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2006-04-10 第164回国会 参議院 行政監視委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年四月十日(月曜日)    午後一時十七分開会     ─────────────    委員異動  四月四日     辞任         補欠選任      柳澤 光美君     芝  博一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         荒木 清寛君     理 事                 中原  爽君                 岩本  司君                 浮島とも子君                 風間  昶君     委 員                 加治屋義人君                 狩野  安君                 柏村 武昭君                 北岡 秀二君                 後藤 博子君                 山東 昭子君                 田中 直紀君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 足立 信也君                 小川 勝也君                 大塚 耕平君                 岡崎トミ子君                 芝  博一君                 田名部匡省君                 松岡  徹君                 渡辺 秀央君                 福本 潤一君                 吉川 春子君                 近藤 正道君                 亀井 郁夫君    国務大臣        法務大臣     杉浦 正健君        国土交通大臣   北側 一雄君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣食品安        全))      松田 岩夫君    副大臣        総務大臣    山崎  力君        文部科学大臣  馳   浩君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       石田 真敏君    事務局側        常任委員会専門        員        西澤 利夫君    政府参考人        警察庁刑事局組        織犯罪対策部長  米田  壯君        総務省行政評価        局長       福井 良次君        総務省自治行政        局長       高部 正男君        法務省矯正局長  小貫 芳信君        外務省中東アフ        リカ局アフリカ        審議官      小田部陽一君        外務省経済協力        局長       佐藤 重和君        文部科学省生涯        学習政策局生涯        学習総括官    久保 公人君        文部科学省高等        教育局長     石川  明君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       松本 義幸君        農林水産省消費        ・安全局長    中川  坦君        国土交通省総合        政策局長     竹歳  誠君        国土交通省鉄道        局長       梅田 春実君        国土交通省自動        車交通局長    宿利 正史君        国土交通省北海        道局長      吉田 義一君        国土交通省政策        統括官      杉山 篤史君        航空鉄道事故        調査委員会事務        局長       福本 秀爾君        環境大臣官房長  西尾 哲茂君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   諸澤 治郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○行政監視行政評価及び行政に対する苦情に関  する調査  (政策評価制度見直しに関する件)  (行政評価監視活動実績概要に関する件)  (行政評価等プログラムに関する件)  (政府開発援助に対する検査状況に関する件)  (愛知県及び静岡県における実情調査に関する  件)     ─────────────
  2. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四日、柳澤光美君が委員を辞任され、その補欠として芝博一君が選任されました。     ─────────────
  3. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会政府参考人として、理事会協議のとおり、警察庁刑事局組織犯罪対策部長米田壯君外十六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 行政監視行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。  本日は、政策評価制度見直しに関する件、行政評価監視活動実績概要に関する件、行政評価等プログラムに関する件、政府開発援助に対する検査状況に関する件並びに愛知県及び静岡県における実情調査に関する件について質疑を行うことといたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 田中直紀

    田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。  本日は、運輸分野におきます安全性の向上と規制緩和における各業界課題について質問をさせていただきたいと思います。  おととし新潟中越地震がありまして、上越新幹線脱線をいたしました。そしてまた昨年は、東武線踏切事故、そしてまた、大変惨事になりましたJR西日本の福知山線脱線転覆事故が起こりましたし、また、昨年の末には羽越本線のまた脱線転覆事故という大変そういう面では重大な鉄道事故発生をしたところでございます。  最近、航空あるいは道路輸送、そしてまた海上輸送にも事故発生をいたしておるところでありまして、事故原因につきましては調査中と伺っておりますけれども、我が国の安全神話が音を立てて崩れてきておるんではないかという大変心配をいたしておるところでありますし、やはり背景には、安全軽視の責任の所在を明らかにしていかなきゃいけないと、そして国民の信頼を回復していかなければいけないというのが運輸分野の大きな課題ではないかと思っておりまして、今日、国土交通省皆さん方にお出掛けをいただきまして、その辺のお話を伺いたいと思います。  今回、国会におきましては鉄道事業法等の一部改正案も成立をいたしまして、今後御努力をしていただくわけでございます。また一方で、規制緩和の中にありまして、タクシー業界、大変そういう面ではタクシー運転手方々が、増車により、また需要が低迷しておるという中にあって大変所得が激減しておると、こういう問題も報道されるわけでありますので、逐次質問をさせていただきたいと思います。  身近な問題からまず質問させていただきますが、まあ私は地元新潟県でありますから上越新幹線を使っておりますが、大宮、そしてまた高崎、そしてまた越後湯沢水落議員新潟でありますから上越新幹線を使っているわけでありますけれども、その中で、一年ほど乗っていると気が付くのは、トンネルの中で、これ越後湯沢のちょっと手前で、ガタンという大変な大きな音で寝てても目が覚める。渡辺先輩も来られたので、上越新幹線の話をさせていただいているので、気が付かれたかもしれないんですが、そういうトンネルの中で、下りですけれどもね、大変な大きな音がして目が覚めるようなことが続いたものでありますから、たまたま国土交通省の北陸の方にお目に掛かったので、どうなっているんだろうかと、こういう話をさせていただいたところでありますが。  まあ、回答をしていただいて、非常にそういう面では誠実な回答をしていただいて、これはJRにも聞いていただいたんだと思いますけれども上越新幹線高崎駅から上毛高原駅間にある中山トンネルであると。下り線トンネル入口から入ったところでトンネル内に半径千五百の曲線区間があると、こういうことでどうしても横へ重力が、揺れるんだというお話でありまして、御指摘のとおり、わざわざ乗っていただいたようでありますが、そういう揺れがあったと。  私は音と揺れということだったんでありますが、揺れを確認したと、こういうことでありまして、国土交通省JR東日本に問い合わせたところ、上越新幹線ATC等設備更新計画をしておるところだと。導入するATC装置DS—ATCというふうに括弧書いてありますが、列車性能に応じてより最適なブレーキ制御をするということで導入を計画をしておるんだということで、まあ一安心したわけでありますが、今年に入ってからもそういう音が発生しておるということでありますので、御努力いただいておるようでありますが、上越新幹線事故もあったわけでありますので、その辺を、まず対処についてお伺いをいたしたいと思います。
  7. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 先生指摘上越新幹線高崎—上毛高原駅間の中山トンネル、長さ十四キロ強のトンネルの件でございます。  このトンネルにつきましては、トンネル掘削工事中に、これは大分昔でございまして、できましたのが昭和五十七年でございますけれども、その工事中に異常な出水がございまして、建設ルートの一部を変更せざるを得ないということになりました。そのために、本来であれば最小半径は四千メーターの設計のところでございますが、先生指摘のとおり千五百メートルの極めて急カーブの区間でございます、新幹線といたしましてはですね。  JR東日本におきましては、この当該区間につきまして運転速度を二百三十キロから時速百六十キロに減速しております。したがいまして、この際、若干御指摘のような揺れ等発生することはございますが、安全上は問題ございません。この点につきましては、御指摘のとおり、私ども職員も実際に体験して揺れを感じております。  また、レールにつきましては、ロングレールを使用しておりますから、普通のレールとは違いまして、レール面からの、何というんでしょうか、振動が大きいというようなことはないというふうに思っております。  ただ、現在の上越新幹線ATCはいわゆるアナログ形式でございまして、これを十九年度中にデジタル形式に変えてまいります。現在この工事をやっておりまして、十九年度中には完成させる予定でございます。  どういうふうに変わるかというと、アナログ形式でございますと、スピードはがたんがたんとやや階段状に落ちていくわけでございますけれどもアナログ形式に対しましてデジタル形式は滑らかにスピードを落とすことができます。そういう面で乗り心地は十分改善できるんではないかというふうに思っておりますが、引き続き安全に注意しながら乗り心地のいい新幹線を目指して指導していきたいというふうに考えております。
  8. 田中直紀

    田中直紀君 回答の中身と大体同じような御説明でありましたけれども。  この設備ができるまで速度制限により減速をすると。減速値は、トンネル入口時速二百三十キロで進入して、一分後に時速二百十キロに落として、約二分後に時速百六十キロに減速をすると。こういうことで今対処をしていただいておるということでありますが、そういう面では確率は少なくなってきておるといいますか、JRの方で指示をしていただいていたんでしょうか、しかし音と揺れが起こるということからすれば、運転士方々にしっかりと伝達されておるのかと。スピードが、実際にそのスピードが維持されておるのかというのは、これは人によって違うということになりかねないわけでありますから、実際に運転方々がどういう構成をして、新しい人が入ったら、やはり間違いなくこの減速を守っていただくようなことになっておるかどうか、追加でお願いいたします。
  9. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 運転士運転方法、まあ言葉は悪いですが、余り知らない運転士運転するとそういうふうになったのではないかという御指摘だと思います。  JR東日本に問い合わせましたところ、この運転士運転方法というのは、この辺りの運転の仕方というのは一義的にこういうふうな運転をするというふうに決めているわけでございまして、まあ感覚的なところは若干、私も体験してないんで何とも申し上げられませんが、運転士運転方法に特段問題があるというふうには伺っておりません。  ただ、そういう御指摘でございますので、再度滑らかな運転を心掛けるように伝えてまいりたいと、指導してまいりたいと思っております。
  10. 田中直紀

    田中直紀君 信頼をして運転してもらうと、こういうことであろうかと思いますが、役所としてもチェックをしておいていただきたいと思います。  引き続きまして、新潟県のことで大変恐縮でありますが、大変な今年は豪雪でありまして、新潟県の小出から会津の、只見線が既に九十日運休しておるという状況でありまして、そういう面では地元方々も、確かに積雪は多い地域でありますけれども生活路線でありますし、また利用者方々も大変多いわけでありますし、JR東日本としても、この只見線というのは春もあるいは紅葉時にも大変観光客が訪れる線でありますから、是非早く再開をすると、実際に正式にまだ地元には回答がないようでありますけれども、どういうふうに省として聞いておられるか、伺いたいと思います。
  11. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) JR東日本只見線につきましては、御承知のような豪雪影響のため、大白川—会津川口間四十八・四キロメートルが昨年の十二月二十七日から不通となっておりました。このうち只見—会津川口間二十七・六キロでございますが、これは四月の九日、昨日でございますが、から運転再開いたしました。しかし、大白川—只見駅間二十・八キロにつきましては現在も不通というふうになっております。  大変な豪雪地帯でございまして、二メーター近い雪がまだ残っているというふうに伺っております。この大白川—只見駅間につきましては、JR東日本によりますと、線路などの除雪は完了しておりますが、雪崩などの危険箇所状況等の点検をやる必要がございます。したがいまして、早ければ四月の下旬、できれば四月の二十一日ごろにも運転再開をしたいというふうに聞いているところでございます。  御指摘のように、地元の足でもございますし、また路線としても大事な路線でございますので、運行の安全の確保を図りながら、できるだけ早い運転再開に向けまして、引き続きJR東日本を指導してまいりたいというふうに思っております。
  12. 田中直紀

    田中直紀君 JRは、今日、ちょっと出席を見合わせると、こういうことでありましたので、国土交通省の方から予定をしっかりと地元の方に伝えていただければと思います。  たしか二年続きの大変な豪雪でありますけれども国土交通省皆さん方が大変御努力いただいて、道路除雪の方は交付金を出していただいたということでありますが、鉄道も、民間になったとは言いつつも、これは生活路線でありますから、せっかく建設省と運輸省が一体となって行政をやっていくと、こういうことでありますから、私は、鉄道においても大変な豪雪であれば交付金等を、あるいは運輸省の中の予備費を使って対策を打っていただいて、新学期の学生がやはり学校に行こうというころには何とかその目標を立てて運転再開をしてもらうというようなことをJR東日本にも言っていただきたいと思いますし、国土交通省努力をお願いしたいと思いますし、私も、道路だけではなくて各交通機関については、やはり不便をしておるところは国が、民間であっても対処をしていくと、こういうことも考えていきたいと申し添えておきたいと思います。  先ほど、冒頭申し上げましたけれども、昨年の十二月の二十五日ですね、羽越本線北余目砂越駅間の第二最上川橋梁付近特急いなほ一四号の列車脱線事故発生をいたしました。五名の方々が亡くなられたと、こういう痛ましいことでありますし、私も地元の亡くなられた方の御家庭に弔問いたしましたけれども、大変明るい元気な子だったんだけどなという大変何とも言いようがない、お慰めの言いようのない状況でございました。  一月の十九日に全線の運転開始ということでありますが、私も、羽越線は、新潟の中でありますけれども村上の方に行きますが、阿賀野川だとか三面川だとか、橋梁をこう走るんですけれども再開したということだから安全なのかなと思いつつも、しかし、地吹雪で本当に吹っ飛ばされるかなと、四十も五十トンもある列車がですね、そういうことを思いつつ乗っているわけでありますけれども、この運休、開始というのは、運輸省JR東日本とどう判断をして一月の十九日に開始をしたんでしょうかね。
  13. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 昨年十二月二十五日のJR東日本羽越線北余目—砂越駅間で発生しました列車脱線事故でございます。  御指摘のように、五名の方がお亡くなりになられまして、三十二名の方が重軽傷を負われました。私ども、今回の事故で亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々の一刻も早い回復を願っているところでございます。  JR東日本におきましては、羽越線運行再開に当たりまして、利用者に安心して列車に乗っていただけるよう、まず、事故区間におきまして風速計、これは一か所しかございませんでしたけれども、三か所に増やしております。それから、風速計と連動して列車を停止させる特殊信号発光機というものを新設いたしました。これは、現場風速計で計測した風速規制を超えますとその発光機が光って列車を止めるような仕組みでございます。また、従来、風速三十メートルで運行を停止しておりましたものを二十五メートルに下げまして、したがいまして、徐行も、二十五メートルでございましたものを二十メーターに下げまして、早めに運転規制をするというようなことをやっております。本年の十九日に運行再開したところでございます。  なお、秋に向けまして、付近のところに防風さくを設置する工事を行う予定でございます。  私どもといたしましては、事故後、直接、大臣、私も参りましたけれども現場に、見まして、非常に大変な事故であるというふうな認識を持っております。一月の十七日でございますが、JR東日本の当時の大塚社長に対しまして、気象状況の変化に細心の注意を払いながらしっかり安全運行に取り組むようにという指示を出したところでございます。  JR東日本におきましては、安全運行のための先ほど言いましたような措置を早急にとったわけでございますが、私どもといたしましては、運行開始の、運行再開の前日でございますけれども、十八日に試運転を何回かやるわけでございますが、出先の運輸局職員等を現地に派遣いたしまして、あわせて、新潟支社、これは当該区間新潟支社の管内でございます、この支社に派遣いたしまして、実際にその列車に添乗したり、あるいは運輸指令所、これは新潟にございますが、こういう施設設備機器状況機能状況をチェックしたところでございます。  私どもといたしましては、引き続き、原因の究明あるいは再発の防止を図りながら、利用者が安心して鉄道を利用できるよう安全の確保に万全を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
  14. 田中直紀

    田中直紀君 国土交通省がお墨付きを出して運行再開したのかどうかと、そういう点をちょっと後で追加していただきたいと思います。  JR東日本のこの本をちょっと見させていただいておりますけれども酒田駅を六十八分遅れで、これは秋田からですね、新聞等で見ますと、先頭が六号車というから、一つは、事故調査委員会事務局長さんもいらっしゃっているんでしょうか、結局、ピストン輸送新潟秋田との、これ、往復輸送なんでしょうかね。一日に二回ぐらいそういう時間帯がちょっと見るとある。運転士さんがそういう面では新潟から行って秋田から戻ってこられているのか、それが一つ。その当日の状況というものは、まあ初めてではないんではないかというのがちょっと、その中でこういう事故が起きてしまったというのもちょっと残念な思いでありますが。  それから、私もたまたま羽越本線に乗って、去年の時刻表しか持っていなかったので見ていましたら、酒田発の十九時の鈍行各駅停車があるんですね。ですから、ちょっとJR方々に、来たときだったですか、その鈍行特急とが、極端に言うと、酒田で六十八分遅れですから十九時八分に酒田出ているんですね、特急は。で、各駅停車は十九時に出ているんです。ですから、その辺、特急各駅停車がどういうふうに当日運行していたのかということをまず伺いたいと思いますし、それはなぜ伺うかというのは、先を特急が急いでいたのかどうかということが一つでしょうし、時刻表からいうと各駅停車が前の方を走っているという姿になるわけですけどね、当日の運行状況というのを伺いたいと思います。
  15. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 事実の関係でございますので、私どもの把握している事実の方から言わせていただきます。  事故当日の列車運行状況でございます。  事故を起こしました特急いなほ一四号といいますのは、酒田駅、本来でありますと午後六時ですね、十八時発でございます。しかしながら、当日はかなり気象状況が悪うございましたので六十八分遅れまして午後七時八分ですね、十九時八分、酒田駅を出発しております。  で、今先生の御指摘各駅停車でございますが、この各駅停車は、本来でありますと、つまり何もなければ午後七時に酒田駅を出発するわけでございますが、当日は、特急から乗り換えられるお客様がおられますからこれを待っておりまして、各駅停車列車酒田駅で待機しておりました。特急が出発した十九時八分から三分後れまして十九時十一分、午後七時十一分に酒田駅を出発させたというふうに聞いております。  したがいまして、最初ございましたように、時刻表上は、所定であれば「いなほ」は午後六時、十八時発、各駅停車は十九時発でございますが、当日は「いなほ」に合わせまして、「いなほ」十九時八分に対しまして各駅停車は十九時十一分発ということで運行したところでございます。
  16. 田中直紀

