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2006-05-11 第164回国会 参議院 国土交通委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         羽田雄一郎君     理 事                 伊達 忠一君                 脇  雅史君                 大江 康弘君                 山下八洲夫君                 西田 実仁君     委 員                 市川 一朗君                 太田 豊秋君                 小池 正勝君                 末松 信介君                 田村 公平君                 中島 眞人君                 藤野 公孝君                 松村 龍二君                 吉田 博美君                 加藤 敏幸君                 北澤 俊美君                 輿石  東君                 佐藤 雄平君                 田名部匡省君                 前田 武志君                 山本 香苗君                 小林美恵子君                 渕上 貞雄君    国務大臣        国土交通大臣   北側 一雄君    副大臣        国土交通大臣  江崎 鐵磨君        国土交通大臣  松村 龍二君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       吉田 博美君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        総務大臣官房総        括審議官     荒木 慶司君        財務大臣官房審        議官       加藤 治彦君        国土交通省道路        局長       谷口 博昭君        国土交通省自動        車交通局長    宿利 正史君    参考人        東日本高速道路        株式会社常務取        締役       青野 捷人君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○道路運送法等の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等  の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送  付)     ─────────────
  2. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  道路運送法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会総務大臣官房総括審議官荒木慶司君、財務大臣官房審議官加藤治彦君、国土交通省道路局長谷口博昭君及び国土交通省自動車交通局長宿利正史君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  道路運送法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会東日本高速道路株式会社常務取締役青野捷人君参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 道路運送法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 藤野公孝

    藤野公孝君 おはようございます。自由民主党の藤野公孝でございます。  冒頭、最初質問ということで、この後のまた質問、皆さんの質疑に多少なりとも役に立てばと思って、お手元資料も、大した資料ではないかもしれませんが、配付させていただいておりますので、それも活用しながらということでよろしくお願いいたします。  今回のこの改正、大変、私自身にとっても感銘が深いなと思います。その理由は後で申し述べますが、道路運送法等の一部を改正するということで、実は、今日私は、実質上、コミュニティーバスでありますとかあるいは福祉タクシーでありますとか、そういうことについてのみに絞って、時間の制約もありますので、質問をさせていただくわけでございますが、広くこの改正一般でいえば道路運送車両法改正もあって、二輪の小型自動車の車検二年を三年にするとか、あるいはリコール制度充実とかあるわけですが、そこのところは、他の先生委員の御質問にお任せするということでお許しいただきたいということで、今冒頭申しましたように、地域の足の確保地域公共あるいは福祉輸送、直接今回の改正が大きな役割を、貢献をするだろうという、あるいはしなければならないという期待を込めて質問をさせていただきたいと思います。  今申しました、ちょっと質問に入る前に二、三分いただきたいんですが、その思いといいますのは、私も役人をやっていたのでございますが、ちょうど三十年前でございますけれども、いわゆるバス輸送があちらこちらできしみ始めまして、ほころび始めまして、昭和五十年代前半でございますが、マイカーがもう猛烈な勢いで地域に浸透していく、普及していくと。それから、過疎過密化の現象、波がどんどん押し寄せてくる。  実は、御承知のとおり、何度もこの委員会でも御示唆がありましたように、昭和四十三年でしょうか四年でしょうか、四十三年かな、もう百億人ぐらい運んでいたんですね。百億人超えていたんじゃないでしょうかね。それがもう今や四十数億人、半分どころか、もう四割強ぐらいになってしまっていると。この現状の中で、バス路線バスと言った方がいいでしょうか、路線バス事業というものは本当に今は大変な状況にあります。事業そのものが大変であるかどうかというようなことを私は言いたいんじゃなくて、それだけ世の中の変化、ニーズがどんどん変わってきている中で、三十年前がちょうどその萌芽かな、最初のころかなと思っているんですが、今でも思っておりますのが、岐阜県の、山奥という言葉差別用語になったら失礼ですが、山間部……(発言する者あり)山の手河合村というところがございまして、ここがもうどうにも、バスもないわ、それから老齢化は進むわということで、三十年前の話でございますけれども河合自身が、全国に先駆けて村が、町でもない村が乗り出して、バスを運行したいと……(発言する者あり)もうこれ以上はしゃべる必要ないみたいです。三十年前の話でございます。  それから、兵庫県の奥、またこれも山の手の方でございますが、能勢町というところがありまして、ディマンドバスを日本で初めて導入すると。(発言する者あり)とにかくそのころから、しかし、こちらの体制というのは青ナンバー至上主義でございますので、至上主義というか、法律上がっちりした形になっていると言った方が正確なんでしょう。しっかりとそこである意味ではやっていたわけですが、こういうマイカーでありますとか今のような新たな問題にどう対応するかということで、実は私がその担当にされちゃって、訳も分からず汗かいて、そのままこういう法律改正まではならないで来たのが、今こういうことでということで、そういう意味で私は、これは三十年ぶりの総決算かなと、こう思って大変感慨深いものがあります。もう時代もそこまで来ているという気がいたします。  路線バスに関しましても、その後いろいろな変遷がございまして、赤字の補てんの方法もいろいろ変わってきましたが、ここでいろいろ質問に入りますけれども、お手元資料、実は私は、広島出身といいましても宮島の近くの廿日市というところの出身でございまして、そこにもさくらバスといったような、ピンク色で桜の花柄が付いた、割と小型の、二十九人乗りかな、バスがいろいろ走っておりますが、我が町は、私がおりました、もう随分昔ですが、三万人ぐらいの町でしたが、今は十二万人になった。もう山も全部削られて、そこにも書いてあるかどうかあれですが、団地が六つぐらいできまして、もう山なんか余りないです、田んぼもないです。急激な市街化スプロール化広島のベッドタウンということでございまして、正にどんどんどんどんと、いろんな公共施設も含め、学校も含め、病院も含め、住宅併せて、無秩序と言ったら今の市長に大変失礼かもしれませんけれども、どんどんどんどん開発が進んでいって足の問題が出てきている中で、このコミュニティーバスというものが運行されている。私の母も、それ便利だというようなことを言っておって乗っておりますけれども。  こういうものができること自体は大変良うございますが、今までの、県単位路線バス補助をどうしていくというのでもうずっとやってきたオーソドックスなこの世界から、今度は市町村レベルで、しっかりと地域の足の確保ということで、このコミュニティーバスあるいはディマンドバス、こういったものをやっていくための装置といいましょうか、話合いの場というものを今回この法律でできる、正式な名前は知りませんけれども、あえて地域何か公共交通会議とでも言うようなものができた場合に、そこの構成メンバー法律に書いてあるわけですね。第九条でしたかね、九条の第四項。ここにいろいろ、地方公共団体乗合旅客運送事業者、それから住民その他省令で定めると、こうある。  この人たちがそれぞれ重要な役割を果たされるんだと思うわけですけれども、また、そうしないと、形だけのこんなものをつくったところで前に動かないじゃないかということがあって、今あります補助をどうやっていくか、足を確保するためのバス補助をどうやっていくかという県単位のやつじゃなくて、こういう本当に地道な、地域の実情に即したコミュニティーバスなりディマンドバスを入れるというこの会議といいましょうか集まり、これ、どのような、制度設計の話を聞くわけですが、どのような役割を求め、またそれをどう担保されようとしているのか、まずもって自動車交通局長にお伺いしたいと思います。
  8. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、藤野委員から御指摘がありましたように、今回の道路運送法改正は、現在急速に進みつつあります少子高齢化あるいは過疎化の進行を受けまして、コミュニティーバスとか乗り合いタクシーといった多様な形態輸送サービス、こういったものを地域ニーズに応じて普及促進していこうと、こういう観点から改正案を御審議いただいているものであります。  今回の改正に当たりまして、今お話がありましたような協議組織、これは地方公共団体市町村を主に考えておりますが、市町村、それからバス事業者、それから地域住民などから成ります、地域公共交通会議という名前を考えておりますけれども、こういう協議組織設置をいたしまして、運行形態とかサービス水準とか運賃などについてその地域ニーズを反映したような協議をしていただくことを考えているわけであります。  この中で、地方公共団体には、正にその地域の総合的な行政主体でありますから、自らの地域についてどういう足を確保するのがいいのかという観点会議主宰していただきたいと思っております。それから、地域住民は、文字どおり地域の真のニーズというのを、その協議の場で意見を積極的に言っていただきたい。それから、バス事業者など交通事業者は、交通事情もよく知っていますし、輸送サービスの提供という専門家でありますから、そういう専門的なノウハウを生かしていただいて、既存バス路線との緊密なネットワークの構築、整合性確保といったことを実現をしていただきたいと、このように考えているわけであります。  いずれにしましても、これらの方に積極的に協議に御参加いただいて、地域ニーズに適合した使い勝手の良い効率的な輸送サービス実現を図っていただきたいと考えております。
  9. 藤野公孝

    藤野公孝君 今局長が御答弁なさったその一つ役割分担というかあるべき姿といったものが、正にそれはそういうことだろうとは思うわけでありますが、ひとつ、それぞれの地域において具体的に運営するとなりますと、地域の特性でありますとか、そのメンバーの個性でありますとか、首長のまたあくの強さでありますとか、いろんなことが出てくると思いますし、強烈なNPOがおることもありましょうし、NPOというか、その地域のリーダーがいることもありまして、うまくその辺のやっぱりバランスを取って、また財政力とか、いろんなことありましょうから、ひとつ、せっかくいい私は改正をしてくださっていると思っているんで、この運用において、あちこちで頓挫していくというか、機能麻痺に陥るようなことがないようにということで、しかし、今私の地元の例でも申しましたように、このコミュニティーバスなどは、もう例の武蔵野市の有名なバス、百円バスも含めてあちこちであるわけでございますけれども、そのまずちょっと普及状況について、またあとその種別ごと、こういう新しいスタイルもあるよというようなことの御紹介もちょっと賜れば、委員先生方の今後の質疑にも加わりまして、私の勉強にもなると思いますので、その普及状況、それから更なるサービスのやっぱり充実強化ということで、どういうまたこの推進方策を今の改正時点でお持ちなのかということも、現状、それから新しい今後の芽といいましょうか、施策の方向といったものも併せて御答弁願いたいと思います。
  10. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、現状でございますけれどもコミュニティーバスにつきましては、現在、去年の十月時点でありますけども全国市町村の約半数の九百十四市区町村導入をされているということで、非常に高い評価を得ていることが反映されているものだと思っております。また、ディマンドバス全国の二十七ルートで現在運営をされております。乗り合いタクシーにつきましては全国の千二百九十三ルートで運行されているというのが現状でございます。  今後の促進についての取組でございますけれども、私どもは、今回の法律改正、それから新しい協議組織を活用していただくと同時に、国としても必要な支援方策を講じていきたいと思っておりまして、平成十八年度予算で従来の地方バス路線維持費補助制度の一部を見直しまして、市町村主体となりまして生活交通路線コミュニティーバスやディマンド型の乗り合いタクシーに転換する場合の初期費用補助制度を措置したところであります。  また、都市部コミュニティーバスにつきましては、バス利用促進等総合対策事業の一環といたしまして、導入に当たっての調査あるいは実証実験、それからいよいよ本格運行する場合の車両購入関連施設整備に対する地方公共団体との協調補助といった仕組みがありまして、こういった取組を通じまして、先生おっしゃるような輸送サービス普及促進を支援してまいりたいと、このように思っております。
  11. 藤野公孝

    藤野公孝君 これ、各地域、大変期待しておりまして、私も昨日、地元首長さんに、ちょっとあした、資料も出してちょっとPRも兼ねて質問をするということを申しましたところ、結構しかしうまくいっているねと僕は言ったんですけども、それなりにやっぱり財政的な面とかいろいろ苦労をしておられまして、それから地域の要望というのはどんどんあるわけです。あそこを通っているのに何でおれのところを早くやってくれないんだとか、まあそんな話ばっかりのようでございまして、そういう中でこれを拡大していく、拡大というか拡充、質量ともに拡充していくというのはやっぱり地方公共団体も相当頑張らなきゃいけないし、いろいろ国もお手伝いしてやらなきゃいけないなという気持ちを、実感を新たにしたところでございますので、その辺の対応も、またきめ細かい対応もよろしくお願いしたいと思っております。  次に、今バスの方の関係を特に取り上げたんですが、NPO中心といたします、中心といいますか一つの大きな目玉といたしますところのボランティア有償輸送についてお伺いをいたします。  基本的に、それが福祉であれ何であれ、地域住民交通ニーズをきっちりきめ細かくフォローしていくということは大事なことでありまして、今既にございます地域での運営協議会といったようなところで、いろいろ既存タクシー事業者あるいはボランティアNPOの方々、そういうところの輸送につきまして、これまでも自家用輸送の在り方、あるいはそれとの協調といったような形でなされてきている。それを今度一歩進めて、極めて例外的にどこかに押し込めるようなあれではなくて、きっちりと認知をすると言ったら言葉は悪いかもしらぬ、きっちりとした形でコラボレートしていくというシステムにしていくということ自体方向性は、これは本当に正しいことであり、今までいろんな業界危惧、不安、いろんなことがあってなかなかここまでも来なかったのをよくぞここまで持ってきたなということで私は評価しますが、今朝も自動車関係の会合に参りましたら大変な危惧の念のオンパレードでございました。今回改正されるがおれたちどうなるんだみたいな話が大変たくさん出ておりましたんで、今日は質問するからその質問内容をよく聞いてくれと今日言ってきましたけども質問じゃない、答弁内容をよく聞いてくれというふうに言ってきましたけれども。  まあ、それは単に業界エゴとかそういうことじゃなくて、いろいろ地域も一生懸命いろんな方が頑張っているよと、それから業界の方はみんなだらしなくて何もしなくてつまらぬやつの集まりではないんですよ。一生懸命やって、地域のために頑張ろうと言っている業者も一杯おるわけで、こういう前向きな方向のやつは、やはりこれは両方ともきっちりとフォローしていくようなシステムでないと駄目だなということだけは最低限言えると思っております。  そういう中で、これは特異な事例だとか例外的なことだとかというふうなことで切り捨てていいのかどうか知りませんけれども、いろんな運営協議会についてのトラブルといいましょうか苦情といいましょうか、そんなものも私がちょっと今この質問のために勉強しただけでも幾つもあります。それを皆真に受けてここで質問をしたいとかいうことじゃありませんが、それを背景にしてちょっとお伺いをしたいわけでございますけれども。  例えば、一回だけ何か運営協議会、決めた、導入を、導入というのはNPO導入をぱっと決めてしまって、全然業界の方の意見は聞いてもらえなかったとか、まあこれは極端だと思いますけども、そういうような例もあるというようなことで、もう初めから、私もこれ入れてはいけないと言っているわけじゃないんですが、そのやり方だけについて言っているんですけど、もう非常に、やればいいんだろうみたいな居直ったような形でやられているような例もあるように思うわけであります。タクシー業界の言いなりになれとか、そういうことじゃ全くないわけではありますけれども、その運営方法委員構成についてはやっぱりきっちりとした、それぞれが対等に意見が言え、そこで集約できるようなシステムでないとそれはおかしいわけであります。  その点につきまして、理念はいいんですが、制度設計といいましょうか、今後、省令通達等で、みんなここに今関心が行っておるわけでございますけれども、この運営協議会、どのように措置していくのかということについて、答えられる範囲でお願いいたします。
  12. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今お話がありましたNPO等ボランティア有償運送につきましては、その地域バスとかタクシーなどでは十分な輸送サービスが提供できないと、一方で、やはり地域住民の足の確保という観点から自家用自動車の活用を図らざるを得ない現実の事情があると、こういった場合に認めていくという、しかも法律上の制度としてきちっと位置付けようと、こういうものであります。したがいまして、そのことを関係者でよく議論していただくために運営協議会設置をするわけであります。  運営協議会メンバーにつきましては、法律の成立を受けますれば省令等で決めることにいたしますけれども、今考えておりますのは、まず主宰者としては地方公共団体、主に市町村になろうかと思います。それから地域住民の代表の方、それから地元タクシー事業者関係の方、それから移送に関係する地域ボランティア団体の方、それから私ども地方運輸局職員あるいは支局の職員などを考えておりまして、あとはそれぞれの地域協議会として主体的に御判断いただいて適切な方にお入りいただければと思っております。  それから、協議につきましても、私ども、国が細かなことをあれこれくちばしを挟むつもりはありませんけれども、よく議論をいただいて、そこで協議が調うと、客観的、実質的な協議が行われるように、必要な指針の提示でありますとか指導といったことはやっていきたいと思っております。
  13. 藤野公孝

    藤野公孝君 この協議会主宰するのはだれですか。
  14. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 地元地方公共団体ということで、具体的には市町村が主にその主宰者になると考えております。
  15. 藤野公孝

    藤野公孝君 今のお答えですと、市町村が議長というか、座長というか、なるわけで、主宰する、主宰するわけですね。そのときに、じゃ、その前の答弁とのちょっと関連なんですけれども国土交通省としてはただそこで見ているだけだというんじゃなくて、じゃ、どういうその主宰する市町村に対してそのお気持ちというか意思を伝えられようとしているんですか。
  16. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、とにかくその地域でどういう形の足を確保するのが住民にとって一番いいのかということをよく相談をしていただく場でありますから、そういう場であるということ、それから、その主宰をする立場であるということをよく地方公共団体に理解をしていただいて、そういう会議運営を心掛けていただくように、その趣旨の徹底を図っていきたいと思っておるわけであります。  それから、私ども職員が参加をいたしますのは、交通行政を担当しているということもありますし、それから全国のいろいろなこういった事例についての成功例あるいは失敗例についての情報、知見もありますので、そういったものを提供しながら、会議運営がスムーズに効果的に行われるように必要な助言などをしていきたいと、こう考えております。
  17. 藤野公孝

