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2006-03-22 第164回国会 参議院 国土交通委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年三月二十二日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         羽田雄一郎君     理 事                 伊達 忠一君                 大江 康弘君                 山下八洲夫君                 西田 実仁君     委 員                 市川 一朗君                 小池 正勝君                 末松 信介君                 田村 公平君                 中島 眞人君                 藤野 公孝君                 松村 龍二君                 吉田 博美君                 加藤 敏幸君                 北澤 俊美君                 輿石  東君                 佐藤 雄平君                 田名部匡省君                 前田 武志君                 山本 香苗君                 小林美恵子君                 渕上 貞雄君    国務大臣        国土交通大臣   北側 一雄君    副大臣        国土交通大臣  松村 龍二君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       吉田 博美君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       甲斐 正彰君        金融庁総務企画        局参事官     山崎 穰一君        総務大臣官房審        議官       岡本  保君        総務大臣官房審        議官       岡崎 浩巳君        総務大臣官房審        議官       河野  栄君        財務省主計局次        長        勝 栄二郎君        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        近藤 賢二君        国土交通大臣官        房長       春田  謙君        国土交通大臣官        房総合観光政策        審議官      柴田 耕介君        国土交通省都市        ・地域整備局長  柴田 高博君        国土交通省道路        局長       谷口 博昭君        国土交通省鉄道        局長       梅田 春実君        国土交通省自動        車交通局長    宿利 正史君        国土交通省航空        局長       岩崎 貞二君        国土交通省北海        道局長      吉田 義一君        海上保安庁次長  平田憲一郎君        環境省水大気        環境局長     竹本 和彦君    参考人        住宅金融公庫総        裁        島田 精一君        日本放送協会理        事        中川 潤一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成十八年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成十八年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成十八年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (国土交通省所管及び住宅金融公庫)     ─────────────
  2. 羽田雄一郎

  3. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会住宅金融公庫総裁島田精一君及び日本放送協会理事中川潤一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 去る十六日、予算委員会から、本日一日間、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管及び住宅金融公庫について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  予算概要について政府から説明を聴取いたします。北側国土交通大臣
  7. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 国土交通省関係平成十八年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計予算につきましては、所要国土交通省関係予算を計上し、その歳出予算額は六兆二千五百四十五億円です。  また、自動車損害賠償保障事業特別会計道路整備特別会計治水特別会計港湾整備特別会計自動車検査登録特別会計都市開発資金融通特別会計空港整備特別会計及び特定国有財産整備特別会計所要予算を計上しております。  なお、北海道、離島及び奄美に係る公共事業予算につきましては、他省関係予算を含めて、国土交通省予算所要額一括計上を行っております。  次に、財政投融資計画につきましては、当省関係独立行政法人等分として三兆六千五百七十六億円を予定しております。  国土交通省におきましては、厳しい財政状況の下、限られた予算で最大限の効果の発現を図る観点から、重点分野予算全体の約四分の三を配分するとともに、防災減災対策公共交通の安全の確保少子化高齢化への対応地域再生都市再生推進国際競争力強化など当面する課題に対応して各事業分野でもきめ細かく重点化を行っております。  また、政策評価等の結果を踏まえ、コストの縮減を図りつつ、事業施策総合化PFI手法活用等により、成果目標の達成に向けて効率的な施策実施を図ります。  次に、主要事項につきまして御説明申し上げます。  第一に、防災減災対策推進です。  大規模地震等への対策として、住宅建築物や橋梁、鉄道駅の耐震化等推進するとともに、海岸堤防強度向上等津波高潮対策避難地防災拠点となる防災公園整備等推進します。また、頻発する風水害を踏まえ、浸水危険性の高い市街地における緊急対策土地利用状況を考慮したハード、ソフト一体の水害・土砂災害対策に取り組みます。併せて、地震津波、台風、豪雨の観測、情報提供等強化を図ります。  第二に、公共交通の安全の確保です。  相次いだ事故、トラブルを踏まえ、まず、安全マネジメント体制を構築するとともに、ヒューマンエラー事故防止対策に取り組みます。また、ATSの整備等鉄道安全対策推進するとともに、踏切対策のスピードアップのため、連続立体交差事業拡充等を図ります。さらに、治安・テロ対策等として、海上保安庁巡視船艇、航空機の緊急整備等を進めます。  第三に、少子化高齢化等への対応です。  まちづくり公共交通機関におけるバリアフリー化を一体的、総合的に推進するとともに、公共交通乗り継ぎ利便性向上のための取組等を進めます。  また、住宅セーフティーネット機能向上観点から、地域住宅交付金拡充により、低額所得者高齢者世帯への支援等推進します。併せて、構造計算書偽装問題を踏まえた安全上問題のある共同住宅に関する相談体制整備耐震診断緊急除却、建て替えに対する助成等居住者支援建築物のアスベストの除去等への支援にも取り組みます。  第四に、地域再生都市再生推進です。  中心市街地再生を図るため、暮らし・にぎわい再生事業を創設するとともに、まちづくり交付金拡充することとしています。また、円滑な地域間移動を実現する高規格幹線道路新幹線鉄道といった幹線交通体系整備推進します。  第五に、国際競争力強化です。  円滑で効率的な国際物流を実現するため、スーパー中枢港湾プロジェクト等推進するとともに、道路ネットワークの構築にも取り組みます。また、都市機能向上に向け、大都市圏拠点空港環状道路整備推進します。加えて、観光立国推進するため、戦略的な日本ブランドの発信と国際競争力のある観光地づくりに取り組みます。  国土交通省としては、これらを始め、社会資本整備や総合的な交通政策を着実に推進するために必要な事業施策推進してまいる所存でございます。  引き続きまして、政府関係機関である住宅金融公庫平成十八年度予算概要を御説明いたします。  住宅金融公庫収入支出予算は、収入一兆八千六百八十七億円、支出一兆八千三百八十七億円を予定し、住宅十八万戸等について総額二兆九千三百六十億円の貸付契約等を行うことといたしております。  以上をもちまして、国土交通省関係及び住宅金融公庫平成十八年度予算につきましての説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  8. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 以上で予算説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 藤野公孝

    藤野公孝君 おはようございます。自由民主党の藤野公孝でございます。  今日は、今の、大臣がいろいろお読み上げになりましたこの予算概要、私なりに幾つか是非力入れて推進をしていただきたい項目を並べましたら数が大変多くなりました。持ち時間が三十分でございます。どうぞ答弁、簡潔によろしくお願い申し上げます。  まず最初に大臣にお伺いしますが、北側大臣国土交通大臣であられるとともに観光立国担当推進大臣でもあられます。大変お忙しい日程の中で、中国に行かれたり、またいろんな国際会議日本でもいろんな会議がありますが、あちこちで私、観光関係でもお見受けし、先日も日韓観光交流年の式典では大変すばらしいスピーチをなさって感銘を受けましたが、この観光立国につきましてお伺いしますが、どうも日中関係、特に中国からの訪日の人数が私が期待しているようには伸びていないようなこともあります。それから、日中、日韓、それぞれ外交、いろんな問題もあって、どうも冷めている面もございます。  そういう中で、二〇一〇年の一千万人を達成するためには、日韓日台というのがかなりもう、まあ飽和とは言いませんけど、ある程度成熟していますから、日中関係中国からのお客さんをやっぱり大勢来てもらうということがないとなかなか大変だろうと思うわけですが、この七月に日中韓観光大臣会合、これ大変タイムリーな時宜を得た、今まで日中、日韓はありますが三国一遍というのは多分ないんじゃないでしょうか、非常にすばらしい大臣企画に敬意を表しますが、その辺も踏まえまして大臣観光立国推進大臣としての、二〇一〇年一千万人等、いろいろその実現方、抱負なり決意をお述べいただきたいと思います。
  10. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 昨年二〇〇五年は、海外お客様が日本に六百七十三万人いらっしゃいました。これは、一昨年に比べますと約一割増えておりまして、過去最高でございます。多くの民間方々の本当に主体的な御協力もございまして、ここまで伸びることができたと思っております。今年は更に何とか、ちょっと高い数字なんですけれども、七百五十万人まで伸ばしたいなということで、官民挙げてしっかり頑張っていきたいというふうに思っております。  観光というのは、本当に二十一世紀の私はリーディング産業だというふうに思っております。  一つは、経済効果も大変大きいものがありまして、直接効果だけで約二十五兆円あるんですね。波及効果も含めますと五十兆以上の効果がございます。日本のGDPの約一割を形成するほどの大きな効果でございます。また、雇用受皿も非常に幅広い分野雇用受皿となってまいりますし、極めて経済効果が高い。  二点目に、やはりこの観光、特に国際観光を通じて相互交流相互理解が進んでくるというふうに思います。実際、やっぱりこの目で見るということによってその国に対する認識というものは全然変わってまいります。そういう意味で、私はこの観光というのは外交の大きな武器になってくるのではないかとも認識をしております。  三点目に、今、全国各地で本当に観光で我が地域の振興をしていこうというふうに考えていらっしゃる、また取り組んでいらっしゃる自治体が本当に多くなりました。私は、この観光の持つ意味三つ目の大きな意義として、多くの方々、これ国内観光でもそうなんですが、多くの方々に我が地域に来てもらおうと思いますと、その地域の方はどうするかといったら、それはやっぱり魅力あるまちづくりしないといけないわけですね。町をきれいにしないといけないね、そして我が地域の元々ある歴史とか文化とか、そういうのをしっかり磨かないといけないね、これはその地域まちづくりにも大きく貢献をしてくることになるわけでございまして、私は大変この観光の持つ意味というのは大きな意味がある、是非とも二十一世紀リーディング産業にしていきたいというふうに考えておるところでございます。  御指摘いただきました日韓中、日中韓の三か国の観光大臣会合、この七月一日から北海道の方で開催させていただきます。昨年、中国観光大臣、また韓国観光大臣とも協議をさせていただいて、そういうことを決めさせていただいたんですが、中国韓国も非常に積極的です。積極的という意味は、まあいろいろあるからこそ交流はしっかりやりましょうと、観光はしっかりやろうじゃないですかということで日中間日韓間も完全に一致をしておりまして、持ち回りでこれからやっていこうと、日中韓大臣会合を。第一回目は日本でやる、二回目は中国韓国でやるという形で、毎年それぞれやっていって相互交流拡大をしていこう、相互交流拡大するだけじゃなくて、欧米から例えば日本にいらっしゃる、いらっしゃったら中国にも行ってもらおう、韓国にも行ってもらおう、中国に来られたら、北京オリンピックがあります、中国に来られたら日本にも帰りに寄ってもらおうじゃないですか。そういう連携も日中韓で、これも官民よく連携取ってやらせていただきたいというふうに考えております。
  11. 藤野公孝

    藤野公孝君 大変力強い御答弁、ありがとうございます。こちらも意を強くいたしました。  今大臣のお言葉にもありましたように、マルチデスティネーションというんでしょうか、一国一国がただ頑張るだけじゃなくて、エリアとして頑張ってヨーロッパやアメリカから連れてくる、大変すばらしい戦略だと思うんですけれども、逆に外国政府は、あるいは外国事業者は、日本お客さん、大変単価が高いというか経済効果が大きいお客さんですから、海外にもっと、今でももう千七百とか千八百万人行っていますけれども、もっともっと来てほしい、新しいニューデスティネーションも更にあるわけですが、そういうところにも日本人も来てほしいという、いわゆるアウトバウンドの話というのが、外国政府から見れば、あるいは事業者から見ればインバウンドよりもまあ自分たちのメリットという意味では大変関心があるところで、以前、日本テンミリオンと、まあ今の逆のテンミリオンですが、やったこともあるわけですが、このところ全くちょっとその辺のアウトバウンドについて観光立国の中でどういう位置付けになっているのか。  特に日本業界、そうでございますが、去年の日中関係が冷えたときも、日本から行くお客さんがばっと減って旅行業者は大変困って、私も北京の方にみんなと行って、何とかしてくれといって言ったことはありますが、そのアウトバウンドにつきまして、観光立国政策の中でもう全く無視されているとは全然思っておりませんので、柴田審議官に御答弁願います。
  12. 柴田耕介

    政府参考人柴田耕介君) 先生御指摘のとおり、二〇一〇年までに一千万人を目標といたしまして、官民一体となってビジット・ジャパン・キャンペーンなどインバウンド政策に力を入れておりますが、先ほど大臣からもお話がございましたように、真の国際相互理解を進める上では、観光交流拡大に当たって双方向人的交流拡大していくこと、これも重要であるというふうに考えております。  こうした考え方に基づきまして、例えば昨年は日韓共同訪問の年として相互交流拡大のための事業を行ったほか、本年は日中観光交流年ということで、去る三月十日に日中観光交流年オープニングイベントを皮切りといたしまして、青少年交流文化交流をテーマとしたフォーラムなど、中国との相互交流を図るための各種事業実施することとしております。また、韓国中国カナダ等主要国との間では、相互交流拡大に向けまして定期的に二国間協議を開催し、いろんな施策を展開することとしておりまして、相互交流拡大に向けた取組を進めているところでございます。  今後とも、日本人海外旅行者と比べて著しい格差のございます訪日旅行者の増加に向けて積極的に施策を講じるとともに、双方向観光交流のためにアウトバウンド拡大を図る施策についても、旅行業界を始めとする民間関係者とも連携しながら取組推進してまいりたいというふうに考えてございます。
  13. 藤野公孝

    藤野公孝君 是非、まあ別の形のODAだと言う人もおりますから、海外は大変期待しておりますので、その辺もひとつまたよろしく今後ともお願いいたします。  それでは次に、道路関係道路局長に二問お伺いいたします。簡潔にお願いいたします。  まず、道路特定財源一般財源化、これ今胸突き八丁というか、最後の追い込みでいろいろ議論もされておるところでございますけれども、ユーザー立場、払う方の立場から言えば、やはり道路財源が余っているというような感覚なんというのは大変おかしいんでありまして、一杯いろいろその活用について要望を、気持ちを強く持っているわけでありまして、そういう中で、まあ小泉総理のいろいろ強い指導力はあるんでしょうけれども、ユーザー立場をもっとやっぱり理解し、閣議決定にもありますように、やっぱりそういう中で、理解の中でこれ進めていかなきゃいかぬということのその立場から二点御質問しますが、高速道路料金ですね。これを今、まあ私も海外での生活もありますけれども、本当に日本はちょっと高いなというのがあるわけですね。  今までは整備する方にどんどんやっていましたから、むしろその原資として料金は取っていた面はありますけれども、これをいわゆる高速道路体系プール制一つのシステムと一般道路財源というのとを区別して今まで議論をいろいろしていた中で、料金を引き下げるために、この余裕の出たというか、シーリングが掛かってあるこの道路財源高速料金の引下げにもし使えば、非常にそれは道路有効利用効率化ということにも資するし、ユーザーの納得にも大いに貢献すると思うんですけれども、なかなか難しい問題だということはよく分かっているんですけど、そういう抜本的な料金体系見直しについて積極的に取り組んでいただきたいという気持ちがあるんですが、いかがでございましょうか。
  14. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) 簡潔にお答えさしていただきます。  昨年の十月から四公団民間会社になっておるわけでございますが、高速自動車国道につきましては、コスト削減成果を還元するということで、平成十六年の十一月から逐次、料金割引平均一割でございますが、実施をさしていただいているということでございます。  民営化の趣旨は四十五年できちっと償還するということでございますので、それぞれの会社において検討されているわけでございますが、体力に差があるというような現状でございます。現在、今年度末の日本高速道路保有債務返済機構と各会社の間で新協定を締結すべく償還計画の最終的な調整を進めておるというところでございまして、その中で、今委員指摘のとおり、いろんな検討をさしていただいておるということでございますが、体力の差があるという中でございますが、できる限り料金割引ができるよう、各会社経営センスを生かしつつ積極的に導入されるよう、国交省としてもしかるべき努力を重ねてまいりたいと思っております。  また、道路特定財源活用した抜本的な料金体系見直しについてのお尋ねがございましたが、各種ユーザー団体からも強く要望されているということは十分承知をしているところでございまして、委員の御指摘も踏まえつつ、昨年十二月の政府・与党の基本方針に沿って道路特定財源見直しに関する検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  15. 藤野公孝

