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2006-06-07 第164回国会 参議院 環境委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年六月七日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 関口 昌一君                 橋本 聖子君                 岡崎トミ子君                 鰐淵 洋子君     委 員                 大野つや子君                 狩野  安君                 西田 吉宏君                 真鍋 賢二君                 大石 正光君                 小林  元君                 谷  博之君                 広野ただし君                 加藤 修一君                 草川 昭三君                 市田 忠義君                 荒井 広幸君                 田村 秀昭君    事務局側        常任委員会専門        員        渋川 文隆君    参考人        名古屋環境局        長        大井 治夫君        千葉大学法経学        部総合政策学科        助教授      倉阪 秀史君        日本自治体労働        組合連合現業        評議会清掃委員        会委員長     鈴木  満君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等  に関する法律の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、参考人から意見を聴取いたします。  本日は、本案審査のため、参考人として名古屋環境局長大井治夫君、千葉大学法経学部総合政策学科助教授倉阪秀史君及び日本自治体労働組合連合現業評議会清掃委員会委員長鈴木満君の三名に御出席いただいております。  この際、参考人方々に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。参考人皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案審査参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  本日の会議の進め方でございますが、まず、大井参考人倉阪参考人鈴木参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、御発言は、意見質疑及び答弁ともに着席のままで結構でございます。  それでは、まず大井参考人から御意見をお述べいただきます。大井参考人
  3. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 名古屋市の環境局長大井でございます。最初でございますのであいさつだけさしていただきます。よろしくお願いいたします。  それでは、座って、以降、進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  本日は、容器包装リサイクル法改正案につきまして、参考人という立場意見を述べる機会を与えてくださいましてありがとうございます。  名古屋市では、平成十一年二月にごみ非常事態宣言というのを発しまして、それ以降、様々なごみ減量施策に取り組む中で、全国に先駆けまして、容器包装リサイクル法完全実施いたしました。二百二十万名古屋市民との協働ということで、大都市では不可能と言われておりましたこのごみの大幅な減量を成し遂げたところでございます。その経験に基づきまして、容器包装リサイクル法改正案につきまして、委員皆様方の御審議に少しでもお役に立てればと思い、意見を申し述べさせていただきます。  それでは、まず初めに、本市名古屋市のごみ減量リサイクル対策について御紹介させていただきたいと思います。  本市では、平成九年度にごみの量が年間百万トンを超えまして、焼却能力あるいは埋立容量等限界を迎えつつある状況にありました。当時、次期の大規模処分場として計画しておりました藤前干潟での埋立計画を、規模を半分以下に縮小するというような手続を進めておるところでございましたが、全国的な環境問題の意識の高まり、ごみ問題についても関心が高まる中、平成十一年の一月に、快適で清潔な市民生活の確保と自然環境の保全、両者の両立について熟慮熟慮を重ねました結果、藤前干潟埋立事業の中止を決断いたしました。  そして、この危機的状況を打破するために、その翌月でございます二月の十八日でございましたが、市民皆様方に対しましてごみ非常事態宣言を発しました。このごみ非常事態宣言におきましては、二十世紀の残り二年間で二〇%、約二十万トンのごみ減量をするという目標を掲げまして、いわゆるトリプル20というふうに私どもは呼んでいたわけでございますが、このような目標の達成に向け、限られた時間の中で、指定袋制度導入でありますとか事業系ごみ全量有料化を始め、様々な施策を矢継ぎ早に実施いたしました。  とりわけ、大都市では初めてとなります平成十二年八月のプラスチックや紙の容器包装分別収集回収には、二か月間で約二千三百回の地域説明会を休日あるいは昼夜を問わずに行いますとともに、天才バカボンをキャラクターに使用いたしまして百万部作成いたしましたごみ達人心得帳というパンフレットを作りまして、テレビ、新聞など、ありとあらゆる媒体を使って広報いたしました。  それで、分別収集が始まったわけでございますが、その直後の二か月間で十万件の問い合わせや苦情が殺到いたしました。保健委員、これは名古屋市の方で地域公衆衛生向上のために委嘱しております方々ですけれども、七千五百人お見えになります。この保健委員を始め地域役員方々などが容器包装収集場所での分別指導情報提供に当たられまして、市民同士のコミュニケーションならぬ一種のゴミュニケーションというふうに私ども呼んでおりますけれども、こういったことが巻き起こりまして、容器包装リサイクル法完全実施にこぎ着けたというところでございます。  こうした成果といたしまして、ごみ非常事態宣言の翌年度からはごみ量は減少に転じまして、ごみ非常事態宣言を行った年と比べますと、現在ではごみ量は約七割というふうで、二十年前をも下回る数字となりまして、資源回収量は二・五倍に上りました。取組は着実に定着しているものと思っております。  そういった状況の中で、本改正案に対する本市の考え方でございますが、本市は、容器包装分別収集開始時の十万件を超します電話などによる市民の声を反映いたしまして、国への要望を繰り返して行いますとともに、昨年度開催いたしました、容器包装リサイクル法見直しを考える名古屋大会というのを開催いたしましたが、ここの中の市民意見なども踏まえましてパブリックコメント意見書を提出するなどの取組を行ってまいったところでございます。  こうした経緯やこの間の中央環境審議会等での審議を踏まえまして、今回はお時間の関係もございますので三点に絞って意見を述べさせていただきたいと思います。  最初に、拡大生産者責任の更なる拡大についてでございます。  今回の容器包装リサイクル法見直し議論の中で最も熱い議論が交わされた論点でございますが、特定事業者市町村役割分担について、本市容器包装リサイクル法による分別収集完全実施経験から、スリーR促進に向けましては、川上の方から川下までの当事者の努力を最大限引き出すためには、容器包装リサイクル法仕組みの中で最も手間と費用が掛かります収集、選別についても事業者責任で行うことを要望してまいったところでございます。  事業者責任を更に拡大すると申しましても、市民方々も、排出段階で、分けて保管することはもとより、ステーションでの分別指導など、直接金銭に換算できない多くの時間と労力を負担するなど大きな役割を果たしていることを忘れてはならないというふうに思っております。  また、拡大生産者責任の更なる拡大は、事業者負担を増加させることではありますが、まじめにリサイクルに取り組んでおります自治体の過重な財政負担を解消することにもつながるものと考えております。  市町村財政負担軽減措置という意味では必ずしも十分ではないとは思いますが、後ほど申し上げます事業者による排出抑制促進措置事業者市町村資金を拠出する仕組みなど一定の前進がございますので、焦点となった問題につきましては、各主体連携しながら新しい制度の下で精一杯の努力をしつつ、その成果を検証しつつ引き続き議論を深めていくべきものと考えている次第でございます。  次に、容器包装廃棄物排出抑制についてでございます。  いわゆるリデュース、リユースの推進につきましては自治体としても強く要望しておりました。容器包装廃棄物減量促進を図っていく上ではレジ袋トレー等使い捨て容器使用過剰包装抑制簡易包装促進、詰め替え容器普及リターナブル容器使用促進等取組への効果が期待されるところでございます。  本改正案において、法の目的や基本方針等排出抑制が位置付けられますとともに、事業者対象としたレジ袋等容器包装排出抑制促進するための措置導入されていることについては高く評価いたしたいと考えております。  ただし、二点付け加えさせていただきたい点がございます。  一点目は、法律では、主務大臣判断基準を定めることや、取組が不十分な事業者に対しまして命令等を行うことができることなど、枠組みが規定されているだけでございまして、判断基準内容等については政省令にゆだねるという形になっております。この仕組みが実効あるものになるかどうかというのは、正にこれらの政省令の中身や主務省庁による今後の運用に懸かっておると考えておりまして、主務省庁でございます経済産業省を始めとする事業所管省庁においては、真に排出抑制効果がある制度運用を図っていただきたいというふうに考えております。  