    藤野公孝君 その辺をやはりきっちりとやっていきませんと、ますます、何といいましょうかね、いい方向両方が要するに協働する、コラボレートするということは両方の車がきっちり動かなきゃいけないわけで、両方というのはいわゆるタクシー事業者、それからNPO両方がうまくやっていかなきゃいかぬということの趣旨を、いろんな裏の思惑があって、ただ形式的に決めてやればいいというようなことというのは、これはだれが見てもやっぱりおかしいんだろうと、住民の方もそういう協議会を望んではいないと私は思いますので、その運用方についてよろしくまた、監視とは言いませんけど、きっちりとした形で参画して、責任を持って参画して、参画というか、指導していただきたいと思います。  安全性の問題について大変危惧が持たれております。今まで大きな事故がなかったかどうか、余りないように私は思いますが、しかし、今後どんどんこういうことが増えていきますと、相手が介護を必要な人でありますとかいろんな弱者の方、これから増えてくるわけで、いろんな方を扱わなきゃいけない。それを誠心誠意やっているときでもいろんなトラブルというか事故も、確率論ですから起こりかねない。そういうときに、事前にきっちりとやっぱり安全な資格を持った人がそれに携わるべきだというのは当たり前のことであります。  普通、タクシーバスもそうですけど、二種免許というのはそれなりに、運転技術等々には一種の方よりも二種の方の方が能力があるというふうに認められるわけですが、現在でもこの二種免を原則、人を有償で運ぶ場合には例外許可であれやっておるわけですけれども、求めているわけですが、現在でもその原則、例外で一種免許の方に講習をという形でやってきていますよね。この運用と、今後もっと登録制度を広げていったときに、同じように二種免許原則、しかし例外で一種プラス講習と、こうなっているんです。文字面だけ見りゃ同じことですが、強化するのかどうするのか、同じなのか。その辺のところの運用についてはどうなんですか。これ、二種を求める声も強いんですが、どうなんですか。
  18. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) NPO等ボランティア有償運送も他人を有償で輸送するということでありますから、旅客といいますか運ばれる方の輸送の安全を確保しなければならないという意味ではタクシー事業とそれは同じ面があるわけでありますが、しかしながら、実際の運行の形態といいますか、輸送形態を見ますと、タクシーのように広範に不特定多数の方を運ぶというのともちょっと違いますので、タクシー業と同様の高いレベルの措置を求めるというのは現実的ではなかろうと考えております。  具体的には、今後その辺りは省令等で定めますけれども、運転者の要件については、今、藤野委員お話がありました現在の取扱いと基本的には同じような取扱いを考えておりまして、二種免許を持っていただくということを基本にしたいとは思いますが、それが困難な事情がある場合、一定の講習を受けていただくというようなことで、それに代わる措置を用意をしたいと思っております。  この講習の具体的な中身につきましては、実は平成十六年度にボランティア有償運送を行っておられるNPOの方にも検討に加わっていただきまして、私ども国土交通省で運転協力者テキストというのを作っておりますが、この内容とかカリキュラムを踏まえまして、また講習が容易に受講できるようなことも考慮をしなければいけませんので、関係者とよくこれから相談をして適切な仕組みを導入をしたいと、こう考えているところでございます。
  19. 藤野公孝

    藤野公孝君 今までと同じですよと、今までもきっちりやってきましたということなんでしょうが、ちょっといろいろ数も増えるよと、この講習についてもどこか委託するかですが、ちょっと今の答弁では、気持ちとしては分かるんですが、実態的にそれをこなしていけるという、何か正に制度設計みたいなことというのが何か、もうちょっと答弁願えないですか。
  20. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 抽象的に申し上げましたから今のような印象を持たれたと思いますが、法律に基づく制度でありますから、施行の時期までに二種免許に代わる仕組み、つまり一種免許プラス一定の講習の具体的な中身と、それからどこの講習あるいはどういった講習であればそれを満たすものであるかという要件、そういったものをしっかり決めたいと思っております。  そういう意味では、現在はガイドラインに基づきましてやっておりますけれども、きちっとした制度にしなければいけないと考えているところであります。  それから、申し上げるまでもありませんが、法律上の制度でありますから、輸送の安全について問題が生じた場合には、この法律に基づいて必要な行政上の措置等が講じられるようになっておりますから、そういう事後的な安全確保の体制というのはしっかり整うということだと考えております。
  21. 藤野公孝

    藤野公孝君 これ通告はしていませんけれども、私が三十年前に扱った、さっきは能勢町の話と河合村の話しましたが、もう一つは、自家用自動車の半公共的利用もやらぬと、いわゆる普通の自家用車ですよ、ボランティアNPOとかそういう意味じゃなくて。なかなか実際の足の確保は、もう一番毛細血管の先の方はもうそこまでいかないとできないんじゃないかというようなことの、その三つのプロジェクトを私はやったんですが、その自家用自動車の半公共的使用のための政策の柱になったのが保険なんですけど、例えば保険料、きっちり保険を付けておかないと何かあったときの相手の補償もいけないと。  分厚い手当てができるような保険で、内容でないといけないなということで、それを若干公的なところから支援ができないかというようなこともやったんですが、それに絡んで今聞くんですが、こういうNPOも含めて、保険とかそういうところの充実というようなことについてはどうお考えですか。
  22. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 万一事故が起きたときのその被害者保護、被害者救済といったことはきちっと手当てがなされなければならないと思っておりますので、保険につきましては、私どもが今考えておりますのは、対人八千万、対物二百万の少なくとも保険にきちっと加入をしていただいて、被害者の救済に落ち度がないような制度にしたいと、こう考えております。
  23. 藤野公孝

    藤野公孝君 通告していないで急に質問しましたけれども、本当に、そういうことで八千万、二百万ということで数字も答えていただきましたことを評価いたします。  次に、これも通告はしていませんが、内容的には十分御承知の話でしょうが、いわゆる一般の人ということじゃなくて会員という形にして、形だけ、形だけというか、だから一般ではなくて会員という形にして、正会員、賛助会員というような形にして囲い込んでおって、それで、まずもちろん介護とか福祉という目的にしていて、その他地域住民の方みたいにしてメンバーにして、だから一般のタクシー業じゃありませんよというような形にして募集して、募集というか会員を募集して、タクシーの半額とか言ってやっているような事例があるんですけど、御存じですか。あるいは、御存じであればそれに対してどう対応されたか、お伺いしたいんですが。
  24. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 具体的なケースについて私は承知しておりませんけれども、まあタクシー営業類似行為的なケースが散見されるということは聞いております。
  25. 藤野公孝

    藤野公孝君 後でもいいですけど、ちょっと具体的にここで名前を挙げるとまた議事録に残るからそちらに渡しますので、どう対応するかということについてはまた御議論いただきたいです、対応いただきたいですけども。  私は、今いみじくもおっしゃったように、半分目的に合っていて、半分はもう何か助平ってと言っちゃ言葉が汚いですが、もう地域住民ということでメンバーにしちゃって、会員にしちゃってやるというのは、これは明らかにこれ類似行為でありますね。本来の趣旨から反しています。こういうようなタクシー類似行為というのは、やりたきゃきっちりやってくれりゃいいんで、やってくれりゃいうか、その制度で運んでくれればいいだけのことでありまして、それを一種の免許でまたやるというようなことについて、もしトラブルがあったりいろいろしたときに、ちょっとやっぱり地域にとってもこれは大変問題がある行為だろうと思っております。  そういうことで、福祉関係のない一般の人までも含んで運ぶようなことも、私の聞いたところで、勉強したところではあります。やっぱりこういう違法行為というものに対してきっちりとやっていかないと、今回の本当にすばらしいと私自身思っている崇高な今回の改正も何じゃというふうなことに要するになってしまうなと思うわけですが、この辺の取組についてお伺いしたいと思います。
  26. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、藤野委員お話にありました中で、一般的な地域住民を対象にするというようなことは適当ではないと考えておりまして、具体的に移送、輸送の対象となる会員の方を、そういう必要性のある方を協議会できちっと議論していただいた上で特定していただいて、会員として登録をした上で運んでいただくと、これをお願いをすることに制度的にはなります。  それから、タクシー類似行為につながりかねないという面がありますので、これ従来から、特別の自家用有償運送の許可を受けた表示というのを車体に付けていただいておりましたけれども、今後この法律が成立すれば、登録を受けた旨の車体表示であるとか、あるいは運転者証を車内に掲示していただくとか、あるいは登録証の写しを携行していただくといったことで、類似行為云々の議論が生じないように、しっかり区別ができるようにしたいと考えております。  なお、先ほど申し上げましたように、仮にタクシー営業類似行為的なものがあった場合には、これは当然道路運送法に基づきまして必要な監査、指導、処分といったことは適宜やっていく必要があるかと思っております。
  27. 藤野公孝

    藤野公孝君 白タクの問題でありますとか類似行為の問題でありますとか、いろいろ現実にはいろんな問題に対応しなきゃいけない中で、今回の法改正が少なくともそれを助長するようなことになってはこれはいけないという意味で、あえて申し上げた次第でございます。  大臣にちょっと最後お伺いしたいんですが、大臣もよく言われております、この今後の交通行政の在り方の中で、少子高齢化を迎える、今まで体験したことのないそういう時代に突入すると。そういうことで、交通サービスにおいても、国の幹線であれ地域であれ、これからいろいろそういう少子高齢化に向けたパラダイムシフトといいましょうか、今までの観念と違うまた制度設計が必要になってくる。ソフト、ハード、私それは両方要ると思うわけです。  この委員会でも、前回、前々回かな、いわゆるバリアフリー法の改正なぞは正にその、一概にハードと決め付けちゃいけないかもしれませんが、まあ一つのハードのパラダイムシフト、それから今回のコミュニティーバスなり福祉ボランティア輸送等はソフトの一種の施策への対応と、こういうことだろうと私は思って、こういうのが相まって新たな交通サービス地域でどんどん今後生まれていけばいいなと。その素材も提供される、あとは地元も頑張り、事業者も頑張り、NPOも頑張っていくと、こういうふうなことが必要だと思うんですが。  ただ、福祉輸送に関して申しますと、今後介護、福祉関係ニーズはどんどん増えていくわけでございますが、この福祉タクシー、実は大変な勢いで業界の方も対応して、事業者の数も、もう今車両数も七千台とかぐらいになっているんですか、八千台ぐらいあったかな、増えております。五年前ぐらいから四倍以上になっている。それから、今のNPOの車なんかも増えている。ただ、セダンは別にしまして、いわゆる福祉タクシーの車両そのものが高額といいましょうか、いろいろ付加的な機能が必要でございます。そういう意味で車両は高くなる。それから、いろんな介護のためのスキルを持ってなきゃいかぬということで、運転者の教育とかいうふうなこともお金が掛かるようになる。それから、流しみたいなのと違いますから、待機時間も長くなる。そういうふうな待ちコストも増える。いろんな意味で、通常のタクシーサービスなんかに比べたらうんとこれはコスト、金が掛かるサービスでございますけれども、しかし、一生懸命地域に貢献しようということで頑張る業者も冒頭申しましたようにいるわけで、みんながいい加減なことやっているわけじゃ全然ないわけです。  そういうふうなことも含めまして、今後国も頑張んなさいだけじゃちょっとやっぱりこれいかぬのじゃないかと思うわけで、こういう地域の足、特に福祉の問題について取り組む事業者なりあるいは関係団体に対して、国もいろいろ支援していくべきじゃないかと思うんですが、財政いろいろ厳しい中で、大臣福祉における交通政策及びこの福祉タクシーに対する支援策というものについて、今の、まあ何といいますか、大臣のお気持ちなり御方針を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
  28. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) 藤野委員はこの法案の趣旨をよくよくもう御承知でございまして、藤野委員に申し上げるところはないわけでございますけれども、やはり本格的な高齢社会がいよいよこれからやってまいります。そういう中に当たって、交通政策においても、これから到来する、世界でも類例を見ないこの高齢社会に適合した交通政策を作っていかねばならない大きな転換点に来ているというふうに考えております。この法案を提出をさせていただいた趣旨もそこにございます。  高齢者がどんどん増えてくるということは、なかなか単独では公共交通機関を利用することが困難な方々がこれから増えてくるということだと思うんですね。しかし、そうした方々の社会活動をしっかり保障していくといいますか、確保していくといいますか、そのことによってまた活性化につながってくるわけでございまして、そういう意味で、そうしたお一人ではなかなか移動することが困難な、また公共交通機関を利用することが困難な方々をいかにドア・ツー・ドアで移動をしていただけるようなシステムをどうつくっていくのか、社会的に。これは非常に重要な政策課題であるというふうに認識をしているところでございます。  福祉タクシーにおきましてもその一環です。まさしくもうドア・ツー・ドアで自宅から目的地へ送っていただけるわけでございまして、この福祉タクシーについて更に普及がされていくように、国といたしましてもしっかり取組をさせていただきたいというふうに思っております。  これまでも、例えばこういう要介護者や身体障害者のような方々の輸送に限定したタクシー事業者につきましては、軽福祉車両の使用を可能とする等の許認可の弾力的な運用も行ってまいりましたし、税制上の優遇措置もとってきたところでございますが、そうした取組によりまして、今年の一月末現在で事業者の数は五千二百九十七事業者、車両の数は八千八百二十九車両ということに着実に発展をしてきております。  ただ、これからの高齢社会、急増する高齢者の方々を考えたときには、この台数ではいかんともし難いところもあるわけでございまして、今、藤野委員がおっしゃったように、これ、そういう車いす利用者に対応した車両となりますと、リフト付き車両だとかスロープ付きの車両だとか、価格が一般の自動車に比べまして高価であります。そうした理由等によりまして、なかなかこの急増する需要に対して対応できないと、対応し切れていないというのが今の現状であるというふうに認識をしております。  今年度の予算におきまして福祉輸送普及促進モデル事業というものを創設をさせていただきました。これは福祉タクシーだけではございません。ございませんが、この福祉輸送普及促進モデル事業というものを創設をいたしまして、福祉輸送に対して先進的な取組を実施しております地域福祉輸送普及促進モデル地域として認定をいたしまして、その地域における、例えば共同配車センターの設立とか、それから福祉車両の導入に対して地方公共団体と一緒になって支援をしていく制度の創設をさせていただいたところでございます。さらに、政府系金融機関による低利の融資制度の創設だとか、さらには、これはまあ以前からやっておりましたが、税制上の優遇措置でございます特別償却制度、法人税ですね、特別償却制度の適用期限の延長も決めさせていただいたところでございます。  国土交通省といたしましては、より一層福祉輸送充実が図られるよう取組をさせていただきたいと考えております。
  29. 藤野公孝

    藤野公孝君 どうも御答弁ありがとうございます。よろしくお願いいたします。質問を終わります。
  30. 西田実仁

    ○西田実仁君 おはようございます。公明党の西田実仁でございます。  本日は、この道路運送法等の一部改正法律案につきまして、特に大きく二つの観点でお聞きしたいと思います。一つは、地域交通の利便性、また安全性の向上という大きな柱、そしてもう一つは安全な車社会という二つ目の柱につきまして、先ほど来藤野先生からもいろいろともうお話がございました。重複するところがもしかしたらあるかもしれませんが、なるべくしないような形で御質問させていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。  まず、一番目の柱の地域交通の利便性、安全性の向上ということでございますけれども、これは先般、この委員会でも審議をいたしました交通バリアフリー法、またハートビル法を合体させた新しいバリアフリー法におきましても、実は市町村が高齢者や障害者等が生活上利用する施設を含む地区について基本構想を定めるということが法定化をされました。市町村におけるそうした協議会というものが大変重要な位置付けとして、基本構想を策定する重要な位置付けがなされたわけであります。そして、今回この道路運送法改正におきましても、従来からございますが、福祉有償運送に関しまして運営協議会というのが市町村を単位として存在しているわけであります。  全体として、先ほど大臣お話もございましたが、高齢社会に突入していくというこういう時代の流れの中で大変重要な今法案を審議しているわけでございまして、先ほど来審議をしました基本構想を定める市町村における協議会、バリアフリー法における協議会福祉有償運送における市町村を基本として設置されている運営協議会、この両者の関係も、いずれにしても受皿は市町村なわけでありまして、この関係はどのような形になるのか。  また、私の意見としては、やはり当然のことながら、これは高齢社会に向けた一つ地域社会の在り方を考えていく協議会として大変重要な位置付けがなされておりますので、より連携をしていかなければならないと思っているわけでございまして、この関係性及び連携ということを促していく国としての施策、これをまずお聞きしたいと思います。
  31. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、西田委員からお話がありましたように、バリアフリー法で設けられます協議会、それから今度の道路運送法の方で設置されます協議会、これいずれも安全、安心な社会を構築していくと。道路運送法の方は輸送でございますけれども、バリアフリー法も輸送の話も入っておりますから、そういう意味では安全、安心な社会の構築あるいは福祉輸送普及促進という目的において共有する部分がかなりあるというふうに考えております。  そういう意味では、双方の協議会につきまして、例えば構成員とかあるいは会議運営、議論の進め方などを含めて緊密な連携を図るという委員の御指摘のところは私どもも極めて重要、有用なことだと考えておりますので、今後、市町村からのいろいろ相談に応じながら、適切な助言などを通じまして両者の連携が深まりまして、効果的にそれぞれの施策が推進されるように持っていきたいと、このように考えております。
  32. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非それはよろしくお願いいたしたいと思います。  福祉有償運送の運営協議会について次にお聞きしたいと思いますが、これはいただいた資料で一月現在ですと、今のガイドラインの枠組みの中で、平成十五年度が全国で十地域、十六年度は二十二地域、そして十七年度一月現在、今年一月現在ですけれども、二百十二地域ということで、その後、二月、三月とかなり増えているというふうにもお聞きしておりますが、地域にこの運営協議会設置をされてきている。基本的には市町村が単位、中には、私地元は埼玉でございますが、埼玉は県が主導をして各ブロックごとにこの運営協議会というものを組成しているということであります。とはいいながら、まだなかなかこの運営協議会自体の立ち上げが進んでいないという現状もあるやに聞いておりまして、ここにつきましては今後更にこの運営協議会が大事な役割を果たしていくということであります。  ここでお聞きしたいことは、なかなか市町村がいろんな事情から協議会そのものの設置にやや腰が引けているというか消極的な場合ももしかしてあるかもしれない。その場合に、例えば県とかがリーダーシップを発揮してこの協議会設置していく、あるいは調整をしていく、そうしたことも私は必要ではないかと地元の埼玉を見ていて思うわけでございまして、こうした県のリーダーシップが発揮できるような促しを国としてもどう考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
  33. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、現在の運営協議会につきましては、必ずしも委員おっしゃったとおり設置が十分進んでいないという面があると私どもも認識しております、かなり進みつつありますが。今回、法律上の制度にきちっとなるわけでありますから、この機会に是非、地方公共団体の更なる理解、それから協力、具体的な取組というのを求めていきたいと考えております。  今お話がありました県のリーダーシップ、役割関係でありますが、一つ市町村が基本であると考えておりますけれども、ただ、経済圏、交通圏など、地域の実情によって複数の市町村主体になるとか、あるいは県がもう自ら主体になるというようなことも決して排除しているわけじゃありませんので、それは地域の実情でそういう選択があると思います。  あるいは、市町村が単独でやろうとする場合になかなか立ち上げが難しいと、あるいはノウハウ、理解その他が不十分だという場合に、都道府県がやはり適切なリーダーシップを取っていただいて指導、助言を市町村に対してしていただくということは私ども非常に重要だと思っておりますから、そういうことも都道府県に配慮していただくように国としても必要な努力をしていきたいと思っておりますし、私ども自身は、協議会関係職員を参加させることにいたしまして、適切な運営その他できる限りの努力はしたいと考えております。
  34. 西田実仁

