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政府参考人(
藤井昭夫君) お答えいたします。
まず、
独立行政法人制度そのものの趣旨からやっぱり御
説明させていただきたいと思うんですが、元々この
制度が出てきたのは、国の
事務というのは企画立案から実施までいろんな
事務をやっているんですが、そのうち実施部門については何も自ら国の
行政機関がやる必要はないんではないかと。むしろ、例えば
民間でできるものはもう
民間委託してしまうとか、あるいは
民間委託できないものについては中間的に
組織的にしっかりした
法人にやっていただくと。そういう形で、できるだけ国の
行政機関の
組織、それから
業務というものをスリム化していこうと、そういう流れでこういう
制度が生まれてきたところでございます。
独立行政法人が生まれる前にも、御存じだと思いますが、特殊
法人とか認可
法人とか、よく似たような
法人があったわけなんですが、ある
意味で、そういった特殊
法人、認可
法人というようなのは既にあったんですが、これも御批判がいろいろございまして、手取り足取り主
務官庁が監督しているとか、あるいは、やっぱり親方日の丸体質が抜けてないとかいうことで、透明性が重要だとか、
委員御指摘だったですけれど、もろもろそういう御批判の下にこの
制度が生まれたということでございます。
先ほどの御論議お聞きしてて感じたんですが、国の
行政機関、これは
国家行政組織法に定めてるんですが、確かに、
法律に基づく
事務を実施すると、あるいは権限行使をする、そういうために設けられていることでございますが、
法律によって例えば国の
事務を特別の
法人にやらせるとか、あるいは
民間の
機関でも権限を委任するというふうなことで、行政
事務が
行政機関以外でやることは可能でありまして、ただ、可能でありますけど、その際いろいろ、損害賠償が出てきた場合どうするかとか、あるいは
国家公務員法制を適用する場合どうするかとか、
刑法適用をどうするかというような問題がいろいろ出てくるんですが、それは個別に
調整しているという形になっているわけでございます。
そこで、
お尋ねの件なんでございますが、そういうもろもろの議論を踏まえてこの通則法というのは設けられたんですが、そのときの根本思想は、やっぱり国の
事務をやってもらう特別の
法人なんであると。ですから、
一つは、
法人は国が強制設立することになっております。それから、
政府出資もいいことになっています。それから、
運営については交付金という形で財政支出もすることができます。それから、国の言わば
事務としてやっていただく以上は、やっぱり国として最低限必要な責任が担保できるような
仕組みが要るというようなことでの関与、これがやっぱり残さざるを得ないだろうということで残っておるところでございます。
ただ、さはさりながら、実施
事務でございますので、大体、実施
事務というようなのは、いかに国の
事務でも、ある程度定型的、反復的なものですから、ある程度中間的にルールを作っていただければ、きちっとしたものを作っていただければ問題なくできますし、あと、むしろ成果、成果が大事なんであって、日々の
運営は
法人に任せていいじゃないかというようなことも可能になります。
そういう
意味で、従来、特殊
法人なんかは特にそうなんですが、
事業計画とか
予算というようなのは毎年度の
予算ごとに承認を得るとか、そういう相当細かい監督権限がございましたし、あと、特殊
法人等については
一般監督権限というようなのが設けられておりまして、
運営についても事細かく所管
大臣が関与できるような
制度になっていたのを、それをむしろ抜本的に
見直して、少なくとも
中期目標を設定して、四年ないし五年間の期間、これは少なくとも
運営面については
法人が言わば
民間の
企業的な
運営ができるような
仕組みにすると。そして、その間は所管
大臣の関与をもう原則撤廃すると。
ただし、終わった後は、やっぱり
目標に対する
評価、こういったものをきちっとするという
意味で、第三者
機関のチェックを受けるということと、あと
見直しをすると、そういう
制度設計にしているところでございます。
私どもとしては、この
制度はやっぱり今の段階ではベストな
制度だとは思っていますが、ただ、
一般論として、
制度というようなのは、やっぱりいったんつくって、ベストだということでつくっても、いろいろな事情の変化はあると。それから、思ったように
運営されていないことは大いにあり得るという
意味で、正に今日のこの国会での御論議とかあるいは
関係各方面の御論議、そういったものを踏まえながら、よりいい
制度運営ができるように注視なり検討をしていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。