで、試み始めたところですが、次に、次代の親育成モデル、これは、高等学校空きスペースを利用いたしまして高校生子育て親子の触れ合いの場を提供するものをつくりました。現実の高校の場所でそういうものを、週に一回だったですか、開きまして、そこで、高校生も来るし子育て親子も来ると、こういう場所をつくって自然な交流を試みております。  それから、親育てプログラム活用検討というのは、これはカナダでやっております、片仮名で難しく書いてありますが、要するにノーバディーズパーフェクト、だれも完全じゃないということで、お互いに勇気を持って児童虐待の芽を摘むとか、それから、子育ての不安ゼロ作戦ということで、啓発リーフを作ったり、そういうことをやっております。  以上が、簡単なことですが、まだ始まったばかりで、効果としては緒に就いたばかりということでございます。  それから、せっかくの機会でございますので、次の三ページでございますが、国への提言ということで、これは抜本的にお考えいただくということで、ちょっと生半可なものもございますが、体系的ではございませんが、気付いた点をちょっと申し上げさせていただきたいと思います。  ばらばらでございますが、一つは、子育て家庭への経済支援がやはりかなり充実しなければならないんじゃないかと。簡単に申し上げますと、負担が重いのかどうか知りませんが、負担感がかなり無用の圧迫を加えていると思います。そういう点で、この児童手当を大幅に拡充していただきたい。勝手な案を作りましたが、これは申し上げません。ただ、フランスとかスウェーデンから比べると格段に低レベルだということになろうと思います。  それから、これについて、ついでに地方団体の立場から言っておきますと、表の下の三ぽつ目でございますが、この十八年度から国庫負担が三分の二から三分の一に引き下げられましたが、これはまるで国の責任放棄だと私は思っております。やはり明確な姿勢を取るように改めていただきたいと、こう思っております。  それから、次のイは、乳幼児医療のことがよく出ますが、だんだん、今二割ですが、負担が増える、一般が増えております。しかし、やっぱり特に三歳未満のときにお医者さんに安心して掛かるということは大切なことでございますので、ここに書いてあるような三歳児未満は一割、その他二割ぐらいのことはやってもらうべきではないだろうかと、こういうことでございます。  それから、(2)は出産費用なんですが、これ、異常分娩は別ですが、正常分娩が今健康保険対象外に、日本は長い伝統があります。しかし、欧米では必ずしも同じではありません。健康保険対象になっている国も結構ございます。これを対象にした上で、現在の出産育児金について必要な調整をして、ほとんど支出が少ない形にしていくという手もあるんではないかと、こういうことでちょっと提言をさせていただいております。  それから、(3)は、子育ての、企業に対する優遇税制でございまして、法人税で処置をしていただければということでございます。  時間の都合でちょっとはしょります。  それから、育児休業給付を、やはり育児休業は、一つ仕事を失う心配と同時に、所得を失う心配が多くの方にございます。決してノーワーク・ノーペイの原則を無視するわけではございませんが、その間の調整を取った形にする改善はあるんではないかと、こう思っております。  それから、先ほど結婚情報サービスのことを申し上げましたが、民間にも一杯ございますが、どうもインターネット等を見ていますと、いいのか悪いのか分からないのが一杯あるようでございます。これ、実は経済産業省で、少子化時代の結婚産業の在り方に関する研究会って昨年開かれたようですが、その後どういう措置を取っていただけるのか、ちょっと心待ちにしている面もございますので、何らか具体的に整理していただきたいと思います。  それから、ちょっと六番目は細かいこと書いてあるんですが、今、次世代育成支援対策ソフト交付金というのが現実にあるんですが、この交付要件、結構レベルが高うございまして、これをやるのは市町村でございます。市町村はやっぱりインセンティブが強くないとなかなかやりたくてもいろんな制約を超えられないことございますので、よろしく御配慮を賜りたいなと、こういうことでございます。  それから四ページに、このほかのことも含めて、こんな取組をしてきました、あるいはする予定ですということを書いてございます。  もう時間の都合で、大体二十分ほどたったように思いますので、大体この太字にしたやつが前の方の資料に出ていた分で、その他は出てなかったものでございます。  なお、お手元にいろいろこういう冊子配ってあります。特に、三万部か二万部売れた本はこれでございます。(資料提示)また後ほど参考にしていただいて。  一つ最後に申し上げておきたいのは、最初に申し上げたように、我々は地域でできることを精一杯やりたいと思っていますが、やっぱり少子化対策というのは国のもう将来長きにわたっての大きな深刻な問題でございます。根幹的な問題については国が主導的な政策をお取りいただくというのがやはり国のためであろうかと思いますが、この点よろしくお願いいたします。  以上でございます。ありがとうございました。
  8. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。  次に、多田参考人にお願いいたします。多田参考人、どうぞ。
  9. 多田正見