    ○西田実仁君 この運営協議会につきましては、先ほど藤野先生からもお話ございましたが、実際に既にいろんなそういうサービスを、輸送サービスをされているボランティアの方々を始め、もちろんタクシー事業者の方、様々な利害関係者地域でそのニーズをくみ上げていく、供給をしていく、そういうあらゆる主体がしっかりと加わって話をするということが必要であり、そのことを要望しておきたいと思います。  今回のこの道路運送法改正で、いわゆるこの輸送サービス公共交通機関も含めまして、私の理解ではやはり三つの大体サービス供給主体になってくるのかなというふうに理解をしております。  一つは、やはりタクシー業者を始めとした、営利を目的として、正にプロフェッショナルの方々でございます。そして二つ目に、今回きちっと登録をしていただいて、福祉有償運送をしていただく方々、そしてそれのみならず、その中に私はやはり助け合い事業というか、地域の、ある意味で限られた地域においてお互いに助け合って輸送サービスを行っていく、こういう主体もある。私はこの三つというふうに考えなければならないんじゃないかというふうに思っているわけですね。  いわゆる福祉有償運送と言って一くくりに全部するのではなくて、それは登録をするところも必要ですし、正に助け合いでやっているところも必要だ。実は私の父もかつて今の三つ目の助け合いの方で運転をしていることがありまして、そういう意味地域でそうしたニーズが大変に根強くなっているし、また増えてきているという実感も持っております。  そこで、大臣にお聞きしたいと思います。いわゆるこの有償性の範囲ということにつきまして、有償性の判断ということにつきましてお聞きしたいと思っております。  この本改正案におきまして、有償運送として対象とする範囲はどうなのか。例えば、キロ三十とか五十円とか、こういうガソリン代の程度の謝礼金もらっているような団体の活動もいわゆる登録を義務付けるようなそうした団体になってしまうのか、それとも私が今申し上げたような、ある面で三つの構造というか層というか、三つ目のサービス供給主体として、その登録とはまた違うというふうに考えるのか。この有償性の判断ということにつきまして、是非大臣のお考え方をお示しいただきたいと思います。
  35. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) 三つの類型を示していただきましたが、私も同様の認識をしております。タクシー事業者等々の従来の公共交通事業者の方々が行う福祉輸送と、今回法律できちんと制度化をさせていただきましたNPO等によるボランティア有償運送事業と、そして三番目に、そこにも入らない、逆に言いますと、登録をしなくてもいい、この法律が成立しましても登録の不要なそうした、委員のおっしゃる言葉で言いますと、助け合いによる福祉輸送、この三つの類型に分かれてくるんだろうというふうに私も理解をしているところでございます。  そういう意味では、この登録が必要なのかどうかと。また、登録をしていただいて、一方では、これは多くの利用者の方々、高齢者、障害者の方々を運送するわけでございますので、これ安全、安心を確保していく必要がありますし、万が一事故等があった場合にはきちんと措置ができるように、補償措置ができるような対応もしていただく必要がありますし、そうした様々な要件が、登録をしていただいてボランティア有償運送というふうになりましたら、そうした要件が出てくるわけですね。そういう意味で、本当にその登録が必要なのか、登録を必要とするかどうかの基準になるわけでございまして、そこは非常に大事なところであるというふうに私どもも認識をしているところでございます。  ここの基準なんです。有償とは何なのかという基準でございますけれども、従来より、言葉で言いますと、社会観念上、行為に対する任意の謝礼としての意味にとどまる金銭の授受が行われたにすぎない場合は有償による輸送とは解されないというふうにしているところでございます。  いずれにせよ、この有償性の判断というのは、これ個別具体的な事例に即して行う必要があるというふうに思いますが、しかしやはりその基準はある程度明確にしないと現場で混乱が起こってくる可能性もありますので、やはりそこは制度運用に当たりまして、よく現在の実態も踏まえつつ、また目的は、これからの高齢社会を考えてやはりできるだけ自由に移動ができるようにしていきましょうというところに趣旨があるわけですから、そこに阻害にならないようにしていかないといけないというふうに思っておりまして、現場で決して混乱することがないよう、実態を踏まえつつ、今後、この法律を通していただきましたならば、省令、さらには通達ということで具体的な基準をより明確に決めていくことになりますので、今私が申し上げた趣旨によくのっとって基準を定めさせていただきたいと考えているところでございます。
  36. 西田実仁

    ○西田実仁君 今、基本的な考え方を大臣から示していただきました。正に今までも、このガイドラインで示されてきているその現状ですね、有償による輸送とみなすかみなさないかという、既にもう今も運用されているわけでございます。法律改正によってそこから逸脱するようなことが基本的にはないと、現状を踏まえてというお話もございました。是非、そうした運用、また現場で混乱が起きないようなしっかりとした基準、これにつきましても、現状を踏まえて、またそうした関係の方々からのいろんな御意見も踏まえて判断をしていただきたいと、こういうふうに思います。  今あわせて大臣からもお話ありましたし、先ほども藤野先生からお話ありました運転者に対する安全運転教育ということにつきましてお聞きしたいと思います。  この安全運転教育につきましては、一定の基準をクリアした講習を実施できる主体が行う講習の受講等ということが言われているわけであります。先ほどもそういう御説明がありました。この一定の基準をクリアした講習という、テキストというか何というんですか、そういう一つのソフトですけれども、これは国交省が認定あるいは認証とかを与えるものなんでしょうか、お聞きしたいと思います。
  37. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) これは、これから省令、通達などを定めるときに決めていく話でありますが、やはり二種免許を原則としつつ、一種免許プラス講習でそれを代替するということでありますから、輸送の安全を確保するという観点で適切な内容と認められるものであるかということを確保しなければいけないと思います。それを一々認定をするというような仕組みで確保するのかどうかはちょっと、これから一番、制度趣旨、目的に照らして適切な仕組みを考えていきたいと思っております。
  38. 西田実仁

    ○西田実仁君 そうすると、今既にNPOとかで安全運転教育を実施しているところもございまして、そうしたところもその内容が一定の基準をクリアした講習ということで、どういう形で認めるのか分かりませんが、認められればそれも引き続きできると、こう考えてよろしいんでしょうか。
  39. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 結局、要素として、講習の内容とだれが主体として行う講習であるのかという二つの要素が大きいのかなと思いますが、これをどう設定するかと、制度化するかというのをこれから詳細に検討していきますし、そのときに、現状であるとか今後どうあるべきかということについて関係者意見、それからこれまでの検討結果、昨年来のずっと委員会で議論してきた結論と、そういったものを踏まえて決めていきたいと考えております。
  40. 西田実仁

    ○西田実仁君 今その内容と講師の話がございましたが、地域によっては、なかなか教える側の講師の人がもしかしたら見付からない場合もあるかもしれない。こうしたときに、それがゆえになかなかこのサービスが始められないということがあってもいけないし、あるいは今までやってきているのにできなくなってしまうというのも、これはいかがなものか、こう思うわけであります。  そうした講師を、地域によって必要とあらばですけれども、無理矢理押し付けるというのではなくて、そういう必要があればそれを派遣するような体制というんでしょうか、そういうことはどうお考えになっているんでしょうか。
  41. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 先ほどの大臣答弁にもありましたように、今回の制度改正といいますか法律改正趣旨が、現在行われているようなボランティア有償運送サービスであるとか、あるいはこれからニーズが急増するそういったものにきちっとこたえていくという方向で考えていきますので、一定の講習の内容と、それから講習が容易に受講できるのかどうかということをやっぱり併せて実現しなければいけませんので、今、西田委員からお話があったようなことがそれに適当であるのかどうかということも含めて、要するに実効性のある、使い勝手のいい、かつ中身がきちっとした講習の体制を考えていきたいと思います。
  42. 西田実仁

    ○西田実仁君 次に、福祉輸送モデル事業についてお聞きしたいと思います。  これにつきましては、先ほど大臣お話もございましたが、共同配車センター等の初期投資、初期コストを支援するという基本的には枠組みだと思います。例えば大阪の枚方市で、これは国の補助金をもらっていませんけれども、実際に共同配車センターが実施されている。  それぞれ地域の、いずれにしても、輸送サービスを求めるニーズというものにどうこたえていくのかというところで、いろんな主体、先ほどの私の説明であれば、三つの層というか三つの主体が、供給主体がそれぞれの役割をその地域で果たしていくということがその地域におけるニーズ輸送サービスニーズに対してこたえていくということになるわけで、そのときに、この共同配車センターという在り方というのは、非常に実務のところで私は大事だと思っております。お互いの理念的な利害だけぶつけ合って何も事が進まないということではなくて、そうではなくて、実際にこの共同配車センターを通じて地域ニーズにこたえていく、こういうことが私は大変大事だと思っているわけですけれども、この場合に、この福祉輸送モデル事業は基本的にハードに対する支援のみとなっております。  しかしながら、この共同配車センター等では、やはりコーディネーターと言われるようなソフトの役割というのも大変大きいと思っておりまして、これは、今すぐにこのモデル事業の枠組みを変えるわけにはもちろんいきませんが、今後の課題として、こうしたハードのみならずソフトに対する支援、これも検討すべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  43. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 西田委員御指摘のように、この種の事業が共同配車センターも含めてうまくいくかどうかというのは、これからいろいろな試行錯誤のプロセスもあるかもしれませんが、コーディネーターのような役割を果たせる人がいれば、それは極めて有用だと思います。  このモデル事業につきましては、十八年度、今年度予算で初めて制度化したものでありますから、現在はハードの整備に対する補助ということでありますが、今後の検討課題として、そういったソフトについての扱いをどうするかというのは勉強していく必要があろうと考えております。
  44. 西田実仁

    ○西田実仁君 次に、この今回の道路運送法改正そのもの、直接ではないんですが、テーマとしているところを共通にすることで、移動の制約がある方に対する一つ制度ということで、障害者等の有料道路の割引制度について二つほどお聞きしたいと思います。  今日、お忙しい中ありがとうございました。  現状はもう既に承知しておりますので、二つほどちょっとお聞きしたいと思います。  一つは、障害者のノーマライゼーションを確保するという意味から、今、有料道路の割引制度、障害者について特に設けられております。ただ、例えば介護者運転の場合ですね、介護者が運転する場合、本人ではなくて介護者が運転する場合、これは、今、登録された自動車は一台のみが許されているということであります。  しかし、実態的には、例えば、私もお聞きしましたけれども、御家族や親族で介護をされている場合とか、必ずしもその一台の車だけで使っているわけではなくて、時に応じて何台も使っているケースもある。しかし、余りそれをのべつ幕なし認めると不正も起きるという心配も分かります。ただ、一台というのは、本当に限定しているのは、もう一台どうなのかというのも何か変な質問ですけれども、そういう、もうちょっと柔軟に考えられないのかというのが一点。  そしてもう一つは、精神障害者の方々の割引制度が今除外されているわけでありまして、これは障害者自立支援法でもすべての障害をお持ちの方に対するノーマライゼーションということがもう当然のこととされている今日でございまして、この精神障害者の方々も対象に含める検討を、既にされているとは思いますが、もっと急ぐべきではないかと。  この二点についてお答えいただきたいと思います。
  45. 青野捷人

    参考人青野捷人君) 有料道路における障害者割引制度は、通勤、通学、通院等の日常生活において自家用車を御利用されている障害者の方の社会的自立を支援するため、建設省道路局長及び運輸省自動車交通局長通達を踏まえて、昭和五十四年に導入されたものでございます。現在においては、全国の有料道路事業者が申し合わせの上、全国で統一的に実施させていただいているところでございます。  当該割引の対象となる自動車の範囲につきましては、障害者の方が自立した日常生活を営む上で通常必要と考えられる御利用を対象とし、障害者御本人又は御親族等の方が所有される自家用車一台を対象としているところでございます。当該割引に伴う減収分につきましては他のお客様が御負担することになりますので、割引の対象となる自動車の範囲については、他のお客様の御理解を得られるものとする必要があるというふうに考えておりまして、現在のところ一台というふうに範囲を指定させていただいております。  また……
  46. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) よろしいですか。
  47. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) まだ答弁続いていますから。  どうぞ。
  48. 青野捷人

    参考人青野捷人君) 精神障害者につきましては、道路局長の方からが適当かと思います。
  49. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えします。私の方から精神障害者の件についてお答えさせていただきたいと思います。  有料道路の障害者割引につきましては、制度創設以来いろいろ制度の改善に努めさせてきていただいておりますが、精神障害者につきましては現在のところその対象とされておらない状況にございます。精神障害者への割引適用の拡大につきましては、精神障害者の方々に対する社会進出を支援すべきという世論があることなどから、これまでもすべての有料道路事業者に対し、精神障害者の実情を把握しつつ、その適用方法等を含めて検討がなされるよう理解と協力を求めさせてきていただいているところでございます。  障害者割引の適用に関しましては、現在、精神障害者保健福祉手帳に写真の貼付がなく、料金所における本人確認をどうするかなどの課題があるということでございますが、委員の御指摘をいただきましたので、会社等の自主性、健全な経営という中ではありますが、有料道路事業者に対し、割引制度充実が図られるよう改めて働き掛けさせていただきたいと考えているところでございます。
  50. 西田実仁

    ○西田実仁君 いろいろと本人確認の問題があることはよく承知しておりますが、こういう時代ですし、本人確認をするためには別に写真だけじゃなくて、いろいろやり方は多分工夫すればあるんじゃないかと思いますので、是非御検討を急いでいただきたいと思います。  残されましたあと六分、七分ぐらいですが、二つ目の大きな柱、それで今回の道路運送法等の一部改正法律案にも含まれておりますこの安全な車社会ということにつきまして、二点ほどお聞きしたいと思います。  一つは、今回の法律改正におきまして、二輪の小型自動車の車検の有効期間、これが初回に限ってですけれども、二年から三年に延長をされるということでありますし、同時に、省令改正によりまして、六か月点検もこれまでございましたが、これが廃止される、一年になるということであります。  ここで私は大きなテーマとしてお聞きしたいんですが、こうしたいろんな規制緩和の流れというのは、あるいは車検の初回の延長という流れはよく踏まえているわけでございますが、こうした規制緩和の流れと同時に、当然これは自己責任ということも伴っていかなければいけないというふうに思っております。点検等がなされなくて整備が不備のために事故が起きてしまってはいけないと、こういうことであります。  ここで今日はお聞きしたいのは、この定期点検整備がちゃんとなされているかどうか、つまり自己責任が果たされているかどうかということについて勧告する制度というのが実はあるわけですね。道路運送車両法ですけれども、五十四条の第一項でそういう整備を命ずることができるとの規定があり、かつ同条第四項では定期点検整備の実施を勧告できるというふうになっております。平成十三年度以来、実際に勧告をされた事例というのはどのぐらいあるのか、その推移をちょっとお話しいただきたいと思います。
  51. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、西田委員から御指摘がありました勧告制度でありますが、各年ごとに実績を申し上げますと、平成十三年度全国で二件、平成十四年度一件、平成十五年度は実績ありませんで、十六年度一件、十七年度が五十一件ということになっております。  これ、十七年度から急増しておりますのは、昨年の十二月に、今正に西田委員から御指摘がありました同じ問題意識でありますけれども、この法律制度をつくっておきながらこれが有効に実施されていなかったという私どもの反省がありまして、昨年の暮れからこの制度を活用するべく地方のそれぞれの部局に指示をいたしまして、その結果が今申し上げましたように十七年度五十一件と出てきておりますので、十八年度からは通年になりますからもっと大きな実績が出ると思いますし、こういう制度を十分使っていきたいと考えております。
  52. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非そうした、両輪ですね、規制緩和とまた自己責任でしっかり点検をしていくということを促すことも大事だと思っております。  最後に、前回も一般質問のときにさせていただきましたが、事故破損車両の安全確保という観点から、車体修理の品質保証につきましてお聞きしたいと思います。  この車体修理に関しましては、車体修理記録簿というのが実際にございます。しかしながら、これはほとんど手書きとかで対応しておりまして、顧客にこの結果とかデータを書面で合理的に示すことがなかなかできていないというのが現状ではないかと思っております。  しかし、この日本自動車車体整備協同組合連合会というのがあるようですけれども、この協同組合では車体修理記録簿というひな形を作っておられまして、さらに加えて、顧客に対する修理保証書ということも発行をしているわけであります。しかし、その活用実態を国交省さんにもお調べいただきまして知りましたところ、かなり都道府県によってばらばらというか、具体的な数字をもう時間がないんで申し上げますが、平成十二年から平成十七年度末までの活用累計、こうしたひな形の活用累計は、例えば東京はそうした車体修理の事業者の方が多いと思われますが、東京はこの活用事例が三百五十しかないのに対して神奈川は一万二千六百二十五、私の地元埼玉は四千百十と、かなり、せっかくあるひな形でありますけれども都道府県で随分扱いが違うと、普及度が違うというふうに思います。これは組合員の会員数の問題もあるのかもしれませんけれども。  ここでお聞きしたいことは、前回もお答えいただきましたが、事故損傷車両の終了後に車体がゆがんで大事故になったケースはほとんどないということであります。しかし、ないから、じゃほっといていいのかというと、そういうことでもないと思います。その車体修理技術が本当に確かなのかについて、事故が起きてからそれが証明されるというのはこれあってはならないことでありますし、予防的対応ということが今大事になってきているわけでありますので、ユーザーの不安を解消して、またこの車体修理の品質を保証していくという目的に照らせば、こうした車体修理記録簿とかあるいは修理保証書、こうしたものの普及に国としてももっと努めていくべきではないかというふうに私は思いますが、御見解をお聞きしたいと思います。
  53. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、西田委員から御指摘がありました件は、実は平成八年度に、この車体整備の問題を関係者交えて国土交通省でいろいろ検討いたしましてその報告をまとめたときに、言わば修理記録をユーザーに情報提供をし、かつ修理保証書を作成することによって品質保証を図ろうということで、望ましい取組という方向を出していたわけでありますけれども現状が残念ながらばらつきがあるということであります。  私ども、こういう取組は非常に意味があると思っておりまして、もっと広く活用していただく必要があると思っておりますが、ちょっと現状が御指摘のようにばらつきがありますので、関係者から、どうして非常に利用されているところと利用されていないところがあるのか、どこに問題があるのかというのをよくちょっと話を聞きまして、利用促進普及が進むように取組をしてみたいと考えております。
  54. 西田実仁

    ○西田実仁君 目的は安全な車社会という、今回の道路運送法改正の二つ目の大きな柱がこの安全な車社会ということでありますので、その目的に照らして必要な施策はしっかりと打っていただきたいと思います。  以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
  55. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。    午前十一時二十分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会
  56. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、道路運送法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  57. 田名部匡省

