○下田敦子君 研究の結果仕上がったものはどこに行くかということを時間があればお伺いして、更に
お尋ねしたいところなんですが、時間がないのでやめます。で、言えることは、ここまで伺ってちょっと私は非常に疑問をますます深めます。
例えば、この中医協の専門委員に、あえて固有名詞を出します。アステラス製薬会社役員、武田薬品の総括部長、メディセオホールディングス代表取締役副社長、それから旭化成メディカル株式会社の顧問、ジョンソン・アンド・ジョンソンの
日本代表なんでしょうか、社長とか、こういう状態で、私は国民の税金が六十二億五百万円という予算が医薬品・
医療機器産業の国際競争力の強化として予算を持たれるということは、悪ではないかもしれませんが、
医療費がこれほど足りない足りないと言っているのに、何で、何で企業のためにこれらを使わなきゃいけないのか。企業というものは一から
自分で努力をして、積み重ねて、結果を生み出すまで頑張るべきが企業だと思います。護送船団だと言われている意味合いが、厚生省は製薬会社の護送船団でやってきたから世界に通用する企業に育ってこなかったという声を聞きますけれども、こういうことです。
それから、薬価のことで申し上げますと、薬は、これはアメリカともし同じ価格にすれば五百億円の
医療費が安くなるという試算もあります。ですから、私はこの点について慎重に予算を
見直し、またこのたびの法
改正に当たって、天下りの人がたくさん製薬会社に行っているという現実から見て国民は納得するだろうかと、そこを一つ私は考えます。
次の質問に入らせていただきます。
医療費適正化計画と食
生活習慣病対策についてお伺いいたします。
二〇〇二年度の一年間の我が国の
医療費総額が三十兆円を超える、そのうち三分の一は
生活習慣病の
医療費が占めていると、こういう現実は本当に大変なものだなと思います。
さて、ちょっと、私、四十年ぐらい、年に三十回ぐらい盛んなときは栄養指導の場を持たせていただいて、話を聞いてもらった場面場面がありますが、一番話でみんなが聞いてくれて面白がったのは、ドクター・J・マイヤーのアメリカの内科医の話でありますが、亭主を早死にさせる十か条というのがございまして、これは大変ヒットいたしました。私、ちゃんと調べないとこちらにいらっしゃいます足立委員とか朝日委員とか、ちょっと御迷惑をお掛けするといけないので調べました。
一九七〇年代のことで、かなり早い話であります。そのころアメリカで、私も随分太った人が多いんだなということを大変、突然行きながらもそういうことを思いました。そのときに盛んにこのマイヤーさんが肥満というものに対して警告を発していたんだと思います。
気になりますでしょうから申し上げます。
まず第一項めに、亭主をうんと太らせることです。第二項めに、砂糖、甘いものとかお酒をうんと上げることです。お酒に関して申し上げますと、一日一合ぐらいであればこれいいコレステロールが発生しやすいので、これに対してはやっぱり一日五、六合ぐらいずつ勧められることが大事であります。HDLコレステロール、ハイデンシティーリポプロテインが増えますので、ローに抑えておくためにはうんと飲ませることが大事です。それから次に、まあいろいろ、運動させないとかあるんですが、時間が限られますからやめますが、九項目め、夫を旅に出さない、十項目めの最後の仕上げには、しょっちゅう文句を言っていじめる、これが悪いコレステロールがどんどん出ますから、そういう意味で大変効果的なんだろうと思います。全部十項目お知りになりたい方は、是非散会後、参議院会館の五三二号室までお越しくだされば、詳しく栄養指導も含めながら
お話をさせていただきたいと思います。
ともあれ、アメリカ人はあのころから、一九七〇年ぐらいから、肥満というものは非常に恥ずかしいものであって、自制心もないので企業や組織のトップに立つリーダーの条件としては絶対に向かないと、そういう風潮が急速に広まったことを今思い出します。このマイヤー・ドクターは、次に出した施策が、私、これ調べてこのたびなるほどと思ったんですが、すぐ子供の
政策に移ってこれを言っているということが分かりました。やっぱり子供の肥満にすぐ手を掛けて進んでいかれたということは、私はこの栄養改善はやはり医師として着眼点がすばらしいなと思いました。
そこで、ちょっと質問に入ります前にお若い方もいらっしゃいますので申し上げますが、あの戦後の食べ物のない時代に、アメリカは無償で小麦、脱脂粉乳、ジュースを学校給食を通して下さいました、教え込まれました。厚生省も文部省もこれに力を注いで、フライパン運動、一日一回フライパンを使いましょうと、そして油の摂取量を高めて、高カロリー食を普及させました。保健所で、何と、私はあれは
厚生労働省から出た予算だと思っておりましたら、実はキッチンカーなるものは、これ実はアメリカの小麦組合が大層なお金をはたいて
日本に無償
提供してくれていたということが後ほど分かりました。
ですから、キッチンカーに栄養士を乗せて、津々浦々まで、パン食を
中心にして、パンを食べれば頭が良くなって米を食べれば頭が悪くなると言いました。本当にそういう事実があった。とにかく、欧米型の食生活を説いて回ったのが当時の栄養士であります。
ここでちょっと食文化についての
お話ですが、味覚は三か月から四か月で芽生えると言われて、甘みが第一です。次にいわゆる塩味であります。五歳で基礎ができて、十七、八歳で完成すると言われます。好き嫌いのない子供さんのお母さんは料理のレパートリーの幅が広くて、大変お母さんの
影響というものは大事であります。
結果どうなったか。飽食と機械文明、車社会の中で起きる内臓脂肪の蓄積と、それを基礎にしたインシュリン抵抗性及び糖の代謝異常、それから脂質の代謝異常、高血圧を
複数合併するマルチプルリスクファクター症候群、いわゆるそれが動脈硬化になりやすい病態であるという定義がありまして、実は
平成十七年の四月に我が国の医学会、八つの医学会がこのメタボリックシンドロームという言葉を出されました。
ですが、ネイティブな、いわゆるアメリカ辺りに行ってメタボリックシンドロームと言うと、分かりませんと言われます。結局、これは
日本の
生活習慣病って何ですかと聞いたときに、百科事典を引かないと恐らく正確な答えは専門家でない限り出てこないと思います。同じです。ですから、メタボリックシンドロームという言葉を扱うに当たって、
医療者やそういう
関係者はいいとしても、なかなかこれは普及ということを考えたときに果たしてどうなんだろうかなということを考えます。
さてそこで、まず第一です。
食生活改善というのは、時間と人と組織に大変お金が掛かる作業であります。食文化は食生活と比例します。ですから、ファストメタボリックでない、その
対象がスローメタボリックな年代の人にこの
生活習慣病を目の前にして、目の当たりにして
対策を講じていくという際に、かなり大変な作業だろうと私は思います。ですから、国民運動的に改善していくためのまずエビデンスがあるのか、具体的な
医療の適正化につながるような
対策があるのか、これをまず
お尋ねしたいと思います。