○
大門実紀史君 ありがとうございました。
あと幾つか心配ありますけれども、
質問がダブってしまいますので、残った時間といいますか、あとは
政策投資銀行問題を取り上げさせていただきたいと思います。
私、〇二年の十一月の予算
委員会と
財政金融委員会で、
政策投資銀行が出資しておりますアメリカの巨大ファンドでございますけれども、カーライル・グループに四十億円出資している問題を取り上げさせていただきました。あれから三年が
たちました。いろんな展開がありますけれども、この問題を取り上げたいと思いますが、当時のことを少し申し上げますと、振り返りますと、〇一年の四月に緊急経済対策というのが出まして、金融再生と事業再生をともに進めるということで、当時は大変な
状況でしたからそういう緊急経済対策が出て補正も組まれたわけですが、その
一つのスキームとして
政策投資銀行が事業再生ファンドに出資をすると。つまり、国策として国のお金でファンドに出資していくということが決められて、一千億の枠が更に翌年増やされたというふうな経過があるわけです。
政策投資銀行がそういう
民間の事業再生案件に出資していくと、ファンドに出資していくということそのものは私、全部否定しませんが、どうしてこのカーライルに出資をするのかと、疑問があるということで当時取り上げました。疑問点は三つでございました。
一つは、このカーライルが事業再生というか、そういう当時のもう破綻し掛けているとか危ないところを再生していくと、つぶさないというふうな地道な事業再生に向かないファンドであると、ここは
企業買収、バイアウト専門の、しかも世界最大級のファンドであると、何でこんなところに出資するのかという点が
一つと。もう
一つは、このカーライルそのものが非常にいわく付きのファンドでございまして、軍事投資会社、軍事投資
企業ファンドということと、例のビンラディン一家とのコネクション、あるいはブッシュ元大統領とつなぐコネクションとか、様々ないわく付きのファンドであるということ。もう
一つは、三つ目に、四十億円を出資を決めた経過が非常に疑問がある、不自然であると。〇二年の六月十九日に、今のブッシュ大統領のお父さんですね、元ブッシュ大統領が小泉総理と
政策投資銀行の
小村総裁にお会いになって、その三か月後に四十億の出資が決定されていると、これも不自然であるということと、当時の外資系のファンドの方の
お話も聞きましたけど、要するにカーライルはブッシュ・パパに頼んで
日本政策投資銀行から出資してもらってお墨付きをもらったと、広告塔といいますか、
政策投資銀行をお墨付きでその後五百億の金集めるわけですが、そういうまあ政治銘柄だったんだというのが当時業界の人
たち直接取材したときの話でございました。
こういう点を取り上げて、三年前の予算
委員会とこの
委員会でこの出資はおかしいということをかなり厳しく追及をさせてもらったわけですけれども、その後経過を見ますと、私が指摘したような
方向に来ているんではないかというふうに思います。
今日は
小村総裁に来ていただきました。お久しぶりでございます。
余り会いたくなかったかも分かりませんですけれども。
私の
質問からちょうど一年後、NHKの衛星放送で私が指摘したような内容の海外ドキュメンタリー番組がやられました。「イラク戦争後を担う アメリカ巨大投資会社」というやつですね。これはオランダの会社が制作したものですけれども、NHKがよく放送したと私思いましたけれども、大変驚くべき内容で、まあ長く申し上げませんが、要するにカーライルにまつわるオサマ・ビンラディン一族とのコネクション、ブッシュ・コネクションとか、イラク戦争後の復興事業にカーライルがかかわっているとか、有名なあの例のユナイテッド・ディフェンスもカーライルの子会社であるとか、非常に生々しい放送で、ドキュメンタリーでございましたけれども、まあ言ってしまえば、昔で言うと死の商人といいますか、お金がもうかるならどこにでも投資をすると、何でもやるというようなファンドということが世界的には、日本では
余り知られておりませんですが、世界的には有名なファンドでございます。
小村総裁はこの番組をごらんになったか、あるいはこういうファンドにあのときに
小村総裁が決断されて出資されたということだったわけですけれども、後で後悔されたことはございませんでしょうか。