    藤野公孝君 これは大変難しい問題であることは十分承知はいたしておりますけれども、今最後の方でお答えになりましたように、利用者のやはり理解を得ながらこの一般財源化も進めるというところをきっちりやっぱり我々も政治的にもフォローしていきたいと思いますし、業界要望も大変強うございますので、ひとつその辺よろしくお願いいたします。  それから、二問目でございますけれども、いよいよ道路公団、本格的な民営化が本年四月からスタートするわけですが、ETCにつきまして、大変装着率も上がり利用率も高まって、そちらの調べられたあれでは、データでは六〇%が利用しているというようなことも聞いておって、それに基づきますいろんな割引制度も踏まえまして、その効果も大変上がっていることは慶賀の至りでございますけれども。しかし、まだ目標から見れば、八五%とかありますが、まだまだ最後胸突き八丁じゃないかと思っておるんですが、高速道路利便性の一層の向上に向けまして更なる普及促進策といったようなものも是非これやらないと、なかなか最終目標には達しないと思うんですが、その辺いかがでございますか。
  16. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) 簡潔にお答えさしていただきます。  ETCの導入は平成十三年の三月から一般運用開始されておるわけでございますが、昨年の十月時点と比べますと、例えば全国料金所一千二百八十四か所ございますが、渋滞がなくなったということで経済効果は年間約三千百億円というようなことでございますし、CO2につきましても大幅な削減ということで、道路利用者料金還元というようなことのみならず社会経済的な効果も大きいということで普及促進策に取り組まさしていただいておるところでございます。  委員指摘のとおり、六〇%近くというようなことでございますが、平日でいきますと全国平均が六〇・五%ということで、休日を入れまして五七・二%に対して、平日ベースでいきますともっと高いというようなことになっております。また、首都高では六八・八%というような高い率になっておるということでございます。  そうしたことから、いろんな普及促進策検討していかなくちゃならないということでございますが、これまで取ってきました車載器購入支援料金還元などの車載器購入費用の軽減策を実施した結果というようなことでございまして、そうしたことも継続して実施さしていただきたいと思っておりますし、マイレージ割引や時間帯割引、先ほど御質問いただきましたけれども、多様で弾力的な料金設定というようなことも、効果的な料金設定というようなことも考えていきたいと思っております。  現在、ワンストップサービスの継続実施、クレジット以外の決済方法としてのETCパーソナルカードの導入等も、あとETC専用レーンの増設なんかも継続実施さしていただきたいと思っておりますが、新たに、国によるETC車載器リース制度の実施とか、二輪車ETC、またスマートインターチェンジの本格導入等々含めて一層の普及促進に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
  17. 藤野公孝

    藤野公孝君 さっき言われましたリース制度なんというのは非常に今期待しておりますので、あるいはスマートインターチェンジもそうですが、よろしくまたお願いします。  都市・地域整備局長にお伺いいたしますが、私、名古屋の方に最近出入りすることが、何でかはお分かりになると思うんですが、多いんですが、開かずの踏切が大変多いところで、日本一の開かずの踏切、四十分閉まったままというところもあるそうでございますが、その踏切対策、先ほどの大臣がお読みになりました中のこの三ページのところにも、公共交通の安全のところで出て、今までの踏切対策というのは安全対策ということでやっておりましたが、私はやはり究極の踏切対策というのは立体交差、立交事業だと思う。これは、単に安全対策じゃなくて、分断された町を一体化し、再活性化し、町をつくり替えていくという大変大きな効果を持つものだと思ってます。  それにしてはまだまだ地元の協力とかいろいろ、もちろん時間も掛かる問題であるから、予算がこの程度ということはあるんでしょうけれども、大変これは私は今後の日本まちづくりに大きな効果があるものと思っておりますけれども、この事業につきましてより積極的に進めてもらいたいと、重点項目に入っておりますけれども、拡充ということで。安全対策だけじゃなくてまちづくりということで積極的にやってもらいたいと思うんですが、いかがでございますか。
  18. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) 踏切対策でございますが、開かずの踏切対策を始めといたしました踏切への対策を重要政策の一つとして国土交通省は今取り組んでおります。抜本対策によります踏切除却、それから速攻対策によります踏切交通の円滑化を車の両輪として対策のスピードアップを図っております。  御指摘連続立体交差事業でございますが、踏切除却によります安全の確保道路交通の円滑化のみならず、御指摘のように、市街地の分断要素を解消いたしまして市街地の活性化を図る観点から極めて重要な事業でございます。抜本対策の主軸として、道路整備の一貫で重点的に整備いたしているところでございます。さらに、駅の周辺で連続立体交差事業と一体となりまして、区画整理事業などによりまして、駅前広場、商業業務施設などの整備が行われ、都市の活性化にも大きな相乗効果を発揮している都市もございます。  国土交通省といたしましては、連続立体交差事業につきまして、踏切対策のみならず、御指摘のように、市街地の活性化に対しましても町が変貌するきっかけとして大きな効果が期待できるものと考えておりまして、今後とも積極的にその推進に努めてまいりたいと考えております。
  19. 藤野公孝

    藤野公孝君 どうぞよろしくお願いいたします。  時間がないのでちょっと早口になってごめんなさい。  鉄道局長にお伺いいたします。  今のまちづくりの関連でございますけれども、今、超低床、本当にもう段差がほとんどない超低床の車両によりますLRTの導入が、これもまちづくり、コンパクトシティーの形成等、新しい二十一世紀型のまちづくりに私はつながるものとして大いに注目しておるわけでございますけれども、このLRTの導入、まあ私の地元の広島電鉄もこれ入れるんですが、ほかの都市もたくさんありますが、大変高いんですね、一編成三億円とか。そうしますと、事業者だけじゃとってもやっていけない。  特に、公共がやる場合じゃなくて、民間がやる場合にはどうしても国やあるいは自治体の、何というんですかね、助成がないとなかなかこの導入は難しいんですが、一番の問題は、地方だってお金がないよと。大変なんです。広島市でもそうです。そういうときに、やはりこの補助につきまして、起債を今はまだ認められてないから大変困っている。その起債を是非認めてほしいという要望が広島電鉄のみに限らず、もう本当に悲痛な思いでございます。今度バリアフリー法でいろいろまたLRTに対する対応も広げられることは承知しておりますけれども、その点のこういう要望に対する鉄道局としての考えというか、お気持ちをお願いいたします。
  20. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) LRTの整備につきましては、十七年度からLRT総合整備事業というものを創設いたしました。これに基づきまして、LRTシステム整備費補助という制度を新たにつくりまして、低床式の車両の導入等を支援してきております。十七年度におきましては、広島電鉄ほか富山港線のLRT化等含めまして地域ごとにLRTの整備計画を作成していただきまして進めているところでございます。  御指摘のように、低床式の車両につきましては、導入コストが大きいと。それから、民間事業者、国とともに導入を支援する地方公共団体にとって負担になっているという事情もございます。このため、今国会に提出しております高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律案において、LRTの低床式車両の導入を、ノンステップバスと同様、計画を定めて積極的に進めていく事業、これ公共交通特定事業というふうに位置付けていますけれども、これに対します地方公共団体補助につきまして地方債の起債の特例の対象にすることとしております。  ただし、この事業のうち具体的な起債対象につきましては、本法案を国会において成立させていただくことができた後に総務省令で定めるということになっております。このため、私どもといたしましては、地方公共団体の負担軽減のためにもLRTの低床式車両への地方公共団体補助の起債対象化の必要性を総務省に説明しているところでございます。
  21. 藤野公孝

    藤野公孝君 同様の趣旨でありますが、総務省、審議官、来ておられますか。総務省としてのお考えをお願いいたします。
  22. 岡本保

    政府参考人岡本保君) お答えをいたします。  今鉄道局長からお答えございましたような基本的な体系の中で、これからLRTに係ります地方公共団体が補助する場合の地方債の取扱いについて御相談をしていくことになります。現在、バスの低床化に対する補助金についても地方財政法の特例でやっておりますので、そういう今までの前例もちゃんと踏まえまして、それから、きちんとそのLRTを積極的に推進していくという法律の基本的な考え方を踏まえまして、個別の関係の地方公共団体や国の予算の状況等も踏まえまして具体策を相談をしてまいりたいというふうに思っております。
  23. 藤野公孝

    藤野公孝君 どうぞよろしくお願いいたします。大変皆期待して待っておりますので、よろしくお願いいたします。  地方中小私鉄のちょっと助成の関係、今まで近代化補助というのでずっと何十年やってまいったんですが、安全中心ということで、特に福知山線の問題等もあり、今ATSも含めて、その枠、シーリングの中で安全に大変力を入れておられることはよく分かっておりますけど、この地方鉄道というのは、財政力もなくて、車両の更新等は大変後れてて、結構おんぼろの列車にペンキ塗ってみたいなところが多いんですけれども。私の地元に近い、例えば岩国からちょっと奥の方に入った錦川清流鉄道というのもあるんですが、この辺は今観光開発、地域開発と一体となって、大変台湾やら韓国からもお客さんが来るように彼らの努力でなっている、地元の努力でなっている、そんな線もあるわけなんで、今まで見向きもしなかった線が観光と一体となってやっている線、こういうところには車両がおんぼろじゃ困りますので、是非その買換えというようなことも含めて力をかしてやってほしいわけですけれども、その点の見通しについてちょっとお願いしたいんですが。
  24. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 先生御指摘のように、近代化補助というのを長年やってきております。とりわけ十七年度におきましては、鉄道事業者と地方公共団体あるいは地元の住民の方々含めまして連携いたしまして、地元で利便性向上に向けた再生計画を作成していただきまして、効率的、効果的に、重点的に支援しようということでございます。  御指摘の車両の更新につきましても、この計画にのっとって行われるものにつきましては補助率をかさ上げしておりますし、また、まちづくりと連携いたしまして新駅の設置あるいはパーク・アンド・ライドの駐車場、駐輪場、こういうようなところにも補助の枠を広げているところでございます。  今後とも、この再生計画に盛り込まれた施策、役割、こういうものを地域の中でしっかりやっていただきまして、私どもとしてはこういうものにつきましては、厳しい財政事情の中ではございますが、できるだけ支援してまいりたいと考えております。
  25. 藤野公孝

    藤野公孝君 是非、せっかく頑張っておるんですから、やれ予算がないから駄目だというようなことになりますと彼らはもう立ち往生してしまいますので、できるだけ、その計画の修正は結構ですけれども、見放さないようによろしくお願いいたします。  最後に、時間的に最後になりますが、自動車交通局長にお伺いしますが、規制緩和のトラックと並んで最たるものがタクシーなんでございます。あっちこっちでもう車があふれて困っているような、あるいは運転手の労働条件が劣化して大変安全にも影響している。  規制の見直し等についてもいろいろ要望があるわけですが、今日その規制の見直しということの質問ではなくて、規制緩和の中で、この業者の中には社会保険を払ってないといったような、社会的な責任も取ってないような事業者も増えてきておる。それから、今言いましたように、供給過剰になってて、この前、麻生大臣は、それよりも、失業よりもいいじゃないかというような御反論もあったようですけれども、やっぱりそのこと自体問題ですし、さらに、それが利用者への安全の確保の面で大きなこれ支障になっていると思う、危惧になっていると思うんですね。  これが公共交通機関の正に大臣がおっしゃる安全というところに響いてくるような私は大きな不安を抱えていると思うんですが、こういう輸送の安全のための対策という面から見て、社会保険も払ってないような業者等、いろいろ規制緩和の陰で看過できない問題が出てきておることに対して、どのような手を打っておられるか、どう措置とられるか、お聞かせください。
  26. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 藤野先生御指摘のように、タクシーを含めて公共交通機関の輸送の安全を確保するということは国土交通行政の中でも極めて重要な課題の一つだと認識をしております。  まず、規制緩和後の自動車運送事業における安全確保のためには事後チェック体制が確実に機能するということが重要であると思っておりますが、その確実性を一層高めるために、今年の二月一日からタクシーを含めトラック、バスも同じでありますけれども、監査の強化ということを行っております。具体的には、原則無通告で監査に入るということ、それから新規の参入事業者に対しましては早期に監査を実施するということ、それから違反を繰り返すような方については処分の量定を厳しくするなど行政処分の基準にめり張りを付けるということ、こういう取組を二月一日から進めているところであります。  また、タクシー運転者の適切な労働環境を確保するということも輸送の安全を図る観点から極めて重要な側面だと思っておりますが、そのような意味で厚生労働省との連携を強化することにしております。来月、四月一日からでありますけれども、合同で監督、監査に入るということにしておりますし、先ほど藤野先生からお話がありました社会保険に未加入のような場合、あるいは最低賃金に違反している疑いがあるような場合については相互通報制度を拡充をして厳正に対応できるようにしたいと思っております。  また、昨年の十月から交通政策審議会におきましてタクシーの将来の在り方についての議論をスタートしております。この中で規制緩和後の実態の把握、分析を行いまして、今後の望ましいタクシーサービスの在り方、そのための環境整備方策、こういったものをきちっと議論をしていただき、六月を目途に審議の取りまとめをしていただきまして、これを今後の政策立案あるいは行政運用に適切に反映していきたいと思っております。
  27. 藤野公孝