    田名部匡省君 田名部匡省でございます。  大臣にいろいろとお伺いしたいと思うことあるんですが、まず、この国の税の在り方が非常に偏っているんですね。自動車税、もう極めて複雑で、前にも私はこれ質問したことあるんですけどね、取得する段階で消費税、自動車取得税、保有段階で自動車税、軽自動車税、自動車重量税、走行段階で揮発油税、軽油引取税、石油ガス税、地方道路税、そして消費税と、これ二重課税になっているんですよね。  国際的に見ると、アメリカが大体十八万円、ドイツが四十二万、フランスが四十六万、これ国際関係の自動車税ですよ、イギリスが五十七万、日本が七十万なんですよ。それで新たに環境税をやろうかと、こういうことになってきますと、これはもう二重課税もいいとこ、抜本的に税のことを見直さないと、これだんだんおかしくなってくると、こう私は思っておるんです。  道路整備以外にもじゃ使っていないのかというと、これがまた駅前の広場とか地下鉄に使ってみたりとか。ですから、何のために税金を払っているのかということを考えると、本当にこの税の問題からしっかりしていかないと、暫定税率だって四半世紀以上にわたって税率、本則の二、三倍近くにも及んでいるんじゃないですか。そういうことを、やっぱり税の方をしっかり国会でやった上で、負担というものはどうあるべきかということを私はやっていかないと、これは本当に地方と都会の格差も開いてきますしね。  この法案だって、道路運送法道路運送車両法等を一括して改正すると、こういうことで様々の内容改正に一くくりにされておるんですよ。もう非常に分かりにくい法案ですよ、これ。私も一生懸命見たけどね、これ何が何やらさっぱり分からない。これは国民の皆さん見たって、何をしようとしているのかというのは分からぬと思いますよ。これについて、大臣、どう思いますか。
  58. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) 前段の道路特定財源、道路についての、車にかかわる様々な課税についてのお話でございますが、今ちょうどこの道路特定財源について見直しをするということでまさしく議論をしているところでございます。  おっしゃっているとおり、税金というのは国民の皆様が、納税者の方々が納めていただいているわけでございまして、その納税者の方々のやはり理解を得るということがもう大前提であるというふうに思っております。そういう意味で、道路特定財源の見直しの論議、これから本格的に始まってまいりますが、その見直しにつきましては、どういう方向に行こうと、そこはやはり納税者の理解をしっかり得るということを踏まえて論議を進めさせていただきたいと思っているところでございます。  ちなみに、道路整備につきましてはこれまで五か年計画でずっとやってきているわけでございますけれども平成十五年から五か年計画。その際に、これから五か年で道路整備がこれだけ必要、ついてはこれだけのお金が要る、だから暫定税率をお願いしないといけないということで、暫定税率を今委員のおっしゃったように二倍前後でそれぞれ定めさせていただいているわけでございます。  これまでのところ、納税していただいているこの道路財源につきましては、五か年計画の中で見ましたら道路整備に使っているところでございまして、やはり納税者の受益と負担という関係の中で自動車のユーザーの方々に様々な税金を負担をしていただいているわけでございまして、そこのところをよく踏まえて今後の論議をしていかねばならないと考えているところでございます。
  59. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 私の方から、法案がいろんな中身のものをごちゃごちゃと複数の法案をまとめて出して分かりにくいという御指摘がありましたので、ちょっとその点につきまして御説明をさせていただきますが、この法案については、大きな法律のねらいのところと、それから具体的な法律の中身のところで一連の関連性があると考えて提出をさせていただきました。  大きなねらいと申しますのは、自動車交通政策の関係法律でございますけれども、やはり自動車が七千九百万台を超えたと、もう近々八千万台になるという時代になっているという中で、自動車をいかに安全に使うか、あるいは自動車の利便性をいかに世の中に波及させるかというのが結局私どもの行政の突き詰めるところかなと思っております。  で、安全の方は、要は、リコール隠しの問題などで出てきておりますような、自動車そのものの安全性が損なわれかねない事態が生じていること、あるいは輸送の安全というものも揺らぎつつあるという問題があります。  もう一つは、せっかく自動車が七千九百万台を超えているにもかかわらず、自動車を利用できない、あるいは利用がなかなか困難な方が少子高齢化あるいは過疎化の進展の中で急増しつつあるという、こういう事態にいかに対応するかという二つの大きな課題の中で、現在法律的に対応すべきものを整理をしてこの国会で御審議いただいているという意味で、一つの法案にさせていただいたということでございます。
  60. 田名部匡省

    田名部匡省君 私はいつも言うんですけどね、地域の実情に応じてって、僕はもう事あるごとに言っているんですよ。  大都市と我々のような青森県の方とは、あるいは北海道だ、岩手、秋田、東北は仙台除くと大体似たようなものですよ、違うんですよ、皆それぞれ。雪の降るところもあれば降らないところもあるでしょう。それをここで、国会で法律決めてぱあっと全国やったって、対応できるわけがない。だから、私はいつも言うのは、地域の実情に応じて、まあ大体の骨子はこういうことだというのはまとめても、あとは地方に任せるというやり方しないと。だから、私は昔から道州制にしなさいと言っているのはそれなんです。どうも本当にここに伝わるような政策が農業にしても何にしても伝わってってないですよ、地方には。だから、そういうことを考えると、基本的な枠組みのところはこっちでやっても、あとはそっちに任せないと。  私の方だって今合併がどんどん進みまして、隣の南郷村なんというのはまあすごい山の中なんですから。民間のバスがそこへ行っているんですよ。そうすると、今度、市に合併すると市営バスも行くのかと。民間のバス会社がもう既に赤字ですから、市内のいいところは市営バスが走っているんだ。三戸郡とか町、村は民間のバスがやっていると。その市のバスでさえも赤字なんです。そこで、相当市としても人員を百人ぐらい削減しようというんですから、市営バス。  ここで、市営バス状況を聞きましたら、平成十七年度の乗り合い輸送実績は八百三十二万人だと。自家用車の普及や少子化の進展、さっきも言いましたが、十年前の六割まで市営バスが落ちちゃったんですよ。それで、厳しい経営環境にあって、十億六千万赤字を出しているんですよ。しかも、七十歳以上は無料のパス券を出しているものですから、若い人はもう自家用でしょう、お年寄りの免許持たない、運転できない人たちは利用している。赤字を出すんですよ。その赤字はだれが負担するかというと市民が負担するわけですよね、使わない人たちも。  大臣、この間も、私はあのときに、姉歯のマンションのときに言いましたけど、やっぱり自己責任だってあのときも言ったんですよ。それを、入っている人がかわいそうだから、出ていくのにあれ、一軒当たり幾ら補償しました、何億か出しましたよね。おかしいじゃないかと私は言った。長屋に住んでいる人、働いて税金納めている人たちも、その金で出る人たちに負担するというのはかわいそうだと思うけれども。ですから、問題を起こした責任をまずきちっとして、取るものは取って、その不足分を補てんするというならまあやむを得ないかなと思って見ておったんですが、このバス事業にしてももう差があり過ぎますから、そういうところをどうやってやるかと。  私も、あの団体人たち、運送会社の人たちに皆会いました。それから市も行って会っていろいろ聞いた。なかなか難しいですよ。もうよほど、これ協議会をつくるようでありますから、その地域地域でまとまったものを国が認めるというふうにしないと、山のあるところもないところも、もう本当に不便なところもある、様々な条件あります。そういうふうにしてやったらまあうまくいくのかなと、こう思っておるんですが、私の考え間違っていますか、どうですか。
  61. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 田名部先生のおっしゃる線の法律を提案させていただいているつもりでございます。  国は大きな枠組みを定めまして方向法律の中で示しつつ、具体的な地域の中でどういう輸送システム主体サービス内容その他を選択するかは地方の関係者協議をして、よく相談をしていただいて選択していただくと。それを国は尊重して必要な支援はしていくという考え方で提案させていただいているものでございます。
  62. 田名部匡省

    田名部匡省君 それを聞いて安心しましたので。  それから、コミュニティーバス乗り合いタクシーについては利用者ニーズの把握が十分でないと思うんです。地方公共団体主体性がないなどうまくいかない事例も見られるということで、導入に当たっては既存バスネットワークとの連携など地域交通全体について考える必要があると思うんです。キーパーソンとなる人材の育成を図る必要があると考えておりますが、これ、地方にはそんな専門家いませんから、そういう人がいないと、今度ここごちゃごちゃになっちゃいますので、このことについてはどうお考えですか。
  63. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) コミュニティーバスの問題もそうでありますし、今回の輸送の問題は基本的に共通しておりますが、やっぱり計画段階からそれぞれの地域関係者輸送ニーズをきちっと把握する、あるいは具体的にどういう仕組みでどういうサービスを提供すればきちっと評価されて、かつ継続的に事業が続けられるかということについてよく相談をしていかないと、全国の例を見ますと、うまくいくものもありますけれども、うまくいかないものがあるということでございます。  その際に、いろいろ検討する過程で、地域交通の問題であるとか、事業の運営その他について、経験とか知見をよく持っておられる方が中心的な役割を果たす場合は往々にして非常にうまく物事が進むケースが多いんですけれども、残念ながら、全国の実態を見ますと、先生おっしゃるとおりそういうキーパーソンの方がたくさんおられるという状況にはないのではないかと思っております。  そういう意味で、これから各地域でいろいろ検討していただくに当たりまして、私どもの出先の体制も必ずしも十分かどうかということはありますが、可能な限り私どもで持っております経験とか知見とか情報を提供させていただいて、それを協議の過程で生かしていただくとか、あるいは、これから各地でこういう検討、取組が進む過程で、どうやってキーパーソンあるいはリーダーとなるような人を育成していくのかということについても少し考えながら進めていきたいと、そのように考えております。
  64. 田名部匡省

    田名部匡省君 市町村NPO等によるボランティア有償運送は、需要に対して供給がほとんど追い付いていない状況にあると思うんですね。今回の制度改正によってこうした需要に対応できるというふうにお考えですか。
  65. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) NPOによりますボランティア有償運送につきましては、先ほど来の議論でも出ておりますように、やはり急速な少子高齢化等を背景にしまして、輸送ニーズというのは急増しているというふうに認識しております。それに対してタクシー事業者がいろいろな努力をして、供給力の拡大、サービスの多様化など取り組んでいただいておりますけれども、残念ながら、実態としては十分対応できていないために、やはり自家用自動車を活用した仕組みというのをきちっと手当てしていかないと社会的に問題が拡大しかねないというふうに考えております。  そういう意味で、今回の法律の中できちっとその仕組みを位置付けて、これにのっとって安定的、健全にサービスの提供を普及していきたいということと、国は、併せて財政上の支援措置などの充実に努めて普及促進していきたいと、このように考えておるところでございます。
  66. 田名部匡省

    田名部匡省君 運営協議会設置するということで、私はこれもう是非やっていただいて、さっき言ったように、そこそこによっていろんな意見が出てくるだろうと思うんです。そこに合うやり方でやってあげるということが非常に大事だという考えを持っています。  さらに、ボランティア有償運送の運転者は一種免許でも可能だと、こういうことになっておるようですが、輸送の安全確保はこれ重要であり、更なる要件を求めることが必要ではないのかと。もう最近、この委員会でも日航の社長を呼んだり西日本鉄道の社長を呼んだり。事故だらけですよね、線路を走っている鉄道まで事故を起こすんですから、空を飛んでいる飛行機も。これだけ、この狭い道路をこれだけの車が走ったら、これは事故が起きない方がおかしいと思うんです。  そういうことを考えると、本当にどういうやり方できちっとやるかというこの運営協議会というのの設置というのは、私は本当に大事だなと、こう思っているんですが、どういう取組をしていくつもりですか。
  67. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今年の一月末現在で、全国で二百四十四地域におきまして運営協議会設置されております。十七年度に入りまして急速に設置が拡大いたしました。しかしながら、現在は道路運送法八十条の例外的な許可の取扱いで、かつ運営協議会につきましては通達に基づく設置ということになっております関係で、必ずしも地方公共団体にそういう制度趣旨についての理解が十分及んでいないという問題意識を持っております。  そういう意味で、今回法律が成立をさせていただくことになりますと、法律に基づいてボランティア有償運送が位置付けられますし、その前提としての協議組織というのも法律に基づいて設置されることになりますので、この機会に改めて地方公共団体協議会の意義、それから地方公共団体が果たさなければならない役割などをよく理解をしてもらうようにしたいと考えております。そういったことを通じて、あるいは私ども職員が積極的に参加をして、それに対する適切な助言などを行いながら協議会設置促進あるいは適切な運営確保ということを実現していきたいと考えております。
  68. 田名部匡省

    田名部匡省君 このボランティア有償運送の運転者は一種免許でもいいんだと、こういうことですね。輸送の安全の確保というのは重要であって、どうしてタクシーの方は二種でこの人たちは一種でいいと、これはどういう考え方でそうなったんですか。
  69. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 他人を輸送する、有償で輸送するという意味では、輸送の安全を確保するということが重要であるということは田名部先生がおっしゃるとおりだと私どもも思っております。ただし、タクシー事業で行われます輸送行為あるいは輸送の範囲と、このNPOの皆さんがやっておられますボランティア有償運送輸送の実態を比べますと、タクシーと同じような運転者の資格を求めるというところまでは必ずしも必要ないと。あるいは、そこまで求めてしまうとボランティア有償運送そのものが十分活動しにくくなるという懸念があると考えております。  したがいまして、タクシーは二種免許が義務付けられておりますけれども、このボランティア有償運送に携わる運転手の方には、二種免許を基本といたしますけれども、それが取得できないケースにつきましては、一種免許に加えまして一定のレベルの講習を受けていただくということをもって安全輸送に努めていっていただきたいと考えております。
  70. 田名部匡省

    田名部匡省君 何か分かったような分かんないような。どうして同じ人を乗っけていくのに片っ方が一種で片っ方は二種でなきゃならないのかというのは、どうもまだしっくりこないところがあるんです。それであれば、タクシーも逆に言うと同じ免許でいいよということに要請されたらどうするんだろうなと。まあ、これは答えいいですよ。  ですから、すべて公平公正にいく仕組みというものを考えていかないと、こっちは優遇します、こっちは厳しくいきます、こんなルールないんですから。私はスポーツやったけれども、おかげさまでオリンピック三回、世界選手権五回行ったけれども、ルール守って試合やったんですよ。ルールがないんで、あっち行ったりこっち行ったりされたんじゃ、付いていく方が大変でね。そういう意味では、そういうことを是非、問題起きないようにやっていただきたいと、こう思います。  次に、このNPOによるボランティア有償運送において事故が発生した場合、同乗者を含めて被害者に対する損害賠償について、自賠責保険でカバーできない損害が発生する可能性というのはあるんだろうと思うんですね。その場合、任意保険の加入を登録の要件とするのかどうか、これについてお答えいただきたいと思います。
  71. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 自賠責保険に加入するのは当然のことでございますけれども、登録の要件といたしまして、一定の損害賠償が可能となる任意保険への加入を登録要件にすることを考えております。具体的には、対人の賠償八千万円以上、対物の賠償につきまして二百万円以上の保険の付保を要件とすることを考えております。
  72. 田名部匡省

    田名部匡省君 少子高齢化というのはもうこれは避けて通れない日本の状況にあると思うんですね。  ですから、私はいつも言うんですが、こんなに借金をして、私は前にも小泉総理とやり合ったことあるんですが、本会議場で。一体国の借金は幾らありますかと言ったら、六百何十兆円あります、大きな会社というのは連結決算やるんですよと、納めた国民の税金をあっちこっちやった先は皆赤字じゃないですかと。そうしたら、大体九百何十兆円になった、一千兆円ぐらいになるのかな。そして、私は青森県会へ行って青森は借金幾らあると言ったら、県が九十二万円ありますと。市は幾らあるんだと言ったら、八十二万ぐらいあると言うんです。  一人合わせると一千万から借金しておるんですよ、国民が。分からないの、これ。四人家族なら四千万ですよ、借金が。毎年四十二兆円、半分近いものを、我々は本会議場でこれ賛成して通しておるけれども、いつ返すかといったって、だれも分からないんですから、まさか六十年利息払って返し終わるなんて思っていませんよ、だれも。六十年といったら、おぎゃあって生まれた赤ん坊が六十になったとき、今年の借金がなくなるんですから。来年また借りるでしょう。その返す孫たちが生まれていないという僕は認識がどうしても先に立つから、もう無駄なことは徹底的に排除して、国交省ももう無駄なことはやらない、国民に負担を求めないと。だから、私は国会議員三百人ぐらい減らせと言ったんですから。道州制にして、もう東北は東北、北海道は北海道の人たちで考えて何をやるか決めた方がいいっていう、僕はもうこれ持論ですから、僕の。  そういうことを考えて、これからの高齢化の社会になっていく、私の方のへき地なんていうのは一杯ありますから。マイカーの運転が困難だというところもあるわけですね。移動手段を持たない高齢者がどんどんどんどん増えています。特に、過疎地では赤字のためにバス路線の廃止がどんどん、私の南部バスも聞いたら、もうあっちもやめたい、こっちもやめたいって、市営バス聞いたら大変な赤字ですよね。幾ら赤字だって言ったら、損失が十億ですよ。こんなに借金しょっているんですから。乗らない人もこれ出しているんですよね、負担しているわけですから。だから、そういうことがみんな分かんないんですよ。おれの税金でバスがあんな空に走っているんだというのは分かりませんから、市民は。  だから、そういうことを考えていきますと、タクシーも費用面で、頼めといっても、これは遠いとへき地の方から来るといったら大変な、一万円も掛かるようなところに住んでいますから、そういうことを考えると、高齢者の移動手段をどのように確保するかと、これがこれからのもう大きな問題になってくると思うんです。増えてくるんですから、どんどんどんどん。もう私も高齢者の一人でしょう。(発言する者あり)まだ若い。もう七十二になりますからね。  ですから、そういうことを考えると、いいことですよ、長寿社会になったということは。しかし、それだけまた負担する方が一杯いないと、これ片方じゃ少子化だという。こういう時代を考えて今からどうしていくのかということを考えていくと、移動手段についてもどのように確保していくのかということを今から、実行は先になっても頭の中ではちゃんと考えて、こういうようになったらこうやるんだというのを持っていないといかぬと私は思っているんですけど、どうですか。
  73. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今回の法案で、バスあるいはタクシーといった公共的な輸送サービスの利用がその地域で困難なといいますか、それだけでは対応できないという場合に自家用自動車輸送、運送というのを認めようとしているわけでありますが、これは介護が必要な方などの場合、つまり先ほど来、ボランティア有償運送という言葉で言っておりますケースと、それから過疎地でバスサービスあるいは乗り合いタクシーなどの公共的なサービスもほとんど利用できないか、あるいは利用できるとしても極めて不便な形でしか利用できないと、そういう実態がある場合に、地域でやはり関係者協議を経て、自家用自動車の有償運送という形で足を確保するということも含めて今回の法案で制度化しておりますので、こういう仕組みを公共輸送サービスの補完的なあるいは共存して使う仕組みとしてこれから活用していくということが有効な手段であると考えております。
  74. 田名部匡省

    田名部匡省君 私の市の状況をちょっとこの間呼んで聞いてみましたけど、平成十七年度の乗り合い輸送実績は八百三十二万人だそうですよ。自家用車の普及や少子化の進展等によって十年前の六割になりましたと。厳しい経営環境になって十億六千万円の十六年度赤字を出しちゃったわけだ。十九年までの間に民間業者への路線移転、移管等によって営業規模を段階的に縮小していきたいということを言っておりました。平成二十一年度までの間に運転手の百名ぐらいを削減していきたいと。  結局、赤字どんどんどんどん増えてくるものですから、こんなに金掛けられないですよな、もう自家用車が増えていると。田舎の方だって親戚が大体そこへ一族は住んでいますから、おじいちゃんがおかしい、おばあちゃんがちょっと具合悪いというと親戚の若いのが畑仕事やめても運んできたり何かしていますから、これは助かっているんだろうと思うんです。  そういうことをこれずっと考えていくと、一体合併した地域の運行をどうやってやっていくのかなと。さらに、今度市営バスがそっちまで行くということになるとますます赤字が出るわけですね。私は、だから地域の実情によって随分違うんだなと思うんです。しかも、さっき言ったように、七十歳過ぎると、バスは無償のバス券もらえますから。私はもらっていないけど、私ももう資格はあるんです。そういうことをやっていくと、だんだん高齢者は増えていくし、障害者は増えていくし、一体もうどうするんだろうなということを実は心配しておるんです。  そこで、今度、この協議機関、何でしたっけ、つくっておやりになると、こういうことですから、私は、地域の実情に応じてやっぱり柔軟性を持って、やっちゃいかぬところとどうしてもやれないところとあるわけですから、法律作って全部日本国じゅう一律にという発想ではなくて、その協議会で、これはなかなか難しいですよ、事業としてやっている人、ボランティアとしてやる人と話しろといったって、それは合うわけがないですから。その辺の調整を、協議機関をつくって、どこかでまとめてやるという努力をしていただきたいと思うんですが、どうですか。
  75. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今回のボランティア有償運送はそれぞれの地域で、市町村が基本になりますけれども、自治体が主宰して、関係者が参加をして十分協議をして、そこで一定の合意が成り立ってスタートをするような仕組みを導入をいたしますので、その協議の中で、その地域についてはどういうサービスが一番適当であるかということをよく検討をしていただいて、選択をしていただいて、足の確保を図っていただきたいと考えておりますし、そういう仕組みを導入したいということでございます。
  76. 田名部匡省