二点目は、いわゆるスリーR取組市民事業者行政、いずれの努力が欠けても進めることは困難でございまして、地域の事情に即して、地域で各主体取組成果情報を共有いたしまして、合意形成を図りつつ進める必要がございます。事業者の場合、全国展開されているところも多く、地域との連携という点では温度差があるのかなというのが実感でございます。全国的スタンダード取組だけではなく、地域との連携を一層強めていただくこと、さらには、各地域個々の実績や成果市民に目に見えるよう情報可視化をしていただくことが必要と思いますので、政省令やその運用段階で是非考慮していただきたいところでございます。  いずれにいたしましても、市民皆様プラスチック製容器包装などを分けることに毎日苦労されておりまして、容器包装排出を元から減らすための努力もされているだけに、スリーR取組のパートナーでございます事業者取組への関心は高く、本市は、名古屋市民共々、経済産業省等における今後の検討の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。  また、本改正案において、排出抑制に関しまして、消費者意識向上事業者との連携促進を図りますため、容器包装廃棄物排出抑制推進員という制度を設けることとされております。こうした観点からは、自治体としても果たし得る役割は大きいというふうに考えておりまして、既に本市では、市民販売事業者協働してレジ袋削減仕組みをつくっておりまして削減運動を展開しておりますが、住民に身近な立場からのきめ細かい普及啓発や、市民地域小売店商店街との協働によります発生抑制仕組みづくり、キャンペーンなどを引き続き拡充してやっていく必要があろうというふうに思っております。  最後に、事業者市町村資金を拠出する仕組みについてでございます。  一年半にも及びます中央環境審議会等における役割分担議論成果として取りまとまりましたこの再商品化合理化程度等を勘案して事業者市町村資金を拠出する仕組みにつきましては、額としては大きくはないというふうに思っておりますが、事業者から市町村資金が出される初めての制度でございます。これを一歩前進であるというふうにとらえまして、前向きに本市としては取り組んでまいりたいというふうに考えております。  本市では、現在、先ほど触れました保健委員さんを始め、地域役員によりますステーションでの分別指導とともに、市においても分別指導員を配置いたしまして、分別状況の悪いところを重点的に指導しております。その結果、瓶、缶、ペットボトルにつきましては九割以上、プラスチック製紙製容器包装については六割程度回収率となっております。これらの回収率を高めますために、六月と十一月の年二回、資源ごみとの分別リサイクル強化月間を実施いたしまして、ワンルームマンションなどの共同住宅対策として、住宅管理会社協議会を設置いたしましたり、大学生の方と共同巡回をするなど、排出マナー向上分別の徹底に取り組んでおるところでございます。  市民の皆さんには、容器包装廃棄物分別排出や付着している汚れの簡易な洗浄などについて徹底していただくよう一層のPRに努めてまいりたいと考えておりまして、こうした取組を通じて、財政負担を増やすことなく質の高い分別収集を実施し、事業者における発生抑制への取組複合素材から単一素材への容器包装の採用、一目で分かる大きさ、位置への識別表示販売店等での回収など、事業者努力と相まって、より効果的、効率的なスリーR推進を図る全国のモデルとなることを目指してまいりたいというふうに考えております。  終わりになりましたけれども、本市におきましては、ごみ減量を成し遂げました市民との協働による力をもう一度発揮することによりまして、CO2の一〇%削減を始め、環境首都なごやを目指した施策を展開しておりますけれども、その一環といたしまして、容器包装廃棄物スリーRの分野におきましても、この改正案が成立いたしましたならば、以上のように改正法に基づく新たな施策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておりまして、こうした取組を通じまして環境首都なごやの創造を目指してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。どうもありがとうございました。
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、倉阪参考人にお願いいたします。倉阪参考人
  5. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 千葉大学倉阪でございます。本日は、こういう機会をいただきまして、大変光栄に思っております。  私、大学の方で、環境負荷を下げながらいかにして経済発展を行うのかと、そういう経済ルールの方の研究を進めているところでございます。その経済ルールポイントは二つあります。  第一に、無駄なものを作らないということです。無駄なものを作りますと、それを作るための資源エネルギーあるいはその作った後の不要物排出、それぞれのところで環境負荷が掛かり、あるいはそれぞれのところで費用が掛かるわけでございます。  二点目は何かといいますと、いったん作ったものは使い倒すということでございます。燃やしたり埋めたり、一番最後段階ではそういった処理は必要でございますけれども、そこに至るまでに何回人様にお役に立てるのかと、それが重要でございます。それによって、より少ない資源エネルギーを使ってより多くの経済的付加価値を得る、そういう経済ルール、これをこれから目指す必要がございます。  その新しい経済ルールを進めていく際にキーポイントは何かといいますと、そういう経済ルールにのっとった活動をする企業がもうかるようにするということでございます。これは計画で進めていったり行政指導で進めていったりということではなかなか進まないわけでございまして、個々企業レベルでそういう無駄なものを作らない企業、あるいはいったん作ったものを再使用し原材料として使う、そういった企業活動がもうかるようにする、これがポイントでございます。  今の経済ルールじゃ残念ながらそういった形にまだなっておりません。特に、無駄なものを作っても、あるいは使い捨て製品を作っても、その処理費用市町村税金負担してくれると、そういったルールになっております。したがって、企業研究開発方向でも、使い捨て消費者受けするような、そういう例えばペットボトルでビールを売ってみたり、そういった形の研究開発の方にお金が出てしまうわけでございます。こういう税金で末端を処理してくれるというような経済ルールでは、民間企業は、先ほど申し上げましたような、新しい方向に頑張ろうとしません。したがって、ここはルールを変える必要がございます。  そのためのキーワードが拡大生産者責任という言葉でございます。拡大生産責任は、この現在の経済ルールを変えて、今市町村税金処理している部分をできる限り生産者の方に負担をしてもらうと、そういう方向へ変えていくための取組でございます。生産者が経営の段階廃棄物処理費用負担しなきゃいけないということがもう分かっていれば、無駄なものを作って、それを市場に送り込みはしません。あるいは、何回も使えるような、そういった容器あるいは製品を作ろうというふうにするはずでございます。  ポイントは、製品の設計を決める立場生産者廃棄物処理費用を減らすことを真剣に考えるようにするということでございます。現在のルールはそうなっていないわけでございます。逆に、そこを変えれば、政府があれやこれや考えなくても、民間企業の方が自らもうかるために発生抑制あるいは再使用、そういったものを進めていくはずでございます。  例えば、飲料容器につきましても、繰り返し使える容器を使う方が全体としてコストも安くなる、そういった研究結果がございます。コストも安くなるし、環境負荷も下がるわけでございます。なぜそれに今民間企業は移っていないのか。それは何かといいますと、個々企業では限界があるからです。例えば再使用の瓶を市場に出してみても、消費者がそちらの方を選択しないと、なかなか買ってくれないんだということになります。あるいは、ある企業は、再使用瓶を出しても、二十回もしも繰り返し使えれば全体としてコストも引き合うし環境負荷も下がるのは分かっているけれども、二十回繰り返し使うようなそういうシステムに今なっていないという主張をされます。なぜそういうルール制度としてつくらないのか、そこが問題でございます。  現在の容リ法は、残念ながら拡大生産責任、私が今申し上げた意味での拡大生産責任が貫徹しておりません。政府答弁の方では、拡大生産責任の基本的な思想をしっかり踏まえた上でやっていきたいと環境大臣衆議院のときにおっしゃっていますけれども、そういうような仕組みに現在なっていないわけでございます。特に、分別基準適合物になるまでの回収あるいは前処理費用、これが全額市町村負担になっているわけでございます。今回、一部拠出という形になりましたけれども、ほかの欧米欧米というかヨーロッパですね、ヨーロッパ先進国に比較しますと、制度的なバックアップがかなり弱いのが残念ながら日本制度でございます。  また、再使用容器を進める企業がもうかるようにもなっておりません。ドイツのようなデポジット制度導入、あるいは北欧のような使い捨て容器への課税、そういった抜本的なルール改正をやらないと再使用容器を選択する企業がもうかることになりません。  今回の容器包装リサイクル法改正は待ちに待った改正機会であります。大変期待するところが大きかったんですけれども、残念ながら政府案は大変不十分でございます。正直がっかりしております。  特に二点申し上げたいことがございます。  第一に、循環基本法優先順位がせっかくできていながら、その優先順位に沿った形で法改正がされていないということでございます。なかんずく再使用についての施策が不十分でございます。容リ法改正案を見ても、どこにも再使用という言葉が書かれていないわけです。再使用がどこかに入っている、これ再商品化の中に再使用は入っています。