    藤野公孝君 質問を終わります。ありがとうございました。
  28. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 おはようございます。民主党の北澤でございます。  先ほど大臣の方から御説明をいただきましたが、私は少し広い意味で今日は議論をしていきたいというふうに思っております。  小泉内閣が今財政再建の名の下に公共事業削減をここ数年続けておるわけでございますが、また、これに対して国民世論も、公共事業に慢性的に取り付いたというか、利権であるとか談合であるとかというような負のイメージに後押しされて、極めて公共事業に対しては厳しい視線を向けておるわけでありまして、こういう中で公共事業について議論をする、あるいはまた道路特定財源の一般化といったようなものに対して異を唱えながら議論をするというのはなかなか時流にさお差すようで気の重い話なんですが、私は別に今更ここで公共事業の擁護論であるとか拡大論を言うつもりは更々ないんでありまして、むしろこういうときにこそストックとしての社会インフラをどういうふうに維持していくかということに力点を置いてしっかり議論をすべきだというふうに思っておるんですよ。  ところが、それを一番しっかりメッセージを出していかなきゃならぬ国土交通省の方から、どうも元気のいいメッセージが聞こえてこない。相当な思いは持っておるんだろうというふうに思いますが、なかなか聞こえてこないんです。  私は、OBの人は幾らか身軽になったせいか分かりませんが、元河川局長をやっておった竹村公太郎さんがなかなかいいことを、「日本文明の謎を解く」という著書を三年ぐらい前に書かれた。あの人のあの人柄がにじみ出たような博識縦横無尽といったような面白い本でありましたが、この中に極めていいことを言っておるんですよ。この評価がね、インターネットで出してもらったら、読者の評価は四・五から五つ星、なかなか評判もいいですよ。  その中でこういうことを言っているんです。文明の崩壊には、まあ世界の歴史の中で幾つかの文明が起きてそれが滅んでいく歴史が繰り返されておりますけどね、その文明の崩壊には共通の現象があると、こう言っている、共通の現象。その滅びるときの共通の現象は、安全の喪失と社会インフラの崩壊であると、こういうふうに言っておられるんです。安全の喪失とは、正に今国会のメーンテーマであります食の安全、住の安全、交通の安全、そして治安の安全、これを今国会のテーマにしようと我が民主党も張り切ったんですけど、最初のところで偽メール問題で何かおかしくなっちゃって、衆議院の方で変なことになったから参議院で頑張らにゃいかぬと、こういうふうには思っておるわけでありますが。安全の喪失が文明の崩壊につながるということになれば、その安全の喪失の一番大きなものは、それはやはり社会インフラですよ。それが今の、先ほど申し上げましたように、今の時流の中で、公共事業の悪者論の中で、社会インフラの崩壊がどんどんどんどん進んでいくというようなことになればゆゆしいことだと私は思うんです。  そういう意味で、竹村さんはね、文明の溶解に巻き込まれないためには社会インフラをどう整備し維持していくかに懸かっていると、こういうふうに書かれており、正に警世の言極まれりと私は思っておるんですが、国土交通省日本の将来を思ってこの職に就いた職員の皆さん方にもそれなりの見識は十分お持ちだというふうに思いますが、なかなかそれを発信するような状況になってない。これは小泉内閣の性格にもよるんだというふうに思いますが、本来、議院内閣制で内閣に対して責任を持っている与党がなかなかそういうものに対して発言、発信ができてないというところに私は昭和五十七年から九年のときの道路特定財源一般財源化とは大きく変わった状況があるというふうに思いますんで、その辺のところを中心にこれからお話をしていきたいというふうに思いますが、社会インフラ、公共事業という中でその大宗を成すのは道路であるというふうに思いますんで、今日は道路一般財源化について議論をしていきたいというふうに思います。  私はどうも答弁をいただくと脇道にそれる癖がありますんで、なるべく脇道にそれて時間が無駄にならないようにひとつまたお願いをいたしたいというふうに思います。  まず大臣にお伺いいたしますが、道路特定財源一般財源化について私は今申し上げたように大きな疑問を持っておるんですが、政府・与党は昨年の十二月に道路特定財源についての基本方針を取りまとめて、また、昨年の衆議院選の折にも各党がおおよそ似たような方向性を打ち出しておるわけですが、私は、民主党も道路財源一般財源化しろと、こういうふうに言っていますが、この辺の中身を言うとちょっと複雑になりますから、大ざっぱにくくって一般財源化の流れは各党とも同じだというふうなことで申し上げてまいりたいというふうに思いますが、果たして国土交通省は、一般財源化で今後の道路行政を展開していく中でどんなふうに大臣はまず基本的に受け止めておられるのかをお伺いをいたします。
  29. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 竹村公太郎さんの御本を紹介していただきまして、ありがとうございました。私も、「日本文明の謎を解く」、二冊目もあるんですね、「土地の文明」という本なんですけれども、まあ最近読んだ本では私、この二冊の竹村公太郎さんの本というのは、これOBだから褒めているわけじゃなくて、いや本当にすばらしい本でした。是非委員の先生方にも御一読いただければ有り難いなというふうに思っておるんですが。  それはそれといたしまして、道路特定財源でございますけれども、今後とも、この道路特定財源見直し論議がどうなるにせよ、もちろん財政面での制約はあります、ですからコストの縮減は図っていかねばなりませんが、必要な道路はやはり着実に私は整備をしていかねばならないというふうに考えております。それは一般財源化が仮にされても、その一般財源から出していただいて、道路整備をしっかりと着実にしていかねばならないと考えているところでございます。  この道路特定財源見直しの問題につきましては、この道路特定財源というのは、もう言うまでもございませんが、道路整備とその安定的な財源を確保するために、受益者である自動車利用者方々の負担でこの道路特定財源という制度が創設をされたわけでございまして、これからこの道路特定財源見直し論議が本格的に始まってまいりますが、やはりこの一点ですね、自動車利用者方々の負担でこの制度ができ上がっている。したがって、その見直しに当たりましても、自動車利用者方々のやはり御理解を得つつこの見直し論議をしていくということがやはり肝要なところであるというふうに考えているところでございます。  これから夏に向けまして、歳出歳入一体改革の議論が始まってまいります。その中の一つの主要なテーマでございまして、この議論の中で納税者の方々、納税者である自動車利用者方々に十分な説明を行い、理解を得つつ具体案を得てまいりたいと考えております。
  30. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 今の大臣立場一般財源化は阻止するということは言いにくいんだろうと思いますがね、一般財源化をしたら一般財源の中からもきちんと道路についての財源を確保していくということは、この場では言えても実際にはそんなことはできっこない。できないから特定財源をつくってやったんですね。  大臣ね、戦後、内務省が解体して一番最初に建設大臣になった人はどなたか御存じですか。いやいや、知らなくていいんです。あの吉田茂さんなんですよね。公共事業というと田中角栄さんに代表される流れかと思うがね、吉田茂さん。ただ、しかし四日か五日ですがね。  あの吉田茂さんはね、サンフランシスコの平和条約のときに行って、サンフランシスコの高速道路にいたく感動した。だから、公共事業については強い思い入れがあるんですよ。その結果かどうか知りませんけれども、ワンマン道路を造って、それであとは田中角栄さんに任せたって話は、これはちょっと余計な話ですけれども、しかし、一番最初の大臣吉田茂さんだということに私は我が国の戦後復興の大きな意思が感じられたんですね。  そこで局長大臣一般財源化されたら一般財源の中からしっかり予算確保していくと、こういうふうに言っておりますが、この道に何十年、青春もすべて懸けてきた谷口局長とすれば、一般財源化したら、現在に比較して道路行政、どんなふうになると思いますか。危機感を込めて、ちょっと言ってくれませんか。
  31. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  大臣答弁にございましたが、昨年の十二月九日の政府・与党の見直しに関する基本方針につきましては、冒頭に、道路特定財源制度の受益者負担ということで一定の役割を果たしてきたと、しかし一定の整備水準になったので、財政事情が非常に厳しいのでということで三点について記載されておるということでございまして、「特定財源制度については、一般財源化を図ることを前提とし、来年の歳出・歳入一体改革の議論の中で、納税者に対して十分な説明を行い、その理解を得つつ、具体案を得る。」というようなことになっているわけでございます。  一般財源化につきましては、いろんな御意見あって、いろんな幅があるかと思っております。その中で、三点目の一番最初に、道路整備の「ニーズを踏まえ、その必要性を具体的に見極めつつ、真に必要な道路は計画的に整備を進める。その際、」、大臣答弁にもございましたが、「道路歳出は財源に関わらず厳格な事業評価や徹底したコスト縮減を行い、引き続き、重点化効率化を図る。」というように記載されているところでございます。  道路整備に対するニーズは、先ほどストックのお話もいただきましたが、極めて強いという認識を持っております。見直しの結論いかんにかかわらず、真に必要な道路につきましては、厳格な事業評価や徹底したコスト縮減を図りつつ、着実に整備を進めていくという考え方に変わりはございません。
  32. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 この三つの項目は今おっしゃったとおりですわ。しかし、五十七年から五十九年のときの一般財源化議論、後ほど私申し上げますが、あのときと大変にトーンダウンしているんですよ。いったん一般会計へ入れて、それを特別会計へ下ろして、そこでやっているんです。  財務省というのはそんな甘くないんですよ。僕はよく言うんだけどね、高度二千メートルぐらいのところから獲物をにらんでいるあの猛禽類みたいに、ちょっとでもすきのあるところはみんな行って取り上げて、税はおれのもんだとこう思ってやっているんだから、甘いことを言っていたらみんな取られちゃう。  そこで、財務省にお聞きしますね。道路特定財源は使途が限定されているという理由から、財政の硬直化を招き非効率的であるというふうに、比較的こういうことを言う人が多いんだが、現在の一般会計と道路整備特別会計の状況を見比べると、国債費や社会保障費の増大で支出が硬直化して自ら首が回らなくなっているのはむしろ一般会計の方なんですね。一般会計の税収不足を招来したのは、私は財政当局の責任ではないかというふうに思っておる。塩川さんが、離れですき焼き食っているという例えをしましたが、道路特定財源はそうじゃない。ただ、たまたましっかりとした税ベースがあるもんだから、一般会計の方から見りゃ、隣の芝生は青く見えるんですよ。一般会計のしりぬぐいをするために道路特定財源一般財源化しろと、こういうふうに言っているのは私はおかしいと。まず冒頭そう思うもんだから、財務省、ちょっとお答えください。
  33. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。  まず、先生のおっしゃいましたように、特定財源制度につきましては、一般論としましては、その受益者に直接負担を求めることにつきましては合理性があるとか、また一定の歳出につき安定的な財源を確保できる等の意義があると思っております。ただし、その一方、先ほど先生もおっしゃいましたように、財政の硬直化をもたらすというおそれがあるなどの弊害があるため、社会経済情勢の変化の中で常に点検して納税者の理解を得つつ、原則として、財政当局としましては一般財源化検討する必要があると考えております。  また、今度は道路の特定財源につきまして申し上げますと、旧本四公団の債務処理が終了しますので、平成十九年度には大幅な余剰が見込まれる状況にあります。そして、そういうときに抜本的な見直しが必要となっておりますので、特に現在、我が国の財政状況が極めて深刻でありますので、プライマリーバランスの回復に資するよう広く有効に活用していくことが必要ではないかと考えておりまして、その必要について十分な説明を行いまして理解を求めていきたいと思っております。
  34. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 そういうことをおっしゃるんだろうというふうに思いますが、私は一般会計の方が苦しくなってきているということはよく分かるんです。それは国民も理解をしておりますよ。しかし、それならば歳出の削減だとか、国民の目によく見えるところで国民の納得するようなことをすれば、それは道路特定財源の中で過分なものは一部一般会計へ回したっていいと、そういう理解は得られるというふうに思うんですよ。  もう九十近い人ですが、私の長くこの政治の世界でお付き合いしている人が歌集を出しまして、その中に、そういう年代ですから、この人は小学校を卒業するかしないか、十一歳かそこらですな、口減らしででっち奉公に出されたんですよ。その人が今はもう町のだんな衆で立派な人ですけれども、その人の歌集の中に、「子の我に」、子供ね、「子の我に金の無心を書きたりし母の心のなお深からましを」と、こういう歌があるんです。あの時代ですからね、でっち奉公に出て、ほんのわずかな給金をもらっている私に金の無心を書いてくるお母さん。何だ、こんな寂しい思いして苦労しているのにというふうには思わないで、ああ、この私にさえお金の無心をしてくるお母さんは相当苦しいんだろうなと、こういう気持ちですよ。その後にこういう歌がある。「少年の我に似合いの給金を親に渡して心足らえり」と。この精神ですよ。  そういう納得ずくの精神の中でこの議論をするんならいいと。何でもそこに少しオーバーフローした財源があるから、あれはこっちへよこせと。日本の社会の将来がどうなって、この後に私ちょっと申し上げるが、アメリカの公共事業が大変なことになった一九八〇年代のことを国土交通省はパンフレット一杯作って出していますけれども、そういうことにつながりかねないと思うから、私は警鐘を鳴らす意味で今申し上げておるわけであります。これまた財務省と議論すると長くなりますから、私の思いを申し上げておきます。  さてそこで、大臣、財務省に引き続きお伺いをしますが、政府が考えておる道路特定財源一般財源化とは一体何なのかというのは、先ほど来申し上げておるように私にはどうしても分からない。  そこで、過去の一般財源化議論ですが、先ほど来申し上げておる昭和五十七年、当時の鈴木善幸内閣では昭和五十九年度の赤字国債の脱却を目標として財政緊急事態宣言が出された。その際に、道路特定財源一般財源化案が当時の大蔵省側から閣議に報告されたと、こういう経緯ですね。結果として、鈴木内閣は財政赤字の解消の不達成を理由に総辞職することとなったわけです。これは裏にもうちょっと日米の関係があったんだけれども、表向きはこういうことだったんだ。この後、道路特定財源及び道路特別会計制度をめぐっては、一般会計の財政事情に影響を受けるべきではないということが議論の中心になった。今の小泉内閣に対する与党・自由民主党の姿勢とは大きく違っているんですよね。これは道路調査会長が首をすげ替えられたり、それから先ほど申し上げた社会情勢もこれあるんでありましょうが、大きく違っておる。  さてそこで、特に昭和五十七年から五十九年にかけて自動車重量税の未充当問題が起きており、この三か年度で合計四千百八億円が道路整備特別会計に充当されなかった。この未充当額については、一般会計への貸付金という形を取り、後年度にこれら全額が返済されている。ここのところも今とは大きく違うんです。その返済時に、揮発油税の一部を一般会計を経由することなく道路整備特別会計に繰り入れる直入の制度が別設されて地方道路整備臨時交付金として今に至っておる。現在直入されているのは揮発油税の四分の一、約七千億円、これにすぎないんですが、道路特別財源が使途を限定し、特別会計で区分されている歴史的経緯、課税原則から考えれば、道路特定財源は全額直入が最も私は理にかなった在り方であるというふうに思っておるんです。まあ、異論もあるでしょうけれどもね。  国の道路特定財源約三・五兆円のうち直入されていない二・八兆円を一般会計を経由するという、ただそれだけの理由で一般会計の公共事業と同様のマイナスシーリングを掛けて非公共事業分などと称して使途拡大するというのは、全く私は邪道だというふうに思うんですよ。理屈に合わない。さらに、道路特定財源道路整備特別会計に全額直入した後、余るというのであれば、そのとき初めて減税や一般会計への貸出しの議論をするのが本筋だというふうに思うんです。これはさっきちょっと歌集の話もしましたがね、順序立てていけばそういうことだというふうに思いますが、大臣と財務省、御見解を聞かせてください。
  35. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) これまでも、これ詳細はむしろ財政当局の方から言ってもらった方がいいのかもしれませんが、これまでの実績でも一般会計から道路整備費用を出している場合もあるんですね。要するに、道路特定財源だけから出しているだけじゃなくて一般会計からも出している場合がある。例えば、補正のときの災害のときに、そういうときは一般財源から道路整備費用を出しているケースというのはこれまでも何度かございまして、私は、一般財源化されたからといって、それは道路整備に対する費用がこれまで以上に大きく減ってしまうというふうには私は考えておらないんです。  今回の見直し議論がどうなるにせよ、どういう方向に行くにせよ、私はその見直し論議とは別に、やはり本当に必要な道路というのは、これはあるわけです。また、もちろんその優先順位、必要性の度合い等々はしっかり見ていく必要がありますが、また財政の面での制約がありますから、限られた予算になると思います。しかし、必要な道路はしっかりと造っていかねばならないというふうに思っているんです。  それと、よく道路特定財源が余っている、余っていると言われる方がいらっしゃるんですが、それは私もおかしいと思っているんですね。そんな言い方はおかしいと。それはシーリングで道路整備に対する支出が抑えられているからのことでありまして、道路整備に対するニーズは全国で極めてあるわけでございまして、道路特定財源が余っているという表現の仕方は、これはやめていただきたいと。(発言する者あり)ありがとうございます。それは誤解を生むというふうに思っているところでございます。  それで、これまで、この道路特定財源の使途につきましては、今委員のおっしゃったように様々な使い方されているわけでございますけれども、交通渋滞の緩和解消に向けた道路整備、先ほどETCのお話もございましたが、それから災害に対して安全性、信頼性の高い道路確保していく防災対策としての道路整備事業活用もございますし、さらには、今、道路整備をすることによって自動車が通る、そうすると環境に悪化するんじゃないかというふうなことも言われているんですけれども、例えば環境対策としてのディーゼル微粒子除去装置の導入支援とかETCの車載機のリース制度など、こういう密接に関連する事業にもこれまで使わしていただきまして、活用をさせていただいたところでございます。  これまでの道路特定財源の使われ方というのは、そういう意味で納税者の方々の御理解が得られる範囲でその活用を図っているというふうに考えているところでございます。
  36. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 二点ございました。  一つは、その特定財源の特別会計直入の問題でございます。この問題につきましては、先生もおっしゃいましたように、塩川大臣が特別会計の問題点を指摘いたしまして、それに基づきまして財務省としてはその見直しに取り組んでおります。  それで、昨年十一月二十一日の財政制度審議会の答申でございますけれども、例えば特定財源が直入されている特別会計につきましては、歳出の動向にかかわらず歳入が入ることから、その性格によっては余剰が生じやすいものもある。したがいまして、このような場合においては、特定財源につきまして財政資金の効率的活用を図る観点等から、一般会計を経由して必要額を繰り入れる方式などに見直すことを検討すべきであるというようなことを言っておりまして、基本的には直入に対しては財政当局としましては消極的な立場でございます。  次は、シーリングとの関係でも大臣からもお話がございました。それにつきましては、今後の公共事業の在り方につきましては、現下の財政事情の厳しさや社会資本整備の進捗状況等を考慮すれば、やはり引き続き重点化効率化を図っていくことが必要ではないかと考えております。また、道路整備事業につきましても同様に道路整備整備状況等を踏まえれば、公共事業全体の中で引き続きその重点化効率化を図ることが必要だと考えております。
  37. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 それぞれお答えをいただきましたが、大臣ね、大臣はもう政調会長も長くやって、与党の政調会長もおやりですから十分分かっていた上でおっしゃったと思うが、災害時の予算は、あれは別枠です。この議論と一緒にされちゃ困るんです。そこらからおかしくなるんですから。まあ、これは分かっていておっしゃっておるんだろうと思いますが。私も余り知識が豊富じゃないが、こんな程度のことではだまされないので、ひとつよろしくお願いします。  それと、一般財源化するというのを五十七年のときの議論の中で、財政再建の期間中は一般財源化しろと、こういうことで、しかし公共事業については、それを実行していくためには建設国債を別途出してそれでやるという、いわゆる建設国債振り替え論というのがあったんです。これ、またこうなるんですよ、もしやるとすればね。そうすると、それは納税者は暫定税率で高い税率を払って、その上また国債を、建設国債をやらされるということで二重取りになるというような議論が盛んに言われておる。そんなところへそんな議論をまた蒸し返すようなことはもうやめた方がいい。これをやるとちょっと時間がなくなるから、次、具体的なことへ入りますね。  私は、平成十八年度の自動車重量税について、ああ、そうそう、委員各位に、もし退屈でしたら、私の方からこれ出してありますからね。(資料提示)これは、先ほど大臣にちょっと言われましたけれども、ずっと年度を追って、道路特定財源がどういうふうに動いているか、表にしてありますから、御参考にしてください。  平成十五年から平成十七年度の災害復旧の道路整備費を補正予算等において一般財源で賄ったので、道路特定財源である自動車重量税のうち四百七十二億円を一般会計に転用するということだったので、そういうことをするのであれば、平成十四年度に公共事業費の先ほど申し上げた一割マイナスシーリングの際、道路整備特別会計に未充当となり、一般会計で消化されてしまった二千二百四十七億円の自動車重量税を返すのが筋じゃないかという私は問題意識を持って質問しようとしておったんです。  財務当局といろいろお話をすると、平成十三年度の第二次補正予算で、NTTのB型事業として一般会計から資金五千五百八十五億円を投入しており、平成十四年度に一般会計で消化された二千二百四十七億円の自動車重量税は、そのやり取りの中で国土交通省平成十四年度限りの異例の措置として合意した話だという説明がありました。したがって、財務当局としては、理屈の上から貸し借りの話をするならば、別途差額の三千億を道路特定財源から新たに返すのが筋論だということでありまして、まあ本当にそんなことを主計局が考えておるのかどうか分かりませんが。しかし、当時の国会の議事録を見ると、小泉総理を始め、財務省の牧野主計局次長も、勝さんの前任者、平成十四年度予算平成十三年度の二次補正とワンセットで自動車重量税について一般会計と予算のやり取りを行ったとは説明はしていないんですね、そんなことは。  小泉総理も、平成十三年度第二次補正については、政府保有資金を国債償還に支障の生じない範囲内で有効活用するものであり、財政規律を保持しつつ、財政規律を保持しつつですよ、改革に資する事業を行うものであると答弁しているんですね。あくまでも、自動車重量税のうち二千二百四十七億円を充当したことについては、平成十四年度において公共事業の一割カットの結果、道路特定財源の額が道路予算の額を上回ることとなり、これを使途の限定なく一般財源として初めて活用することとしたとだけ、そういうふうに答えている。これは議事録であるから、本当かうそかなんて聞いたってしようがない。このとおりに答えておる。  そうでなければ、平成十四年度予算の公共事業の一割カットの真相は、今度はよく聞いておいてくださいね、平成十三年度の二次補正でしっかり公共事業の穴埋めをして困らないようにしてから、困らないようにしておいてから見せ掛けの改革を演じたということを財務当局が自ら認めることになるというふうに思いますが、いかがですか。意味、分かりますか。
  38. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) その十四年度の取扱いでございますけれども、平成十四年度予算におきまして自動車重量税の一部であります二千二百四十七億円を一般財源として活用しました。  そして、その活用ですけれども、これは暫定税率を設定しました期間、すなわち五か年計画、十年度から十四年度まででございますけれども、この補正予算等により、特定財源の税収を上回る道路整備予算を措置されましたので、その関係で一般財源として使われたというふうな説明でございます。
  39. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 私のしゃべりが悪いのかどうか分かりませんが、要するに、十五か月予算を組んだでしょう、十五か月予算を組んだときに本当は三千億、まだ道路特定財源からもらわなきゃいけないんだということですよ。そんなことを言うんだったら、じゃ、私らには分からないんだ、国土交通省と財務省の間でどんなやり取りをしてお互いに納得してやっているのか。要するに、特別会計というのが厳然としてある中で、貸し借りを、官僚同士が貸し借りをして、それで我々が関与することのできないところで呼吸を合わせているというのはけしからぬことだと僕は思っているんですね。だから、ここで四百七十二億ですか、これ返せというのは私は筋が通らぬと、こういうふうに言っているんですよ。それ、返せと言うんだったら、その前に二千二百四十七億円を逆に一般会計の方から返すのが筋じゃないかと、こういうことを言っておるわけです。  そこで、この自動車重量税のうち二千二百四十七億が一般会計に流用されたことについては、当時、あ、今日は来ていないな、脇さんが、脇委員が質問したことに対して、中馬国土交通大臣答弁で、当時の会議録を見ますと、ここではっきりと、自動車重量税の暫定税率の分は道路に使うことが前提になっているため、その分までも食い込んだ形は自分たちが認めたのではなく、財政当局はそのような説明をしておりますけれども、しかし、これは暫定税率の分まで食い込んだ分は、明らかにこれは今おっしゃいましたように利用者に対しての一つ説明が付かない形で流用されてしまったんではないかと私は認識をいたしておりますと、こういうふうに言っているんですね。その前段で、この自動車重量税でなくて、法制化されたほかの揮発油税なんかをもし一般財源に使うとすれば、それはもう法律違反だとまで言っているんですよ、この副大臣は。  まあ、大臣、副大臣というのはいなくなっちゃうから追っ掛けようもないんだが、あのとき議事録に、しかし国会の議事録にそれが残っている。法律違反だと言った上で、今度は法定化されていないこの自動車重量税についてもこういうふうに言っておるんです。  財務省にお尋ねいたしますが、このとき本当にどういう合意があったのか。十五か月予算の中で、まあ国土交通省国土交通省なんだ。十分に取れなかったけれども、補正を含めると十五か月予算の中で十分に予算確保できたからというような、何か変な与党に対する説明文書を作ってお茶濁しているんですよ。こんなものは、私に言わせれば、道路局の引かれ者の小うたみたいなものだ。削られて、それを今度は補正予算の中で、補正予算なんというのはまたこれは別の話ですよ。さっき災害のことも言いましたけれども、災害は別、補正予算も別。総理がちゃんと財政規律を守ってやっていると、こういうふうに答弁しているんだから、表向きは。そこのところは私たちには本当はやみの中なんだ、やみの中。  局長、先にちょっと答弁してくれませんか。
  40. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  先ほど勝次長の方から答弁ございましたが、お尋ねの、十四年度予算案におきましての二千二百四十七億円の道路整備に充当されなかった件でございますが、暫定税率を設定した期間、平成十年度から平成十四年度で見れば、補正予算等により税収を上回る道路予算確保されているという認識でございます。  事後的な処理というようなお話もございましたが、過去に、大きく言って、この平成十四年度と五十七、八、九の三か年の未充当というようなことは、委員から御指摘ございました、常時ある、常態化されているということでなく、その場の緊急的な措置というような側面もあるんではないかと思っておる次第でございます。  いずれにしましても、暫定税率を設定した期間内で見れば道路予算の額が道路特定財源の額を上回ることから、自動車重量税を含めた道路特定財源は全額道路整備に充当されており、道路特定財源としての取扱いは変わっておらないという考え方でございます。
  41. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。  当時は景気対策を毎年度補正予算で措置しておりまして、その結果としまして道路の特定財源を上回る財源で道路整備を行っていたと。それが、当時の五か年計画中、十年度から十四年度までで補正等で措置しました道路整備に係る国費ですけれども、四兆円を上回るものがございました。  したがって、その一部を十四年度の道路予算、そのときの十四年度の税収は三兆三千億ございましたけれども、それが、道路整備事業そのものが臨時交付金入れますと三兆二千億円弱だったと思うんですけれども、その余りを一般財源として、二千二百四十七億円ですか、一般財源として活用したという説明になっていると思っています。
  42. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 なかなかかみ合わないんだ。要するに、道路特定財源も含めてシーリングを掛けるということ自体が間違いなんですよ。そこのところを間違いだというふうにまず認めなきゃいけないし、さっき大臣は特定財源がオーバーフローしているなんということは言わないでくださいと言った。これはまた昼休みにでも主計局とよく話してくださいよ。時間が押していますのでね。  ただ、局長、あなたの言った補正で十分に補てんされたという、そういう認識は駄目なんだ。これからは厳しい時代になっていくから道路特定財源道路特定財源としてきちんと規律を持って考えないと、よそから、ほかの方から何か南風が吹いてきたから取りあえず良かったなという話は駄目なんだよ。(発言する者あり)いや、全くそのとおりでね、そこのところは分かっているんだろうと思いますが、そういう考えをするから高度二千メートルから猛禽類にねらわれるんですよ。それがあなた方の道路局のすきなんですよ。きちんと、いや、そんなものは、我々は国民からもらったこの貴重な財源の中で日本の国の道路をきちんとさせていきますよという思いがしっかりあれば、貸したり借りたり、大体行政の裁量で特定財源やそういうものを貸し借りするなんということは不届きな話なんだ。  さてそこで、次にまた財務省にお聞きをいたしますが、これまでの道路特定財源道路関連施策への使途拡大によって一般会計に計上された予算は、平成十五年度から平成十八年度まで本州四国連絡橋公団の債務処理費も含めれば一兆七千七百億円にもなるんで、一兆四千六百億円を占める債務処理費を除いても、道路関連施策への使途拡大の累計は平成十八年度までに既に三千百億円に上っております。既に三千億円一般会計で使っているのに、当時とは異なる説明をして、更に三千億円を返すことになりますという説明は、先ほど申し上げたことですが、余りにも理不尽な話ではないか。むしろ、二千二百四十七億円を返せと言ったら、何言っているんだと言って開き直っているような脅しのたぐいだ、これは。あくまでも四百七十二億円を転用するというのであれば、二千二百四十七億円は道路特定財源に返還すべきであると私は考えておりますが、財務省、どうですか。
  43. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 先ほど申し上げましたように、十年度から十四年度の間に道路特定財源の税収を上回る国費を道路整備に投入しました。それが補正予算、十年度から十四年度までの合計は四兆円余りでございます。  したがって、特定財源の考え方から申しますと、当初予算と補正予算、決算で一緒でございますので、その分をある意味では、当然ながら特定財源に充当したということで説明いたしております。
  44. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 私の質問をしようとしたことの趣旨が十分に勝さんに伝わっていなかったんではないかなというふうに思います。  そんなことを言っているんじゃないんだ。そんな補正予算道路関係にも付けましたよと、だから十分もう返してありますよというような、そんな便宜的な話は駄目なんだ。これこだわっているといけませんが、しかし、道路特定財源一般財源化しろ、補助金はやめろと言っている民主党の中にもこういう意見を持ってやっているということをよく認識しておいてください。私は、道路局にえらい物を頼まれて質問しているわけじゃなくて、この国の社会インフラが崩壊の危機に直面しないように守るべきところは守ると、こういうことで今言っているわけです。  そこで、半まででやめるんですね、自動車重量税をめぐり財務省と国土交通省の間にどのような取決めを行っているのかを明らかにしてほしいということでちょっと申し上げますが、ここで明らかにしていただきたいのは、国土交通省と財務省の間でこれまでどのような取決めを結んできたのかということであります。その中でも特に自動車重量税の取扱いについて明らかにすべきであると。  自動車重量税は課税対象が自動車利用者に限られていることから、国分の八割は道路特定財源として財政運営をしてきたが、近年、これを一方的に一般財源として使っていると。道路関連施策への使途拡大ということで道路特定財源を投入するのであれば、一兆四千億円余の本州四国連絡橋公団の債務処理費もその他の道路関連施策の使途拡大予算もすべて道路整備特別会計を通じて行っても問題ではないはずだ。そこであえて一般会計を通すことにこだわるのはなぜか。  特に、平成十九年度には自動車重量税が今のままでは大幅に使途不明のままになってしまう。自動車重量税は道路特定財源の法定財源ではないかもしれないが、それは立法政策上の話であって、これまでのように官邸主導で財務省と国土交通省の役人同士で、まるで自分たちの、ちょっと言葉が悪いが、自分たちの財布の中身のように道路特定財源の扱いについて話し合い、決まっていくのであれば、国会で審議すること自体に意味がなくなってしまうんですよ。我々が分からないところでやっているからね。  もし小泉内閣になってから道路整備特別会計と一般会計において何らかの貸し借りやそれに付随する合意、やり取りがあるのであれば、特に今この場で一切を明らかにすべきであるというふうに思いますが、いかがですか。その上でなければ、道路特定財源についてこれから議論しても余り意味がないと私は思っておるんですよね。なかなか答弁しにくいと思うが、局長と財務省の勝さん、今私が申し上げたことは十分分かっておるというふうに思いますんで、簡潔にお答えください。
  45. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  まず、本四の債務処理でございますが、当時危機的な状況にあったということでございまして、詳細は省かさしていただきますが、平成十四年の十二月の政府・与党協議会の申合せを受けて、平成十五年の通常国会において所要の法律が成立し、約一兆三千四百億円の債務が国に承継されたということでございます。これを平成十五年度以降の自動車重量税の一部を活用して債務の返済を行ってきているが、これは道路の建設に伴い生じた債務を確実に返済しようとするものであり、道路特定財源の趣旨に合致し、納税者である自動車利用者理解が得られるものと考えておる次第でございます。  今後につきましては、十八年度でこの本四の債務処理が、今、国会審議をお願いしておるところでございますが、四千五百二十二億円計上さしていただいていますが、終了するということでございます。そうしたことから、先ほど来御議論いただいておりますが、昨年の十二月九日の見直し基本方針に従ってしっかりとした対応をする必要があるということであろうかと思っております。  先ほど来、長い経験のお持ちの、また国土交通委員長もされた委員から御指摘いただきましたが、私としては、冒頭に答えさしていただきました必要なものをきちっといつまでにというようなことを明示さしていただいて、しっかりと対応さしていただければと考えておる次第でございます。
  46. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) 本四公団の具体的な中身につきましては、今道路局長が申し述べたとおりでございます。  今後の話でございますけれども、昨年末に政府・与党で基本方針を取りまとめました。それで、その中に、一般財源化を図ることを前提としまして、納税者に対して十分な説明を行い、その理解を得つつ、具体案を得るということになっております。そして、それを骨子とする行革推進法案を現在、政府としまして国会に提出いたしております。そういうことも含めて、今後恐らくいろんな各方面で議論になるのではないかと考えております。
  47. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 午前中の時間が来ましたんで私はここで中断して、午後も大江委員の御理解をいただいて引き続き質疑をいたしますんで、財務省の方も総務省の方も誠に申し訳ありませんが、お付き合いをお願いをいたしたいと思います。  最後に申し上げますが、私が言っているのは、今、本四のことだけお二人はお答えになったけれども、それを言っているんじゃなくて、安易に行政同士で話合いをして物事を進めちゃいかんと。表に出た、予算は表に出りゃ、款項目節できちんと決まっている。その裏で財源をめぐって貸し借りしちゃ、それは駄目ですよ。まあ国土交通省寄りで物を言えば、一度そんなことを許せば、気持ちをそんなに緩くしたら、それは駄目なんだ。財務省というのは日本じゅうの税金は全部自分のものだと思っているんだから。気を引き締めてこれからやっていかなきゃ駄目ですよ。  午後にお願いをいたします。ありがとうございました。
  48. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十二分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会
  49. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管及び住宅金融公庫を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  50. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 午前に引き続きまして質問をさせていただきますが、ここから後半は少し提案を申し述べながら建設的にお話をしてまいりたいというふうに思います。  そこで、この一般財源化が行われるとしたら、将来どんな見通しを立てていかなきゃいかぬのかというようなことも含めてちょっとお伺いをいたしたいと思います。  一般財源化をしてしまったら、一時しのぎ的には一般会計の収支バランスはその分だけ改善されるだろうというふうに思いますが、将来的に道路の維持費が今以上に必要になった場合、道路を一般財源で賄うということは増税、あるいは先ほども申し上げました建設国債などで賄うことになるのか。それでは国民の負担がいたずらに増えるのではないかというふうにまず懸念をするわけでありますが、先ほど大臣は、しっかり一般財源からも取れますよと、こういうふうに言っておられました。  そこで、本年二月十六日の社会資本整備審議道路分科会基本政策部会においては、三十年後の道路橋梁の維持管理費が現在の一・四兆円から二・六兆円に拡大することが報告されておるわけでありますが、道路特定財源について長期的な収支の見通しはどうなっているのか。要するに、欧米諸国、アメリカは別にしましても、ヨーロッパの方はローマに代表されるように二千年以上の社会インフラの歴史があるわけですがね、我が国は、まあ大ざっぱに言えば終戦直後からの六十年の歴史しかないわけですよ。そうすると、我が国が持っている社会資本というのは、これからが危なくなってくる、そういうことだというふうに思います。  それは、国土交通省がこんなに立派な「「荒廃する日本」としないための道路管理」というのを出しておられる。これ見ますとね、確かにこれは大変なことになって、これから維持管理費等が膨らんでくると。そういうものに、じゃどういうふうに対応していくのかということになるわけですが、一般財源化すると、大臣はしっかり取るとこう言っているけど、財政事情に左右されるんですよね。財政事情に左右されると、長期的な展望に立った道路政策とか社会資本整備の計画というものは立てにくくなる。仮に立てたとしても、何の意味もなくなってしまうと。  道路特定財源でしっかり守ってきたものでさえ、けつに火が付けば財務省の方からそれよこせと、こういう話でしょう。ましてや、所管が、一般財源化すればそれはもう財務省の手の内になるわけですから、極めて不安定になると私はそう思っておるわけでありますが、特に今後、道路を中心とする社会資本の老朽化に伴う更新の時期を迎え、更に維持管理費に莫大な資金が必要だというふうに思うわけでありますが、今後の道路整備と維持管理に必要な経費がどのくらい見込まれて、道路特定財源を維持した場合あるいは一般財源化した場合に、それぞれ国及び地方の道路整備の水準を適正に保てるのか、まず局長にお伺いをいたしたいんですが、具体的にこう数字が、ここにも出てますからね、数字を挙げて簡潔に御答弁をお願いいたします。
  51. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  委員指摘のありました件でございますが、建設後五十年以上を経過した橋梁の割合でございますが、全道で申し上げますと、十年後には現在八千四十橋が二万五千九百橋、二十年後には六万四千七百六十四橋ということになりまして、直轄国道におきましては、同じような傾向でございますが、十年後には現在の約五・六倍、二十年後には約十二・四倍に増大すると試算されております。また、必要額でございますが、直轄国道だけで申し上げますと、維持修繕費の必要額は平成十七年度二千八百五十三億円ということになっておりますが、その四千三百億円というようなことで、現在の約一・五倍というようなことで試算をさせていただいております。
  52. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 仮説の上に立ってですけれども、今のような状況で道路特定財源一般財源化した後に、今言われたような十年後とか二十年後というような推計をしたときに、国土交通省として十分な手当てが本当にできるのかどうか。  これはね、谷口さん、あんたもういなくなっちゃうからいいけど、しかし、そのときにいた人の責任は重大ですよ。ああ、あのときに谷口局長はしっかりやってくれたなと言われるか、あのやろう自分がいなくなったらもういいと思ってとんでもないことをやっていったと、もうあんた、毀誉褒貶、これ大変なことですよ。どうですか。
  53. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  これまでも与えられた予算の中でいろいろ工夫しながらではでございますが、適切な管理ができるように所要額を計上させていただいておるところでございます。  今委員指摘のいただきました問題につきましては、加速度的に橋梁も含めて維持更新が増えるというような試算結果になっておりますので、それまでにしっかりとしたネットワーク整備なり改築事業を図るとともに、そうしたときに備えて適切な管理を行う上でしっかりと対応をしていきたいと思いますが、その上で更に一層のコスト縮減を図りながらきちっとしたサービス水準ができるように、毎年度の予算の範囲内で最優先で維持管理に当たっていきたいというようなことで考えておるところでございます。
  54. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 できれば、道路特定財源でいけばこういうふうに自信を持ってやれるけれども、一般財源化したときにはかなりの懸念があるとか、そういう答弁を私は期待しておるわけなんですね。  そこで、なぜこれにこだわるかというと、まあ参考までに申し上げますが、この先ほどの基本政策部会の資料を見ますと、一九八〇年代に米国が社会資本に予算を十分投入しなかった結果、いまだに三割近くの橋梁が劣悪で橋梁の崩壊等の事故が発生しているということを国土交通省のこの資料の中で強調しているんですよ。荒廃した米国の社会資本の惨状が明日の日本に警鐘を鳴らしており、こうした教訓を生かすことは重要ではないかと、私もそう思います。  道路維持特定財源の一般財源化日本の社会資本を荒廃させる原因にならないかということを、局長、私はもう一回答弁していただきたい。  そこで、架設後四十年以上の橋梁、一九八〇年代の米国は、これがちょうどその予算投入をしなかった当時のものが四〇%あった、四〇%ね。日本は、平成十三年のデータで二三%。これが十年後の平成二十三年になると五六%になるんですよ。二三%が五六%になる。それはここに、この資料に出ております。これ見てもらえば分かるように、ここに、十年後にこれだけ大きくなる。そうすると、アメリカの橋梁で起きた道路の荒廃が間違いなく日本にやってくる。  そこで、国土交通省道路局長とすれば、なかなか政府の方針が決まった中で一般財源化は駄目だとこの場では言いにくいんだろうけれども、正直なところ言ってくれませんか。
  55. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  先ほどの答弁で重なる部分があるかと思いますが、アメリカにつきましては、一九八三年を底にして、橋梁が落橋するというようなことがございまして、その後六か年になっているわけでございますが、日本道路特定財源と似ている部分がございますが、信託資金ということで六か年きちっと、それも毎年毎年きちっと予算確保されているということでございまして、現在は、委員指摘のように、橋梁の危険率は約四割低減されているという状況になってきたということでございます。  それで、先ほどの質問と重なるわけでございますが、これから昨年の十二月に決められました政府・与党の見直し基本方針に従って議論がされるということでございますが、一般財源化も幅があるということではないかと思いますし、道路整備の使途につきましても幅があるということで、どう結論が出るかということでございますが、委員指摘のとおり、こうした維持更新費が今後増大するというような状況も踏まえて、しっかりと分かりやすく、まだまだネットワークとしても道半ばというようなことも併せ、しっかりと議論できる材料を提供し、また主張すべきときには主張さしていただいて、しっかりとした後世に恥じないような結論を導いていただければと祈念をいたしておるところでございます。
  56. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 やや踏み込んでいただきましたが、まあ立場上仕方がない。  私は何でしつこく聞くかというと、谷口さん、久しぶりに侍っぽい人が局長になっているから、しかも際どいところだから、私見を、自分の見識をしっかり持って指導してください。  それで、大臣、今までの議論をお聞きになっていただいて、これからどうするかという問題だと思うんですが、まあ国土交通省は、私は早い段階からこういうことを言ってきたんですけれども、本四架橋の返済金が終わる十九年が勝負どころだと、こう言ってたんですよ、幹部の人たちは。ところが、それが一年早まっちゃった。いや、これは大変だといって何か言うのかと思ったら、ただじっと黙っているだけ。本当にどうなんだと、こういって聞いたら、これは公の場ではありませんよ、聞いたら、今国土交通省から物を言うと守旧派にされるから、今はじっとしてなきゃならぬ。  そのじっとしてなきゃならないということの理由は、すぐ分からなかったんだが、後ではっと分かった。ああ、九月に小泉さんが辞めると。ああ、小泉さんが辞めればまた元へ戻ると、自民党もまた元へ戻ってくれるのかと、こういう期待があるかもしれません。しかし、それは甘いんだ。いったん一般財源化という扉を開いちゃったら、小泉さんよりも財務省はなおしつこいですよ、財務省は。もうにしきの御旗もらっちゃっているから、これは。  ということで、大臣、このアメリカに一つの前例がある、それを教訓にして、国土交通省はこんなに立派な資料を出してやっている。また、前の河川局長の竹村さんも、先ほど大臣が激賞したように、立派な論文を書いている。昔、事務次官やった小野さんも、あの塩野七生さんの「ローマ人の物語」のあそこから引用して、私、年賀状だか何かいただいたこともある。それぞれみんな見識を持って、持論は持っているんだけれども、公の場で正々堂々と言えないというのは私はおかしいと思うんでね、大臣、反乱起こせとは言いませんが、将来の日本の国のインフラに対してどんな見解をお持ちですか。
  57. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) これは道路だけではないんですけれども、私は、例の耐震偽装の事件を通じても今ちょっと感じていることがありますのは、もっとライフサイクルコスト、ライフサイクルコストというのをもっときちんと見ていかないといけないな。また、国土交通省から言いますと、そういうライフサイクルコストというものをきちんと、財務省の勝次長を説得できるような、そういう説明をしっかりしていかないといけないなというふうに思っているんです。  コスト削減コスト削減と言っていて、コスト削減されて財政は少し良くなったかもしれないけれども、債務がなくなった時点で橋はもう使えませんでしたというんでは、これはいけないわけでございまして、やはりより長く使用できるようにすることが、結果としてライフサイクルコストを減らして、国民負担を軽減することにつながってくるわけでございます。  そういう意味では、維持管理コストですね、維持修繕コスト、そういうものを下手にけちってしまって、結果としてライフサイクルコストが高くなってしまうということもこれ十分あり得るわけで、これはもうアメリカの例を見るまでもなく、私はそうだというふうに思っておるわけでございます。  したがって、耐久期間をしっかりと十二分に使用できるようにするためにも、やはり適切な維持管理コストというのは、これはしっかりと掛けていかないといけないわけでございまして、また、委員がおっしゃったように、これから本当にそういうどんどんどんどん老朽化してきて、適切な維持管理が必要、さらにはいずれは更新が必要ということになってくるわけでございまして、そうしたところをしっかり見据えまして、ライフサイクルコストとして一番私は国民負担が小さいやり方というものを試算し、計算をしていかないといけない、それを説明していかないといけないというふうに思っているんです。  で、今私、道路局の方に昨年から指示をしておりますのは、やはりこうしたことを国民の皆様に分かりやすい形で説明できるようにしないといけないと。オールジャパンで話ししますと、規模が余りにも大き過ぎて分かりにくい。  今ちょうどこれから道路特定財源見直しについて論議が始まりますので、それの参考になる資料として、私は、例えば九州なら九州、東北なら東北、そういう自分の地域の中で、エリアの中で、例えばこの十年間でどれぐらいの道路整備ができますか、どれぐらいの維持管理コストが必要なのか、そうしたことをきちんと具体的に出していく必要があると。それを昨年指示をいたしまして、この夏までに各整備局単位ぐらいで、道路整備がじゃこの十年間でこれまでの予算の流れからいうとこれぐらいですね、進むのはと、これ以上はできませんと、はっきり私は説明しないといけないと思いますし、また維持管理コストについてもこれからどんどん増えていって、やはりライフサイクルコストを減らしていくためにはこれぐらい必要ですよということをやはり具体的に各整備局単位ぐらいに提示できればいいなということで今作業を検討をしているところでございます。  それと道路特定財源見直しの問題との関連性でございますが、そういう議論の中で、やはり道路特定財源について一般財源化を進めていくとしても、じゃ、どの範囲が適当なのかというふうな現実的な議論になってくるのかなというように私は考えているところでございます。
  58. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 なるべくきめ細かい、先手先手を取っての施策を講じていただきたいというふうに思います。今大臣がいみじくも言われましたように、安いものをつくって、それで後で金が掛かる、まあ安物買いの銭失い。どっかで聞いたなと私も思ったら、この間の耐震強度偽装事件と一緒ですよ、これは。あの姉歯一級建築士症候群に我が国の政府がならないように是非お願いをしたい。  要するに、財政赤字があるから、その分を穴埋めするためにしっかり固まっている道路特定財源をこっちへ持ってきて穴埋めをする、道路特定財源の方がお留守になるから我が国の社会資本が劣化していくと、これでは何の意味もない。我が国は資源のない国でありますから、基盤整備をしっかりして、その中で産業を興して貿易で金を稼いでこなければこの国は成り立たないんですよ。そこのところを壊しちゃったら、いや、アメリカの例を言っていますけど、アメリカはまだ資源もたくさんある、日本は何にもないんでしょう。そこで今日のこの豊かさを築いたその一番の基盤になっている社会資本を劣化させて何の未来がありますか。私はそういうことをしっかり考えてやっていただきたいというふうに思います。  さて次に、地方の道路整備費の激減と地方の直轄事業負担金の廃止について局長にお尋ねをいたします。  お配りしてある資料をごらんをいただきながら私の質問を聞いていただきたいと思いますが、国と地方で道路管理を任されている区間延長を考えると、国の直轄区間延長は一般国道の大臣指定区間の二万二千キロだけなんです。これに対して地方の整備区間は指定区間以外の一般国道の三万二千キロ、いわゆる三けた国道ですね。それから、都道府県道で十二万九千キロ、市町村道は九十九万七千キロになっているんです。一般道路の分だけでも百十八万キロでありますね。国の直轄で行う部分はその全体の何と二%しかないんですよ。国の直轄直轄と言って随分お金を投入していますけど、二%しかない。  道路の利用度を十二時間当たりの走行台キロで見ても、直轄一般国道が二億七千九百万台キロ、補助国道が二億二百万台キロ、それから都道府県道が四億八千二百万キロと、こう並べていきまして利用状況を見ても、国と都道府県では三対七、こういうふうになっている。ここへ市町村を入れたら、先ほど直轄は二%だと、こういうふうに言いましたけれども、大変に地方に道路整備の負担が掛かっておるんですよ。  そこで、地方の道路整備事業に目を転じてみますと、国に比べて事業量が激減しているんですね。この資料を見ていただくとお分かりのように、小泉政権ができて五年近くたつが、この五年間で国と地方の道路整備事業がどれほど変わってきたかを申し上げたいと思いますが、国の直轄事業は、平成十三年度は約一・九兆円、平成十八年度は二・一兆円とほぼ一定しているんです。また、道路整備特別会計に直入する揮発油税の税収の四分の一を原資とする地方道路整備臨時交付金七千億が投入されている地方道路交付金事業も一・三兆円と、国に関してはこの五年間はほぼ一定しているんですね。  一方、地方の国庫補助事業及び単独事業は、平成十三年度にはそれぞれ一・八兆円と四兆円で合計五・八兆円あったんですが、平成十八年度はそれぞれ一兆円と二・三兆円で合計三・三兆円と半分近くまで減少してますね、これ見ていただくと分かるように。  ここから考えますと、国が主導的に支出する権限を有する直轄事業と地方道路交付金事業は金額的に一定している一方、地方が本来独自性を発揮するための国庫補助事業及び単独事業は大幅に減少してきているんですね、お分かりのとおり。  地方のかかる状況を考えますと、国の財政に加え道路特定財源にかかわる国と地方の関係、つまり道路整備における国と地方の負担の原則や在り方も含めて、道路特定財源一般財源化議論する前段にそれらの見直しについてまず合意形成を図るべきではないかと私は思うんです。  本筋から申しますと、国の事業は国が行い、地方の事業は地方が行うという原則に立って、私はこれから三つの提案をいたします。  まず、地方に負担させている約六千億円の直轄事業負担金を廃止する。同時に、地方に与えている約六千億の国庫補助事業を廃止して地方の独自の裁量分とすることはどうかと。要するに、直轄事業と言いながら三割の裏負担を取るなんということは大体おかしな話なんだ。  これは、中央のお役人さんに聞くと、いや、それはみんなあそこを直してくれここをやってくれとこう言ってくるから、やむなくそこへ採択をして事業を進めるということだから、なるべく幅を広くたくさんやってやるためにはその要求してきた地元から幾らかの負担をしてもらわなきゃ駄目だと、こういう言い方が跳ね返ってくるんですよ。  これは思い上がりでありまして、わずか二%のところへ巨大な金をつぎ込んでいて更に裏負担を取るなんというのは、今までのように交付金も上がってきた時代はいいけど、これからはそれは地方は耐えられない。耐えられないという現状が、ここの半減している数字が現実を物語っておるわけです。  それから二番目ですが、地方道路交付金事業についても地方が約六千億を受け持っておるわけでありますが、この地方分を廃止して、地方道路整備臨時交付金については揮発油税の四分の一を各自治体の道路計画高に応じてそのまま直接配分するという形に変えたらどうかと。局長、目を丸くしてますが、二番目、これがね。  それから三番目、さらに、地方の道路整備予算の減少によって問題が起きてきているいわゆる三けた国道と呼ばれる都道府県管理区間の国道については、一般国道という以上、全路線を国が直轄化して事業を行うべきではないか。これはまあ大変なことではありますが、ただここ、これは今度は人事配置の問題にまでなってくるんで、この辺をどういうふうにお考えになるか。  要するに、三位一体改革というようなことをやって地方の一般財源が枯渇しているんですよ。だからもう、まあ直轄だけは付き合わなきゃいかぬけれども、もう補助事業やなんかはとても付き合い切れないということで、要するに地財計画で投資的経費に積み上げといたお金を義務的経費の方に、いわゆる地方自治体の持ち出し分、持ち出し分がカバーするのでもう精一杯なもんだから地財計画どおりにはいかないんですよ。  そのときに、三位一体改革のときに議論されたときに財務省やなんかが言ってたのは、地方は地財計画でもって計画したものの半分もやってないじゃないかと、お金が予定よりこんなに余っちゃっていると。これはとんでもない話であって、血の出るような義務的経費の方へ振り分けているからそういうことになるんで、そのときに何で両方を見ないのかという議論が起きなかったということ自体が私はおかしいと思っておるんですが。  まあ、以上のことを踏まえて、私の提案をどうお考えになりますか、局長
  59. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  かなり根源的な提案をいただきました。  三位一体の中でどういう議論が行われるかというようなところもあるわけでございますが、経緯的には、御案内のように、直轄負担金につきましては国のみならずその地域の都道府県のメリットもあるというような形で現在の、改築の場合でございますが、三分の二が国、地方が三分の一ということで決められているわけでございます。  交付金につきましては、先ほど、午前中の御指摘にもございましたが、現在、四分の一から、ガソリン税の四分の一が県と市町村に充てられるということでございますが、できるだけ弾力的にお使いいただけるように五か年計画を策定していただいて、その事業間の運用につきましてはかなり弾力的になってきているということでございますので、それぞれの地域地域道路の需要、ニーズに対応して、的確に対応させてきていただいているということで、少し御指摘と異なるかなと思っております。  三けた国道につきましては、また道州制の議論の中でも話題に上っておりますが、まあいずれにしましても、国、地方がどういうような役割分担の下にどういう費用負担があるべきかというようなことは道路特定財源議論とかかわる部分はございますが、またそれにかかわらずきちっと長期的な展望で、先ほど御紹介いただいた基本政策部会の中でも議論を深めさせていただければと思っておる次第でございます。  いずれにしましても、地方の道路整備の減少につきましては御指摘いただいたとおりでございますが、先ほどの御紹介は臨時交付金を含んでおらない数字かと思っております。臨時交付金につきましては、ガソリン税の収入が一定化している、安定しているということでございますので、七千四百億円前後のお金は県と市町村に充てさせていただいておるということであります。  いずれにしましても、地方の財政状況が厳しいということで、地方で予算される一般財源が減少している状況というようなことで、そうした減少結果になって、つながってきているんではないかと理解しております。
  60. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 もう大江さんの時間まで全部使っちゃうとしかられますので、ここで今のお話にはもう反論しない。  私は、これから今国会まだありますから、これシリーズで一般質疑なんかあるたびに同じことをまた議論をしたいと思いますので、まとめさせていただきますが、官邸や財務当局は道路特定財源が潤沢で余り気味だということから使途拡大を行うべきだ、一般財源化すべきだというような考えだと私は思っておるんですよ。これは大間違いな話なんだが。まあ、しかし本当に余るんならそれはいいですよ。そこのところの議論がしっかりしていないんだ。地方の視点で物を見ていないからそういうことが短絡的に言えるんだというふうに思うんですが、地方は道路整備費が不足して、道路特定財源だけでは賄い切れずに、一般財源を先ほど申し上げたように投入しているんですよ。地方は、平成十三年度には約三・八兆円もの一般財源を投入していたが、地方の財政事情の厳しさを反映して、五年後の平成十八年度では一兆八千億と半分以上も落ち込んでおるんです。当然のことながら、各地で随所に道路整備の後回しを余儀なくされていると。  国の道路特定財源一般財源化するよりも、地方の道路整備に充当することこそが納税者にとってずっと分かりやすく、筋が通るのではないか。地方が一般財源を本来の行政目的に充当できることになれば、国、地方を通じた財政バランスの改善にも寄与するのではないか。例えば、先ほども議論した、平成十八年度中に本州四国連絡橋公団の債務処理を完了してしまうことになれば、平成十九年度には自動車重量税が約四千五百億円も余るというふうに言われておりますが、自動車重量税は一般財源と一方的に言われてきたが、国分の八割を道路特定財源として長年運用してきた経緯や暫定税率を課していることを考えれば、地方普通税の自動車税、軽自動車税よりも道路特定財源的性格が私は強いというふうに思っております。道路への税金投入は道路特定財源的な性格の強いものから投入していくのが私は筋だというふうに思っております。  平成十九年度以降の使途拡大は中止をして、道路特定財源のうち自動車重量税も含めて、今後余ると言われていることが正しいかどうか分かりませんが、一般財源化するのではなくて地方に譲与すべきではないかと、こういうふうに、これは私の今日やってきたののまとめでありますが、これに関して、総務省、財務省、それから道路局長に感想をお聞かせをいただいて、今日の私の質問を終わらせていただきます。
  61. 岡本保