    参考人(多田正見君) 江戸川区長の多田正見でございます。  このたび、このような機会をちょうだいいたしまして誠に光栄でございます。どうかよろしくお願いをいたします。  じゃ、座らせていただきます。  極めて簡単なレジュメがございますけれども、これを少しめり張りを付けてお話を申し上げたいと思いますが。  私が今回参考人として指名をいただきましたことは、察するに、東京区部では長い間出生率が一番高い区であると、こういうことであります。子供の数も一番多いというようなことで出生数も一番多いと、こういうような若いという特徴を持った区でありまして、子供も多いので、そういう観点に立って、何をやっておるかということの御関心をいただいたのではないかというふうに思っております。  私どもも、現実、出生率のデータが出るたびに行政視察方々も大勢いらっしゃいますけれども、特段少子化対策という形で施策を打ち出しているということはございません。これまでの長い、街づくりでありますとか様々な施策というものの上にこういう状況ができているのではないかというふうに見ているわけでございます。  もちろん、子供の多い区でございますから、子供たちに対する施策はいろいろ特徴的だと思っているものもやってまいりましたけれども、そればかりでこういう結果が出ているとは必ずしも思っておりません。どういう世代にも住みやすい魅力的な街づくりをどうするかということを何十年進めてきた結果ではないかというふうに思っているんでございます。特に、二十三区の中では最も後れて開発された区でございまして、街づくりに対する様々な努力がなされてきたわけでありますが、そういう中で皆さんが生き生きと楽しく生活できる地域にしようと、こういうことで様々な施策をやってまいりました。  今、若いデータがいろいろございますが、年少人口も今九万七千人ほどでございますが、これが一番多い。平均年齢が昨年三十代から四十代に上がりましたけれども、昨年、高齢人口と若年人口が逆転をいたしまして若年の方がやや少なくなりましたけれども、双方一四%台ということで高齢化率も一番低い区だと、こういうことでございます。出生もこのところ七千人ぐらいずっとありましたけれども、ここでちょっと下がりまして六千四、五百人と、こういうことになっているわけでございますが、これも二十三区のデータでは一番多い。結婚の婚姻届も五千件を超しておりまして、これも一番多いと、こういうことでございまして、人口六十六万人で二十三区では四番目の区でございますが、そのように、若年人口、特に子供さんの多い区だと、こういうことでございます。  毎年三万七千人くらいの人たちが江戸川区に移り住んでまいります。逆に三万五千ぐらいが出ていくということでございますが、この三万七千人の転入人口の八〇%が三十代以下でございます。四十代まで入れますと九〇%を超えるわけでございまして、非常に多くの方々が江戸川区に、多くの若い方々が江戸川区に移り住んでくださっているという現実がございます。この三万七千人の転入人口の半分が全国から来られる方々であります。それから四分の一が都内から、そして四分の一が隣の千葉県からと、こういうことでございまして、この形は変わっておりません。三万七千人転入というこの人口もほとんどこのところ変わっておりません。  そうこう考えていきますと、若い方々がどうやら江戸川区にまあある種の魅力と言うとちょっと手前みそでございますけれども、まあ何かを感じて移り住んできてくださっているのではないかと、こういうふうに考えております。東京は人口移動の非常に多いところでございまして、転勤をなさる方も多いわけでありますから、そういう中で若い世代の方々人口移動の受入れの区になっているのではないかというふうに見ているわけでございます。  若い方々が転入してこられれば、当然子供さんたちの出生も多いと、こういうことになるわけでありますが、ただ、若い方々がたくさんおられても、子供を産むという気になるかどうかということはちょっと別問題ではないかというふうに思いますので、若い方々を受け入れて、その方々がここで子供を産んで育てたいという気持ちになっていただく地域でありたいと、こういうふうに私どもは努力をしているわけでございます。  そういうことで、江戸川区の特徴といいますとそういうことでありますが、では若い方々がなぜ魅力らしきものを感じてくださるかということを私たちがどう考えているかといいますと、一つには、都心に非常に近い位置にあるということで、交通機関でいきますと、都心まで約、道路でありましても、車でありましてもあるいは電車でありましても十五分でございます。非常に都心に近いというこの利便性が一つあると思いますし、それから、江戸川区には江戸川という大きな川と荒川という大きな川がございます。そして、区内にもかなり多くの水路がございまして、こういう水路を、まあ自然を取り戻すということで親水公園ということの事業を進めてまいりました。これは街づくりの事業といたしましてはかなりはしりのような事業でございまして、江戸川区が行いました親水事業というものがかなり、この二十年間か三十年間ぐらい各地にかなり普及をしたと思っているわけでございます。そういう、何か都会の中では比較的自然のような条件が豊富であるということが一つあるかと思います。  で、三十五年くらい前から緑化運動というものを大々的に進めまして、かなりの緑を増やしてまいりました。と同時に、公園の建設も進めてまいりまして、今公園数とかあるいは公園面積でまいりますと二十三区で一番多いということになっております。人口六十六万人でございますが、これを一人当たりの公園面積として割り返していきますと、これも一番多いということになっておりまして、比較的小さな子供を育てていく環境面でかなりいいということが言えるのではないかというふうに思っているわけであります。  最近の方々は、いろんなインターネットとかそういうことを活用いたしまして地域のことをよく研究して入ってこられる方が多いものですから、私も最近江戸川区に転入してこられた若い世代の方々になぜということを聞きますと、かなりそういう情報を集めて参りましたという方が多くいらっしゃるわけでございます。  そういうことで、まあそれも一つあると思いますが、もう一つは、若い方々の多い区でございますから当然お子さんも多いんでございますが、その両親も若いと、こういうことでございます。したがって、非常に活気がございます。二十三区の中で学校の統廃合をやっていない区は江戸川区一区でございまして、今、小中合わせて公立は百六校ございますけれども、まだ一つもそのような事態に直面をしておりません。むしろ学校が徐々に足りなくなっているところもありまして、学校によっては教室の増設をするというところも最近ではあちこち出てきているわけでございます。  人口解析によりますと、この二十年間は子供は減らないと、こういうことになっておりまして、大変それは有り難い条件だと思います。若い御両親が多いということは、PTA活動、子供会活動を始めといたしまして、大変子供さん向けの活動が活発でございます。小学生は三万七千人おりますけれども、三人に一人は子供会に加入をしていると、こういうことでもございます。野球のチームも少年野球百チームございまして、グラウンドもたくさん整備いたしましたけれども五十七面ほどありまして、サッカー場ももちろんございますが、そういう子供たちのスポーツ人口も大変多いと、こういうことでございます。そういう地域であれば子供を育てるという上で何かにぎやかで活力があると、こういうことで、そのことにも魅力を感じていただけるのではないかという条件があるかなというふうに思っているわけであります。  そして、もう一つ言えば行政施策ということでございまして、その行政施策が誇るべきものかどうかということは問題でございますけれども、レジュメにいろいろ書いてございますけれども、一つは、保育ということに対する考え方はどういうことかということを申し上げますと、今国も少子化対策の中で待機児解消ということを盛んにこの何年か言ってこられまして、これが私どもの考え方として是か非かと申しますと、やや私たちは消極的に考えざるを得ないと思っております。  保育という問題は、ゼロ歳、一歳、二歳まででございまして、三歳以上は、これは保育園、幼稚園、どちらでも、これは幼児教育の範疇に入ると思っております。その三歳以上の子供たちについては、これはすべて待機児はいません。全部どちらかに入れる状況にございます。待機児が出るとすればゼロ歳、一歳、二歳ということでございますが、ゼロ歳について、私どもは公立保育園ではゼロ歳保育を受け入れておりません。もちろん私立でやっておられるところ、あるいはまた、最近、東京都では認証保育という制度を始めましたが、こういうところはもちろん活用させていただきますが、つまり、生まれたての、生まれたばかりの赤ちゃんというのはやっぱり両親のスキンシップで育ててほしいというのがこの私どもの考え方の原点にあります。  ゼロ歳保育をやりませんので、それに代わる施策といたしまして保育ママ制度というのを大々的にやってまいりました。今は二百二十人ほどいますけれども、四百何十人かの子供たちを預かっていただいております、これはゼロ歳についてでございますが。  今、江戸川区の九十数%の親御さんはゼロ歳を自分で育てておられます。これは私どもとしては理想の形ではないかというふうに思っているわけでございますが、江戸川区は公立保育園でゼロ歳をやらないためにゼロ歳保育に対して冷たいとかいろいろ言われますが、実は保育ママでやっていると。これは三十八年間の歴史がございまして、しっかりした制度を組み立ててきたと思っているわけであります。  やっぱり、いろんな学説がございまして、まあいろいろありますけれども、私どもはこのゼロ、一、二歳のところをやっぱり両親のスキンシップを豊富にして育てるべきだという論調は非常に強いものがあると思っております。これを可能にするということは、つまり労働政策に入ると思いますが、これまた後ほどお尋ねがあれば私の考え方を申し上げますが、そういうことの理念一つございまして、これはいろんな御意見もございましたけれども、これまでの私たちの一つの考え方、哲学というとオーバーでございますが、一貫してそのことをやってまいりました。  今このことに対しては非常に地域では御理解をいただいて、問題なくその制度が続けられているわけでございますが、そのようなことで、単純に待機児解消をしようということが何か親と子供を切り離す政策を強めると、こういうことになりはしないか。そのことがその子供たちが大きくなったときにどういう影響が出てくるかということは学問的にもいろいろ問題があるところだと思っております。  保育ママのいいところは、つまり家族同様になるわけでございまして、その関係はゼロ歳の保育期間のみならず、小学校に入ったとき、あるいは中学校に入ったとき、成人式を迎えたとき、そういうところまで延々と続いていくわけでございまして、預けるお父さんやお母さんも保育ママさんに様々な育児経験を教えてもらいながら、大変いい関係を作り上げていくということがあるのではないかというふうに思っているわけであります。  自分でお育ての親御さんに対して何もしないということも問題でございまして、これも二十三区では唯一江戸川区だけでございますが、乳児養育手当というものを、これも三十年以上続けておりまして、まあ今としてはそれほどの金額になりませんが、かつてはかなりインパクトがあったかと思いますが、所得に応じて月一万円、一万三千円という手当を支給しているわけでございます。もちろんこれは児童手当とは別で、江戸川区独自のものでございます。  この幼稚園児に対する助成は、私どもが私立幼稚園に、つまり受入れを依存してきたということもございまして、圧倒的に多数の私立幼稚園がございますので、ここに大幅な保育料の助成をいたしまして、公立と同様の、公立は六園しかありません、この授業料が三千円でございますので、しかとこのバランスを取りまして、大体二万六千円の月々の助成をしておりますが、これは全国的に見ても断トツではないかと思っているわけでございます。  乳幼児医療費の助成制度につきましては草分けでございまして、これは今や各自治体でおやりになるようになりました。  学校給食費の保護者負担の軽減は約三分の一ほどやっておりまして、これも相当なレベルにあると思っているわけでございます。  子供に対する支援施策ということは、つまりその時代時代に合った課題にきめ細かく対応するということでございまして、乳幼児だけの問題でなく、保育園あるいは幼稚園の時代、あるいは小学校、中学校の時代、様々にあるわけでございます。  最近始めたことといたしまして、すくすくスクールというのがございますが、これはつまり学校開放事業でございます。私どもが三年前に考えまして、今の子供たちは家庭と学校を往復する、あるいは塾に行くと、こういうことでございまして、そこで得られる人間関係しかないと、こういうことでございます。家庭も核家族化をいたしまして、なかなか違った世代の人たち、そのお友達と豊富な人間関係を持つことができない、そういうことでございますので、これは非常に教育上問題があるということが指摘されておりまして、これは学校開放をやりまして、そこで地域ボランティアを大勢取り込んで、そういう方々に様々な形でのお付き合いをしていただいて、まあ遊びでも結構ですし、何かを教えていただくことも結構、英会話も結構、そろばんや囲碁、将棋も結構、踊りや民謡も結構でございますが、そういうことをいろいろこのボランティアの方々にやっていただきながら豊かな人間関係をそういう場で形成をしてもらうと。子供たちが多面的な人間関係の中で様々なバランス感覚を養っていただくということをやってまいりました。  大変に地域の御協力をいただきまして始めまして、これは七十三校という小学校がありますが、その学校全校で今やっております。これはできるところからやるということではなくして、つまりすべての学校でやってくれということでやってまいりました。  私どもが始めましてから、文部科学省で安全な居場所づくりというタイトルで学校開放をやろうと、こういうことが打ち出されました。しかし、私どもは安全な居場所というタイトルで、考えで始めたわけではございませんで、正に地域における人間教育ということでこのねらいを設定したわけでございます。安全な居場所であることは当然でありますが、そういうことが一つございます。  それから、中学校も今年度から始めたことでございますが、これはもう既に兵庫県などでずっとやってきたことでございますが、東京では珍しいことだと思いますが、中学二年生の全員、四千五百人いますけれども、職場体験事業を五日間ぶっ通しでやると、こういうことも始めました。大変な企業協力が要ることでございますが、五日間ぶっ通しでございますので、まあこれはかなり企業方々にもいろんな形での御迷惑をお掛けかも分かりませんが、喜んでやってくださっておりまして、この反響も大変すばらしいものがあると思っております。  私は企業の側の方々お話を多く聞くわけでございますが、子供たちは四日目からがらっと変わると、こういうことを言っておられます。どこでもあいさつということから入るようでございますけれども、あいさつそのもののやり方が違ってくると、こういうようなことでもございまして、こういうことが非常にまたこれは、小学校のすくすくスクール版ではございますが、まあ人間形成上大変に重要なことだと思いますし、これはフリーター、ニート対策、そういうことにもつながりますし、また将来、子供たちが非行に走らないというような、つまり健全育成として大きな意味を持つものではないかと、そういうふうにも思っているわけでございます。  最近、かつての児童館、大型のものが六館ございましたけれども、これを共育プラザというふうに名前を変えまして、小学校の子供たちがすくすくスクールの方に行ってしまいましたので、この施設を中高生の活動拠点にしようということで、中高生の主体的な考え方で運営をしてくださいと、こういうことで施設改修などもいたしまして、今これは手掛けたばかりでございます。  学童クラブの問題がございますが、これはつくってもつくっても子供が多い区では足りないと、もう待機児が出ると。小学校三年生までで勘弁してくださいということでありましたけれども、三年生さえ入れないと、こういうことが出てまいりまして、これを先ほどのすくすくスクールと合体をしましょうということで、全部すくすくスクールの中に入れてしまいました。つまり、過ごし方が同じであります。  しかしながら、長時間、親御さんが仕事が終わるまではお預かりしますということで、この子供たちには特別なそういうサービスが付きますので、別に四千円の保育料をいただくということにしておりますが、これは、まあ人によっては家庭的な雰囲気が少し損なわれるのではないかという意見もありますが、多くの子供たちと縦横の関係で、異年齢とも付き合うことができる、仲のいい子供たちとも付き合えることができる。つまり、学童クラブはこれまで隔離されてしまっていたのが、ほかの子供たちと開放されるということにおいて非常に喜んでくださっている保護者方々が多いと、こういうこともございます。  そういうことでいろいろやっているわけでございますが、私たちは、ややもすると子育て支援について、何か手当てでありますとか保育でありますとか、家庭に対して支援をするということが中心的な考え方になっていたのではないかと思いますが、もっともっと私たちは子供たちに直接の影響の及ぶ施策を展開するということが重要ではないかと、そういうふうに考えまして、今のような事業を新しく打ち出しているわけでございます。  そういうことの中で、これらはすべて、地域方々協力なくしてすべて成り立たないものでございます。保育ママもそうでございますし、すくすくスクールもそう、学校の職場体験もそう、つまりは地域と一体となっての子育て支援をすると、こういうことでございまして、私はこの少子化をどのようにして抑え込んでいくかということについては、どうしても地域が子供たちに対してどういうふうな考え方を持ってはぐくんでいくかということを皆さんが気持ちを共有していただいて、それぞれがそのことに向かって努力をしていただくということがない限り、地域で子供を産んで育てていくということが希望につながるかどうかということにかかわってくるのではないかと、そういうふうに思っているわけでございます。  時間が来たようでございますので、このようなことを申し上げまして、また御質問にお答えをさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  10. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。  次に、椎谷参考人にお願いいたします。椎谷参考人、どうぞ。
  11. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) 新潟市にいつ子育て支援センター育ちの森の館長をしております椎谷照美です。どうぞ今日はよろしくお願いいたします。  本日は、このような機会を与えていただきまして感謝申し上げます。  それでは、座ってお話しさせていただきます。  私からは、育ちの森の活動、そして子育て支援の現場から見えてくる問題や解決、地域子育て、働きながら子育てをする現状など、多くの子育て中の方の意見や思いを中心に伝えさせていただきます。二十分という短い時間でレジュメの内容がすべてお話しできないと思います。詳しくは御質問いただければと思います。  私は、現在、高校二年生の娘と小学校六年生の息子がおります。出産のために退職いたしまして、その後十三年間ずっと専業主婦でした。マタニティーブルーから始まりまして、密室育児、引っ越して友達がいない、夫は忙しくて帰りが遅い、病気がちの娘との病院通いで、子育ては何て大変なんだろう、もう二人目は要らないというふうに思いました。  子供が生まれる前は仕事をしておりましたのでスケジュール帳はいつもびっしり書かれていたんですが、子供が生まれてから手帳は要らない日々になりました。書かれるのは子供の予防接種ですとか病院のことしかないという、そういう状況でした。自分の時間ですとか母親だけじゃない時間というのがなくて、寂しい日々でした。  子供が歩くようになりましてから徐々に行動範囲が広がりまして、友達や相談する相手ができてから随分子育ては楽になってきました。もしそのときに相談する相手や友達がいなかったら、多分もう切ない、切ないという感じだったんではないかなというふうに思っています。  そして、五年後に長男が生まれました。長男を育てながら専業主婦のママ友達と子育て応援・企画グループを発足いたしました。母親としてだけではなく、一人の女性としての視点、そして母親の思い、様々なメッセージをもっと広く世間に知ってもらうことと、子育ては大変な時期もあるけど、友達ができたり、視点を少し変えることで楽しさに変わってくるということを伝えたかったです。そのために、情報誌の作成、ラジオ番組を企画、放送してきました。自分たちの思いや不便なことを声に出し、次世代の子供たちが将来大人になったときに子供を産み育てやすい制度や企業の体制、街づくりなど、いろんな面でのフォローをどうするかなどを考えていかなくてはいけないと思っております。  活動に関しましては、お配りの資料に沿革が付けてありますのでごらんください。  様々な活動をしていく中で行政にも提案してきましたが、なかなか受け入れてもらえることができませんでした。そのときに思ったのが、当てにしない、見返りを求めない、自分たちでやれることをやるというふうに決めました。子供たちは日々成長していきます。行政の対応を待っている間にどんどんどんどん成長していきますので、自分たちでできることを少しずつ、イベントや勉強会などをやってまいりました。その後、活動をしていきますと、徐々に行政の方との共催ですとか後援をいただきまして活動を続けてきました。その後、NPO法人となりまして、旧新津市より委託を受け、現在、にいつ子育て支援センター育ちの森を管理運営しております。私たちが子育てをしていたときに欲しかった施設であり、自分たちが子育てで大変だったときどのような支援が必要だったか連日話し合い、二〇〇二年四月にオープンいたしました。(資料映写)  今日は、パワーポイントで育ちの森の様子を、写真をたくさん今日は持ってまいりましたのでごらんいただきたいと思います。今見えました、育ちの森の外観です。  続きまして、育ちの森の利用状況なんですが、二〇〇二年四月にオープンしまして徐々に毎年利用者が増え続けている状況です。  こちらは、皆様の資料の方にも付けてありますけれども、育ちの森に来る動機をアンケートにお答えいただきました。二〇〇三年に子育て支援に関する調査研究、UFJ総合研究所が行いましたけれども、そちらのアンケートでは、一位が子供を遊ばせる場や機会の提供ということだったんです。二位がリフレッシュの場で、育ちの森に来る動機とほぼ同じような結果が出ておりました。  続きまして、育ちの森利用のメリットです。  育ちの森を利用してメリットということでお聞きしましたところ、一位は同じ、伸び伸び遊べるということなんですけれども、二位には、息抜き、友だちができた、来てみてプラスの効果があったということがアンケートで分かりました。こちらのデータも皆様のお手元のところにあるかと思います。  続きまして、育ちの森の様子を紹介いたします。  子供たちの非常に生き生きとした楽しそうな場面がたくさんあるんですけれども、子供が遊んでいる姿を親が見ることで親もとてもうれしくなるんですね。こちらはお父さんが最近非常に参加が増えてまいりました。こちら土曜日の風景です。こちらはベビーという日があるんですね、ベビーちゃんの日がありまして、一歳七か月までのお子さん専用の日です。  続きまして、こちらは自己紹介ゲームです。初めて子供を産んで、周りに友だちがいないという方が非常に多いです。そのときにスタッフがコーディネートをいたしまして、こちらは自己紹介ゲームをしているというところになっております。  続きまして、育ちの森が行っているセミナーです。  子育てだけではなく、母親である前に一人の女性であり、社会の一員であるという考えから、自分の時間を取るということで、リフレッシュできるようなセミナーですとか、スキルアップセミナー、そして親子セミナー、赤ちゃんセミナーが行われます。非常に人気です。  続きまして、こちらはマタニティセミナーです。子育て支援センターでマタニティセミナーをする意味は、一歩部屋を出ますと赤ちゃん、お母さんがたくさんいるわけですね。イメージもできますし、いろんなプラスの効果がありまして、マタニティセミナーも非常に好評です。  続きまして、こちらはベビーマッサージの写真です。最近はお父さんの参加が多くなってきました。ベビーマッサージも人気です。  こちらが一時保育様子です。お母さんたちがセミナーを受けている間に、お子さん二人に対しまして一人の保育者が付きます。保育ルームで遊んでいる様子です。お母さんには、初めて預けるお母さんはとっても不安なんです。ですけれども、お子さんは多くの大人とかかわることも大切ですよということで、安心してセミナーを受けてくださいというふうにお伝えしています。  こちらはパパサロンです。パパと子供しか入れないですね。パパサロンです。こちらは土曜日に行われるんですけれども、狭いお部屋ですので余り多く入れないんですが、このときの参加は九名ほどになっています。  こちらはお母さんが様子を見ている写真なんですけれども、とても心配なんですね、泣いてるんじゃないかということで。  続きまして、こちらは子育てサークル同士の交流ということで、力を入れています。  続きまして、こちらは、県外から引っ越してきた方がとっても多いんです。地域のお祭りを体験していただこうということで、屋台に来ていただきました。一緒に引っ張ってみるとか、地域に溶け込む第一歩ということで、こちらの方、非常に好評でした。  続きまして、こちらは中越地震の災害支援ということで、皆様のお手元のところにアンケートがあるかと思います。後ほどごゆっくりごらんいただきたいと思います。  続きまして、サポーターさんとそれからボランティアさんが育ちの森には多くいらっしゃいます。中学生、高校生もたくさん来ます。  こちらは、中学生の職場体験ということで、五名ほど来ました。命の大切さ、家庭の役割などについての理解を深めてもらうために、子ども・子育て応援プランでは乳幼児と触れ合う機会を提供すると掲げてあります。育ちの森では、三日間、中学生が体験に来ました。体験しながら命の大切さですとか子供を育てること、協力し合うこと、楽しさなども研修に入れました。  こちらの男子中学生なんですけれども、終了しましてからお手紙いただきまして、将来、僕は保育士になることを決めました、保育士になった暁には育ちの森に就職させてくださいというようなお手紙をいただきました。とってもうれしかったですね。  こちらは、地域の方がボランティアで絵本の楽し読みに来ていただいています。強制ではなく、都合の付くときに来てもらっています。いろんな方が育ちの森にかかわることは子供たちにとっても大切なことです。  こちらは、横断歩道の渡り方の教室様子です。  こちらは、育ちの森の仲間たち展ということで、新津にあります美術館で、一週間借り切りまして、ふだんの子供たちの様子を写真に収めたパネル展示ですとかミニコンサートなどを行います。ふだんどうしても家族で来れないという方も多いですので、この育ちの森の仲間たち展に来ていただきまして、子供たちの遊んでいる様子、それからセミナーで作られた作品の展示も行っております。  こちらは、昨年、命の大切さ、子供を産み育てることなどの大切さということで、小学校四年生を対象に授業に行ってきたところです。当日は地域のお母さんとお子さんに来ていただきました。出産そして子育てに関してや命の大切さなどのお話を伺いました。  赤ちゃんとの触れ合いを、同じクラスの小学生や高校生に同じ赤ちゃんが一年間八回継続してかかわる授業を主催、運営している東京成徳短期大学の寺田助教授によりますと、赤ちゃんと触れ合う体験を通して、赤ちゃんを丸ごと受け入れていく気持ち参加者に育っていき、人と人とのつながりが希薄だと言われている今日、授業を通じてみんなの心がつながっていく様子がほのぼのと伝わってきますと述べられています。単発ではなく、同じ赤ちゃんと同じ生徒が継続的に授業で行われることは大切であり、全国的にも今後望まれていることだというふうにお話を伺いました。やはり触れ合うということは、今後、全国的に行っていっていただきたい授業だなというふうに思います。  今の様子が、育ちの森の日常の様子をごらんいただきました。  続きまして、レジュメの方に戻ります。  母親の孤立に関してということなんですけれども、こちらも資料にありますが、レジュメの資料の中にあります「社会から隔絶され、自分が孤立しているように感じる」というところなんですが、四八%になっています。  そこで、求められてきますのが場づくりであると考えています。育ちの森にはたくさんのお母さんがいらっしゃっていますけれども、元気なママや楽しそうなママを見ることがつらいという方も実はいらっしゃいます。  そこで、育ちの森では、いやされる場づくり、静かに過ごせる場づくりを今後考えていかなくてはいけないなというふうに思っております。静と動が支援には必要だと思っています。子育て中の方がいつでも気軽に集まり交流できる、そんな場づくりが必要です。  幼稚園や保育園に入園いたしますと先生がいらっしゃるんですが、ゼロから三歳児には先生という方がいないわけですね。ですが、このゼロから三歳がとっても悩みがあったりするわけです。そういったときに、いつ行っても相談相手がいる、いつ行っても悩み相談ができ、話を聞いてくれる先輩ママがいるっていう場が必要だというふうに思っています。  そして、育ちの森のスタッフは人と人を結ぶ役目も必要だというふうに考えています。スタッフにできること、スタッフにできないこともあります。そういうときに友達ということが大事になってくるのではないかなというふうに考えております。  レジュメには行政との協働と書かれているんですが、時間が余りなくなってまいりますので、こちらの方、省かせていただきます。御質問がありましたら後ほど答えさせていただきます。  続いて、地域子育てなんですが、地域によりますと気候、風土、同居率、そして環境がどうしても地域によって違います。医療費助成、そして予算、支援事業に関しても各地によって状況が異なります。是非ブロック会議などで各地域意見を吸い上げてほしいなというふうに思います。母親の意見を代弁できるような方や直接相談事業にかかわる保健師さん、医師、子育て支援者など、より現場に近い方の意見も聞いてほしいと思っています。  引っ越してきたばかりで友達がいない、情報が分からない方も多くいらっしゃいます。新津地区では行政や保健師さんが育ちの森や子育てサークルを紹介していただいています。育ちの森では、利用してくれる方やかかわってくれる方一人一人がメッセンジャーだというふうに思っています。地域で孤立している方や場所を求めている方に声を掛けてほしいというふうに伝えています。  育ちの森のアンケートで、何でこの育ちの森を知りましたかというふうにお聞きしますと、口コミが一番になっています。育ちの森で友達ができた、子育てを楽しく思った親が地域に戻りまして地域での子育てを活性化し、子育てサークルを作るなど、子育て支援の輪が広がってほしいなというふうに思っています。  新津地区社会福祉協議会では、各子育てサークル対象に申請を募りまして、毎年一定の金額が三年間支払われることになりました。会場使用料、講師料、保険料など助成金で使えます。子育てサークルというのは非常に運営が大変なんですね。そういったときにこのような助成金があるととても有り難かったですというふうな声が聞かれました。  続きまして、ワーキングマザー、働くママなんですけれども、働きながら子育てをしている方、育休中の方などの抱える悩みも多くあります。また、出産により退職を余儀なくされるケースもあり、結婚、妊娠、出産をマイナスと据える社会風土が第二子は産めないというふうに考える大きな要因になっている現状もあります。男性は自分の選んだ道を進み、仕事に没頭できるのに対しまして、女性は非常に選択しなくてはいけない機会が多くあります。結婚するのかしないのか、子供を産むかどうか、仕事を続けるかどうか、夫が単身赴任になったときに付いていくかどうかということで、選択を一杯、一杯していかなきゃいけないわけですね。その中の一つに子供を産まない選択をしたという方も中にはいらっしゃいます。  国を挙げて少子化対策に取り組むのであるならば、やはり働くママのためにも企業側の協力は欠かせないと思っています。  企業の方にもお話を伺いましたら、産休、育休職員の代理職員雇用する場合、会社への補助を厚くしてほしいという意見をお伺いしました。会社への補助なしでは社員に育休を取らせてやりたいけれども難しい現状があるということです。  働くママの中では三十分、一時間刻みで途中に退社して、その後会社に戻って最終的に八時間なりの決まった時間仕事ができるようなシステムを希望したいという声も多いんです。特に子供が急に熱を出して呼出しがあったときに、医者が開いている時間に子供を連れていって、その後に実家に預けるとかだれかに預けてまた戻ってきて仕事をする。保育園で熱などで呼出しがもう本当に多い方というのは欠勤が続きましてお給料がだんだん減ってくるという現状も多いんです。保育園というのは参観日が非常に多いということと、まあ幼稚園もそうなんですけれども、なので、やはり企業に対してのその支援というのも大切ではないかなというふうに思っています。  続いて、被災地支援とあるんですが、こちらの方も時間の都合上、省かせていただきます。  最後の、次世代育成に関してお伝えいたします。  次世代育成なんですが、やはりメディアから流れる情報というのは子育てに関するマイナスイメージがとても強いと思います。子育ては大変だから父親の育児参加をですとか、早期教育が必要だから教育費にお金が掛かる、仕事子育て両立は大変というメッセージ、加えまして、経済状況、環境問題、治安、人間関係など子供を育てていく上での問題点が非常にクローズアップされています。  確かに不安ですとか悩みを抱える人は多いです。公的な救済や保護を必要としている人も多く存在します。ですが、悩みは子供の成長とともに解消したり、相談できる場があれば解決につながることも少なくないです。これから大人になる次世代の子供たちに与えるイメージが、つらい、大変ではなく、他者との豊かなかかわりを持ちながら子供を育てていくことの楽しさ、プラスのイメージを持ってもらうためにも、様々な世代と触れ合う体験を与える試みは有効であると思っております。  ある県の教育プランのベースになる調査では、中学生、高校生は、半数以上がこれからの社会は悪くなるだろうと考えているそうです。希望が持てないと回答しています。一方で、公共心を持ち、社会に貢献したいと思っている、こうした意識に積極的に応じるには、場の提供が必要であると思っています。大人は、子供一人一人の尊厳を重んじ、誠意を持ってかかわるなど、子供だからという意識は持たずにいなければならないと思っています。中越地震の際、中学生が仮設住宅のお年寄りの話し相手になり、とても喜ばれたということもあります。地域に出て社会貢献を経験する場を大人が考え、つくり出していく必要があると思います。先ほどパワーポイントでも御紹介しましたけれども、職場体験というのはとても大事だと思っています。  最後になりましたけれども、我が子の将来が明るい未来であってほしいと親は望みます。我が子が子供を育てるときに、企業社会や世の中が、子供や子育て中のマタニティーの方に優しい町であったり、子育てしやすい町になってほしいと願います。そのために、今行政のできること、私どものようなNPOができること、企業社会地域でできることを見極めて、今後考えていく必要があると思っています。すべて行政が行うということではなく、全国にある子育て団体と共同しながら進めていっていただきたいです。  そして、ゼロ歳から三歳までのお子さんは一人で育ちの森に来ることはできないです。連れてくる大人が、育ちの森は面倒だ、つまんない、居心地が悪いという理由で連れてこれないとしたら、子供は一つ機会を失うことになります。なので、私たちは、親にとっても子供にとっても居心地の良い場の提供を今後も続けたいと思っています。老後の暮らしを支えるように、子供をみんなで支えていく社会になっていっていただきたいなということを望んでいます。  今日はどうもありがとうございました。
  12. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取を終わります。  これより参考人に対する質疑を行います。質疑はおおむね午後四時をめどとさせていただきます。  なお、質疑者及び各参考人にお願い申し上げます。質疑及び御答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。  また、多くの方が御発言できますよう、一回の発言はおおむね三分程度とさせていただきます。  なお、質疑の際は、最初にどなたに対する質問であるかをお述べいただいて御質疑に入っていただきたいと存じます。  では、質疑のある方、どうぞ挙手をお願いします。  中原爽さん。
  13. 中原爽

