○尾立
源幸君 当然、約定があっての貸付けだとは思うんですけれ
ども、ここにやはり私、前にも決算
委員会でもお話しさせていただきました発生主義と現金主義のこの違いによって、皆さんの頭の中が同じベースで
議論ができないところがあるんじゃないかなと思いました。当然、約定があるならば、約定ベースでその未実現というか発生した利息等々を計上していくのがこれ普通のやり方でございまして、それに対して実際にお金が入ってきたもの、これとの差額が普通は損失になるわけですね。こういった感覚がちょっと
理財局長さん及び、まあ
谷垣大臣は本当はお持ちなのかも分かりませんけれ
ども、そういった感覚の違いがこの
議論のかみ合わないベースにあるんじゃないかなと思いまして、改めてやはり国ももうそろそろ発生主義で
会計をやっていかないと世界の中で後れてしまいますよと、私はこんなふうに思うわけでございまして、ちょっと余計でございますが、一言付け加えさせていただきました。
会計的に言えば、これ確実に貸倒れ損というか
債権放棄損なわけでございますので、これを損失じゃない、得べかりし
利益がただ入らなかっただけだという、これは理屈は通りませんので、まずその辺の認識を官僚の皆さんにも、まあ
財務大臣も含めて持っていただきたいなと思います。
それでは本題に入らせていただきたいと思いますが、私、常々、税は安ければ安いほどいいと、また税制は簡単であればあるほどいいという、これは毎回言わせていただいておりますけれ
ども、それはどういうことかというと、そのためにも自分でできることは、元気なうちはできるだけ人の世話にならずにやっていくべきだと、こういうふうにも思っておるわけでございます。これをやらなければ当然
税金となって自分に跳ね返ってくるわけですから、そういった私は生き方がいいんじゃないかなと、こんなふうに思うわけでございます。
そして、元気なうちに社会に貢献することによって、正に官と民のこの中間領域にある部分、領域をどんどんどんどん私は広げられるんではないかなと、こんなふうに思うわけでございます。それによって
税金が安くなる、こんな考えが私の頭の中にはあるということをまず御理解をいただきたいと思いますし、
谷垣大臣も、所信といいますか、
国会の冒頭の中で、きずなという言葉を三回もお出しになって、やはり官と民だけでは片付けられない問題や領域があるということを強調されておったので、今日はその辺の
議論をさせていただければと思います。
そこで、もう
一つ例として引きたいんですけれ
ども、実は、これは
峰崎委員から御紹介いただきました福島教授という方が書かれた本なんですが、タイトル、ちょっとぎょっとするようなタイトルなんですが、「
アメリカ型資本主義を嫌悪するヨーロッパ」というタイトルの本でございまして、私、この本を読ませていただきまして、ああ、
一つの解がこの中にあるんじゃないかなと、こんなふうに思ったわけでございますが、その点をちょっと紹介をさせていただきたいと思います。
私も
アメリカの会社で働いていたので、正に
アメリカ型資本主義の権化のようなところで育ってきまして、まあ今はこういう
国会議員という立場におりますけれ
ども、何かちょっとやっぱり違うんじゃないかなという疑問も持っております。
大久保さんなんかも正にその中で働いていたわけでございますが、やはり少し疑問を持っていらっしゃるんじゃないかなと思っております。
で、ヨーロッパ型の資本主義がどんなものかというと、ちょっと
説明させていただきます。ヨーロッパ型の資本主義の中で社会資本というものを定義をしております。四つ社会資本があると言っております。
その
一つは、これは当たり前のことですが、政府が提供する道路、民間企業の生産設備などの物理的な設備、これが
一つ目の社会的資本でございます。
二つ目が、資本
市場、司法
制度など、
市場経済を支える公的な
制度。今日、
金融大臣も来ていただいておりますが、こういった公的な
制度を
二つ目の社会的資本と言っております。三つ目が労働人口の量や質などの人的資本。まあこれは当たり前だと思います。そして最後に、ここが大事なわけでございますが、人間と人間がつくる一定の関係や各種の組織や団体など人間同士が築く信頼関係と、これは正に
谷垣大臣がおっしゃっていたきずなの部分じゃないかなと思うわけでございます。
そこで、今日お配りをさせていただいております
資料の一ページ目を見ていただきたいんです。正にこの左側が従来の二分社会、官と民がすぱっときれいに分かれている円グラフが入ってございますが、新しい三分社会ということで、官と民の間に正にきずなで結ばれる市民社会組織、社会的資本と、こういうものを我が国ももう一度再構築をしていかなければいけない、こういう時代ではないかと私は思っておるわけでございます。
それで、
アメリカは、実は過去にはこういう三分割だったのが、現在データを見ますと従来の二分社会に戻っていってしまっていると。まあ
