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2006-06-08 第164回国会 参議院 環境委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年六月八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 関口 昌一君                 橋本 聖子君                 岡崎トミ子君                 鰐淵 洋子君     委 員                 大野つや子君                 狩野  安君                 西田 吉宏君                 真鍋 賢二君                 矢野 哲朗君                 大石 正光君                 小林  元君                 谷  博之君                 広野ただし君                 加藤 修一君                 草川 昭三君                 市田 忠義君                 荒井 広幸君    国務大臣        環境大臣     小池百合子君    副大臣        環境大臣    江田 康幸君    大臣政務官        環境大臣政務官  竹下  亘君    事務局側        常任委員会専門        員        渋川 文隆君    政府参考人        経済産業省製造        産業局次長    塚本  修君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    由田 秀人君        環境省地球環境        局長       小林  光君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等  に関する法律の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省製造産業局次長塚本修君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 大石正光

    大石正光君 おはようございます。  昨日、参考人皆様においでいただいて、いろいろと教示を賜りました。今日は最後の総括という形になりますので、参考人のそれぞれ意見を通した形で是非質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、この容器包装リサイクル法改正案審議していて、いろいろと皆さん議論をしてまいりました。そして、その審議を通じて参考人を含めた多くの意見が出されてきたわけでありますが、この様々な意見を通じて環境省はこれをどのような形で改正方向に向かうのか、現在の法律改正部分と、そして将来に向かってどのような方向にするのかの点を是非答弁をいただきたいと思います。
  6. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 今回の法案審議におきましては、参考人委員の方々からレジ袋対策資金拠出仕組みを始めとします多くのテーマについて様々な御意見をいただいているところであります。  法案を成立させていただきますれば、レジ袋対策におけます判断基準資金拠出仕組みにおけます拠出金算定方法など、政省令事項検討が予定されることになるわけでありますが、これらの検討に際しましても、いただいた御意見を十分踏まえて取り組んでまいりたいというふうに考えております。また、将来の制度運用に際しましても、適宜いただいた御意見の趣旨を踏まえまして円滑な施行に努めてまいりたいと、このように考えております。
  7. 大石正光

    大石正光君 次に、昨日、参考人指摘した排出抑制への必要性、そして消費者に対しての広報消費者意識向上について、いろいろ意見が求められましたが、これについてはいかがでございますか。大臣の御答弁をお願いします。
  8. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) まず、循環型社会構築のためには、容器包装に係りますスリーRを推進するということ、特に容器包装廃棄物排出抑制が重要な課題でございます。そのことについては、事業者消費者双方取組が必要であると、このように認識しております。  また、今回の改正案におきましては、事業者排出抑制促進するための判断基準となるべき事項を定めました。そして、事業者によります容器包装使用合理化促進をいたします。また、容器包装廃棄物の直接の排出者であります消費者意識啓発が重要でございますけれども、その啓発を図るためにも容器包装廃棄物排出抑制推進員を通じました消費者意識の調査、そしてまたその結果を踏まえた消費者に対する指導、助言を行うことといたしております。  また、国民への啓発ということにつきましては、環境省におきましても引き続き、例えばふろしきの復活であるとかマイバッグのPRなど、あらゆる機会をとらえまして容器包装使用抑制するための国民運動の展開をしてまいりたい。そしてまた、消費者と連携いたしました容器包装廃棄物排出抑制に資するモデル事業への支援なども行ってまいりたいと考えております。  ちなみに、明日でございますけれども、三越百貨店にて、ふろしきの包み方ということで私が実演をすることとなっておりますので、お時間がおありでしたら、皆様どうぞお越しいただければということでございます。
  9. 大石正光

    大石正光君 次に、参考人いろいろお話にありました、元環境省先輩の千葉大学の教授のお話にもありました。要するに、再使用、再生産システム、すなわち瓶とかにあるデポジットシステムというんでしょうか、再利用して再活用するという仕組みが昔はありました。私も実際に瓶を持っていって五円とか十円をいただいてきたこともよくありますが、そのシステムが実際にもうほとんどなくなっている。すべてペットボトルとかそういう紙のものになって、再利用するという一つ仕組みがなくなってきているというお話がありましたけれども、この仕組みをもう一回再検討して、その方向に進めるような意識というか考え方はございませんでしょうか。
  10. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) デポジット制度につきましては、参考人質疑におきまして、回収場所について工夫をすることで導入が可能なのではないかとの御意見をいただいたところでございます。しかしながら、デポジット制度全国一律に導入することにつきましては、回収容器を保管する場所確保の問題のほか、例えば預り金管理仕組み管理コスト回収仕組み転換に伴う回収率への影響などの課題が多くございまして、引き続き分別収集徹底などによる回収率向上を図るべきというふうに考えております。  なお、スタジアムなどの限定的な場所実施する場合には一定の効果を見込むことができると考えられておりまして、これまでも例えばJリーグのサッカー場などもサポートもしてまいってきたところであります。今後とも、実証事業実施などを通じまして引き続き検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
  11. 大石正光

    大石正光君 回収方法とか回収システム、様々な問題で課題があることは事実でありますけれども、しかし、今コンビニや、あらゆるそういう小さなお店がたくさんあります。そして、それぞれ宅配業者にしても、そういう様々な問題にしても、全部そういうことを通じて随分と仕組み全国に何万店という形の中でチェーンを広めている業者もたくさんあるはずであります。  と考えますと、昔のような小さな小売店の小さな店で、さらにデポジット方式の瓶を回収する仕組みということがなくても、そういうすべてのファーストフードショップや、セブンイレブンやファミリーマートのような、あのような形の小さな店を活用すれば幾らでもシステムはつくれるはずなんですね。特に、環境省が進める、地球温暖化の中で、再資源を再利用し、さらに化石燃料をできるだけ使わずに自然のエネルギーを起こしていくという姿勢をしたときに、今のような姿勢であればまるっきり逆行しているような感じがしてなりません。  かつてあったそういう仕組みをもう一回再利用して再活用するという意識と同時に、それを新たに新しい仕組みにつくり変えるというそういう発想こそが環境省にとって必要であり、そういうことを進めていくことが国民に対する意識の高揚につながってくると私は前回お話し申し上げました。しかし、参考人の様々な意見を通じてもそういう意見が結構出ているはずだったのに、なぜそのような前向きの姿勢を示そうとされないのか、その辺もう一回ひとつ御答弁いただきたいと思います。
  12. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 先ほども御答弁させていただきましたが、先生指摘のとおり、このデポジット制度導入全国的にいたしますには、回収容器を保管する場所だとかの確保の問題のほかに、預り金管理仕組みとか管理コスト回収仕組み転換ということが出てまいります。現在の分別収集からこちらの方に転換をいたすということで、回収率などへの影響もどう出てくるかというふうなことも検討していかなくてはならないという課題も多くございます。  したがいまして、引き続き分別収集徹底によりまして回収を行い、リサイクルを進めていくということを図ってまいりたいというふうに考えておりますが、繰り返しになりますが、それぞれの、いろいろ、例えば横浜日産スタジアムでありますとか新潟ビッグスワンなどのサッカー場などを始めとしまして様々なところでの取組もございます。環境省としてもこれらも様々な形でサポートをしておりますが、今後ともこういう実証事業なども通じまして引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  13. 大石正光

    大石正光君 もう少し言葉を換えてお話を差し上げます。  この容器包装リサイクル法最初にできて、様々な、前に申し上げましたように、いろいろ電気製品やそれぞれ自動車のシステムが進んでまいりました。すなわち、この容器包装リサイクル法リサイクルシステムをつくる最初モデルケースになったはずであります。そして、それをモデルにして様々ないろんなシステムが生まれてきた。そして、そのシステムがうまく機能し始めてから、今度は十年後にこのシステムを再検討して改正をするという形になったときに、なぜ後ろ向きの改正をするのかということが私はまだ疑問でならないわけであります。せっかくそれぞれ、レジ袋にしても有料化にしても何にしても、いいことが一杯あるはずであります。  かつて、最初の十年前に実際にこれを成立させたときのそれぞれ担当官人たちの苦労というのは大変だったろうと思う。環境の物語。そして、物を大事にするシステム、そういうことがほとんど国民意識になかったときにこういうものをつくられたわけでありますから、当然、先輩役所皆さん姿勢は私は評価されるものがあったと思う。しかし、それが現実になって、国民意識をし、それぞれごみ回収問題や様々な問題が全部実在になっているときに、ただその仕組みを一部を修正して前向きにするというだけで、思い切った前進をする姿勢を示していかなければ、私はこれの法律意味がほとんどないと前からも言い続けてまいりました。  何回も繰り返しているわけでありますけれども、いつもその話で止まってしまう。すわなち、このシステムができたことによって、消費者意識ごみというものからむしろ廃棄物に物事変わって、ごみを大事にしたり分別する意識が私は薄れてきたということを、参考人意見でもありましたように、そういう実例があることをもう少し踏まえて、もっともっと前向きにするべきじゃ私はないかと、そのように思うんですけれども、そういう点は、ただ検討すると言うだけで、その言葉で終わってしまうことなんでしょうか。もう少し踏み込んだそれぞれに御答弁はないでしょうか。  もう一度ひとつお答えいただきたいと思います。
  14. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) この容器包装リサイクル法を施行して十年、随分、先生指摘のようにごみに関する国民全体の意識それなりに高まってきていただけたというふうに考えております。当時のお話先生御承知のとおりかもしれませんが、かなり難しい中でこの制度は成立をしてきております。そういう意味で様々な問題点も抱えていたわけであります。  今回、特にその中でも直截的にリデュースをやっていこうという、レジ袋を始めとしますいわゆる排出抑制対策に大きく踏み込んでいこうということも今回新たに創設させていただいておりますし、それから、事業者から市町村への拠出による、いわゆる市町村事業者の連携による、より一層効果的、効率的なリサイクルを進めていこうということも、これもそれぞれの消費者役割市町村役割事業者役割、それらを踏まえましてそれなり前進をさせていただいたつもりであります。かなり、十年前に制定させていただきまして、その後十年たちまして見直して、今回、更にこのスリーRがこの制度前進をできるものと思っております。  今御指摘デポジット制度につきましては、これをいきなり全国導入する、こういうことに関しましては、現在のこのシステムを全面的に変えるということにもなりますし、そのときの先ほどから申し上げましたような問題点が多々あるわけであります。そういう意味で、各地でそれなりスタジアムなどで取り組まれているようなこういうローカルなデポジットなどに関しまして、環境省としても必要な情報提供をするなどの支援をこれまでも行ってまいってきておりますし、今後ともこういうことを通じまして、更にどういうふうにすればうまくいくのであろうかというふうなことも考えながら、またそれとは別に様々な実証事業実施し、今後とも更にスリーR前進させていけないかということを考えてまいりたいというふうに考えております。
  15. 大石正光