    田名部匡省君 この間それぞれの団体人たちからいろいろな意見を伺ったんですけれども、有償運送を行うNPO人たちでも、私の何か青森の市営バスのことも載っていましたがね、重度の障害を持つ人が利用を断られる例があるという話も伺いました。NPO等の人材育成がやっぱり必要だと考えられるし、そういうことが、重度の人ほど利用したいわけですから、そういうまた車になっていないとやれないということもあるし、まあいろんなことありますけどね。  そういう話を、青森の市営バスも何か断ったなんというのを聞いたんで、そういうことはもうこれあっちゃいかぬと思うんですが、このことについてはどうされるおつもりですか。
  77. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) NPOボランティア有償運送の場合に、どの範囲の方を輸送、移送の対象にするかというのは、そのNPOの能力とかあるいは活動の目的とか、そういうことによって一義的に決まってくるものだと思いますので、重度の方が対象にならないケースがあるとすればそれは非常に残念なケースでありますけど、強制をすることはできないと思います。  したがいまして、やはりこれ福祉政策にかかわってくる話かもしれませんけれども、それぞれの地域の、特に市町村福祉政策も含めてその地域の総合的な行政の主体でありますから、関係者とよく協議をする中で、つまり住民の足をいかにして確保するかという協議の中で、人材の育成の問題も含めて議論をしていただく必要があるんじゃないかと思いますし、私ども交通政策をやっている立場で協力できるところがあればそういったものについて協力をしていくことになるものだと、あるいは検討していくものだと思っております。
  78. 田名部匡省

    田名部匡省君 それから、いま一つは、そういうお年寄りの人たち運んでくれると。タクシーならメーター付いていますから、ああ、幾らというのは分かりますけど、恐らく乗った人も、病院連れていってもらって幾らかと言ったって分かんないわけですね。逆に、タクシー頼んだら千円で済むところ二千円も払ったなんていうのあったんじゃ、これもまた妙なことになるなと思いまして、この辺のことを乗った人に分かりやすくする方法というのは何かあるんでしょうか。
  79. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) ボランティア有償運送につきまして、やはり他人を有償で運送するということでありますから、利用者の利便の確保をきちっと図っていただくことは不可欠だと思います。そういう意味で、輸送、運送の対価につきましては、利用者にとって明らかになるようにしていただくということで、この法律の中でも事務所への掲示とか、あるいは利用者に対する説明義務ということを求めることを考えております。  なお、その対価につきましては、実費の範囲内ということが法律の中で例示されておりますけれども、実費の範囲を超えるなど不適切なケースがあります場合には、必要な指導その他の行政的な対応をしなければならないと考えております。
  80. 田名部匡省

    田名部匡省君 もう法律が通るわけですから、これから考えたり考えられたんじゃ困るんでね。そういうことをきちっとしておかないと、これ始まっちゃったらいろんなトラブルが起きてくるんだろうと思うんですよ。それは初めてのことですから。料金、交渉して乗っているわけでないし、まあ大体ガソリン代だと、こう言ってみたって、リッター幾らか、お年寄りの人たちは分かって乗っているわけでないからね。そういう問題等が出てきやしないかなという。いずれにしても、利用する人たちに分かりやすく、安心して利用できるということでないといかぬと思うんですね。いろんな協議会をつくっておやりになるんで、細部にわたるところは後からトラブルの起きないようにやっていただきたいと。  私の近くの地区からいくと、上北、十和田、三沢地区のすぐ近いところに下田町というのがあるんですよ。町長さんが町営バスを、ジャスコができたときに、ジャスコまで乗る往復のバス、やったんです。最初は乗っているなと思ったけど、最近全然走ってないから、どうなったと言ったらやめましたって。もう赤字で大変だというんですよ、だんだん乗らなくなって。時間にだけ行くわけでないですから。そこに、車で行ったって六分か七分で着くところですから、そこにバスで送り迎えしたのは、発想は良かったんでしょうけれども、もう赤字でこれバンザイしちゃったと。私の市営バスも、路線によってはもう大赤字が出ているところがあるんですね。特に合併した、今三か町村、八戸と合併したんですけれども、もうそっちの方行ったら、あれは市営バスもっと赤字出るでしょう。それが今民間のバスが行っていますけれども、それはやめたくて困っているんですよ。やめるわけにはいかぬものだから動かしているんですけれども、市が行くっていったら恐らく撤退するでしょうね。  そういうことなんかもいろいろ起きてきますので、今日はもうこの程度にさしていただきますけれども、いずれにしても、本当にやったことが地域人たちに、いやあ、国はいいことやってくれたなと、もう助かったと言われるようなことをやるには、さっき言ったように、地域の実情に応じてやれるようにしてやってください。雪の降るところは降るようなやり方あるし、暖かい方はそんなのはないんですから。それから、道路も整備されているところ整備されていないところ、山もあれば海岸の方もあり、そこそこによってやり方が全然違うんですよ、皆。ですから、もうさっき、何回も言うようですけれども、基本的な枠組みはもうここで決めて結構ですから、あとは地域でやりいいようにしてもらうと。ただ、おかしなことにならぬように、事故だけは起こしてもらっては困るんで、免許だとかいろんな資格とか、そういうものは厳しくやるけれどもね。  そういうことで、どうぞ、これから少子高齢化時代がどんどんどんどん進んでいくと、田舎に残るのはじいさん、ばあさんだけですよ。若いのは皆、都会来ているんですから。もう介護するやつもいないんだな、私の方へ来ると。もうそういう社会になってきましたからね。特に、村になったらどんどん人が市の方に移っちゃって、おじいちゃん、おばあちゃんだけが残っているという実態になってきていますんで、その辺のところも十分考えながら、是非いい案を作って、作った限りは国民の皆さんに、いやあ、いいことをやってくれたと、国土交通委員長始め委員の皆さんはすばらしいことをやってくれたと誇れるような法案に仕上げていただくことを期待して、質問を終わらしていただきます。  ありがとうございました。
  81. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。  この法案に入る前に一点だけ大臣に、この国土交通委員会、特に安全、安心に大きくかかわりますので、御判断で、答弁できる範囲で結構でございますから、是非一点お伺いをさせていただきたいと思います。  今年の春辺りには、釈放もされましたんで昨今も若干また話題になっておりますが、ホリエモンが随分話題になりました。この春ですね。最近は阪神電鉄が大変話題になっております。新聞の記事でいきますと、若干国土交通省の次官もコメントのようなものをお話しなさっているような記事もございます。  そこで、この内容で申し上げますと、要するに村上ファンドの村上世彰代表さんが阪神電鉄の株の保有比率、約四六%ぐらい確保して、今や筆頭株主であると。しかも、今度六月の株主総会で、九名の方の役員の任期が来ておりますので、その中で役員に送り込むんではないか、このようなことが盛んに今話題になっております。  特に、安全・安心輸送と、それと公共交通という立場からいきますと、ほかの製造業とかほかの事業と違いまして、あるいは航空事業とか船の方の事業でございますとそれぞれ例えば外資がどれだけ確保してはいけないとかいろんな規制もあったりするんですが、この鉄道事業につきましては今日のところではそういうものもないようでございますし、もしこういう中で本当に一気に過半数ぐらいの役員を交代さして鉄道事業に参入してきたら、本当に安全、安心をモットーにして、とにかく、どちらかといいますと、こういう公共交通でございますので、利益の方は安全、安心の次ぐらいに来るんだというような感覚でやっていくのが、私もちょっと危惧をしたりしておりますが、この辺につきまして何か感想等がございましたら、一言で結構でございますから、大臣の所見をいただきたいと思います。
  82. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) この阪神電鉄の株式を村上ファンドが大量に保有を進めていらっしゃるということについては、私どもも関心を持って見さしていただいているところでございます。ただ、民間の取引について私どもがあれこれコメントをする立場にはありません。  しかしながら、私どもがやはり注意深く見ていかないといけないことは、今も委員のおっしゃったとおりでございまして、やはり公共交通というのは安全の確保、これが最も大事なことでございます。また、利用者の方々の利便性をしっかり守っていくということが大事なこと、こういう公共的な、極めて公共性の高い目的を持っている公共交通でございまして、そこのところに私どもは、こうした一連の事態が、そうした公共交通安全性だとか利用者の方々の利便性に大きく阻害をするだとか、そういうことがないのかどうか、そこは注意深く見てまいらないといけないというふうに思っているところでございます。  万一、そういう安全性の問題だとか、今の利用者の方々の利便性に大きく影響を与えていくようなこと、疑義があるならば、そこは私ども様々手段を持っていますから、しっかりと監視、監督をしていかなきゃならないというふうに考えているところでございます。
  83. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 この阪神電鉄の問題につきましてはこの程度で、法律案に入らせていただきたいと思います。多くの皆さん方からもう質疑がございましたので、重複する部分がかなりあろうかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。  今回のこの法律案でございますが、大きく分けますと二本の法律かなと。道路運送法の一部改正、もう一つ道路運送車両法交通安全環境研究所法の一部改正、もっと細かく分けますと四本柱かなというような扱いでこの法律案が提案されていると。  それで、まず最初に、法律案の細かい中身に入る前に、最初バス事業やあるいはタクシー事業、これの違いについて若干伺いたいなというふうに思っています。  一般的観光バスというと、いろんな観光バス、私自身もイメージが浮かんできます。例えば東京でいいますと、はとバスみたいに循環してずっとやっている。これは一般的には観光バスだろうなというふうに思ったりするんですが、あるいは貸切りバスというのは、内容的にいきますと、運行は貸切り契約によって貸切りバス事業者が担うからこれは観光バスだと思うんですね、ある意味では。  例えば、私が地元の後援会の方を、東京のこの国会見学を行うと。そうすると、私が要するに国会見学される皆さんを集めて乗せて、また国会見学終わったら帰っていく、これはある意味では貸切りバスだけど、ある意味では観光でもあろうかと思うんですね。  それからもう一つ、ツアーバスというのも最近大変流行しているんですね。これは何かといいますと、同じように旅行業者が結局は募集をして、そして運行は貸切り契約によって貸切りバス事業者が行うと。本当大変ややこしいんですね、それぞれ。  これはどういうスタイルでやっているかといいますと、冬になると、東京の皆さんよく御存じだと思うんですが、東京駅周辺に一杯夜中にバスが集まってきてスキー場へどんどん送っていますよ。それだけならまだ、これは観光シーズンに路線バスのないところだからまだ分かるんですが、最近はまた高速バスというのが流行しているんですね。安く、とにかく、私なんか岐阜県の田舎ですから、岐阜から、飛騨高山から新宿へ片道五千円ぐらいでどんどん定期で運んでいるというのがあるんですけど、そうではなくて、同じようなまね事をツアーバスというので、一方ではいいところだけのお客さんを集めて行っていると。それは今度は定期になっておりませんから、その都合でやりますので、料金も安くお客さんを運んでいるという格好になっている。  それからもう一つは、一般的に言っております乗り合いバス。乗り合いバスというのは大体地域中心に走っていますけど、バスだけでもこんな種類あるんですね。それに先ほどから出ておりますコミュニティーバスがあり、あるいは今度はディマンドバスがありと。バスだけ見ましても、さっぱり私なんかは理解できないんです。  それが今度タクシーですね、タクシー。一般的にタクシータクシーと言っていますけど、最近ではこの福祉タクシーが大変話題になっているんですけど、福祉タクシーがあり、それから乗り合いタクシーというのがありますね。それからもう一つはジャンボタクシーというのもあるんですね、ジャンボタクシー。それに今度は、これはタクシーではございませんけど、NPOボランティア有償運送というのが今度は法律できちっと入ってくると。  確かにこれだけいろいろとたくさんあれば、その利用者は、どれが自分にとって一番有利かというのを選択してそれぞれで利用、活用すれば一番それはいいかも分かりませんが、こんなにいろいろと、いろんな種類でいろいろとつくってこれお客さんに提供しても、本当に国民の皆さん、これ一々理解して、そして活用していると思われるでしょうか。  それと同時に、事業主にいたしましてもあるいは利用料金にいたしましても、もうばらばらになっておりますし、運行コースだって、決められたものもあれば自由に行けるのもあればということなんですが、その辺についてどのような御感想をお持ちでしょうか。
  84. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 山下委員おっしゃるように、いろんな形態があるのは確かであります。  それで、ちょっと大ざっぱに分類してみたいと思いますが、自動車運送事業という、事業としていわゆる青ナンバーを取りまして営業の許可を取って行うものと、それから、今般制度化を御審議いただいております、自家用車が特別の仕組みの中で有償で旅客を運ぶという二つに分けられると思っておりまして、まず、その後者は今回御審議いただいているもの、前者が旅客運送事業であります。その中に乗り合い事業と貸切り事業とタクシーがあるというふうに御理解いただければと思います。  乗り合い事業というのは、まあバスという、あるいは場合によってタクシーの車両もあるわけでありますけれども一つの車両について利用者一人ずつがそれぞれ運送契約を結んで、一つの車両に何人かの利用者を、別々の契約を結んだ別々の利用者を一緒に運ぶというのが乗り合い事業であります。  それから、貸切り事業というのは、その車両そのものを一つの貸切り契約といたしまして輸送するもの、これ貸切り事業と言っております。  それから、タクシーというのは、十人以下の車両で運行するものを、運行する一個の契約、すなわち貸切り契約で十人以下の車両で輸送するものを現在いわゆるタクシー道路運送法上は一般乗用旅客自動車運送事業と、こう言っておるわけであります。  その中で、山下委員おっしゃられました、乗り合いバスコミュニティーバスディマンドバスというのがありますけれども、これをちょっと区別だけ申し上げておきますと、乗り合いバスというのは現在の道路運送法です。今回はそれを変えますけれども、変える御審議をいただいておりますが、現在の道路運送法では、一定の路線、一定のルートを定期的に運行するという、乗り合い運送するものを乗り合いバスと言っております。  それから、コミュニティーバスというのは法律上の用語ではありませんけれども、これは地方公共団体とか商工会議所とかといった公的主体あるいは住民主体になりまして、交通空白地域とか交通不便地域の足の確保のために運行するバス、かつ車両とか運賃とかダイヤとかいろいろ工夫して運行しているものを一般的にコミュニティーバスと俗称しております。  それから、ディマンドバスというのは、これは乗り合いの中の形態でありますけれども、一定の時間帯を定めて利用者が予約をすれば運行ルートを変更するということが行われているような、そういう運行形態のものをディマンドバスと、こう言っているということでありまして、法律上の区分とそれから事実上の俗称が混在して分かりにくくなっているということでございます。
  85. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 ますます分からなくなると思うんですが、そうしますと、ディマンドバス乗り合いタクシーはどう違うんですか。
  86. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 乗り合いタクシーというのは、ちょっと法律的に説明しないと分かりにくくなるんですけれども……
  87. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 乗り合いタクシーですよ。
  88. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 乗り合いタクシーですね。貸切り契約に基づいて運送を行うのが一般にタクシーと言っておるんですけれどもタクシーの車両、つまり十人以下の定員の車両を使いまして、かつ乗り合い契約、すなわちそこに個別にお客さんがお金を払って乗り込むような形態のものを乗り合いタクシーと言っております。  これは従来乗り合いバスと区別しておりましたけれども、今回の提案、御審議いただいております法律の中では、乗り合いというサービスを行うものということで、従来の十一人以上のバスのものと、それから十人以下のタクシーのものと合わせまして、乗り合い事業という類型に一本化するという法案を出させていただいているものでございます。
  89. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 ここでいつまでもやっておるわけにいきませんけれども、いわゆるバスタクシーは定員が違うから区別していると、例えばですね、乗り合いタクシーであろうと乗り合いバスであろうと。特にディマンドバスですよね。定員で区切っているというふうに理解すりゃいいんですね、簡単に言えば。そうではないと思うんですけれどもね。  例えば、乗り合いタクシーというのは、料金よく私も承知しておりませんが、成田から都心へ来ると、四名、一人五千円なら五千円ずつのお金をいただいて、乗り合いで東京のそれぞれの例えばホテルならホテルへ案内してくださるというのがこれ一つ乗り合いタクシーであるんですよ。ディマンドバスはそこまでよくやらないから別としまして、あるんですよね。  韓国なんかは、乗り合いタクシーは手を挙げりゃ、お客さん乗っていてもまた乗せてくれるんですよね。今はどうか知らないですけれどもね。韓国は多分そうだったと思う。要するに、流しているタクシーですね。今、日本の場合はそのグループならグループ、三人なら三人乗ったらもうそれがお客さんです。一人なら一人ですけれども、もう貸切りになっちゃいますけれども、韓国なんかはお客さんが一人乗っている、まだ乗るところがあると、手を挙げて止まってくれりゃ、それに乗っていけるんですよね。これは乗り合いなんですよ、ある意味では。  日本も全部乗り合いタクシーにすりゃいいじゃないですか、そんな乗り合い認めるんなら。そして、あとはタクシー事業会社が乗り合いでやるのか、そうじゃないように運行するのか、そういう点も整理が一つ付くじゃないですか。何でこんな複雑怪奇にしていくんですか。それが分からないんです。
  90. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今の道路運送法は山下先生おっしゃるようにいささか分かりにくいところがあると思いますが、今回の改正案として御審議いただいておりますのは、そこをすっきりさせるというねらいがありまして、乗り合いの契約で行われるものはどういう車両で輸送する場合でも、すなわち今までタクシーと呼ばれたものであれバスと呼ばれたものであれ、つまり乗り合いバスと呼ばれているものも乗り合いタクシーと言われているものも乗り合い事業という位置付けにして、一つの類型にしてしまおうということでございます。それで、非常に利用者の方にも分かりやすくなると思いますし、規制自体も一本化できて、合理的になると考えております。
  91. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 また後ほど議論していきたいと思います。  なぜこのようなことを最初申し上げたかと申しますと、既存の例えば乗り合いバス、要するにもう乗り合いバスというのは定時定刻にずっともう路線が決まっているんですね。そういうところへ、今朝ほど藤野委員からも会員制のバスの話がございました。私の岐阜県でも、一か月例えば五千円ですよと、会員集めて、そしておいしいところへ、路線バスと同じようにおいしいところをつないで、例えばスーパー、病院、学校と、こうやって会員制でやっちゃうんですね。そうしますと、今日まで一生懸命苦労して、赤字でも一生懸命路線を守って、地域住民の足を一生懸命確保してやっておる努力、これが結局そのおいしいところを取られてますます苦しい状況に追いやられるんですね。言葉は悪いんですけど、すき間産業のようにそうやっておいしいところをねらってくるというのがあるんです。  そういうことをやれば、それこそ公共交通がだんだんと、今ですら、特にバス事業は昭和四十年代が最高だったようでございますが、どんどん衰退しておるところへ、バスだけじゃなくて、もうタクシーも衰退していますよね、大阪なんか大変激しい競争のようでございますし、大臣のところの。最近は、何か大阪も、長距離のタクシー客は嫌だといって、近距離の方がいいんだというような運転手さんもどんどん出てきていると。例えば、昔であると大阪—名古屋だったら大変歓迎したけど、今はもう歓迎しないんだというような話も聞いておりますし。そういうことを考えますと、既存公共交通が必死になってやっているのに淘汰されていく、これが一番私は残念なことだと思うんですね。  なぜ私がそういうことを申し上げるかと申し上げますと、先ほど田名部先生、青森のお話出されましたけど、私は岐阜県なんです、今日ボランティアの皆さんたくさんいらっしゃいますから申し上げますけど。岐阜県というのは、面積で申し上げますと東京都の五倍あるんです、面積五倍。人口は、約二百万ですから、六分の一なんです。飛騨高山市は皆さん御存じだと思うんです。飛騨高山市はどれだけの面積があるか。市ですよ、高山市。何と東京都とほぼ同じの面積なんです。人口は九万五千人なんです。いかに過疎がたくさんあるかということがそれで想像付くと思うんです。  そういうところは、一人のお客さんって大変重要なんですよ。ですから、大体、岐阜県のバス事業者というのはすみ分けをやっています。大体、飛騨方面といいますのは濃飛バスが一生懸命頑張っていらっしゃるんですね、濃飛バスが。もう赤字垂れ流して、路線バスずうっと頑張っていらっしゃるんですよ、もうあらゆるところに網を張って。今どうやって何とかやっていけるかといいますと、最近、高速バスで新宿へ来ているのにお客さんがかなり利用される、あるいは飛騨から名古屋への高速道路で利用されている、こういう方。それから、今度は繁忙期でない時期等は、スーツを売らしたり、あるいはラーメンを売らしたり、時には貴金属の販売をさしたり、そうやって会社の利益を上げながら、この山村へき地の定期バスを一生懸命守っているんですよ。  ですから、衰退さしてはいけないという心配から私は申し上げているんです。いいとこ取りだけすれば、こんなおいしい事業はないですよ。私だって、私は中津川市ですけど、一番いい時間帯だけ、例えば通学時間帯に学生をねらってやろうかとかですね。  たまたまこういう新聞記事があったんですけど、「鬼怒川温泉・路線バス 市場原理 過疎に冷たく」という。東武鉄道がバスを撤退しましたら、仕方がないから村営バスを走らしたと。そうしましたら、土日のいいときだけほかの民間バス会社が来て、そこだけ村営バスより安くしてお客さんを取っていると。そういうことをやれば、それこそ内職でもできるんですよ。だから、土日だけ一番いい観光地でお客さんを取ろうかと。だけど、一般の過疎を走っているバスというのはトータルで頑張っているんですから。  だから、そういうことも理解をしながら考えますと、できれば、定時に走っている、そういうところにはディマンドバスとかあるいは乗り合いタクシーとか、あるいは、僕はNPOの皆さん方に厳しい言い方をしますけど、NPOの皆さん方もそういうところは遠慮するとか、そういうことをしていただかないと、それこそ交通弱者がますます弱者になるというふうに思うんですが、その辺の考えについては私は間違っているでしょうか。
  92. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 路線バスと言われているもの、それが公共交通、特に自動車による公共交通の従来代表的な役割を担っていたことは間違いないと思います。  ただ、先ほど来出ていますけど、昭和四十三年をピークにいたしましてずっと減少、三十年余にわたって減少して今四割強に落ち込んでおりますが、結局、マイカーのもちろん進展というのもありますけれども、そういう形のサービスが必ずしもそれぞれの地域地域のお客さんのニーズに合ってなくて利用されないと。一方で、コミュニティーバスとか乗り合いタクシーみたいな形で、つまり、より弾力的なルート設定であるとか、あるいはもう少し小型バス、車両の利用だとか、そういったもので代替されている部分がかなり出てきているのが実態だと思います。  そういう意味で、私どもは、先ほども議論がありましたけれども、それぞれの地域で適当な形のバスサービスタクシーサービスを選んでいただけるようにしたいということ。そのときに、しかし先生おっしゃるような、うまくいっている既存路線バスと競合することによって、結果として、その地域公共的な輸送サービスが質が悪くなるという事態は避けなければいけませんから、本来の目的とする事態じゃありませんので、それを今回設けます地域協議会の中でよく関係者で議論をしていただいて、既存のネットワークと、それから新しく交通空白地域などを埋めるために入ってくるバスサービスなり新しいサービスと有機的に連携できるような協議をそこで十分にやっていただこうということを考えているわけでございます。
  93. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 そこで、国土交通省から出ております法律案説明するこれにもしっかりと書かれているんですが、道路運送一部改正の部分の二番で、市町村バスNPOによるボランティア有償運送制度化の中の改正内容で、市町村バスNPOボランティア有償運送可能制度創設の中で、「過疎地における住民の生活交通や移動制約者の移動手段など、バスタクシー事業者によることが困難であり、地方公共団体バスタクシー事業者地域住民地域関係者が必要と合意した場合、市町村NPOによる運送サービス提供を可能に」と、これはよく理解できます、これ、これでいいと思うんですが。    〔委員長退席、理事大江康弘君着席〕  総務省はお見えでしょうか。実は、過疎地域自立促進特別措置法というのは、いわゆる一般的に言っています議員立法だったと思いますが、過疎法、過疎法で言う過疎地というのは、どのような定義になっているでしょうか。
  94. 荒木慶司