    田中直紀君 事故調査委員会の方で調査をされているんだと思いますが、鈴木という運転士さんが運転をされておったようでありますが、いわゆるその、当日の状況というものが、経験をして乗ったのかそれとも全然知らないで一時間遅れでまあ早く新潟の方へということになるんでしょうか。  当日の新聞をたまたま私も見ていて、置いてあったのでありますが、異常な音を感知して運転手手動ブレーキを掛けたと。ですから、風の影響というものもともかくとして、手動ブレーキを掛けざるを得なかった事態というのは何であったかということがまず。で、ブレーキを掛けたことによって、スピードがまずどの程度出てたかということでありますが、単なるそのまま風でこういう事態になったというよりは、やはり何か警告があって、手動ブレーキを踏んで、そしてあのような大変大惨事に至って、それを風が影響したというプラスアルファはあるんでありますが、この事故が起こったときにブレーキというものがそういう事態を起こしてしまったのかという、ちょっとそんな感じをその当時持ったんでありますので、まあ私も鉄道マニアではありませんけれども、ちょっとお伺いいたしておきたいと思います。
  17. 福本秀爾

    政府参考人福本秀爾君) お答えいたします。  事故原因のお尋ねでございます。  羽越線列車脱線事故発生の通報を受けまして、私ども航空鉄道事故調査委員会では、翌日、十二月二十六日に直ちに委員二名及び鉄道事故調査官五名を事故現場に派遣をいたしました。また、鉄道事故調査官二名をJR東日本新潟支社輸送指令所に派遣をいたしますとともに、十二月二十九日には委員長及び委員二名を事故現場に派遣したところでございます。  その後、年が明けまして、一月の五日から六日にかけまして現場周辺の強風被害の状況などの気象調査を行いますとともに、一月六日から八日にかけましては秋田総合車両センターにおきます車両調査というものを実施するなど、現時点までに委員を延べ十一人日、鉄道事故調査官を延べ六十一人日、事故現場等に派遣をするなどいたしたところでございます。  また、一月の五日には事故現場の最上川橋梁北側、JR東日本規制風速計が設置してございますが、それに隣接をいたしまして風速計二基を新たに設置いたしますとともに、二十一日には事故現場に更に風速計十基を設置をいたしまして、事故現場風速計測など気象調査を現在も実施をいたしておるところでございます。  さらに、気象に関する専門的な識見等を有する大学教授を専門委員として任命をいたしますとともに、気象庁の専門家を鉄道事故調査官に併任をいたしまして、事故原因の究明のための調査を現在進めておるところでございます。  今後につきましては、事故現場におけるこのような風速測定などの気象調査を引き続き実施をいたしますとともに、レール等の関係物件の詳細な調査、あるいは委員指摘の関係者、運転士あるいは車掌等々からの口述聴取をする、さらには収集いたしました資料の分析といった多角的な観点から科学的かつ客観的な調査を進めまして事故原因の究明に全力で取り組むとともに、できるだけ早い解明に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  18. 田中直紀

    田中直紀君 いや、風の関係ではなくて、運転をしてたら警報のアラームが鳴ったということで、手動ブレーキを踏んだんで違った走り方になって、それをそういう環境の中でという、その最初のところをちょっと伺っているんです。
  19. 福本秀爾

    政府参考人福本秀爾君) お答えいたします。  その辺につきましては、いろんなデータから詳細に分析を進めておるところでございますが、ほぼ百十キロぐらい、時速百十キロで惰行運転中に、惰行運転というのは要するに何といいますか、モーターの力を切ってといいますか、運転中に風の原因による、原因だと思われますけれども脱線転覆をしておるということで、現時点においてはブレーキを掛けたというような確証は今得られてはおりません。
  20. 田中直紀

    田中直紀君 調査の方、よろしくお願いします。  新潟県の中越地震で、これは大変、脱線はしましたけれども転覆はしないと、こういうまあ不幸中の幸いであったわけでございますし、私も、十月の二十三日は崩落事故のありました小千谷から長岡の国道で車を走らせていたという状況でありました。まあ、車を止めたという状況でありましたけれども、大変な揺れでありましたし、電線がもうぶら下がってばたばたばたばた揺れてくるというような状況、そしてまた、土曜日の夕方でありましたから道路沿いの店にも人が少なかったというのが幸いしたんだと思いますが、それにしてもショーウインドーの窓ガラスはもう粉々になってしまうと。  そういう面では阪神・淡路大震災よりも大きいマグニチュードだということで、後で大変な地震だったなと思うわけでありますが、ちょうどトンネルから長岡の方に出たところの、減速しておったと、二百キロぐらいだったと、こういうことも聞いておりますし、雪国仕様で中央に二メーター弱のコンクリート排水路があるんでしょうか、説明を受けますと、車輪がそこに挟まって千四百メーターぐらい行ったけれども何とかそこで脱線しないで止まったと、こういうことであります。  既にいろいろ御研究をされたわけでありますが、東海道新幹線は六十万人一日に乗るんだと、こういう大変な公益性の、民間が経営をする、あるいは営業をすると言いつつも、何といってもやはり国民の足でありますから、今後の、北陸新幹線計画されておりますけれども、その辺どういうふうに生かして対処されておるか、伺いたいと思います。
  21. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) 新潟中越地震によります上越新幹線脱線原因の詳細につきましては、現在、航空事故調査委員会で引き続き調査が進められておりますけれども、私ども国土交通省といたしましては、新幹線脱線発生の重大性にかんがみまして、地震後速やかに新幹線脱線対策協議会というものを設置いたしました。施設面、車両面で当面取り得る対策等につきまして実務者レベルによる検討を開始いたしまして、できることから速やかに実施するということにしております。  この脱線対策協議会におきましては、構造物の耐震対策、それから地震検知・警報装置による脱線防止対策、逸脱防止対策等の方針につきまして、昨年の三月三十日に中間取りまとめを行いまして、今年の三月二十九日にフォローアップを行っているところでございます。  私ども、これ、地震の多い我が国のことでございますし、高速で走っている新幹線でございますから、新幹線が地震に遭遇して脱線したということを想定いたしますと、車両が軌道から大きく逸脱しないような対策を講ずるということが大切だというふうに考えております。  したがいまして、上越新幹線で採用されていますスラブ軌道、それから他路線で採用されているバラスト軌道、いずれの軌道におきましても、それぞれの軌道の状況に応じまして地上側、車上側で逸脱の防止の対策が提案されております。ちょっと詳しく説明したいんですが、時間がありませんので簡単に申しますと、地上側のは脱線防止ガードを造るということです。車上側は車両の方に、車輪が落ちても倒れないように車輪に沿って平行に走るような仕組みをつくるということでございます。  こういう二種類の対策が有効だというふうに考えておりますので、今後は営業線における試験などをきちんと進めまして、線区の状況に応じまして本格的な導入計画を策定するということでございます。  引き続きまして、非常ブレーキの開発によりまして急速に止まるというような仕組み、あるいは早期に地震を検知する仕組み、こういうようなものにつきましても充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
  22. 田中直紀

    田中直紀君 上越新幹線は地震においても、百五十人の乗客の皆さん方がいらっしゃったわけでありますが、無事であったということは大変幸いだったと思うわけでありますが、雪国仕様ということで今回は転覆しないで済んだと、こういう報道も多いわけでありますので、ほかの新幹線にも是非その経験を生かして事故のないように努力をしていただきたいと思います。  もう一つ、ちょっと事故の話ばっかりで恐縮でありますが、JRの西日本の福知山線脱線事故で、もうあれから一年が過ぎようとしておるところであります。で、運転再開された、あるいは事故調査委員会も中間報告をして、いろいろ関係者、会社、取り組んでいただいておるようでありますが、大変な、亡くなられた方あるいは負傷された方々が多いわけでありまして、補償交渉をどういうふうに進めていただいているかということと、負傷された方々にはストレス障害の対策ということが求められているわけでありますが、国土交通省から伺いたいと思います。
  23. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) JR西の方でよろしゅうございますか。
  24. 田中直紀

    田中直紀君 あっ、JR西日本ですね、ごめんなさい。
  25. 梅田春実

    政府参考人梅田春実君) JR西日本におきましては、御指摘のように百六名の方、運転士を入れますと百七名の方がお亡くなりになりました。で、お亡くなりになりました方々に対しましては、JR西日本の方で各家族一名ないし二名社員を付けまして、マンツーマンでいろいろと、まあお悩みになっていること等を聞きながら御相談にあずかっている最中でございます。補償交渉につきましても、十分相談をしながらやっているというふうに聞いているところでございます。  それから、おおよそ五百五十名ぐらいの方がけがをなさいました。なお病院に入院されている方もおられますけれども、この方々につきましても軽傷者を中心に補償の相談をさせていただいているところでございまして、まあアバウトでございますが、大方半数ぐらいとはどうやらいろいろと御相談事がまとまったというふうに聞いているところでございまして、私ども、こういう補償交渉につきましてはJR西日本に対しまして誠心誠意できる限りのことはするようにということで、大臣からも何度も強く指導しているところでございます。  今後とも引き続き、おけがをされた方、亡くなった方々に対しまして十分な誠意を示してまいるように指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  26. 田中直紀

    田中直紀君 JR西日本の会社の努力を、国土交通省も一緒になって頑張っていただきたいと思います。  で、ちょっといろいろ、羽越本線事故だとか上越新幹線事故を見て感じたことなんでありますが、この事故の大惨事になった八年前にカーブを、あのマンション、よくテレビで出ましたけど、マンションの後ろ側を通って、六百メーター半径で通っていたんですね。それをJR西日本になって、まあ時間短縮をしようということなんでしょうが、半径三百メーターでしょうか、に短縮をしたんですね。それで、尼崎でしょうか、に入りやすくしたと。これで私鉄と競争して相当利益が上がったというような報道も、民営化の中で大変なJR西日本というのは優秀な会社なんだともてはやされた一時期あるんですけれども、それが災いして今度は、私も先ほどの新幹線で気が付いたような、カーブというのは非常に事故につながりやすいという、そういう面では原因というよりは動因という言葉が、御存じですが、それが引き金になってそういう事故が起きたんだと。  やはり原因委員会方々も大切だと思うんですけれども、やはり何がそのきっかけだったかということも調査をしていく必要があるんではないかと思いますし、事故の前年度の決算を見ますと、大変な純益を上げておるということでありますから、補償問題もそういう面では企業としての一つの判断で対応できるわけでありますので、会社の方に督励をしていただきたいと思いますし、調査委員会でわざわざお出掛けでありますが、結局、運転をされておる方々と、このJR西日本の福知山線もそうでありますが、車掌の方々も一心同体なんですね。前で運転もできるけれども、後ろでも運転できるわけですから。ですから、残念ながら運転された方は亡くなりましたけれども、車掌さんはもうすべて知っているわけですよ、いつどのぐらいのスピードでどういうふうにして、それで、四十秒間というんでしょうか、ちょっと、その間にだれかがブレーキを踏んだのか踏まなかったのか、どういうふうにしたか。あれだけ大騒ぎをしておりますけれども、まあ確かに大事なことですけれども、車掌さんをしていたわけでありますから。この事件というのは、すべて、どうして起こったか、どういう状況で起こったかというのは、これはもう運転している人も車掌さんがいるところで運転、本来何回もしているはずですから。  その辺、しっかりと中間報告していただいたようでありますが、調べていただいておるんだと思いますが、簡単で結構です。
  27. 福本秀爾

    政府参考人福本秀爾君) お答えいたします。  委員指摘事故現場のカーブにつきましては、福知山線と東海道線、更にはJR東西線との直通運転が円滑に行えるようにと、更には旅客の利便性向上というために、事故の約八年前に尼崎駅の改良が行われた際に、半径六百メートルから半径三百メートルに変更されたというものでございまして、それ自身は国の技術基準に適合をいたしたものであると私どもも認識をいたしてございます。  この事故につきましては、現在、私どもの方で鋭意調査を実施をいたしておりますが、昨年九月の六日に公表いたしました経過報告というものによりますと、委員指摘のとおり、制限速度七十キロメートル毎時のこのカーブにおきまして、事故列車が百十キロメートルを超える速度で進入をしたということで脱線をしたということではないかと認識をいたしてございます。  今後とも、今御指摘いただきましたように、車掌あるいは関係者の方々からの口述を取りますとともに、客観的な、あるいは科学的な事故原因の究明に向けまして、この事故の背後要因も含めまして、鋭意調査を進め、できるだけ早期に結論を得たいと思っておるところでございます。
  28. 田中直紀

    田中直紀君 事故のことにつきましては、時間が迫っておりますのでこのくらいにさしていただきますが。  基本的に、やはり手動ブレーキを踏んだか踏まないか、そして羽越本線があれだけの惨事になった、あるいは福知山線が実際にブレーキを踏んだのか踏まないのかが一つの大きなかぎですから、それでこれだけの大惨事になったということで、それはやはり自動的な作動をして、ATSですか、そういうものに頼るかどうか、それと人に頼るか、この辺を決めて今後運営していかなきゃいけないんではないかと実感をいたしております。  運輸分野の中で、タクシー問題についてお伺いをいたします。  数年前に、私も交通及び情報通信委員会に入っていまして、バスとタクシー規制緩和を行う、需給調整を撤廃すると、こういう法案の審議をしたことを思い起こすわけでありますが、それにしても、やはり経済的な規制緩和を進めるとしても、運輸関係につきましては、当時の運輸省としては、しっかりとそういう面では社会的な規制をし、また事故を減らし、利用者に、あるいは消費者の保護をしっかりとやっていくということも答弁をしていただきましたので、運輸省管轄は規制緩和を次々とやってきたわけでありますけれども、ますます私は、運輸行政というのは生命、財産を守っていく立場であるというふうに私は認識をいたしておりますし、それに携わっておる業界の人たちにおきましても、そのあおりを食わないようにということでお願いをしたいと思います。  タクシーの抜き打ち検査というのを二月から始められたようでありますが、劣悪な環境の下でやっておることが安全対策上も大変問題があると、こういうような御指摘もあるわけでありますが、監査状況はいかがですか。
  29. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今、田中委員から御指摘のありましたタクシーの関係でございますけれども規制緩和後の事後チェック機能といったものをきちっと果たしていくということが委員指摘のように輸送の安全の確保あるいは利用者の保護という観点から極めて重要だという問題意識を持っております。そういう意味で、私ども、今お話がございましたようにこの二月から監査の仕組みを見直しまして、監査機能の強化を図ることといたしました。  具体的には、田中委員指摘ありましたような原則無通告での監査、あるいは新規事業者に対する早期監査の実施、あるいは再違反に対する処分の加重など、めり張りのある行政処分の実施ということで、具体的には、二月の実績で見ますと、昨年の二月の実績と比較いたしまして四二%ほどタクシーに関する監査を強化をして行っているところであります。あわせまして、四月から厚生労働省との合同監査、合同監督という体制も整えまして、御指摘のような輸送の安全、利用者利便の確保、保護といったことを確実に実施していきたいと思っております。
  30. 田中直紀