ただ、入っているということで満足していていいんでしょうか。やはり、循環基本法優先順位、再使用再生利用より優先するという、そういうことがどこかにこの法律の中に思想として表れていないとおかしいのではないでしょうか。  二つ目でございますが、施策対象消費者に偏っていて、生産者対象とした施策が不十分であるということでございます。  この法律におきまして、消費者意識を変えるために推進員を置くということが書かれておりますけれども、どれほどの効果があるのか大変怪しいと思っております。消費者意識改革が行われないと何もできないんだという業界の主張をうのみにしているのではないでしょうか。  消費者意識を変えるのではなくて、先にやるべきことは経済ルールを変えることです。経済ルールを変えて製品の作り方を変える、これがやるべきことであります。制度をつくる立場の国会じゃないとそれができないわけですね。そこについて、今回の法案生産者向け経済ルールを変えるということに取り組んでいない。消費者意識改革を進めていこうと、そういったところしかやっていないわけです。やはり、拡大生産責任の本旨に立ち返って、発生抑制に努め、再使用を進める企業がもうかるように経済ルールを変えていくという方向を確認をしていただければ有り難いと思っております。  若干テクニカルな部分になりますけれども、現行容リ法企業不満を持っておりますのは、再商品化費用総額個別企業に割り戻す方法を取っているからでございます。  再商品化費用総額市町村がどれだけ分別回収を行うかに左右されます。したがって、個別企業個々に頑張っても、市町村分別収集が進めば再商品化費用総額が増加をして、結果的に個々企業負担分が増えてしまいます。個々企業が自分の努力によって負担額をコントロールできないので、なかなかやる気が起こらないということになります。総額を割り戻す方法ではなくて、各企業容器生産あるいは使用量に応じて負担額が決まると。具体的な個別の努力がすぐに負担額に反映されるような、そういうようなルールにしないと企業やる気を出さないということが言えるかと思います。現在、企業がそういう再商品化費用総額が大きいということで不満を持っているのは、私が以上述べたような理由だと思っております。  そこについて、再商品化費用総額を抑えようという、そういう方向で今回法改正をしているわけですね。再商品化費用総額が増えるのは市町村が頑張ってないからであると、したがって頑張っている市町村お金を割り戻すような形にすれば費用総額は抑えられるんじゃないか、企業不満にもそれでこたえられるんじゃないか、そういう法改正だと理解しておりますが、そこは方向が違うのではないかと思います。  ただ、私も行政経験ございますので、事この段階に至って抜本的に法案を変えてしまうというのは難しいというのは分かっております。したがって、今回お配りしましたが、最小限の修正として、添付している法案修正を御検討いただければ幸いでございます。  どういうことかといいますと、せめて再使用再生利用を書き分けるという修正はできないんでしょうかということでございます。  現行容器包装リサイクル法定義は、二条の八項のところで再商品化定義が書かれております。一号と三号については再生利用、二号と四号については再使用についての規定でございます。このように、再商品化という中で同列に再使用再生利用を含んでいるわけでございます。せめて、この下に書きましたように、定義のところで再使用という定義再生利用という定義現行の二条八項を書き分ける形で定義をし、再使用再生利用が再商品化であるというような形にしてはいかがでしょうか。それに伴い、基本方針に容器包装廃棄物の再使用促進させるための方策ということを明記させてはいかがでしょうか。  裏のページに書いてありますけれども、現在、再使用促進させるための方策については基本方針のどこかに埋没をしているということになっておりまして、排出抑制促進するための方策は書かれておりますが、再使用促進するための方策については具体的にどこに書かれるのか、法案を見た段階では判然としない状況でございます。  国会答弁でも、政府の方は、再使用の政策、いろいろ用意しているということでございますので、こういうふうに法案修正しても政府の方は困らないと思っております。今、ここの段階に至って法案修正をするということ自体が困ると言われれば、そうであるかと思いますけれども、国会の意思としてこのぐらいはやっていただければ有り難いなということをお願いをして、私の意見を終わりたいと思います。  どうも御清聴ありがとうございました。
  6. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、鈴木参考人にお願いいたします。鈴木参考人
  7. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 私は、自治労連現業評議会清掃委員会の委員長をしています鈴木満といいます。  清掃委員会というのは、全国自治体に働く清掃の職員が集まって組織した委員会でありまして、そこの委員長をしています。出身は所沢市職員労働組合です。  始めに、このような席に発言をさせていただける機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。  私は、昭和五十三年、所沢市役所に採用されまして、以来、焼却炉の運転に二十五年、平成十四年の十二月にダイオキシン対策特別措置法が施行されまして、そのときに合わせて新しいクリーンセンターができました。平成十五年の四月からはそこの計量担当ということで、日々住民と接するようなポジションで三年間やってきました。そして、今年四月、休職をし、組合の専従等をしております。合計二十八年、清掃現場に携わった経験全国の清掃の現場の実態を併せまして、現場の苦労なども併せてお話をさせていただきます。よろしくお願いします。  初めに、容器包装リサイクル法にかかわる問題で、住民と現場のごみ分別のお話をさせていただきます。  お手元に、所沢市のごみの分け方・出し方というチラシがございます。まず、所沢市のごみ分別ですけれども、燃やせるごみ、燃やさないごみ、粗大ごみプラスチックペットボトル、瓶・缶、新聞・雑誌・段ボールと、それから有害ごみという八種類のごみ分別になっています。これは一般的なごみの分け方だというふうに思っています。自治体によっては、燃やせるごみのうちの生ごみを別に収集したり、あるいは新聞・雑誌・段ボールを個々に集めたり、粗大ごみをもっと細かく分けたりということで、二十種分別とかあるいは二十四種分別とか、そういう呼び方をしている自治体もあります。  容器包装リサイクル法の関係でいいますと、プラスチックそれからペットボトル、瓶・缶・スプレー缶、それから新聞・雑誌・段ボールの段ボールですね、この四品目です。そのほかに紙パックとかありますけれども、これは出張所とか公民館とかそういうところにかごを置いて、拠点回収というやり方をやっております。この容器包装リサイクル法の中でも、実際に容リ協会を通して出しているのは、逆有償になる部分プラスチックと茶のカレットです。ほかの瓶、缶とかあるいは白カレット、それからあとペットボトル、まだそれについては一応売却という形で、容リ協会を通しておりません。  プラスチック分別収集というのは、平成十年の四月からダイオキシン問題が始まった時点で分別収集という形に始まりましたけれども、現在は容器包装プラスチックという限定をしております。  今日、その分別で現場でどう判断していいのか悩んでいるのがありますので、実際、現物を持ってきました。(資料提示)ざっと分けまして、こっちからこっち側はプラスチックごみです。こっちからこっちが燃やさないごみに入ります。自治体によってちょっと分け方は違うと思いますけれども。  まず、燃やさないごみの中に歯ブラシあるいはハンガー、それからこういう入れ物ですね、あるいはこういうカセットテープ、どう見たってプラスチックなんですけれども、これは法律対象外だということで燃やさないごみという扱いをしております。  それから、アルミ、これは袋はアルミですけれども、これですと容器包装プラスチックに入りますけれども、アルミが何でプラスチックだと言われますけれども、アルミホイルは燃やさないごみなんですね。非常にその判断が迷っています。なぜこれがプラスチックなんだという。  それから、これは一見ペットボトル風ですけれども、よく見ますとプラスチックなんですね。現場でこれを一々確認して収集しているわけではないです。これもプラボトルです。プラボトルですけれども、プラスチックの方に入っています。ペットボトルという勘違いをされている方もいらっしゃいます。  それから、こういう容器。これだけですと、これだけ売っていますから、これはプラスチック包装の対象外のプラスチックですね。しかし、この容器、この容器は中に漬物みたいなものが入っていました。ですから、これは容器包装容器です。同じ容器でもこっちは燃やさないごみ、こっちは容器包装。中にはバケツ、バケツは容器だろうと言われる市民の方もいらっしゃいます。確かに容器なんですけれども、対象外ですね。それから、こういう紙パック。これはどうやって普通の紙パックとして出していいんでしょうかと。ちょっと中にアルミが入っていたり、あるいは口にプラスチックが、これ全部取るんですかと言われます。  こうやって、我々現場の職員も非常に迷うごみがたくさんあります。ですから、これを住民の方に理解しろと言うのは非常に困難なものがあります。収集段階でこういうのが見付かると、張り紙をして置いていきます。置いていきますけれども、住民の方も納得できないわけですね。そこで結構トラブルというものが発生をしています。こういう難しいという点を分かっていただければというふうに思います。  それから、容器包装リサイクル法の現場はどう変わったかということをお話ししたいというふうに思います。  容器包装リサイクル法、長いので容リ法と呼ばせてもらいますけれども、ちょっと座らせていただきます。第一に、容リ法ごみが減ったかという問題です。  容リ法が施行されると同時にペットボトルが物すごく増えました。