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松井孝治君 閣僚の
皆さん方にはその資料を参照していただきながら、そしてテレビをごらんの皆さんにはパネルで資料を御提示しながら、できるだけ分かりやすく御説明をし、そして
総理以下各
大臣の政治家としての御
答弁をいただきたいと思います。
最初に、昨日は例のJRの福知山線の脱線事故から一年でございました。非常に犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御家族あるいはいまだに病床に伏せっておられる方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
そして、今日は午前中、ニュースで、耐震偽装問題にかかわる方々が逮捕されるという問題がございました。この通常
国会の冒頭で、私ども民主党は、やはり国として
国民の生活の安全ということを守るというのは一番大切なことじゃないか、乗り物の安全もそうですし、建物の安全もそうだし、子供の安全もそうだし、食べ物の安全もそうだし、そこをしっかり果たせないような
政府であれば
行政改革なんかを語る資格はないというふうに考えているということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
その上で、
総理、今閣僚の方々にも資料をお配りさせていただきました。私、昨年の九月十一日の総選挙で、まあ私どもから見れば非常に残念なことながら、自民党、公明党、圧勝されたと、その後、安倍官房
長官が秋にこの後は
行政改革だと言われたときに、一瞬やられたかなと思いました。要するに、それは非常に大切なアジェンダ設定だったと私は思っています。しかし、その後、今の
政府・与党で考えられる
行政改革の中身が明らかになってくるに従って、これは何をやっておられるのかなと、非常にいい問題設定であるにもかかわらず、中身はまた相変わらず看板倒れのものじゃないかな、私はそういう疑念を持っております。その立場から今日は御質問をさせていただきます。
まず最初に、私自身も実は、与謝野
大臣いらっしゃいますけれども、与謝野
大臣が副
長官でいらっしゃったときに、あれは橋本政権でございましたけれども、省庁再編、橋本行革にかかわらせていただきました。いろんな、私自身からいっても後悔というか反省があって、やっぱりこれ
行政改革ってなかなか一筋縄ではいかない。さっき午前中のこの自民党の質問に対する
総理の御
答弁にもありましたが、省庁はすごく抵抗しますね。一歩進んだかと思うと、二歩、三歩、逆に攻め込まれるような
状況がある。そういう中で、橋本行革は残念ながら僕は骨抜きにされたと思っています。
そのことも含めて、私は
総理のお立場あるいは閣僚のお立場をお尋ねしたいと思うわけでありますが、
委員長から
お話がありましたように、午前中は、私、十分弱で質問が終わりますから若干総論的なことを
中心に、しかし午後はより具体的な話を
中心に
お話を
伺いたいと思います。
最初に、お手元の資料の②というものを見ていただきたいと思います。閣僚の皆さんにはこういう資料を配ってあります。(資料提示)私は、公的な仕事、公共性の空間、橋本行革の中の
行政改革の理念と
目標の中に、猪口
大臣も
委員として御参加でございました、公共性の空間というのは中央の官の独占物ではないという表現を、私自身もドラフトを書かせていただきました。それがやはり
行政改革の基軸だと思うんです。
このパネルで、公と私そして官と民というものを出しておりますが、今日は同僚の
和田ひろ子参議院議員にお手伝いをいただきながら、済みません、先輩、ちょっともうはがしていただいて結構です。私は、
行政改革を行うときに、一番基軸はこの公の仕事をだれが担うんだということを根本から見直していかなければいけないと思っておるわけであります。
従来、この公と私といったときに官と民、公は官が行う、民は、私の
部分は民間の
企業が行う、こういう図式だったと思うんですが、その官は中央の官が
地方をまあ抑圧しているというか、中央が全部中央集権で仕切っている。そして、それだけじゃなくて、中央の官が民間の部門に侵食しているというのが従来の図式だったんじゃないか。
私どもが今考えていくのは、そうではなくて、もっとこの民間の
部分の
能力も活用しましょう、同時に、公という
部分においてもっと中央と
地方が対等の立場でもっと
地域に大きな役割を担っていただこう。そして、同時に、ここの共という
部分、公の
部分をもっと例えばNPOであるとか町内会であるとか
地域のそれこそお祭りを担っておられる方々とか、そういう方々が担っていただけるようにしよう。そういう形で中央の官の役割をもっと絞っていく。ただ、絞っていくんだけれども、本来であれば中央の官がやらなければいけない
国家戦略的なことが全く私はできてないんじゃないかと思うわけであります。
地域の道路をどういうふうに造るか、商店街のカラー舗装をどう造るか、そんなことは
地域に任せたらいいわけでありまして、そんなことを一々ひもを付けて補助金と権限で縛っている。だけど、本当に、
経済産業大臣もおいででございますが、
日本の長期的なエネルギー戦略をどうしていくのか、あるいは食料の自給率をどう高めていくのか、国としての外交・安全
保障戦略をどうつくっていくのか、そういったところにはまだまだ人が足りない。あるいは、さっき冒頭に私が申し上げたような安全というもの、
国民の安全というようなものをどう守っていくか。これは民間に安全基準まで全部丸投げしてもいいわけじゃないんですよ。きちんとやらなければいけない中央の官の
部分はもっと強化をする。そして、本当にやっぱり現場感覚、お互いに現場感覚ないんですよ。中央の役人は
地方の道路だとか踏切の幅がどれだけあるか分からないですよ、そんなこと。分からないけど机の上で査定しているわけですね、補助金の査定事務をしているわけですよ。
地域の方々は、これもう
地域の方々にも申し訳ないけど、ひょっとしたら中央から補助金もらってくるのが自分の仕事だと、身銭だったらこんな事業やりますかというようなことを、
地域の方々もこれは補助金があるからということで一生懸命中央に陳情に行かれている
部分があるんじゃないか。これを、僕は中央が悪いというだけじゃなくて、
地域の方々も自覚を持っていただいて、逆に言うと、
地方はもっと
地域の方々に任せるべきところを任せて、自腹感覚でお互いが当事者意識を持ってこの公共性の空間、公の
部分を担っていかなければいけない。
それが私の基本的な考え方でありますが、
総理、私の考え方に賛同していただけるのか。いやいや、あなたが考えているようなことは違う、もっと小さな
政府で五%人件費削減するのが大事なことだと考えておられるのか。
総理のまず最初の見解を伺っておきたいと思います。