    大石正光君 是非、御検討いただきたいと思うわけであります。  先ほど申し上げましたように、容リ法ができてから消費者意識が変わって、ペットボトルごみのような形になってきたわけでありますけれども、そうした結果、企業責任自治体責任へと大きく拡大していったというような話もありました。そしてまた、今回の改正案によって自治体がする負担が大きくなっていって、結局は改正案自治体負担を増やすだけにすぎないということになるんではないかという話もあったわけであります。  前にお話しのように、私は負担は平等にするべきだと。すなわち、製造した者から実際にそれを流通して販売して利益をした人たちまで平等に負担することによって意識拡大とそれの広報活動につながってくる。それは消費者だけじゃなくて、それに携わった人たち意識も変えていくことによって全体の意識が変わっていく。私はそういうことが絶対必要だと言い続けてきたわけでありますが、昨日の参考人の中にもそういうような、まあ平等に負担するということまでは言ってないにしても、それぞれ企業責任自治体負担が増えるという意見もありました。その辺はひとつどのように検討されて考えていかれるんでしょうか。
  16. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 特に、今の御指摘の中でガラス瓶の方の利用が減少してペットボトルが増えているというお話ございました。そもそも、ガラス瓶の方の利用製品が減少をしましてペットボトル利用製品が増加しているといいますのは、消費者が飲料をかばんなどに入れて持ち運ぶことが多くなっていることや、割れる可能性のある容器を敬遠するようになっていることなどの消費者ライフスタイル変化によるところが大きいのではないかというふうに考えております。そのような消費者ライフスタイル変化によりまして使用される容器包装変化をいたしまして、それに伴って社会全体における負担構造変化することも考えられますし、やむを得ないところではありますが、いずれにいたしましても、リターナブル容器使用促進を図るというふうなことも循環型社会構築にとっては大変重要な課題だというふうに考えております。  このリターナブル容器の普及に向けましては、これまで自主回収の認定という制度が現在ございますが、おおむね九割程度できていればあとは優遇するという制度でありますけれども、この九〇%というところの運用を要件を緩和するなど、瓶の自主回収などに対するインセンティブの制度を活用しましたり、先ほど申し上げた横浜新潟などのサッカー場の例のようなスタジアムイベント会場などの公共施設におけますリユースカップなどの使用促進でありますとか、市町村におけますリターナブル瓶分別収集に関する実証事業実施などによりまして、今後ともこういうリターナブルというふうなものも何とか活用をしていただけるように引き続いて努力をしてまいりたいと、このように考えております。
  17. 大石正光

    大石正光君 次に、昨年、経団連がいろいろとごみの問題に対して提言を出されたはずであります。その出された中で、それぞれ企業はこれだけの責任を負っている、消費者意識向上させるためにごみの中できれいになってないプラスチックの皿とかそういうものは受け取るべきではないというふうな話も実は意見としてあったわけであります。しかし、それは国民意識をちゃんとやるためだけじゃなくて、企業責任も当然あるはずであります。ペットボトルはある程度の形のデザインが決まって、その上の包装の紙の部分が変わるだけで、ほとんど同じようなペットボトルであります。しかし、トレーとか皿とかはいろんな種類があって材質も違って、一体何をどう使っていいか分からないし、それをどうごみに捨てていいか分からないという、それは生産者側の問題も私はあると思うんですね。  ですから、そう考えていくと、実際に商品の単価に上乗せするような拡大生産者責任というものをはっきりやはりさせていって、そしてそれぞれ公平に負担をしていくという形の仕組みをつくることの方が私は大事じゃないかということで、我々も拡大生産者責任をきちっとするべきだという一つの御意見もありますけれども、この辺に関してはどのような形で検討され、前向きに進まれるつもりでしょうか。
  18. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) まず、拡大生産者責任につきましては、現在の現行容器包装リサイクル法の中にも一定盛り込まれておりまして、特にこの拡大生産者責任ガイダンスマニュアル、OECDの方から出されておりますが、これは下流側の、特に市町村負担部分の一部の責任上流側に転嫁する、この場合に、国により、物によりその特性に合わして行うというふうな概念になっております。そういう意味で、この容器包装リサイクル法に関しましては、拡大生産者責任というものは既に盛り込まれた制度となっているという認識であります。  その上で、経団連の方から、今御指摘の昨年十月に、「実効ある容器包装リサイクル制度構築に向けて」と題する意見書が公表されたわけであります。この中では、一昨年夏から中央環境審議会産業構造審議会で行われておりました容器包装リサイクル制度見直し議論の中におきまして、産業界はこれまで両審議会などの場で、現行役割分担見直し事業者への単なる費用の付け回しにすぎないと繰り返し主張してきたと述べられております。この意見書は、中央環境審議会におきましても経団連代表委員から資料として提出されまして、中央環境審議会ではこうした意見参考にしながら審議が重ねられてまいりました。  この役割分担見直しにつきましては、経団連意見も含めまして、その効果問題点などに関しまして様々な議論が行われましたが、その結果として、市町村による分別収集の質の向上事業者によります再商品化質的向上を一体的に促進するとともに、容器包装廃棄物リサイクルに係ります社会的コスト抑制を図るという観点から、今回の改正案で創設することとさしていただいております事業者市町村資金拠出する仕組みについて提言が取りまとめられたものと理解をいたしております。
  19. 大石正光

    大石正光君 次に、レジ袋についてちょっとお伺いをさせていただきます。  いろいろと、先ほども私は、前回委員会で、レジ袋に対する様々な有料化、そしてレジ袋が規制をして環境省が一〇%という表現をしたということの中で、私はほとんどの、生協も含め様々な業界が三五%の目標設定で一生懸命努力をしているというお話をさしていただきました。  実際に、コンビニエンスストアが二〇一〇年までに三五%削減するという新聞発表もありますし、また一方、スーパー、チェーン協会も同じようにその方向努力をするという話をしてまいりました。実際に参考人の中にも、実際に五円とか十円の有料化にすることによって、レジ袋を使わずにちゃんと自分の袋を持って、先ほど大臣ふろしきの使い方をあした三越で説明するように、そういう前向きの指導をするという話もありましたことについては、どのような形で考え、資源是非守っていくというものの中では、三百億枚のそのレジ袋をできるだけ減らしていくという方向と、その資源是非とも減らさないような形での環境を守っていくという方向では、どのような形でこれを方向性として考えていかれるのか、そのことをちょっとお答えいただきたいと思います。
  20. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 政府が示さしていただきました一〇%という数字は、先進的な企業ポイント制などの導入によりましておおむね一〇%程度削減を実現しているということを踏まえまして、すべての業種を、あらゆる業種等を通じて見込むことのできる削減程度というものをお示ししたものであります。  一方、フランチャイズチェーン協会のように、業界独自に一層の自主的取組を図るべきより高い目標を掲げることは、これはもう歓迎すべきことと考えております。  今後とも、各省と連携しまして、このような業界の自主的な取組を一層促すことによりまして、より大きく排出抑制が進むよう努めてまいりたいというふうに考えております。
  21. 大石正光

    大石正光君 大分時間も少なくなってまいりました。私は、ごみという意識と同時に、産業廃棄物として捨てるのか再利用するのか、それぞれ意識の違いはあると思いますが、前の質問でもお話ししましたように、JRのあの弁当箱のあのような形のごみ、ああいうものを単なる産業廃棄物として処理するだけではなくて、再利用するような仕組みをもう一回やっていただきたいことが私の気持ちでありました。  ですから、そういうことを含めて、是非環境省は、経済産業省自動販売機や、さらにはJRみたいなああいう形による、国土交通省に対する指導とか、環境地球温暖化資源を大切にするという意識の中で、是非とも、そういうものをそれぞれの役所がもう少し環境というものをもっともっと前向きで考えて、是非とも再利用化したり、さらにはそういうものが資源をできるだけ大切にするという意識を持つような指導的な立場に私は環境省に立ってもらいたいと、そのことを是非お願いしたいわけであります。  それで、実は最近、様々なテレビの中でその資源ごみの問題が出てまいりました。特に、我々、弁当や様々にあるはしの問題、割りばしですね、中国からいろいろほとんど輸入している割りばしが、突然、中国から五割の値段の値上げということになりました。そうしますと、それぞれチェーン店では、はしが大変だからといって、是非それを自分で持ってきてくださいと。そのことに対しては特別にポイント制を付けて、十回やったら何かをお返ししますとか何かをサービスするという仕組みをやろうとしてその仕組みが変わってきたと同時に、割りばしからプラスチックはしに変わったりと、そういう意識が非常にありました。  昔、木を大切にするために割りばしは使わないという意識の運動がたしかあったことは振り返るとあるわけであります。ところが、今回の中国が言っている問題は何かというと、地球温暖化の問題で、資源を大事にする、そして木を切って森を少なくしてしまうから、そういう意味割りばしはできるだけ使わなくて値上げをするというような形のそういう理屈が付いてきたような感じの記憶をしております。  私は、日本は環境を守って自然を豊かにしている、そしてそのことをやっているのに、中国はどんどんどんどん外国から木材を輸入しています。特に、シベリアからは猛烈に輸入をして中国国内で消費をしている。消費が猛烈に強い大きな国であるのに、中国からそういうことを言われること自体、私はおかしいような気持ちがあったわけであります。  ですから、そういうことを考えたときに、一体これからのそういうごみ、さらにはそういうような環境問題という中で、一体どのような形にしていくのか。私は、ペットボトルにしても、要するにプラスチックのお皿にしても、同じような形で、今ペットボトル中国に燃料とかいろんな材料として途中から輸出されて中国が輸入しているような形もありますが、このペットボトルやお皿も必ず割りばしのような形で中国から言われてくる可能性が非常に強いと思っているんですね。  こういうところについてやはり行政の指導方向性をきちっとしていくことによって、こういうことが言われなくなるように是非指導するべきだと思うんですが、そのことの方向をちょっとお伺いしたいことと、このことについて大臣の御意見をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  22. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 使用済みのペットボトルにつきましては、消費者の分別排出市町村によります分別の徹底が図られてきたことによりまして、近年、有価物として国内事業者に引き渡され、海外に輸出されるという事態が生じておるのは御指摘のとおりであります。このことは、国内のリサイクル体制の確保の観点から喫緊かつ重要な課題となっておるという認識でございます。  こうした事態に対処いたしますために、今回の改正におきましては、法律に基づきます基本方針の規定事項に、分別収集された容器包装廃棄物の再商品化のための円滑な引渡し、その他の適正な処理に関する事項を新たに追加することとさせていただいております。これに基づきまして、基本方針におきまして、例えば、市町村が自ら策定した市町村分別収集計画に基づいて分別収集をした使用済みペットボトルなどを円滑に指定法人などに引き渡すことなどを規定することを考えております。  このほか、使用済みペットボトルを国内リサイクルシステムに誘導するために、輸入国におけます廃棄物の受入れに関する国内法等の調査や、その結果の市町村などへの通知を行いまして、安易な輸出が行われないようにすること、使用済みペットボトルの国内リサイクルを推進する市町村が情報交換などを行う場を設定するなどいたしまして、市町村の自発的な努力促進することなども検討いたしております。  また、使用済みペットボトルにつきましては、指定法人が行う入札におきまして、リサイクルを行う落札者が指定法人に金銭を支払ういわゆる有償入札が平成十八年度から実施されております。指定法人が受け取りました収入につきましては、これを市町村拠出する方向で具体的なタイミングや方法等について検討しているところでありますが、これによりまして、結果的に市町村を指定法人ルートに回帰させる効果も期待できるというふうに考えております。  これらの取組を組み合わせまして、市町村が集めました使用済みペットボトルが国内で円滑に再商品化されるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
  23. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) スリーRの問題におきましても、それから地球温暖化の問題におきましても、私は、国境を越えて、そしてアジアという地域全体で考える時期になってきているんであろうと思っております。  ただ、やはり廃棄物は、基本的には我が国国内できっちりと処理をしていくという体制を取っておきませんと、また例えば中国なども大変な経済発展の中で、日本から受け入れていたけれども、これからは受け入れられないというようなこともいつの日か起こるかもしれません。そのことを考えますと、我が国における循環型社会の形成と同時に、ごみというか、廃棄物も分別することによって資源に変わるわけでございますので、それをうまく活用できるような地域的な輪、双方を機敏ににらみながら対応していく必要があろうかと思っております。  いずれにしましても、割りばしの問題にいたしましても、経済性の結果そうやって中国産のものが使われてきたんだろうと思っております。それから、マイはしというような運動もございます。一方で、割りばしなどは、間伐材がうまく使われることによって森が、山がキープされるということにもつながっております。ですから、いろんな文脈の中で総合的に何がベストかということを判断しながら、自然の保全、環境の保全、そして地球温暖化対策、非常にあちこちにいろんな要因がございますので、それを機敏に組み立てながら進めていくのが必要かと思っております。
  24. 大石正光