    田中直紀君 雇用条件等は厚生労働省でありましょうから、国土交通省そしてまた厚生労働省と連携してこの環境を打破していただきたいと思いますし、私どももしばしばタクシーに乗るわけでありますけれども、地域によっては大変厳しい状況にあると、こういうことでありますし、低い歩合制のタクシーもあるということでタクシー運転手さんはぼやいておりますし、それから最近は、リース制なんでしょうかね、これは個人に会社がタクシーの車をリースするとか、それからまた初任給を、いや、相当高いんだねというふうに聞くと、いや、これは立替え制なんですよと、入ってから稼いだところで返さなきゃいけないんですよという、ちょっとそういう面では、労働不足であると言いつつも、何かいい給料を出すんではないかというようなことをやっておる会社もあるようでありますから、その辺も厚生労働省とよく連携を取って改善をしていただきたいと思います。  それから、バス事業でありますが、規制緩和によりまして民間事業者が不採算のバス路線を廃止するんではないか、こういう心配があったわけでありますが、相当そういう面では地域の皆さん方の利便性を考えて頑張っておるようであります。  ただ、自治体が、この交通政策を何とか維持していきたいと、こういうことでありますが、地方も財政難ということで、最近入札をしたりして路線を決めようとしていますが、やはり自治体もそれではコストダウンなかなかできないわけでありますし、今度新しいコミュニケーションバスというんでしょうか、そういうことも入れていく、あるいは乗り合いタクシー等も普及していこうというような、こういう形態はどんどん進むわけでありますが、実態をもう少し把握して適切な対処をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  31. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) バスにつきましては、地方の生活の足を確保するという意味で、私ども、サービスの維持確保は極めて重要な課題だと思っております。規制緩和の以降四年間で、一部路線の廃止など行われておりますけれども、幸い事態が極めて悪化したということではないという基本認識を持っております。  今、田中委員指摘のコミュニティーバスや乗り合いタクシーの話でありますけれども、やはり地域のそれぞれの実情が異なっておりますし、従来の路線バスのようなサービスだけで生活の足を確保するということが現実にそぐわないという実態もございますので、この国会に道路運送法等の一部改正法案を提出をさせていただいておりますが、コミュニティーバスあるいは乗り合いタクシーといったきめ細かな輸送サービスが提供できるような事業の展開あるいはサービスの提供といったものをより促進できるような環境整備を実現をしたいと、このように考えて法案を出させていただいたところでございます。
  32. 田中直紀

    田中直紀君 なお一層の努力をお願いいたしたいと思います。  余り時間がなくなりましたので最後になりますが、規制緩和の下で各事業も努力をしていただいているわけでありますけれども、冒頭申し上げましたように、最近のこの運輸関係の事故は、やはり安全という意識をしっかり持つということと、その事故に当たってはやはり、関係者の皆さん方には酷でありますけれども、責任の所在というものをしっかりと明確にする、そしてまた関係する国土交通省も今までの足らざるところはしっかり対処する、そしてまた行政においての責任も私は明確にしていただくことがこれからの大きな行政につながっていくんではないかと思うわけでありますので、その認識をよく持っていただいて行政をやっていただきたいと思います。  いろんな、航空もあります、トラックもある、あるいはバスも、そしてまた鉄道もあるわけでありますが、それぞれの法律の中で安全対策というものが規定されておりますが、これは事業者の皆さん方にこういうことを守ってくださいよと、こういう法律が非常にきめ細かくされておりますが、私は、安全対策の基本法というものを、議員もしっかり勉強させていただきたいと思いますが、安全対策基本法というものをしっかりと運輸関係でひとつ持って、そして行政も、あるいは事業者も、そしてまた利用者もしっかりとその顔の見える事業者、そしてまた行政というものをしながら利用者皆さん方に安心して乗っていただくことが必要ではないかというふうに私は思っておるわけでありますが、今日は大臣も副大臣もほかの委員会でお忙しいようでありますが、政務官、お出掛けでありますか、ひとつよろしくお願いします。
  33. 石田真敏

    大臣政務官(石田真敏君) 委員先ほど来御指摘いただきましたように、昨年四月のJR西日本の福知山線脱線事故以来といいますか、いろいろな事故とかトラブルが多発をいたしておりまして、輸送の安全に対する信頼が本当に損なわれているということで、誠に遺憾に感じておるわけでございます。  国土交通省におきましては、昨年の六月に省内に、従来の手法ではなかなかいけないということで、運輸事業者に対する新たな監視、監督の手法について、外部の有識者を招きまして検討委員会を立ち上げておりまして、その中間報告が昨年の八月に出まして、それを基にいたしまして、先日、大変お世話になりました法案につきまして、運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律案ということで御審議をいただき、成立をいただいたわけでございます。  この中では、とにかく事業者に、トップから現場まで一体となってその安全について管理体制を構築をしていただく、また、社内に安全意識というもの、あるいは安全の風土というものを浸透していただくということを主眼にいたしまして、議員御指摘のように、陸海空の輸送モード横断的にその徹底をお願いをすることになっておる次第でございます。  さらに、本年度、大臣官房に、運輸安全政策審議官をヘッドとする専任の安全監視組織といたしまして二十七名体制の新組織を設置をさせていただくことになっておるわけでございまして、この組織におきまして、運輸事業者が構築する安全管理体制の適切な評価を行わせていただき、輸送モード横断的に実施することといたしておる次第でございまして、とにかく国民の皆さんの信頼確保できるように、安全対策のために、推進に全力を上げてまいるつもりでございます。
  34. 田中直紀

    田中直紀君 これで終わりますが、最近の事故続きということは大変国民にとって心配なところでありますから、努力努力を重ねていただきたいと思いますし、私は、安全対策の徹底あるいは安全基準の整備、そしてまた利用者、消費者の保護、国や自治体の責務、そしてまた事業者の義務、そして従事者の資質向上、こういうものを運輸関係の方々に再認識をしていただいて、そしてまたそれを後押しする安全対策の基本法というものをしっかり作って、そして国民の皆さん方に安心して利用していただくと、こういう法体系を考えたらいいんではないかと私内々思っておるわけでありますが、御協力をいただければと思います。  今日はどうもありがとうございました。
  35. 松岡徹

    ○松岡徹君 民主党の松岡徹でございます。発言の機会をいただきまして。  最近、個人情報の流出というのが頻繁に事件となって出てきております。情報技術の進展とともに新たな手口で情報が流出する、その情報の内容も様々であります。それに対応するために、住民基本台帳法の改正だとか、あるいは個人情報の保護法のありようだとか、様々対応に追われているところだと思いますが、その中で、今年の二月に起きました刑務所の情報流出事件、あるいはその他の個人情報を含む情報の流出事案につきまして幾つか、その経過なり考え方、そして法務大臣のお考えも聞かせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、今年の二月の八日に発覚をいたしましたいわゆる矯正局の行刑施設に係る情報がウィニーによって流出したということが発覚をいたしました。そのときは、その流出した情報は一万ファイル、約一万ファイルに上ると。そして、その中で、個人情報としても被収容者三千三百八十人分、及び職員の分が二千二百八十三人分含まれているということで、流出されました。  その後、法務省は直ちにいろいろと対応をされたと思いますが、先日の法務委員会でも、杉浦大臣は、二月の十七日に事務次官をトップにした情報管理の在り方についての検討、点検とか徹底がされているというふうに言われていました。そして、政府機関の統一基準に基づくセキュリティー基準を今策定中だということの幾つか取組がされているという答弁もございました。  それで、その後の状況について、簡単にまずはお聞かせください。
  36. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) 御指摘のように、一般規定の策定等に今取り組んでいるところであります。また、一方、刑務所等の行刑施設につきましては、種々の対策を検討し、なおかつできるところから実施に移しているところでございます。  具体的に対策状況について申し上げましてよろしいでしょうか。
  37. 松岡徹

    ○松岡徹君 簡単にね。
  38. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) はい。  まずは、今回最も問題である点は情報をみだりに施設外に持ち出したというところにございますので、この持ち出しを徹底的に厳禁すること、さらに、その事案を踏まえた、速やかに個々のやはり職員の意識を変えなくてはいけないということで、研修等を徹底しておるところであります。  さらに、抜本的な対策としては、三つほど説明さしていただきますが、矯正施設等のすべてのパソコンにつきまして、保存データを外部記録媒体に許可なく複写することを防止するための情報漏えいソフトを追加すること、さらにパソコン本体を施設外に持ち出せないようにするためのセキュリティーワイヤによる固定を行ったほか、最新の情報セキュリティー対策に関して作成した資料を各矯正施設に配付して職員に徹底することといたしました。  その他、種々の細かいところでございますが、いろいろ対策を講じているところでございます。
  39. 松岡徹

    ○松岡徹君 私も、質問主意書を提出いたしまして幾つか聞いておりました。そして、大臣の法務委員会での答弁もございました。当然、なぜこのような情報が漏れたのかという意味では、情報管理者たる矯正局で漏れた原因を調べて、二度と漏れないような体制をしくというのは当然のことであります。情報の管理責任者であります。  ただ、その中で問題なのは、職員がそのデータを持ち出しておるんですね。そして、自分のパソコンから通じて情報漏れているんです。この情報はどんな情報かといったら、一万ファイルに上るんですが、個人情報だけ見ても、被収容者は、氏名、生年月日、呼称番号、罪名、事件名、刑名、刑期、刑の起算日、刑の終了日、入所回数、病状など入っているんですね。矯正局の職員は、氏名、官職、住所、自家用自動車の登録番号とか、そういった非常に細かな個人情報が入っている。しかも、三千八百八十人の被収容者のうち約八割の方はもう既に刑期を終えて出所されている方だと。この情報が、いとも簡単に個人の職員が持ち出すことができるのかどうか。これが不思議でならないんです。これね、職員の守秘義務というのはないんですか。
  40. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) 職員には、一般的な公務員法上の秘密を守る義務というのはございますし、また、個人情報保護法に基づいて規定された内部規定においても、そういったことが起こらないようないろんな外部持ち出し禁止等の規定も設けているところでございます。
  41. 松岡徹

    ○松岡徹君 守秘義務はあると思うんですね。これは完全な守秘義務違反でしょう。じゃないですか。この情報流出にかかわる職員は、個人だけじゃない、約十二名ぐらいかかわっているというふうに聞いているんですね。しかも、一つの刑務所ではなくて、いろんな行刑施設、様々、幾つかの行刑施設の資料なんですね。  そういう意味では、この職員たちは、守秘義務違反になりませんか、端的に答えてください。
  42. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) 実際にウイルスに侵された、流出した情報の管理をした職員については、まあ法的に言えば、故意がないということで刑罰には当たらないかなというふうに考えているところでございます。
  43. 松岡徹

    ○松岡徹君 私は、故意犯か過失かを聞いているんじゃないんですよ。故意犯だったらもっと問題ですよ。でしょうが。そんなこと関係なしに、職員は守秘義務を課せられているんでしょうが。こんな情報をいとも簡単に自宅へ持ち帰る、自分のパソコンに保管することができる、データを入力することができるというこれ自身が流出じゃないんですか。守秘義務違反じゃないんですか。
  44. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) 法的にということじゃなくて、その情報を扱う者として不適正であったという意味では、正にそのように理解できるというふうに思っております。
  45. 松岡徹

    ○松岡徹君 不適正、すなわちそれが守秘義務違反だというふうに思うんですね。  私は、何もこの職員を罰してくれとは言ってないですよ。なぜ彼がこの情報を家へ持ち帰ったのかということも聞いています。自らの矯正局職員としての技量を高める資料として、あるいはそういう勉強のためというのも聞いています。しかし、だからといって、こんな情報が、どんな理由であれ、個人の自宅に、個人専用のパソコンに持ち出されるということ自身はこれは公私混同だと思うんです。私は、何もこの職員の人を罰してくれとは言っていませんよ。矯正局自身が非常にその責任の在り方とかいうのが非常に無責任というか、はっきりしていないですね。そのことを私は指摘したいと思うんですけれどもね。  それともう一つは、流出した情報なんですが、三千八百八十あるいは二千人を超える職員の人、まあ言うところの六千人を超える人たちの個人情報が流出しているんですね。問題は、このときの流出した情報によって、当然考えるのは、流出しないようにということで管理者のシステムとかそういうことを考えるのは当たり前のことです。一方で、この情報が漏れることによってどんなことが起きるのか、どんなことが考えられるのかということなんですね。そっちにちょっと視点がないんではないかと思うんですが、この情報が流れたことによって、もしそれが一般に流れたことによってどういうふうなことが起きるとお考えですか。
  46. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) これは重大なプライバシーの侵害でございます。特に私ども心を痛めておりますのは、刑を終えて出所されて社会復帰をされている方々がこのことによっていろんな被害を被り得る可能性があるということ、これが最も心を痛めて、今後どうすべきかを考えているところでございます。
  47. 松岡徹

    ○松岡徹君 私もそう思います。  私も、法務委員会で様々、刑法の問題とかやり取りしてきました。再犯を防止していくには自立更生の道をしっかりとつくっていかなくてはならない。自立更生を阻むのは、刑を終えて出所した人がなかなか就職に就けないとか様々あります。そういった障害にこの情報がならないかどうかということを心配します。  そういう意味では、それだけではありませんが、すなわち個人のお名前から様々な病歴までデータとして載っているわけですから、プライバシーの侵害だけではなくて、その人の人権を侵害していくという結果に、道具に使われてしまうという危険性もあるということをしっかりと踏まえていただきたい。改めてその辺の課題についてはじっくりと検討をいただきたい、後ほどの議論にも生かしていきたいというふうに思っております。  それで、もう一つ、個人情報の流出のところでは、実は個人情報を取得する場合、本人に許可なく個人の情報を取得する特別職務といいますか、ありますね、八業種と言われている人です。  昨年に、もっと言えば一昨年の十二月、まあ大体去年の一月に入ってからだと思うんですが、兵庫、大阪を中心に行政書士による戸籍の不正入手の事件がございました。もう一々細かなことは申し上げるつもりはありませんが、事件発覚が二〇〇四年の、平成十六年十二月、そして二〇〇五年から本格的にその全容が分かってきたわけですが、内容は、最初に分かったのは、兵庫の行政書士が興信所、探偵社六社と結託をして、興信所、探偵社からの要望に応じてその戸籍謄抄本を取って、それを一通三千円から一万円で売り渡していたということが分かりました。この中で、二〇〇一年、平成十三年からこの事件が発覚するまで六百五十三件に上る他人の戸籍謄抄本を取っていた。そして、あわせて、宝塚の、兵庫の宝塚の方の行政書士は、その職務上請求用紙を興信所に売っていたと、束のまま売っていた。その数は二千二百枚に上ると。この行政書士がそういう、もう一つは大阪の行政書士でありますが、この方も同じように千八百六十枚の用紙を興信所に売っていた。そして、この売られたそれぞれの職務上請求用紙は、当然宝塚のその行政書士の名前、大阪の行政書士の名前で請求されています。そういったことが発覚をいたしました。  この事件の内容について、大臣は御存じですか。
  48. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃったように、昨年、兵庫県や大阪府等の行政書士が戸籍謄本等を不正に取得した事件が発覚しておることについては、関係法務局、地方法務局を通じて把握いたしております。
  49. 松岡徹

    ○松岡徹君 これは大阪、兵庫中心でありますが、そのころと時期を同じくして京都の方でも同じように人の戸籍謄抄本を取った事件がありました。それは行政書士ではなくて司法書士の方ですね。これは明らかに身元調査のためということであります。これも当然、大臣は御存じだというふうに思っています。  それ以外にも、昨年から次々とこういったことが明るみになっています。愛知県の興信所、ある興信所が本人に成り済まして戸籍謄抄本を不正に入手していたということがあります。新聞にも載っておりますが、この興信所は事務所に約千五百個の判こを、千五百種類の判こを保管して本人に成り済まして取っていたということが発覚をいたしています。あるいは東京の練馬区でも行政書士による戸籍の不正入手、同じような手口であります。あるいは台東区でも起きています。その他にもいろいろ様々な事件が、こういった附属する、まあ類する事件が続発をしています。  この事件は、去年始まったんではなくて、発覚したのが去年でありまして、こういった不正取得は大阪や兵庫の事件だけ見ても少なくとも五年ほど前から不正に取得されていたということであります。ただ、それ以前のことがなかなか分からないのは、それを保管している資料はもう消去、消却しているというのもあります。  だから、五年ほど前のことしかなかなか分からないわけですが、そこで、総務省にも来ていただいていますが、総務省はこの事件を知って四月の二十六日に三百八十三号通達といいますかね、通知を出しています。それで、そのときに統一応募用紙による請求用紙の変更を求めていますね。当然、行政書士の連合会はその要請に応じて、その請求する際のガイドラインを新たに作成をしました。これについて、以前と今回の、このガイドラインが作成されました、当然総務省も通達を出しました、それについて、この違い、どこを力点に置いて変えようとしたのか、そしてどういう問題意識でこの通達が出て、変えることを通達として指示したのか、そのことをお聞かせいただきたい。
  50. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。  総務省では、事件の発覚後直ちに日本行政書士会連合会に対しまして遺憾の意を伝えますとともに、再発防止策の検討を求めたところでございます。あわせまして、職務上の請求の特例が認められております八士業の団体に対しまして、統一請求用紙の適正な使用管理を依頼したところでございます。これが今先生指摘いただきました通知でございます。  行政書士会の方でございますが、行政書士会といたしましては、発覚いたしました兵庫県等におきます行政書士の一連の事件は、不利益を被った方に多大な迷惑をお掛けいたしますとともに、行政書士制度等に対する国民の信頼を失墜させた遺憾の行為だという認識の下に、その再発を防止するため、統一請求用紙の様式の厳格化等の対応を決定したということでございます。  具体的に申し上げますと、従来の統一請求用紙の在り方、統一請求用紙を廃止、回収いたしまして、使用目的、提出先に加えまして、依頼者の名前の欄を追加いたしました新たな統一請求用紙を作成いたすことにしております。それから、使用の際には行政書士会に誓約書を提出させるなど、この統一請求用紙につきまして厳格に管理をするといったことがもう一つでございます。それから、新たな倫理規則の制定等の対応も行っているといったものが主な内容かと存じているところでございます。
  51. 松岡徹