日本もこの格差社会というのは、どっちかというとこっちの方に入っていってしまっているのかなと思いますし、一方、ヨーロッパを見てみますと、実はオランダでは全人口の一四・四%の方がこの市民社会組織、社会的資本に関与をされている。ベルギー、アイルランドでも一〇%を超えていると。
日本には残念ながら同じようなデータがないんですけれ
ども、私はこの充実が何としてもこれからの二十一世紀、大変財政事情も厳しい中、まあお金の面からだけではございませんが、必要ではないかと、このように思うわけでございます。
ちょっと前置きが長くなりまして申し訳ございませんが、この点は後の
質問に深く絡んでまいりますので、ちょっと強調をさせていただきました。
そして、もう一点。今政府の方では歳入歳出の一体
改革を進めていただいておるわけでございますが、我々、宣伝をさせていただくと、民主党の税調の方でもスローガンを今回掲げまして、行革なくして増税なしと。まあ当たり前の話かもしれません。実際、今の政府の財政構造を見ると、そうは言っていられないような部分もあるのも確かでございます。あのぱっくりと開いたワニ口、単なる歳出カットだけではバランスの取れた収支が達成できない、こんなふうにも思えるかもしれませんけれ
ども、まだまだ増税を
議論できるような土壌ではない。
特に民間の、例えば私もサラリーマンをやっておりましたけれ
ども、私が経験したことを申し上げますと、ふだん、家を出て会社に行って帰るまで余り行政のお世話にならずに淡々と仕事をしておるわけでございます。私、若いころでしたんで、行くとすれば住民票を取りに行くぐらいかなと。そんな中で、やはり負担だけは増えるということは何か割に合わないなと。これは私、民間人の普通のサラリーマンの方の感覚じゃないかなと思うんです。そういった意味で、昨日も
議論ございました、サラリーマンねらい撃ち。ねらっているわけじゃないんですけれ
ども、何かそういうふうに思われてしまうということが私は根底にあるのではないかと思います。
そういう意味で、まず歳出の無駄をきちっと省いて、その後に歳入の方も考えるというのが筋だとは思います。本来は、両方一遍にやりたいなというのが
財務省さんの本音かもしれませんが、その辺はちょっと置いておきまして、無駄遣いではないんですが、まず、その音頭を取っていただく
財務省さんの現状をちょっと調べさせていただきましたので、発表させていただきます。
卑近な例で恐縮なんですが、
財務省本省で使っているタクシー券の、年間どのぐらい使われたのかなと、ちょっと見せていただきました。
一般会計の定員が大体千七百人ぐらいで四億円ぐらい使われているということで、一人当たり二十四万円。これは、私は、全然いいとか悪いとかじゃなくて、妥当といいますか、予算編成、我々のこの
質問に対する回答をお作りになる、大変だと思いますし、またいろんな政策、深夜までやっていらっしゃるのをよく存じ上げておりますので、これはそうなんだなと思います。
しかし、ちょっとおかしいなと思ったのは、外為
特会、ここからもまた車両費が出ているんですね。先ほど来ずっとお話がありました、別のお
財布なんじゃないかという批判がいろいろあるわけでございまして、ここを調べてみましたら、やはり一人当たり年間二十四万円。まあ為替介入などで深夜でお忙しいのかなと思って、実績調べましたら、
平成十六年一月—三月にちょっと為替介入行われただけで、後はされていないと。なのに、
一般会計、
特会、一律一人頭二十四万。たまたま偶然で一致したのかもしれませんが、何かこの辺が、お
財布の使い分けあるような気もします。
これ以上、私も深いことは今日は差し控えさせていただきますが、ちょっとこんなことだけ、決算の方でまたやらせていただきたいと思います。事実だけを指摘させていただきます。
もう一点、今日は衆議院の
調査局長にお出ましをいただいておるわけでございますが、無駄を省くために正しい現状認識が必要なことは言うまでもございません。そこで、衆議院の方では、これは参議院の皆様にはなじみのないことでございますが、予備的調査という
制度がございまして、それを行っていただきました。
ちょっとこの予備的調査の概要を
説明いたしますと、
委員会の決議又は四十人以上の議員の連名による要請を受けた場合、国政調査を補完するため、あらかじめテーマを決め、調査するという
制度でございます。今回の調査は天下りと補助金等の関係を調べるものでございました。補助金、委託費等については、
平成十七年度予算ベースの数値を
提出することでこの調査をお願いをさせていただいたみたいでございます。
そこで、
財務省にまずお聞きしたいんですが、
財務省所轄の財団法人
日本システム研究所という、こういう法人があるわけでございますが、こちらに、
平成十七年度予算で補助金、委託費等名称のいかんを問わず、国から交付された
資金の額は幾らだと回答をされておりますでしょうか。
谷垣大臣、まずお願いいたします。