    大石正光君 ありがとうございました。
  25. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。まず、循環型社会の形成に向けて質問させていただきたいと思います。  容器包装リサイクル法が平成七年に成立をいたしまして十年が経過をいたしまして、分別収集や再商品化は着実に進められてきております。また、この最終処分場の残余年数も一定の改善が見られているかと思います。こういった成果がある一方で、循環型社会形成推進基本法におきましてリサイクルよりも優先されるべきリデュース、リユースの取組は不十分じゃないか、こういった指摘もございます。  実際に家庭から排出されています廃棄物の量は、平成十五年のデータでございますが、約三万四千トンということでありまして、この家庭ごみに占める容器包装廃棄物の割合は六一%になっているということでございます。この数値はここ数年横ばいになっているということで、容器包装廃棄物のリデュースが進んでいないことを表しているのではないかと思っておりますが、先ほど大石委員の方からも御紹介がありましたが、モスバーガーのポリ袋禁止、またフランチャイズ協会の方でもレジ袋削減取組目標を掲げて取り組むということで、そういったお話もございましたが、今回の改正を踏まえまして、環境省として循環型社会の形成に向けてこういった削減目標を考えているのか、また、その達成に向けてリデュース、リユースの対策にどのように取り組んでいくのか、まず大臣の方にお考えをお伺いしたいと思います。
  26. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) よくスリーR先ほどもお答えさせていただきましたが、せんだってもそれは何だということで、もっと分かりやすく言えというような御質問があったかと思います。  一言で申し上げますと、もったいないことはやめましょうに尽きるわけでございますが、ただこの世界、きっちりとどうあるべきかを示す際に、抑制をしていきましょうと、排出抑制と、それから資源を大切に使っていきましょうという意味でのリデュース、循環型社会形成推進基本法の基本原則に基づいてまず最も優先して取り組むべき課題でございますので、今回の改正案でもこのリデュースを一層推進するということがまずベースになっております。そしてまた、その中で、事業者が取り組む際の判断基準容器包装廃棄物排出抑制推進員制度導入といったことも柱といたしております。  今後、特にレジ袋使用抑制について、この推進員の制度を活用しながら、また先ほど来御紹介させていただいておりますふろしきであるとかマイバッグなど、これまでのレジ袋に代わるようなものというか、元に戻って、昔、お買物行くときはこんな何かかごなんか提げていましたよね、ついウン十年前だと思いますけれども。そういったことなども、むしろ普及と言うよりも復活と言った方がいいのかもしれません、そんな国民運動も展開してまいるということで、やはりリデュースがまず真っ先に来る。  そしてまた、リユースにつきましても、リターナブル容器自主回収に対してのインセンティブの活用、それから、あしたからワールドカップがドイツで開かれますけれども、日本におきましても、いろんなそういったイベントのときにリユースできる、繰り返し使えるカップの試験的なモデル事業なども行ってきております。  そういった使用促進などをやってきているわけでございますが、さらに、今年度から市町村によりますリターナブル容器分別収集に関する実証実験なども行うことといたしております。数値的には、循環型社会推進基本の設計の中におきまして、これらのリデュース、リユースを進めていくことが肝要かと考えているところでございます。それらによって目標の達成を行っていきたいと考えております。
  27. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  また引き続き是非消費者皆様、また事業者皆様、また自治体皆様、様々な方々の協力をいただきながら着実に、このリデュース、リユースの対策、進めてまいりたいと思いますが。  今大臣の方からも御紹介がありましたが、リターナブル容器利用普及ということで今モデル事業実施しているということで、昨日も局長の方からそういった紹介がございましたが、今具体的にどのようなモデル事業が進められているのか、またそのモデル事業を受けて、その結果を受けまして今後どのように展開していくのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  28. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 容器包装廃棄物削減スリーRの推進に係ります自主的かつ先進的な取組支援することによりまして循環型社会の形成を促すということをやっていこうということで、リターナブル容器の普及の促進レジ袋などの削減対策取組につきまして今年度よりモデル事業実施する予定であります。  これは先ほど大臣の方からも、リデュースの重要性、目標に向かってということで御答弁されましたが、以前、一般廃棄物、五%を目標廃棄物処理法で定めてございますので、これへ向かってしっかりと取り組んでいくということでありますが、このリデュースを進めていくことはそういう意味でも大変重要なことでございます。  このリターナブル容器の普及促進に関しますモデル事業としましては、いわゆるRマーク瓶、それからビール瓶、一升瓶などのリターナブル瓶の普及促進を図りますために、特に先進的な取組を行っている地域につきまして、自治体、販売事業者業界団体、地元消費者などの関係者の果たすべき役割検討しまして全国への展開を検討する事業でございます。それから、市町村によりますリターナブル瓶分別収集促進するために、先進的な分別収集を行っている自治体につきまして、コストを含む効果、効率性を検証いたしまして、全国へ展開していく可能性と必要な支援策を検証する事業の二つの事業を行う方向で、現在、関係業界あるいは関係団体と調整を行っているところであります。これらのモデル事業の結果を踏まえまして、リターナブル瓶の活用が一層進むよう市町村などへの支援検討をしてまいりたいと、このように考えております。
  29. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  このスリーRを推進していくために重要な取組であるかと思いますので、是非とも積極的に進めていただきたいとも思いますが。  先ほどから御紹介もありましたリターナブル容器の活用ということで、大分県や横浜のサッカー競技場でリユースカップを導入したという事例があると伺っております。サッカー場等のイベント会場で、ここにはやっぱり数千人から数万人の方が集まるわけですけれども、ここでは大量なごみも発生しますし、また従来ですと使い捨てのコップを使っていらっしゃるということが多いかと思いますが、これを何度も使うことのできるリユースカップを利用する、こういった取組が私も大変に重要かと思っておりますので、是非、このリユースカップの導入推進、今後どのように対応していくのか、進めていくのか、お伺いしたいと思いますが。  あわせまして、先ほども申しましたイベント等におきましては、ごみゼロを目指すこともそうですし、あとそのほか電気だったり水だったり、そのほかの資源の節約も大変重要な取組かとも思いますので、これは実は我が党としましても、イベントのごみを減らすことと省エネの推進取り組ませていただいておりまして、是非進めていきたいとも思っておりますが、これを取り組むに当たっての、またこれも基準といいますかガイドラインのようなものはしっかりと作って、こういったイベント会場、コンサート、様々あるかと思いますが、多くの人が集まるところでのこういったごみゼロ、また資源の節約に進めるような、そういった取組が必要かとも思いますが。  併せてこの二つ、お伺いしたいと思います。
  30. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) サッカースタジアムイベント会場におきます飲食店の出店や利用に伴いまして多くの使い捨て容器使用されまして、排出されるごみ量も膨大となるわけであります。これを少しでも減らす手段としましてリユースカップを使用することにつきましては、一般市民の目に見える形でスリーRを進めるという、そういう観点からも効果的な取組であるというふうに認識をいたしております。  こうした観点から、環境省におきましては、Jリーグのいわゆる横浜日産スタジアムでありますとか、新潟ビッグスワンでありますとか、こういったサッカー場などでのリユースカップの導入支援いたしまして、リユースカップの回収状況などを調査の上、その普及のための課題を分析しまして、今後幅広い導入に当たってのマニュアルなどの作成を進めていることを行っております。  そのほか、自ら実は環境省実施いたしますイベントや会議でのリユースカップの使用も図っておるところであります。例えば、この二月の二十七日にお台場で開催いたしました、スリーR普及のための音楽イベントをやらしていただきました。リ・スタイル・ライブという、ライブをやらしていただいたのでありますが、大臣も来ていただきまして、若い人にふろしきを広げて訴えていただきましたが。それと、三月に開催さしていただきましたスリーRイニシアチブの高級事務レベル会合におきましても、リユースカップを使用さしていただいたりしております。  今後とも、こうした取組を通じまして、イベントなどでのリユースカップの普及に努めてまいりたいというふうに考えております。  それから、イベントにおけますごみの発生抑制とか省エネなどの環境配慮ということでありますが、これはスリーRの推進や地球温暖化対策の観点から大変重要であるというふうに考えております。  環境省では、環境省自身の事業として、諸活動を対象としまして環境マネジメントシステムを設定いたしておりまして、環境省主催のイベントなどにおけますリユース容器使用や省エネの推進など、環境配慮の実施を位置付けまして取組を進めているところであります。それから、地球温暖化対策推進法に基づきます政府の実行計画の次回改定に際しまして、政府が主催するイベントにおける環境配慮を盛り込むことも検討いたしております。さらに、民間のイベントにおきましても、リユースカップの使用などの促進先ほど申し上げましたように推進もしておりまして、その効果を検証する調査も実施いたしてまいったわけであります。  以上のような取組を今後とも推進していくことによりまして、イベントなどにおきますごみの発生抑制と併せまして、省エネなどの環境配慮を一層進めてまいりたいというふうに考えております。
  31. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  環境省の方でもしっかりとそういった環境配慮の取組をイベント等でも行っているということで御報告いただきましたが、それは引き続きしっかりと取り組んでいただきまして、また、民間におけるイベントにおきましても、主催者の方、また参加者の方にも御協力をいただいて、こういったリデュース、リユース、省エネに積極的にしっかり取り組んでいただけるように、またこういった積み重ねが大きな着実な成果にもつながるかと思いますので、是非ともこういった積極的な対応、再度要望させていただきたいと思っております。  次に、分別収集のことで質問させていただきたいと思いますが、昨日も名古屋市の方から分別収集お話を伺いましたけれども、それに対しまして、東京二十三区の方では、逼迫する最終処分場の延命を図るためにプラスチックごみを燃えるごみとして収集してサーマルリサイクル、焼却して発電に利用する、こういったことをすることによりまして最終処分量を減らすと、こういった方針を打ち出したと聞いております。  しかし、この最終処分量を減らすためには、名古屋市の取組にありましたように、容器包装廃棄物をしっかりと分別収集をして、可能なものは再商品化して、そしてどうしても再商品化できないものはサーマルリカバリーする、こういったことが適切な対応かと思っておりますけれども、この二十三区のようにプラスチック製の容器包装廃棄物分別収集していない市町村の割合ですが、平成十六年度で四割以上になる、このようにも伺っておりますので、循環型社会を形成する上でまず重要な第一歩の取組といたしまして、地域の皆様にも御協力をいただいてプラスチック製の容器包装廃棄物分別収集にしっかりと取り組んでいただくことも重要かと思いますが、今後の対応をお伺いしたいと思います。
  32. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) プラスチック製の容器包装廃棄物を分別する市町村の割合は、平成十六年度で五七・五%でありまして、年々増加しておりますものの、御指摘のとおり約四割の市町村はいまだ分別収集を行っていないという状況でございます。  御指摘にございました東京の区部二十三区に関しましては、いわゆるこの容器包装リサイクル法分別収集という以前に、可燃物として焼却してエネルギーを回収するというその以前に、今不燃ごみ、いわゆる焼却不適物といいますか、不燃ごみとして最終処分をしておるわけであります。これは、中央防波堤外側の、新海面という、最後の最終処分場と言われておりますが、処分場が大変逼迫しているにもかかわらず、なお、歴史的な経緯もございまして、埋立て処分をしているということでありまして、大変最終処分場、逼迫、容器包装リサイクル法の施行の結果かなり貢献してきたとはいえども、この大都市圏におきまして逼迫、せっかくある貴重な最終処分場の空間が大変なスピードで消費をされているという現実があるわけでありまして、これをエネルギーを回収することをまず区部二十三区は決められたということでありますが、それで十分というわけではございませんで、やはりその上で、この容器包装リサイクル法の趣旨に従いまして分別収集をし、リサイクルということで取り組んでいただきたいというふうに考えております。  ただ、こういうところが東京二十三区部だけでなく、四割の市町村があるということでございます。このために、今回の改正を契機といたしまして、容器包装リサイクル制度の趣旨につきまして一層効果的な普及啓発実施する予定にいたしております。分別収集を行っていない市町村に対しましても、何とかプラスチック製容器包装分別収集を始めていただくよう様々な機会をとらえて促していきたいと思っております。  また、環境省におきましては、現在、望ましい一般廃棄物分別収集などの方法に関するガイドラインの作成に向けた検討を進めておりまして、十八年度中にはこれを取りまとめまして各市町村に対して周知を図ることといたしております。  なお、今回の改正によりまして、質の高い分別収集を行いまして再商品化の効率化に寄与をする市町村に対する資金拠出制度を創設することとしておりますので、これによりましてプラスチック製容器包装廃棄物を含めまして市町村によります質の高い分別収集促進されることを期待いたしておるところであります。
  33. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  市町村皆様にも大変御協力もいただくことでもありますし、しっかりと引き続き市町村の方の御意見も伺いながら分別収集の方も取り組んでいただきたいと思いますので、併せて要望もさせていただきたいと思います。  続きまして、国民意識向上についての取組を、まず副大臣の方にお伺いしたいと思いますが、国民皆様にはそれぞれの場所で循環型形成に向けてそれを担っていただくわけになりますので、このスリーRに対する意識向上を図っていくためにどのような取組をされるのか、副大臣の方にお伺いしたいと思います。
  34. 江田康幸