    ○中原爽君 自民党の中原でございます。  江戸川区の区長さん、多田区長さんにお尋ねしようと思います。  御提示いただきました江戸川区のカラーのパンフレット、一番最後のページ、見開きのところでありますけれども、右側が二十三区内でナンバーワンという数字を挙げていただいております。その中で、保育園の入園児童数が九千二百余ということでありまして、左側のところの表で見ますと、区立の保育園が五十三、私立が二十八、合わせて八十一という保育園数で九千二百名という形になっていると思います。それと、左側の下の方で、私立の幼稚園の児童数でありますけれども、一万一千九百四十一名、これが左側の私立の幼稚園数で三十九ございますが、これは私立だけの数字でありますので、区立の幼稚園数六園を足しますと、もう少し実際の幼稚園の児童数は増えているということだと思います。  現在、国会の方では、文科省と厚労省お互いに検討いたしまして、幼稚園と保育所を一体化しようと、幼保一体化ということで法律改正を図るという段取りでございます。これ、法律が制定されますと、恐らく予算については補正予算で予算組みをするということが進むと思います。したがいまして、江戸川区として、これだけ幼稚園にしろ保育園、保育所にしろ施設をお持ちでございますので、これから先、幼保一体化ということについて江戸川区はどういうふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
  14. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 多田参考人、どうぞ。
  15. 多田正見

    参考人(多田正見君) お答えをさせていただきますが、今国で検討しておられます幼保の一元化の考え方、おおむね理解をしておるつもりでございますが、なかなかこれ、私どもの区では当てはまらないだろうというふうに思っております。つまり、幼稚園も保育園もほぼ満杯状態でございまして、この施設を保育園と幼稚園とそれぞれ保育の内容を若干変えてどういうふうにするかということは施設的に無理がある。  ですから、この幼保一元というのは、私は、子供たちがつまりそんなに多くなくて、少子化で施設は遊休化してきたというようなときに、それを効率的に活用するということでは意味があると思いますが、私どものところでは、それをやっても、実際にそういうふうな運営はできないのではないかというふうに思っております。  それからもう一つ、お金をつまり介したその制度がどうなるかということでございまして、一緒にしても、これまでの保育園のこの一つのシステム、つまり保育料の委託経費とそれに対するいただくお金、そういう仕組みと、それから幼稚園の授業料という仕組みとは根本的に違ってまいります。それを一つにすれば少しできる可能性が生まれるかなというふうに思いますが、それを一緒にしない限りは、そのお金を一つに持っていかない限りは、なかなかこれは難しい問題だと思います。  つまり、幼稚園と保育園とあって、その中に、保育園は今度、今の考え方では多分料金を施設が勝手に決めてくださって結構ですよと。ただし、その水準額を超える部分については自治体で補てんしてくださいよというようなことであれば、中身は今までとこのお金の仕組みが変わりません。つまり、それは合体してもしなくても大した意味がないと、こういうことになってまいりますので、自治体によって条件がいろいろ違ってくると思います。  今のお考えが当てはまるところもたくさんあると思いますが、少なくとも私どものところでは余り効果が出ないというか、そこに踏み込んでいけないだろうという考え方を持ちます。
  16. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) よろしいですか。
  17. 中原爽

    ○中原爽君 はい。
  18. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) ほかにいかがでしょうか。  山本保さん。
  19. 山本保

    山本保君 お三人の先生、大変興味あるお話ありがとうございました。  三人に順番にお聞きしようと思っておりましたけれども、今ちょうど、江戸川の多田区長さんが出ましたので、それに関連してちょっとまたお聞きします。  実は私、江戸川にあります明福寺ルンビニー学園で十年間通いまして、そこの雇われ教員をやっておりまして、以前。今の、実はその学園というのは三十何年、もう以前から幼稚園と保育園を両方やっている施設なんです。全国でも草分けでざいまして、その当時から私もその中身についてやっておりまして、今自分でも研究会やっていまして、先生方にも来ていただいておりますので、今のようなところは確かに理論的には合わないんですが。まあ実際的には、幼稚園、保育園の中核部分については大体同じ程度のお金で設定できるかなと思っておりますので、またこれは是非。ただ、おっしゃるように、たくさん、両方がもう満杯で、定員基準を満たしておるというような状況であれば、特に今つくる必要はないのかなという気はします。  そこで、私も、江戸川区の状況、もう古い、二十五年前まで通っておりましたから、その間時々行きますが、ひとつお聞きしたいんです。  大変、当時からも江戸川区というのは東京都の中でも非常にユニークな状況だと思っておりますが、当時からは大分人数増えたと思いますね、人口が。元々、集落とか昔の文化、人間関係の大変強い地域だなというふうに自分でも思っておりました。その辺は、人口が増えてきて変わっていったのでしょうか。それともそれを、元の人間関係というようなものを生かしながら先ほどの街づくり、特に若い方に支持されるような街づくりができてきたのでしょうか。そのことについて最初、多田区長にお聞きします。  それから、一緒に全部お聞きします。  柿本知事さん、ありがとうございます。  そこの中でちょっと一つだけお聞きしたかったんです。私の前の職場でもなかなか、いわゆるチョンガーの独身が多くて、上司も一生懸命結婚をさせようというふうにやったんですが、なかなかうまくいきません。先ほど県庁でもそういうクラブをつくられたと言われましたが、その辺は余りうまくいっていないということでございましたが何か、いや、ちょっと聞き間違いかもしれません。どういうふうに今整理されて、またどんな形を今後考えられているのか、参考までにお聞きしたいと思います。  それから、三番目、椎谷館長さん、ありがとうございます。  私が厚生省におりましたときは児童館が専門でございまして、子育て支援センターはまだできていない、というかできた最初のころなんで、お聞きしておりまして大変理想的な、目指していたようなことをやられているなということで、大変うれしくお聞きしました。  特に、子育ての不安をただ支えるだけではなくて、それが時間的とかいろんな具体的な、まあ物理的といいますか、ところから以上に心も広がり、そしてボランティア、今日は省略されましたけれどもここに資料がございますね。正に人のためにもというような活動をされていくということは本当にすばらしいことだと思いますし、是非全国にそうしたいと思っておりますが、何かそこでそういうコツというか、意識的に、これは言うべくして難しいことでございます、進められたのかなと。  特にその中で、父親の参加がございました。これも実は非常に難しいんですけれども、何かこの辺に、私は、父親が参加してきますと結構社会的に開かれていくという今まで事例が多いんですが、何かそこには関係があり、そこを意識的に進められたのかなという気がしましたのでお聞きしたいと思います。  以上です。
  20. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、多田参考人からどうぞ。
  21. 多田正見

