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国務大臣(二階
俊博君) 私は、この現在の立場で、これがこのまま推移するだろうとか、もっと上がっていくだろうとかということを予言することはかえって得策ではないというふうに考えておりますが、
現状から見ますと、当面、この構造的な要因がすぐ解決できるということでないとすれば、このような事態がしばらくは継続するのではないかと思っておりますが、これが急速に上がっていくという事態は私は考えられないと思っております。と申しますのは、異口同音に産油国の皆さんがおっしゃったことは、自分たちがコントロールしているのではない、あるいは供給が足りなくて値段が上がっているのではありませんよということを再三言われました。
なお、この機会にもう
一つ付け加えておきたいことは、そういう産油国の中でいろんな御意見の交換のある中に、極めて大事なことの御
指摘は、日本との間の関係を単なるこの原油の取引、やり取りだけの関係で終わらせたくないと、私たちはもっと日本の文化や日本の優れた技術等を教えてもらって、そしてその交流によって、将来私たちの国が原油の問題だけに頼るのではなくて、もっと国民生活が豊かになるようにやっていきたいと、そこに日本の協力を得たいんだと、それにもかかわらずということで、日本との交流が少ないということに対して御意見がありました。ちょうどその国に対しては、私
ども、何回か申し上げました、国際版の一村一品運動で、あなたの国のこういう商品とこういう商品はどこそこで扱っていますよという話をしましたら、ああ、そんなことを日本がやってくれているんですかといって
思い直したような感じでありましたが。
私は、帰国後、早速先般の閣僚懇談会におきまして、私が外務省へ問い合わせて、どの国に閣僚が一回も訪問したことのない国であるか、そういう国がこの世界に幾つあるのか。これは余り力んで表へ発表する話ではありません。ある
意味では恥ずかしいことだと
思います。国際社会、グローバル社会、あるいは国際社会のいろんな機関のトップリーダーに日本がもう今立候補しようとしていますね。WHOにも今度立候補します。私
どもの関係でも立候補しようとしているのがおります。そういうことからしますと、そこへ選挙運動に行っても、
大臣も一回も行ったことない、大使館も置いてない、領事館もない、何にもないと、こういう国へ行って、日本ですけれ
ども、経済大国ですなんて言って行ったって相手にされないわけです。ですから、そういうことをもっと日常しっかりした対応をしなきゃならぬ。
先般そういうことを閣僚懇で申し上げて、今早速そういう国を選び出して、この夏休み等に
議員の先生方も、またいろんな関係者が海外に出られるわけですが、どこかその近くにそういう国が存在する場合には必ず立ち寄っていただくというようなことを
お願いしようではないかと、そして閣僚も必ず一か国はそういう国を行ってこようじゃないかと。そして、一回も行ったことのないようなそういう国に対して、
一つ一つ消していって、すべての国と交流を持つ。私
自身も、その産油国との間においてはできるだけの努力をしてみたいと思っておりますが、何せ体
一つでそれは全部網羅できないんですが、我々、五人の副
大臣、政
務官そろっておりますから、及びいろんな、閣僚だけではなくて、いろんな関係の皆さん、国会
議員の皆さん、今、OBの皆さんでも活躍してくれている方々がいらっしゃいますが、私は有り難いことだと
思いますが、やっぱりいろんな国と連絡、
連携をよく取っておく、回り道のようなことでございますが、是非そうした地道な努力に対しても超党派で御理解、御協力をいただきますように、ちょうどこの機会に
お願いを申し上げておきたいと
思います。