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国務大臣(
沓掛哲男君)
委員から大変有意義なお話をたくさん聞かせていただきました。私は今の質問に対して少し数値を挙げて、
皆さんも一緒にちょっと考えていただきたいんです。
今回のそのいわゆる
豪雨というのは七月に集中して行われたわけですけれ
ども、これによって亡くなった方は二十六名、
行方不明者は二名です。避難した人が約三十万人近いんです、いわゆる
避難勧告、
避難指示に基づいて。また、
全国に物すごい雨が降ったのになかなかこの数字で収まったというか、何とかなった、貴重な大変尊い命ですけれ
ども、したんです。
じゃ、前はどうだったのかというと、昭和二十二年にキャサリン台風というのがありました。利根川が破堤するような、そういうものでした。今回の集中
豪雨と比較はできませんけど、決してこの七月が少なかったということではないと
思います。そのときの
死者が幾らかというと千九百三十名です。翌年のアイオン台風が八百三十八名です。それらに対して今回少ないというのは、何といっても私は避難が速やかに行われた、三十万人近い人が避難したことがやっぱり
死者を少なくした大きな私は原因だというふうに思っています。
したがって、やはり、今ハードとソフトを
連携しながら、まずつくって予防していく、
防災していくというのは基本ですけれ
ども、しかし、いつ
災害が来るか分かりませんから、それを速やかにする上において、やはり避難
体制というのをしっかり取っていくことが
一つは大事なことだと思っています。
そういうためには、気象観測も進みましたから早めにそういうものが分かる。それから、いわゆるいろいろ
河川関係でも観測精度も高まりましたので、どこで水位が上がり、それによって下流がどうなるとかいう、いろいろ分かります。また、今
河川では
河川管理者が、いわゆるはんらんする、
浸水する、そういう
地域のいろいろなマップを作って、どういうところに
浸水、この高さまで来ると
浸水するというマップは、
河川管理者は、大体直轄
河川では全部できていますけど、補助
河川では必ずしもそうではありません。それを受けて、その沿川の
市町村が今度はハザードマップを作って、どこへ避難するかどうとかというのを作って、これはできているところとできていないところがあります。今、先ほど来言っている
川内川では、
薩摩川内市ではできていますし、できていないところもあります。
ですから、こういうものをきちっとして、そして
避難勧告を早く、
避難指示を早く出して、まず、まあ、こういう自然の
災害に手向かったってこれは容易じゃありませんから、まず一応避難して、そしてまた次に
復興に向けていくということが私は非常に大事だというふうに思っています。
この七月の数値だけでも非常に多くの学ぶところがあるんですよ。それは、七月の十八日まで
死者が二名だったんです。ところが、十九日一日に二十名亡くなり、そのうち十一名は某県なんです、余り名前言うと支障がありますから申し上げませんけれ
ども。やっぱりそれぞれ県単位で一生懸命、みんな一生懸命やっているんですけれ
ども、アクセントの置き方でやっぱりどうしてもその避難等が遅れるところができ、そういうところがやっぱりこの問題を、いろいろ出てきているなと。決してあそこが怠っているということではないんだけど、優先的にやっているかどうかということがいろいろあるんだなというふうに
思います。そういう点で私は避難というのは極めて重要だというふうに思っております。
しかし、そのほかに、もう一言だけ、じゃ、おまえ何やっているのかと言われてしまいますから、一言だけ言わさしていただくと、この四月に中央
防災会議におきまして、これ私の職務ですから、
災害被害を軽減する
国民運動の推進に関する基本方針を決定いたしまして、現在、専門
調査会において
国民運動の具体策を検討しております。
例えば、
防災教育の充実をどうするかとか、各種のいろんなPTA、自治会、その他いろんなものあります。そういうものがやっぱり
連携し合ってどうしていくかという、そういうことで、今有識者の方に集まっていただいて、そのいろいろな検討をしていただいたり、そういういろいろなことをしながら全体として減災をしていくということが非常に大切だというふうに思っております。