    政府参考人荒木慶司君) お答えいたします。  過疎地域自立促進特別措置法におけます過疎地域の定義でございますが、同法の第一条におきまして、「人口の著しい減少に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域」と定義されております。人口の減少率や財政力指数等により指定要件が定められているところでございまして、具体的には、昭和三十五年と平成七年の国勢調査人口を比較しまして、この三十五年間で三〇%以上減少していること、又は昭和三十五年と平成七年の国勢調査人口を比較しまして、三十五年間で二五%以上減少しており、かつ六十五歳以上の高齢者比率が二四%以上であることなどの人口要件に該当をいたしますとともに、もう一つの要件としまして、平成八年度から平成十年度までの三年間の財政力指数が全国平均の〇・四二以下であることなどの財政力に関する要件に該当することとされておるところでございます。
  95. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 自動車交通局長さん、この過疎地というのは、今御説明ありました過疎法、この法律で定めている過疎地として読み込んでよろしいんですね。
  96. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 私どもで、今先生がお示しになったような資料などで言っております過疎地は法律上の過疎地ではありませんで、いわゆる人口が減少している地域という意味で使っております。
  97. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 今人口が減少している地域と、今、日本は人口減少時代に入って、もう減少しているんですね。増えている地域ございますか。
  98. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) いささか私も不正確な説明をいたしましたけれども、何%という厳密な指標で地域を分けているつもりでありませんで、人口が著しく減少しているような地域を一般的に私ども過疎地域と呼んで今回の制度の立案をさせていただいているものでございます。
  99. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 少子高齢化社会でして、そしてどんどん大変なスピードで日本も人口が減少してきて、もう日本じゅう心配しているんですから、そんなあいまいなことではいけないと思いますので、もう少しそこはある程度厳格にしていただいて、今日はいいです、厳格にしていただいてこの方向性というのは出していただかないと、それこそ市町村合併でどんどん過疎法、法律に定められた過疎地というのはなくなっていっているんです。どんどん減って、今みなしで過疎地が指定されておりますけど、今度、平成二十二年の三月に一遍時限が切れますので、そうしますと、この指定される過疎地というのはほとんどもう三分の一くらいになるんでないかなと、そういう状況なんですよ。  だから、法律では過疎地というのはどんどん減ってきているんですから、そして、勝手にここは自分たちの判断で過疎地だと、それやられたら大変なことになりますので、だから私は、競合しないというのは、そういうことを含めて真剣に考えていただきたいということだけ申しておきたいと思います。  今日、せっかくボランティアの人が見えておりますので、NPOの方先に、飛ばして、時間なくなっちゃいけませんので、先にやらしていただこうかなというふうに思いまして、ちょっと順番を変えさせていただきたいと思います。  今朝ほどから、また先ほど田名部委員の方からもお話出ましたが、特にボランティアの皆さん方の第一種免許の問題出ました。自動車の運転免許の場合、第二種免許はどういう法律に基づいて何のためにまずあるんでしょうか。
  100. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 自動車の免許は、道路交通法に基づきまして免許の種別が決まっております。  二種免許につきましては、旅客自動車運送事業、その他のケースもありますけれども道路運送法関係でいえば、旅客自動車運送事業の運転を行う者につきましては道交法上二種免許が義務付けられるということでございます。これは、旅客自動車運送事業によります旅客の運送の安全の確保をするという観点から、道路交通法の法律制度として設けられているものでございます。
  101. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 そういたしますと、今回提案されておりますNPO等によるボランティア有償運送制度法律で定められるんですね。これは旅客有償運送には入らないというふうに理解してよろしいんですか。
  102. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) ボランティア有償運送は、自家用自動車の有償旅客の運送という位置付けで法律改正を今お願いしているところでございまして、先ほど申し上げました二種免許が道路交通法上義務付けられておりますのは、旅客自動車運送事業というバス事業あるいはタクシー事業の運転者に対する義務付けでございます。
  103. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 このボランティアの有償運送は一応法律で定められるんですが、極端な例で恐縮なんですが、白タクも自家用車ですよね。あれは法律で定められていないから違法であって、これは法律に定められたから一種でも違法ではないと、そういう理解ですか。
  104. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 白タクというのは道路運送法上あってはならない違法行為でありますから、それについて道交法上の免許がこうでなければならないということにはなってないはずでございます。したがいまして、違法行為を運転している運転手という位置付け以外の何物でもないかと思います。
  105. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 いずれにいたしましても、もうこれもくどく言いませんけれども、いずれにいたしましても二種免許が原則になっているんですね、講習その他いろいろと義務付けされておりますから。それと、タクシー等と違いまして不特定多数でなくて、おっしゃっているのは特定多数だとおっしゃりたいんでしょうけど、特定多数といいましても、どんどん特定が増えてくりゃ不特定多数とそんなに変わらないんですよね。今、個人タクシーの皆さん方にしましても自分でちゃんとお得意さん持っていまして、特に国土交通省の役所の前で個人タクシーがずらっと夜中になると並んでいるじゃないですか。そうすると、もう大体なじみに乗っていくんですよ。携帯で何時に行くからと言って。大体あれももう特定多数になりつつあるんですよ。  そうしますと、やはり原則ではなくて、これからみなし期間はやむを得ない、三年か五年かの。その後は、例えばもう二種でないと駄目とか、そういうことを考えておいた方がいいと思うんですが、いかがでしょうか、その辺については。
  106. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 私どもで承知しておりますNPO等ボランティア有償運送の実態に照らしますと、タクシー事業のように単に不特定多数か特定の会員かということだけではなくて、輸送の頻度とか輸送をしている範囲とかが大きく異なっております、質的にも、その頻度、回数、その他ですね。したがいまして、もちろん輸送の安全を徹底するという意味で二種免許を義務付けるべきだという議論があるのはよく分かりますけれども、私どもとしてはそれに代わる合理的な措置を講ずることによって輸送の安全は確保できるし……(発言する者あり)いや、それは、一定の質が確保される講習を義務付けることによりまして安全の確保は可能であると考えております。
  107. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 だけどね、今タクシーにしましても、もう暇でね、とにかく客の取り合いで大変なんですよ、東京のようなところであっても。我々の田舎だったら、タクシー悲鳴上げてもうクローズしていきますよ、タクシー事業者自身が。それぐらい悲鳴を上げているんですよ。実態を余り知らないんじゃないんですかね、その点では。もう東京でタクシー事業者が、若い人が、タクシー運転手さんが生活できますか。もうほとんどできない状態になってきているんですよ。それでもまだ東京はましだと思う。だから、もうこれ以上言いませんが、これは例えば経過措置として、五年間なら五年間はやむを得ないけど、その後はもう二種免許にしていくとか、それぐらいは踏み込んでおかないと、安全、安心というのは保たれませんよ。  大臣、さっき触れなかったんですけども、また西でもやりましたし東でもやりましたし、ああいうプロでもやるんですから。プロでないとなお心配ですよ、やっぱり。さっき線路とおっしゃいましたが、自動車は線路ないんですからね、どこへでも走るんですからなお危ないんですよ。ですから、そろそろ考えてくださいよ、それは。  それから、質問通告しておりませんが、先ほど保険制度の問題も出ました。これには、保険制度では、どうも対人八千万円、対物二百万円というお話ですけど、一番大事なのは搭乗者じゃないですか。搭乗者保険。例えば、福祉タクシーにお乗せして目的地へ案内されるんですね。その車がぶつかった場合、搭乗者の保険に入っていないと、被害を被ったときどなたが補償されるんですか。対人とか対物はまあ対相手の問題なんですよ。自分が最初にお預かりしたその方をだれが補償するんですか。
  108. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 先ほど私が申し上げておりましたのは、もちろん対人という第三者のことだけではなくて搭乗者も含めたものでありまして、現在、ガイドラインで求めておりますのも搭乗者を含む八千万、二百万円以上でありますし、法律上の制度になりましてからも同様の任意保険、つまり搭乗者を含む八千万円以上の任意保険の付保を義務付けるということでございます。
  109. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 よく理解できないんですが、搭乗者を含むというのは搭乗者も義務付いてるふうに理解してよろしいですか。
  110. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 正に輸送をしております要介護の方とかそういう方について、事故による障害等が発生した場合に八千万以上の損害賠償能力が確保されるような保険を義務付けるということでございます。
  111. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 是非、そこは搭乗者の方に特に配慮をしておいていただきたいなというふうに思います。なぜかといいますと、確かに交通事故というのは、自分の方が悪くなくても相手側に無保険であったりしますと搭乗者の皆さんの補償ができないという大変なことになりますし、それでボランティアでせっかく社会のためと、ボランティアの皆さん方も一生懸命貢献しているつもりが逆に今度は大変なことになってしまったら、またこれもよろしくありませんので、そちらの方に、私は保険はそちらの方に特に配慮すべきだろうなというふうに思いますので、是非お願いしたいと思います。  それから、私は何でこういうことを申し上げるかといいますと、大体この有償のボランティアの運賃は、大体上限をおおむねタクシーの二分の一ぐらいを、上限を二分の一ぐらいを判断されているようなんですね。そうしますと、要するに介護者でもいろいろといらっしゃると思うんですね。例えば、自動車に乗り降り、乗り降りについては介護者の必要のない自分で乗り降りできる方、あるいはそうじゃなくて、同じ介護者でも車へ乗せていただくのにはだれか介護者がいないと乗れない方、もっと言えば、そのお宅のベッドまで行ってベッドからわざわざ車までまたきちっと介護者が案内をしてそして乗せる方、いろいろとあると思うんですよ。  そうしますと、同じ福祉を利用するんであっても、私はある程度タクシーなんかとは多少はすみ分けをしていただいて、自分で、自分の足で乗り降りできるような方は、やはりこのボランティア有償から外すべきだというふうに私は思うんですよね、私は。ボランティアやっている方はそうおっしゃらないかも分かりません。タクシーが来ないじゃないかと、自分の好きな時間に来ないじゃないかという方もあろうかと思いますけど、利用者がなくなりゃなくなるほど、それはタクシーも、先ほど言いましたように衰退するんですから、その辺の考え方というのはいかがでしょうか。
  112. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、先ほど運送の対価の話が先生からありましたけれども、対価につきましては、今御審議いただいています法律の案の中で「実費の範囲内であることその他の国土交通省令で定める基準に従つて」ということになっておりますので、実費の範囲ということは法律上明らかになっておりますけれども、その他詳細についてはこれから関係者とも更に意見交換をしながら決めていきたいと考えております。  それから、輸送の範囲ですね。NPOボランティア有償運送の対象となる範囲をどうするかということでありますけれども、これにつきましては、現在は、単独で公共交通機関を利用することが困難な移動制約者で会員登録をした者に限るという、今ガイドラインによる運用をしております。それで、これから、つまり法律の成立をさしていただければその対象を省令などで定めることになりますけれども、この場合も今回の制度化の趣旨などに照らして、また今までの関係者といろいろな議論をしてきておりますので、これを踏まえながら実効のある無理のない対象に決めたいと考えております。
  113. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 じゃ、これから関係者と詰めていただくんでしたら、これも質問通告しておりませんが、福祉有償運送の中に、移動困難者の中に、できれば自閉症を始めとします発達障害児者の方も明確に含んでいただきたいなというふうに思いますので、是非これも検討の中に入れておいていただきたいというふうに思います。  それから、今、何ですか、この有償については実費の範囲内ということのようですが、これが難しいんですよね、物差しが。これはどこまで算入をするかということなんですよ。例えば、人件費も算入をするのか。人件費でも、時間給八百円の人もおれば三千円の方もいらっしゃるでしょう、同じボランティアやる方でもですね。あるいは、自動車の償却も含めるのか含めないのか。それほど実費って実に分かりやすいようで抽象的なんですね。  それだったらタクシーのおおむね二分の一の方がよく理解できるんですよ。田舎へ行くほどタクシー高いんですよ、私のところは東京の三倍ぐらい掛かるんですよ、タクシー代。ですから、おおむねやっぱりタクシーの二分の一ぐらいが利用される方も理解しやすいんじゃないですか。いかがですか、その考え方。
  114. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 実費の範囲というのを具体的にどういうふうにするのかというのは重要なポイントだと思っておりますので、これはこれから正に十分議論をして混乱が生じないように適切な基準を決めたいと考えております。
  115. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 是非、それぞれ協議会が持たれてそこでも議論になるんでしょうけど、その地域地域におきましてですね。だから、余りに分かりにくいようだと協議会自身も混乱をしますし、だから利用者自身も、さっきメーターが付いていないのはどうなんだというお話もありましたとおり、利用者が分かりにくくなりますから、ある程度分かりやすいようにしていただいた方がいいと思いますので、それを要望しておきたいと思います。    〔理事大江康弘君退席、委員長着席〕  それからもう一つは、財務省お見えですね、せっかくですからお尋ねさせていただきたいと思いますが。  いわゆるNPOの有償運送のタクシー料金、今言いましたよね、おおむね半額以下でもうけてはいけないという私は縛りが大前提になっているなというふうに理解しているんです。  ですから、NPOの皆さん方も、そういう意味では本当に社会に貢献をなさろうとしているわけです。そして、運営協議会で認めて許可になりますと、このNPOボランティア有償やっていいよと許可になりますと、一万五千円ずつも払って、登録料、登録税でしょうね、届出しないといけないんですね。しかも、また運転者が替わったりしますと三千円ずつお支払して変更をしないといけないということになっちゃうんですね。この一万五千円という登録料、登録税の根拠と、この三千円という根拠をまず御説明いただきたいと思います。
  116. 加藤治彦