それとともに、それまで使われていたビール瓶など、生き瓶がなくなっちゃっております。自治体の現場でもビール瓶とかあるいは一升瓶、酢の瓶とかウイスキーの瓶とかジュースの瓶とか、施設の中である程度回収をしていたものがほとんど入ってこないために、もう少量のためにルートがもうなくなっちゃったということで、生き瓶として回収していたものがカレットという形に回収になりました。  当然、瓶商さんというのも廃業ということになってしまっています。その分すべて自治体処理施設にペットボトルや缶、紙パックとして流れ込んでいます。当然ごみの総量というのは増えています。所沢でいえば瓶、缶、スプレー缶というラインがこれありますけれども、選別ラインがありますけれども、そこに流れてくるのはほとんど缶です。瓶というのはコーヒーの瓶あるいは調味料の瓶、ワインの瓶、そういうたぐいです。これは、結果的にはこの法律によって企業責任がいつの間にか自治体責任に転嫁されてしまったのじゃないかというふうに思っております。  容リ法埋立て量が減ったということを言われますけれども、現場からはそういう実感が全くありません。ごみの増加の中で、瓶や缶の資源回収は有償、逆有償という問題ありましたけれども、法の成立以前でも多くの自治体で瓶、缶の資源回収というのはやっていたわけです。ですから、その分がこの法律効果だという形になっているのかどうかということは分かりませんけれども、埋立て量も減ったという実感というのはありません。  第二に、自治体財政負担の問題です。  収集では、品目が増えれば必ず車両と人員が増やさなければいけません。そして、収集したものをそのまま容リ法協会の方に出荷するわけにいきませんから、選別施設を造って対象品以外のものも、中身の入っているもの、あるいは汚れているものも取り除かなくちゃいけません。多くの自治体で民間委託が進んでしまっていますけれども、そうした経費というのもばかになりません。今まで以上に品質を上げるというのは、本当に自治体にとっては一層の経費の負担が求められるということになります。この経費の負担も既に多くの方が指摘されておりますので、あえてそれ以上は申しませんけれども。  第三に、消費者リサイクル意識が後退したのではないかという問題です。  以前は酒屋さんに一升瓶やビール瓶を持っていけば引き取ってくれました。ですから、ある程度きれいにして返そうという意識が働きました。しかし、ペットボトルや缶になると自治体ごみ収集に出すという、意識後退していますから、中にたばこが入っていたり、あるいは飲み掛けがそのまま出たりということで、非常に品質が悪くなっています。このことは店頭回収をしているペットボトルとか紙パック、そういったものをちょっと見ていただけるとその差が歴然としているというのが分かります。  法の改正で現在よりももっと品質を上げるということは見通しが非常に厳しいものと思われます。高齢化世帯あるいはワンルームマンション、共稼ぎなど、ほとんどゆとりのない家庭が増えてきています。こうした社会環境が、ごみ分別まで考えるゆとりがなくなってきているということであります。  これまでも自治体はその都度、個別指導とかあるいは張り紙とか啓発、啓蒙に努力してきましたけれども、更にこれを強化されるということは、非常に効果の方は不透明であります。ですから、財政的にも精神的にも自治体を苦しめることになるというふうに私は思っています。  こうした問題を踏まえてきますと、どうしても今回の改正というのは、自治体や国民に責任を求めていくものではなくて、製造の段階に踏み込んで、容器の統一化を図ったり、あるいは塩ビなど素材の用途規制、デポジット制を見据えた容器構造の見直しなど、発生抑制という視点に方向性を変えるものでなくてはならないというふうに思っております。そうした点からは、改正の趣旨である排出抑制という限定は、自治体と住民に責任を転嫁し、法の効果を骨抜きにするものじゃないかというふうに危惧をしているところであります。  最初に申し上げましたけれども、私は二十八年間、ごみ処理の現場に従事してきました。昭和五十年代後半から地球規模での環境問題が盛んに取り上げられるようになりました。酸性雨の問題、それから熱帯雨林や森林の減少、砂漠化などの問題。当時、私の現場でも新聞や雑誌の束あるいは事業系の紙ごみがたくさん焼却されました。私たちはごみを燃やしているんじゃなくて紙を燃やしているんだというふうに実感しています。そして、ごみピットも冬になると時々火災がありました。ごみを燃やしたときに出る煙が酸っぱいんですね。初めて煙が酸っぱいということが分かって、酸性という実感も経験してきました。私のところは九十トンの焼却炉が二基あります。所沢には二つの焼却施設がありまして、約四百トン近い焼却能力がありました。それが一か月も二か月も昼夜、のべつ幕なく燃やしているわけです。非常に環境問題を考えると鳥肌が立つような状態でありました。このときから、ごみ問題は環境問題であるという視点で考えてきました。現在もこうした焼却炉が全国に千五百余りあってごみを焼却しています。エネルギー回収という名の下にこのままごみ焼却を進めるというのは、地球環境の将来を危惧するものであります。  どうか、環境問題やごみ問題を先送りにしないでいただきたい。せめて、容器包装リサイクル法改正は、循環型社会形成推進基本法が示している優先順位に即して、発生抑制を基本とした内容に改正していただきたい。そして、いろんな分野の人から、いろんな人が改正の最大のポイントである拡大生産者責任を求める声が出されていますけれども、残念ながら提案には拡大生産者責任の視点から逆行しています。是非このポイントを明記していただきたい。  終わります。
  8. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ありがとうございました。  以上で参考人皆様からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  各参考人皆様にお願い申し上げます。  御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔な御答弁をお願い申し上げます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 関口昌一

    ○関口昌一君 自由民主党の関口昌一です。  今日は、参考人の皆さんにおかれましては、大変お忙しい中こうしてそれぞれの立場から貴重な御意見を賜りまして、まず心から御礼申し上げます。  限られた時間でありますので、早速質問に入らせていただきます。  今回の改正案では、容器包装廃棄物スリーR推進が打ち出されました。容器包装廃棄物スリーR、特にリデュースを推進するためには、特に事業者取組に対応した消費者意識向上と行動が重要になってくるかと思います。消費者意識向上と具体的な行動を促すために、国、自治体また事業者など、どのような立場の人が具体的にどのような取組を起こすことがより効果的であるとお考えか、大井参考人倉阪参考人にお伺いいたします。
  10. 大井治夫

    参考人大井治夫君) スリーRの件でございますけれども、私ども自治体でございますので、ちょっと国のことを申し上げるのはおこがましいかも分かりませんけれども、その点は御了承いただきたいと思います。  国におかれましては、今回いわゆる推進員制度ということを改正案の中には盛り込まれておりますけれども、こういったことを通じまして、積極的なPRであるとかそういったことに力を入れていただきたいというふうに思っております。  それから、私どもの自治体の場で申し上げますと、やはり住民と接する機会が非常に多うございますので、その役割というのは一番大きいのかなというふうに思っております。それで、私どもといたしましては、現在、名古屋ではちょっと今エコクーぴょん制度ということでやっているんですが、エコというのはエコロジーのエコで、クーぴょんというのは、レジ袋回収のときにウサギをちょっと使っておりますので、クーポンをちょっともじってエコクーぴょんということでやっておりまして、レジ袋を断られると、そうするとそれに対しましてお店の方から、金額に直すと一回ですと二円五十銭になりますが、四十回で百円の商品券をお渡しするということをやっておりまして、現在、日平均で三万枚ぐらいずつ市民の方が利用されておりますけれども、そういったことを、今度例えば割りばしを断るであるとかそういったこととか、紙袋まで広げようとかいうことで今やっておりまして、そういったことが自治体に求められてくるのかなというふうに思っております。  それから、事業者の方で申し上げますと、昔は、一番いい例がポテトチップスなんですけれども、ポテトチップスが、箱本体は紙なんですけれども、上と下は鉄でできておりまして、中はアルミであるとかそういったふうになっておって、消費者の方からすると分けるのに非常に面倒くさかったという事例がありますけれども、国産の製品につきましては最近はそれがすべて紙とかいうふうに単一化されておりますので、そういう御努力をしていただくことによって、私どもがよく言っている川上から川下まで、事業者から行政、それと消費者方々とが一体になってスリーRを実現する道になるのかなというふうに思っております。  以上でございます。
  11. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 消費者意識向上のために何をすべきかということでございますけれども、個別に消費者に働き掛けるというよりは、分かりやすいルールを作るということが一番だと思っております。  ルールポイントは二つあります。一つは、個々消費者ごみを出す際に、それに応じた負担を課せられるというルール化でございます。これ、ごみを出す場合あるいはごみのもとになるような例えばレジ袋を買うような場合、そういった場合に必ずお金が、あらかじめ定められたものが取られるというようなルールがあれば、これは消費者の方の意識は劇的に変わると思います。  もう一つは、やはり生産者に対するルール化が必要でございます。消費者も消費生活をやる場合に、例えばコンビニに行ってペットボトルしか売っていないと、そういった状況があるわけですね。消費者意識が高まって、リターナブル、再使用できるような瓶を買いたいと思っても、品ぞろえがないと。これはやはり生産者の方にも責任があるわけでございます。  したがって、そういう再使用を進めるような品ぞろえをするともうかると。逆に、ワンウエーのそういう容器を使うと負担が増えるというようなルール化、それをやることによって、間接的に消費者の方にリターナブルの選択肢が提供され、それに伴って消費者意識が変わると、こういうようなルートがあるかと思います。その二つが重要だと思っております。  以上でございます。
