○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
山本先輩の目の覚めるような質問の後に、大体生理的に非常に眠い時間ではありますけれ
ども、私も引き継ぎたいと思います。それが理由というわけではないんですが、昨日質問通告した二十一問、相当順番を変えてやりますので、対応していただきたいと、そのように思います。
私が常々言っていますように、十九世紀後半のビスマルク以来、重工業の発達以来、高福祉の時代がもう戦後もずっと続いてきた。それに対して
医療費
抑制の時代というのを迎えたわけですね、レーガン、サッチャー。そして、世界は、今は
医療費
抑制の時代を超えて評価と
説明責任の時代に入っていると、このことをずっと申し上げてきたわけです。効果が得られて、投入した資金に見合う効果が得られて、そして
国民が納得すれば、それは資金投入はすべきなんだという
考え方に今なっているわけです。
なぜか。二〇〇四年、OECD加盟三十か国の世界の
医療制度改革、これは各国の経験した経験則ですね。
医療費削減は
医療の質の低下を招く。
二番、
医療費削減は人材の
確保、離職の防止が困難になる。
私の友人も、一般病院辞めて、二人ほどカナダ、
イギリスに、これ研究のためでも何でもないですよ、医師として、もう渡ってしまいました。今は、元気な
高齢者の方も海外へ移住する方が非常に多いというふうに聞いている。これは、ブレーンドレインという表され方していますね。優秀な人材あるいは能力が海外へ流出していると。この
事態は、
イギリスが相当な危機を覚えて今の政策取ったわけですけ
ども、日本も近い傾向にあるということは確かです。
三番、
医療費削減はサービス、革新的医薬品の供給不足に陥る。
これが世界の経験則です。この轍を踏んではいけないと、そういう
趣旨で質問を進めたいと思います。
究極的には、私は、ちょっと誤解を恐れず言いますと、
社会保障というのは、安心して産める町、安心して死ねる町を目指すんだと、そのように私は思っています。
その中で、どうして今回、
医療費の将来推計についてですけど、これはもうずっと
議論されたので詳しくは言いません。ただ、西島
委員の医師会の推計もございました。これ、五十六兆、
給付費が五十六兆でなくて四十八兆になるんだと、それは、個人当たりの
医療費が
高齢者が一・三%、それから一般の方が一・二%の増加と、これは二〇〇一年から二〇〇五年まで。これに対して、
政府は、
高齢者が三・二%、若年者が二・一%の増加と、平均で出しているわけですね。これは七年度から十一年度まで五年間。
私たちが作った「崖っぷち日本の
医療を救う」という中に書いておりますけれ
ども、私たちの推計は、
平成六年から
平成十五年まで十年間、この
医療費の平均は、
高齢者では〇・二%、若年者で〇・七%の増加なんですね。これを二〇二五年度まで累乗していけば、
医療給付費だけで
政府案と二十二兆円の差がある。五十六兆対三十四兆。
こういった大ざっぱな、あるいは信じられるのかどうか分からないような推計に基づいて今なぜ
医療費
抑制が喫緊の
課題になっているのかと。この点が非常に大きな問題だと改めて言わせていただきます。
そして、本日は、前回に引き続きまして、私は
医療法等の一部改正について質問いたしますが、何が大事かと。
これからの
医療は、自己決定権の尊重と生命の尊厳にかかわっているわけです。生命の尊厳というのは、生きている者も、亡くなった者に対してもです。この
観点から、先週、私ポイントを挙げました。それは情報の公開だと、それから
説明だと、そして相談に応じる
体制だと、
医療事故の原因を究明する機関の設置なんだと。そして、もっと大事なことは、日本の
医療の質、病院の質を客観的に評価するシステムがない。それが評価と
説明責任を果たせない今の
医療の現実だと、私はそう思っています。
そして、
医療法等の一部改正について
一つ一つ行きます。
まず一番の患者等への
医療に関する情報提供の
推進、この中で、六条
関係ですけど、入退院時における治療
計画等の文書による
説明の義務付け、これは私はいいんだと思います。クリニカルパス、クリティカルパス、今はクリティカルパスに統一されているようですけれ
ども、私はそこで必要なことは、
説明の前に、やっぱり病名を含めた患者さんの同意というのがこれ必要なんですね。いきなり
医療機関に来て、転院であって、
説明が始まる。そこに病名を含めた告知、この患者さんの同意は得られているのかということがまず前提条件だろうと私は思っています。
今、
がん対策基本法の話が出ましたけれ
ども、公明党さんの案の中には、放射線治療のことをかなり重要視されて書かれているような印象がございますけれ
ども、放射線治療医がなぜ増えてこなかったかと。これは、放射線治療をやるということはイコール
がんだということに近かったわけですね。
がんだということを患者さんに告知することのコンセンサスが得られたのって、まだ十年もたっていません。
私は、大学にいた当時、九六年ぐらい、日本、全部の患者さん、良性、悪性含めて全部の患者さんにアンケートを取りました。自分の病名に対して悪性腫瘍であっても告知してほしいかと、九五%以上が告知してほしいと。家族がその立場になったら告知した方がいいと思うかと、半分がイエスですね。ですから、それから数年たってもまだ日本にとっては、特に悪性腫瘍の場合、告知するかどうかのコンセンサスってないんですね。このこと、同意がまず
説明の前に必要だという点が一点。
それから、もし文書による
説明の義務付け、違反した場合の罰則
規定があるんですか、その点を教えてください。