    参考人(多田正見君) ルンビニー幼稚園については直接の御質問ではないかと思いますが、ちょっと参考お話をさせていただきますが、あの理事長先生、福井先生とおっしゃいますが、つまり強引に一体化をいたしました。それで、いつもおっしゃっていたことは、厚生労働省の方が来られたり文部科学省の方来られると、これは一体どっちの職員なんだと、どういうふうに経費を分けているんだとかこの基準はどっちの基準でやっているんだとか、そういうことをいつも言われて、非常に悩みましたと。そのことにあの方は抵抗されたわけでありますが、現実、一体的にやってこられました。  今回の考え方の中ではそういう在り方もいいでしょうということになりましたけれども、最近、私はこの先生とお話をしている中で、やはりその先生が指摘される問題は、幼保一元というのであれば、私どもがやっておりますすくすくスクールのように、最大ある時間帯は預かりますよ、その中でこの子は保育としての仕事をやります、こちらは幼児としての仕事をやります、しかし教育内容は同じでいきます、ただ預かる形態が違います、資金のやり方は一つにしてください、それから負担一つにしてください、その時間に応じてそのサービスに相対した料金をいただくと、そういう形にすれば非常にこの幼保の一元の問題はきれいにいきます、それは二つの省庁が相当程度歩み寄らないとできないでしょうと、そういうことで、私どもはその先生の言うとおりではないかと思っているところであります。  それから、江戸川区の状況変化でございますが、これはもう何十年、三十年ぐらい前から本当に若い区ということをずっと続けてきたわけでございますが、それはそういう立地にあったからだと思いますが、子供がいっときぐんと増えました。小中学校が足りなくなりました。で、どんどんつくりました。そういう中で幼稚園も保育園も増設をいたしました。そういうことの中で、若干減ってはいるといっても、今これが過剰の施設を持っているということになっておりません。ですから、特にゼロ歳から二歳までの子供の需要には十分はこたえ切れない面がございますが、そこそこにこたえていると思いますが、これは当分続くと思います。思いますが、私たちはいろいろ細かい努力をしてそういう人たちの、子供たちの待機児をなくすような努力をしておりますが、つまり状況としてまだまだこの課題は続いていくと、そういうふうに思っております。  で、その先を申し上げればいろいろありますが、取りあえずの、それでよろしゅうございますか、御質問に対しては。
  22. 山本保

    山本保君 何か、地域性というか、都内でも結構そういうことをやっているんですか。
  23. 多田正見

    参考人(多田正見君) 地域性ですね。これは子供が多いということによります、この子供たちを一体どうしたらいいかという、教育関係者を含めまして、あるいは保育、幼稚園の関係者が、やっぱり地域としてどうしてもこの子供たちに対してしっかりした受入れ体制、支援体制をつくりたいという情熱を持ってやってきてくださったと思います。行政もそれに対して一緒にやってまいりました。  したがって、それがさっき申し上げた、いろいろ特徴ある、個性的なと思って我々はおりますその施策につながっていると思いますが、それは、一つの伝統としてそういう土壌が江戸川区には幸いながらできているというふうに、今私どもは大変有り難く思っております。
  24. 柿本善也

    参考人柿本善也君) シングルクラブについてのお尋ねでございますが、県庁版はちゃんと動いておりまして、月々いろんな会合を持ってやっております。  うまくいかなかったと申し上げたのは、民間企業とか団体にも同種のことをおつくりになりませんかということを文書も付けて慫慂したんですが、中には、うちは民間のそういう会社に法人として委託費払っているからいいとかいう、大変びっくりするような返事までいただいて、この問題は企業は大変問題意識が希薄であるなということを改めて思いました。  余り入りたくないという気風が強いということ、この点がうまくいかなかったということで、あえて県庁シングルクラブでいえば、初め男性の参加が少なかったんです。いろんなことあるでしょうが、ほかの実は呼び掛けをやっているところも、女性は一杯来られるんだけれども、男性が少ない。それをいろいろ宣伝しまして、だんだん回復しつつありますけれども、そういう点だけはちょっとありましたけれども、シングルクラブについては県庁版だけで、ほかがどうも乗っていただけなかったと、こういうことを申し上げたつもりでございます。
  25. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) コツということなんですけれども、そうですね、育ちの森を運営していますと、いろいろ迷うこと、悩むことはたくさんあります。  結局、答えは利用者が持っていると思うんですね。私たちが悩んでいることを利用者にまず聞くということなんです。その中の一つがアンケートなんですね。アンケートを年二回取っておりまして、そのニーズをどうこたえるかということと、それから、スタッフが、市民団体のころからのスタッフはほとんど専業主婦で、育ちの森に来る方もほとんどが専業主婦の方が多いですので、何となく分かるんですね、共感できる部分とか。きっとこうしたらいいかなとか、こうやってみようかなという、そういうことをまずはやってみる、そして、余り良くなかったなと思ったら、それはそのときやめるという判断をいたします。とにかく利用者がよければいいわけですので、答えを持っている利用者にどんどんどんどん聞いていくということが一つのコツではないかなというふうに思っております。  先ほどパワーポイントも見ていただきました父親サロンを例に取りますと、なぜ父親サロンができたかといいますと、お母さんたちの要望があったんです。非常にお母さん方が多い施設ですので、お父さんが入りづらいという声を聞きました。お子さんとお母さんが遊んでいる間、お父さんが駐車場の車で待っているという、そういう状況を聞きました。それでは良くないねということで始めたのがパパサロンです。  お父さんはどうかかわっていいか分からないんですね。それで、本当は家で見る笑顔と、一歩外に出て、いろんなお子さんとお母さんの中に交わっている我が子の顔を見たいんです。ですけれども、恥ずかしいとか、いろんなことがありまして、何とかできませんかという利用者の方の声がありましたので、それではパパサロンをやってみようということでやり始めましたら、非常に好評なんです。そこで友達ができるんです。パパ友達ができるんですね。  パパ友達ができると何がいいかというと、いろんなことを相談できるんです。ママには聞けないこと、例えば、僕は離乳食を食べさせたいと思っているんだけれども、どうですかとかというような会話ができる。そして、そこで友達になって、次のパパサロン来ますかというような、そういうことにもなるわけなんですね。ですので、二回目を行ったときは一回目よりも多く来ておりました。  お父さんの得意分野をどう生かしていくかということも考えております。手作りおもちゃのセミナーができたらいいなというふうに今考えているところなんですが、お父さんのつくった手作りおもちゃを子供が遊ぶ、その姿をお母さんが見るということで、何か家族の温かさが出てくるんではないかなということもそうですし、あとは、人材バンク、パパのための人材バンクというのができてもいいのかなというふうに思っています。得意分野をどう生かすかというところも一つ大事ではないのかなというふうに思います。
  26. 山本保

    山本保君 ありがとうございました。
  27. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) よろしいですか。  ほかにいかがでしょうか。  小林美恵子さん。
  28. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。今日は、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。  私は、まず柿本知事と椎谷参考人子育て世代の経済的負担の軽減問題でお聞きをしたいと思います。  先ほど柿本知事は御説明の中に、今回の児童手当の問題ですね、国の国庫負担を三分の二から三分の一に引き下げるのは国の責任放棄だという御意見をいただきました。私はその御指摘はもっともだなというふうに思うんですけれども、いわゆるその、例えばですよ、国が三分の一に引き下げた場合、奈良県でいきますとどういう負担になって、そのことはどういう影響をもたらしていくかということを教えていただきたいと思います。  それと、椎谷参考人には、育ちの森の中で子育て真っ最中のお父さん、お母さんとかかわって、その子育てに掛かる費用に対していろいろと軽減の御意見ってあると思うんです。その点、具体的にありましたら教えていただきたいと思います。済みません、あともう一つ。  大きな二点目は、これは江戸川区長さんとそれから椎谷参考人にお伺いしたいと思いますけれども、いわゆる子供にかかわる施設ですね、この施設についてですけれども、例えば、先ほどお話がありましたけれども、私はその安全で安心できる居場所、そして職員も専門性とともに子供と系統的にかかわれるということが本当に子供の施設にとっては大事ではないかなというふうに思うんです。  それで、多田区長さんは今すくすくスクールのお話をされておられましたけれども、ちょっとお聞きをしますと、七十三校に導入されていて、非常勤の方のみがされているところが九校あるというふうにお聞きもしました。三月六日付けのアエラの雑誌にどこの子育て支援の自治体がいいかとかいって、「子育てしやすい街はここだ」というような記事の中に江戸川区の話がございましたけれども、そこには結構厳しいことが書いてあります。例えば、「すくすくになり、」ということで、「校内施設だけの活動に限定され、雨だと子どもがごった返して難民キャンプ状態だ。」と大変厳しい指摘がこの記事の中ではあるんですけれども、そういう意味では、子供にとって本当に施設としてはどうなのかという点で私は保護者とか関係者の御意見を聞くのは大事だなと思うんですけれども、それはどのように考えておられるか。  椎谷参考人には、いわゆる先ほど申し上げたような点で安心、安全の居場所、専門性の点についてどのように考えているのか、その二点をお聞きしたいと思います。
  29. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) よろしいですか。それでは、柿本参考人からどうぞ。
  30. 柿本善也

    参考人柿本善也君) 児童手当についてお尋ねですが、私は児童手当というのは先ほど申し上げたとおり基本的な経済状態に安心感を与える措置ですから、やっぱり国が基幹的な制度として維持を図る責任があると思っております。  そういう意味で、三分の二から三分の一に下がったと、こういうことはちょっと方向を間違えたんではないか、まあ三位一体の改革の中でいろんなやり取りがございましたので、取りあえずはしようがないと思いますが、やはり将来的には、というのは今程度の事業費であればともかくとして、将来充実するということを考えるとこれが大変な一つのかせになるのではないかと、こう思っております。  どれだけ負担が増えたかといいますとちょっと分からないんですが、要するに、今まで三分の二だったんですから地方は三分の一の負担になった、今度は三分の一になりましたんで地方は三分の二、制度上は倍になりました。しかし、内容の充実も図られましたので、県の負担額は三倍近くになっております。まあ、ちょっとうちの予算では小ちゃい話でございますが、八億八千万ほどが二十四億ほどの負担に増えました。そういうことで、充実部分は含んでおりますので、制度改正上は倍になるというような、自動的になるわけでございます。それでよろしゅうございますか。
  31. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、椎谷参考人、二つ御質問があったと思います。よろしく。
  32. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) まず費用の件なんですけれども、利用者の方にお話を伺いましたら、非常にお金は掛かるという意見はあります。マタニティーのときも実はお金が掛かるということなんですね。マタニティーで一回の健診で三千五百円のところもあれば、産むまでに十万円掛かったという方もいます。マタニティーの場合は育児用品もそろえなくてはいけないということもあり、マタニティーのときになぜ助成がないのかなというような、そういった意見もお聞きしました。  それから、どうしてもお子さんを育てている若い世代の方は所得がそんなに高いわけではないですし、児童手当も、子供のために貯蓄できる方と、又は全部家庭、生活費に掛かるというような、そういうお話も聞きます。子供は成長していきますので洋服も買わなきゃいけないとか、経済面の支援というのは大事だということもお聞きしました。  今は小学校六年生までということなんですけれども、長い目で見たときに、教育保障というのは非常に大事だというふうに思います。高校、大学まで行かせたい。だけれども、なかなか、家も建てなきゃいけない、車も買い換えなきゃいけない、トータル的に長い子育てを考えたときに、六年生までじゃなかなかというお話もお聞きしたことがあります。  ゼロから三歳に限りますと本当にお金が掛かる。自分が特に仕事をしていないわけですから、父親だけの収入になりますので、そういったお話も聞きますし、働いているお母さんで未満児さんで預けている場合は保育料が高いです。保育園、そしてその後どうしても子守さんに預けるというパターンもあるんですね。風邪を引いたときに子守さんにお願いするために保育園まで送り迎えをするということで、保育料そして子守さんプラスで自分の分の給与が全部なくなってしまうというようなお話もありましたので、どのアンケートを見ても経済的支援が一位になるというのは納得できる内容だと思います。  それから、安全、安心、そして専門のスキルということなんですけれども、安全というのはとても大事です。私たちもすべてバリアフリーですし、あとはおもちゃものみ込まないようなものですとか、とがったものがないようにですとか、おもちゃの選定からかかわりまして一つ一つ選んでいきます。あとは不審者対策ということで、だれが入ってきてもチャイムが鳴るようにしています。さすまたも購入したんですけれども、余り意味がないですね、非常に大きいものでなかなかできないんですが。あとは、年に一回警察の方に来ていただきまして、防犯の研修とかもしております。  それから、安心ということなんですけれども、その方によってその安心という意味が違うと思うんですね。中越地震の際に、被災地の方に向かいまして、お母さんたちに今何が一番必要ですかと聞いたときに、安心できる場というふうに言われました。余震が非常に続く、なので安心できる場が欲しいということをお聞きしました。  ある支援センターは、全部一時保育室がガラス張りなんです。ですので、ここでは安心して子供を預けることができないというような意見がありまして、飛散防止フィルムを寄附したという、そういった経緯もありますが、育ちの森の考えるその安心できる場というのは、ここは、お母さんもそして子供も思いっ切り泣いていい場所ですよということです。安心して悩みを相談できる場ですよというふうにお伝えいたします。どうしても子供は、公共施設ですとかお店でも大きい声で泣いたりとかすると周りに迷惑が掛かるからということで、泣かせる場がない。アパートの上の住んでいて、下の方から、ドンドンするとしかられる、泣くとうるさいと言われるというような声もお聞きします。安心して子供を遊ばせる場、安心して子供を泣かせる場というのもやはり必要ではないのかなというふうに思っております。  そして、もう一つその専門性なんですが、育ちの森のスタッフは全部で十二名おりますが、全員保育士ではないです。保育士看護師もおりますね。あとは事務の経験者ですとか、いろんな職種の者がおります。元編集をしていた者ですとか、いろんなスタッフがおります。ですので、みんなが同じようにスキルを上げていくのは、全員が研修ができるわけではありませんので、例えばどこどこの研修に行って、スタッフ会議でそれを下ろして、みんなが同じように上がっていくというような形を取っております。  あとは、相談もたくさん来ておりますので、スーパーバイザーという形を取っております。スタッフで対応できないものは、相談はネットワーク、そして専門のスーパーバイザーの方にいろいろと運営面ですとか御相談する場合もあります。
  33. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、多田参考人、どうぞ。
  34. 多田正見