  12. 関口昌一

    ○関口昌一君 今、倉阪参考人の方からリターナブル容器の利用促進についてちょっとお話が出てまいりました。まあリユースというようなことになるかと思いますけど、この消費者のニーズにこたえたリターナブル容器の利用促進策としてどのようなものが効果的であるか、ちょっと案がありましたら。
  13. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 消費者のニーズが先か、品ぞろえが先かという話があろうかと思います。  例えば、ドイツにおいてはデポジット制度消費者が賛成していると、そういった状況があって、デポジットという政策が国全体でやられているわけですね。そういうデポジットという政策、あるいはその他の再使用を進めるような政策が行われれば、企業の方も、じゃ、消費者に受け入れられるようなリターナブルボトルを開発をしていくと。割れにくくて、軽くて、何回も使えると、そういうような方向容器の技術開発が行われるのではないか。  そちらに踏み出す企業がいない、逆にそのペットボトルでビールを売るような技術開発に企業関心が向いてしまうというのは、これは制度が不完全であるからであるかと思います。それによって、企業の方の自由な工夫があって、消費者に受け入れられるようなリターナブルのボトルが今後開発されていく、そういうふうになるかと思っております。
  14. 関口昌一

    ○関口昌一君 今、リターナブル瓶の利用がなかなか進展していかなくて、使用量が近年大変減少してきているということでありまして、この利用促進についていろいろ意見を聞かしていただきまして、ありがとうございます。  次に、今回の改正案によって創設されました、今お話にございました事業者市町村資金を拠出する仕組み、これがより有効的に機能していくと、市町村による分別収集の質の向上と、また事業者による再商品化の質の向上を一体的に促進していくんではないかと思います。  また、容器包装の廃棄物のリサイクルに係る社会的コストの効率化も図られていくことも期待されてくるんではないかと思うんですが、この先ほどの仕組みに関して、市町村側から見てどのように受け止めておられるのか、大井参考人と、あと、大変現場で御苦労されております鈴木参考人にお伺いいたします。
  15. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 今回の拠出の件でございますけれども、私どもといたしましては、名古屋の場合、市民の方の協力というのが非常に大きかったというふうに理解しております。そういった意味で、それの上に立って私ども行政容器包装取組ができたんだろうというふうに思っております。  したがいまして、その市民の方に今回の拠出されました金額というのは幾らになるか分かりませんけれども、ただ単に行政の補てんということではなくて、そういうふうに自主的に努力していただいた市民の方とともに使い道を考えていくべきものであるというふうに思っておりまして、全体として考えてまいりたいというふうに思っております。
  16. 鈴木満

    参考人鈴木満君) コストの効率化という問題につきまして、私は、リサイクル経費だけではなくて、やっぱり環境も含めたことで考えていかなくてはいけないんじゃないのかと。  それから、ドイツのデポジット制、これは七二%という数字、ある程度基準ありますので、そういった政府としての大きなスタンスをどこに置くか、そこに私は尽きるんではないだろうかというふうに思います。
  17. 関口昌一

    ○関口昌一君 今回の容器包装リサイクル法改正を踏まえて、より効果的に、また効率的な容器包装廃棄物スリーR推進に向けて、自治体立場として今後どのような取組を考えていくか、これは大井参考人に伺いたいと思います。
  18. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 名古屋市といたしましては、やはり今回の法案改正されるということになりますと、まずは、取組の一番最初のときに二千三百回、四百回の説明会地域でやらせていただいたということを御紹介申し上げましたんですけれども、やっていただくのはやっぱり市民の方ですので、市民の方の御協力なしにはできないというふうに思っておりますので、回数は何回ということをここでお約束するわけにはまいりませんけれども、きめ細かな市民の方への説明会をまずはやらせていただいて、それの成果として品質の高い分別ができるんではないかというふうに思っておりますので、そういったことを重点的にやっていきたいというふうに思っております。
  19. 関口昌一

    ○関口昌一君 最後の質問なんですが、参考人の皆さんの御意見聞かせていただいて、特に私、鈴木参考人ですね、現場で大変御苦労されてきた中で、ごみ分別について大変な苦慮をしていると。さらには住民の方々ももっと大変なんだということでありまして、私もそうだなと思いますが、この分別について、もうちょっと何か国に対しての要望とか御意見ありましたら、簡潔に聞かせていただければと思います。
  20. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 非常に今、商品が複雑化あるいは多様化しております。そんな中で、容器包装分別、非常に難しい、判断基準が難しくなっています。ですから、今すぐできることというのは、もっとプラスチックならプラスチックの表示を大きくするとか、あるいは高齢者の方でも分かるような容器の形をそれぞれ変えるとか、あるいは包装のもう少し簡略化とか、そんなことをやっていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思っています。
  21. 関口昌一

    ○関口昌一君 それぞれの立場で非常に貴重な御意見参考人皆様方に聞かせていただきまして、心から御礼を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  22. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 三人の参考人皆様、ありがとうございました。  まず、名古屋市の大井参考人にお伺いしたいと思います。  スリーR推進について今、関口さんの方からもお話がありましたけれども、リデュース、リユース、リサイクルのこの優先順位というものをしっかりと踏まえた上で、それぞれについて政策目標といいましょうか、しっかりとこの数値目標を掲げるというのが目標達成に向けては大変大きな効果になると私は思うんですけれども、行政目標を明確に掲げることの意義とそれから効果について、実際になさっているところからお伺いしたいと思います。
  23. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 御指摘のように、数値目標って非常に大事だというふうに私ども思っております。  それは、意見陳述の際に申し述べさせていただきましたけれども、二十世紀中に二〇%、二十万トン減らすというふうな目標を立てまして、現実の話としてはそれが完遂できて、それ以上、現在ですと三〇%、三〇万トンの減ということに現在なっておるわけでございます。  そういうふうで、その後、今現在ですと、去年で七十二万トンという数字でございますけれども、それをまたもう一段減らそうということで、現在、名古屋市では一般廃棄物処理基本計画を改定作業に着手しておりまして、その計画の中で明示することになろうかと思いますが、御指摘のような数値目標容器包装につきましてもしっかりと出していく所存で現在検討しておるところでございます。  以上でございます。
  24. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございます。  倉阪参考人に、今、名古屋市の方でもきちんと数値目標ということを出してやっていくことの効果についてお話をしてくださいましたが、倉阪参考人は大学で教鞭を執っておられて、御指導される前には環境庁の方でも仕事をされて、本当に指導的な立場にいらっしゃると思うんですけれども、あらゆることについて数値目標を持って行うことの大切さ、この法案の中にはなかなかそういうことについて明確ではないというふうに思うんですけれども、そのことの大事さについて踏まえた上で、政策目標を達成させるためにいろんな手法があるというふうに思うんですね。それは、経済的手法であるとか規制的な手法でありますとか、あるいは啓発活動によって、あるいは自主的な取組によって、こういうものが、違った政策手段を効果的に組み合わせる、そういうことについて効果的であるかどうかについて、どういうふうにしてやったらいいのかについて御意見があればお伺いしたいと思います。
  25. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 私、大学に移る前は環境庁で仕事をしておりまして、特に九一年の一番初めのリサイクル法、再生資源利用促進法の政府側の担当で関与させていただきました。その際にも数値目標の話はありました。ただし、データが十分ではなく、数値目標を設定するに至らなかったと。  ただ、それはもう十五年前の話でございます。ここに至って、いまだにそのデータが十分でなくて、数値目標ができないというような言い訳は多分通用しないのではないかというふうに思います。やはり数値目標はその政策の効果を判断する際に極めて重要でございます。新しい政策をやる以上、あるいは今後また五年後の見直しという話もございます。そういった中で、実際この改正がうまくいったかどうか、それをきっちり見なければいけません。そのために数値目標は必要ではないかというふうに思います。