    ○松岡徹君 今までは依頼者の名前はなかったんですね。先ほどの事件を見ましても、宝塚、大阪の行政書士は、その請求用紙そのものを興信所に売り渡していた。それを買った興信所の職員は、その行政書士の代理人に成り済まして請求していたということが考えられますね、まあ事実そうだったと思うんです。  その中で、例えば宝塚の行政書士は、この事件発覚する以前からそうですが、京都の女性から、無断で戸籍を取られて、この行政書士に取られて、そして縁談が壊されたということで訴えられたんですね、訴訟されたという事実があるんですね、これ。それ以外、大阪の行政書士もそうですが、大阪豊中のこの行政書士も、兵庫県の加古川の在住の人ですけれども、この大阪の行政書士によって自分の戸籍謄抄本を取られたと。自分は依頼もしていないのに、そして依頼者の名前を見ても全然知らないのに勝手に取られたということで、この兵庫県加古川の人も届け出ているんですね。  そういう意味では、そのことから分かりますように、総務省は、すなわち情報の本元である情報管理者なんですね、市区町村それぞれ。それが、職務上請求用紙によってその情報を出すんですね。ところが、その情報は全く目的外の使用でありまして、これ、今ガイドラインを変えたと言っていますけれども、それでこういった事件は防止できると思います。
  52. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。  士業につきましては、その資格による調査ということで、通常の場合よりも請求の在り方が緩和されているといったところでございます。そういう意味では、そういう資格をお持ちの方々に強い職業倫理意識を持っていただく必要がまずあろうかというふうに思うわけでございます。  今回の取扱いの改正の中で、一つは、そもそも、ある程度その請求の仕方を士業だからということで変えた部分について改めるということで、その辺の確認を市町村の方の窓口でやっていただくということで一つのチェックができるかと思いますし、もう一つは、やはり先生指摘いただいた件は件数も大変多うございますが、これは統一請求用紙の管理そのものが、ある意味ではちょっと甘かった面があるということで、それだけたくさんの者ができたということでございますので、この種の対応をすることによりましてかなり対応策が取られるものではないかというふうには思っているところでございます。  ただし、そもそも、先ほど来申しておりますように、資格を持った方の請求ということで認めているところでございますので、こういう方がそもそもの、何といいますか、法律を犯すということでやるというようなことはそもそも予定して制度を組むというのは大変難しいことでございますので、先生の御質問の一〇〇%防げるかということになりますと、逸脱する方が一切ないということはなかなか申し上げにくいことかなというふうに思っているところでございます。
  53. 松岡徹

    ○松岡徹君 一〇〇%は私も無理だと思いますね。  要するに、その八業種の人たちはそういう職権を認められているんですよ。それを守るというのは、倫理という意味では当然だと思うんですね。しかし、今回の場合はそれが興信所の要望、あるいは最初に言いました兵庫の行政書士なんかは、自らが新聞の広告を見て興信所にダイレクトメールみたいにやって、戸籍謄抄本取りますよと言ってセールスやった。そうすると興信所や探偵社が来て、依頼に来たと。今分かっているやつでも、二〇〇一年からそれで、興信所からの依頼で戸籍謄抄本を取って、それを三千円から一万円で興信所に横流ししたと。その人の証言の私はあれも持っておるんですが。  要するに、倫理というのはそのとおりであります。それは一般の社会の中にも当てはまることであって、法律があって刑法があって民法があって、当然守るべき、これは国民の規範としても倫理として当然あるんです。しかし、守られないというのがこれ犯罪になっていくんですね。ところが、これを守らなくてこういうことが起きた場合は、この行政書士はどういうふうな処罰になるんですか。
  54. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) 御指摘ございました事例の中で、兵庫県宝塚市の行政書士の例で申し上げますと、先生指摘ございましたように、統一請求用紙を使用して他人の戸籍謄本でありますとか住民票の写しを不正に取得して報酬を得たという事案でございますが、この行政書士に対しましては平成十七年六月に兵庫県知事より業務禁止処分が行われておりまして、また兵庫県とか神戸法務局の通知を端緒といたしまして、平成十八年三月に伊丹簡易裁判所により過料の決定がなされていると承知しているところでございます。
  55. 松岡徹

    ○松岡徹君 そうなんです。過料なんですね。罪ではないんですよ。これは、職務上権限が与えられている人は当然それを守っていくべき責任は、一般の人よりもその部分においては重いというのは当たり前なんですね。だから過料というのはあるかもしれませんが、私はそうではないと思うんですね。その行為そのものをどう見るかなんです。  そこで、この事件が起きてから、兵庫県の井戸知事から法務大臣とか総務大臣、竹中総務大臣あてに平成十七年十二月にこういう提言書が出ていますね、当然知っていると思いますが。「単なる行政上の秩序罰に過ぎない過料のみでは不十分ではないかとの議論もあるところであるので、刑罰化することについても検討されることを提言する。」と、平成十七年十二月十五日、総務大臣竹中平蔵様、兵庫県知事井戸敏三と。これ、提言来ていると思うんですが、この考え方についてはいかがですか。
  56. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) 御指摘をいただきました兵庫県知事からの提言書については、私どもも受け取っておりますし、認識しているところでございまして、御指摘ございましたように、刑罰化することにつきましても検討をしたらどうかというような御提言をいただいたというふうに思っておるところでございます。  私どもといたしましては、いろんな、先生から御指摘いただきました御意見もいろいろあろうかと思いますけれども、私どもといたしまして、今回の事案にかんがみますと、先ほど来申し上げておりますような、まずは士業としての対応といったことで手続を明確化する、あるいは市町村の窓口において例えば本人確認をしっかりするといったようなことの対応の中で適正な運用が図られるように確保していくことが重要ではないかというふうに認識しているところでございます。
  57. 松岡徹

    ○松岡徹君 質問した相手が悪かったですね。なかなか答えられへんというのは、それはよう分かります。  同じように法務大臣あてにも提言が出ていますね。大臣、どう思われます。
  58. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 先生が申された内容の提言が十二月、昨年の十二月十五日付けで法務大臣のところにも参っております。承知しております。  現在、法制審議会におきまして戸籍法の見直しの審議が始まっております。戸籍謄本等の不正取得に関する罰則は、御案内のとおり、行政罰だけでございますが、罰金とか刑事罰を科するかどうかについても適切な審議がなされるものと思っております。
  59. 松岡徹

    ○松岡徹君 戸籍法の改正の議論のところで刑罰の議論がされているんですか、されるんですか。
  60. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 戸籍法の見直しの審議を行っておりますので、全般について検討されるものと考えております。
  61. 松岡徹

    ○松岡徹君 刑罰化というこの提言なんですね。その刑罰化も、その戸籍法の改正議論といいますか、その中で議論されるんですか。
  62. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 刑罰化を導入するについては総務省とか関係省庁の協議が要ると思いますが、法制審としても御検討されるものと考えております。
  63. 松岡徹

    ○松岡徹君 私は法務大臣の考え方を聞きたいんです。  私、もう一つ不思議なのは、今、総務省からありましたように、この事件でかかわった行政書士は一応、廃業届を出したり、あるいは過料を受けておるんです。ところが、その行政書士と結託した興信所はですよ、探偵社は何の罪にも問われていないんです。何の罪もないんです。何のおとがめもできないんですよ。これはどう考えます、大臣
  64. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 戸籍法上の過料の制裁規定に該当するものは、偽りその他の不正の手段により戸籍謄本等の交付を受けた者でございますので、依頼した興信所に対し直ちに戸籍法上の過料の責任を問うことは困難だというふうに考えております。
  65. 松岡徹

    ○松岡徹君 この依頼した兵庫の行政書士の興信所、探偵社は、カンティー探偵社、ライフ・リサーチ興信所、コーリツ探偵社、兵庫県興信所、アロマウィーブ、アドバンテージ探偵事務所、これみんな分かっているんです、名前。そこが何通、この行政書士から要請して何通不正に取ったかというのは分かっておるんですよ。そこまで分かっているのに、なぜこの、行政書士は廃業届、廃業になったですよ、過料含めてね。なぜこの探偵社、何にもないんですか。
  66. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 戸籍法上は過料の制裁規定しかございませんので、罰金を科するわけにはまいりません。
  67. 松岡徹

    ○松岡徹君 そこなんですよ。だから、刑罰化というものを考えるべきではないですかというこの兵庫県知事のやっぱり提言だと思うんです。すなわち、それをやる人間と同時に、それをやってくれという需要があるんですよ。でしょう。もしそういう、確かに行政書士の倫理の問題もありますけれども、同時にそういうふらちな要求をする探偵社とか興信所は、ここをやっぱりどう止めるかということも考えなあきませんね。だから、私は、兵庫県知事の提言は正にそういったところも含めて刑罰化を提言されていると思うんです。  法務大臣として、その提案について、大臣としてどうお考えですか。
  68. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) こういうことはあってはならぬことですし、私も士と名の付く職業に加わっておるんですが、信じられないことですが、実際には、例えば建築士さんにもついせんだってございましたし、様々あるところだと思います。  総務省が、まず行政書士会が自主的に努力しろということでやっておられるのも分かります。刑罰を導入するかどうかは様々な業種と申しますか、士もいろいろございます、そういうところとの調整と申しますか、これだけ導入してほかは導入しないとかいうことございますから、様々なところとの調整も要すると思いますし、多角的に検討する必要があると思います。  法務大臣といえども余り個人的な意見を言わない方がよろしいかと思う次第でございます。あってはならないことであることは間違いございません。
  69. 松岡徹

    ○松岡徹君 ほんま、ここをずっと追及していきたいんですけれども、聞いていきたいところなんですが、時間の関係もありますけれども、是非、個人的な意見ではなくて、杉浦大臣は今、法務大臣なんです。法務大臣がこういった出来事といいますか事件について、けしからぬと先ほど言ったでしょう、それを興信所、探偵社を罰するような、あるいは過料を科すようなものは整備されていないんです。それ自身も、これ盲点といいますか、問題だと思いませんか。だからこそ、そのことは何らかの手だてを打つべきだというふうな立場を、せめて考え方を示すべきではないですか。その上で法制審に、その意向を大臣として法制審にお願いしに行くということになるんじゃないですか。もう一度、その辺。
  70. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 法制審は専門家がそろっておられますので、過去様々な法律の改正等を手掛けておられますので、そういう立場で適切に議論されるものと思っております。  法務大臣、個人、個人としてとおっしゃっても法務大臣でございますので、余り軽率なことは申し上げない方がよろしいと思っている次第でございます。
  71. 松岡徹

    ○松岡徹君 個人的なことじゃないと思うんです。担当大臣として、この部分は正に盲点になっているというふうに思うんです。先ほど大臣もお答えになったでしょう。今のところそれは何ら適用するものがないと言っているんですから。一方で、行政書士は廃業まであるいは過料までされた、一応社会的な制裁を受けるんですよ。ところが、そこに依頼して結託してやった、金まで払ってそれを買った興信所、探偵社は何の過料も刑罰もないんですよ。  すなわち、さっき言ったけれども、犯罪は必ずしも、こういったものは行政書士がすべて起こすんじゃないんですよ。行政書士の権限を悪用しようとして需要があるんですよ。そこも含めてやらなかったらこの問題解決しないでしょうということなんです。その部分が今の法律の中では盲点とするならば、その辺は何らかの手だてを打つべきだという、せめて担当大臣としてそういう見解は、これは個人的なこと聞いているんじゃないんです、大臣として聞いているんですよ。
  72. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 一般論で申し上げるわけですが、仮に罰金の制度がこれに導入されるといたしますと、いたしますと、教唆した、興信所が教唆したわけですから教唆、あるいは共謀共同正犯としての適用もあるだろうと思います。ですから、まずは罰則の導入が是か非かという点が検討されることとなると思いますが、その点については法制審で適切に議論がされるものと考えております。
  73. 松岡徹

    ○松岡徹君 そうですよ。私もこれ見ただけで共謀共同正犯が成立するんちゃうかと、刑罰であればね、我々そう思うんですよ。  そういう意味では、やっぱり今確かにそれを罰するような、刑罰化するようなものは規定はないですからあれなんですが、しかしこの行政書士の連合会は自ら行政書士としての職権を与えられていますから、与えられているからこそ自らの中でそういう刑罰とか、あるいは刑罰というか規律、規範とかいうものを強めようとして努力しておるんですよ。努力しているからこそ、こういうところの盲点はやっぱりしっかりと課題として審議してほしいというふうに思います。具体的にどうするべきかというのは、是非また、私そんな聞いているわけじゃないですから、そういう視点が一つ大事だと思います。  それと、今回の事件が、事案がはっきりしたときに、実は法務省は、去年の平成十七年七月五日に大阪府がこの事件を知りまして、当該法務局のところに情報交換とか協力要請をしています。そのときに法務局は、守秘義務があって情報は提供できないとか、なかなか対応が遅いんですよ、法務局。  今日はそんなことをもう時間がありませんから申し上げませんが、法務局、法務省の考え方なんですが、私は、人の戸籍謄抄本を取るときに、その戸籍謄抄本を取る本人の承諾なしに理解もなしに勝手に取って、それを一通三千円から一万円で売るということは、その取られた本人は、自分の情報が自己の利益につながるような使われ方しているかどうか考えたら、必ずしてないですよ。本当にその人の利益につながるんだったら、その人に知らせますよ。何でその人に知らせないで勝手に取るんですか、それが売買されるんですか。  この情報の本元である戸籍謄抄本を取られた個人は、必ず不利益を被るような結果になるというふうに私は考えます。もし、その人の生活やその人にプラスになることであれば堂々とその人の了解を得て取ったらいい話ですから、なぜそれがやみからやみにこういう形で人の戸籍謄抄本、戸籍が、戸籍情報が売買されるということが今なおまかり通っているのか、どんな利益がその個人に行くというのか。  先ほど京都の例を言いました。この女性の戸籍謄抄本が取られて、この女性の縁談が破談になったといって訴えられています。この行政書士が取ったこの京都の女性の戸籍謄抄本は、何のために使われたと思われますか、大臣
  74. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) ちょっと私には分かりません。
  75. 松岡徹

    ○松岡徹君 今言っているじゃないですか。京都の女性が、自らの戸籍を兵庫の宝塚のK行政書士から取られて、それが理由で縁談が壊されたといって訴えられておるんです、このK行政書士は。明らかに結婚のときの身元調査に使われたというのが想像付くじゃないですか。  それと、この事件で、昨年の四月にこういう幾つか新聞がずっと出ています。この事件、二〇〇五年の四月十一日、これ地元の神戸新聞ですが、行政書士の不正行為の記事が大きく載っています、連日のように載っています。法務局、被害を放置、ここで、行政書士らによる戸籍謄本などの不正取得問題で、人権侵害の調査権限を持つ神戸地方法務局が今年二月、昨年ですよ、戸籍謄本を無断で取られた被害者側から通報を受けながら、調査をせずに放置していたことが十日、分かった。同様の通報を受けた兵庫県の担当課からも人権侵害のおそれがあるとして資料の提出があったが、法務局が動き出したのは、四月に入って問題が報道され、被害者側が再び調査を要請してからだった。その後も、去年の十二月十四日の毎日新聞、発覚後も十一件交付。  法務省のこの事件の対応は十分だったと思いますか。
  76. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) そのようなケースの場合には、法務省としては人権擁護機関が対応することだと思うんでございますが、法務省の人権擁護機関では、結婚とか就職に際しまして身元調査が行われた疑いがある場合には、事実を詳細に調査した上で、その結果を総合的に判断して、身元調査が差別を意識した場合はもとよりのことでございますが、差別を意識しないものであってもその調査事項や方法から見て差別につながるおそれのある身元調査は許されないとの立場から、再発防止や基本的人権の尊重について正しい理解を深めるよう勧告等を行うなどの措置を講じてまいっております。  なお、人権擁護機関は、就職、結婚差別等の人権侵犯事件を未然に防止する観点から、そのような身元調査を行わないように企業及び興信業者に対しまして度々啓発してまいったところでございます。
  77. 松岡徹