    参考人(多田正見君) 七十三校ありまして子供たちがたくさんいますので、なかなか空き教室というのが出てまいりません。学童クラブについては、勢い学校の外につくっていかなければならない、あるいは学校の敷地の中ということで、独立した施設をたくさんつくってまいりました。しかし、なかなかこれは追っ掛け切れません。  三年生までということで、最近では三年生でもお断りをしなければならないというようなことが出てまいりまして、大変これは、その子がかぎっ子になるということは切ないことでございます。一方で、考えてみれば学校というのは大変大きな施設を持っているわけでありまして、空間的には工夫すればどういうところでも使うことができると。そういうことの中で、つまり学童をそれぞれの学校の中に収め込もうと、こういうことをしたわけでございます。  三万七千人のこの児童のうちの、今二万八千人がすくすくスクールに来ております。その他の子は塾でありますとかあるいはスポーツクラブだとか、そういうところに行っているかと思いますが、の二万八千人の子が、それは学童クラブ約四千人近くの子供を全部含めてということでございますが、この子供たちが一緒に過ごすわけなんですね。すくすくスクールの子も大体今五時近くまではほとんどいます。つまり、この子供たちが学童クラブの子であるから、あるいはすくすくスクールの子であるからという区別はありません。過ごし方の中で理想的な人間関係の教育ができればそれはそれにこしたことはないわけでありまして、そういうことを考えたということでございます。  専門指導員ももちろんいます。正規職員もまだたくさんいますけれども、これはいずれ時間帯がいろいろありますから非常勤化をしていくつもりでございます、専門スタッフとして。そのほかに地域の方で御熱心な方にスクールマネジャーというのを一人責任者としてお願いをいたしまして、この方は常にその学校にいるわけではありませんが、全体のすくすくスクールをコーディネートしてくださる方です。そこにサポーターというグループが一つおりまして、これも学校によって違いますが、まあ何十人かいる。そのほかにまたそれを支えるボランティアがいまして、大体少ない学校で三、四十人、多い学校では百人のボランティアの方々が出入りをしてくださると、こういうことでございます。  このことを私どもはPTAの中でいろいろ、お母さん、お父さんのお話を聞きますと大変歓迎をしてくださる方が多いんでございますが、一部の方々には、その一部の方々の御意見が今回そのアエラに出ておったと思いますが、一部のグループを中心として、これはまかりならぬことだと、学童クラブの本旨というのは家庭をつくることだと、学校の中に家庭をつくってくれと、そういうことをするんであれば。しかし、家庭をつくる必要はないんだと私どもは言っております。すべての子が安全に同じ過ごし方の中で友達と幅広い関係ができれば、それが本当の子供の人間教育になるんだということを主張しておりまして、大半の保護者方々は大変喜んでおられます。  今、定員なし、六年生まで結構です、学童クラブの方々は。六年生まで受け付けておりますので、もう学童クラブに対する待機児というのはいないことになってしまったんです。ですから、入れるか入れないかで悩むお母さん、お父さんはいなくなってしまった、こういうことでございますので、これは大変に私は喜ばれていると。アエラで取り上げてくださったことは、反対意見一つをかなり強調して書いているなという印象を持ちました。
  35. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 小林さん、よろしいですか。
  36. 小林美恵子

    小林美恵子君 ちょっとよろしいですか。
  37. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) はい、どうぞ。
  38. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は、例えば学童クラブといいますのは、やっぱり放課後の子供たちの本来なら家に帰ってというところの代わりをする場面でもあるというふうに思いますので、その点のケアする部分というのは必要だというふうに思っておりますけど、その点はいろいろ違いが出てきますので、ここは区議会じゃございませんので議論するつもりはございませんけど。でも、非常勤の職員ばかりで非常勤化していくというのはやっぱりこれは問題ではないかなというように思いますし、若者の雇用が大変なときに、やっぱり正規雇用というのも求められているときに、そういう分野にこそ若者の雇用を確保していくということも、ある意味では少子化克服で大事なことだということを申し上げたいなというふうに思います。  ありがとうございました。
  39. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 御意見よろしいでしょうか。  それでは、加藤敏幸さん。
  40. 加藤敏幸

    ○加藤敏幸君 ありがとうございます。  民社党・新緑風会の加藤で──民主党でした。最近、民主党と使いにくい雰囲気があって。済みません。  多田参考人にまずお伺いをしたいと思います。  今日は政策の実践レベルでの大変貴重なお話を聞かしていただきまして、興味深く、また非常に感動しながらもう聞いておるんですけれども、やはり首長さんといいますか、実践される最高責任者の皆さん方の思いだとか政策の目指す方向だとかあるいはマネジメントスタイルだとか、そういうふうなものがこういう少子化対策という場面においては非常に大きな成果に影響を与えるというふうにも少し感じましたんで、その辺り、もう少し、体験上そうなんだということならそういうことで更にお話を伺いたいと、こういうふうに思います。  それからあと、柿本参考人椎谷参考人のお二方には、私、少子化対策の数を言うならやっぱり三人目、三人以上のお子さんをどのように産んでいただき育てていくかという政策が非常に大切なような気がするわけです。合計特殊出生率で均衡するのが二・〇七とかいう数字になって、これは実は十人の女の方が二十一名の赤ちゃんをお産みになるという数だと思うんですけれども、七名の方でお産みになると一人やっぱり三人と、こういうふうなことだと思います。  数はまあおきまして、そういうような意味で、奈良県の場合は、これ何ですか、「ならら」という多子世帯応援隊ということで、三人以上の方の世帯について大変支援策を集中さしておられると。その辺のところ、この三人以上のお子さんを政策として進められるときに発生する問題点だとか、県のレベルで苦労といいましょうか、そういうふうなこと等ございましたら少しお聞かせいただきたいということと、椎谷参考人には、そういうようなことで、三人以上となったときに、現実、まあお手伝いいうんか、関心を持って、男の人もきますけれども、ほとんどは女性の方に現実問題として仕事がおぶさってくると思うんですよね。だから、三子以上ということになったときに、相当、子育て現場ということからいくと随分荷物が増えてきて、そんなこと言うたって難しいわとか二人で精一杯じゃないのとか、三人以上ならもっと違った意味で支援策を構造的に変えないとできっこないのよとか、何か誘導しておるようですけれども、そういうことを含めてお話があればいただきたいと。  以上です。
  41. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、多田参考人からどうぞ。
  42. 多田正見

    参考人(多田正見君) 私が再々申し上げておりますように、地域が一体となってそこに行政も入って子育て支援をするということを、各世帯に応じてどういうことができるかということを積み重ねていくことだというふうに思っているわけでありますが、当然行政がいろんな仕組みを考えながら地域にそのことを御協力を求めていくということが必要になります。そのときにやはり地域方々がそのことに快く応じてくださる、理解をしてくださるということは、それはそういう地域性をつくらなければいけないと思います、その前提として。  つまり、地域、コミュニティーの中で自分たちの町はどういうふうな姿勢でこの町をつくり上げていこうかということの共通のこれはやっぱり基盤というものをつくっていかなければなりませんので、これはすぐにできることではないと思いますが、まあ江戸川区のように新しい町は、ここ何十年、田園地帯を近代都市につくり変えてきたという、つまり行政と、国や都にもお世話になりましたけれども、そういう中で地域住民としてはどういう力を出すかということの一つの伝統的土壌の中で、今子供たちの問題に対してどうしようかということが生まれてくると、こういうことだと思います。  ですから、これは子育て支援とかそういうことだけではなくして、今日の犯罪の問題についても、つまり、いち早く皆さんが子供たちを守ろうと、それからまた非行を出さないようにしようと、こういうことへの取組をすぐにやってくださるという、そういう地域性というものをどういうふうにつくり上げていくかということが、本当にこれから子供たちを安全に安心して産み育てられる地域としてイメージできるかということにつながるというふうに思っておりますので、これは小手先のことでは駄目だというふうに思います。  その中に、地域だけではなくして、企業でありますとか、そういうところも当然必要なことになります。そして、労働政策については、これはある種の国政的なレベルでの一つの枠組みというものが出てこなければ、これは地方の自治体だけでこういう、つまり労働環境をつくってくださいというようなことはなかなか難しいことだと思います。  そういうことをこれからも何か国には要望したいところでございますが、地域ではそういうつもりで頑張っていきたいと思っております。
  43. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 柿本参考人、どうぞ。
  44. 柿本善也

    参考人柿本善也君) 若干、私の個人的な気持ちも込めてお答えさせていただきますと、三人目対策ということですが、三人目対策が現実には一番実践的であろうと私も思っております。  ただ、基本的に言いますと、やっぱり一番大切なのは晩婚化を戻すことが一番基本であろうと。しかし、これなかなかそんなおいそれと実現するとは思いませんが、やっぱり根本はそっちだと思います。しかし、実践的には、恐らくそういう意味で、三人目対策ということでおっしゃっているんだろうし、結構、一人目、二人目産んだ方は三人目ということも、挑戦される方は結構多いという傾向も出ております。  問題は、苦労ということですが、やっぱりそういうことをしても、安心して子供がつくれると、こういう雰囲気をつくることだろうと思います。例えば、申し上げたように、児童手当で三人目は特別に手当てをするとか、そういうことも必要でしょうし、いろんな複合的な対策が必要だと思います。例えば、育児休業、今うちの方は、公務員の場合は育児休業を三年まで取れるようにしております。したがって、三人産めば五年か六年ぐらいはずっと、問題は別のところにありますけれども、復職するとかそういうことについて、これは要するに、今申し上げたのは、県の場合は、それは復職させるということで、一人につき三年までいいという制度につくってあります。  問題は、その途中のケアが別途要るかと思いますが、いずれにしても、制度的にはそういうものも民間企業も含めて普及させるとか、そういういろんな手当てを複合的に制度を充実させて、そして子育てにある時期専念しても、それほど大きなことにならないと、また復職して自分の仕事ができると、こういう雰囲気をつくるために何をしたらいいかということでございまして、それほどうちも成功しているわけではありません。  この「なららちゃん」は、言わばそれのごくささいな誘いでございまして、三人目のお子さんある方は、これ持っていったらある種のものをちょっと値引きしてもらえるとか、ここに書いてあるようなパンフレットに、リーフレットに書いてあるようなことを呼び掛けましたら結構協力していただく商店もございましたので、認定証まで商店に出したりして、まあ本当のささやかな試みですが、そういうことが広まれば、やっぱりみんなが注目してくれているなという雰囲気をつくることにもなると思いますので、やらせていただいております。  以上でございます。
  45. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) この御質問に関してなんですけど、明確な答えが出るかどうかというところなんですけれども、私は産みたかったのは三人産みたかったんですが、二人なんですね。今、二人目不妊という方も非常に多いんですけれども、私の場合は欲しくてもできなかった期間が非常に長かったということで、長くて、そして仕事が始まったときにはもう仕事に追われる日々ということもあり、なかなか三人目が産めなかったということなんですが、今でも欲しいなというふうには思うことがあります。  それぞれ、やはりなぜ三人目を産まないのかというのは、それぞれだと思います。大きく分けるとしましたら、例えばその環境、経済もあると思うんですね。例えば、同居をしている御家庭で、すごく手がある、お母さんは子供を産んでもお仕事に行かれるとかというような環境であれば三人ということは考えるかもしれませんが、やはり協力してくれる、夫も協力がない、核家族だ、保育園にもなかなかお金が掛かるというような状況であれば思いとどまるのではないかなというふうに思います。  やはり、経済面も大きいのではないかということと、あと一つ、私たちが、じゃ何ができるかというふうに考えたときには、やはり支援の場面では、相談に乗るですとか、例えばその支援センターのように、いつ来てもいいんだよ、子供を遊ばせる場だよというふうに受け入れる場がたくさんあれば、もしかしたら三人目というふうに考えるかもしれません。  たまたま昨日なんですけれども、ある利用者の方が子供を産むことに不安がなくなりましたというふうにスタッフに話したということを聞いてとてもうれしく思ったんですけれども、だれかがいてくれる、こういうときにはこうしたらいいよと言うだれかがいてくれるというのも安心材料になるのかなというふうに思いますが、やはり産む環境というのも一番かなというふうに思います。
  46. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) よろしいですか。  では、山本香苗さん、どうぞ。
  47. 山本香苗

    山本香苗君 公明党の山本香苗です。本日は三人の参考人方々、本当にありがとうございます。  まず最初に、柿本知事にちょっとお伺いしたいわけなんですが、「国への提言」ということで一枚用意していただいたものの最後のところ、次世代育成支援対策ソフト交付金の関係を書いていただいているんですが、ここをもう少し詳しくお話をしていただければなと思っております。  そして、椎谷参考人の方には、この緑の冊子、これ後でじっくり読ませていただこうと思うんですけれども、私も災害対策で中越地震の方、三回ほど行かせていただく中で、避難所の在り方というのは確かに、もう今まで本当にこういう視点って欠けてたなって。阪神・淡路大震災のときもそういうことあったんだけど、もっといろいろ、いろいろあって、こういう視点がやっと今浮かび上がってきたところであるなと思っております。特に、この中で早急にやっていかなくちゃいけないというところをひとつお伺いしたいと思っております。  多田区長には、以前、すくすくスクール、現場を見させていただきました。やっぱりこれは、単にこの事業がうまくいっているというだけじゃなくて、その地盤のところがしっかりしているからこういうのがうまくいくんだなと。特に、一番いいなと思ったのが、そのいわゆる地域の方ですね、入ってきてくださる方が、ちょうど泥んこ遊びの、泥の使った遊びを子供たちに教えているということで入ってこられて、皆さんが喜んでやっていただいている事業だなということを感じました。これをどんどん、そのときからうちの公明党議員にも各地でやれという話でやったんですが、なかなか、うまくいくところはどんどんいくんですけれども、もっと早く普及させていきたいなという思いがあるんですが、一番何を御苦労されたのか、その点につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
  48. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) では、柿本参考人
  49. 柿本善也