    政府参考人岡本保君) 今お話ございましたように、地方の道路整備につきましてはそれぞれ一般財源、特定財源も使ってやっておりますが、道路整備事業に要する経費に占めます道路特定財源収入の割合は約四割という実情にございます。また、先ほど来御紹介ございますような地方団体が道路整備に非常な重要な役割を担っておると。その中で、総体的にはまだ道路の改良等の整備が遅れているという状況もございます。  したがいまして、今後、基本指針に沿って具体的な検討に入るわけでございますが、総務省といたしましては、このような地方の実情を十分に踏まえ、その中でできるだけ地方の財源の充実を図っていくという観点に立って議論をしてまいりたいというふうに考えております。
  62. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。  地方の道路整備につきましては、厳しい財政事情の下、これまでも必要な補助予算等を確保するなど地方のニーズを踏まえた支援を行ってきてまいっております。また、今後ともこうした必要な支援推進してまいりたいと思っております。ちなみに、十八年度予算におきましては、地方への補助金、交付金の総額が一兆三千億円余りでございます。  他方、その道路特定財源につきましては、国の危機的な財政事情の下で広く有効に活用していく必要があり、昨年末に政府・与党で取りまとめました基本方針及び今国会に提出されています行革推進法におきましては、まず第一に、見直しによって国の財政の悪化を招かないよう十分に配慮すると。もう一つは、特定財源制度につきましては一般財源化を図ることを前提として、納税者の理解を得つつ具体案を得ることとされております。  今後、こうした趣旨を十分に踏まえまして、基本方針に基づく見直しを進めてまいりたいと思っております。
  63. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  国も地方もまだまだ道整備は道半ばだということで考えております。  大臣答弁にもございましたが、十年後の分かりやすいような形の道路整備の姿、また維持管理の姿というようなことを提示する中で、総務省、財務省とも連携を高めながら、しっかりと道路整備の在り方、道路の維持管理の在り方についてしっかりと議論を深めさしていただければと思っております。
  64. 大江康弘