    ○副大臣(江田康幸君) 今回の改正案におきましては、容器包装廃棄物排出抑制促進するために事業者が取り組む際の判断基準を策定することとしておりますけれども、先生指摘のとおり、同時に消費者においても、例えばレジ袋等を使わないといったライフスタイルの変革を起こしていくことが非常に不可欠でございます。  ライフスタイルの変革には、私は意識の改革、心の改革が伴わなければならないと思っておりますが、本年再来日されましたケニアの副大臣でノーベル平和受賞者のワンガリ・マータイさんとも私もお会いしてお話しする機会がございました。マータイさんは、世界じゅうで環境保全、循環型社会構築を進めるために、日本古来のもったいないの言葉を広めていただいているわけでございますが、このもったいないの心というのが、やはり自然を敬って限りある資源を大切に使うという、日本人が持ってきた美徳でもございます。しかし、これまでの大量消費、大量生産、大量廃棄の中で日本人が忘れかけていた心でもございますが、今回の法改正を機に、このもったいないの精神を再び根付かせて、重点的にこのスリーRに対する国民意識向上を図ってまいりたいと思っております。  具体的には、今回の改正案によって設けられます容器包装廃棄物排出抑制推進員制度効果的な活用を図ります。また、今年度の予算事業におきまして、先ほど大臣からもおっしゃっていただいておりますような、もったいないふろしきとかマイバッグ、もったいないバッグというようなものの普及、このもったいないの精神を生かしたような取組が各主体において広がっていくように広報活動を広めて、容器包装に関するこのスリーRの推進を国民運動として大きく展開したいと思っております。
  35. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  先ほど来、やっぱりスリーRという言葉よりも、もったいないとかそういう言葉の方が分かりやすい、国民皆様にも分かりやすいという声もございますし、是非、今、様々ふろしきのこととか御紹介いただきましたが、そういった分かりやすく国民皆様意識向上につながるような取組をしっかりと行っていただきたいと思います。  今の副大臣答弁の中にもございましたが、今回の改正案消費者意識向上、また事業者との連携を図るために推進員、容器包装廃棄物排出抑制推進員、これが大臣によって委嘱されるとございます。この推進員の役割はやはり大きなものがあると思いますが、その推進員は当面百人程度を予定しているということで、これは率直に少ないのではないかというそういった実感もありますけれども、昨日の参考人の方からも、やはり専門的な知識のある方、そういった方が必要ではないかという御意見もありましたので、そうなりますとやはり人数も限られてくるとは思いますが、これはちょっと提案なんですけれども、是非この百人近い推進員の方を中心に、各地域におきまして、この方の下、研修を行うなどしまして、準推進員のような、そういった方をしっかりと育成していただいて、しっかりと地域に入ってこういった消費者意識向上事業者の連携を図るような取組が地域に根付いていくような体制づくり、仕組みづくりも重要かと思いますが、御簡潔に答弁をお願いしたいと思います。
  36. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 容器包装廃棄物排出抑制推進員の委嘱する人数は、他の類似法における推進員制度参考にいたしまして、約、御指摘のように百名程度を想定をいたしております。  推進員には、容器包装廃棄物排出の状況や事業者消費者との連携によります容器包装廃棄物排出抑制するための重要性について啓発をすることでありますとか、容器包装廃棄物排出の状況や排出抑制するための取組に関する調査を行っていただきまして、消費者に対してその求めに応じてこの調査に基づく助言とか指導を行っていただくようなこと、それから、排出抑制促進のために国や地方公共団体の施策にも御協力をしていただくことをお願いしようと考えております。  個々の推進員の活動に関しましては様々なバリエーションがあっていいのではないかというふうに考えておりますが、そのような中で、御指摘のような推進員に準ずるような方、準推進員といいましょうか、このような方々を置いて、協力して推進員の活動を広げていくというふうなこともあり得るのではないかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、推進員の活動につきましては今後更に具体的な検討を進めてまいりますが、御提案の趣旨も十分に踏まえまして、実効が上がるような仕組みとしていきたいと考えております。
  37. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  それぞれの役割を明確にしていただいて、この仕組みづくりも併せて検討をお願いしたいと思います。  最後に、経済産業省の方に質問させていただきたいと思いますが、廃エアゾール缶の処理について質問をさせていただきたいと思います。  この件に関しては私も委員会で二回ほど質問をさせていただきまして、加藤委員の方からも質問をした件でございますが、廃エアゾール缶の処理に当たって、消費者の方が処理する際に穴を空けるときに爆発したりとか、パッカー車で回収する際に引火して火災が起きたり、こういった事故が起きているということもありまして、安全な処理体制、事故を防止できるような安全な処理体制を確立することを要望してまいりました。  環境省経済産業省の下、産業界自治体、連携して安全な処理体制が構築できたと、こういったお話も伺っておりますので、その内容についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  38. 塚本修