    ○松岡徹君 事務方のペーパーを読んで、大臣ね、今までの法務省の人権擁護局の対応は、去年のこの行政監視委員会でも私質問しているんですね。非常に、当時の人権擁護局長がここで謝りましたけれども、対応が非常に悪い、後れている、遅い。それはこの問題の重要さを理解していない。  法務省は、昨年の四月二十六日も、総務省と同じようにこの事件が起きたときに通達を出しています。その通達の内容は行政書士の連合会に対してこれ言っているんです。ところが、人権擁護局というのは、取られた個人ですね、その人の人権を守らなあかんのです。その立場にまず立つべきなのに立っていない。これが大臣、やっぱりその感覚が弱いと思うんです。  私はその中で、実は部落地名総鑑というものがこの行政書士の中で出てきました。御存じだと思いますが、昨年の十二月と今年の一月の二十日に新たな部落地名総鑑が現れました。これは実は今からいいますと三十一年前に、部落地名総鑑というのが実はひそかに一冊四万円から五万円で全国の企業や大学や個人に売られていた。その作った本人は、結婚やあるいは就職の際に部落出身者、同和地区出身者を排除するための材料として使っていたということが明らかになりました。  その当時、国も挙げてこの問題に取り組みました。ところが、その後それらの事件、地名総鑑というのは八種類にわたって出回っていたというのが分かります。同和地区を、全国の同和地区を記載したものと同時に、それ以外に宗教だとかあるいは思想的なものとか、そういったものも記載した資料が、地名総鑑が発覚しました。それが、実は平成元年に法務省はもうこれで地名総鑑事件は終わったと、その当時集めるだけ集めた地名総鑑を焼却処分にして法務省は終結宣言を出しました。  しかし、今回この事件で地名総鑑が発覚をいたしました。私、現物、これ持ってきました。まあこれは古いやつですけれども、ここに入っているのが昨年の十二月に回収したものです。これは今年の一月の二十日に回収したんです。これはそれぞれ全国の同和地区の名前が記載されています。これを持っていたのはそれぞれ興信所でございます。興信所の本人から回収したものです。  いろいろな種類が出ていますが、それぞれこれ二冊とも種類が違います。しかし、大筋において全国の被差別部落を記入したものであります。これを興信所が保管して使っていました。そのことが分かっています。しかも、この行政書士の戸籍不正取得入手の事件でこの事件が分かってきたんです。  部落地名総鑑は平成元年に、十八年前に法務省は終結したとしていますが、しかし最後のところで、新たに見付かれば全力を挙げて取り組むということを申し上げていますが、法務大臣、このことについてどう思われますか。
  78. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) そのお答えする前に、先ほど申し落としましたですけれども、法務省の人権擁護機関は現在、先ほど御指摘になった大阪府、兵庫県の事案に関係すると思われる興信所数社からの事情聴取を行うなどの調査をいたしているところでございます。  御指摘の部落地名総鑑でございますが、新聞報道は承知しておりますし、部落地名総鑑が今なお存在しているとすれば大変遺憾なことでございますので、地方自治体等の関係機関と連携を図りながら調査を行っているところでございます。調査の結果を踏まえまして、適切に対処してまいりたいと考えております。  なお、先生、終結宣言というふうなお言葉を使われましたが、ここにそのときの記者発表の資料ございますが、処理が終結したと。文章を一々読み上げませんが、処理を終了したと。しかし、法務省としては、今後ともこのような、啓発に努めるけれども、今後ともこのような悪質な差別事件が発生しないように同和問題についての啓発に努めるとともに、この種の差別図書の発行、販売等の事実が新たに判明したときは積極的に取り組む所存であるということもその記者会見において申し上げているところでございまして、今回そのようなことが判明いたしましたので、取り組んでまいる所存でございます。
  79. 松岡徹

    ○松岡徹君 大臣が今、地名総鑑事件が判明したということをおっしゃっていただきました。確かに、十八年前のあの法務省の通達でも、あの事件の処理は一応終わったということですが、事件が起きれば是非ともまた積極的に取り組んでいきたいということが入っています。  今回、少なくとも私どもは、私自身はこの二冊を入手たまたますることができました。今大臣がおっしゃったように、法務省としてはまだその地名総鑑を回収しているとか、そういうようなことは今ないんですか。
  80. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 法務省として回収していることは聞いておりません。今後とも地方自治体等との連携を深めまして、調査を進めてまいりたいと思っております。
  81. 松岡徹

    ○松岡徹君 この地名総鑑事件については、今こういう紙、ペーパー物でありますけれども、実はこれを入手するときに、これを提供してくれた興信所の人はどういうふうに使っていたかということまで私たちに言ってくれています。  同時に、問題はこれではなくて、実はこれがCD化されているというふうに言われています。フロッピー化されているというふうに言われています。やっぱり情報社会ですから、三十一年前のあの地名総鑑が初めて出たときは正に大変なセンセーショナルな事件でございました。その本が一冊四万円から五万円でそれぞれの全国の企業の人事課に極秘で売られていたということがありました。  私も三十年前のその地名総鑑の実物を見たことございますけれども、真っ赤な表紙で表に極秘と書いてあるんですね。そういうものでございました。全国の被差別地域の所在地を何丁目何番地まで丁寧に書いてあるということであります。その資料、地名総鑑を買って、その当時の企業や個人たちは部落出身者、同和地区出身者を就職や結婚の際に差別を、排除していたということが明らかになりましたし、売る側も、売るそのやり方も、そういうふうなコマーシャルで売っていたというのもはっきりしています。  私はここに第八の、あの当時の第八の部落地名総鑑の最初のところに被差別部落の調べ方についてというのを事細かく書いてあるコピーを持ってきました。今ここで言うことは避けますが、今回こういった事件が新たに発覚したということについては、今大臣おっしゃっていただきましたように、取り組んでいきたいと思うということをおっしゃっていただきました。  私申し上げたように、これだけではなくて、実はフロッピーとかディスク化されているということまであります。そこも含めて真相を徹底的に追求すると、実態把握をしていくという御決意なのかどうか、お聞かせいただきたい。
  82. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 御指摘の点をも踏まえまして調査を進めてまいりたいと思います。
  83. 松岡徹

    ○松岡徹君 大臣のその話をお伺いしまして、非常に私たちも安心をいたします。誠実な実行を心からお願いを申し上げたい。  このような事件が今も、このようなことが今もあるというのは大変なことだと思います。私は全体、今まで申し上げておりましたように、ウィニーによる個人情報の流出とか、あるいは行政書士による戸籍の不正入手の事件であるとか、今回発覚した部落地名総鑑も含めてそうですが、今なおそういう個人の違いによって排除をする、差別をするというような社会というものはやっぱり改善していかなくてはならないというふうに思っております。  ただ、強調しておきたいのは、情報がどんどんどんどんと様々な情報技術の進展によって流出するという可能性はいろいろの場面で考えられますが、なかなか一〇〇%それは防御できないということも十分分かります。私は、情報が流れるからといって管理を強化するというだけでは私は駄目だと思います。その流出した情報がどういうふうに使われるのかということにもっと考え方をいくべきだと思うんです。だからこそ、その流出したときの手だてとしては、その個人の情報の、個人である国民の一人一人の権利、人権を守るという手だてにいくんだというふうに思うんですね。大臣は今、この国会で議論になるべく、人権侵害救済に関する法律、政府が提出しようとしている人権擁護法案の考え方、言われました。犯罪の前提となる、今のある刑罰による犯罪の、そこまでは行っていないが、人権侵害も犯罪の言わば手前のところなんですよということをおっしゃっていただきました。そういう意味では、こういったことが人権侵害のそういう犯罪が増えていくということにつながっていくと思います。  最後に、大臣に、この個人情報、情報が流出したその被害者は一体だれなのか、その人たちを守るために大臣はどのように考えておられるのかを最後聞かしていただいて、質問を終わりたいと思います。
  84. 杉浦正健

    国務大臣(杉浦正健君) 一つは、もう二度とこういう事件が起こらないように万全の対応を取ることが基本的に大事だと思います。で、流出した情報については、今のところ、幸いと申しますか、今のところ外部には漏れ出ていないようであります。個人情報の流出によってその流出された方々が被害を受けることが十分考えられるわけでございまして、そういうことが万々が一起こらないことを願っておりますが、起こった場合には状況に応じて万全の対応をしていきたいと、こう思っております。
  85. 松岡徹

    ○松岡徹君 じゃ、終わります。
  86. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間です。  平成十六年度会計検査院における政府開発援助における掲記事項のうち、検査の具体的な手法について伺いたいんですが、会計検査院は何百人もいる中で、このODAに関してはわずかな人数でやられていると思うんですけれども、この報告書によると、十二か国における百六のODA事業を対象に現地調査を実施したとございます。もちろん会計検査院は、海外においてはこの検査権限というのは及ばないわけでありますから、在外公館あるいは国際協力銀行や、あるいは独立行政法人の、何ですか、どこでしたっけ、国際協力機構の協力の下でやっていらっしゃるんだと思うんですけど、具体的にこれ、十二か国における百六のODA事業を何人ぐらいのチームでどんな検査されたのか、そのうちの一部がこの検査報告になっていると思うんですけれども、まずそれを、体制を教えていただきたいと思います。
  87. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) ODA事業の具体的な検査の状況についてのお尋ねでございますが、私ども、ODA事業は我が国の多額の予算を投じて実施されておりますので、ODAの効率的、効果的な実施を図ることが重要であると考えておりまして、また、ODAの問題につきましては国民の関心も非常に高いということでございますので、私ども会計検査院は重点的に検査を行ってきているところでございます。その結果として、先ほど先生御紹介いただきましたように、援助の効果が十分発現していないなどの事態を毎年検査報告に掲記しているところでございます。  具体的な検査の方法でございますが、会計検査院では外務検査課、これは現在二十八人が配属されておりますけれども、そこにおきまして、外務省、それから独立行政法人国際協力機構、国際協力銀行の我が国の援助実施機関に対しまして、ODA事業に関しまして、国内での書面検査、実地検査を行いますとともに、海外での現地調査を実施しているわけでございます。  現地調査でございますが、先生御案内のとおり、毎年十数か国を選定いたしまして、一か国当たり数名、標準的な形で申しますと三人から五人ぐらいのチームでございます、それで職員を派遣しているということでございます。  対象国の選定に当たりましては、その国の援助実績額でございますとか過去の調査実績等を勘案いたしまして、もちろん相手国の同意を得て行うということでございます。  そして、当該調査国の案件の中でどの案件を選定するか。先生お話ございましたように、やはり多数の中から選ぶということでございますけれども、あらかじめ実施する外務本省でございますとか国際協力銀行の本店あるいは国際協力機構の本部の実地検査におきまして、そのような多数の案件の中から、その説明を受けた上で、それらに係る各種の報告書の内容を検討するなどいたしまして検査をした上で、現地調査の対象案件を選定しているということでございます。  現地調査におきましては、通常、一班で一事業当たり一日程度の日数ということで、非常に限られた範囲での現地の調査ということではございますけれども、その間、相手国の事業実施責任者等からの説明を受けたり、あるいは事業現場状況の確認を行ったりなどしております。また、相手国の保有している資料で調査上必要なものがある場合には、相手国の同意を得られた範囲ということではございますけれども、我が国の援助実施機関を通じて入手しているという状況でございます。  そのような現地調査を実施いたしました結果、事業効果が十分に発現していないと思料された事業につきましては、現地調査後もその事実関係などを十分に調査確認をいたしました上で、検査報告に記述しているというところでございます。
  88. 風間昶

    ○風間昶君 御丁寧にありがとうございます。  問題は、そこでですね、個々の案件に応じてちょっと伺いたいんですけれども、この報告書に、一点目のカメルーン共和国における草の根・人間の安全保障無償資金協力について、これ二〇〇一年度ですからもう四年たっているわけですよね、四年、五年か。アフリカのカメルーンで女性の地位向上のための育成センター建設、職業訓練センター機材整備・改修計画で八百九十九万円掛けてミシンを三十五台供与することになっていたけれども、その会社が倒産寸前で実際には十五台しか入ってなくて、あと二十台分のお金がほかのところに使われていたということの報告書でございまして、どちらにしても機材が納入されていなかったことが報告されております。  問題は、じゃ、その後ミシンはどうなったんですかということがこの検査報告書には書いておりません。と同時に、外務省が出しているODA白書も全くそのことについては分からないわけでありますので、まず外務省についてどうなったのか教えてください。
  89. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 御指摘のこのカメルーンに対する草の根無償資金協力の案件でございますが、正に検査院の報告で、その調達を予定されていたミシンにつきまして一部分しか調達がされていないと、そしてその資金が別の用途に使われているということで、調査結果が判明をしたわけでございます。  これを受けまして、大使館の方ではこれは被供与団体に接触をいたしまして、改めてこの機材をきちっと早期に購入をして、きちっと所期に予定された計画に従って事業を完了するようにということを申入れをいたしまして、その旨の誓約書というものも被供与団体から提出をさせております。その後、定期的にこの団体と連絡を取りまして、ちゃんと事業を完了するようにということで指導を行ってきたわけでございます。  その結果として、同団体として、一部未購入であったミシン等の機材については近く購入を行って、近々納品されて事業を完了するという予定になっていると承知しております。
  90. 風間昶

    ○風間昶君 今、外務省さんの説明を聞いたとおりの成り行きでありますけれども、そういったフォローアップが会計検査院になされているのかどうかということがまた私は大事じゃないかと思うんです。そういう仕組みというか、そういうことをきちっとやっているのかどうか、まず会計検査院の方に、入ったのかどうかをちょっと確認したいと思いますけれども
  91. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。  会計検査院では、本院が指摘いたしました事態の改善が確実に図られるようにするためには、検査結果について検査対象機関が適切に対応することが不可欠であると考えておりますし、その後の対応状況を適時適切に検査するということなどしてフォローアップを行うように努めているところでございます。  ODAに関しましては、本院の検査結果を受けまして、外務省等の援助実施機関におきましては、援助効果を十分発現させるために我が国としてもどのような追加的な措置が講じ得るかを検討していただきますとともに、相手国実施機関に対しても必要な働き掛けを行うなどしていただきまして、当該事態の改善に努めているというふうに承知しております。本院におきましても、外務省等が行うこれらの措置や働き掛けについての状況を注視しておりまして、フォローアップに努めているところでございます。  具体的に申し上げますと、通常年二回実施しております外務本省等の会計実地検査の際などに、必要に応じて継続してその後の状況についての説明を受けるようにしておりますし、また関連する資料をいただいたりしてその実態に把握するように努めております。  また、私ども、平成十四年度の決算検査報告でございますけれども、過去に決算検査報告に掲記をいたしました政府開発援助事業、これ六か国で行われました二十一事業でございます、これは一部でございますけれども。その事業を対象として再度現地調査を含む検査を実施したことがございます。そして、決算検査報告掲記後、援助実施機関はどのような対応を行ってきたかとか、相手国の自助努力はどのような取組がなされてきたかなど、援助が中長期的な効果を発現しているか、そういった点に着眼してフォローアップの検査を実施した結果を取りまとめたものを掲記しているところでございます。
  92. 風間昶