    ○大江康弘君 民主党の大江でございます。  残りの時間をいただきまして質問をさしていただきたいと思いますが、予定をしておった中で御答弁を用意していただいている皆さんにはちょっと大変失礼だと思いますが、もし質問ができなかったらお許しをいただきたいと思いますが、もうこの感じですと航空局関係はもう局長結構です、岩崎局長。航空局でお願いしていた分はもう多分そこまで行きませんので。それと、あと特会の件、特会の件もまた次回に譲りますから、どうぞお引き取りを、お静かにお引き取りをいただきまして、まず観光の問題、簡単にもう聞いていきます。  実は、委嘱審査だったんで少し欲張りまして予算の関係を聞こうと思っておりましたが、今朝ほど藤野先生も大変意義のある質問をしていただきました。重なる部分もありました。  一つ、今日はNHK、来ていただいております。二月の九日に、もう御存じだと思いますが、総理が外国人の皆さんを呼んで日本観光に関しての意見を言えということで、官邸であったそうでありますけれども、これを受けて総理が総務省にしっかりと国際宣伝をしていけということで、そういう既存のということになればNHKということでありますけれども、これNHKにちょっとお尋ねしますが、これ今、国際放送の中でどういうようなことをやっておられるのか、ちょっと簡単に教えてもらえますか。
  65. 中川潤一