    参考人柿本善也君) 細かいこと申し上げて恐縮でございますが、これは実は、つどいの広場事業の交付金、大変いい交付金をつくっていただいていると思うんです。私もあるときに事務方から聞きまして、ああ、いい交付金あるなと。  そういうことでございますが、やっぱりそれぞれの地域の創意工夫を生かすということが大切でございまして、そうすると、ここにも書いてありますが、週三日以上かつ一日五時間以上と、これは望ましい姿としては分かるんですが、そこまで行くとそれなりの人の用意とか場所の用意、そういうことありまして、それはその基準まで乗り切れないなと、こういうことでせっかくの交付金が生かせない。しかし、枠の問題ありますから、むしろこんなのは基準よりも枠で、これぐらいのことをしてくださいと、もうちょっと弾力性のあるやり方で、実際上こういうものが進めばいいわけですから。  基準そのものは理想からいうと決しておかしい基準ではないと思うんですが、そこまでいきなりそれぞれの地域で飛び込めるかというと、やっぱり地域では、やり出したらやめられませんので、やっぱりそれなりの使い方ができる、やっぱり持続性のあることを考えます。それが、そういう形で言わばチャレンジできるような基準をちょっとお考えいただきたい。まあ言わば基準を弾力化していただいて、枠の問題であれば枠で抑えていただいたらいいのではないかと、こういう趣旨でございます。
  50. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 椎谷参考人、どうぞ。
  51. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) 災害に関してなんですけれども、今回二百十六名の方にアンケートを取りまして、非常に生々しいといいますか、本音が書かれています。  その中でありましたのが、やはりプライバシーがないということと、子供が夜どうしても騒いでしまう、夜泣きをしてしまうということなんですね。体育館に多くの方が集まります。そうしますと、それだけでも子供が興奮してしまうということで、お母さん、家族で相談しまして、車で避難したという方が非常に多かったです。  で、避難所なんですけれども、離乳食を食べているお子さんにとって、配給される食べ物はおにぎりですとかそういったもので、水も出ませんので、今後備蓄してほしいものの中にはカセットコンロと水となべなんです。そのカセットコンロでお湯を沸かすことによっておにぎりをおかゆにすることができたりもありますので、カセットコンロ、水、そして電池、おむつ、ミルク、哺乳瓶というような乳幼児向けのものがまず必要だということと、あとは消臭スプレーです。その場でおむつを替えなくてはいけないときに、においというものがどうしてもありまして、お母さんたちが切ない思いをしました。それから、母乳をあげる場所です。なかなか確保することは難しいと思うんですが、何か一画なければ、特にゼロ歳児の赤ちゃんにとって母乳ですとか大事なんですね。ミルクを作ることがなかなかできないんです、水ですとかミルクがなく。そのときに、自由に母乳があげられるような場所の確保というのは必要だと思います。  あと、余震が非常に多かったんです、今回の地震で。ですので、保育園が閉鎖されて、預ける場所がないというような現状もありました。そして、非常に長期化いたしましたので、支援者を支援するという、そういったケアも必要だと思います。もう毎日毎日、出ていくわけなんですね。職員の方も非常に疲れていました。そういうときに、他県の方から派遣されていただければ非常に有り難いなと思います。支援者も非常に疲れておりました。  ですので、このアンケートに書かれております、その備蓄品のことも書いてありますので、是非今後、乳幼児も視野に入れていただきたいというふうに願います。
  52. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 多田参考人、どうぞ。
  53. 多田正見

    参考人(多田正見君) この、今すくすくにかかわってくださっている地域方々は、一つは熟年者の方々でありますとか、あるいは子育てを終えた主婦の方々でありますとか、あるいは大学生でありますとか、また、個々にはそういうことですけれども、団体としては更生保護女性会の皆さんが事業として取り上げてくださっているとか、あるいはスポーツ団体とか、いろいろございますが、文化団体もありますが、そういうところが団体として随時行けるときに行きましょうというようなことで、それをコーディネーターがカリキュラムを組んでやってくださると、こういうことですが、まあ余り固いことでなくして、お付き合いをくださればいいということでありますから、この地域のそういう子供たちに対する愛情を持った方々が集まってきてくださっているということで、これは大変いい条件で、それはそういう土壌があったというふうに思っておりますが。  私どもが一校をテストでやりまして、あと三十九校、それから全校というふうに三段階でやってきましたけれども、ここで一番感じましたことは、やはり学校がどのようにそのことを受け入れてくれるかということについての問題がありました。  これは、私どもも、よく理解をしてくださって是非我が校ではやりましょうと言ってくださる先生もおられましたけれども、ううん何で、何で何でというようなこともございました。やっぱり学校の、つまり本来的な運営の在り方の中でそういうやや異質なものが入るということについて先生方が疑問にお持ちになるということは当然のことだと思いますが、そこを乗り越えていただくということのためには、できるところからやってくださいということでは駄目だと。全部やりますということを宣言いたしまして、そして二年以内にやるということを決めました。  で、いろいろ学校によって内容の差がございましたけれども、例えば、養護の部屋は使ってもらいたくありませんとか、あるいはコンピューター室は使ってもらいたくありませんとか、図書室は入ってもらっては困りますとか、そういうことを言う学校があるわけですが、それは違うでしょうということをいろいろ言いまして、今はそういうことはありません。全部均質に行われておりますが、やっぱりその辺を何かきちっと理解を得ていくということはちょっと時間が掛かったことかなと思っております。  もし他の地域でこういうことをやっていただくということであれば、それは最近、ごく最近、数日前に私は東京都経由で文書を見ました。厚生労働省とそれから文部科学省の二つの文書が付いておりまして、学校の効率的なそういう地域開放事業について、双方同じ考え方に立っているのでどうぞそれを進めてくださいという、その中に学童クラブも考えに入れてやってくださいという文書を私は拝見いたしました。数日前でございます。そういうことを、やっぱりこれは国の方としてもそれをお考えになったと思いますが、まあそこら辺のところはやっぱりそういう号令を掛けて、そしてこれから他の地域にも広げていきたいというお気持ちがあるかと思いますが、それは一つの隘路ではなかったかというふうに思います。
  54. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) よろしいですか。  それでは、森ゆうこさん。
  55. 森ゆうこ

    森ゆうこ君 民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。  今日は、三人の参考人の皆様、大変ありがとうございます。  今日は、それぞれ県知事さん、そして区長さん、そして子育て支援センターを運営するNPOの代表ということで、それぞれの立場でより現場に近い形でその現場の声をお聞かせいただいたと思います。  それで、まず柿本参考人、そして多田参考人には、その子育て支援と地方分権という視点で先ほどもいろいろなお話がありましたけれども、私はやっぱり、例えばその交付金、補助金に関しても、大枠でもう地方にお任せするという中で地域に即した子育て支援が行われるべきだと思っておりまして、子育て支援にこそもっともっと地方分権を進めるべきではないかというふうに考えております。先ほどもいろいろお話がありましたけれども、更に御意見がございましたら、その点についてお聞かせいただきたいと思います。  特に、多田参考人におかれましては、非常に充実した子育て支援策を行っているわけですけれども、江戸川区における子育て支援一般財源の中のその費用の割合といいますか、それは他の区に比べてかなり高額になっているのか、その子育て支援一般財源に占める割合というものをお聞かせ願えればと思います。  それから、椎谷参考人につきましては、NPO法人がこういった子育て支援センター事業委託をして運営しているということで、行政がやるよりもこのNPO法人と民間がやるということのメリットということと、そして先ほどは地方自治体、行政との連携の部分は省かれたんですけれども、ここまでに来るまでにかなりの御苦労があったと思うんですね。せっかく御苦労していただいた様々な経験を今後こういう先進事例ということで他の地域でも採用していただくという点で、こういう点を改善すればもっと早く進むんではないかというような御提言がありましたら、是非お聞かせをいただきたいと思います。
  56. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、柿本参考人、どうぞ。
  57. 柿本善也

    参考人柿本善也君) 子育て支援と地方分権との関係ということですが、地域のいろんな状況によって、今日の三人の説明をお聞きになっても、もちろん私らは府県でございますので仕事の役割も違いますが、地域によって差を感じられたと思います。だから、そういう差があるということで、子育てにも画一的でなくいろいろな状況を反映したやり方が有効な部分がかなりあると、こういうことは私も思いますので、そういう意味では、そういう部分については地方分権というのは当然働いていいと思います。  ただ、ちょっと一つ先回りして申し上げますと、地方分権即地方で金を持ちなさいと、こういう話にとかくなることがございます。御質問の趣旨はそうと受け取ったわけではございません。この点を実はちょっと立場上申し上げたいんですが、今、実は先ほど児童手当の話を偶然御質問いただきました。今回の改正と充実だけでうちの小さな予算で先ほど三倍ぐらいに負担がなったと、こういうことでございます。こういうものを出すために、実は今年なんかでも、県の予算、二百数十億カットしております、いろんな形で。  そういうことで、大変、地方というと、よく、ある種の方は、私は茶筒だと言うておるんです、茶袋にお茶が入っている、トントントンと打つと、かさが減るでしょう、このように減ると思っておられるんですが、そんなもんじゃないんです。実は、義務的経費、今、児童手当が出ましたが、介護保険であるとか老人保健、これが私のような小さい県で実は二けたで伸びていくんです。その金を出すためにいろんなところをもうカットするよりほかないんです、財源は毎年減っておりますので。  そういう中での話だということで、例えば今日ちょっと要望で乳児医療の自己負担の軽減を申し上げましたが、実はこれはある部分、かなりそれぞれの団体が単独、地方単独としてやっておりますが、これは差し障りはあるかもしれませんが、財務省の資料ではこれは無駄な経費の項目に計算されて、こんなことも使ってますよということを言われている経費でございます。そういう感覚が、まあ戦術上おやりになっていると思いますけれども、やっぱり枠として必要な地方財源ということと、地方分権でいろんな細目を地方が決める必要性なり効果というものと、これは同じに議論されると実は困るんです。  というのは、うちの県なんかは一千億余りしか税が上がりません。しかし、学校の先生の給与だけで、千五十数億の地方税しか上がりませんが、学校の先生の給与費だけで千百億余り払っているんです。そういう団体がかなりあるということは抜いて、地方で分権でやれば、地方で税金を取ればいいじゃないかと。  私は、昔そういう話がもう数年前出たとき、地方でも、ついうっかりして経済界の方が地方分権いいんやと、自分で、自前でやろうとおっしゃったんで、その場で申し上げました。来年から三倍余りの税金いただきますけど結構でございましょうかと言うたら、みんなお黙りになりました。  それぐらい、実は日本の地方自治というのは、かなり幅広い役割を実質上受け持っているということをお分かりいただいた上での議論にならないと、地方分権というのは細目を決めて効果を上げるという意味では結構でございますが、枠も削っていいんだよという話に直結しないように、これちょっと質問の途中で取ったようで、お答えして恐縮でございますが、この点だけは。そうであれば、例えば先ほども申し上げたことを具体に言いますと、児童手当のようなものはやっぱり国が主たる責任を持ってやるべきだし、私の方で申し上げたようなことは地方で、いろんなところで、中には交付金もいただきながらやらしていただくと、やっぱりそういう姿ではなかろうかと思っております。  御理解賜りたいと思います。
  58. 多田正見

    参考人(多田正見君) おおむね区の一般会計は千九百億弱ということでございますが、このうちの福祉費と言われているものが、これはお年寄りから子供まですべて含みますが七百五十億円でありまして、これが大体四〇%を占めます。これは大きなパーセンテージでありまして、一番福祉費が大きいわけでありますが、この七百五十億のうち子供にかかわるものが、大体中学生以下ですね、これの教育以外のものが三百五十億円、これが一八・五%になろうかと思いますが、この三百五十億の内訳というのは大体手当ですね、手当、それから幼稚園あるいは保育園にかかわる経費、それから乳幼児医療費の経費、そういったものを中心としてということになるわけでございます。教育費はその別に、この福祉費とは別に教育費がありまして、これ大体子供にかかわる部分は二百五十億円ありますので、子供には大体六百億円掛けている。一千八百億のうちの六百億円は子供にかかわると、こういうことでございます。  その他、特別会計、介護保険のはありますが、これよりお年寄りの方がまたぐっと多くなると、こういうことでございまして、財政構造としては大体そういうことになろうかと思います。
  59. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) 行政と民間ということなんですけれども、私どものスタッフの中で行政経験者が一人もおりませんので行政との違いというのはよく分からないんですが、民間としてのメリットといいますのが、多分スピードが違うのかなというふうに思います。一つ何かを決めるのにたくさんの判こをもらうわけではなく、スタッフ会議でどんどんどんどんいいものを進めていくというようなやり方をしますので、多分そこなのかなというふうには思います。  先ほど時間がなくてお伝えできなかった協働ということなんですけれども、行政が余り支援をし過ぎず、市民に任せるところは任せなくてはいけないというふうに思っています。NPO団体、数多くありますけれども、お互いの専門分野で知恵を出し合うというところが大切だと思います。例えば目的とか、私たち民間にはこういう長所があるけどこういう短所がある、行政にはこういう長所があるけどこういう短所があるということを、異なる主体が対等の立場で共通の目標に向けて協力し合うということが大事な協働だというふうに思います。私たちが当初、市民団体で地元で活動しやすかったというのは、余りそんなに子育て支援サービスがなかったからなんですね。ですので、私どもの提案するもの、受け入れてもらえないものもありましたが、耳は傾けてくれたということもありましたので、やはり自分たちの持っているもの、助けてもらいたいもののその協働し合うということが大事かなと思います。  ただ、自治体が今推進している次世代育成支援行動計画で大体NPOとの協働というのはうたわれているんですが、NPO団体というのは非常に資金が苦しい状況です。資金面、財政面。助成金ですとかそういったもので事業をするんですが、助成金には人件費が付かないんです。ほとんど無報酬で活動して、ですが、事務所を構えている方たちにとりますと本当にぎりぎり払っている、家賃もぎりぎりというような状況をよく聞きます。ですので、やはりスタッフの人材確保が困難にならないためにも、助成金を人件費で少し賄えるようなそういうシステムというのも大事ではないかなというふうに思います。  私どもが当初NPO法人になりまして子育て支援センターを管理運営を始める際に、運営面に関してはずっと市民団体からやっておりましたので分かるんですが、管理面に関しては全く分からなかったです。専業主婦で立ち上げて法人になって、その中から会計もしなくてはいけない、こういうこともしなきゃいけない、税金面も考えていかなきゃいけない、データも自分たちでやらなきゃいけない。そういうような状況の中で一番手をかしてくれたのが行政です。一緒に悩んでくれましたし、一緒に話を聞いてくれました。本当に育ててもらったなという感じです。  ですので、これから全国NPOとの協働ということになりましたら、突き放すのではなく、やはり話をよく聞いて補い合うということが大事ではないかなというふうに思います。今回、図面の設計当初から話に参加させてもらったのはとてもうれしかったですし、とにかく敵ではないということです。一緒に協働していくという仲間というふうな感じではないかなというふうに思いますし、それが一番いい方法だと思います。
  60. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) よろしいですか。
  61. 森ゆうこ

