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鈴木寛君 ありがとうございます。
今日は大変すばらしい
報告を聞かしていただきまして、誠にありがとうございました。
国民投票をやる上でのいろいろな留意点については、今日御
報告があったこと、あるいは更にここで引き続き
議論があることを踏まえて更に詰めていけばいいということについて私は全く異論はないんですけれども、少し、与党の一部の先生方から、やっぱり
国民投票に対する必ずしも積極的でない御
意見がございましたので、少し我々の、与野党の先生方から、御
意見を申し上げたいと思うんですが、我々、やっぱり
憲法調査会で
議論をしている原点は何かというと、やっぱりこの国の
民主主義とか法治
国家というものをこれを機会にきちっと再建をするといいますか、立て直すというやっぱり論点というのは必要だろうというふうに思っております。
そういう観点から見たときに、日本の
有権者、とりわけ若者の政治的無関心というものに
憲法を
議論するということがどれだけこたえ得るのかということ、それからさらに、やっぱり昨今の日本の政治といいますか、この戦後政治を総括したときに、官僚政治の弊害あるいは限界と、それに対する
主権在民というものの強化ということをやはりこの
憲法議論の中で深めていくということ、それによる正に官に対する政治家の優位、
政党政治の優位ということも確立をされると思います。
やはりこのいわゆる
主権者の関心あるいは参加、参画の低調というのは、やっぱり本当にこの
民主主義の
正当性、さらには昨今やっぱり法治
国家が揺らいでいるというのも、要は自分たちが参加してこのルールを作っているという実感がないということと私は裏腹の
関係にあるというふうに思います。
そういう意味で、今日の
報告で私は非常に注目をさせていただいたのは、やはり
スイス、もちろんやや過剰であるということはあるにしても、
国民投票ということがこの統治構造あるいはルールの徹底という中にビルトインされていて、そして立法者が、
スイス国民への
説明ということが極めて重要な立法あるいは
政策の決定のプロセスの正に根幹にあるという御
報告は、私は大変重要な御
報告だと思っております。
我々もやっぱりそういう意味で
国民投票の持つ
主権在民の強化という観点を注目せざるを得ないわけでありまして、とりわけ通常の選挙というのは最終的には人を選ぶわけですね。候補者を選ぶ選挙であります。したがいまして、どうしてもやはりその先には権力の奪取ということが最終的な争点にならざるを得ない。もちろん、最近はマニフェスト選挙ということによってそれを是正、深化をしようという方向は、これは多としたいと思いますが。
一方、
国民投票というのは、これの最終的な選択の対象、判断の対象というのは、これは立
法案であります。
政策案であります。そのことはやっぱり極めて重要であって、正に
国民の皆様方が立法とかあるいは
政策ということについて関心あるいは参加、参画を促進すると。そのことによって
国民の皆さんのこの
法律、このルールの実現というもの、さらには法治
国家の実現というものにコミットメントを高めるというやっぱり
国民投票の持つ
意義というものは、私はこの
憲法調査会で確認をすべきだと思います。
それで、
舛添議員が
国民投票の対象を限定的にという御趣旨のお話があったかと思います。確かに、そういうことを留意をして
制度設計をすべきだという御主張だと思いますので、その限りにおいては私も分かるわけでありますが、やや
議論を正確にするためにあえて申し上げますと、私は、今申し上げたような
国民投票の持つ性格あるいは効果ということから
考えると、
日本国憲法の
憲法典に限定をするということはやっぱり控えるべきであろうと。私も、
簗瀬議員が従来から主張されていらっしゃるように、やっぱり重要事項は
国民投票の対象にすべきだというふうに思います。
その
理由は、今申し上げたことと、加えて、いわゆる
国民投票の対象は、やっぱりコンスティチューションプラスアルファのところは
国民投票の対象にすべきだということは恐らく
舛添議員にも御理解をいただけると思いますが、コンスティチューションというのは単に
日本国憲法典のみによって構成されているわけではなくて、正に
日本国憲法典とともに統治構造の根幹を規定する立法あるいは
憲法附属法というものはこれはあるわけで、何が
憲法附属法で、何がその根幹を規定する
法律なのか、これは最終的に国会が決めればいい話なんですが、少なくともそうしたものについてはやはり
国民投票のターゲットに私はすべきだろうと。
そういう意味で、やはり重要事項、
憲法典プラス重要事項という枠組みというのは残しておくといいますか、そういうことで臨むべきではないかと。その重要事項の決め方、その淵源、範囲等についてはこれから御
議論を深めていっていただければいいと思いますが、今の二点の観点から、
簗瀬先生始め我々民主党が主張している重要事項も対象にすべきであるということについて私から
意見を述べさせていただきました。
以上でございます。