    ○風間昶君 今の後段の御説明は伺ってないわけです。今、外務省さんのその後の成り行きについてフォローアップがなされているのかどうかということをお伺いしたわけですから、必要なことだけお答えいただければ有り難いというふうに思います。  そこで、会計検査院さんに、これ契約が平成十四年の一月ですよね、マンディラリ職業訓練センターの事案について。十六年度の会計検査院の報告に載って、年度が改まったとはいってももう現在平成十八年度ですから、四年たっているわけですよね。決算を予算の審議に生かすということで参議院は決算重視を全党全会派一致で進んでいるわけでありますけれども、そういう意味でいうならばこの行政監視もきちっと、審査の対象が海外にある、あるいは契約が年度末で執行が、現在が年度初めということをしんしゃくしても、もう少し会計検査院報告が早まらないのかということが大事な観点だと思うんですが、どういう努力をしているのか、どうなってないんならば、どうこれからしなきゃならないのかということを端的に伺いたいと思うんですけれども
  93. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) ODA事業の援助の効果が十分発現していないなどの事態を掲記しております検査報告では、その決算年度より以前の年度に実施された事業を取り上げている場合が多いわけでございます。これは、援助の対象となった施設や機材、移転された技術等は当初計画したとおりに十分利用されているかとか、事業は所期の目的を達成して効果を上げているかなどの主に有効性の観点から現地調査を実施しておりますので、事業の実施状況を的確に把握するためには、事業完了直後ではなく、事業完了から少なくとも一年以上経過した事業を選定して現地調査を行っていることによるものでございます。  また、ODA事業につきましては、相手国において現地調査をした後も外務省を通じて事実関係の調査、確認を行う必要がございますので、また各国で行われている事業を横断的に比較するなどしてその事業の有効性を判断してきたところでございまして、取りまとめに時間を要する面はございますけれども、検査報告の早期提出につきましては私ども可能な限りの努力をしていきたいと考えているところでございます。
  94. 風間昶

    ○風間昶君 その中で何が足りないと思いますか、可能な限り早くしていくために。
  95. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) 個々の案件につきまして、私ども、やはり調査を行う判断でございますとか、あるいは資料などをどのように効率良く集めるか、そういったことを今後も一層努力をしたいと考えているところでございます。
  96. 風間昶

    ○風間昶君 ということは、少なくともODAに精通した会計検査院の調査官というんでしょうか、専門員というんでしょうか、そういう検査員の養成というかそういうことは、今の国家公務員制度改革の中で国家公務員の削減と直接的にはリンクしないけれども、そのこともあるけれども、もう少し人員、専門的な検査官が増えればできるということと考えていいですか。
  97. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) ODAに精通した調査官の育成ということでございますが、私ども、過去の検査事例でございますとか検査技法についての研修を十分に行った上で職員を現地派遣しているほか、様々な形での基礎的な研修も行っております。  そういったことも今後は努力しなければならないと思いますし、また、そのような今後とも限られた人員や予算で最大限の効果を上げることができるように、私ども、検査の手法、着眼点を工夫したり、職員の資質の向上を図ったりして検査の充実に図りたいというふうに考えているところでございます。
  98. 風間昶

    ○風間昶君 問いにストレートにお答えいただけますよう心からお願い申し上げます。  外務省の先ほどの報告で、資金を供与される団体、これはどこかということも大事なことなんですが、事業をやっていく能力を見極めるというか、第三者の契約履行状況はどうなっているのかということは、これは会計検査院は分からないわけで、現地の在外公館やあるいはJBICやそういったところがある程度分かるわけでありますから、むしろ私は、外務省の在外公館における調査能力、あるいは在外公館の職員の方の情報収集能力というか情報収集機能を高めるための努力の方がもっと大事じゃないかと思っていまして、そこら辺についてはどうでしょうか。
  99. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) ただいま御指摘のあった点は非常に重要な点でございまして、特にこの草の根の無償資金協力、これは各途上国において正に草の根レベルでいろいろな事業団体というものを相手にして、そこからいろいろ申請を受けまして、これはかなり細かい申請、あるいはいろんな事業が出てくるということでございますので、そうした事業者の事業実施能力、あるいはそうしたプロジェクトが実際にその国にとってどれぐらい役に立つのかといったような点を含めまして、まずその事前の審査をきちっと行う。その上で、事業実施を決定をいたしました後は、その事業実施が順調に行われているかどうかということをきちっとモニタリングをする。その上で、事業完成後は、それがその後もきちっと運営されているかどうかということをフォローアップをするということで、個々のプロジェクトについてかなりきちっと見ていく必要がありますし、また、いろいろ御指摘があったように情報の収集をしなくてはいけないということでございます。  そのために、当然在外公館というものがこれは責任を持って取り組んでいるわけでございますが、なかなか人員的に十分でないという面もあるわけでございますが、その観点からは、私どもこの無償資金協力、草の根無償のこの実施体制の強化ということで、この数年来にわたって草の根の委嘱調査員ということで、在外公館職員が第一義的には責任を持って取り組むわけですが、それを補助する形で調査員という方を、その予算をお願いをいたしまして別途雇用をいたしまして、この草の根無償資金協力のプロジェクトについて、今申し上げたような事前の審査からフォローアップに至るまで、そういった仕事に取り組んでもらうということで、こういった調査員を各関係の在外公館に配属をするという努力をしておりまして、そういった形で、調査能力、情報収集能力の強化に努めているところでございます。
  100. 風間昶

    ○風間昶君 少し時間があれなんで次に行きますけど、ODAの中期政策評価が外務大臣の懇談会で、ODA総合戦略会議の中でいろいろ議論されていまして、柱が二つあるように思います。  中期政策においては結果重視のアプローチを強調するとともに、そのことを、評価の結果を政策改善のために活用するというふうにあります。もう一点は、選択と集中を重視すべきであるというふうにありますけれども、このODAの根幹にあるのはやはり貧困を克服するための教育だと思いますけれども、どのように具体的に取り組んでいるのか分かりやすく教えてください、長い説明要りませんから。
  101. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) ただいま御指摘がございましたとおり、ODAの中で教育というのは非常に重要な分野ということで、途上国においては特に貧困削減というのが基本的に大きな目標はあるわけですが、そのために教育の充実ということが重要であるということ、これは言うをまたないということでございます。  我が国のODAの中でも、そういう意味で教育の分野というのを重視をしているということでございますが、具体的に我が国としてこういうことをやっていくんだということをこれまでに、成長のための基礎教育イニシアティブというものを、これは二〇〇二年のサミットの際に我が国の方針として表明をいたしております。これは具体的に、例えば学校の建設といったハード面での支援、あるいは教員の養成といったソフト面の支援、こういったものを組み合わせて、教育の機会の確保であるとか、それからその質の向上に向けた取組、そういった途上国の取組というものを支援をしていくということを表明をいたしております。  また、我が国としてはそうした基礎教育、これが基本でございますが、そのほかにも高等教育や技術教育、職業訓練といったものも積極的に支援をしていくということにいたしております。
  102. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  供与金額と内容をちょっときちっと伺いたいんですが、これは後で教えてください。  次に行きます。  四月の五日に、新聞報道ですけれども、アフリカのコートジボワールの外交官が我が国の暴力団に加担して賭博場の開設の便宜を、場所を貸して便宜を図り、四千万円の利益を受け取っていたようでありまして、発覚したのが去年の十月、警視庁がバカラ賭博事件に絡んで、コートジボワール大使館の外交官が自分名義で借りたビルの一室を賭博場として貸し出す事件に関与した疑いがあるとしてこの問題が報道されました。  事実関係は、もう時間ありませんので、警察庁には、この外交官は、事情聴取したと思うんですけれども、どうなっているんですか、今。警察庁に伺いたいと思います。
  103. 米田壯

    政府参考人米田壯君) この事件につきましては、現在も警視庁におきまして全容解明に向け捜査中でございます。委員指摘の人物も含めましていろんな関与がございます。これにつきまして、個々具体的に今後どのような段取りで進めるということはちょっと答弁を差し控えさせていただきたいんですが、いずれにいたしましても、全容解明に向け鋭意捜査を進めているというところでございます。
  104. 風間昶

    ○風間昶君 微妙な答弁ですね。それは、何ですか、手が及ばないということを何か前提にして答弁しているような気がしてならないんだけど。
  105. 米田壯

    政府参考人米田壯君) あくまで一般論でございますけれども、捜査の対象者が国外に行ってしまったということであれば、例えばICPOを通じての手配とか、あるいはいつかまた我が国に戻ってくるかもしれないということでの我が国における手配とか、いろんな手段は取り得るわけでございますが、いずれにしても個別のことについては答弁を差し控えさせていただきたいということでございます。
  106. 風間昶

    ○風間昶君 じゃ、済みません、外務省は今後どのような対応を取っていくんでしょうか、じゃ。これはいないみたいですけど、日本には、この人は。
  107. 小田部陽一

    政府参考人小田部陽一君) 外務省といたしましては、事件解決のため、コートジボワール側に対しまして協力を要請してきております。その外交官の外交特権及び免除を放棄するよう再三申入れしてきたわけでございますが、正に今御指摘ございましたように、この外交官、出国してしまったわけでございます。このような経緯にかんがみまして、当省といたしましては、外交関係に関するウィーン条約というのに基づきまして、この外交官がペルソナ・ノン・グラータであるということを通告し、遺憾の意を申し伝えた次第でございます。  このペルソナ・ノン・グラータの通告というのは、我が国としてその人が外交官であることを拒否するという非常に強い措置でございますけれども、今後とも外交当局としても可能な限り捜査当局に協力し、対応してまいりたいと考えております。
  108. 風間昶

    ○風間昶君 個人的には私は、そのような当該国の外交官の不祥事が発生した場合は、ODA供与をきちっと日本として対応すべきだと私は思っておるわけでありますけれども、また、本来、この外交官が得たと言われている四千万円、没収して国庫に入れるべきだとも思っていますけれども、まあこれはともかくとして、そのことを含めてODA供与の件に関して外務省としての基本方針を伺いたいと思う。
  109. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) ODAの供与につきましては、一般論として、ODA大綱の中でも、相手国との二国間関係というものを全体として総合的に勘案をして供与をしていくということになっているわけでございまして、いろいろな不祥事があるということ、これは当然二国間関係に関係をする要素ということなんだろうと思いますが、今回の事件について申し上げますと、この当該の大使館員につきましては、先ほど答弁を申し上げましたとおりペルソナ・ノン・グラータの通告という、これは条約上の極めて強い、重大、強い措置を、対応措置をとっているということがございますので、現時点では本件が、この問題が直ちに、ODAをどうするということで直ちに影響を及ぼすというふうには考えていないというところでございます。
  110. 風間昶

    ○風間昶君 時間がありませんから、これはまた後でやりますので、せっかく総務大臣においでになっていただきましたので、今国会で行政評価を真に実効性を保つために、任期中に副大臣は何をやりたいと思いますか。その決意を伺って、私、質問を終わりたいと思います。
  111. 山崎力

    ○副大臣(山崎力君) この行政評価、いろいろな面で期待されているというふうに理解しております。  そういった中で、やはりこの行政評価、我々するといっても、これは評価される側、すなわち各省庁がしっかり自分の仕事をするというのが最終の目的でございますので、それを資するために何をしたらいいのかという観点から、やはり政策目標をとにかく我々としてお願いしているのは、主に二つの点をまずやっていただきたいということでございまして、これは政策の自体においてもいろいろ難しい点あるんですが、少なくても政策目標をとにかく数値化できるものは数値化してくださいと。で、それを明確にして、その数値に向かってどのくらいうまくいったかといいますか、やれたかということがまず一つの目安になるでしょうという点と、それから政策の費用対効果というものを、とにかくお金で換算できるものであれば換算していただきたいということで、そういったことを二つ、とにかくできる政策科目については各省庁でやっていただきたいと。それで一つの目標達成度合いが分かるんではないか、非常にそれは国民の皆様方にとっても分かりやすい形で出てくるんではないかと。あるいは、役所にとっても、自分たちの計画がどの程度達成されたのかということの自己評価にもつながるんではないかということでお願いしているわけでございます。  例えば、数値化で申し上げますと、農水省の関係でいえば、担い手の農地の利用集積の推進ということで、目標値を十六年度二百四十七・五万ヘクタールと、こういうことでやってくださいとか、あるいは費用対効果でいえば、警察庁、国家公安委員長に関しての……
  112. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 時間が来ていますから、簡潔にお願いいたします。
  113. 山崎力

    ○副大臣(山崎力君) という形で、費用に比べて、交通安全施設等の事業費に比べて四倍の効果が上がっているという数字が一つのいい例として挙げさせていただいております。
  114. 風間昶

    ○風間昶君 ありがとうございました。終わります。
  115. 吉川春子

    ○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  リーガルマインド大学、通称LEC大学問題を引き続いて質問します。  小泉内閣で構造改革特区法を制定し、大学教育に株式会社の導入を認めました。その結果、千代田区の特区として、株式会社リーガルマインド大学の設置が二〇〇四年に認められました。私は、前回も専任教員を業務委託契約で使用している問題を当委員会で取り上げまして、三月末、労働基準局から、請負ではなくて雇用労働者だという改善命令が出されたと報告を受けております。  文科省の副大臣にお伺いいたしますが、三月十七日付けで、東京リーガルマインド代表取締役に対して、大学設置審議会の審議を踏まえて年次計画履行状況結果に関する通知を出していますが、LEC大学にどのような問題があったんですか。
  116. 石川明

    政府参考人(石川明君) 具体的なお尋ねでございますので、まず私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。  LEC東京リーガルマインド大学につきましては、大学の設置を平成十六年四月、認可をして以来、様々な点に問題があるということで改善を求めてきたところでございますけれども、今お話しのございました十七年度に行われました年次計画履行状況調査におきましては、例えば専門科目が資格試験予備校と事実上同一化しているんではないか、あるいは本来の専任教員の役割、責任が十分果たされているかどうか疑問があること、あるいは教学面の重要事項が教授会等の審議に付されているかどうか疑問があること、そしてまた科目等履修生の単位認定方法が不適切であるのではないか、こういった問題が疑問点として挙がっておりまして、この点につきまして、お話ございましたように、三月十七日に学長、これは設置会社の社長を兼務しておりますけれども、当省に呼びまして、通知をお渡しした上で留意事項に沿って速やかに問題の是正を図るように指導を行っているところでございます。
  117. 吉川春子

    ○吉川春子君 LEC株式会社は、公務員試験とか各種国家資格試験の予備校をその前から経営しているわけですが、LEC大学に対して文科省は、正規大学生と予備校生が混在する授業が相当数存在するが、大学生の教育条件の維持向上を第一義に考慮せよとされておりまして、私は当然のことだと思います。  予備校の授業を受ければ大学の専門科目の単位がもらえると。驚くべきことですよね。そもそも大学の授業は予備校の授業で代替できない性格のものではないんでしょうか、伺います。
  118. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 委員指摘のことは当然のこととして、我々文部科学省としても言語道断というふうな認識を持っております。先ほど局長、答弁申し上げたように、三月十七日に当該学校設置者の社長を呼びまして通知を渡して、これ、五月十五日までに改善状況の報告を求めるようにいたしておりまして、その報告を見て適切なまた指導をしたいと考えております。
  119. 吉川春子

    ○吉川春子君 文科省はさらに、LEC大学に対して大学固有のシラバスが存在しないと注意しています。普通の大学では大学生が履修届を提出するための講義内容や授業計画について説明要項、シラバス、これは某大学のものですが、あります。このような基本的な授業計画であるシラバスが存在しない大学というのは、一体どういうことなんでしょうか。
  120. 石川明

    政府参考人(石川明君) ただいまシラバスの話が出ました。シラバスというのはいわゆる授業計画と、日本語で言えば、そのまま言いますとそういったことになろうかと思いますけれども、正にそういったものをきちっと示していくということがその大学における教育を進めていく上で私どもも大変重要なことだろうと思っております。  学生に対して授業の方法、内容、授業計画をきちっと示していくということが大変大事だと思っておりまして、LEC東京リーガルマインド大学におきましては、昨年の九月でしょうか、いったん作ったものの、すぐこれを使用を中止しておりまして、現在はそのシラバスが存在しないということと聞いておりまして、私ども、そういった面も含めて、しっかり対応するようにという指導をしております。
  121. 吉川春子

    ○吉川春子君 今局長が言われたこのリーガルマインドシラバス、これ、私入手いたしましたけれども、これは実は二〇〇五年九月二十一日に発行して学生に配付されています。それがまず文科省が問い合わせたらないというふうに言って、最初は出してこなかったものなんですね。  なぜそんなことが行われているかというと、実態は、石川局長の通知にもあるとおり、正規の大学生と予備校生が混在する授業が相当数ある。したがって、大学生に予備校生の授業を受けさせているために、このシラバスは事実上使用されるものになっていない、審議会には出せる代物ではないというか出せないということではないんでしょうか。その辺どうお考えですか。
  122. 石川明