    政府参考人塚本修君) お答え申し上げます。  先生の今の御質問、廃エアゾール缶の処理でございますけれども、先生お話がありましたとおり、エアゾール缶の中身の残留による収集時等の事故を未然に防止すると、そういうことで、当省、それから環境省とともに、産業界それから自治体に対し、適切な役割を果たすようにということでお願いをしてまいりました。その結果、今年の二月に両者の間で安全処理における役割分担、基本的な役割分担について合意がなされたということでございます。  そのまず一点目は、産業界においては、平成十九年の四月をめどに廃エアゾール缶に中身を完全に出し切る排出機構を装着するとともに、希望される自治体には業界負担で廃エアゾール缶の処理機を譲与するということ。それから二点目は、一方、自治体の方は産業界とも協力して、消費者である地域住民に、その中身を使い切って出してくださいということで正しい排出の仕方などの啓発を行うと、こういうふうな基本的な役割分担を合意していただいたと。  それで、その合意の上で、現在まで、まず産業界は、先ほど自治体への譲与の件ですけれども、先行譲与として既に四自治体に対しまして廃エアゾール缶の処理機の譲与を決定しておりますし、それから、一部既に市場には出回り始めておりますが、先ほど申し上げました中身を完全に出し切る中身排出機構の装着を鋭意進めております。来年の十九年の四月には完全に装着が終わるように大変精力的に取り組んでいただいていると。  それから、このような動きに対しまして、政府といたしましても、環境省それから経済産業省合同でこの四月にテレビとかラジオ等を通じまして政府広報を、廃エアゾール缶などの適切な処理ということで政府広報実施しておるということでございまして、引き続き、この廃エアゾール缶対策を適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  39. 市田忠義

    ○市田忠義君 中央環境審議会廃棄物リサイクル部会の中間取りまとめですが、その中で市町村及び特定事業者の費用負担の対応についてどのように記述されているか、簡潔にお述べください。
  40. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 中央環境審議会の中間取りまとめでは、次のように記載をいたしております。「以上のような各視点、すなわち、拡大生産者責任事業者による容器包装廃棄物の発生抑制・再使用促進市町村による分別収集促進リサイクル質的向上社会全体の容器包装廃棄物処理コストの低減等の視点を踏まえれば、引き続き市町村分別収集・選別保管を責任を持って行いつつ、事業者分別収集・選別保管に対しても一定の責任を果たすという役割分担が適切であると考えられる。」。
  41. 市田忠義

    ○市田忠義君 西宮市の場合ですが、ペットボトルの収集量五百二十五トンのうち、八八・七%の回収率で四百六十五トンを指定法人に引き渡しています。ペットボトル収集経費は七千二百十九万五千円、選別保管管理費が一千三百五十八万九千円、合計八千五百七十八万四千円。そのうち特定事業者負担額が二千二百三十二万円で、二六%であります。これに対して、市の負担率は四七%であります。  こういう実態があるからこそ、事業者がこれらの費用の一部を負担することが適切だと、中環審はそういう認識で述べたんでしょうか。いかがですか。
  42. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 中環審の取りまとめ、中間取りまとめに関しましては、今のお話もあると思いますが、様々な実態、それからこの段階での御意見を踏まえて、このように取りまとめられたものと承知いたしております。
  43. 市田忠義

    ○市田忠義君 これだけではないにしても、これも大きな要因だというふうに確認していいかと思うんですが。  じゃ、お聞きしますが、日本経団連、昨年十月に「実効ある容器包装リサイクル制度構築に向けて」という見解を発表しました。その中で、中環審の中間取りまとめの費用負担見直しについてどう主張しているか、御説明ください。
  44. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 経済団体連合会の意見書「実効ある容器包装リサイクル制度構築に向けて」の中では、次のように記載されております。「同「中間とりまとめ」は、「消費者による分別排出、地方自治体による分別収集事業者による再商品化」という現行法の役割分担見直し、地方自治体分別収集役割あるいは費用の一部を、事業者に負わせる内容になっており、費用負担増の事業活動への深刻な影響が懸念される。 産業界はこれまで両審議会等の場で、このような役割分担見直しは、今回の法の見直しにおいて本来目指すべき容器包装廃棄物排出抑制効果に乏しく、事業者への単なる費用の付回しにすぎないと繰り返し主張してきた。しかし、残念ながらこうした産業界の主張は、「中間とりまとめ」において受け入れられなかった。」。  以上です。
  45. 市田忠義

    ○市田忠義君 結局、事業者分別収集費用の全部あるいは一部を負担させるべきとの意見は妥当性を欠くと、反対だという表明を日本経団連は行いました。  また、この表明の中で、「地方自治体が行う分別収集費用の一部を事業者負担すれば、地方自治体が、効率的な分別収集・選別保管を行おうとするインセンティブが薄れ、非効率な制度となり、社会的コストの増大を招く」と、こういう意見表明もあります。  今度の法改定が、事業者市町村資金拠出することによって自治体分別収集費用の一部を負担するためのものなのだというんだったら、効率的な分別収集、選別保管を行おうとするインセンティブは薄れて非効率の制度となって社会的コストの増大を招くと、そういうことになるんじゃありませんか。いかがですか。
  46. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 今の経団連の主張、一経団連の方の主張でありまして、審議会全体ではそのようになってございません。審議会の方の最終的な取りまとめは既に御承知のとおりでありまして、それを踏まえて法案の制定に至ったものでございます。
  47. 市田忠義

    ○市田忠義君 今度の改定による事業者市町村資金拠出するという制度は、市町村ごとの分別基準適合物の質やこれによる再商品化費用の低減額に着目して行うということになっている。これは間違いありませんよね。  結局、分別排出分別収集徹底ということになるわけで、汚れなどの付着していないもののみを分別収集して再商品化を行う、また異物などが混入している、異物混入等の基準を法令で規定して、それを満たさない場合、容リ協会は引き取らないと。地方自治体も、異物混入のある家庭ごみ容器包装廃棄物は引取りを拒否すると、こういう分別排出分別収集徹底した市町村資金拠出を行うということなんですね、今度の法改正は。いかがでしょうか。
  48. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 考え方としましては、大筋そのような考え方でございます。
  49. 市田忠義

    ○市田忠義君 やはり、市町村消費者責任負担を転嫁したことに私はなると思うんです。  自治体分別収集、選別保管の困難さ、これは昨日、三人の参考人の方が意見陳述をされましたが、とりわけその中でも、現場の人が生々しく分別収集や選別保管の困難さを述べられました。そういう困難さを考慮しないで市町村消費者責任負担を転嫁された場合、ますます廃棄物処理の有料化だとか民間委託による住民サービス低下に拍車が掛かるということに私はなりかねないというふうに思います。  さらに、日本経団連拡大生産者責任強化についてどう言っておるか。「「拡大生産者責任」という言葉のみにとらわれて、施策の効果等を十分に吟味することなく、役割分担・費用負担のあり方を議論すべきではない。」と、こう強調しています。  今回の法案というのは、現行制度見直しの最大の課題であった拡大生産者責任徹底する制度を結局盛り込まなかった。現状の消費者自治体事業者役割分担をそのままにしたと。これでは容器包装の発生抑制、再使用が一向に解決されないんじゃないかと。環境省いかがですか。
  50. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 既に答弁申し上げましたように、現行容器包装リサイクル法制度拡大生産者責任の考え方は中に入ってございます。  今回の見直しに関しましては、特に市町村の、今御指摘市町村責任が重くなるんではないかということでありますが、この今回の改正案によりまして市町村が新たに行うべき主な取組は、再商品化質的向上や効率化に向けた取組ということになるわけであります。この再商品化質的向上や効率化を図るための市町村努力は、住民に対します分別の徹底のPRとか分別の指導の方法の改善というふうなものが中心になってくるものと考えられるわけであります。したがいまして、そのために市町村が必要な新たなコスト、そのために掛かるというものはそれほど大きなものではないというふうに考えております。  一方で、今回の改正案によりまして排出抑制が進みますれば、収集するプラスチック製容器包装廃棄物の量も減少してくることになりますし、市町村の収集費用や処理費用の低減に結び付くことも期待されるほか、事業者による市町村への資金拠出仕組みによりまして再商品化の費用の効率化に寄与した市町村には拠出金が配分されることになりますことから、市町村の方に責任拡大していくというふうな懸念は当たらないのではないかというふうに考えております。
  51. 市田忠義

    ○市田忠義君 昨日、自民党、公明党が推薦された参考人の人も、民主党が推薦された参考人の人も、私どもが推薦した参考人、お三人とも、ニュアンスの違いこそあれ、今度の法改定で拡大生産者責任という考え方は盛り込まれなかったと、三人ともそうおっしゃっていましたよ。  私はお聞きしたいんですけれども、今度の法改定で発生の抑制という言葉はありますか、一か所でも。端的に答えてください。発生の抑制、あるかどうか。
  52. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 発生の抑制排出抑制という言葉に含まれる概念というふうに考えております。
  53. 市田忠義

    ○市田忠義君 それはあなたの勝手な解釈ですよ。排出抑制と発生の抑制は違いますよ。そんなことは専門家であるあなたは御存じのはずですよ。  全国知事会、何と言っているか、昨年十二月。拡大生産者責任の考え方を徹底し、容器包装廃棄物排出抑制、再使用が更に促進されるよう、市町村負担している分別収集費用等について事業者負担導入する等、市町村事業者の費用負担及び役割分担について見直しを行うと、そういうことを求めていました。  日弁連、どうか。御存じのように、日弁連というのは弁護士全員加盟制です。だから、いろんな政治的立場の人がおられます。その日弁連が昨年十二月の意見書でどう言っているか。拡大生産者責任の原則を徹底することが必要であると。事業者に収集、保管、再利用、すべての責任負担させるよう改正すべきである、そう主張しています。  私、大臣にお聞きしたいんですが、容器包装の発生抑制、再使用促進させるためにも、中間取りまとめで位置付けられた拡大生産者責任の原則を徹底する規定を盛り込むべきじゃないかと。大臣の認識、いかがでしょう。
  54. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 先ほど来、経団連の中間取りまとめに対しての意見書などについてもお触れいただいておりますが、今回の法律改正に当たりましても、延々、中央環境審議会、産構審、それぞれもう三十回近く審議を経てまとめられたものでありまして、決してその経団連が言うことをうのみにしてやっているわけではないわけでございます。それがためにも、ある意味で延長して、結論出すのを延長して、最後、その中環審、産構審、それぞれで御議論いただいた結果を踏まえての今回の改正案とさせていただいているわけでございます。  それからまた、そういったことから……
  55. 市田忠義

    ○市田忠義君 それだけで結構です。
  56. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) それだけでいいんですか。済みません。
  57. 市田忠義