  26. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございます。  また大井参考人に戻るんですけれども、事業者との役割分担あるいは連携ということについて、一連の取組を通じてどんなふうにそれが変わっていくのかなという、その強化なども訴えておられるわけなんですけれども、これはどういうふうに連携し、どう強化していくのが一番いいのかについて御苦労の上からお話を伺えると有り難いと思います。
  27. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 事業者一般ということではなくて、ちょっと施策に絡みますので、二つに分けて答えさせていただきます。一つは生産段階事業者の方と、それから販売段階事業者の方ということで御理解いただきたいと思います。  生産段階事業者の方につきまして私どもがお願いしたいのは、やはり製品容器包装の単純化ということですね、まずは。  先ほどポテトチップスの例を申し上げましたんですけれども、国産メーカーの方々は最近ほとんどの方が紙製容器包装になっていまして、市民の方が出すときに紙ということで出されるんですけれども、昔の場合ですと、いわゆる先ほど申しましたように、鉄であるとか中はアルミだとかいうことで分けなきゃいけない。これは、一般の市民の方はなかなか分けづらいという部分がございました。最近は、生産者の方がそういう努力もされておりますので、そういった努力をより一層やっていただきたいというふうに思うわけでございます。  それからもう一つは、販売マターでの事業者の方で申し上げますと、先ほど私どもはエコクーぴょん制度というのをやっておるというふうに申しましたけれども、これも類似のものを、各、例えばスーパーマーケットであるとかそういう、百貨店であるとか全国チェーンのようなお店をやっていらっしゃる方は、その企業の中だけでそういう類似のことをやっていらっしゃるというのがございまして、互換性が余りないということがあるわけですね。  Aというお店のはこういうシステムでやっていて、Bというチェーン店は違うことでやっているとかいうことがあって、AとBはなかなか互換性がないというのがあって、それではいけないということで、私ども名古屋市はエコクーぴょん制度ということで名古屋市内という地域に限ったので、どのお店でも通用するよという制度をやらせていただいておりまして、去年からは万博でやりましたEXPOエコマネーセンターというところで、そこでも使えるようにということで、財団法人の博覧会協会さんの方と協定をやりましてやらせていただいておるわけでございますが、そういった地域の方とも販売店さん側の事業者としては連携をもっともっと深めていただきたいなという希望は持っております。  以上でございます。
  28. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございます。  三人の参考人皆様、それぞれに拡大生産者責任についてその強化をしていくべきだということを訴えておられたというふうに思います。具体的に今回の法案の中でどの部分が弱くて、どのようにすべきかということについて、お一人お一人に伺いたいと思います。  倉阪参考人は、殊に詳しく割とおっしゃってくださって、できるだけ生産者負担にということと、現在の経済ルールを変えることが大事だということをおっしゃってくださっておりましたが、倉阪参考人は、この強化ですね、責任強化をしていくということについて、更にもし先ほどおっしゃったこと以外にも言うべきことがありましたら付け加えてお願いしたいと思います。  大井参考人からお願いします。
  29. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 私どもが今回の改正案で一番評価しておりますのは、排出抑制促進であるとか、あるいは再商品化といった場合の質の向上、こういったことが図られるというふうに理解しておりまして、その点については評価はさせていただいております。  それからもう一点、いろいろ中央環境審議会等で熱い議論があったというふうにお聞きしておりますが、事業者から市町村資金を拠出するということにつきまして、これはこういった仕組みができたということは、私どもは、金額的には十分ではないかも分かりませんけれども、生産者の方の方からこういった仕組みができたということについては、私どもの市長がよく使う言葉でございますけれども、セカンドベストという言葉をよく使われるんですけれども、いろいろな利害関係者が話し合っているときに自分の最善のものばかり言っていてはやっぱり駄目だと、それは民主主義じゃないという考え方で、私どもの市長はセカンドベストという言葉をよく使われるんですけれども、私どもはその市長の言葉で使うとすると、今回は拠出の仕組みについてはセカンドベストだったかなというふうに理解しております。
  30. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 今回、拠出の制度というものが入ったわけでございますけれども、市町村分別回収のところの費用自体がやはり税金で賄われるという仕組みは変わっていないわけでございます。したがって、拡大生産責任をきっちり導入しようとすると、そこにメスを入れざるを得ないと、その点では不十分ではないかというふうに言わざるを得ないと思います。  それから、生産者負担というだけではなくて、流通業者の方も流通過程で容器を付けるということの負担をしなければいけないことになるわけでございますが、そちらについては一部その規定が盛り込まれ、まあ一歩前進ではあるかと思います。  ただ、こちらについても具体的な政省令がどういうふうに書かれるのか、そこによる部分がございます。例えばレジ袋の有料化を進めたとして、そのお金がどういうふうに使われるんだろうか、そこが分からないわけでございます。やはり流通業者の懐に入るというような仕組みではなくて、そこが環境対策などに流通業者のイニシアチブで使われるというふうな、そういう政省令にしていただきたいというふうに思います。
  31. 鈴木満

    参考人鈴木満君) まず、各条文に排出抑制という限定がされてしまったというのが非常に気になるところであります。  それから、この法律が、循環型社会形成推進基本法に沿って整合性を取るべきだと、そういう点ではやっぱり三Rというのを明記すべきではないか、そう思っております。  質の高い分別収集ということがこれから期待できるものなのかどうか、現場の実態からすると非常に厳しい実態ではないかというふうに思っております。
  32. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 倉阪参考人拡大生産者責任といいますと業界に抵抗があるのではないかと思いますが、このうまい説得というのはどのようにしたらよろしいでしょうか。
  33. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 拡大生産責任といっても生産者負担するわけではありません。これは価格に転嫁して消費者が最終的には負担するものでございます。したがって、拡大生産責任イコール生産者負担というのはちょっとミスリーディング、誤解を与えるものでございます。  逆に、ちゃんとスリーRに向けて動き出す企業がもうかるようなルールを作るんだと、そういう説得の仕方が必要ではないかというふうに思っております。
  34. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 あとちょっと、もっとありますね。  レジ袋の有料化は、先生はいいことだというふうに思われていますか。
  35. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) レジ袋を減らすことはいいことだと思っております。  例えば、千葉大学におきましては、この五月から生協のレジ袋一枚五円取っております。それによりまして、九三・五%のお客さんはレジ袋を使っておりません。したがって、九割以上、レジ袋削減が達成されております。これを見ても、まあこれは大学ですから、学生が五円というと、ちょっと金額が高いということで使わないということだと思うんですが、レジ袋自体使わないで済む商品であるということがこれの例から見ても分かるかと思います。そういうところは無駄なものということで、できる限り減らしていくことが合理的ではないかと思っております。そのためにレジ袋の有料化は有効だと思っております。
  36. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 そこで上がった収益、そこでの収益というのはどのように使うことが有効でしょうか。
  37. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 千葉大学の例で恐縮でございますが、別建ての基金を作りましてそれを学内の環境対策に使うということで、生協には入らない形にしております。それから、生協の方で要らなくなったレジ袋、それを購入する代金が浮くわけでございますが、そちらもレジ袋基金、学生の方は「れじぶー基金」と名付けておりますが、そちらの方に組み入れて学内の環境対策に使うということにしております。そういう使途の明確化は重要だと思っております。
  38. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございました。時間が来ました。
