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国務大臣(
川崎二郎君) 終末期医療については、人の生死に深くかかわる問題であり、
国民の関心も高いことから、重要な
課題であると
考えております。
終末期医療の問題は、人の尊厳ある生き方を支えるという
観点に立って、医療界の側面、それから法曹界の側面、この両面から真剣な
国民的な議論が行われることが必要であると。このため、
厚生労働省においては、患者の意思が尊重されるという
考え方が医療現場に定着するよう、終末期における望ましい医療に関する
研究を支援するとともに、終末期医療に対する社会的コンセンサスが得られるよう
国民的議論の喚起や、終末期における医療提供
体制の充実を進めてまいりたい、こういうことが模範答弁なわけでございますけれども、一方で、そろそろ踏み込まなきゃいけないんじゃないかと、こんな思いをいたしております。
過去の判例等を見まして、
三つのケースに分けられております。
一つは、積極的な安楽死、苦痛から解放するために意図的に死を招く行為、こういう範疇に
一つ分けられる。二番目は、これは緩和ケアと多少つながりを持ってまいりますけれども、死期を早める可能性のある薬剤を投与することによって耐え難い肉体的苦痛というものを除去というか、少し緩和していく、こういう
考え方。それから三番目で、治療行為の中止、いわゆる尊厳死、点滴の取り外し等の問題、回復の見込みのない末期状態、患者の意思、こういうものをやると、この
三つに分けられます。
実は、このすべてのものを含めて医療界、法曹界、識者を入れながら議論を来年一杯までしてもらう話になっております。特に、今私が申し上げた一番目、二番目についてはなかなかそれぞれ価値観もありますし、また私の立場からもなかなか言いにくい問題でございます。しかし、三番目の問題、これは回復の見込みのない末期状態、この問題をどう判断をしながらやっていくかということになると、
一つは、医師一人の判断であってはならないと思います。例えば、医療を行われる病院等の中で倫理
委員会等を設けられて
一つおやりになるのが
一つの
考え方かなと。もう
一つは、患者さんの意思というものをどういう形できちっとさせるか、家族というものも含めてどうあったらいいかというものを
考えてもらわなければならないのかなと、こんなふうに思います。
実は今回の問題も含めまして、この三番目の問題についてはそろそろ
方向性を出していかなければならない、また、これが
法律できちっとするのか、ガイドラインみたいなものでいいのかというものも含めて、今議論していただいている場で少し早目に結論を出してもらいたいということで今日、私、要請をし、また先ほどの記者会見でも少し議論として申し上げたところでございます。もちろん、我々が決めるものではない、法曹界なり医療界の専門的な方々がしっかり議論した上で
方向性が出ると。しかし、その
方向性がいつまでも時間が掛かるというのでは、今の医療の現場の置かれている実態からして遅過ぎるんではないだろうかと、こういう思いをいたしておりますので、今日は森
委員の質問に対して少し踏み込んだ発言をさせていただきました。