    ○市田忠義君 私、経団連の要請をうのみにしてなんて一言も今日の質問で言っていないんですよ、先におっしゃったけれども。全国知事会がどう言っているかという話、全員加盟制の日弁連もこう言っているじゃないかと、どうして拡大生産者責任を盛り込まなかったのかと聞いたんです。どうして盛り込まなかったのか、それを盛り込むとどういう不都合があるのか、大臣の認識を聞いているわけです。いろんな人の意見を聞いて、これが結論だということをおっしゃったけれども、どうして拡大生産者責任を盛り込まなかったのか。先ほど政府参考人は、それは排出抑制の中に発生抑制も含まれているんだと、そうおっしゃったけれども、どうして、三人の参考人、三人ともがそう言った発生抑制という観点をどうして盛り込まなかったのかということを聞いているんです。その理由を教えていただいたらいいんです。
  58. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 話途中で終わってしまったわけでございまして。  経団連のみならず、様々な方々の御意見をまとめた形で集約し、そしてそれを今回の改正案に盛り込ませていただいたわけでございます。今回は特に新たに事業者市町村に対して拠出する仕組みを、新たに事業者市町村に対して資金拠出する仕組みを設けたところであります。この仕組みこそが正に拡大生産者責任の考え方を反映したものであると、このような認識を持っているわけでございます。
  59. 市田忠義

    ○市田忠義君 もう全然認識違いますが、時間がないので、別の問題に移ります。  次は、ごみ有料化問題について幾つか聞きます。  各市町村への資金拠出は、市町村ごとの分別基準適合物の質や、これによる再商品化費用の低減額に着目して行うと。こういう場合、消費者の分別排出を推進するということで、市町村容器包装廃棄物有料化を推進することを要件とするのか。時間がないので、要件とするのかしないのかだけ、政府参考人、お答えください。
  60. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 有料化に関しましては、別途国の基本方針として有料化推進すべきというふうにしておりますが、今回の制度で今御質問のところはこれを要件とするものではございません。
  61. 市田忠義

    ○市田忠義君 要件としないという確認しておきたいと思います。  じゃ、改正案事業者自主的取組促進するための措置では、取組が著しく不十分な場合は勧告、公表、命令、罰則を設けています。その際、レジ袋有料化を義務付けることはあるのかないのか。これも、レジ袋有料化の義務付けをするのかしないのか、イエスかノーでお答えください。
  62. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) レジ袋有料化につきましては、ほかのポイント制などのこともございまして、レジ袋有料化というのはレジ袋使用合理化のために有効な手段とは考えておりますが、これ自身を義務付けていくものではございません。
  63. 市田忠義

    ○市田忠義君 義務付けるものではないと言いながら、事業者判断基準となるべき事項にはレジ袋有料化促進を規定しようとしておられる。消費者の十分な意向を聞かないまま、一方的に消費者への有料化の押し付けはやめるべきだと思いますが、いかがですか、その点は。
  64. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 我が国でも、先ほど申し上げたレジ袋有料化が有効な手段であるということに合わせまして、多くのスーパーなどでは既に自主的、多様なレジ袋使用削減取組が進展をいたしております。こういう状況を考えみますれば、今回の改正により設けます、判断基準を設けるわけでありますが、個々の事業者の自主的な取組を尊重しつつ、取組が不十分と考えられる事業者に対して、御指摘の勧告、命令、罰則等を科することによりまして、レジ袋有料化をも含めた多様な方法により取組を進めることが適当であるというふうに考えております。この内容に関しましても、今後様々な関係者の御意見を承りながら内容を主務大臣が定めてまいりますので、私どもも必要な協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
  65. 市田忠義

    ○市田忠義君 我々もレジ袋は減らした方がいいと、そう考えているんです、それはね。ただ、レジ袋の製造業者や小売業者の発生・排出抑制取組を担保しないままで消費者にだけ負担を転嫁するのは問題だということを指摘しているわけです。  昨年五月に改正された廃棄物処理法に基づく基本方針に沿って一般廃棄物処理の有料化を推進していくというふうにされていますが、市町村には有料化が義務付けられているんでしょうか。これは廃棄物処理法の問題ですが、いかがですか。
  66. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) いわゆる市町村で一般廃棄物の収集処理を行っておるわけですが、これに対しまして、有料化するかどうかに関しましては最終的には市町村判断というものでありますが、国の方針としまして、様々な調査検討を加えました結果、ごみの全体を減らしていくためにはごみ有料化は有効な手段ということで、推進すべきという国の方針として市町村に対しましてお示しをさしていただいたところであります。
  67. 市田忠義

    ○市田忠義君 自治体判断することだけれども、国としてはそれを進めた方がいいという考えだということを今お述べになりました。  循環型社会形成推進交付金制度、こういう制度があります。市町村が地域計画を作成し、環境省はこの地域計画が廃棄物処理法の基本方針に沿ったものになっているかどうかを審査、承認することになっています。この地域計画は、施策の内容として有料化レジ袋配布の有料化などを記載することになっています。特に有料化については、平成○○年度までに料金徴収方法、手数料単価について検討を行った上で地域全体で有料化を行うこととするというふうにしています。  先ほど市町村有料化を義務付けているわけではないと言いながら、事実上家庭ごみ有料化レジ袋有料化を行わないと交付金は出さないと。これでは義務付けているのと同じことになりませんか。いかがですか。
  68. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 循環型社会推進形成交付金も従来の補助金の時代から考え方を変えておりまして、まさしく循環型社会を目指していくと、スリーRを目指すんだということの趣旨であります。  したがいまして、基本的には私ども様々な、国としても立場から有料化が望ましいということを申し上げ、有料化すべきと言っておりますから、これはそのようにまず考えていただきたいということでもって交付金のところの要件の例示として挙げているわけでありますが、もし仮にそれを取らないことによって更にリデュースが進んでいくのであるということが、市町村との議論の中で協議をいたしますからはっきりとすれば、必ずしも絶対的なものではないというふうに考えております。
  69. 市田忠義

    ○市田忠義君 まあ、事実上の義務付けに等しいという話だと思うんですよ。  泉佐野市にちょっと聞いてきました。今年四月一日から可燃ごみ処理費用の有料化をこの泉佐野市は実施をしました。市当局はどう言っているか。老朽化が進む焼却場の整備のための交付金を国から受けるためにもごみ有料化が必要と、QアンドAというのを発表して、市民にそういうふうに宣伝しています。こう書いてありますよ。減量化の目標量は、今後国の支援を受けて新焼却施設を建設するには達成しなければならない絶対条件となる、老朽化が進む焼却場の整備のための交付金を国から受け取るために可燃ごみ有料化の目的があると、こうQアンドAにきちんと答えてます。  全国自治体では、建て替えのための交付金を受けるためにはごみ有料化をしなければならないと市民に迫っておると。私は国は、何度も言いますけれども、有料化を義務付けはしていないと、自治体判断だと、しかし有料化することがごみ減量化につながるなら望ましいということを言っているわけです。しかし、事実上住民への有料化を押し付けることになっているんじゃないかと。  私は、少なくともこれは大臣に聞きたいんですけど、有料化を前提条件とした交付金の審査、承認はやめるべきであるというふうに思いますが、この一点についてだけお答えください。
  70. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 交付金をお渡しする際には、やはりただ焼きますよという従来のものの造り直しだけではもう今の時代は良くないわけで、それを更に前に進めるからこそ、意味のある循環型社会構築をするからこそ交付金を拠出する意味があるといった中におきまして、先ほどから御指摘の項目も盛り込まれているものと考えております。  その全体としての循環型社会構築ということがきっちりと認められる場合におきまして交付金というのが拠出されるものと考えておりますので、総合的に考え判断をしたいと思っておりますが、委員の御意見として承っておきたいと思います。
  71. 市田忠義