    森ゆうこ君 ありがとうございました。  質問じゃないんですけれども、先ほどの分権のことに関してはもう全く私も知事と同じような考え方で、国はお金は出すけれども、あとは地方に任せるという方向性で分権を進めるべきではないかというふうに思っておりますので、念のため。  ありがとうございました。
  62. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) では、川口順子さん。
  63. 川口順子

    川口順子君 お話伺わせていただいたお三方、皆さん大変にそれぞれの場所ですばらしい仕事をしていらして、感心をしながら伺わせていただきました。ありがとうございました。  それで、質問なんですが、まず多田区長にお伺いをしたいんですけれども、この江戸川区のデータを見ますと、区立保育園数が五十三で、私立の保育園数が二十八で、そして下の方を見ますと、認証保育所が十八か所というふうに書いてあるわけですね。  それで、ちょっと私、最近の現場の状況は全く知らないんで教えていただきたいんですが、私立の無認可の保育園に対しての公的な補助、これが非常に少ない、それで公立の保育園なんかとは相当差があるという話を聞くんですけれども、今、待機児童一般的に言えばある中でそういう差が存在するということは問題があるんじゃないかなという気がするんですが、現状どういうことになっているかということと、それから、認証保育所、東京都とそれから横浜ですか、そこがやっているわけですけれども、それがほかの都道府県に増えていかない、都道府県あるいは市町村に増えていかないというのは、それなりにその責任が保育所の方に転嫁されるということが大変なんだという話を、正しいのか間違っているのか知りませんが聞きますが、そういうことをお感じになられるかということと、それから、今の関係で柿本知事にお伺いをしたいのは、認証保育所奈良県の待機児童の数についてのちょっとデータが見付からなかったんですが、をどのようにお考えになっていらっしゃるかということです。  それから、もう一つちょっと違った質問なんですが、育ちの森館長に、椎谷館長にお伺いしたいんですけれども、財政的に、それぞれ参加者から取っている金額そんなに多くないわけですが、どのようにつじつまが合っていらっしゃいますかということです。
  64. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、多田参考人からどうぞ。
  65. 多田正見

    参考人(多田正見君) 江戸川区の地域性として以前から子供たちが多かったということがありまして、私立幼稚園をやってくださる方々が大変多く出たということがございます。これは、三歳児と当時は四歳児以上ということでありますから比較的経営が、何と申しましょうか、保育園と比べると余り複雑でないということもありまして、このやり手が多かったということがあります。そこで、区立はなるべく抑え込んで、地域のそういう教育的な熱心な方にお願いをしようと、こういう政策を取ってまいりました。  保育園の方は、これはつまり、私立としてはどっちかというと厳しい経営を強いられるという施設でありますので、私立保育園は少ないと、こういうことでございまして、現在二十八園ですが。歴史的には古いものがありまして、宗教法人でありますとかキリスト教系でありますとか、そういうことによって行ってくださった方々がかなりあります。お寺の経営がかなりあります。  そういうことの中で、保育園については、私立の方ではやってくださる方が少ないということもございまして、増えていく需要について公立が追っ掛けたということがございます。したがって、圧倒的に公立が多くなったと、こういう関係にあります。  一方で、無認可保育所というものができました。この無認可保育所に対する行政の考え方をどうするかということは論議の焦点でもありましたけれども、現実、制度的には無認可ですから認可になることが望ましいという考え方が以前からありました。ですから、何かその園が力を付けて認可を取っていただくということが基本的な考え方でありましたが、現実には、子供を預かっていてくださるわけですからそれ相応の、つまり認可保育所は制度的な保障がありますが、そういうことではない区の支援策を考えて必要に応じてやってまいりました。  そこに今度は認証保育所というものが東京都で打ち出されました。この認証保育所は、もう本当に純然たる保育、幼保は、幼保というか三歳以上は考えていない施設でありますから、低年齢児だけと、こういうことでございます。  これがなぜ出てきたかということは、つまり現行の認可制度の中で低年齢を増やすということは極めて困難だという状況があります。これは財政的にもそういうことです。ですから、そういう部分に限って需要を賄う制度を考えようと。それから、そういうところでは非常にお金が掛かります。掛かりますから、そこに対して、つまり保育料の問題も、ちょっと違った仕組みをつくりましょうということで考えられたものであります。したがって、これは都と区が両方で相まって支援をするという形になっております。  これは、私の見解では、つまりこれは現行の認可保育園制度だけでは攻め切れないという問題の中で生まれた一つの窮余の一策であると思っております。しかも、それは良くない方向であるかというと、私は決してそうではないと、これはいい方向に向かっている。今日的には、考えれば、これから認可保育所ももっと弾力的に行って、こういう方向に行かなければいけないのではないか、これ自由契約ですから、そういうふうに理解をしておりまして、ちょっと様々な形が今ありますが、これは、将来もう少しすっきりした形で制度を何か整然とつくり上げていく必要があるのではないかというふうに今考えております。  よろしいでしょうか。
  66. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 柿本参考人、よろしいですか。どうぞ。
  67. 柿本善也

    参考人柿本善也君) 認可外の保育所なり、それから認証保育所というのをおっしゃったんですが、確かに、認可外の保育所で世話になっているのが、今考えたところで、中核市の数字はしっかりしていませんが、やっぱり認可外の保育所に七百五十人ぐらいお世話になっているし、待機が四百人ぐらいいます。そういうことでございますが、ただ、実は保育所場所によりまして定数割れしているところもあります。なかなかそういう難しい問題も抱えております。  認可外の保育所につきましては、必要な指導とかそういうことをやっております。やっておりますが、そういう認証外の保育所について特別の措置をするということは、本県の場合、残念ながらできておりません。それぞれのところで努力していただいていると、こういう状況でございます。  そういうことでよろしかったんでしょうか。
  68. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) 財政面なんですけれども、育ちの森の場合は、利用料を一家族二百円いただいています。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供でも一家族二百円ということです。  全国的に見ましても、支援センターで有料というところは余りないです。ですので、当初、非常に、なぜ無料じゃないのかというクレームが来たんですが、今現在、全くそういうクレームはないです。  何に一番掛かるかといいますと、やはり消耗品です。おもちゃ、絵本、例えばトイレットペーパーですとかティッシュですとか、そういったことで非常にお金が掛かります。ぎりぎりなんですが、この二百円がすべて運営費に回るということもありますので、この二百円は助かっている部分でもあります。今現在、今日は収支予算書ですとかそういったものが手元にないのではっきりしたことが申し上げられないんですが、大分、年間ある程度の金額が運営費に回っています。  この二百円に関してなんですけれども、利用者の中では、二百円払うんだからもっとサービスしてよとか、二百円払うんだからこうしてよというようなそういう意識ではなく、二百円払うんだから満足しなきゃというふうな、そういう意識が非常に高いことを感じます。無料という選択もありますし有料という施設もありますし、やはりそれはお母さんの選択だと思います。  当初、市と協議した中で、この二百円で大分もめました。専業主婦をしていましたので、二回来て四百円、三回来て六百円、これは高いから無料にしてくれというふうに言ったんですが、行政の方で受益者負担ということで進めていきました。  今は、この二百円をいただくということはやはりよかったというふうに思っております。
  69. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) では、川口さん、重ねてどうぞ。
  70. 川口順子

    川口順子君 もう一度、柿本知事のその最後の、認証保育園、お考えでないというその理由を伺いたかったんですが。
  71. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、柿本参考人、どうぞ。
  72. 柿本善也

    参考人柿本善也君) まず、私の方は府県でございますので、保育所そのものを自らやる立場にございません、市なり私立でやっていただいている。したがって、そういうものに対して、しかもその認可以外のところに支援を、府県の立場で支援して、これをどうするかと。課題はあると思っております。課題はあると思っておりますが、率直に言うと、そこまで手が出せないというのがもう一番大きな理由だろうと思います。  もう一つは、やっぱり一方、場所によりましては先ほど申し上げたように定数割れしている、場所の条件によって選ばれますので、そういうところも出てきております。そういう課題もやっぱり整理していかなければならないということでございます。
  73. 川口順子

    川口順子君 制度として、県としてそういう制度をおつくりになるということはできるわけですよね。それをおやりになる、実際にやるのは、それぞれ民間の方がいろいろ考えられるということですけど、県の役割というのは、多分その制度を、使えるような制度をつくるということで、それをなさらない理由が、それをした結果、資金的な負担が増えるからであると理解してよろしゅうございましょうか。
  74. 柿本善也

    参考人柿本善也君) やっぱり認可外の保育所が抱えている問題をどう見るかという問題があるだろうと思いますが、やっぱりそれなりの条件付けをした場合に、それについて何の財政支援もせずに条件付けするということはなかなか現実には難しかろうと思います。したがって、財政的な事情が、全部とは申しませんが、かなりな理由になっているということは事実だと思います。
  75. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) よろしいですか。  それでは、坂本由紀子さん、どうぞ。
  76. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子です。  今日は、三人の参考人の皆様、大変ありがとうございました。  まず、柿本参考人にお伺いしたいのですが、県庁の中に設けたシングルクラブ、これは成果のほどはいかがなものだったのでしょうか。  私も今の少子化というのは晩婚化、非婚化がかなり影響していると思いますので、出会いの場をつくるということはやはり大きな意味を持つと思っておるんですが、その成果のほどをはっきり測ることは難しいと思うのですが、どういうふうな、結果としてどのような効果があったとお考えなのかというのを一点。  それからもう一点は、県でこの「新米パパ子育て読本」ですとか、子離れ、親離れ等々、大変いい資料を作っていらして、そういう意味では県が大変熱心に取り組んでいらっしゃるというのが分かります。  この問題については市町村との連携が不可欠だと思いますし、県がいい資料をお作りになっても、該当者にどれだけ行き渡るかということを考えたときに市町村との連携は欠くことができないと思うのですが、この点、市町村との連携でどの程度該当する県民に対して施策の効果が行き渡っているのかどうかという点を教えていただきたいと思います。  それからあと、多田参考人についてですが、大変財政的に手厚い支援をやっていらっしゃるというのがこの御説明からもうかがえたのですが、この中の保育ママについて待機児童というような方たちがいらっしゃるんでしょうか。つまり、ゼロ歳児保育とはなさらないということですが、現実に今の若い女性たちは結婚するまでは働いているし、出産まで働いている人がかなり多いと思います。  そういう中で、育児休業を取れる企業ばかりではありませんので、例えば、だれでも希望すれば保育園は無理だけど保育ママで行けるようになっているのか、それとも、中小企業に対して育児休業を取得できるようにというようなことで区として特別に何か取組、働き掛けをしていらっしゃるようなことがおありなのかどうか。  最終的には子供は愛情を持った人とそばにいることが大事ですし、それが母親であり父親であり、あるいは身近な肉親であると思うんですが、それは大事としても、やはりこれからやっぱり子供を産んでもらおうと思ったときに女性は仕事を辞めなきゃいけないという選択肢しかないと、少子化解決策としてなかなかうまくいかないところもあるので、その点についての工夫をしていらっしゃる点を教えていただけたらと思います。
  77. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、柿本参考人、どうぞ。
  78. 柿本善也

    参考人柿本善也君) お答えします。  まず、シングルクラブの成果ということですが、この種のものは実はうまくいったとか成果は余り言うてこないんですよね。だから、ちょっと特に県庁職員の場合は関係していますから、そういう何かプライベートのところに入り込んだような調査はできませんので、正確なことは出ておりません。  ただ、これと同種の、先ほど言われた出会い結婚応援団で、これはかなりの数やっていますのでアンケート調査をやっていましたら、大体これに参加した人の二割ぐらいは言わば交際相手ができて、始めたということは出ています。これもしかし、そこからどう進展したかということになるとまた追いにくくて、今のところそれについての成果は出ていませんが、やはり二割ぐらいということで、それなりの成果はこの種のことは上がるのではないかと、こういうふうに我々は受け取っております。  それから、いろいろお作りしている資料ですが、これはもちろん市町村にも御協力いただきたいんですが、我々、特に子供向けの資料はどちらかというと全対象家庭に配りたいということで、例えば母子手帳を配るときに同時に各員にお渡しするとか、そういう形で直接もう伝わるやり方を取っております、あらゆる資料がそうじゃないですが。特にもう子育てとかそういうものはそういう形で、だから御本人には、読んでいただいているかどうか分かりませんが、渡る形を取っております。
  79. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、多田参考人、どうぞ。
  80. 多田正見

