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政府参考人(佐藤隆文君) まず、生命保険会社の収益構造でございますけれども、御
指摘のとおり、例えば私ども
金融庁で合計ベースで発表いたしております昨年度、
平成十六年の
決算では、死差益が二兆八千、費差益が六千三百億円、そして利差損が八千七百億と、こういう構図になっているのは事実でございます。
そこで、そのことと不払との
関係でございますけれども、明治安田生命におきましては、御案内のとおり、本来、予定死亡率と実際の死亡率の差から出てくる、事後的に発生する死差益について、これを経営
目標として設定したということで、これが不払を推奨するような風土を醸成したという、こういう根本的な問題があったのであろうというふうに思っております。こういったことを背景として、明治安田生命におきましては、経営が本来果たすべき機能を発揮しないなど、保険金の支払管理
体制に重大な問題が認められたということで不払の問題が発生したのが基本であろうかと思います。
他方、損害保険会社につきましては、付随的特約部分の不払、不払というよりは支払漏れというものが見られたわけでございますけれども、これは
商品開発管理
体制あるいは支払部門と他の部門との連携が不十分であった、あるいはシステム管理が不十分であった、事務管理が不十分であったと、こういった原因で出てきたということだと思います。
いずれにいたしましても、生命保険会社と損害保険会社で発生原因異なりますけれども、両者に共通して見られるのは、保険会社にとって基本的でかつ最も重要な機能でございます保険金等の支払管理、この点に関する
体制整備が十分でなかったということであろうかと思います。この点が一番重要な要因であったのではないかというふうに認識をいたしております。
いずれにいたしましても、この保険金の管理
体制の抜本的な改善というのは重要な課題だと思っておりまして、私どもも、例えば
監督指針の改正といったことも含めまして、これに注力をしているということでございます。
それから、第二点目でございますけれども、保険
商品で配当の仕方について異なる
商品があるという御
指摘でございます。その実態についてでございますけれども、御
指摘のとおり、現在、生命保険会社で販売されております
商品には、利差、費差、死差の三利源の合計から配当を行ういわゆる三利源配当
商品というもの、それから利差益のみから配当を行う利差配当
商品というもの、それから配当を行わない無配当
商品と、この三つの類型がございます。
平成十七年七月現在のデータを生命保険文化センターの資料で昨日確認いたしましたところ、生命保険会社三十八社がどのような配当方法の
商品を販売しているかということについてちょっと調べてみますと、例えばごく
一般的でございます定期付終身保険といった
商品におきましては、三利源配当を行っている
商品を販売しているところが一社、利差配当を行っている
商品を売っているところが十三社、無配当
商品が十八社と、こんな実態になっております。
それで、こういった点について契約者に対して十分な
説明がなされているかどうかということでございますが、それぞれの
商品の配当の在り方につきましては、もちろん約款では明記されているわけでございますけれども、このほか募集パンフレット等におきましてその配当の有無について記載されているケースが多いというふうに承知をいたしております。いずれにいたしましても、この保険
商品の販売、勧誘に際しましては、顧客に対して保険
商品を選択する上で重要な情報が適切に提供されるということが極めて重要でございます。
こうした観点から、本年の二月に私どもの
監督指針を改正いたしまして、顧客に対して特に
説明すべき重要事項を、顧客が保険
商品の
内容を理解するために必要な情報である契約
概要というものと、顧客に対して注意喚起すべき情報である注意喚起情報と、この二つに分けて整理し、顧客に理解しやすい表示、
説明により情報提供すべきというふうにしたところでございます。従来の約款の極めて小さな文字で詳細が記されているものとは別に、簡潔でなおかつ重要な情報は網羅していると、こういうパンフレットの作成を義務付けているということでございます。
以上でございます。