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荒井広幸君
総理、思えないんです、それは。
お手元の資料、
総理もごらんください。この
委員会の今度の
法律、先ほど来からの議論を聞いてまいりますと、まず国と地方とこの役割を分担をしてから、そして国の一つ一つの業務、サービスを提供を受ける住民の皆さんの側から一つ一つ見ていかないとできないということが議論で十分にされているんです。ところが、今度の
法律は全くそれがない。ないのに判断しろと言っている。全くこれは判断できないんです。
そのときに、
総理、今
総理がおっしゃったような、お手元の資料を皆さんごらんください。私が、これも役所も大変だったと思いますが、役所にお願いしましたが、不十分な資料です。これは、国の
予算がどうなって人員が張り付いているかだけです。これが県や地方自治団体や特殊
法人にどういうふうにお金が流れて、どう使われて、
国民の皆さん、住民の皆さんの幸せにつながっているかということを検証するための資料をお願いしましたが、全くその検証の資料になっていません。トータルコストで判断できないんです。ですから、先ほど来から、午前も午後もその指摘が随分あったわけです。判断できないものを今判断しろといったら、決めたんだから、後になって
法律を作ります、目標を立てました、あのときこの国会で決めたから言うことを聞けといって白紙委任状を出すような話です。こんな欠陥
法案に賛成するわけにいきません。
そうなりますと、
総理、何万という膨大な資料、役所でさえ調査していないというような
状況で、どうして国会がこのお金は不正だと監査できるんですか。
国民に参加いただいて、
国民に、チェックして、抑止力を働かしてもらう。
国民が参加して
国民が主役になる
政府、これこそが
行政改革の目的だと思います。簡素で効率的な
政府というのは手段です。手段でこんな議論ばかりしていても話になりません。
それでは、
総理、そして今日は
西川さんにもお越しいただきました。先ほど来もお話がありました。そのノンバンク、貸金業に銀行業界が運用で利ざやを稼ぐためにどうしているかといえば、我々は百万円銀行に預ければ今大体普通預金で二十円だけの利息を年に一回もらいます。ささやかな庶民の願いです。たった二十円です。それを長期プライムレートという金額で、銀行はそれをノンバンク、そこはお金を集めませんから融資をしていただきます。貸金は幾らで借りるか。二・四%が長プラですから、大体二・四で二万四千円で貸すんです、銀行は、やみ金に、あっ、やみ金じゃなくて、貸金ですね。そうしたら、その貸金は、二九・二%ですから二十九万二千円で貸すんですよ、消費者や中小
企業の方に。二十円しか利息がもらえない
人たちが、借りる側になったら二十九万二千円で利息を払い、銀行はその間、きれいを装って二万四千円以上の利ざやを稼ぐ場合があるんです。こういう仕組みが市場の失敗じゃないですか、竹中さん。金融市場というのはこういう一面を持つんです。
そして、これがうまくいったかどうかは、
総理と竹中さんが指名した
西川郵政社長、次期社長が、
自分のところ、これを俗な
言葉で言います、あなたの
会社はうちから融資を受けていますね、お金貸していますね、だから金融派生商品も付き合いで買ってもらわないと融資できませんなということの抱き合わせを、融資を言った。それを我々、郵政を
反対する皆様方が、そういうことが起こり得るから郵政を民営化するのは
反対である、庶民のための銀行をつくれ、それに特化する
改革ならまだしも、今度融資してどんどんもうけて、そしてもうけるためには銀行同士の闘いで、郵政銀行も闘いますから、結果はまた悲劇を生んでくるという現状に回り回って行くんです。
総理、そのときの貸し渋りと貸しはがしをしたそのバブルの全銀協会長が
西川さんでありますし、
西川さん自身の三井住友もそういう事件を起こしていたということです。
私は、こういう失敗がある、その教訓を学びながら、生活をしている人を守っていくという観点に立って、どうしてこの
法案には、生活弱者、金融弱者の皆さんに頑張ってもらって、そして頑張る人はもっと良くなる、みんなが底上げして良くなるような、その視点が欠落しているんでしょうか。五年間やっててこの
法案は何なんでしょう。私はそこを言わざるを得ないんです。
そして、いただいている時間がいつも少ないので、
総理に後ほど承ります。これ、今朝の新聞です。これにこれだけ生命保険のものが並んでおります。眼鏡で見なけりゃ分かりません、小さく書いてあります。職業では制限させていただきますと書いてあります。簡易保険だけが職業で差別なくだれでも入れます。最近は民間も五十五歳からリタイアした人のための保険は入れるような工夫がされていますが、それはもう微々たるものです。
働いている世代こそ生命保険に入りたいわけです。それは世界で
日本の郵政しかありませんでした。民間になりましたから、簡易保険業法が、これが物の見事に保険業法に変わります。簡易保険法が保険業法に変わりますから、
倒産しないようにやってくれと。
倒産しないためならそういう人を排除していいということになります。これを
審査の段階でアンダーライティングというんです。どんどん入れない人が出てくる。生活者を守るセーフティーネットを壊して、そしてサラ金などでまた利ざやを稼いでいこうやとも言わんばかりの市場に世の中をつくり変えてしまって、だれが幸せを感じられるのか。ですから、我々は
反対をした。その
反対が今、物の見事に
西川さんのいろんなことで出てきているではありませんか。
総理、
総理にも理がありますでしょう。しかし我々にも理がある。そして国会で審議をすべきだった。ところが十分な審議とは言えない。こういったことを考えていくと、助け合いの仕組みである郵政というものがいま一度必要になってきているということなんです。
時間がありません、一つだけ。これは
会計検査院長、郵便局は税金で職員を賄っていますか、この一点だけはっきりしてください。