    ○市田忠義君 昨日、名古屋市の方が参考人で来られましたが、二千数百回住民への説明会やっているわけですね。私は、住民への有料化の押し付けではごみ問題は解決しないと思うんです。有料化をしないで処分するごみの量を減らした名古屋市のように、やはり住民と自治体が協力して取り組むことが大事だと思うんです。そして、生産者責任徹底こそがごみを減らすことができると、やはり交付金制度による有料化の押し付けはやめるべきだと。  もう時間がなくなりましたから答弁は要りませんが、日弁連の意見書でも、家庭ごみ有料化は必ずしもごみ減量に対して効果があるとは言えない、むしろ生産者の責任をあいまいにしかねない点で大いに問題があると。また、レジ袋の有料義務化についても、専ら消費者に発生・排出抑制努力義務を課すレジ袋有料化制度は、発生・排出抑制のための制度としては副次的であって本質的なものではないと、そう強調しています。  いずれにしても、拡大生産者責任の原則を徹底しないまま消費者に安易に費用負担を求めるべきではないということを指摘して、質問を終わります。
  72. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 荒井でございます。  昨日の名古屋の方のお話で、迷ったら資源だと。なぜ迷ったら資源にするのかな、迷ったらごみでもいいし、あるいはなぜ迷うのかなと、こういうことを思ったわけです。  つい最近教えていただいて分かったことなんですが、なぞなぞ的に言いますと、スーパーに行って、今日は夜遅いから、自分だけの総菜を買って御飯を食べましょうと。ホウレンソウの総菜を買って、それにラップがしてありますね。これは資源になるんですか、分別で資源ですか。そして、自分の家でお母さんが一生懸命作りました。同じように、それにラップ掛けます、食べ終わったら。これ捨てるとき、これは資源ですか、ごみですか。参考人、どうですか。店に、どこでもいいですよね、コンビニか何かから買ってきましたよ。それに、ホウレンソウのあえ物があります。それにサランラップなり、メーカー言っちゃいけないのかな、ラップがこう、パックになっていますよね。これ出すとき、ごみですか、燃えないごみですか、資源ですか。それから、逆に、お母さんが作りました。お母さんがちゃんと皿の上にして今度はラップやったんです。同じものです、これ。あえ物です、同じ。これ捨てるとき、ごみですか、資源ですか。どうですか。
  73. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) ラップ一般的な、この容器包装リサイクル法に関しましては、制度のそもそもつくられました本質的なものが、いわゆる本来的には中身というものが欲しいときに容器包装というのがどうしてもくっ付いてこざるを得ない、そこの部分が随分拡大してきたということを踏まえまして、この容器包装というところにターゲットを当て、特にこれがごみの中の容積で六割近いと、重量で四分の一ぐらいあるということで、ここの部分をその対象に制度がつくられております。その結果、ラップでありますと、いずれにしましても、くるんでおるというもので、家庭でラップそのものを買ってきたものに関しましては通常の一般的なごみということで出していただくと。あるいは、これがリサイクルされるようになれば、別途それがその当該市町村によって資源ごみとして扱われる場合も存在していることも事実であります。
  74. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 非常に簡単に言いますと、買ってきたら、ラップはこれはもう容器リサイクルの対象になってくるわけですね。ところが今度は、自分の家でラップをしましたら、これはもう捨てるごみごみです。資源じゃないということです。こういうことが分からない。  じゃ、今度、我々クリーニングに出します。クリーニングに出したあの上に掛かってくるビニール、これは全く今度の容器リサイクル法の対象で言うと、これ資源、再資源ではなくてごみなんです。だから、分からないって昨日名古屋の方が言ったのは恐らくそういうことで、私もクイズやられたらほとんど外れるわけでございます。家庭の中で非常に混同が起きます。  その理由は、今述べられましたけども、買ってきたものの中でどんどんどんどんいわゆるそういうのを、ごみが六〇%になるからそこを何とかしようということでやるんだと、こういう発想なんですけれども、御家庭で考えたら、これ迷っちゃうんです。幾ら分別を徹底しろと言ったって、迷いがあるところを、果たしてどうなんでしょう。使えるんですから、リサイクルできるものもあると、こういうことですよ。そこを整理する必要があるんじゃないでしょうか。いかがですか。分別資源扱いにしたらどうでしょう、クリーニングとかラップとか。  そして、そういうもの一杯あります。ポリバケツ、ラップ類、景品を入れた紙袋や箱、CDのケース、握りずしの中仕切りのあの青いやつ、こういったもの、自分が買ってきて作ったら、それは容器で、外から買ってきて、もうでき合いのものだったら、これはきちんと資源にしなさいというのに、片方はもう分からないと、ごみで捨てちゃうと。極端に言えばそういうことで、分別資源扱いにしなきゃおかしいんじゃないでしょうかと、こういうことでございます。  そういうことを申し上げたいんですが、いかがですか。分別資源の扱いにしたらどうでしょうか。
  75. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 環境省におきましては、法制定当時の考え方と同様、御指摘のような、法の対象外であります容器包装を新たに対象とすることによる廃棄物の減量及び資源の有効利用効果とそれに要する様々なコストも比較をした結果、なかなかこの十分な効果が期待できないのではないかというふうに考えておりまして、例えばクリーニングなんかのサービスの提供に付随する容器包装に関しましては、このサービス業の事業者に占める小規模事業者の比率が高いために、これを法の対象とする場合には対象事業者の捕捉などに多大な行政コストが掛かるほか、対象事業者にとりましても、指定法人への委託のための制度の理解や容器包装使用の量の算定など、委託料以上に大きな負担が掛かることになります。  そのようなことから対象にしてないわけでありますが、同様のものを、その他の容器包装という概念ではございませんが、プラスチックごみとして扱いまして、指定法人が委託することになりますリサイクラーの方に同様に委託してリサイクルを行っていくということは可能ということでありますから、そのようにすることは十分市町村の段階で可能というふうに考えております。
  76. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 つまり、同じ素材なんです、同じ素材なのに違うということが問題なんですね。同様に、家庭と同じように、いわゆるオフィスとか事業所から出されるものでも、個人消費向けの商品容器包装は、やっぱりこれは容器法のルートに乗せていかないと、全体の量が、これが減量化できないんじゃないかというふうに思いますので、同じことは、このオフィス、事業所が出すそうした家庭と同様のもの、そういったものについてもきちんとこれは対象とするべきではないかと、こういうふうに御提案を申し上げておきます。  それからもう一つは、先ほどからもお話がありましたけれども、いわゆる拡大生産者責任なんですが、これはもういずれ時間の問題だと思います。これは生産者の皆さんにも御理解をいただけるものと思います。これ、昨日の参考人の方のお話でも、価格に上乗せをするわけだから、ある意味においては、すべて自分のところで負担しろというわけではない。これも私、非常に一理があると思うんです。しかし、そういったって、高けりゃ買ってくれませんから上乗せできませんよということがありますけれども、環境のためなら多少でも払おうかという気持ちがないわけではないわけですから、いずれ折り合い点ができて、私はそうした生産者の責任というものがきちんと達成されるようなところに向いていくということは時間の問題であろうということを期待をしているわけです。  その手前として、経団連が、「実効ある容器包装リサイクル制度構築に向けて」というのを去年の、二〇〇五年の十月に出しているんですが、そこで自主行動計画を作るということをまた経団連は言っているわけです。この自主行動計画を作るというのは非常に重要なことだと、このように思っているんですけれども、現在どのような状況であるか、把握をされていますでしょうか。
  77. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 十八年三月二十八日に策定されております事業活動における容器包装の三R推進に係る自主行動計画でありますが、概要を申し上げますと、ガラス瓶に関するリデュース、軽量化とか薄肉等でありますが、二〇〇四年対比で二〇一〇年に一本当たりの重量を一・五%軽量化する。あるいはペットボトルでありますと、新たな技術開発等を行い、主な容器サイズ、用途ごとに二〇〇四年度実績比で一本当たり重量を三%軽量化する。紙製容器包装でありますと、実績を上げている各社の成果を波及させ、業界全体のレベルアップを図るということで、包装の適正化を指導促進する、軽量化、薄肉化の拡大を図る、包装材の削減を図る、二〇一〇年までに二〇〇四年度実績比で二%削減する。プラスチック製容器包装におきましては、技術開発を継続し、二〇一〇年までに二〇〇四年度実績比で三%削減する、次の事項などを目標業界ごとに取り組むということで、軽量化の推進、詰め替え容器の開発、包装の適正化促進、ラベル張り付け品目の削減というようなことが定められております。
  78. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そのように状況をつかまえていただいているのは結構です。  それは、なぜ申し上げるかといえば、循環型社会形成推進基本法、これに基づいて基本計画というのが十五年の三月に閣議決定されているんです。この閣議決定では、物質フロー、マテリアルフローというような、これも英語で分かりませんが、簡単に言えば資源の生産性、入口のところでは十二年からおおむね、平成二十二年までの十年間で四割、資源の生産性を上げましょうと。それから循環利用、これは十二年からおおむね、二十二年、目標で四割向上させましょう。出口、最終処分量です。これは、十二年からおおむね、二十二年まで半減させましょうと、こういうことを書いているんです。  これは、ポイントでいうと、先ほどから分かりづらい三Rというのを言っていますけれども、リサイクル率、それから容器包装を軽くしたり薄くしたり、それからもう一回再使用しましょう、何遍も使いましょうと、同じコップでも、こういうようなことの観点での分類はできてないんです。ですから、そこを細かく、いわゆる自主行動計画である生産者、事業者に対しての視点というものを盛り込んでいかないと本当に目標が達成できましょうかと、あるいは減量化というようなことはできるんでしょうかと、こういうことが問題になってくるというふうに思います。  そこで、考え方として、こうしたもう一回使う再使用、そして、また資源に戻してまたそれを使ってくるリサイクル、あるいは容器包装をできるだけしないようにした方がいいし、する場合も薄くしたりあるいは軽くしたりということで、できるだけ資源を使わないようにする、こういうような三Rのそれぞれの目標値を自主計画としてやっぱり束ねてもらって、そしてその中で政府と協定を結んでいくというようなイメージでないと少し弱いんじゃないかなと、こういうような感じがいたしますけれども。というのは、低い数値目標を立てられちゃったらそれまでなんですよ。やっぱりこの辺りの目標まで頑張りましょうやというものがないといけない、こういったことを考えますが、いかがでございましょうか。
  79. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) まず、今回の改正案では、排出抑制ということを促進するために事業者判断基準を策定することとしたわけでございますが、これは、特に家庭ごみに占める割合が大きいものがございますので、消費者意識向上をすることによって使用量の削減の余地の大きい例えばレジ袋などを対象とした対策でございます。そして、その対策が進んでいない事業者の底上げを図るということをねらいにしております。  一方、産業界取組を見てみますと、スリーRを推進するための自主行動計画が御指摘のように策定されております。これは、事業者が一層自主的な取組を図るために独自に目標を掲げて取り組むものでございます。そして、確実な実施を求める、法律に基づきます措置と相まって、今回御議論いただいておりますこの容器包装スリーR効果的な推進に寄与するものであると考えているわけでございまして、さらに、こういった企業事業者が自主的にも更に先進的なことを進めてやっていただくということは、これは全体の循環型社会をつくるという意味においても貢献してくれるものと考えております。  そして、今御指摘ございましたけれども、自主的な取組を一層加速させるというためには、事業者と地方公共団体、それから国、いわゆる自主協定の締結をしたらどうかという御指摘でございますけれども、それも大きな目的を果たしていく、そして一歩でも近づけていくという、そのためには有効であると、このように考える次第でございまして、どのような形の協定が一番効率的なのか、各国の例などもございましょう、そういったことも含めまして早急に検討を進めてまいる価値があるのではないのかと、このように思っております。
  80. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 大臣の御答弁、お考えと全く同感ですので。やっぱりその協定という、自主目標をお互いにガイドラインを作りながらもやっていくわけですが、そういう協定するというのが新しい実効性を上げる一つのかぎだと思いますので、大臣のお考えに賛同いたします。是非進めていただきたいと思います。  ペットボトルです。ペットボトルがいわゆる指定ルートという形で回ってまいります。そのときに、ペットボトルを作った、それを売ったといいますか、飲み物で出したところが指定法人に対してお金を出して、我々が分別して出したものを市町村がそれを集めてある一つのこんな大きな塊にして、それをリサイクルしたい事業者が買わせてくださいと、こういうふうになりますと、その指定法人に対して、今までだったらお金をもらいながら使わせてもらったんです、リサイクル事業者が、指定法人から、最初からそのドリンク屋さんからのお金をもらったものを基に。ところが、最近逆転したと。そのリサイクル事業者がお金を出してでもいいですから譲ってくださいとなったということになったということを聞いておるわけでございます。  こういうことを聞いておりますと、なぜそういうことが起きたのか。今までは、リサイクル事業者さんに対して、事業者から集めたお金で、さあこれでリサイクルできるように処理してくださいよとお金まで渡してそれは持っていってもらった。ところが今度は、いや、こっちが、うちの方の事業者の方で金払いますから、是非買わせてくださいと、こう言うようになったと。どういうことが原因でございますか。
