○加藤敏幸君 私は、この
委員会は非常に大切な
議論をやっていくやっぱり使命があるという、そういうふうな思いでただいまの
大臣の御答弁はそのまま率直に受け止めたいと、このように思っていますし、経営
トップがどういう姿勢で安全に臨むかということはまた後段の
質問の中でも意見交換をさしていただきたいというふうに思います。
私は、家田東大教授を参考人として
お話を聞きましたけれ
ども、いろいろ大切な
お話をされた中に、やはり労働と組織、これ我が国が、私はもう江戸時代からすばらしい労働とまたそれをやっぱり統合する組織的な力があったというふうに思っているわけですけれ
ども、その質的変化がやっぱりあるんではないかと、こういうふうな御
指摘を受けておりましたし、なるほどというふうに思います。
もう社会的背景というのは、言われるとおり、この
運輸だけにかかわらず、私は、労働、そしてそれを組織をして社会的に貢献をしていく組織の在り方というふうなものがいろんな
意味で今変化を受けているんだと、その流れの中で私はいろんな問題も発生しているという
認識。これも今言われたように、この分野に限らずいろんな問題が起こっているんだと、そういうふうな
認識に立って私はいろんな施策を総合的に、またきめ細かくやっていくことが必要ではないかと、こう思っておるわけであります。
そこで、市民が日常生活を営んでいく上で、安全は目に見えない。通常は安全と水はただとか、こんなふうに言われましたように、あえて意識しない領域になっておるということであります。しかし、
鉄道、
航空、自動車、それから家電製品から食品に至るまで、企業の安全対策が不適切であれば、事業者の対策が不適切であれば正に国民の命を脅かす重大な
事故につながると、そういう大変な問題であると、領域であるということで、事業者、企業の社会的
責任というふうなものは一段と重いものがあるというふうに思います。
そこで、企業経営の在り方について少し触れてみたいんですけれ
ども、一般的に企業における安全対策は利益拡大とトレードオフ関係にあると考えられております。しかし、結局はそうではないということを私は申し上げたいんですけれ
ども、表面的にはトレードオフ関係にある。したがって、企業経営では利益を最大限にすることは大きな正に使命でありますから、そういう与件の下で、設備の稼働率を上げることが大切であるとか、従業員総数の削減を図り一人
当たりの稼働率、効率を上げるとか、安全対策など直接利益拡大につながらない投資や活動はむしろ最小限に抑えていこうと、こういうふうな
方法がややもすると選択をされると。これでは当然安全面がおろそかになるわけでありまして、JR西日本の一面の教訓というふうなことはそういうようなことも語っているのではないでしょうかと。
このような利益拡大を最優先する経営姿勢から安全を最優先する経営に転換させていくことが特にこの
運輸にかかわる事業においては大切であり、本件、この
委員会で今扱っているということでありますし、法改正の主眼もそこに置かれているというふうに思います。各
運輸事業者が本当にこの方向に向かって、経営理念を真の
意味でのやっぱり社会的貢献、安全第一というふうな方に切り替えていくことができるのかどうか。
確かにJR西日本の皆さん方の取組は、このほど新しい企業理念と安全憲章を作られたということで、私はそのことは非常に評価されるべきだと、大変な社会的な犠牲を払った上で、ようやく私
どもこういうようなものにたどり着いてきたと、こういうふうなことでございます。ただ、今の時点で申し上げれば、立派な文章ができただけでは
意味がない、法の目的に沿って実質、実態を伴った経営の方向に転換されていくのかどうか、これこそが一番大事ではないのかということを含めまして、更に
大臣の御見解、そして決意をお伺いしたいと思います。