    参考人(多田正見君) 今、先ほど六千五百人くらいの子供たちが生まれると、そういうことを申し上げましたが、その中で、つまりお預かりするという子供さんは一割弱ということになります、ゼロ歳の場合。そうしますと、まあ六百人くらいが需要として出てまいります。そのうち保育ママが二百二十人ぐらいいまして、これが二人ぐらいずつできますので、大体四百数十人は消化できると、こういうことになりますが、残った子供たちは、私立ではゼロ歳をやっているところが結構あります。それから、まあ無認可でやっているところもあります。それからあとは認証保育所、これは専らそのためにつくっておりますから、こういうところで大体一時的には全部できます。  ですけど、一年たちますと子供さん生まれてきますから、だんだんにその待機児というのが増えてくるということがございます。ですから、そういう方々に対してまだまだ足りないということの現実はあります。  しかし、そのお困りの状態というものを子細に分析をしていきますと、まあ何とかなるという方々も結構いるわけであります。ですから、その辺の兼ね合いで私たちもまだまだこの資源は増やさなければいけないとは思いますが、そんなにこの待機児でひどく苦しむということはございません。  それから、ちょっと関連して申し上げますが、この保育の問題はゼロ歳、一歳、二歳までの問題だと思っておりますので、三歳以上、私どもの方は待機児はありません。すべてどちらかに入れるという体制を持っております。これは集団教育ですから、それでいいと。  で、ゼロ、一、二のところで考えてみますと、私どもの区では、まあ九割前後が自分でお育てになっているということでありますが、この自分で育てておられる方々に対する施策といいましょうか、サービスといいましょうか、それを支える支援策というものと、保育でお預かりした本当にパーセンテージとしては非常に少ない方々とのサービス格差が大き過ぎるということがあります。つまり、保育にはゼロ歳でしたら三十万から五十万ぐらい掛けているということです、一か月に。ところが、大半の区は、恐らく自分でお育てになっている人たちには、今、椎谷参考人がおっしゃいましたような、いろんなそういうその場をつくってというサービスはありますけれども、でも、何かサービスとしてはお金でいえば非常にもう何もないと。私どもは乳児養育手当をわずかながら出しておりますけれども、そこの不均衡というのはこれでいいのかということがいつも心の中にあります。そこのところをもっと、自分で育てられる政策をどう広げるかということを考えていかなければいけない。  これは、僕はいろんなお母さんに聞きますけれども、自分で育てられれば育てますよという、その方がいいに決まってますという人が圧倒的に多いわけです。九〇%以上の人たちは自分で育てたいとおっしゃいます。ですけど、やっぱりそれは、可能ならそれでいいんですけど、それをもっともっと可能にしていく保育保育、待機児解消解消で迫るのがいいのか、あるいは自分で育てられる政策を取るのがいいのか。  そこで、私は最近いろんな文献を読みますと、フランスなどは非常に労働政策で手厚くやっていると。そこで、つまり女性のライフスタイルとして仕事とそれから育児をどう両立させるかということを政策的にやっている、そういう現状があります。ですから、私は、そこのところは日本の国では非常に手薄だということになっているのではないか。それは、私も先進企業方々にフレックスタイムやなんかやっている、どうやってやっているんですかということをいろいろ聞いたことがあります。非常に理想的にやっておられて、で、厚生労働省のファミリー・フレンドリー賞などを受けている企業もあります。  それは、そういうふうに企業が熱心に取り組んでくださっているところはやってくださっておりますが、労働界全般にやってくださっているわけではありません。江戸川区の中小企業に区としてそれを迫るということはほとんど不可能です、これは。それは国家的な一つ施策としてやっていただかない限りは、なかなかそれは達成できるものではないというふうに思っているわけであります。  で、女性の仕事と、それから育児の両立企業の中でどうできるのかということが最近のいろんな話題になって、それを進めたいというこの国の動きもあることは承知しておりますが、そこのところが私はもっともっとやっていかないと、この少子化の根本的な問題はこの保育を増やすということの短絡的なことでは駄目だと、そういうふうに思っております。
  81. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) 坂本さん、いかがですか。
  82. 坂本由紀子

    坂本由紀子君 保育を増やすだけで解決しないというのはおっしゃるとおりなんですが、働き方の見直しというのは個々の企業が最終的に決めますので、国の旗振りだけでなかなか解決しないところはありますですね。  それで、地方自治体が例えば仕事を発注するときに、子育てについて手厚いことをやっている企業についてはプラスアルファの評価をするとか、私はそういう企業在り方を変えていくのについて地方自治体の果たす役割というのもあると思うんです。  ですから、そういうものを総合的にやらないと、なかなか現実には女性たちは仕事を辞めると復職ができないというところに追い込まれることが多いので、もちろん辞めたいと自ら望んでいる人はそれでいいんですけれども、続けたいと思っているけれどもそういうサポートがないので不本意ながら辞めてしまって再就職できない、だから自分の人生がというようなことがあると、これがまた、若い女性たちに子育てすると不利になるとか損だというようなことになって、私は大変社会的に不幸なことだと思うんです。  ですから、そういう意味で、国の役割、地方の役割、企業の役割、そして国民の役割といろいろありますが、相互が垣根をつくることよりも、垣根を越えて力を合わせていくことが今の時代は大変重要になっているのかなと思いますので、是非自治体におかれてもそういう御配慮をいただけると有り難いなというふうに思います。
  83. 多田正見

    参考人(多田正見君) ちょっとよろしいでしょうか。
  84. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、今の御質問でないかもしれませんけれども、多田参考人、どうぞ。
  85. 多田正見

    参考人(多田正見君) この労働界をどう、何かそういう労働界に御協力をいただくかということが、自治体ができることもあると思います。しかし、国家的に取り組んでいただくこともあるかなと思うんでありますが、まあフランスなどの文献をいろいろ読みますと、かなり国家的な一つの枠組みの設定ということがある中で行われている、そしてそのことを実現するために自治体は一生懸命頑張ると、こういうことではないかなという気がしますので、お互い相まって、このことについてもう少し研究を深めていただいて、我々も努力をしますけれども、そういう状況をつくらなければならないのではないかなという感じを持ちます。
  86. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) ありがとうございます。すばらしいエールの交換ができたと思います。  ほかにいかがでしょうか。  後藤博子さん。
  87. 後藤博子

    後藤博子君 ありがとうございます。  もういろいろなことは多くの先生方が質問しまして、私も今一番お聞きしたかった、私は、多田区長のところに、若い世代が多いのにもかかわらずゼロ歳を育てている親が九〇%いるということは、私は非常に逆にすばらしいなと思っておりまして、もちろん今、坂本先生がおっしゃったような社会も私たちがつくっていかないといけないんですけれども、逆にその理念があるところは哲学がある、そしてまた制度として続けていらっしゃるということで、頑張っていただきたいと逆に思っております。  そこで、質問は今、坂本先生から出ましたので、御意見伺いました。そこで、私の質問は、この中で職場体験をされておられますね。職場体験のことをちょっとお聞きしたかったんですけれども、職場体験の中身についてのカリキュラムは職場の方がつくっているのか、その指導はだれが当たっているのか、その辺の内容については、区としてどのような職場の方々との話合いの中でのカリキュラムをつくっていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。これは多田区長さんにお願いいたします。  それと、椎谷館長にお伺いしたいんですけれども、まあお母さんが出てきたりお父さんが出てきたりというスライドも見せていただきましたが、この母親、父親の声の中に、団塊の世代の方々、町に出てきてもっと昭和の遊びを教えてくれよということがあるんですが、新潟県、新潟でしたよね、先生。お年寄りというと失礼ですけれども、まあまあ割かし高齢者の方もたくさんいらっしゃると思うんですね。団塊の世代もこれから、もういよいよ私たちも身を引かなきゃならない時代が来ます。でも、元気な世代が多いんですが、そこをどのように生かそうとしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。  それから、済みません、奈良柿本知事、ありがとうございました。実は、三十年近く前に新婚旅行で京都に行って、で、京都におばがいるんですよね。おばに、今から私たちは奈良に行くよと言ったら、いや、そんなこと言ったらいかぬ、奈良に行っちゃいかぬと言うんですよ。何でですかと言ったら、さようならといって、奈良は新婚旅行の人が行くと別れる羽目になるから行かない方がいいということで、私は今三十年続いておりますので、奈良に行かなかったからかなと思うんですが、でも、今こうやってすばらしい出会いの場をたくさんつくってくださっておりますから、そういうさようならの奈良ではない、奈良なら、奈良でならこそ結ばれるなら行ってみようよわくわく奈良県というような、ちょっと今そういうキャッチフレーズが思い浮かびました。  そういうことで、今、坂本先生から成果はということでありましたので、特に質問はないんですけれども、今、私も、今言うっていうのは、団塊の世代の件について、これからもっともっとその団塊の世代生かさなきゃならない時代が来ておりますから、知事の団塊世代に対するお考えがありましたら、お聞かせください。  今日はありがとうございました。
  88. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、多田参考人からどうぞ。
  89. 多田正見

    参考人(多田正見君) 企業は様々な、例えば工業会でありますとか商店会でありますとか、そういう組織を通じて開拓をしまして、いろんな業態の方々協力をしてくださっているんですが、これはすべて企業者にお任せをいたします、五日間。そうしますと、大体私がお聞きしたところでは、最初、職場でのあいさつの仕方から入るようでございますが、こういったことが四日目から変わるということでありますけれども、そういう中で、いろんな作業をしたり、あるいは店頭でのいろんな販売をしたりということで、私もここに「チャレンジ・ザ・ドリーム」という名前で黄色い腕章を付けるんでありますが、「職場体験中」、私も区民の方々に、こういう腕章を付けてる子供たちがやっていたら大いに励ましてくれと、こういうことを言っているんですが、企業方々からも中学生の人たちからもいろいろ私は感想を聞くんでありますが、中学生は非常に喜んでいます、変わった体験をしたということで。  ちょっと一例言いますと、例えば、魚屋さんが四時半に築地の河岸へ連れてって、牛丼食べさして競りをやって帰ってきたら、とにかくこんな経験はもう本当に、私が毎日食べる魚をこういうふうにして魚屋さんが仕入れてくるということを初めて知ったと、親御さんもろともお礼に来たぐらいだということなんですが。  つまり、そういう話が一杯ありまして、私はこの体験というのは全くその企業方々がこういうことをすればいいと、そういうことをきちっとやってくださっていると、そういうことで大変成果が上がっているなと。学校の先生も大変評価してます、子供たち変わりましたと。それから親御さんも、あの子が何でこんなになったというようなことを、もうわんぱくで……
  90. 後藤博子

    後藤博子君 任せてるんですね、企業の方に。
  91. 多田正見

    参考人(多田正見君) 企業の方に任せてます。
  92. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) それでは、椎谷参考人、どうぞ。
  93. 椎谷照美

    参考人椎谷照美君) 育ちの森では、シルバー人材センターの方との交流があります。最近、講師を頼まれまして、結構五十代、六十代の方の前でお話しすることが増えてきたんですけれども、非常に子育て支援にこの年代の方は大切なんです。その講習のときに、私たちに何ができますかという質問をいただいたときに、その場にいてくれるだけでいいんですというふうにお答えしました。お母さん、子供たちがいる場面で、そこに座ってにこにこしてくれるだけでそれでいいんですというふうにお答えしました。  それはなぜかといいますと、県外から引っ越してきた方はどうしても遠くにお母さんがいらっしゃるわけですよね。この子をすぐに抱いてほしいんだけれどもなかなか県外に行けないということで、そういったときに、そのシニアの方ですとかそういった方に抱っこしてもらってとてもうれしかったですというようなお話をいただいたことがあります。  育ちの森にもボランティアの方もいらっしゃいますし、六十代の方も来ていただくんですけれども、やはりそのときにいい雰囲気になるんですね、とっても。時間がゆったり過ぎるんです。どうしてもお母さんは、子供を追い掛けたりとかせかせかせかせかしてしまう中、ゆったりとした時間が流れます。おじいちゃま、おばあちゃまも育ちの森にお孫さんを連れてくる場合があります。また、とってもいい感じなんですね。よそのお子さんもお世話してくれたりとかということで非常に大事なんですが。  ある方からスタッフが聞いた話なんですけれども、自分は孫を預かっているんだけれども、だれにも聞くことができないということなんです。周りの近所のお仲間に聞くこともできないし、ただ、聞けるところがあって良かった、育ちの森に来て、うちの孫どうですかというふうに聞けるところがあって良かったというようなことを聞いてとてもうれしかったんですけれども。  本当にその場にいてくれるだけでも有り難いし、遊びを伝えてくれる、知恵を伝えてくれるというたくさんの役割があると思いますので、今後ともお付き合いをしていきたいし、連携取っていきたいなというふうに思っております。
  94. 後藤博子

    後藤博子君 椎谷先生、どうもありがとうございます。
  95. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) では、柿本参考人、どうぞ。
  96. 柿本善也

    参考人柿本善也君) まず、団塊の世代ということですが、これは大変量的に重要な層になると思います。  いろんな方法で団塊世代が社会活動していただくようにしなきゃならないと思っていますが、やっぱり一つはボランティアだとか、県でもいろんな公募いたしましてアドバイザーとか、ちょっと団塊の世代の前の方は職員としても幹部としても公募で採用していますけれども、やっぱり量からいいますとアドバイザーとか、それからボランティア活動、こういうものに活動していただきたいなと、そういう誘因を与えるべきだと思いますが。  いろいろ面接をしたりしていますと、これはみんなではないかもしれませんが、御自分のスキルというか特徴、それを余りまだ認識しておられない。よく笑い話に、私、民間で人事部長をやっていましたから人事部長なら持ちますとか、そういう話が笑い話に出て、そんなんではないんですよね。要するにもっと具体的な、こんなことならできるよということを余り意識しておられない面があると思います。  今はもう、例えば我々も、先生とか教職員とか職員辞めたときに、ボランティアにともかく何ができるか抜きにして登録しろよと、こう言っているんですけれども、余りその方は低調でございまして、むしろ今、その団塊の世代の方に、一体定年迎えたら自分の社会的に認められる能力は何であるかと、こういうことを改めて自分で見てもらう、認識してもらう、これが案外重要な部分である。そうすると、ボランティア活動だって自信を持ってやっていける。ボランティア活動の好きな人はもう在職中からやっていますから、そうでない方はやっぱりそういう点が必要ではなかろうかと思っております。いずれにしても、いろんな形でそういう活躍していただくやり方を試みなきゃならないと思っております。  それから、奈良のこと、さようならとおっしゃるんで、さようなことをおっしゃらずに、さようを省いていただければ、いい奈良でございますので、よろしくお願いしたいと思います。  そういうお声もあると思って、今日、主題じゃないんで、資料の後ろの方の三部か四部は実は奈良の宣伝のパンフレットを入れさせていただきました。特に会長にお断りして、ちょっと宣伝させていただきますと、四年後に二〇一〇年という年、迎えます。これは奈良の都が西暦の七一〇年にできてから千三百年目でございます。これは国家的にも大変重要な意味を持つエポックでございますので、しっかりしたことをやりたいと、私もかなり十年近く前からいろんな用意して、今実行組織を、協会も打ち立てて経済界の方にも入っていただいております。  そういうものもあります。いろいろ、お線香だけが上がっているだけじゃございませんので、是非ともいらしていただくようによろしくお願いいたします。  ありがとうございます。
  97. 清水嘉与子

    会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。  ほかに御発言ございますか。よろしいでしょうか。  それでは、ほかに発言もなければ、以上で参考人に対する質疑は終了したいと存じます。  参考人皆様方、本当に長い時間にわたりまして貴重で有意義な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。ただいまお述べいただきました御発言につきましては、今後の調査参考にさせていただきたいと存じます。本調査会を代表いたしまして御礼を申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十四分散会