  39. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。  本日は、参考人皆様、お忙しい中、わざわざ国会までお越しいただきまして、また貴重な御意見をちょうだいいたしました。大変にありがとうございました。しっかりと今後の審議に生かしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず、ごみ分別収集について、大井参考人鈴木参考人にまずお伺いしたいと思います。  先ほど、大井参考人の方から名古屋市の取組、御紹介をいただきました。平成十一年二月にごみ非常事態宣言を発表してから、ごみの量も七割、そして資源回収量は二・五倍になって、また埋立て量は半分以下に減った、そのように報告も伺っております。これは本当に大変な大きな成果が出ておりまして、これは市民皆様、また関係者の皆様努力、協力によりまして、こういったすばらしい結果が出たものと思いますけれども、名古屋市のように、このようにしっかりと分別に取り組まれている地域もあれば、まだプラスチック分別進んでいない地域もございまして、やはり質の高い分別収集というのはごみ発生抑制にもつながりますし、またリサイクル推進、また環境問題に対する国民や事業者の方含めて意識向上にもつながるかと思いますので、こういった質の高い分別収集というのをしっかりと取り組んでいくことも重要な課題かと思っております。  昨日の委員会でも、我が党の草川委員からも質問がございまして、私も一昨年の委員会で質問させていただいた件なんですけれども、一般廃棄物の分別収集、またこの処理方法について、一定の基準だったり、ガイドラインのようなものがしっかりあった方がいいのではないか、こういったことを質問させていただきました。それに対して環境省の方からは、望ましい一般廃棄物の分別収集などの方法に関するガイドラインの作成に向けた検討を進めているということで、こういった答弁があったわけですけれども、しっかりこういった作成に向けて進めていきたいと思っておりますが、この基準、ガイドライン作成に当たって、それぞれ現場で携わってこられたお二人から、それに対する御意見と御要望がありましたらいただきたいと思っております。
  40. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 分別ということでちょっと御答弁させていただきたいというふうに思います。  やっぱり、分別するとなると、ある一定のルールがないと問題になろうかというふうに思っております。それも、余り細かくなると今度は市民の方が付いていけないということになろうかと思います。  名古屋市では、現在、迷ったら資源という言葉で、市民の方がごみにするのか資源の方に出すのか迷われた場合は資源で出してくださいと、こういうルールを決めまして、迷った場合は資源収集日に出してくださいよということで対応させていただいておるわけでございますが、こういった分かりやすい何か指針というのが必要になるんじゃないか、余り細か過ぎても市民の方に御理解を得るのはなかなか難しいんじゃないかというふうに考えております。  以上でございます。
  41. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 分別収集処理基準のガイドラインということですけれども、まず、自治体のスケールの大きさ、規模の大きさですね、それによっても相当違ってくるのではないかというふうに思いますし、あるいは住民の方の意識の違いというのも相当加味をせざるを得ないだろうというふうに思いますけれども、当然、ガイドラインというのはある程度の、一定のラインというのは必要かというふうには思います。  それから、余りそのレベルを高くすると、今度は低いレベルの方から問題が指摘されてくる。どうしてやらなくちゃいけないんだというレベルの議論がもう現場では当たり前の話ですから、その辺を加味していただければ、ガイドラインというのはある程度あってもいいんじゃないかというふうに思います。
  42. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  大井参考人の方にお伺いしたいと思いますが、こういった取組を始めるに当たりまして、二か月間で二千三百回でしたでしょうか、そういった説明会を行って、いろいろ広報活動もされたということなんですけれども、そういったことによりまして、市民皆様の御協力をいただいて今着実に進んでいるかと思いますが、そういった途中経過であったり、例えばリサイクルはこのように進みましたよとか、今はこういう状況であります、埋立地がここまで減らすことができましたとか、そういった途中経過も含めて、市民皆様、また事業者の方も含めて、そういった報告する場所、それもしっかりとつくっていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  43. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 二千三百回説明会はさせていただいたんですけれども、今度それでどうなったかということについて二千三百回すべてまたもう一度説明会をやったということはございません。  ただ、私どもの広報紙でありますとかテレビ、新聞等も使って毎年毎年それのデータは公表させていただいております。あるいは、経費等につきましても、私どもの方で作って、それを公表させていただいておるということはやらせていただいております。  そういった中で、私どもの中で、なごや環境大学という格好で、これはいわゆるユニバーシティーとは違いまして、環境に興味のある方はどなたでもいらっしゃいよということでやっておる、言ってみれば一種の講座的なものでございますけれども、そういった中でも、どういうふうに減らしていくのかとか、そういったことについても市民の方と一緒にやって、そこから情報発信という格好でやっております。  それで、これ速報版ですけれども、こういったことで、名古屋ごみレポートという格好で数値、今申し上げました経費の面であるとか量がどれだけだったかというのは一年に一遍ずつこういう格好で報告はさせていただいておるところでございます。
  44. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  先ほどから名古屋市のレジ袋取組もお話しいただいておりますが、このレジ袋の対応につきましては、もう様々な分野の方から大変な高い関心もいただいておりますので、もう一度詳しく取組につきましてお伺いしたいと思います。  また、軌道に乗るまでの課題等もあったかと思いますので、併せてお伺いできればと思います。
  45. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 私どもで現在やっておりますのはエコクーぴょんの関係でございますけれども、私どもで参加していただいております店舗が、店舗というのか、例えば百貨店なら百貨店で中にもいろんな店舗入っておりますのであれですけれども、五百六十二ということでやっていただいておって、例えばこの中には地下街がございますが、地下街が全部入っていてもそれも一つとかいうふうに数えてございますので、個々の点で申し上げますとかなりの量になろうかと思いますが、そういったところが参加していただいておりまして、それで、先ほど申し上げましたように、年間、最新のデータですと三万枚弱ぐらいが出ておるというような状況でございます。  それを去年から、万博が、愛・地球博が終わりました後、財団法人が一年間存続するいうことになりまして、そのときに私どもの金山という地区があるんですけれども、そこに、博覧会協会の中でレジ袋を断ったりそういうエコ活動をされた方は、EXPOエコマネーセンターというところで植樹に寄附するとか、ポイントをためたりするとそのポイントでいろんな環境に優しい製品企業から提供していただいたのと交換しますよということをやっておられたんですけれども、それを万博終了後はその金山というところで引き続いて博覧会協会が現在やっていただいております。  これは、一つの社会実験として、万博のときは会場の中という一つの閉鎖空間であったのを広げた場合にどうなるかということの実験ということで今やっていただいておりますが、それとも協働させていただいて、その私どもでやっておりますエコクーぴょんを持っていくと、そうするとそれはレジ袋をお断りしたという印にもなりますので、万博の方でそれの点数でまた商品をいただくこともできますし、植樹に寄附するということもできまして、今年ですと四月の二十九日のみどりの日に三百本ばかり植樹をさせていただいたという実績がございます。
  46. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  それでは、三人の参考人の方にお伺いしたいと思います。  今回の改正案の中で、消費者意識向上事業者との連携を図るための対応ということで、容器包装廃棄物排出抑制推進員、これが環境大臣によって委嘱されるということでございますけれども、この推進員に対する期待といいますか、望むことがございましたら、一言ずつ三人の参考人からいただきたいと思います。
  47. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 名古屋市の場合、現在、私どもの方で、六十人だったかな、ちょっと細かいところはあれですけれども、約六十人ぐらいの分別指導員という方を置いております。この方に重点でやっていただいておりますのは、やはり人事異動というのか、四月ですね、四月、五月が非常に大学生の方であるとか社会人の方でもよそのところから人事異動で引っ越していらっしゃる方が多いというところがございまして、こういった時期が一番分別が、名古屋方式になかなかなじんでいただけないということで特に重点を入れて、そして併せて、地域的にはワンルームマンションの多い地域に重点を置いてその分別指導員という方にお願いして指導をしていただいておる状況でございます。  今回、国の方で置かれる、そういう制度ができるということでございますが、それにつきましても、やはり一般の家庭のところとそういった、名古屋で申し上げますとそういう分別の悪いワンルームマンション等の多い地区であるとか、そういったところというのはやっぱり温度差がございますので、そういうところの重点的な配置ということに配慮をいただけたら有り難いなというふうに思っております。