  81. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 近年、中国の好景気などに伴いまして、使用済みペットボトルの需要が国際的に急増していることも背景になりまして、市町村の中には昨今の厳しい財政事情もありまして、分別収集しました使用済みペットボトルが指定法人には出さずに有価で売却する例がまずは増えております。  一方で、使用済みペットボトルの国内におけます再商品化能力が十分に整備されたというふうなこともございまして、国内の再商品化事業者の再商品化能力が指定法人による使用済みペットボトルの引取り量を大きく上回る状況となってきております。このため、再商品化事業者が国内に残っている使用済みペットボトル確保しようと争いました、競争しました結果、使用済みペットボトルの再商品化コストを考慮いたしましても、金銭を支払って使用済みペットボトル確保しようとする再商品化事業者が増えているというふうに、このように考えております。
  82. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これはホットな話題だと思いますが、その結果、いわゆる容器協会ですよね、指定ルートの中で、払うべきところが、業者がお金をよこしたんですから、もうかったわけですよ。もうかった金額、約二十億円程度と聞いています。これ是非市町村に還元する、これを決断していただきたいと思いますが、いかがですか。
  83. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 平成十八年度に市町村によって分別収集される使用済みペットボトルにつきましては有償入札が開始されておりまして、平成十八年度分の有償入札分としまして約二十六億円が日本容器包装リサイクル協会に支払われる予定でございます。  容器包装リサイクル法では、缶、紙パック、段ボールのように分別収集の後に有償で引き取られることが明らかなものに関しましては再商品化義務の対象から除かれておりますが、使用済みペットボトルが有償で入札されておりますのは、使用済みペットボトルがそのような状態に近付いている過渡的な状況の下で生じた事態であるというふうに認識をいたしております。  このため、使用済みペットボトルの有償入札によりまして指定法人に残る金銭につきましては、将来使用済みペットボトルの再商品化義務を免除し、市町村が独自に売却するようになった場合のこととの連続性も考えまして、委員が御指摘のように、これを市町村拠出する方向で考えております。  今後は、市町村に金銭を拠出する具体的なタイミングや方法など、具体的な制度設計につきまして引き続き検討してまいりたいと考えております。
  84. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 大臣の下でこれもいいことをやっていただけると思います。市町村に還元する、これはもう非常に説明の時間から労力が一杯掛かりますし、そういうことをしていただきたいと。  そして、同時に、缶とか瓶はもう市場が成り立っているから直接そういうものが取引されますが、このようにペットボトルは間もなく卒業できるかと思いますけど、来年もまたそうしたお金は出てくるでしょう。市場が成り立てばもうこうした指定法人などを使う必要がないわけですから、そういう意味でも循環型社会が成り立っていくことを期待して一層いるわけです。そういうことを努力した市町村にやはり還元するということは、循環型として非常に意義があることだと思います。早く決めてやってください。  そこでもう一つ、名古屋の方の御指摘で、名古屋の参考人の御指摘で、金山というところがあったと。そこはクーポンで、いわゆるエコクーポンをやっているというんですね。私の福島県の須賀川というところでも、先生方も京都を視察されたわけでございますけれども、ここはそこに一工夫しているんです。どういう工夫かといいますと、三十二台の、この会社はバイオディーゼルでトラックを走らせています。これを全部、軽油の代替燃料としててんぷら油を回収して、それで三十二台全部バイオディーゼルで走らせます。そうすると、地球温暖化対策やら様々なものに効果があるんです。捨てる廃油の再利用でもあります。  一工夫は何かと。市長さん始め市の皆さんの理解をもらって、今までは燃やすのに百万円掛かっていたわけです、てんぷら油。これは、百万円というのは何か。その須賀川の中の二十二校、小中で大体百万円掛かっていたんです。ところが、それでバイオディーゼルになって走っていきます。走っていきますと、今大体軽油は百四円ぐらいですから、それがてんぷら油で使いますと、百四円よりはるかに、はるかにではないんですが、安くバイオディーゼルという代替エネルギーになってくるわけです。  これをやってもらったというのが一つと、二つ目は何が工夫しているかというと、エコマネーなんです。先ほどの、名古屋の昨日の参考人お話のように、エコマネーで地域通貨に還元するんです。  どういうことか。軽油を買うより安くなるものですから、多少。商店街に商店街振興のためのスタンプカードというのがあるわけです。須賀川はウルトラマンの出身地なんで、ウルトラマンスタンプと言うんですが、シールを十枚ためると例えば千円になるとか旅行会に行ける。そのスタンプ、シールなんですけれども、そのシール分は金券と同じ意味を持つんです。結局、御家庭のてんぷら油を持ってきたら、そのシールを五枚張ってあげるんです。それが金券に換わっていくわけですね。  そのお金についてどうしたかというと、百四円の軽油を買う分より、再生産、代替燃料にてんぷら油からした方が若干安いものですから、そのお金をその商店街にスタンプ代として差し上げている。つまり、そういう循環型をやっているわけです。  こういうものを大臣、そして環境省皆さん、地域通貨や地域のいわゆる助け合いというものをうまく使いながら、お店に買物に行ったそのときに一緒に持っていく、そしてスタンプを押してもらう、それがまた環境対策になって走っているわけです。CO2対策にもなるわけでございます。  こういったことについて、私は、例えば特区扱いにするとか、あるいはこういうものを普遍化するような努力、こういったものをやってみたらいかがかと思いますが、御見解を聞かせていただきたいと思います。
  85. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 今地元の取組について御紹介いただきました。滋賀の方では菜の花プロジェクトも行われておりますし、また、日本というのは資源がないと言うけれども、東京には油田があるじゃないかといって、東京の下町の方でてんぷら屋さんとか家庭から出るてんぷら油を集めて同じことをやって、東京油田と称して活動している女性のベンチャーの方もおられます。  そういった先進事例は多く御紹介することによって各地でやってみようよという大きな流れができていく、そういったことに対して、環境省、いろいろな面でお励ましをさせていただくということによりまして、それぞれ各地で、各地に適したような方法で運動が広がっていくということが一番よろしいのではないかと思っております。  今、先進事例としても聞かせていただきました。環境省としてもまたできることがございましたら言っていただければと、補助金は余りございませんけれども、いろんな形でバックアップはできるものと考えております。
  86. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 終わります。
  87. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について市田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。市田忠義君。
  88. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。  これより、その趣旨について御説明申し上げます。  内閣提出の改正案は、現行制度見直しの最大の課題であった拡大生産者責任徹底する制度を盛り込まず、現状の消費者自治体事業者役割分担をそのままにし、事業者責任負担消費者自治体責任負担に転嫁するものです。これでは容器包装の発生抑制、再使用が一向に解決されないばかりか、事業者負担に対して自治体の費用負担が増大しているという現行制度問題点を一層拡大、深刻化させることになります。そこで、日本共産党は、拡大生産者責任徹底させる立場から、次の四点について、最低限の修正として強く求めます。  修正案の第一は、事業者の責務に容器包装の再使用と発生の抑制を規定し、事業者に発生抑制計画の提出を求めることとします。  循環型社会基本法での三Rの基本原則に基づき、事業者の責務として、排出抑制を発生の抑制に改め、再使用促進する規定を盛り込みます。さらに、主務大臣事業者に発生抑制計画を提出させることで、事業者容器包装の発生段階から抑制し、容器包装の再使用促進するものとします。  修正案の第二は、基本方針に容器包装廃棄物の減量の目標容器包装の再使用、再商品化目標に関する事項を盛り込むことです。  容器包装に対する生産者の責任を製品の発生抑制から使用後の段階にまで拡大する拡大生産者責任による容器包装リサイクルシステム見直していくために、主務大臣容器包装廃棄物の減量の目標容器包装の再使用、再商品化目標に関する事項を定めることで事業者責任を強化するものです。  修正案の第三は、事業者は各市町村分別収集に要する費用について、百分の五十を超えない範囲内で支払わなければならないものとします。  容器包装廃棄物の発生抑制効果を上げるためにも、自治体分別収集・選別保管コストに対する事業者負担導入します。当面、各市町村分別収集に要する費用に対して、百分の五十を超えない範囲内で支払わなければならないものとし、拠出金は各市町村分別収集取組の状況を勘案して配分することとします。  修正案の第四は、分別基準適合物の基準改正する場合はあらかじめ市町村意見を聴き、事業者判断基準となるべき事項を定める場合は消費者の意向を十分尊重するものとし、市町村消費者への一方的な責任負担抑制することとします。  以上、委員皆さんの御賛同をお願いして、趣旨の説明を終わります。
  89. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、市田君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  90. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 少数と認めます。よって、市田君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  91. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  岡崎君から発言を求められておりますので、これを許します。岡崎トミ子君。
  92. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 私は、ただいま可決されました容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び国民新党・新党日本の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一、容器包装廃棄物の減量化が進まない一方で、最終処分場のひっ迫化が依然として続いていることを踏まえ、循環型社会形成推進基本法の3Rの基本原則に則り、リサイクルのみならず、今後は、発生抑制及び再使用についても、リターナブル容器等の普及拡大など、減量効果の高い施策を積極的に推進していくこと。  二、事業者によるレジ袋等の排出抑制促進措置を実効あるものとするため、取組が不十分な事業者に対しては、勧告・公表・命令等の措置を的確に講ずるとともに、消費者においてもその趣旨が十分理解されるよう周知徹底を図ること。  三、事業者資金拠出制度実施に当たっては、再商品化質的向上が十分図られるよう、市町村及び事業者に対し、その趣旨を徹底すること。  四、容器包装の軽量化や素材の選択など、拡大生産者責任効果を十分いかせるよう、事業者等の関係者の役割について、必要に応じて検討すること。  五、市町村分別収集等の取組を推進するに当たっては、これらの処理に係る費用について透明性・効率性を確保するよう努めること。また、消費者が分別排出しやすい識別表示の徹底容器包装の開発を推進すること。  六、プラスチック製容器包装の再商品化手法については、コスト面での評価にとどまらず、環境への負荷の低減の観点から、循環型社会形成推進基本法の原則を堅持しつつ、検討すること。  七、国内のリサイクル体制の確保を図るため、市町村による廃ペットボトル等の安易な輸出を抑制し、再商品化事業者への円滑な引渡しが行われるよう、対策を講ずるとともに、廃棄物等の不適正な輸出を防止するため、水際におけるチェック体制を一層強化すること。  八、国民ライフスタイルの在り方が容器包装廃棄物の減量化に向けて極めて重要であることから、容器包装廃棄物排出抑制推進員制度の活用や必要な情報提供などを積極的に行うとともに、環境への負荷の少ない消費行動を促す施策を推進すること。  九、いわゆる「ただ乗り事業者」については、再商品化の義務を果たすよう、罰則の強化も含め、制度の趣旨を周知徹底するとともに、悪質な事業者に対しては、厳格に行政処分を行うこと。  十、指定法人については、業務の効率化・透明化を徹底するとともに、再商品化事業者への抜き打ち検査の実施など、再商品化事業が適正に行われるよう、指導監督をより一層強化すること。  十一、容器包装リサイクル法の対象ではない事業系容器包装等については、3Rの取組がより一層推進するよう、事業者取組状況を踏まえ、適切な措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  93. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいま岡崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  94. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 多数と認めます。よって、岡崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、小池環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小池環境大臣
  95. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。  ありがとうございました。
  96. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    正午散会