    参考人中川潤一君) お答え申し上げます。  テレビ国際放送というのがございます。それから、ラジオもございます。そのほかに実は放送ではございませんが、各国に有料で各国の事業者と契約で流しているワールド・プレミアムというのがございます。  それで、いろいろ今話題になっておりますが、テレビの無料でやっておりますNHKワールドテレビ、これのことだと思います。これは日本のNHKが国内向けに放送しておりますニュース、情報番組、その他総合テレビで、これまででございますと、いろいろなものがございますが、教養系の番組だとかドキュメンタリーだとか、そういったものを含めまして、できるだけ日本文化、政治、経済、その他様々なことを海外の方に御理解いただけるよう、そういう形で紹介しております。
  66. 大江康弘

    ○大江康弘君 七千万人が聞いておられるということを一説に聞くんですけれども、これは例えば観光に使えるという、これはあとは工夫の問題ですけれども、観光日本のことをということも可能なわけですね。
  67. 中川潤一

    参考人中川潤一君) 今そのワールドテレビというのは実は七千二百万世帯、世界ですが、それが百八十か国でごらんいただけるという数でございまして、これはその数の方がごらんいただいているというわけじゃございません。それで、私どもは当然日本文化海外方々に御理解いただきたいということで様々な試みをやっておりまして、当然日本の魅力というものを様々な形で御紹介しております。  例えば、番組の中では、世界遺産となっております熊野古道とか、様々な日本各地の表情を伝えます「美しき日本 百の風景」、これ二十五分の番組でございます。それから、「日本の旅・歴史の町並み」、これは十五分の番組でございます。こういったものを含めまして、日本の風景も含めて生活美を御紹介していると、こういう番組でございます。  それからまた、今の日本を御紹介するために「ホワッツ・オン・ジャパン」という、これは一週間の国内のニュースをまとめまして、御紹介していると、こういう番組もございます。  それから、「ウィークエンド・ジャパノロジー」という、こういった、例えば銭湯でございますとか、ニシキゴイでございますとか、こういったやや海外の方で興味のあるようなこういうものを御紹介、そういう番組を増やしております。
  68. 大江康弘

    ○大江康弘君 そこで、今日は総務省に来ていただいておるんですが、いわゆる総務省は放送法の三十三条の第一項ですか、これは、総務大臣はNHKに対して放送をこうすべきだということをやっぱり命令ができるという、さすが監督官庁なんですけれども、今NHK理事おっしゃっていただきましたけれども、これは通常の、これはやはり日本というものをどう知らしめるかというのはまあ通常の番組だと思うんですけれども、特にこの観光ということに焦点を当てて、特別に番組を組み立てていくというようなことも命令できるとは思うんですけれども、これは予算化も必要なんですが、今二十二億円ですか、このNHKに入れて、そういう今の放送のために補助をしておるということなんですけれども、これ総務省どうですか。これ観光振興という面で、総理が先般二月九日のあの会議が終わってから、総務省に対してもっとしっかりしろということを言われたというんですが、どうですか。
  69. 河野栄

    政府参考人河野栄君) お答えをいたします。  現在、NHKにおきまして、主に受信料を財源といたしまして、ラジオ国際放送、それから映像国際放送を行っているところでございます。  お話ございますように、観光面も含めた国際的な情報発信という意味で、こういった放送、特に映像を伴った形での放送、大変有効であるわけでございまして、NHKにおきましてもそういった観点からお取組をいただいているところでございます。  しかしながら、国際的な情報発信という観点からいたしまして、必ずしも現状では十分に所期の期待にこたえていないのではないか、あるいは諸外国における同様の国際放送の規模と比較しても十分とは言えないのではないかと、こういった御指摘をいただいているところでございまして、その充実が大きな課題であると存じております。  それに関連しまして、いろいろまた財源等の御議論もあるところでございます。現在、総務省におきましては、総務大臣の下に通信・放送の在り方に関する懇談会というものを設置をいたしまして、こういった国際放送の在り方も含めて御検討いただいておるところでございます。  今後、NHKが公共放送として国際的に貢献するという観点から、どういった役割を担っていくべきか、あるいはその財源はどうあるべきかといったことを含めまして、国際放送の充実強化策につきまして検討してまいりたいと存じております。
  70. 大江康弘

    ○大江康弘君 二〇一〇年まで一千万人という、これはやっぱりインバウンドというのはかなり私はよっぽどの覚悟でやらないとということを思うんですけれども、大臣、ちょっと急ですが、これ政府としてしっかり、特に国交省としてという、そういう部分ではバックアップをしてやっていただきたい。予算面でもそうですけれども、これ何とかひとつ、今あるせっかくのNHK、七千二百万世帯にということの中でかなりインパクトがあると思うんですが、その辺ちょっと大臣、どうでしょうか。
  71. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) これは二月九日の日に外国人、外国人と言われても長年日本にいらっしゃる外国人の方、日本のことをよく知っていらっしゃる外国人の方々に集まっていただきまして、私も最初から最後までその場におりましたので、いろんな御発言ございました。もっとこうしたら観光立国にとっていいんじゃないかという、本当に様々な御意見ちょうだいする中の一つとして、もっとNHKの国際番組を活用しろというふうな御意見があったわけでございます。  その後、この話が必ずしも観光だけではなくて、これはたしか閣議だったか何かの閣僚が集まっている席でこのことがまた話題になりまして、やっぱり日本の様々な情報発信、観光ももちろんのこと、観光だけではなくて様々な情報発信をもっとしていかないといけないねと。アメリカやイギリスとかしっかりやっているよねと。それに比べて日本はまだまだそういう情報発信、海外に向けての外国人に対する情報発信能力というのが非常に弱いんじゃないかと、そういう議論が相当出て今日の議論に至っているというふうに私は認識をしているところでございます。  観光という観点からも、日本の魅力をもっともっと知っていただくためにNHKの果たす役割というのは大変私も大きいものがあるというふうに思っております。しっかり連携取らしていただきたいと思います。
  72. 大江康弘

    ○大江康弘君 大臣、ありがとうございます。ひとつ、そういうことになってきましたときに、総務省も含めて、NHKもしっかりと、我が国の公共放送ですから、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。今日はもうこれで結構です。どうぞお引き取りください。  次に、東シナ海のこのガス田も含めまして、実は海上保安庁、海の守りを本当にしっかりやっていただいている海上保安庁のことについて、それに関連してですが、ちょっと経産省に東シナ海のこの今のガス田の実態について、今までの交渉とか今後の見通しというのをちょっと簡単に教えていただきたいと思います。
  73. 近藤賢二

    政府参考人近藤賢二君) お答えを申し上げます。  交渉の状況についてでございますけれども、東シナ海の資源開発問題につきましては、三月の六日及び七日に五か月ぶりに日中間で第四回目の協議が開催されたところでございます。この協議では、東シナ海を協力の海とするという大きな政府基本方針の下で、平成十六年の十月から行ってまいりましたけれども、昨年の十月以来、一時期中断をしておったわけでございます。二階経済産業大臣が御就任以降、中国要人に対しての協議の早期再開といったことを働き掛けた結果、約五か月ぶりの開催となったわけでございます。  第四回目の協議におきましては、日中双方は同協議を全体を通じまして、対話を通じたできるだけ早い解決を目指すという認識の下で協議を行いまして、次回協議をできるだけ早期に開催するということで一致をしたところでございます。  現時点、日中間の解決に向けた協議が始まったところと、このように御理解をいただけたら有り難いと思う次第でございます。
  74. 大江康弘

    ○大江康弘君 これはもう今日は政治的な話はやめておきます。今日の目的は、いわゆる海上保安庁の体制をどう私はやはり強化をしていくかということで、それで海上保安庁にちょっとお聞きしますけれども、まあ私は、なかなかその協力の海といっても、なかなかそうは私はいかないと思うんです、やっぱり相手が相手ですから。  そういう中で、やはり第一義的にしっかりと海の警備を守っていただいておる、していただいておるこの海上保安庁、今年は例年にないこの予算の増額をされたと。そして、いわゆる平成十八年度から七年間で約三千五百億ですか、掛けていろいろと船艇だとか飛行機を整備していくという。これはやっぱりどういう背景にこういう、危機感の表れかとは思うんですけれども、それも含めてやっぱりなぜこういう予算の増額をされてきたかということをちょっと聞かせてください。
  75. 平田憲一郎

    政府参考人平田憲一郎君) お答え申し上げます。  昭和五十年代に整備をされました私どもの巡視船艇、航空機の老朽化、今巡視勢力の約四割が耐用年数を超過しているものでございますが、こういった巡視船艇、航空機の老朽化、旧式化によりまして、私ども海上保安庁が行う犯罪の取締りでございますとか救難救助の活動に支障が生じてきております。こうした状況を少しでも早く解消することが必要であるということ、また、先生御指摘のように、海洋権益の保全などの新たな業務の課題に対応していくためには、高性能化を図りました巡視船艇、航空機の整備を急いでいく必要がございます。  こういったような背景から、耐用年数を経過いたしました巡視船艇約百二十隻及び航空機約三十機の代替整備を緊急かつ計画的に進めることとしております。そのため、平成十八年度予算案におきましては、当面必要な隻数、航空機の数の代替整備などに必要な経費といたしまして約二百七十九億七千万円、これ対前年度比の一・九三倍を計上させていただいたところでございます。  いずれにいたしましても、十八年度予算ですべての老朽化いたしました巡視船艇、航空機が解消されるわけでございませんので、十九年度以降におきましても、先生おっしゃるような計画的な代替整備に努めまして、老朽巡視船艇、航空機の早期解消を図っていきたいと考えております。
  76. 大江康弘

    ○大江康弘君 とにかくこれはもう我々国会挙げてやはり応援をしていかなければいけない予算獲得の話だと思いますので、その裏付けのためにまあひとつ我々も頑張りますから、ひとつしっかりと海上保安庁頑張っていただきたいということをお願いを申し上げまして、済みません、今日は内閣も来ていただいたかと思います、ちょっとあと沖ノ鳥島のこともやりたかったんですが、もう時間ですので。  今日は、社民党の先生や共産党の先生がいかに日ごろ短い時間で大変かということを学ばせていただいただけでも意義のある質問をさせていただけたと思います。  どうもありがとうございました。
  77. 西田実仁

    ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  今日は、まず初めに、道路交通の安全確保ということにつきまして御質問をさせていただきたいと思います。  近年の交通事故死者数というのはかなり減ってきてまいりまして、昨年末には七千人を切るという、そういう水準まで交通事故死者数というのは減ってきたと承知しております。そこに大きな貢献があったと言われているのが衝突安全技術の普及ということも言われております。ここで、この高い衝突安全性能を持つ車の修理ということについては、当然それなりの高い整備技術というものがやはり求められてくるだろうと、こう思うわけであります。  そこで、事故損傷車両の修理技術者、いわゆる事故整備のプロである国家資格として位置付けられておりますこの車体整備士の役割につきまして、今日はまずお聞きしたいと思っております。  自動車整備につきましては二種類ございまして、いわゆる分解整備と、それから車体整備という二つの種類があるわけであります。この分解整備につきましては認証制度が設けられております。しかし、もう一方の車体整備については認証制度はございません。  いわゆる事故車、ボディーの板金あるいは塗装を行う業者、車体整備事業者におきましては、当然車体整備士の資格を、国家資格を有している業者もあれば、一方で、そうした車体整備士の資格を持たずに事業を行っているところも実態としてはあるわけであります。  この車体整備士は、事故車が持ち込まれたときにその車のフレームとかを正しく矯正する大変高度な技術を持つ国家資格であると認識しております。しかしながら、実際にはそうした資格を持たずに、繰り返しですが、ボディーの板金塗装を行っている業者もちまたには多く見受けられる、こういう実態につきまして、まず大臣の御認識を問いたいと思います。
  78. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 車体整備事業というものにはかなり広範なお仕事がございまして、事故に伴う車枠の矯正だとか、それから板金及び塗装等の整備を行っているわけでございますけれども、場合によっては軽微な車体表面の修理から、それからエンジンを外して行うような大規模な車枠の矯正といったものまで多様な整備を行っているということでございまして、車体整備事業そのものには国の許認可は不要でございます。  しかし、安全上重要な部位でございますブレーキとかエンジンを取り外す整備、これ分解整備というわけでございますが、分解整備を行う車体整備の場合には、今委員がおっしゃったように、地方運輸局長の認証を受けなければならないということになっているところでございますし、また、車体整備事業につきまして、優良自動車整備事業者の制度というのを設けてこの整備技術の向上推進をしているところでございますが、ですから、車体整備事業すべてに車体整備士がいなければならないということではございません。  最近、過去も調査しているんですけれども、最近の事故についても実態を調査した結果、事故後の車体整備に起因した事故は確認をされておらないというふうに聞いております。
  79. 西田実仁

    ○西田実仁君 政府参考人にお聞きしたいと思います。  そういう意味では、今大臣が御所見述べられたとおりであります。しかしながら、実際に事故車を持ち込む場所がいわゆるその車体整備事業者であります。町の板金塗装業者にその事故車が実際にそれでは一体持ち込まれていないのかどうか。私が知る限りでは、やはり事故に遭った車が車体整備士の資格を有しないそうした板金塗装業者に持ち込まれて修理をされていると私は認識しておりまして、こういう実態をそのまま放置していいのかということについて政府参考人からお聞きしたいと思います。
  80. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 事故車両がどういうところに持ち込まれるかということにつきましては、西田委員おっしゃるとおり、いろいろなところに持ち込まれるケースがあると思っております。  先ほど大臣からも答弁申し上げましたけれども、その整備の中で、ブレーキであるとかハンドルとかエンジンとか、そういう安全に直接かかわるような部分を取り外すものは分解整備として別の扱いにしているわけでありまして、そういう安全に直接かかわらないような部分の整備をすることについて、私ども、先ほどの大臣答弁でも申し上げましたようないろいろ実情を調べる限りにおいては特に安全上問題があるという認識は持っておりません。
  81. 西田実仁

    ○西田実仁君 そうすると、この車体整備士というのは国家資格なんですね。国が根拠法を用いて、そして作った資格ということになります。それは車の安全確保ということが大変高度な技術を要するからということで国家資格になっているわけであります。ですから、事故車をしっかり見ていく高度な技術を持つ車体整備士が事故車を扱うと、こういうことが大事になってくるわけであります。  今の御答弁でいきますと、そうするとなぜ、じゃ国家資格にしているんでしょうか。
  82. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 私ども、自動車整備向上を図るという観点から、道路運送車両法に基づきまして自動車整備士の技能認定というのをやっております。その中で、車体整備士という資格も他の資格と併せて技能検定の一種に入れているわけでありますが、これはあくまでもそういう国の認定を受けることによりまして車体の整備についての技能の向上が図られると。結果といたしまして、事故などが起きた場合の自動車の損傷の適切な復元であるとか修理といった作業の質の向上、質の確保を図るということを目的にしてやっているものでございます。  そういう意味で、先ほど申し上げましたように、質の一定の向上を図るために国の認定制度を設けているということと、安全上極めて重要な分解整備というものをやることについて規制をもって一定の、何といいますか、事業者に限定をしているということとは別の話だと考えております。
  83. 西田実仁

    ○西田実仁君 私は、実態として、この車体整備士の事業者に関しましては、先ほど大臣がおっしゃられた優良自動車整備事業者としての認定がございます。この優良認定を受けるには、二人以上の車体整備士が必要という大変厳しい要件がございます。一方で、町の中にそうした車体整備士の国家資格を持たずに事故車を処理しているところもあれば、一方でこの優良認定を受けると、大変厳しい要件の認定があると。余りにも大きな隔絶があって、実態にそぐわなくなっているんではないかというふうに思うわけであります。この実態で、はっきり言えば、言葉は適切か分かりませんが、潜りのような業者がいる、一方で二人以上車体整備士がいなければならないという優良認定がある。この余りにも大きな隔絶についていかがお考えでしょうか。
  84. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 車体整備事業の中で優良認定を受けている工場が千百九十工場ございます。車体整備工場自体はちょっと正確な数字が把握できておりませんけれども、相当数、つまり私ども組合に入っておられます八千五百工場は把握しておりますけれども、その外側にどのくらいあるのかというところまで正確に把握できておりませんが、そのくらいの数字でありますから、厳しい認定要件をクリアして優良認定を受けている人が非常に少ないことは確かでありますが、これは言わば義務付けということではなくて、そういう資格をクリアをして、非常に質の高い車体整備ができるということを国が認定をし、そのことをユーザーにきちっと表示をして、質の高い整備ができる車体整備事業者だということを分かってもらうような仕組みだと、こう考えておりますので、何といいますか、安全に問題のないような軽微な整備を含めて、ほかの優良じゃない方がやっておられるということそのものは問題にすべき事柄ではないと先ほど申し上げたとおりでございます。
  85. 西田実仁

    ○西田実仁君 私申し上げたいのは、この車体整備事業につきましては、国家資格をしっかり有して、しかも環境対策もしっかり取っているような業者が一方である、一方で資格も持たずに環境対策も取らない業者もいると。そうしたら、まじめに一生懸命やっているところはばか見るだけではないかということを申し上げたいわけであります。  環境規制につきましてお聞きしたいと思いますが、この四月一日からいわゆるVOC規制、大気汚染防止法が施行されるわけであります。ここにおきましては、環境省として今平成二十二年度までにVOCを平成十二年度比で三割削減すると、こういう目標を掲げております。  今申し上げましたとおり、例えばこの車体整備事業で塗装の吹き付けをする場合に一千万ぐらい、まあそれは額はいろいろございますけれども、一千万ぐらい設備投資をして、しっかりとした塗装ブースを造って大気汚染、飛散を防止するような設備投資をしている極めて優良な業者もいれば、一方で何にもそういう設備投資もせずに空中飛散していると。これが四月一日からVOC規制も始まってくる、こういう状況でありまして、環境省といたしましては、今日はお越しいただいておりますが、この自動車の板金塗装について、当面は自主規制対応ということになっているようでありますけれども、先ほど申し上げた政策目標ということもかんがみまして、この当面というのはいつまでを意味しているのかも含めてお答えいただきたいと思います。
  86. 竹本和彦

    政府参考人竹本和彦君) 御指摘のございましたVOCの排出抑制でございますが、大気汚染防止の観点から、排出量の大きい工場、事業場を対象とした法律による規制と、それから事業者自らが実施される自主的な取組、これら二つを適切に組み合わせるいわゆるベストミックスの手法によりまして実施をすることとしてございます。先生御指摘のとおり、規制の方は四月一日からでございます。また、自主的な取組によるVOCの排出抑制につきましては、現在中央環境審議会の方で御審議をいただいておりまして、自主的取組の在り方につきまして、今月末までの取りまとめということで鋭意御審議をいただいております。  先ほど先生の御指摘がございましたとおり、平成二十二年度三割カットということを目標といたしまして、規制とそして自主的な取組、両方相まって効果を出すように努力したいと思いますし、また自主的な取組については、先ほど申し上げました中央環境審議会の検討結果を幅広く普及といいましょうか、この内容を周知するように努めてまいりたいと思っております。
  87. 西田実仁

    ○西田実仁君 先ほどの優良自動車整備事業者につきましての認定規則には、この環境対策ということについては特に触れられていないわけでありますが、ちょっと時間も限りありますので、この優良事業者といわゆるグリーン整備工場というものを将来的にはやはり一緒にしていくべきじゃないかという意見を申し上げさせていただいて、次の質問に移りたいと思います。  観光立国ということについてでございますけれども、先ほど来からいろいろお話がございました。私は一点だけ大臣にお聞きしたいと思います。  この中国インバウンドをとにかく増やしていくということを考える場合、やはり中国というのは大変重要であるということはもう言うまでもないと思っております。最近中国では、アメリカへの海外旅行の解禁ということも言われているようでありまして、そうなればまた中国では米国旅行ブームというものも起きてくるのではないかと容易に想像されます。  そうしたことも念頭に置きながら、この一千万への達成に向けて、具体的にこういうアジアの観光客を取り込むための施策、これまでも随分やっていただいておりますけれども、今後どうなさるのか、まず大臣、お聞きしたいと思います。
  88. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) この二〇一〇年一千万人、インバウンドでございますが、これはそんな容易な目標ではないと私も実感をしています。この一千万人という目標を達成をしていくためには、もちろん欧米からもたくさん来ていただければ有り難いわけでございますけれども、やはり近隣の東アジアの国々から多くの観光者の方が日本に来ていただけるというふうにしていかないといけないと。  そういう意味では韓国、台湾というのは、非常にこの二つの国・地域は数多く来ていただいているわけでございますが、こちらの方は、韓国にしても台湾にしても、まあ香港なんかもそうなんですが、リピーターが本当に多くなってきているんですよ、リピーターが。今まで日本に来たことのある方が今改めてまた韓国、台湾の場合は来ていただいていると。その点、中国の場合は、そういうリピーターというよりも、まだ日本に来たことがない方が大半でございまして、そういう意味では潜在的な可能性は十分あると思っていまして、この中国本土から是非多くの方々に来ていただけるようにしていきたいと。  昨年七月から中国全土で観光団体旅行のビザが発給されるようになりました。これを是非活用させていただきたいと思いますし、また今年は日中観光交流年というふうに両国で決めさせていただきました。しっかりと中国からお客さんに来てもらえるような様々な施策を両国で協議しながら進めていきたいと思っているんです。  この一月、二月の数字も順調に伸びておりまして、特にその中でも、今私どもが一番念頭に置いていますのは、青少年の交流をしっかりさせていただきたいと思っております。修学旅行等々、教育旅行で日本からも中国に行く、中国からもたくさん若い人たち、子供たちに日本に来てもらいたい、そうした様々な支援策をつくっていきたい。今、協議会をつくらせていただいて進めているところでございますが、こういう若い人たちが来るというのは、将来のリピーターを育てることにもつながりますので、しっかりとやっていきたいと思っております。  また、この七月には、日中並びに韓国も含めまして三か国の観光大臣会合がございますので、その中で、よりこの交流拡大できるようにしっかり取組をさせていただきたいと考えております。
  89. 西田実仁

    ○西田実仁君 最後に、渋滞対策の政策評価ということで一点お聞きしたいと思っております。  様々なこの財政が厳しい中で、やはりこの渋滞対策、開かずの踏切対策とか立体交差化とか、いろいろと予算を使って渋滞解消に努めているわけでございますけれども、この政策評価については今一定の区間を設けてモニタリングをするといういわゆるサンプル調査を行っているわけであります。それによって、コストパフォーマンスというか費用対効果はどうかということを見ているわけでありますが、ただ、この渋滞というのは、場所とか時間帯とかでかなり精度の高いデータを集めなければ、なかなか政策評価というのは難しいということも承知しております。  そこで、私は是非、御提案というか御意見申し上げたいんですが、車に付いておりますVICS情報を、うまく警察庁なり各県の交通管制センターなんかとも連携しながら、VICS情報をもうちょっと使ってこの渋滞解消、道路整備あるいは開かずの踏切、立体交差化、そうしたいろんな渋滞対策の政策評価にこのVICS情報をもっと活用すべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
  90. 谷口博昭

    政府参考人谷口博昭君) お答えいたします。  委員指摘のとおりだと思っております。渋滞対策、またこれからの道路事業の厳しい評価を受けるのが、事業対評価を的確にしていくということが肝要だと考えております。VICSがかなり普及してきておりまして、一千二百万台まで普及してきております。  委員指摘にございましたように、渋滞や通行規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信するということでございますので、現在も渋滞対策の主要渋滞ポイントの選定に活用させていただいておりますが、更にこのVICSデータを活用することによりまして、関係機関とともに検討を深めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  91. 西田実仁

    ○西田実仁君 終わります。
  92. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  昨日の日経新聞ですけれども、日経新聞に、「日本の空に「安全・安心」の回復を」と社説が書いてありましたけれども、今本当に航空会社の安全性について大きな関心を呼んで、重大な問題になってきているかと思います。私は、今日はその点に関して質問をさせていただきたいと思います。  まず、スカイマークエアラインのトラブル問題についてですけれども、昨日の日経にも書いてありましたけれども、三月十四日の朝日新聞にも、亀裂を放置したまま旅客機を飛ばしていたミスが発覚をしたとありました。この件につきまして、国交省は検査にも入っているかと思いますけれども、この国交省対応について御報告いただけるでしょうか。
  93. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) スカイマークエアラインでございますけれども、二〇〇四年の十一月にブルネイ航空という会社からスカイマークが中古機を受領したわけでございます。その以前の二〇〇四年の六月にブルネイ航空が機体を整備いたしました。これは台湾の整備会社に委託をいたしましたけれども、そのときに機体のゆがみが発見されておりまして、その際は、暫定的な修理をやったものでございますけれども、その暫定的な修理をした機体ですよということでブルネイ航空からスカイマークに引き渡されたものでございます。二〇〇四年の六月から一年以内にその暫定修理を本格修理にすべきだと、こういうことでブルネイ航空からスカイマークに連絡がありましたけれども、それをスカイマークが失念をしてずっと飛ばしていたと。  この問題が今年の三月に分かったので、三月の十日に私どもの方に報告がございました。私ども、三月の十四日にこれについてスカイマーク社に対して厳重注意をするとともに、三月の二十八日までに再発防止策をまとめるようにということで指示しているところでございます。
  94. 小林美恵子

    小林美恵子君 その厳重注意の内容をもう少し詳しく御説明いただけますか。
  95. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) 厳重注意の内容でございますけれども、繰り返しになりますけれども、一つは、原因究明の上、三月二十八日までに対応策を持ってきなさいということと、他の機体においてもそうしたことがないのかどうか、こういうことも十分ちゃんとチェックしなさいと、こんなことを担当の課長からスカイマーク社に対して厳重注意をしているところでございます。
  96. 小林美恵子

    小林美恵子君 応急で対応していて、根本的に修理をしていなくてずっと飛行しているということは本当に重大な問題だというふうに思うんですね。一大惨事になってはもう大変なことだというふうに私は思います。  それで、三月十五日の日経新聞ですけれども、このスカイマークに対して国交省は昨年六月にも厳重注意の文書を出していたという報道がございました。それは事実でしょうか。
  97. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) 事実でございます。昨年の六月でございますけれども、二件について厳重注意をしております。  一つは、飛行前の点検でございますけれども、これは一便当たり最低一名の確認整備士を配置してあると、こういうふうになっておるわけでございますけれども、これにつきまして一時的に整備士が不足したといったことで、点検すべき項目の確認はやっていたわけでございますが、掛け持ちを一部やっていたという事案が発見されました。  それからもう一つ整備でございますけれども、整備作業のうち潤滑油、グリースの注油を定期的にやるということで社内でも規定をしておるんですけれども、この期限を超過した事例が発見されました。  こうしたものについて昨年の六月十五日、厳重注意を行うとともに、再発防止策についてまとめるよう指示いたしました。昨年の六月二十九日に再発防止策をスカイマークから提出を受けて、その後、これをちゃんとやっているかどうかというのはチェックしてきたところでございます。
  98. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は、いわゆる肝心な整備士の配置が計画どおりになされていなかったということは大変重大な問題だと思います。  これらの問題につきまして、既に航空労組連絡会の皆さんが航空局長あてに調査と指導を文書で要請していたと思います。その中身を若干紹介しますと、スカイマークの経営姿勢が整備士との採用時の約束を履行せず、一方的に労働条件を切り下げるなどしてきており、整備士やパイロットの退職を招いていることというようなことが指摘をされていました。  これを受けて、国交省としてはどういう調査と指導を行ってこられたのでしょうか。
  99. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) スカイマークの整備の体制でございますけれども、私どもも去年の十二月以降、スカイマークに対しては何回か頻繁に立入検査等をやっているところでございます。  どういう体制になっているか、法令違反がないかというチェックはしておるところでございますけれども、現時点で整備の管理にかかわる職員あるいは直接航空機の整備実施する整備士の数等については必要な数は確保されているというのは確認はしております。  ただ、同社の整備体制、整備要員が昨年度、二〇〇五年の四月以降でございますけれども、十二人の方が退社ないし社内異動されているという具合で比較的頻繁に出入りが大きい。それから、人数も四十一名必要なところですけれども、資格を持っている人ですけれども、これが四十三名ということで、かなりぎりぎりの体制にあるといったことで懸念を持っております。  先ほど御質問のありました整備期限を超過したという事案もございましたので、この三月の十七日から一か月程度を目安に特別の監査チームを同社に派遣をいたしまして、現場における実態よく調べていると、こういう状況でございます。
  100. 小林美恵子

