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国務大臣(谷垣禎一君) 今回のG8サミットは、ロシアが初めてサミットとして議長国をされるということでございます。それで、御承知のように、ロシアというのは大変なエネルギー供給大国でございますから、そこのロシアが特にエネルギーという問題に関心を持ってこのサミットの議長を仕切られると、そういう意味で非常に意味のあった会合ではないかと思います。
それで、私ども
財務大臣の
プロセスでございますから、今回のサミットのテーマはエネルギーの問題それから感染症の問題、教育、開発と関係して教育の問題ということでございますが、我々の
プロセスで議論しやすいもの、しにくいものがあるわけでございますが、エネルギー
価格の高騰と世界
経済の動向というのは
一つのテーマでございました。
この議論は、全体、非常に世界
経済、エマージング
マーケットなんかも順調に動いておりまして、そういうところのどうしてもエネルギー需要が高まっているということが背景に
一つあるんだと思いますが、やっぱりこの問題を解決していきますときには、
一つは供給側の問題、いろんな投資が必ずしも十分うまくいっていないところがございまして、その投資環境を
改善していくという
努力が引き続き必要なんだろうというふうに思います。
それから、今度は、消費国側の問題としては、これは特に私強調して申し上げたんですが、エネルギー効率の
改善等々、相当力を入れる必要があると。特に、日本はこの分野ではオイルショック以来経験を積み重ねてまいりましたし、その日本の技術は同時に環境問題の
改善にも大きく資するはずであると。こういう観点から、日本のやってきた
努力、特に
経済産業省で先日まとめられましたエネルギー国際戦略を踏まえて、日本の今までの取組、それから特に中国との関係等々でODAを使っていろいろやっているようなこと等についても言及をいたしまして、エネルギー効率の
改善に一層取り組む必要があると。
それから、今までずっと議論されてきたことでございますが、必ずしも
市場に、何というんでしょうか、情報が透明に伝わってないというところが原油
価格の形成にいろいろゆがみを与える原因でございましたから、
マーケットの透明化というようなことに今まで議論、随分されてまいりまして、その点も引き続き必要なことだと思っておりまして、生産国、消費国双方で包括的な協調が必要だと、こういう議論になったわけでございます。
それからもう
一つ、世界的不均衡の問題につきましては、これがまた世界
経済に対するリスクの
一つであるということは前からG7等々でも
指摘をされていたところでございまして、その処方せんはG7ないしこのG8の
プロセスでは大体大きな答えは出ておりまして、それぞれの各極がそれぞれの構造問題に
努力をするということでございまして、アメリカの場合はいわゆる双子の赤字といったようなもの、問題にしっかり取り組んでいく、まあ
財政の問題であると。それから、ヨーロッパの場合にはいろいろな構造問題、労働
市場の硬直化とかいろんな問題がございますけれども、そのような構造問題にしっかり取り組むことであると。日本の場合は
財政再建を含めた構造問題に取り組むことであると。こういうふうに大体今まで議論は整理されてきております。
こういう議論に整理されてまいりましたその裏には、時々、やはりこういう不均衡の調整には、為替によってこの不均衡を調整すべきであるという議論が時々出てくるわけですが、余りその為替の調整に不均衡是正を頼り過ぎると、為替の調整によるいろいろな効果が出てくるというまでには相当な、何というんでしょうか、混乱が惹起されるおそれがある。やはり王道は、今申し上げたような構造問題、それぞれが持っている問題に地道に取り組むことにあるんで、余り為替の問題ばかり言うとその問題がないがしろにされるというか、そういうおそれがあるというようなのが大体今までの議論の整理されてきたことなのではないかと思っております。
私どもも、今申し上げたような観点に立って、日本としては構造改革、
財政再建を含めた構造改革の
努力に引き続き取り組む必要があるんだろうと、こんなふうに考えているところでございます。