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国務大臣(
沓掛哲男君) この冬の
大雪によりまして、本当にたくさんの方がお亡くなりになられました。心から御
冥福をお祈りするとともに、今なお困難な
生活を余儀なくされている
方々に心からお見舞い申し上げたいと
思います。
この冬は、十二月上旬以降、
北極から
寒気が数回にわたって南下したため
日本各地で
低温となり、
日本海側の
地域は
暴風を伴った
大雪に見舞われ、記録的な
積雪になったわけでございます。このため、
雪下ろし中の
転落や
屋根からの
落雪などで現在までに百三十六名の方が亡くなっておられ、これは戦後三番目の大きな
死者が出た、そういう雪の
被害でもあるわけでございます。
さて、この今、
水落委員には
十日町生まれ、
出身でもありますが、私は
石川県でございますので、この雪については本当に子供のころから共有したいろいろな
思いがたくさんございます。まあ何といっても、
雪対策というときは、
現地へ行っていただかないと物は分かりません。東京で幾ら考えても雪の害というのは分かりません。今、
水落委員がおっしゃられたように、
雪国で、
トンネルを越えたら雪だったというような、これ、
川端康成の
小説、著書がございますけれども、本当にあれはあのとおりででして、私もこのとき、ともかく雪が降って
被害がある以上、一番先に
現地へ行くべきだということで、一月七日の朝、この
新潟の方へ向かいました。八時二十四分の
新幹線に乗るつもりで行ったんですが、もう朝から汽車が立ちませんのでプラットホームに人があふれておりました。乗れるか乗れないか分からないけど、戦時中のことを
思い出して、みんなで乗ろうということで強引に乗り込んで、そして行きました。そして湯沢を見せていただき、
津南町を見せていただき、それから今、
水落先生の
十日町へ行き、そしてそれから
長岡、
山古志村の
方々がここで仮
住宅で、
仮設住宅に住んでおられますので、そこへもということでいろいろ参りました。
その際、
水落委員にはお迎えいただきまして途中ずっと御案内、またいろいろな御
説明をいただいたわけでございますが、雪の降る中、何となく私
自身は昔に戻ったようで、雪が降ってしんしんとしてくると何となく元気が出るんで、張り切って私は
現地をずっと見せていただきました。
しかし、本当にこれは大変なことなんです。雪の本当に重さというものを肌で感じるのはやっぱり
雪国の人でないと感じられないというふうに
思います。私も
国会議員になってから
豪雪地帯対策の
委員やったりいろいろして、こういうものを雪のときに備えるべきだということで随分、
岩井さんなんかとも一緒に、櫻井さんとかみんなでもうやってきたんですけどね、なかなかやっぱりどうしても
経済優先、そして人口の多いところが
優先という、そういうことがやむを得ないことではあるんですけれども、どうしても
後れ後れでなってきているというふうにも
思います。
とはいえ、最近はようやくいろいろな面で
交通ネットも整備していただいたり、いろんなことはできつつあるんですけれども、やっぱりこういう雪になったときに、雪が降ったとき一番先に困るのは足です。
行き場所がありません。そしてライフラインです、いろいろなものが来なくなります。そしてそれと同時に、あわせて、今度は
屋根に雪がどんどん降りますから、これを下ろさないと家がつぶれたりいろいろしますから、そこで
雪下ろしを始めるんですが、今私も、この間
新潟ずっと行って見て、かつてのような
雪下ろしに対するその
措置というのが余り十分とられていないんですね。
昔は、私らのときは、
屋根がありますと、必ず下の方に桟が付いていて、そして必ず雪が三十センチぐらい上を取っても残るようになっているんです。そうすると滑り落ちないんですよね。今そんなのほとんどないんで、雪を落とすとそのまますとすとすとんと落ちていくから非常に、いわゆる
屋根雪下ろしの方が下まで落ちて、そして亡くなる
ケースが多いんですが、昔の人はそういうことをよく心得ていたので、あんまり格好は良くないんですけど、家の必ず
屋根の下のところには木で桟を入れて、そして雪が全部滑り落ちない、
除雪、雪を下ろすときも必ず下に二、三十センチ残る、滑り落ちない、そういう
対策というのがございました。
しかし、今近代化していろいろのそれに代わるべきものもできつつあるわけですけれども、そういう
対策をこれからもしっかりやっていかなければならないなというふうに思っておりますが、今回の
対策については、
総理自ら陣頭指揮されまして、一月六日の夜私が呼ばれて、すぐあした行けという
指示もございました。そのとき
総理が言われたのは、
自衛隊をすぐ出すようにしろということ、それから、いわゆる
災害救助法の
適用、これもしっかりとやってほしいということでございましたので、その二つのことを中心にしながらいろいろ
現地でもお話しさせていただきました。
自衛隊はすぐ入ってくれましたし、
災害救助の法の
適用などについても速やかな
対応をしてくださいました。それから、雪の問題、
除雪、いわゆる
道路交通の
確保をするための
都道府県道、
市町村道へのその
優先、こういう
地帯に対する
優先の
補助もやっていただきましたし、
自治省、旧
自治省、今の
総務省からは、
特別交付税もいまだかつてなく三月のものを前倒しして、先日それを出していただきました。
そういう点で、私は今回のいろいろな
雪害等については、
政府としてもできる限りのことをやってきたというふうに思っています。しかし、なかなか、
現地へ行ってみると、それがそこまで浸透していないということも
長岡の
山古志村の
皆さん方と対談したときも強く感じました。やっぱり日ごろからそういうものへのもっと準備をよくし、で、そういうものに対して私は
三つのことが大切だと思っています。何といっても人の命を助けてくれるのはまず自分なんですね、自助なんですよ。そして、その次は家族、
町内会の
皆さんという
方々、そしてそういうコミュニティー、そういう
方々の
支援、そして、それに対して
政府、国、それから
地方公共団体という
公的機関が、この
三つが一体となってやっていくことが非常に大切だというふうに思っています。
水落さんには大変いろいろお世話になりましてありがとうございました。御
指示のとおり一生懸命やっているつもりですが、また更に御指導いただきたいと
思います。