    政府参考人(石川明君) LECリーガルマインド大学の方に聞きました結果では、その辺、予備校教育といいますか、資格試験の準備教育などもしておるものですから、それとの教育計画のずれ等もあってシラバスを使用を中止したということでございますけれども、正に今御指摘ありましたように、そうしたシラバスをきちっと作っていないということが一つのそういった資格試験予備校的な教育と大学教育が峻別されてない原因にもなっておろうかと、こんなふうに考えております。
  123. 吉川春子

    ○吉川春子君 ちょっと委員長のお許しをいただきまして、この資料を副大臣に見ていただきたいと思うんです。個人情報にかかわるものなので全部にはお配りできないので、ちょっと副大臣にお渡ししていいでしょうか。通告はしてあるんですけれども、内容について。委員長、よろしいですか。
  124. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  125. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 速記を起こしてください。
  126. 吉川春子

    ○吉川春子君 じゃ、これをちょっと大臣、ごらんいただきたいんですけれども。(資料手交)  資料一から資料三まであるんですけれども、一応このシラバス、このシラバスとそれからリーガルマインドの宣伝のパンフレットの違いなんですが、例えばそこに、資料一で、A先生の場合、シラバスだと現代文の初級が専門になっていますが、ほかのパンフだと数的処理が専門というふうになっています。それから、B先生は、シラバスだと物理なんですけれども、そっちのパンフ、ほかのパンフでは論作文になっています。それから、C先生は、シラバスだと国際関係なんですが、他のパンフだと人文科学というふうに、非常にそのシラバスとほかのパンフレットとのずれがあります。  それから、資料二では、D先生が物理、人文科学、社会科学、現代政治のすべてにわたって教授をしているということになっています。それから、資料の二の一をごらんいただきたいんですけれども、E先生が一人で人文科学、自然科学、社会科学、すべてを教授する、こんな研究者がいるんでしょうか。  それから、最後の資料の三ですけれども、授業概要説明自体が余りにも異常という資料で、冒頭の学科が異なるのに、続く説明文は四か所とも全部同じ文章がくっ付いていると。このずさんなシラバス、こんなずさんなシラバスがあるのかと。ですから、到底審議会には出せるような代物ではないと思います。  当初から大学生に予備校の授業を受けさせることを目的にして、学生には事実上シラバスを使用できないシステムを用意したとしか考えられないのではないかと思います。今のは全部事前に通告してありますので、お答えください。
  127. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 一言で言えば、看板に偽りありというふうな印象を持たざるを得ません。ですから、当該大学の社長を呼んで、事情を聴いて、通知を出して、五月十五日までにしっかりとした報告をしなさいと、それを受けて適切に文部科学省として対応すると、こういうふうにしておるところであります。  大体、そもそも大学の授業に求められている社会的な要請と、資格試験予備校に求められている社会的なやっぱり要請というのは全く違うわけでありますから、これを混同するような、まさしく看板に偽りありのような運営を確信犯的にやっていたとするならば、これもうまさしく言語道断ですから、そういう五月十五日の報告を受けて、状況を判断して、それ適切に対応すべきだと、こういうふうに考えております。
  128. 吉川春子

    ○吉川春子君 学生の皆さんは、ビデオの授業が多くて、図書館も狭く本がないと。専門科目は資格予備校の生徒と一緒で受講して、質問も満足にできないし、五回以上質問するとお金を取られるんだそうです。それでいて、授業料は年間九十万円と、まるでペテンに掛けられたようだと言っています。学術研究の府がこんな有様でよいのかと、まあ今、言語道断というお話もありました。  時間の関係で最後の質問なんですけれども、実はこのリーガルマインド社が「法律文化」という雑誌を出しておりまして、これ全学生にも配っておりますが、この中に、まあ私は大変遺憾かなと思うんですけれども、文科省初中局長がこういう形で、今問題のその反町社長の質問に答えていろいろな対談をしているわけなんですよね。  こういうことを文科省の、初中局長といったら物すごい重要な局長なんですけれども、まあ大学局長じゃないんですけれども、初中局長がこういうことをおやりになるというのは、事実上リーガルマインドにお墨付きを与えているかのような誤解を学生にも父母にも世間にも与えるんじゃないかと、こういうことが一体いいのかと。  副大臣、これはどうお考えでしょうか。それ、最後にお伺いします。
  129. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) どうお考えかと言われれば、良くないと思います。  実は私も、副大臣になる前に、昨年その「法律文化」という雑誌でこの社長と、多分男女共同参画社会という法案あるいは基本計画について対談したことを今急に思い出しました。ちなみに、私も数年前にそこで予備校として授業をしたことも覚えております。  ですから、当然やっぱり株式会社立大学として、特区として申請をいただいて、文科省大学設置審議会で審査をして、まあやってもいいですよとなった、いわゆるこの期待を裏切る実態があるとするならば、これはやっぱりまさしくきっちりと内容を詰めて本当に適切に対応しないと、正直私も何か裏切られたような思いを持っております。
  130. 吉川春子

    ○吉川春子君 時間で、終わります。  副大臣、本当に御答弁のようにきちっと文科省として対応していただきたいと申し上げて、終わります。
  131. 近藤正道

    ○近藤正道君 社民党の近藤正道です。  輸入農産物の安全性について質問をさせていただきたいというふうに思います。  農水省が昨年に食料品の消費モニターを行いまして、輸入農産物、輸入原材料の安全性について調査をいたしました。そうしたら、国民の七五%、回答者の七五%が不安であると、こういう回答を寄せているわけでございます。  問題は、輸入食品のチェック体制でございますが、全国三十一か所の検疫所で約三百人ぐらいの検査官によってチェック、検査が行われているということでございまして、モニタリングは、検査は、そのうちのわずか五%ぐらい、こういう実態を知りまして大変驚いているわけでございます。  このことについては、この間論議もあったようでございますが、水際でのチェックを厳重にして国民の輸入農産物に対する不安を解消するために、検疫所の検査官の大幅増員、そして検疫体制の拡充強化、これが焦眉の課題ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  132. 松本義幸

    政府参考人(松本義幸君) 輸入食品の安全確保のため、厚生労働省におきましては、議員御指摘の全国三十一か所の検疫所に三百十四名の食品衛生監視員を配置いたしまして、輸入届出書の審査や貨物の検査などを行っているところであります。  検疫所の食品衛生監視員につきましては順次増員を図ってきたところであり、平成十八年度においても、輸入食品の検査体制の強化のため十四名の増員を図ったところであります。ちなみに、二十年前ですと、二十年前の昭和六十一年ですと、この食品衛生監視員七十二名でございましたけれども、十八年度三百十四名ということで増員を図っております。  今後とも、輸入食品の安全性確保するため、引き続き輸入時の監視体制の充実強化に努めてまいりたいという具合に考えております。
  133. 近藤正道

    ○近藤正道君 それなりの努力は分かるわけでございますが、いずれにいたしましても、一検疫所に一人しか検査員がいないというところもあるようでございます。休むわけにもいかない、病気にもなれない、こういう状態はいいわけがないわけでございまして、とにかく大幅増員、更に努力をしていただきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、この先ほどのモニターの中で、輸入食品の検査の強化あるいは情報公開についても極めて高い頻度で改善を求めている声がございます。今行革の中で国家公務員削減の話が出ているわけでございますが、この食の安全を守る検査官について、業務の見直しだとかあるいは定員削減、どういう状況になるんでしょうか。
  134. 松本義幸

    政府参考人(松本義幸君) 輸入食品の安全確保につきましては、食品衛生対策の推進とともに、輸入時の監視体制の充実に努めているというのは今申し上げたところでございます。具体的には、輸入食品の検査につきましては、検疫所の食品衛生監視員の増員や検査施設の充実等、輸入時におけます検査体制の強化ですとか、輸入食品監視指導計画に基づきます重点的かつ効果的な検査を実施しております。  今後とも、輸入時の監視体制の強化を図り、水際での輸入食品の安全性確保するというために、引き続き輸入時の監視体制の充実強化に努めてまいりたいという具合に考えております。
  135. 近藤正道

    ○近藤正道君 そうすると、この水際における検疫体制、検査官の問題については、これは対象外ということになるんでしょうか。
  136. 松本義幸

    政府参考人(松本義幸君) 対象外という具合に聞いておりませんが、全体の中で、先ほど申し上げましたように伸ばすべきところは伸ばし、あるいは業務につきましても、従来ずっとやってきたものでいいのかどうかということについても業務の見直し、あるいはそういう機械化できるところについては機械化するなどして業務を効率的に進めるということで充実強化に努めてまいりたいという具合に考えております。
  137. 近藤正道

    ○近藤正道君 充実強化ということが基調だということで確認をさせていただきたいというふうに思っています。  先ほどアンケートのことで申し上げましたけれども、食品の表示、これが消費者が食品を選ぶ上での重要なポイントでございまして、とりわけ輸入加工食品については原料原産地表示が極めて皆さんの関心が高いということでございます。輸入加工食品の原料原産地表示を始めその食品表示の制度の充実をどうやって図っていくのか、お答えいただきたいと思います。
  138. 中川坦

    政府参考人(中川坦君) 食品表示、今先生おっしゃいましたように、消費者の方々が商品を選択する際の言わばよりどころになるものでございますので、その品質に関します情報が消費者の方々に的確に伝わることというのは大変大事なことだというふうに思っております。  そこで、現状でございますけれども、生鮮食品については、もう御案内のように国産、輸入を問わず原産地の表示が義務付けをされております。それから、加工食品につきましては、平成十三年の四月からでございますが、外国で製造されたすべての加工食品につきまして、どこでつくられたかという製造国名については表示が一括表示欄で義務付けをされているわけでございます。  国内で製造されました加工食品の原料がどこでつくられたかと、その加工食品の原料原産地につきましては、平成十三年から少しずつ個別に議論がされまして八品目までその表示の義務化がされておりましたが、こういった個別の議論ではなくてもう少し横断的な、統一的な考え方の下に、日本でつくられる加工食品の原料原産地の表示をルール化すべきであるという議論がございました。平成十六年の九月でありますけれども、品目横断的に、その原料の品質が製品の品質に大きな影響を与えられると考えられる品目ということで、加工度が低くて生鮮食品に近い二十品目群でございますけれども、これについて原料原産地の表示を義務付けるという、そういうルールができたわけでございます。  これは、平成十六年の九月でございましたが告示をされまして、義務表示は二年間の経過措置を設けておりますので今年の十月からでございますけれども、今申し上げました二十品目群についてはその原料原産地の表示が義務付けをされると、ここまで来ているわけでございます。
  139. 近藤正道

    ○近藤正道君 ちょっと、たくさん聞きたいことがあるんですが、時間がありませんので、松田大臣にお越しいただいておりますんで、BSE関係についてお尋ねをしたいというふうに思っています。  これは内閣委員会でも大臣にお聞きをしておるわけでございますが、食品安委員会、私は今回の問題で、管理部門にうまく利用された、こういうふうな思いを一貫して持っているわけでございますが、立て続けに香港で問題がまた起こっておる中で、食品安委員会のプリオンの専門調査会のメンバーのうち、牛肉輸入再開に慎重だったと、こういうふうに見られておりました委員六名の方が再任を断ったということが大きくマスコミ報道をされておりまして、その中の委員のお一人なんかは、最初から結論ありきの委員会だったと、これではとってもやってられないと、こういうことをかなり公言をしております。そしてまた、辞められた方の過去の言動などを見ても、この間のBSE問題のプリオン調査委員会に対する不満をいろいろ漏らしておられると。これは、正に食品安委員会の根幹にかかわる私は問題だというふうに思っています。  辞めないで中でやっぱり頑張るべきだという私は思いはないわけではございませんが、こういう形で辞められている今、やっぱりもう一度、公正中立な管理部門にきちっと伍して物を言う食品安委員会の再建というのは極めて私は焦眉の課題だというふうに思いますが、こういう辞められ方について食品安全担当大臣としてどういうふうな所見をお持ちなのか、お聞かせをいただきたい。
  140. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 食品安委員会におきます今回の専門委員の改選のことで御質問でありますけれども、専門委員にも任期を設けようということで内閣府で方針が決まりまして、それに従って行ったものでございます。  当然のことながら、改選に当たりましては、食品安委員会の適切な運営という観点から、専門委員としてふさわしい学識経験を有する候補者のリストアップを進めまして、中立公正な立場から科学的な議論を尽くしていただくと、そういう方々を人選したところでございます。  今御質問、プリオン専門調査会ということでございますが、年齢や専門委員御本人の御意向もございます、そういったものも考慮いたしまして、プリオンの食品健康影響評価を行うのにふさわしい学識経験を有する人物が任命されているものと私は考えております。  食品安全担当大臣としては、当然のことでございますが、今後とも、独立したリスク評価機関としての食品安委員会がしっかりとその役割を適切に発揮していただく、当然のことでございますが、しっかりそうした役割を果たしていただくということを当然のこととして私はしっかり見守っておるわけでございます。  いずれにしても、私の責任は、国民の健康保護、最も重視した食品安行政がしっかり行われることだと思っております。そういった観点から、今回のことも対応させていただいたつもりであります。
  141. 近藤正道

    ○近藤正道君 まあ大臣はそういうふうにおっしゃるかもしらぬけれども、しかし、かつて食品安委員会の在り方について批判的な発言をされていた方がこれではやっていられないということで皆さん辞められていると。そのことを、まあマスコミの言葉をもって質問するのもどうかと思いますが、マスコミもこぞって、そういう批判的な人たちがみんな辞めたと、これで本当にプリオン調査委員会、実質的に食品安委員会の中枢ですけれども、これの科学的中立な維持はできるんだろうかと、こういう声がやっぱりどんどん出ているわけですよ。  これに対して大臣としては、もっとやっぱりきちっと説得力のある説明があってしかるべきなんじゃないですか、だって大臣がこの食品安委員会のやっぱり根幹をしっかり支えるんだから。マスコミはみんなそういうふうに見ていますよ。もうこれでもって中立性損なわれたと、こういうふうに言っているんですけれども、どうなんですか、実際のところは。
  142. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 私はそのようには思っておりません。今回の任命に当たっても、正に中立公正、正しい任命が行われたものと思っております。委員の個々の方々がどういう御発言をなさっておられるか、またそれに対して私がどう思っているかなどということを私はコメントする立場にはありません。
  143. 近藤正道

    ○近藤正道君 六月の総理大臣の訪米に合わせて牛肉輸入再開、これが言わば手土産的に再開されるんではないか、こういう声さえ出ています。そういう中で、今ほどの大臣の答弁だけではとても私は説明責任を果たしたことにはならないというふうに指摘をさせていただきたいというふうに思っています。  いずれにいたしましても、今回、総務省は輸入農畜産物の安全性に関する行政評価・監視をテーマにするということになったわけでございます。BSE問題がこれだけ議論になっておりますんで、是非きちっとした評価、監視をやっていただきたい。とりわけ、防疫体制の実情視察、そして主な食料輸出国の実情査察を是非私はやっていただいて、それを踏まえた政策評価をやっていただきたいというふうに思っておりますが、副大臣の所見をお尋ねいたします。
  144. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 私、言えばいいんですか。
  145. 近藤正道

    ○近藤正道君 時間がありませんので。
  146. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) いやいや、今勝手に何か決め付けて言われたんで、ちょっと。
  147. 近藤正道

    ○近藤正道君 いいです。時間がないんですから、時間がないんですから。
  148. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) じゃ、松田国務大臣
  149. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 委員も御案内と思いますけれども、この専門調査会の御議論というものは当然公開されておりまして、それぞれの委員方々、専門委員方々それぞれ、それぞれの立場からいろいろ議論を述べられ、決められていっているわけでございます。別に非公開でも何でもありませんので。十分に議論をしていただいて、結論が出て運用されております。そういう意味で、今委員はちょっと、おっしゃったこととちょっと違うのではないかと思いましたので、私はあえて申し上げておるわけでございます。  委員方々もそれぞれの立場で御判断いただいて、今回は遠慮させていただくという方もおられると承っております。そういったことを全部踏まえて中立公正、正に厳正に選ばれたものと、選んだつもりでおります。そういう意味で、もう一度御答弁させていただいたわけであります。
  150. 山崎力