    政府参考人加藤治彦君) お答え申し上げます。  登録免許税につきましては、正に基本的に国が、例えば登記ですとか登録ですとか、やはり国の一定のルールに従って、一定の効果をその行為によって与えるということに着目いたしまして課税を行う、これは極めて普遍的な税制でございます。  今回、この自動車運送法の関連で自家用有償旅客運送という制度ができ、それが、かつその開始の要件として登録という国家の手続を経るということで、もうこの仕組みを、この自動車運送法が採用された時点でこの登録免許税のレールに乗っていただいた形になっております。  ただ、この事業開始の登録免許税関係、実は基本的に三段階の課税を行っております。原則は一回九万円、一事業九万円でございます。ただ、事業規模に応じまして、高めの十五万円と、それから低い三万円という三段階あるわけでございますが、ただ、更に規模が著しく小規模ですとか収益性とかを勘案しまして、一番低いものとして一万五千円というジャンルがございます。  今回この運送法の制度趣旨に照らして、最低の一万五千円が適当であろうと。それから変更登録も、それぞれ今申し上げました段階に応じて三万円、一万五千円、五千円、三千円とルール化されておりますので、その一番低い税率を適用させていただいたところでございます。
  117. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 ボランティアで、NPOの皆さん方ボランティアで、それは収益性も悪いから一番安いのになさったというような答弁でございますけど、NPO法人というのは収益を随分たくさん上げている、ほかの事業でですよ、というのもたくさんありますよね、この日本にも。収益もたくさん上がって、極端な言い方すれば、利益率の大変いいNPOも最近たくさんあるんですよね。だけど、NPO等につきましては、内閣府あるいは都道府県への登録手続、あるいは法務省の登録手続も手数料は免除されているんですよね。無料なんですよ、手数料取られないんです、登記手数料。  そして、このNPOのこんなの、そんな一番安いのにしたからといったって、そんなのは登録税を徴収する必要はないというふうに私は判断しますので、是非そこは前向きに検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  118. 加藤治彦

    政府参考人加藤治彦君) 今御指摘の法人の設立登記関係については御案内のとおりだと思います。  ただ、今回の登録につきましては、正に自動車運送法上の手続として登録という制度を設けられました。これはNPO主体かどうかという、その他のいわゆる事業会社以外の医療法人でありますとか、いろんな対象になっておりますので、私どもとしては主体というよりは、この運送業者の登録、事業開始の登録ということでとらえざるを得ないものですから、今回こういう措置をさせていただいたところでございます。
  119. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 じゃ、自動車局長、これ今財務省大変な答弁されたんですけど、これはNPOボランティア有償運送というのは事業者ですか。
  120. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 事業者というのがどういう概念かということでありますけれども、今回新たに設けられます自家用自動車有償旅客運送の主体ということでございます。
  121. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 もう時間が大分なくなってきましたから、もうそろそろ締めたいと思いますが。  せっかくNPOの皆さん方も社会に貢献しようと、ますます少子高齢化の中で一生懸命弱者の皆さんを介護したり、介護のお世話をしたり、あるいは高齢者の皆さんも、それこそ病院にも自由に行けなかったら病院までお送りしようという善意で行うんですね。それから、先ほども西田先生だったですかね、出ておりましたけど、うんと安価なガソリン代程度、こういう安価でNPO活動をなさっている方も大勢いらっしゃるんですよね。この中にもきっといらっしゃるんじゃないかなと思いますが。  そういう方につきましては、例の七十九条、この七十九条の規制の対象外にしていただいて、だからといって野方図にできませんから、私は登録はした方がいいんだろうなと思います。そして、登録免許税はもう徴収をしないと。それから運転者なんか替わっても、本当、そんな手間暇掛けるんじゃなくて、そういう方はもう登録変更税も、三千円も、これももう免除しちゃうと。極端な言い方だと登録変更ぐらいしなくたっていいじゃないかと。そして、ただし安価で、先ほどもお話に出ておりました、一キロ当たり例えば三十円とおっしゃいましたかね、三十円がいいか五十円がいいか分かりませんが、いずれにしましても、そういう安価な、皆さん方にしては、もうそれぐらいのことまで踏み込んで、そしてなお一層社会に貢献する、そういうボランティアの皆さん方が参加しやすい、そういう環境をつくることが一番これからは大切じゃないかなと思うんです。  なぜかといいますと、財務省、加藤審議官さんですか、東京にいらっしゃるから分かんないかもしれませんけど、我々田舎の大人は、少子高齢化の社会で二人ぐらいの子供を一生懸命ないお金で東京の大学に出して仕送りをして、そして大学出たら東京や大阪へそのいい人材を預けてここで活力を付けさしていただいているんですから。そうすると、田舎はじいちゃん、ばあちゃんしかいないんですよ。だから、少し若いじいちゃん、ばあちゃんが一生懸命今度は送ってくださると、病院へ。そうすると、田舎の人間は東京と違いまして義理堅いんですね。一回世話になるとこれは山下さん申し訳ないなと、二、三千円のお菓子を持ってくるんですよ。そうすると、今度は、ああこんなんもらうんだったら送って悪かったなと、ただでやろうとしたのが。  だから、もっと気持ちよく、じゃ、田舎は、ちょっとと言ったって十キロ、二十キロなんです。ちょっとが十キロ、二十キロ。東京のちょっとは本当の近くかもしれませんが、ここから東京駅だって二キロぐらいのものでしょう。我々はすぐ十キロ、二十キロなんですよ。だから、五百円か千円ぐらい、かえってこれでじゃ行ってあげますよと言った方が、隣のおばあちゃんも安心してじゃ頼むわということになるんです。ですから言っているんです。  ですから、大臣、そういうことも配慮していただいて、これは、私はもう政省令以下の問題だと思いますので、もう大臣がこうだと言えば大体決まると思いますので、是非その辺について、今の私の申し上げたこと、感想を含めながらいかがでしょうか。
  122. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) これから本格的な高齢社会がやってまいりますし、ますます人口減少時代でございますので過疎化が進んでまいります。そういう中に当たりまして、こういう一人で移動ができない、また公共交通を容易に利用できない、そういう方々の移動を円滑化していくためにこうしたNPO等による自家用自動車による有償旅客運送制度というのは非常に私は大事な仕組みであると、これを今回制度化をさせていただいたところでございます。  そういう意味で、この今回の法律上位置付けました自家用自動車による有償運送、さらに今、山下委員がおっしゃっているのはこの有償運送にも当たらないボランティアによる運送、この二つのところをやっぱりこれからの時代考えたら私は大切にしていかないといけないと思います。  もちろん、公共交通がすべて担ってくれればいいわけですが、それはなかなかすべてを満たすということは無理なわけでございまして、だからこそNPOというものの意味もありますし、ボランティアというものの意義もあるというふうに思っているところでございます。そういうのをしっかりと発展させていけれるように、是非、今回の運用に当たりましてもしっかりそういう運用をさせていただきたいと思っているところでございます。  ですから、まずその有償とは何なのかというところの判断、さらには、そもそも登録をしていただいて様々なある意味では必要な要件をきちんと整えていただくところの基準はどういうところで切るのかとか、そこの判断において是非今の趣旨、これからはそうした輸送が非常に重要であると、そういうのをしっかりと普及をしていく必要があるんだというふうな趣旨に立って判断をさせていただきたいと思っているところでございます。  大切なことは、やっぱり分かりやすい基準にしないといけないということと、現場に混乱を起こさないということが非常に大事だと思っています。  それと、登録料のお話もございました。これは私の所管ではございませんが、是非財務大臣と相談はさせていただきたいというふうに思っております。
  123. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 もう残り五分しかありませんので、道路運送法の三条関係、それから八十条関係、たっぷりと質問要求しているんですが、これはもう終わらせていただきます。  それから、一つだけ、五分ありますから一つだけ簡単な質問をさせてもらいたいと思います。  架装メーカーに対する立入検査のことなんですが、架装メーカー、相当違法行為を行ったんですが、それはそれとしてもう時間ありませんから簡単に申し上げたいと思いますが、今回の法改正で五十四条の三についての罰則で、六か月の懲役あるいは三十万円以下の罰金、この程度で抑止効果あるのかなと、営業停止処分なんかに何でしないのかなというふうに私は率直に思っているんです。  特に、陸運局指定の民間車検工場が不正による改造をして車検の証明書を発行した場合はどのような罰則があるのか。例えば、民間車検の申請を一年間停止しますよとか、いろいろとあろうかと思うんですけど、どうなっているでしょうか。それとのまた今回のバランスをどのように考えられるか、それを併せて答弁ください。
  124. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、民間車検場が不正改造車を合格させたようなケースを御説明いたしますと、これは保安基準適合証というのを交付してはならないのに不正に交付したということでありますから、この場合は道路運送車両法九十四条の五違反ということで一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金ということでございます。また、行政処分もできるようになっておりまして、保安基準適合証等の交付停止という行政処分をすることにしております。  したがいまして、仮に一台そういう不正な合格という扱いをしましたら、この四月から厳しい扱いにしました基準に従いまして、二十五日間の保安基準適合証の交付の停止、事実上、二十五日間、その指定工場での事業ができなくなるという扱いになっておりますし、不正の台数が多ければ、それを加算いたしまして、場合によっては指定の取消しに及ぶことがあり得ると。それから、そういう行為を行いました自動車検査員に対しては解任命令を行うということになっております。  一方、今、山下委員からお話がありました不正改造の場合でありますけれども、これは今回は新しい報告徴収、立入検査の規定を追加をしたいということでありまして、それに関連いたします罰則、つまり虚偽の報告をしたり検査を拒んだりしたようなケースについての罰則が六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金ということになっておりまして、そもそも不正な手段で自動車検査証の交付を受けるという昨今の不正改造のケース、これそのものにつきましては一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金ということでありますから、罰則のバランスは取れているのではないかと思っております。
  125. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 架装メーカーが、例えばガソリンタンクを小さいのを付けて、今度はその後、車検の後大きいのに変えた、あるいは後ろの荷台ですか、そういうのを改造したというのも、あれは大きな改造ですよ。  そうしますと、架装メーカーというのは比較的大きな企業ですよ。民間車検場というのは小さな、二、三人だと一杯あるんですよね。それと比べますと、もうちょっと架装メーカーに対しても厳しい行政処分を含めてやらないと、こんなのはいつまでたったって私は改善されないと思いますよ。  ですから、これはもう、もう時間になりましたから申し上げませんが、是非もうちょっとこの架装メーカーの違法については、確かにほかのとのバランスというのも刑法上理解はできますけど、だけどトラックなんかが事故やったら大変な大きな事故になるんですから、是非その辺も考えながらこの罰則規定というのを今後また検討していただきたいと思います。  もう時間になりましたから、これで終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  126. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  私は、まず初めに、NPOの皆さんによりますボランティア有償運送問題について質問をさしていただきます。  この制度、もう御存じのように、既に一定の手続と条件の下で二〇〇四年三月から全国で展開されている制度だと思います。そのベースが、二〇〇四年三月のいわゆる国交省の通達がベースになっているかと思いますけれども、そこでちょっとお聞きします。今回のいわゆる改正案でいきますと、二年余り行ってまいりました通達に基づく、通達の行政といいますか、通達行政に比べてどこがどういうふうに変わるのか、この点、まずお伺いしたいと思います。
  127. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 平成十六年から現在、通達、ガイドラインに基づきまして運用しておりますけれども、これは道路運送法上の根拠が、道路運送法八十条、すなわち自家用自動車の有償運送をしてはならないという規範の例外として、通達に基づいて運用してきているということでありまして、その意味ではこういう運送行為といいますか、サービスそのものが法律の中できちっと有益なものといいますか、公共的なサービスであるという位置付けがなされない状態だと、こう考えることができるんだと思います。  私ども、今回、先ほど来大臣からもお答え申し上げていますように、これからの日本の社会構造を考えたときに、バスタクシーサービスに加えて、それを補うものとしてこのような形の輸送サービスが共存できるような仕組みを速やかに構築をしなければならないという考え方に立っておりますので、それを法律上きちっと位置付けることによりまして、その健全な普及発展を図っていくことにしているものでございます。
  128. 小林美恵子

    小林美恵子君 要するに、例外許可でなくなるということで登録ということになるということになって、法的な裏付けがあるということでございますけれども、その際に、やっぱり先ほど来からの議論にありますように、登録するに当たりましての有償というところが大変重要なポイントになるというふうに思います。  それで、NPOまたボランティアの皆さんもそこがすごく御心配されているところではないかというふうに思うんですね。昨日もたくさんの方がお越しになって、国会内で集会も持たれておられましたけれども、その皆さんがおっしゃっておられますのは、いわゆるこれまで移動制約者、平均人口の六%の移動を担ってきたのはボランティアNPOの活動によってだと、NPOはこの法規に従って登録の手順を踏んでいく、ところが小さなボランティアグループまでこの法規を適用されると移動サービスを止めなければならない団体が続出してしまうかもしれないという御意見がございました。私、それはすごい御心配されていることは本当によく分かる話でございまして、そういう方々の活動をやっぱり、何といいますかね、本当に善意で助け合って仲間内で行っていただいている活動というのを摘んでしまってはいけないというふうに思いますね。  それで、先ほどから有償の件につきまして議論があって、大臣も、行為に対する任意の謝礼を行われた場合は有償と解さないとしてきたということでございましたけれども、その趣旨といいますのは、今回の法律改正されても何らかの形で、文書でありますとかしっかりと示されていくという方向を持っておられるのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
  129. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 先ほどの大臣からの答弁でもありましたように、この有償性の判断というのは、実はかなり個別具体的な事例に即して判断をしなければならない、必ずしも明確にし切れない問題であることは御理解いただけると思いますが、さりとて、今回の制度を実施に移すに当たりまして極めて重要な部分でありますし、度々大臣から申し上げておりますように、制度運用するに当たって現場でこの問題で混乱をするようなことがあってはなりませんから、私ども、実態、それからこれまでのいろいろな議論、そういったものを踏まえながら、可能な限り考え方を整理しなければならないと思っております。
  130. 小林美恵子

    小林美恵子君 可能な限り考え方を示すという点で、そのボランティアの皆さんにも本当に十分丁寧に示していただけるということで理解してよろしいでしょうか。
  131. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 先ほどから議論ありますように、基本的な考え方を法律及び省令、通達、その他で明らかにしつつ、それぞれの地域関係者の考え方というものもあるかもしれませんから、合理的な範囲で、かつ明らかに示せる範囲で示したいと思っております。
  132. 小林美恵子

    小林美恵子君 先ほども申し上げましたけれども、なぜそこのことを私も申し上げるかといいますと、やっぱり本当に善意で一生懸命やっている皆さんの御活動を萎縮させることはあってはならないというふうに思いますので、そこは十分に酌み取っていただいておやりになっていただきたいということを改めて強調さしていただきたいと思います。  次に、私、いわゆる福祉タクシーと登録されるNPOの運送の関係の問題で質問をさしていただきます。  先ほどからも議論がございますけれどもNPOの運送も人をやっぱり乗せるわけでございますから、やっぱり何よりも安全運送が確保されなくては私もならないというふうに思っております。で、タクシーのように二種免許にしない理由というのは、先ほどから不特定多数の人を輸送するのと違うというふうなことでタクシーと同様の高いものにしないんだというお話もございましたけれども、しかし、普通二種免許を基本とするというのは、そういうふうなお話だったと思うんですね。基本とするけれども、そうでない場合、つまりそうでない場合というのは一体どういう場合を指すのかということを教えていただけますでしょうか。
  133. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 二種免許を基本といたしますけども、二種免許を義務付けることによってその移送サービスそのものの継続が困難になるようなやっぱり事情がある場合につきましては、一定のレベルの講習を受けていただくということで二種免許に代えたいと考えております。
  134. 小林美恵子

    小林美恵子君 よく分からないんですけど、困難になる場合というのはどういう場合なんでしょうか。
  135. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) すべての運転者に二種免許を義務付けるということをやりますと、現在のNPOの方々の実態に照らしますとかなり無理があるだろうと私ども思っておりますので、二種免許を取れる方は、それが基本でございますから取っていただきたいと思いますが、取れない事情がある方については一定の講習で代えるという扱いをしたいと思っております。
  136. 小林美恵子

    小林美恵子君 余り私も時間がございませんのであれですけれども、二種免許を基本として、取れない場合、困難な場合はというふうにおっしゃっておられましたけれども、講習でというふうにお話がございました。  いずれにしましても、何よりも安全ということが確実に保障されなければならないと思いますので、そこをしっかりと位置付けていただくということはお約束していただけるでしょうか。
  137. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 私ども、度々申し上げてますように、輸送の安全が確保されるということは当然必要なことだと思っておりますので、講習の内容、それから実施主体というのをきちっと決めることによりまして、輸送の安全が確保されるような知識、技能が身に付くようにしたいと思っております。
  138. 小林美恵子

    小林美恵子君 私、安全運送にかかわりましてもう一点お聞きしたいと思うんです。  それは、車両の衛生問題なんですけども、今タクシー事業者に対しましては車両の消毒も規定がされているというふうに私は理解をしております。NPOの方の運送も当然御病気の方も運送されるというふうに思いますけれども、その車両の衛生といいますか、それは本当に利用される方も運送される方も、どちらにとっても重要な点かと私は思いますけれども、この点での規定といいますか、何か御検討はされているでしょうか。
  139. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) NPO等ボランティア有償運送につきましては、一つは会員を限定をして輸送するということ。したがって、タクシーのような不特定多数の方が利用されるわけではありませんので、今タクシーに求めておりますと同じような衛生管理を一律に義務付けることはやはり過大な負担を強いるおそれがあると考えております。ボランティア活動そのものを萎縮させかねないというふうに思っております。  ただし、車両の清潔の保持ということが必要だということはまた一方で確かでありますので、私ども平成十六年度に作成をいたしました運転協力者テキストというものの中にも車両の清潔の保持の方法などについて規定をしておりますけれども、こういった内容の講習をきちっと受けていただくことによって車両の清潔の保持についての十分な知識を持っていただいて、それを実施をしていただくということで、義務付けではありませんけれども、車両の清潔の保持に努めていただく必要はあろうかと思っております。
  140. 小林美恵子

    小林美恵子君 分かりました。  では、私、今回の法改正で、NPOの皆さんのいわゆる運送と、そして福祉タクシーの皆さんの運送がやっぱり相乗効果が発揮ができて、それで利用者の皆さんが本当に御利用しやすくなるというふうになるのが一番大事なことなんだろうなというふうに思っております。  ただ、そこで幾つかお聞きをしたいと思うんですけれどもタクシーの今労働者の皆さん、タクシーの皆さんは、この間大体、政府の規制緩和によって、まあ大阪なんかはもうタクシー戦争というふうに言われるぐらいダンピング競争が起こったりしまして、大変な低賃金で過重の労働をしながら本当に一生懸命頑張っていただいているんだというふうに私は思うんですね。  そのタクシーの皆さんが福祉タクシーをする際に、ヘルパーの資格も随分取ってこられました。二〇〇三年度の政府の資料でいきますと、八千五百五人、タクシーの中での資格保有者がいらっしゃいます。先ほどの議論の中で、直近の事業者数も五千二百九十七と、そして福祉タクシーの車両も八千八百二十九という御説明があったかと思いますけれども、私、やっぱりそのタクシーの労働者の皆さんが一週間に何回も研修を受けてヘルパーの資格を取って、それで必要な方の運送をされてきたというのは大変役割を担ってこられたと思います。  この点での役割というのを大臣はどのように認識されておられるでしょうか。
  141. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) いわゆる介護タクシーと言われているものでございますけれども、ホームヘルパーの資格を有するタクシーの乗務員の方が、輸送に加えて、乗り降りする際の介助、またその前後の着替えとか病院の手続等の介護サービスも併せて行う形態、これを介護タクシーと言うわけでございます。  この介護タクシーが、このサービスを受けておられる利用者の方々の生活機能の維持改善にやはり効果があるというふうには思っておるところでございまして、そういう意味で、これからの高齢化社会の中で介護タクシーが果たす役割は大変重要であるというふうに考えております。そういう意味で、国土交通省といたしましても、厚生労働省とよく連携取らせていただきまして、利用者が利用しやすい介護タクシー普及促進に努めてまいりたいと考えております。
  142. 小林美恵子

