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辻泰弘君 今回、
カナダの
年金制度を調べさせていただきまして、手前みそかもしれませんけれ
ども、民主党の申し上げておった
制度にかなり似通った
部分があると、精神を同じくするものがあると、このように思ったところでございます。
すなわち、
基礎年金の
部分は税方式で支えるということでございますし、自営業者の方々も九・九%、被用者と同じ
保険料率で
負担をされている。自営業者の方は折半じゃなくて、自営業者がフルに
負担されるということになるわけですけれ
ども、そのことについても我が党の案についてのいろいろ御
指摘もいただいたところですが、現実に
カナダにおいては被用者の場合は労使折半だけれ
ども自営業者はフルに
負担をされていると。こういう中での税方式を
基礎年金とし、上に所得比例の
年金をつくっているという
状況であるわけでございます。
そういった意味で、私
どもの方針も
一つの現実に行われている体系があるということで意を強くした次第でございますが、そのことについてもまた今後とも私
ども取り組んでいきたいと思っているわけでありますが、その
カナダの
年金制度で、今御
説明もございましたように、やはり
基礎の
部分が税方式で無拠出であるということになっている。そのことによって、やはり
カナダの低所得である高齢者の方々がかなり相対的に手厚くなっていると、こういう
指摘がございました。
これ国立
社会保障・人口問題研究所の室長さんが書かれた本で、いい
指摘をされていると私思ったんで、ちょっと引用したいと思うんですけれ
ども、
カナダに比較して
日本の高齢者の低所得層は必ずしも経済的に恵まれていないと。現在の
年金制度をもってしても
日本の高齢者は社会の中で低所得である
割合が高い。
日本に比べ
カナダの低所得の高齢者層は比較的に良い経済
状況である。
カナダの研究者によると、一九七〇年代から二〇〇〇年にかけての
カナダの
年金制度が大きく充実したことに関連している。そのような
指摘がございます。
また、先ほど言いましたように、
カナダのOASですね、これが無拠出である、そのことによって実質的にほぼ普遍的な
制度になっているということ。
日本に引き直せば、
基礎年金が全額税方式で成り立っている、なるがゆえに無
年金は生じない、低
年金も生じない、
基礎年金はフルに
適用されると、こういうことを意味しているわけでございまして、そのことが高齢者の低所得層を生んでいないと。相対的なことではございましょうけれ
ども、そういった
カナダの
状況につながっているということの
指摘があるわけでございまして、私はこれは非常に傾聴に値することだと思うわけでございます。
また、同時に、
カナダの公的
年金制度と
日本の公的
年金制度の大きな違いの
一つは、
カナダの公的
年金制度の一階
部分、
基礎年金の
部分ですね、それが高齢者の最低生活を保障するものとして明確に位置付けられている点であると。
日本においては
基礎年金は拠出を前提とする
社会保険であり、高齢者の最低生活保障に関する位置付けは明確でないと、こういうふうな
指摘がございます。
そして、結びとして、所得の低い高齢者の所得保障をどのように行っていくのかという観点が
日本の公的
年金の改革においてはいま
一つ欠けているように思われると。そして、高齢化する
日本の社会の中で、高齢者に対する最低生活保障をどのように社会が担うべきか、
カナダの
制度を参考にいま一度考えてみる必要があるのではないだろうかと、こういった結びになっておりまして、私は非常に的を得た御
指摘であろうと思いますし、こういったことで国立の
社会保障・人口問題研究所の方が書かれているのを私は意を強くした思いがいたしますが。
やはりこういった意味で、
政府としては、おととしやったわけでございますから、すぐにこちらに行くよということはないのかもしれませんが、しかしこの
部分、やはり大事な視点だと思うわけでございます。
政府流に言えばまずは二分の一にしてというふうな話になるかもしれませんが、やはり
基礎年金の
部分については税方式で賄って普遍的な
制度として組み込んで、安定、安心というそういった老後の保障に結び付けるべきだと、このように思っておりますけれ
ども、
厚生労働省としてのこの点についてのお考えをお聞きしたいと思います。