    小林美恵子君 今御説明いただきましたけれども、大体あれですよね、昨年の六月に厳重注意をされて、それで立入検査もされたと。今回、またこういうトラブルが発生をしたということは本当に重大だというふうに言わざるを得ないというふうに思うんですね。このスカイマークは、いわゆる重整備は自社で持ってはないと思います。先ほど御答弁いただきました必要な整備士も四十一名中四十三名ということでございますけれども、私は航空の安全という一つの柱にやっぱり整備というのが本当に大きな柱だというふうに思います。今のスカイマークの整備士の配置状況ではやはり十分ではないというふうに思いますが、この点、大臣の御認識もお伺いしたいと思います。
  101. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 先ほど航空局長答弁したとおりでございまして、余裕がない状況にあるというふうに思っております。  今、三月十七日から来月の下旬を目途に一か月間特別監査をやるということで羽田空港の方に我が方の職員を常駐をさせまして、今集中的に監査を実施をしているところでございます。私の方から、これ退職する方も多いわけですね、現場の実態というものをよく見てもらいたいと、また現場の方々から自然な形で現場の声をよく聞いてもらいたいということを申し上げております。国土交通省の方には、そうしてなぜ退職するのかということについて、間接的にいろんなお話が入ってきておりますが、直接その辺も含めてそうした背景についてもよく聞かしていただく必要があるというふうに考えております。
  102. 小林美恵子

    小林美恵子君 私、本当に、先ほど申し上げましたけれども、昨年六月の厳重注意そして立入検査、そして今回もトラブルが発生する。正にスカイマークの責任というのは当然だというふうに思うんですね。しかも今年、現場からの調査と指導が求められていたにもかかわらず、国交省としての対応も私は遅いし甘いというふうに言わざるを得ないというふうに思います。  国交省としてしっかりと、先ほど大臣も御答弁いただきましたけれども、この件について対処されることを求めると同時に、私は、今後のこの国交委員会でスカイマークの社長を参考人招致として求めたいというふうに思いますが、委員長、この点、お取り扱いのほどよろしくお願いいたします。
  103. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
  104. 小林美恵子

    小林美恵子君 そもそも、整備士が計画どおり配置されない、配置されない事態を生み出す要因はどこにあるのかと。スカイマークだけの問題ではないと私は思います。今、日本の航空会社から整備士が消えていくのではないかという懸念の声もございます。  そこで、整備士の人件費を含む整備費がどう推移をしてきたかということで、日航、全日空の例を取りますと、一九九二年以降となりますと営業費用を削減するたびに整備費が削減をされています。その背景に整備内容の変化、規制緩和があると私は思うんですけれども、内容は皆さんのお手元にお配りした資料のとおりでございまして、例えば定期整備点検間隔の延長、そして飛行間点検整備を二人に一人に減員、飛行間点検整備の委託化、海外委託整備拡大、作業者と別の検査員が整備作業後の完成検査を行ういわゆる二重確認の項目を縮小してくる、そして運航整備士の制度の新設と。これらといいますのは、現場では結局人員削減につながっているわけですね。  私は、率直に北側大臣にお伺いしたいと思います。こうした定期整備点検間隔がやっぱり短期でしっかり行われて、飛行間点検整備人員も一名でなく元の二名ですべての項目についてダブルチェックができる方がやっぱりより充実した整備ができると私は考えるんですけれども、大臣はいかがでしょうか。
  105. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 今後とも、整備を含む安全に関する規制については必要な規制をしっかりとしていかねばならないと考えているところでございます。  航空機の定期整備間隔とか、それからダブルチェック、それから飛行間点検、これはいずれも法律によって規制をしているものではありません。航空機の設計、性能が向上したことを受けまして、航空会社が、航空会社自らが整備規程を見直したものでございます。  航空機の定期整備間隔につきましては、過去の不具合の発生状況等をよく見て適切に設定する必要がありますし、またダブルチェックとか飛行間点検は一律に軽減するものではなくて、重要な作業項目については当然ダブルチェックを実施すること、さらには飛行間点検において不具合が発見された場合には一人ではなくて必要に応じ応援要員が増援できるということは必要だというふうに考えているところでございまして、国土交通省として、今後とも航空会社に対し、必要な指導監督を行ってまいりたいというふうに考えております。
  106. 小林美恵子

    小林美恵子君 御答弁いただきましたけれども、例えば定期整備間隔の延長でありますとか、いわゆるダブルチェック項目の縮小、私は縮小というふうに言っておりますけれども、これは国交省が認めて認可するものですよね、確認です。
  107. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) 大臣答弁申し上げましたように、一義的には航空会社整備規程等を見直すわけでございますけれども、この整備規程につきましては私ども認可をしているというものでございます。
  108. 小林美恵子

    小林美恵子君 つまり、航空会社だけが決めているだけじゃなくって、それを認可しているのはやっぱり国なんですよね。だから、私は国の責任というのはここにも重大なことがあると言わざるを得ないと思います。  それで、先ほど大臣も御答弁はいただきましたけれども、私は改めてこうした定期整備間隔の延長、ダブルチェック項目の縮小、また飛行間点検委託や海外整備の委託という、こうした拡大というのは正に国がもたらしてきたものだと言わざるを得ません。航空の安全を保障する上ではこれまでのこうした項目についてもやっぱり検証していく必要があると思いますけれども、この点、もう一度大臣、よろしくお願いします。
  109. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 先ほど答弁したとおりでございます。整備を含む安全に関する規制については、これはしっかりと規制をしていかねばならない、必要な規制は行っていかねばならないと考えるところでございます。今おっしゃった整備規程等も含めまして、必要に応じて見直しをしっかりしていきたいと考えております。
  110. 小林美恵子

    小林美恵子君 必要に応じて見直しをするということでございました。最近、本当に航空の安全が大きな問題になっております。直ちに見直しをしていただきたいと私は思います。それで、航空の安全確保は正に絶対的な条件です。そのために、今日問題にしました整備士の役割も私は重要だと思います。この点について、国が航空の安全確保を第一とする対応を再度行うことを求めて、質問終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  111. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  北海道開発は、開発庁以来、一九六八年の第一次から定員削減計画をまじめに協力をしてまいりまして、一九六七年のピーク時には一万一千七百六十三名から五千四百八十名に純減をし、全道二百五十ありました事業所、事務所も百二十八と半減をしております。  昨年の十月の閣議決定では四年間で六百六名の削減が決定をし、更に人員削減が行われれば、職員の雇用環境の悪化だけではなく、対住民サービスの悪化、道路、河川を初め、北海道における地域のネットワークや行政サービスが根底から覆されるのではないかと懸念をしていますが、いかがお考えでしょうか。
  112. 吉田義一

    政府参考人吉田義一君) 北海道開発局の定員についての御質問でございますけれども、委員指摘のように、昭和四十年度のピークから平成十七年度までの間に業務の民間委託の推進事業所等の統廃合などにより約半分にまでスリム化に努めてきたところであります。今後は、昨年閣議決定されました定員合理化計画及び行政改革の重要方針における総人件費改革の実行計画を踏まえ、一層のスリム化に取り組んでまいる所存であります。  一方、水害等の大規模な災害から国民の生命と財産を守ること、また全国的な視点から、道路、港湾による基幹的なネットワークを構築し、維持管理すること、さらに国民への安全、安心な食料の安定供給を図ることなどは国の責務と考えております。特に、激甚な被害状況となる大規模災害の対策には、各ブロックに災害列島日本の様々な災害事象に精通し、高度な技術力を駆使できる国の機関が必要であり、北海道開発局は、その北海道における存在として国民の生命、財産を守り、安全、安心を確保するという重要な使命を担っております。  国の機関として、民間委託の一層の拡大等による行政の簡素効率化に努めるとともに、このような責務や使命をしっかりと果たすことができるよう適切に対処してまいりたいと思います。
  113. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 北海道道州制特区についてお伺いをいたします。  現在、内閣府で法案作成の動きが進んでいますが、提示されました法案の考え方によりますと、分権自治の推進どころか道州制特区推進に名をかりたリストラの受皿づくりにすぎない内容となっております。法案では、事務の移譲に伴い、職員を道に移管する方向が盛り込まれておりますが、北海道局の北海道庁への統合について、国土交通省の見解をお伺いいたします。
  114. 吉田義一

    政府参考人吉田義一君) 地方分権のモデル的な取組としてのいわゆる道州制特区につきましては、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇五において引き続き推進することとしておりまして、北海道庁からの連携共同事業や権限移譲などに関する提案を受けまして、関係府省と連携しながら取り組んできております。  平成十六年八月の北海道庁からの提案の中には、将来的な課題として、国の地方支分部局及び北海道の統合のような大きなテーマも含まれておりますけれども、これにつきましては、国と地方の適切な役割分担の考え方の整理、市町村への権限移譲など、北海道内における分権や道庁組織のスリム化の実施、国の地方支分部局や道庁の職員の取扱いといった難しい課題についても幅広く検討していくことが必要となってくるのではないかと思慮しております。
  115. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 景気は回復をしていると言われておりますけれども、景気にも地域差がありまして、北海道経済は非常に厳しい実態にあります。  法案の考え方によりますと、五年後から北海道特例が縮小され、将来的には他府県並みになると言いますが、北海道特例の廃止に伴う北海道経済への影響についてどのように考えられておるのか、御質問します。
  116. 吉田義一

    政府参考人吉田義一君) 北海道は、安全な食料の安定的供給、自然環境の保全、資源エネルギー問題の解決などに大きな役割を果たすことが期待されております。一方、積雪寒冷、広域分散などの特殊事情があることを踏まえまして、北海道開発事業におきましては、道路、河川などにおいて直轄事業の範囲が広く、また、より高い国庫補助負担率が適用されております。  北海道を他県並みに扱うか否かについては、これまで国策として北海道の開発を推進してきた歴史と経緯を踏まえまして議論を十分に行う必要があるほか、こういう北海道特有の制約条件を踏まえた適切な国土管理の在り方に関する検討をする必要があると考えております。
  117. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 道州制特区について、肝心の道民に対する説明は全くと言っていいほど行われていないし、北海道知事も今のままでは受け入れられないと言っております。余りにも拙速過ぎるのではないかと思うんですが、北海道開発庁を所管する国土交通省としてはどのように考えておられましょうか。
  118. 吉田義一

    政府参考人吉田義一君) お答えします。  道州制特区につきましては、北海道庁からの連携・共同事業や権限移譲などに関する提案を受けまして、関係府省と連携しながら取り組んできております。  御指摘北海道道州制特区推進法案につきましては、北海道知事を始め、道内関係者議論も踏まえつつ、政府部内で検討中でございます。
  119. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 北海道関係の質問についてはこれで終わります。何か局長、御用があるようでございますので、御退席を願って結構でございます。  自動車事故の件数の増加はしていないものの、事故被害者は〇五年においても約七千人もの人が被害に遭われておりますし、自動車事故対策機構では、自動車事故による脳損傷によって重度の後遺症障害が残り、治療と常時の介護を必要とする人は重度後遺症障害専門医療センターに入院していただき、社会復帰の可能性を追求をしながら適切な治療と介護を行っていると聞いております。しかし、この治療センターは、病院は直轄、委託を含めて全国に四か所しかございません。それぞれ病床は増えてはきているとは言っているようでございますけれども、全国的には充足されているとは言えません。  そこで、提案なんですが、現在、千葉、東北、岡山、中部の四か所だけですので、少なくとも北海道、北陸、四国、九州ぐらいにはこのような療養センターを置くべきではないかと考えますが、見解はいかがでございましょうか。
  120. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、渕上先生からお話がありました、いわゆる遷延性意識障害者という非常に気の毒な方につきましては専門的な治療と介護を行うということで、先生がおっしゃった全国四か所にセンターを設置しております。去年の四月に千葉のセンターで三十床ベッドを増やしましたので、全体で二百三十床になっております。これら四か所のセンターは、受入れに当たりましては特別に地域的な制約を設けているわけではありませんから、申込みに応じて全国方々に御利用いただけるような体制にはなっております。  いずれにしましても、自動車事故被害者の救済措置の充実というのが極めて重要な課題の一つだという認識を持っておりますけれども、それは、新たに療護センターを設置すべきかどうかということに関しましては、こういう重度の遷延性意識障害者の発生の状況とか治療、介護の実態、それから医療政策や福祉政策との関係など、いろいろ見極めを付けて判断をしなければならない事柄かと思っております。ちなみに、介護に関しましては、このような遷延性意識障害者、全国七百名弱の方に対して介護料約六億円を支給をして支援をしているところでございます。
  121. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 過日、この委員会におきましてお話をお伺いしましたが、これまでの鉄道線、特に地方鉄道においては、台風被害や地震等による橋脚流失や落石、雪崩などにより、自前での復旧ができずに鉄道線廃止に追い込まれる事例があります。現在の災害復旧補助は経営規模の収支によって受けられないという状況にあります。速やかな災害復旧を実施をして、運輸の安全及び民生の安定を確保するとの考えならば、もう少し弾力性を持った運用は考えられないものかどうか、お伺いいたします。
  122. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 鉄道施設の災害復旧につきましては、先生から御指摘がございましたように、鉄道事業者自らがその資力によって行うということが基本でございまして、多くの場合、鉄道施設に被害が生じた場合、多くの事業者は復旧に要する費用につきまして土木構造物保険というのがございまして、これに加入しております。  しかしながら、非常に被災規模が大きい、鉄道事業者がその資力によってはなかなかその事業を施行することが難しい、著しく困難だというときには、国としては鉄道軌道整備法に基づく鉄道災害復旧事業費補助という補助制度がございまして、これによって支援を行っているところでございます。この復旧に当たりましては、原形復旧でございますけれども、地方公共団体が行う治山治水事業などと連携を図りながら、鉄道周辺の一体的な防災機能の向上ということに努めてきているところでございます。  そのほかにも、防災対策支援といたしましては鉄道防災事業費補助というのがございます。それから、鉄道軌道近代化設備整備費等の補助、いわゆる近代化補助というのがございまして、そういうことの中で予防的なものを含めまして支援を行ってきているところでございます。  私どもとしましては、今後これらの支援制度を適切に活用して災害復旧あるいは防災対策に努めてまいりたいというふうに思っておりますが、先生の御指摘のように、その経営動向いかんにかかわらずというのは実はなかなか、いろいろ議論はしておりますけれどもなかなか難しゅうございます。私どもといたしましては、その実態に即しながら災害復旧が適切にできるようにしたいと思っておりまして、例えば阪神・淡路大震災のときには要件の緩和等を行いまして、あるいは税の軽減等を行いまして、その復旧に努めてきているというのが実態でございます。
  123. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 地方鉄道再生プロジェクトの実施に当たっては、各地方鉄道事業者の厳しい経営実態を踏まえ、近代化設備の補助対象要件の緩和や補助率の上積みなどを図るべきだと考えますが、その見解はいかがでございましょうか。
  124. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 近代化補助につきましても、補助要件の緩和あるいは補助率の上乗せを図るべきではないかという御指摘でございます。  実は、平成十七年度から鉄道事業者と地方自治体あるいは地方の住民の方々が連携しながら再生計画というのを作っていただきまして、重点的、効果的に支援する制度を設けております。この制度の適用によりますと、例えば車両の更新、行き違いの新設など、こういう設備につきましては補助率をかさ上げしております。また、まちづくりの連携のための新駅設置あるいはパーク・アンド・ライド、こういうようなものにつきましても新たな補助の枠を拡大しているところでございます。  この再生計画に基づいて実施される支援につきましては、こういうことで少し補助につきまして厚く柔軟に対応してまいりたいというふうに考えておりますので、厳しい中ではございますが、こういう点については更にいろいろと支援を考えてまいりたいというふうに思っております。
  125. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 時間でございますので、あと地方バスの維持問題についてお伺いするようにしておりましたけれども、時間ですので、終わります。
  126. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 以上をもちまして、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管及び住宅金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十五分散会