    小林美恵子君 では、もう一点お聞きしたいと思うんですけれども、この間、この介護福祉タクシーですけれども、二〇〇三年四月からの介護保険の報酬見直しで要介護四以上の方に対象が限定されました。それで、報酬額も二千百円から一千円に減額したと。つまり、従来は介護保険から出る報酬額で賄えたんだと。でも、今千円では半減になってしまって、利用者の皆さんに追加負担を求めないとやってはいけないんだということで、利用者の皆さんも高くなるからということで利用を控えてしまうということが今起こっているというふうにお聞きをしてきました。二〇〇一年度の前年度と比べた利用数というのは四・七倍、二〇〇二年度は二・九倍と倍々で進んできたものが、報酬が見直されたことによって〇・一倍のマイナスになってしまったと。  私、先ほど大臣は厚生労働省と協力して介護タクシー普及促進とおっしゃっておられましたけど、その答弁、本当に大事な答弁だと思うんですけれども、こうした介護保険の報酬の見直しで介護タクシーの皆さんが大変な実情にあるということも認識されているかどうかということをお聞きしたいと思います。
  143. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) そのことは認識をしております。  介護保険につきましては、これも私が答弁することじゃないのかもしれませんが、これからの高齢社会の中でこの介護保険制度そのものをどう維持していくかという、もっと大きな課題がある中で見直しがなされてきているというふうに私は理解をしているところでございます。  ただ、タクシー事業者の方々がせっかくヘルパーの資格も取られ、様々なまた認定も事業者が受けられているという、そういう努力をされているわけでございまして、また、今後タクシー事業の一つの大きな分野であることは間違いないというふうに私も考えているところでございまして、この介護タクシー並びに福祉タクシーがしっかりと今後普及がなされていくように厚生労働省とはよく連携を取っていきたいと考えております。
  144. 小林美恵子

    小林美恵子君 ありがとうございます。  それで、私、NPOの皆さんの運送と、それから介護タクシー、この運送とが相乗効果を発揮するという点でのポイントというのは、やっぱり運営協議会になるんだというふうに思うわけです。その協議会でございますけれども、先ほど来から二百四十一自治体というふうにお話がございましたけれども主宰は、責任持つのは地方自治体だというお話もございました。  それで、私、ちょっとお聞きしたいんですけれども、四月十二日の日経新聞にこういう記事が載っておりました。これは大分の別府市の場合でございますけれどもNPO法人四団体が昨年九月に運営協議会設置を要望したと、しかし市は、福祉車両も含めて市内のタクシー事業者は約七百台の車両を保有しており、現状は十分な輸送体制があるということを理由に協議会設置を見送ったとございました。  私は、せっかくNPOの皆さんが要望しているということでございますので、協議は開いてその中で検討するということがあってもいいのじゃないかと。そのこともしないで、入口からしませんというのは、地方自治体としての対応というのはいかがかなというふうに思いまして、今後、運営協議会は大変重要な役割を担ってくると思いますので、こうした自治体に対して国交省としてもしっかりとやっぱり指導といいますか、負っていかなければならないと思いますが、この点、最後にお聞きして、質問を終わります。
  145. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 小林委員御指摘のとおり、運営協議会がこの制度を円滑に実施していく上で極めて重要な役割を担っているわけであります。  現在は、法律に基づく仕組みじゃないということもありまして、必ずしも自治体が十分協議会役割とか自らの重要な役割についての認識が十分でないところがありますが、私どもこの法律が成立をさせていただければ、施行までにきちっと周知徹底、それから理解を深める努力をしていきたいと考えております。
  146. 小林美恵子

    小林美恵子君 終わります。
  147. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。バス関係について、まずお尋ねをいたします。  提出法案では、コミュニティーバス乗り合いタクシーが乗り合い許可、法第二十一条から法的に格上げされて、公共交通の空白地域、それから過疎地域並びに団地輸送等に限定をされてきた枠組みというものが取り払われることになります。原則自由化されます。この結果、既存バス業者との路線の全面的に競合する事態が懸念されますが、どのように整理をされるのでありましょうか。  行政当局がコミュニティーバス乗り合いタクシーなどの輸送の多様化、高度化、小口輸送等の促進に踏み出すことから、激変緩和措置として、コミュニティーバスについてはやはり住宅等また路線バスと競合しない、乗り合いタクシーについては市街地での運行制限など条件を付けることが必要ではないかと考えておりますが、見解はいかがでしょうか。
  148. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) コミュニティーバスなどの新しいサービス普及させていく上で、既存バス路線バスネットワークと整合性確保されるということは極めて重要でありますし、それがなければなかなかその地域の足が有効に確保されないと思っております。そういう意味では、協議会の中でよく議論をしていただくということでその仕組みをつくるわけであります。  一方で、今、渕上先生おっしゃいました、一定の条件を付すというようなお考えでございましたけれども、ただ、やはり地域地域で求められているニーズが千差万別でございますので、あらかじめその条件を付すというようなことはいかがかなと思っておりまして、むしろコミュニティーバスなどが無秩序にその地域サービスをスタートさせることによって、結果的にネットワークが悪影響を受け、地域の皆さんの足、サービスが低下するというような場合には、私どもが行政的にきちっと対応すると、適切な指導をして是正をするということが適当ではないかと考えております。
  149. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 現在、コミュニティーバス中心に百円運賃が一般化していますが、そもそも百円運賃は特別割引運賃であったと思いますが、改めてお伺いしますが、特別割引運賃の定義はどのようなものでしょうか。  私は、コミュニティーバスの百円運賃については一定のルールを設けるべきだと考えます。例えば、既存の路線を走る場合は降車のみとするとか、途中乗車は認めないとか、既存路線までとするとか、あくまでもやはり公共交通の空白地域の足としての役割に限定すべきではないかと考えますが、見解はいかがでしょうか。
  150. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、渕上先生からお話がありました百円バスといったような運賃設定でありますが、これはバス事業者の経営判断に基づいて現在行われているものでありまして、ある意味では平成十四年二月の規制緩和の一つの成果だと私どもは考えております。  具体的にその位置付けでございますけれども、初乗り運賃の距離を短縮をするという形で設定しているものや、需要喚起の観点から区間を定めて営業割引運賃として設定しているものなど、実は中身は様々であります。現在、二百七十二事業者が三百三十三の対象地域で実施をしております。  これは、今お話がありましたような交通空白地域に限るといったような制限をすることはどうかというお考えでございましたけれども、やはり事業者が利用者のニーズに応じて創意工夫をするという意味では、そういう事業展開を阻害することになりかねないという意味で、私どもとしてはそういう制限を付すのはいかがかなと思っております。
  151. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 これまで厳しい経営環境の中で長年にわたって生活交通であるバス路線を維持をしてきた労使の努力というものを顧みず、自家用自動車の有償運送許可を登録制とはいえ法的に容認することとするのであれば、やはり生活交通の維持方策について明確な方針を提示すべきではないかと思うんですが、その見解はいかがでしょうか。
  152. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 生活交通の維持確保は、交通政策の中でも極めて重要な課題だと認識をしておりまして、従来から国は国としての役割、それから地方公共団体地方公共団体としての役割を組み合わせる形でその確保に努めているところであります。国費それから地方財政措置による維持でございます。  これらにつきましては、今後とも引き続きこういった措置を講ずることによりまして、生活交通、生活路線の維持に努力をしてまいりたいと、このように考えております。
  153. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 提出法案では新たな協議会の合意が条件とされておりますが、地域協議会地域公共交通協議会の位置付けが各自治体を含めて関係者に周知徹底されていない中で、新協議会が機能するかどうかというのは疑いを持っているところでございますが、とりわけ市町村の合併移行期にありますので、自治体事務が機能しているとは思えません。  したがって、現状を踏まえれば、ある程度経過措置みたいなのを考える必要があると思うんですが、その見解はいかがでしょうか。
  154. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、現在の地域協議会でありますけれども、これは生活交通の在り方を議論するという目的で都道府県が主宰することにしておりますが、したがって、全都道府県で設置されておりますけれども、いま一つ十分機能を果たしているかどうかという気がしている点がございます。  今回、新しくつくります地域公共交通会議市町村主体として考えているわけでありますけれども、ただ、それぞれの自治体の判断で、例えば地域協議会の分科会として地域公共交通会議を位置付けるといった柔軟な取扱いも認めていこうと思っておりますし、国といたしましては、協議の在り方などについての指針を示すようなことも考えまして、協議会が適切に機能する、円滑に運営されるように努力をしてまいりたいと思っております。
  155. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 福祉タクシー関係についてお伺いをいたします。  提出法案では、NPO等による有償輸送を法的に位置付けることになりますが、これはタクシーなどの旅客運送事業における許可制と異なりまして、登録制では、参入に当たって運輸当局による事前審査が行われないということで、安全などの問題について多少不安が残るところでございます。  したがいまして、やはり福祉輸送というのは人を運ぶわけでございますから、安全問題についてはおろそかにできない問題であると、これは先ほどからの議論もあるとおりでございます。やはり私どもは、その輸送の対象者が自立歩行がかなわない障害者やお年寄りであることを考えますと、その人たちに対する法の視点というものが不可欠だと考えております。  福祉輸送は従来からタクシー事業者が営んできた実績がございまして、事業許可を得ているタクシー事業者がまず率先をして輸送事業を担うべきで、それにより難い場合にNPOなどの白ナンバー、一般輸送にゆだねる、こういうことをやはり今回の法改正において明確に位置付けたものだと考えますが、その見解はいかがでございましょうか。
  156. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、渕上先生からお話がありましたように、タクシー事業者なりが公共交通事業者として可能な限りサービスの提供に努めていただくことが望ましいことはたしかでありますが、現実には、供給力などの点で十分ニーズにこたえ切れてない実態があるのもたしかであります。  そういう意味で、今回の法律改正の中でも、公共交通タクシー事業者などによることが困難だということと、その地域住民の足を確保するためにNPOなどのボランティア有償運送が必要であるという、そういう認識が関係者の中で整うということを求めているわけでありまして、そういう条件が整ったところでやっていただくことを考えておりますから、先生がおっしゃったように、タクシー事業者に可能な限り努力をしていただくというのが前提になっているということはたしかでございます。
  157. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今の問題は、やっぱり先ほど同僚議員がお話しになりましたように、タクシー事業者事業者なりの努力を今日までやってきていることについては、どうかひとつきっちり評価をした上で今後指導に当たっていただきたいと思います。  運営協議会設置されることになりますが、やはり問題は、その運営が公正さを図らなければならないと考えておりますし、そのメンバーというのは従来どおりタクシー事業者、労働者代表も入るのでしょうか。また、議論も尽くされずに多数決で決めるようなことがあっては私はならないと思います。関係者の合意というのはどういう状況を指すのでございましょうか。
  158. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、構成メンバーでありますけれども、現在のガイドラインで運用しております協議会におきましても、地域タクシー事業者や労働者の代表の方には構成員になっていただいておりますし、法律上の制度になりましてからも引き続き構成員としてお願いをしなければならないと考えております。  また、地域関係者の合意ということでありますが、これは協議会におきまして十分な議論をしていただいて、協議が調った場合に合意が得られているものと判断することとしております。
  159. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 先ほども同僚議員の方で質問がございましたけれども輸送の対価の問題についてお伺いいたしますが、輸送対象者が移動制約者であることを考慮しますと、よりこの対価というのは明確でなければならないと考えております。先ほどは実費の範囲内というふうなお答えでございますが、現行、先ほども言われましたように、おおむねタクシーの二分の一となっていますが、ここはやはりトラブルにならないようにどうするかということが大事なことだろうと私は思います。  したがって、政省令等でどこまで明らかにするのでございましょうか。その点の基準など等があれば明確にしていただきたいと思います。
  160. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、この省令あるいは通達で基準を示すことにつきましては、可能な限り具体的に示せるように努力したいと思いますが、現在、実費の範囲であるということが法律に例示されておりますけれども、それとあわせて、運営協議会で必要な協議が調っているということと、その他の実費をどの範囲で考えるのかということについて、基準を示すべく努力をしたいと思います。
  161. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 運転者の資格の問題について、第二種免許を基本としながらも、一定の講習を修了すれば第一種免許でも可能というふうになっておりますが、一定の講習とは公的機関による講習修了者と考えていいのでしょうか。もし公的機関以外を考えられておるようでしたら、私はやはり公的機関が行うように求めたいと考えるんですが、いかがでしょうか。
  162. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 講習につきましては、講習の内容のレベルとそれから講習の実施主体というのが重要だと考えておりまして、これが両々相まって一定の必要な基準を満たすことが必要だと思います。  その場合の主体でありますけれども、公的機関に限るかどうかということについては私どもまだ結論を出しておりません。これから関係者などともよく協議をしながら適切な主体を決めたいと考えております。
  163. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 やはり身体に障害を持つ方の輸送が主になると思いますし、ここのところはひとつできる限り責任を持った機関が講習を行っていただくように要望を申し上げておきたいと思います。  次に、セダン型の自動車の使用を解禁をした場合、白タク行為の温床となることが懸念をされます。白タク防止のためにどのような対策を講じようとしているのでしょうか。
  164. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 現在でも道路運送法八十条の有償運送の例外許可を受けた場合に、車両の外部に例外許可を受けた旨の表示を求めておりますが、法律改正後におきましては登録を受けている旨の表示を車体にしていただくこと、それから運転者証を車内で掲示していただくこと、それから登録証の写しを携行していただくことなど、白タク、タクシー類似行為につながらないような手当てをしたいと考えております。
  165. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 車両に表示を明確にするという、今三つの問題を言われましたけれども、これはある程度義務付けになりましょうかね。
  166. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 義務付けを考えております。
  167. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 ありがとうございました。  最後になりますけれども大臣にお伺いいたしますが、提出法案では省令において明確にする部分がありますが、既存の業者や労働者においては多くの不安や疑義が存在をしておりまして、関係者意見を十分聞いた上で省令を作成をしていただきたいと思うんですが、十分な協議をすると大臣、お約束いただけましょうか。
  168. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) 十分協議をしてまいりたいと考えております。  この法案そのものが、この一月に報告書を取りまとめていただいたんですけれどもNPO等によるボランティア有償運送検討小委員会でずっと議論をしてきていただいて、その取りまとめた内容を今回法案に具体化させていただいているんですが、そこで議論に参加していただきました委員の方々というのは、既存事業者の方々、また労働組合の方々、そしてNPO法人の方々等々、関係者の方々に入っていただいて取りまとめをさせていただきました。同様に、これからその省令とか通達とか定めていかないといけないわけでございますけれども、そこで同様にそういう関係者の方々の御意見を十分によく聞かせていただいて取りまとめをさせていただきたいと考えております。
  169. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げて、終わります。
  170. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  道路運送法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  171. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、大江君から発言を求められておりますので、これを許します。大江康弘君。
  172. 大江康弘

    ○大江康弘君 私は、ただいま可決されました道路運送法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     道路運送法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すこと。  一、福祉有償運送や過疎地有償運送に係る運営協議会設置促進とそこでの合意形成が図られるよう、地方公共団体に対し本法改正趣旨を周知徹底するとともに、その設置及び運営状況についての情報が当該地域住民等に積極的に公開されるよう努めること。  二、本法の施行状況の検証を行い、特に、過疎地等の住民の移動手段の確保策について、地域の実情に応じ様々な観点から具体策を検討すること。  三、NPO等による福祉有償運送について、好意に対する任意の謝礼にとどまる金銭の授受は有償に含めないこととするなど「自家用有償旅客運送」に係る有償の考え方及び運送対象者の範囲を示すとともに、運転手の技能水準及び安全性確保に万全を期すよう措置すること。    なお、移動制約者の自由な移動が確保され、地域における助け合い活動、ボランティア活動による移動制約者の円滑な移動が引き続き確保されるよう十分配慮すること。  四、自動車の不正な架装を行う事業者に対して、本法改正趣旨に則り適切な指導を行うとともに、継続検査時の構造に関する審査については、自動車検査証により新規検査時以降の変更の有無を確認できるようにするなど、実施体制の確立を図ること。  五、リコール業務の迅速かつ適確な運営確保するため、利用者等からの情報収集の拡大に努めるとともに、リコールに係る不正行為の再発防止のための施策の充実に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  173. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) ただいま大江君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  174. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、大江君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、北側国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北側国土交通大臣
  175. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) 道路運送法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  大変にありがとうございました。
  176. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  177. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  178. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。北側国土交通大臣
  179. 北側一雄

    ○国務大臣(北側一雄君) ただいま議題となりました都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  近年、モータリゼーションの進展等を背景として、都市の無秩序な拡散が進み、中心市街地の空洞化のみならず、高齢者等が病院等の公共公益施設に歩いて行くことができなくなることや、公共投資の非効率性、環境負荷の増大などの問題が生じております。今後、人口減少・超高齢社会が到来する中で、既存の社会資本のストックを有効に活用しつつ、都市機能を集約したコンパクトなまちづくりを進めることが求められております。そのためには、都市構造に広域的に大きな影響を与える大規模集客施設公共公益施設について、都市計画の手続を通じて、地域の判断を反映した適切な立地を確保する必要があります。  このような趣旨から、このたびこの法律案を提出することとした次第です。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、第二種住居地域、準住居地域及び工業地域並びに都市計画区域及び準都市計画区域内の用途地域の指定のない区域内では、大規模集客施設は、原則として建築できないこととしております。  第二に、都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、建築物の建築が現に行われている区域等を含み、かつ、将来における一体の都市としての整備等に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができることとしております。  第三に、開発許可について、市街化調整区域内において大規模開発を許可できるとする基準を廃止するとともに、病院等のための開発行為及び国、地方自治体等が行う開発行為は開発許可等を要することとしております。  第四に、大規模集客施設のため開発整備を実施すべき区域を開発整備促進区として地区計画に定めることができることとしております。  第五に、まちづくりの推進に関し経験と知識を有する団体等を都市計画の提案権者に追加するとともに、都道府県が都市計画に係る協議を行う際に関係市町村から意見の開陳を求めることができることとしております。  その他、都市の秩序ある整備を図るため、自動二輪車の駐車場の整備、新住宅市街地開発事業及び公有地先買い制度の適正化を図る等、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上がこの法律案を提案する理由でございます。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
  180. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会