    ○副大臣(山崎力君) 今の委員の御質問でございますけれども、当方の方といたしましても、当然、輸入食品の安全性という、食の安全、安心の確保という観点から重要なものだと考えておりまして、輸入食品であれば水際での安全確保対策、これをいかに適正に行っていただくかということで、輸入される農畜水産物全般を対象とした検疫所における食品検査、動物検疫所における動物検査、植物も同様、防疫所における植物検査等の安全確保対策がそれぞれの場所で適切に行われているかどうかと、これが私どもが一番関心を持っているところでございまして、十八年度におきまして、行政評価等のプログラムにおいてこれをテーマとして取り上げて、しっかり実施させていただきたいという予定にさせていただいております。  また、海外の点もおっしゃられましたが、事の性格上、海外における実情も十分把握しなければいけないということは承知しておりまして、そういったものを踏まえた上での調査にさせていただきたいというふうに思っております。
  151. 近藤正道

    ○近藤正道君 終わります。    〔委員長退席、理事風間昶君着席〕
  152. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますが、最後になりましたが、二、三お尋ねしたいと思います。  最初にお尋ねしたいのは、国土交通省の公共工事の落札の問題についてお尋ねしたいと思います。  公共工事の問題については、この前の防衛施設庁の談合事件で非常に大きな問題になったわけでございますけれども、あれを契機にしてと言っちゃおかしいですが、事実上談合はできなくなったという実態ではないかと思いますけれども、その反面、むちゃくちゃな価格で落ちていっているというのも実態ではないかと思うわけでありまして、そういう意味では、下請や孫請の中小土建業者が泣き寝入りしているというのも非常にかわいそうな状況にあるのが実態ですけれども、どのようにお考えになるのか、これからお尋ねしたいと思いますけれども。  たまたま北海道の夕張シューパロダムの落札が先日ありましたね。そのことで、ちょっと知りまして、これは随分ひどいなと思ったのが、まあ国土交通省はひどいと思われないかもしれないけれども予定工事総額八十二億円の大きな工事ですね、ダムの工事です。ところが、骨材の製造工事が三十一億一千万のを大林組が五四・五%の十七億円で落としていると。それにまた、本体工事については予定価格の五十億八千万を大成建設等が四六・六%の二十三億七千万で取っているというふうなことが言われて、合計四十億七千万ということですから半分以下の金額になってしまっているわけですね。  そういうことで、これが本当だったのかどうかをまずお尋ねしたいと思います。
  153. 北側一雄

    国務大臣(北側一雄君) 今、亀井委員の方から御指摘がございましたことは、そのとおり事実でございます。
  154. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 スーパーゼネコンと言われる大林や大成建設が五〇%前後で落札するということについては、これが本当だとすると、大臣にお尋ねしたいんだけれども国土交通省の方で一生懸命夜を徹して計算した積算ですね、その国土交通省の決めている積算基準というのはどう考えたらいいんでしょうか。これを基にして地方の公共団体もみんなやっているわけでありますから、そういう意味で、何だか一生懸命国土交通省の夜遅くまで残業してやっているのはナンセンスに思えてくるわけですね。そういう意味では、こういった問題についてどのように大臣お考えか、お尋ねしたいと思います。
  155. 北側一雄

    国務大臣(北側一雄君) 今御指摘のございました二工事につきましては、委員のおっしゃったように五〇%前後の落札率でございました。したがって、調査基準価格と言いまして、ダンピングがないかどうか等々調べる必要がございますので、低入札価格調査を実施をともにさしていただきました。企業の方から資料を徴収をしたり、また事情聴取も行いまして、契約の内容に適合した、入札契約の内容に適合した履行に必要な事項は満たされているということは一応確認をしているところでございます。その上で契約を締結しているわけでございます。  今委員の方から、そういう五〇%前後の価格だとすると、そもそも国土交通省の積算とは一体何なんだと、こういう御質問があったわけでございますが、これ、なぜこのような低い低入札になっているかといいますと、かなりこの案件に特殊な、特別な事情というのがございます。一つは、手持ちの施工機械をそのまま活用をしただとか、それから利潤を見込んでいないだとか、それから様々な諸経費を抑制するなど、様々な入札者の特別な事情を反映をしたということになっているということだというふうに聞いておるところでございます。これ、入札側からすると、どうしてもこの工事が取りたいという場合には、そうした利潤を見込まないであえて取るということもあるようでございます。そういうこともやるそうでございます。  問題は、恐らく委員の御心配されておられますのは、これが悪影響を与えないのかと、例えば品質の問題だとか、それから下請、孫請の会社に相当犠牲を強いることにならないのかと。こうした御心配があるんだというふうに思うわけでございますが、そこのところは我々もしっかりと注視をしていきたいというふうに思っているところでございます。    〔理事風間昶君退席、委員長着席〕  これから、低入札価格であったわけでございますので、その低入札価格調査対象工事につきましては、元請業者及び下請業者に対して立入調査を実施をいたしまして、契約の締結状況とかそれから下請代金の支払状況とか、そういう実態把握をしっかりとさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
  156. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 この問題に絡んで、たまたま私が四月五日の日に国土交通省にこの問題で聞いたんですよね。そうしたら、ちょうど四月六日の読売新聞にもこのことが出ておりまして、そうすると、こうした関連の七割以下の安い金額で請けている工事はこの二月以降随分たくさんあるんですね。全部、何十億という工事がこれだけで両方足すと十一件ぐらいになりますけれども、もう非常に問題だと私は思うんです。  特に、今、大臣が言われたように、利益を見込まないなんということを国土交通省が認めていいんだろうかと今話を聞いていて思いました。やはり会社があるのは、利益があって初めてそうなんですから、利益をゼロにした入札を認めるということは、私は入札制度そのものをある意味では否定することになってしまうということにつながると思いますから、そこは非常によく考えてほしいと私は思いますね。  特に、下請なんかについても、格好いいことを元請は言っているかもしれないけれども、結局自分のところが利益を出していないということは、利益を出したいんだから、結局下請やら孫請を泣かせるということになってしまうのが実態ですから、そういう意味では、こういう工事については事前にチェックされるのはよく分かるけれども、事前じゃ分からないんで、事後チェックを十分チェックしていっていただかないと泣くのは中小企業ということになってしまいますので、もうどうぞよろしくお願いしたいと思いますね。  特に、これを契機にして、多くの建設会社がみんなびっくりしていますよ。五割で取っちゃったということで、大手が。そうすると、どうなるんだと我々は、というのが実態ですから、私は、国土交通省は十分その辺を考えてもらわなければいけないと、そうでなければ安かろう悪かろうになってしまうと思うんですけれども、そうした問題を除くためには今後どうされるのか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
  157. 北側一雄

    国務大臣(北側一雄君) 今、一般競争入札を増やそうと私ども考えております。昨年、国土交通省の直轄の工事橋梁談合事件もございました。今は二億円以上でしたね、二億円以上のものについてはもう一般競争入札でやると、また二億円以下のものも一般競争入札でできるだけやっていこうということで今取組をしております。  一般競争入札というのを拡大していくというのは、一方で公平性を確保していくという面では、また透明性を確保するという面ではいいわけなんですが、反面、こうしたダンピングが増えてくる可能性というのが十分あるわけですね。そういう意味で、ダンピングに対してやはりしっかりと監視をしていかねばならないというふうに考えております。  これまでも様々取組をしておるところでございますが、この一般競争入札が我々拡大をさせていただくのと相まって、この件だけではなくて、実を言いますと低入札による入札というのが増加している傾向になっておりまして、そういうことにかんがみまして、これまでの取組に加えて更にしっかりと追加的な措置も検討する必要があるのではないか。例えば、今議論しておりますのは、そういう例えば下請だとかそういうところに対して不当なことをやったような事実があるならば、不当な圧力を加えてですね、ことがあるならば、例えば指名を一定期間禁止するだとか、それぐらいの厳しい措置も考えていかないといけないのではないかと、そんな議論も今しておりまして、追加的な措置について今議論をしているところでございます。  おっしゃったように、事前のチェックだけではなくて、工事が進行していくわけでございますので、その工事の進行の度合いに応じて適切に立入検査等々もしっかりさせていただいて、十分に監視をしてまいりたいというふうに思っております。
  158. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 いろいろと国土交通省も考えて総合技術評価方式だとかいろんなことをやっておられますけれども、みんな地方公共団体がまねしてというか、ならってやっていますから、だから非常に意味がありますので、今おっしゃったように、本当にちゃんとした、安かろう悪かろうではない、しかも中小企業が泣かない仕組みというものを是非とも開発してやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  どうもありがとうございました。  引き続きまして、今日御無理をお願いしますが、文科省の方にちょっとお尋ねしたいのは、文科省にお尋ねしたいのはどういうことかというと、例の教育基本法の問題ですけれども、教育の基本は教育基本法ですね。この問題については、御案内のように、小渕内閣のときの教育改革国民会議からいうと六年前ですね。更にまた中央教育審議会から答申が出てから三年たっているわけでございますけれども、文科省では何もしてないと言うとやっているんだと言われるかもしれませんけれども、何もしてないように我々には見えて仕方がないというわけですね。普通、こんなにほったらかすことはないので、もっと具体的に文科省としても動くべきだったと思うんだけれども、全くその姿が見えないのはどういうことでしょうか。
  159. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 全く何もしないでほったらかしにしておるわけではもちろんございませんで、平成十五年三月の中教審の答申を受けて、もちろんその前の中間報告のときもその状況をホームページにも載せて、報告の後も載せて国民のパブリックコメントをいただく、また中教審の答申の後は教育改革フォーラムとかタウンミーティングとか、いろんな会議等に積極的に参加をして、中教審の答申を受けて、今なぜ教育基本法の改正なのかということについては折に触れて文部科学省としての意見も申し上げて、国民の意見も聞いて、同時に与党の協議会、検討会がずっと続けられておりますけれども、それにも参加をして、それで得られた国民の声とかフォーラムやタウンミーティング等の声を与党の協議のたたき台にして提出をして議論を進める、そういった協議に参加しているということは今までも続けてきておりますし、そういった状況の中で今日を迎えているというふうに考えております。
  160. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 今、努力してきたとおっしゃるわけですが、パンフレットを作ったりビラ作ったり今しているのは私もよく知っておりますけれども、しかし、みんなが議論するという場をそういう意味ではつくってこなかった。もちろん与党との関係で、与党で公明党と自民党のトップの方で六十回にわたり勉強会や協議会をやってきたということはよく知っているけれども、その中身については全く公表されてない。それを文科省の人に聞いても、これはアンタッチャブルだという形で全く情報が入ってこない。  だから、文科省はやったと言われるけれども、事実上、教育基本法については三年間も中教審から話があってから、ほうってあると言っちゃしかられるかもしれませんが、ほうっていると全く同じような状況を繰り返してこられたのが実態ではないかと思うんですね。今ようやく自民党の、与党の方も動き出した感じがしますけれども、これさえ分かりません。  私は、文科省としていろいろと意見を聞いてきたんだったら、こうなんだということを皆さん方にもっと早くオープンにして、国民の意見を聞いていくべきだと私は思うんですね。教育の基本なんですからね。それに対して、私は、文科省はサボっておったと思うんですけれども、そのサボっておった理由を聞きたいわけですね。それについてはどうでしょうか。
  161. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 当然、サボっておったわけではないんですが、与党の自由民主党と公明党との協議会、検討会、六十数回、もう七十回近くにわたって、いわゆる理念、元々の前文、目標、目的、理念等々、十分に話を詰めて議論をしておるわけでありますけれども、それに関しては、これは与党の方針ということでありますから、基本法を抜本的に改正すべきであるという、こう中教審の答申があったわけですね。それに基づいて、じゃ逐条ごとに、また理念ごとについて議論を進めるに当たって、一つ一つその議論の中身が外に出ていくようであっては十分な、こういう表現をしていいか分かりませんが、一つ一つハチの巣をつついたような騒ぎになってやっぱり議論が混雑になっていくことは望ましくないというふうな、そういう判断で十分その情報の管理をしながら与党協議会を進めているということは、それは承知しております。しかしながら、文部科学省としては積極的に情報も提供し、議論のたたき台となる資料等も提供し、説明もしながら進めてきておりまして、この信頼関係はやはりしっかりと守らなければいけないと思っています。  そんな中で、今国会のどの時点になるのかは、これは与党の協議の最終的な判断になると思いますが、我々とすれば速やかに教育基本法の改正案を、条文を練り上げて、そして当然その場合には与党、野党にお示しをした上で審議をいただいて改正をさせていただきたいと、こういうふうに考えております。
  162. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 非常に文科省としては慎重な動きをしたことも分かりますけれども。  与党との協議と言われますけれども、与党の協議、与党だけが協議しているので、文科省はそれに資料を出したりなんかしているだけであって、参加はしていないわけですからね。一緒に三者でやっているようなことを言われましたけれども、全然違うと私は思うんですね。  だけれども、考えてみると、郵政民営化については自民党、反対した。自民党の中であんなに反対の人が多いのを強引に通しちゃったわけでしょう。そして強引に、参議院が反対したのをまた衆議院で、衆議院を解散してまでしてやったぐらいなんですから。内閣は力を持っているんですから、もうちょっと文部省、自信持ってこの問題やってほしいと思います、リーダーシップをね。そういうことでしっかり頑張っていただきたいと思います。  それから次の点は、さっきの問題に絡みますけれども、環境省の問題についてちょっとお尋ねしたいんですけれども。  この間、テレビ見ていましたら、環境省のもう事業については九〇%以上が随意契約だということが報道されて、毎日毎日みのもんたさんがやっているもんですからね。あれっと私は思ったんですが、その実情と理由を聞かせていただきたいと思います。環境省のそういう広報体制はどうなっているんですか。あれ、違っているんなら違っていると言って、ちゃんと言うべきじゃありませんか。みのもんたさんは得意顔で毎日やっていましたよ、あれ。そういうことでは我々は信用せざるを得ないなあと思うんでね。それについて環境省として説明願います。
  163. 西尾哲茂

    政府参考人(西尾哲茂君) 環境省官房長でございます。  御説明申し上げます。  先日テレビで報道された随意契約の問題でございますが、これは平成十二年度から平成十六年度の五年間に環境省本省が契約したもののうち五百万円以上のものの件数割合で九〇%と、こういう報道でございまして、その範囲の数字自体は事実でございますが、ちょっとどういう数字か御説明申し上げますと、環境省の予算規模は大体二千億円強でございまして、工事の関係というのが、そのうち二分の一が廃棄物関連の施設整備費で一千億円ぐらいございますが、これは基本的には地方公共団体に対する補助金ということで直接やっておりません。工事の関係はそのほかに自然公園等の直轄工事費が百億円弱ございます。これらにつきましては、もちろん過半が競争入札をやっているということでございますので、工事費の関係については問題がないと思っております。  報道で指摘されましたのは、残の、本省の調査研究費などのうち一件五百万円を超えるものの契約額が大体百四十億円でございます。これは環境省全体の七%程度でございますが、報道はこの部分の随意契約率が高いということでございまして、五年平均で確かに件数で九二・五%と、随意契約が多くなっています。この部分に限って言いますれば、ここは調査研究に係る委託費、請負費でございまして、一言で言えば、まあそれぞれ要求される専門能力にかんがみて、他の相手方では目的を達し得ないと判断して随意契約とした結果でございまして、会計法に照らして適切と思います。  もう少し丁寧に申し上げますと、多くのものは、有害物質の精密な測定分析でありますとか、野生生物の種の同定といった高い専門能力の有するものが多いわけでございます。そのほかにも、例えば対策ガイドラインを作ったり緊急センサスをするということで、中立的な法人が関係者を集めてすぐに調査研究をする、あるいは環境に関する国際機関や国際研究を支援するという目的でつくった法人がございまして、それの目的に沿った支援の調査研究を頼んでいるといったようなもので、政策目的を達するためには随意契約によらざるを得なかったという事情がございます。  しかしながら、一方で、一層の競争の拡大、契約の透明性の、客観性の確保ということは大切でございまして、安易に流れていないかということの見直しは必要と思っておりますので、環境省としてはちょうど現在、随意契約の緊急点検を行いまして、その結果に基づいて見直し計画を六月までに立案することとしているところでございます。  したがいまして、そういう緊急点検の見直しをきちんとやって、そのことについて対外的にも説明、今後説明してまいりたいというふうに考えております。
  164. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 委員長
  165. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 亀井君、時間が来ておりますので、簡潔におまとめください。
  166. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 はい。もういいです。もう質問じゃありませんけれども。ありがとうございました。  いろいろ、みのもんたさんが勝手なことを言っていましたよ、天下りの会社ばっかりだとかね。いろいろ言ってましたからね。そういう意味での広報体制をちゃんとしてからやっていく必要が僕はあると思いましたから。しっかり頑張ってください。どうも。
  167. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十六分散会