  48. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 推進員について、これがせっかく置かれるわけですから、具体的な役割を与えることが重要ではないかと思います。  単に普及啓発を進めるための拠点というだけではなくて、例えばレジ袋削減取組についてちゃんと流通業者がやっているかどうかを見るような役割であるとか、その地域に応じた、今、大井参考人からもありましたような分別指導であるとか、そういう具体的な取組をちゃんと与えて仕事をしてもらうということをしないと効果が上がらないというふうに思っております。
  49. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 現在で、衛生員という人が自治会の中におりますけれども、容器包装リサイクル法の問題ですと、やはり相当の意識の高い人あるいは法律を詳しく御存じの方になってもらわないと非常に難しいところだ。  そういう点では、どういう方がなってどういうことをするのかというのは非常にこれからの問題だと思いますけれども、やはり具体的な、我々でさえこうやって分別に迷うことがありますから、もう少し基準を明確にした上で委嘱をしていかないと、非常に選出された方が困るんだろうなというふうに思っています。
  50. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 大変に本日は貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。  あしたまた審議ございますので、皆さんの御意見をしっかりと承った上で進めさしていただきたいと思います。  大変にありがとうございました。
  51. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本共産党の市田です。  今日はお三人の参考人の皆さん、お忙しい中をありがとうございます。  今度の法改正で、市町村が質の高い分別収集を実施した場合、再商品化の質の向上等により処理コストが低減されると、そういうことから分別基準適合物の質的向上ということを政府は言っているわけですが、先ほど鈴木参考人ごみの品質を上げる問題で、自治体責任として分別を更に強化されれば財政的にも精神的にも自治体を苦しめることになるというお話がありました。  この分別基準適合物を今後厳格化して細分化した場合、先ほどもその一端、御苦労がお話しになりましたけれども、消費者、住民に対する啓発徹底活動など自治体の現場での苦労は一層大変になると思うんですけれども、実態を踏まえてその点がどうなるか、改めてもう少し詳しくお聞かせ願えないでしょうか。
  52. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 所沢市内だけで、今七千三百か所以上の集積所があります。そして、市街化区域には繁華街があり、あるいはワンルームマンションがどんどん建つ、高層ビルがどんどん建つ。そんな中で、非常に日々この分別の徹底ということには苦心をしているところです。  決して我々は分別をやらないということではなくて、やっていながら、やはりもっと高めるということが果たして、その努力成果に結び付くのかなということを思っています。  分別も、ゼロから始めれば六〇%、七〇%までは、ある程度までレベルも達することはできるんですけれども、七〇%を八〇%、八〇%を更に九〇%と高めるというと、これまで以上に人手も必要になりますし、苦労があるというふうに思います。  こうした状況から、質の高い分別収集というのは非常に、自治体にとっては資金の拠出ということも裏ではあるけれども、そういうタヌキの皮算用みたいなことになってしまうんではないかというふうに危惧をしております。
  53. 市田忠義

    ○市田忠義君 鈴木参考人にもう一問お聞きしたいんですけれども、先ほどのお話で、容リ法で現場はどう変わったかということで三つ挙げられましたが、一つはごみが減ったという実感がない、第二に自治体財政負担が大きくなっている、第三に消費者リサイクル意識が後退していると。その中で、今まで以上に品質を上げるということになれば自治体に一層の選別経費が求められると。  私、所沢市の当局に聞きましたら、現状でも容器包装プラスチック一トン当たり十一万三千円の処理コスト収集量全体の処理コストは七億七千五百十三万円というお話でした。  これ以上に質を高めるというふうになると、人件費、施設の整備それから選別保管経費等々が増加をして処理コストが上乗せされるというふうに思うんですけれども、この市町村の質の高い分別ということで、市町村費用負担が、今でもまあ環境省の推計で三千億と言われていますけれども、これ増大させるということにならないか。現場の実感として、どういうふうにお考えでしょう。
  54. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 分別をより細分化していくということでありますから、当然分別が増えれば人も必要です。そして車も必要になります。そして、受入れ施設では、ストックヤードとかあるいは選別ラインを造るということで、非常にごみの現場というのはマンパワーによる選別が必要になってくるわけです。  まず何よりも、そこに携わる職員がどういう意識でやるか。意識向上というものは欠かすことはできません。不安定雇用の委託労働者で、本当に所沢でも、来るたんびに人が違うとかいうことでは、そういった役割を担うということは非常に難しくなってくるんだろう。意識を持った自治体の正規の職員をやっぱり配置をしていかなくてはいけない。量をこなすには機械でできますけれども、質を高めるというのはやっぱりマンパワーに頼るようになると思います。
  55. 市田忠義

    ○市田忠義君 同じ質問で申し訳ありませんが、今度の法改正で、市町村費用負担が結局増大することになるんじゃないかという問題について、倉阪参考人大井参考人はどのように見ておられるか。済みませんが、簡潔によろしくお願いします。
  56. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) この十条の二という金銭の支払の条項が入ったことによって、この質を高めるという方向に本当に動くかどうかというところから若干の疑問があります。これは総額で考えておりますので、頑張ったところに直接お金の支払があるということが保証されていないわけです。したがって、具体的な、各市町村がどの程度本当に動くんだろうかということは疑問です。  質を高める際に、例えばリサイクルしにくいような汚れたプラスチックを入れないとか、そっちの方向が増えてくるかと思います。そこは、具体的な指導があればある程度市町村は対応できるかと思いますが、逆にそれによってプラスチックの焼却が増えたりということにならないかという危惧もございます。
  57. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 名古屋の場合で申し上げますと、市民の方の協力があって成り立っておるというふうに考えておりまして、市民の方は、先ほどちょっと申し上げましたけれども、迷ったら資源というような切り口でやるというのが一つと、それからもう一つは、出される場合は中をさっとゆすいでということでお願いしております。これが、二つが私どもの分別で出していただくときのキーワードという格好でやらしていただいております。  その結果としてどれくらいかというと、容器包装リサイクル協会の方からは毎年最良という、Aランクというのをいただいておりますんで、そういう点では今回のようになっても支障は特段ないかなと思いますが、これ以上きれいにしてくれであるとかそういったことに、Aランクよりももっと厳しいのにということをいただくと、また御指摘のような場面もできるかも分かりません。特に、市民の方の習慣付けということでは、説明をきちんとやって習慣付けというか動機付けをきちんとやるものの経費は掛かるかというふうに思っております。  以上でございます。
  58. 市田忠義

    ○市田忠義君 最後の方になるとどうしても質問がダブってやりにくくて、お答えになる方も、申し訳ないんですけれども、同じ質問でも少し角度を変えて答えていただくと有り難いなと。  拡大生産者責任について、倉阪参考人は先ほどかなり詳しくお話しになりましたけど、改めてお三方に。  どう見ても今度の改正案拡大生産者責任の視点がないといいますか、逆行していると私は見ています。企業責任自治体と住民の責任に転嫁していると。排出抑制という言葉はあるけれども、発生の抑制という言葉、これは全くないと言ってもいいと思うんですけれども、この拡大生産者責任について、今度の法改正案でどうなっているかということについてお三方から伺いたい。  倉阪参考人は先ほど解明がありましたから、私、聞きたいのは、中環審の中間取りまとめなんかのときにはもっと事業者責任をと言われていたのが今度の法改正では実らなかったと。その背景に何があるのかと。これは、元環境庁におられて、今学者としてやっておられる角度から見て、背景にどういうことがあるというふうにお考えか。それなどについて触れていただければ有り難い。  お三方、大井参考人から順番に、済みません。持ち時間、四十一分までですので、よろしく。
  59. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 御指摘のように、中環審のときに全国自治体の方から出させていただいた要望とは違っておるということは理解しております。  しかしながら、時間の関係もありますので先に結論申し上げますと、私どもは、やはりそれぞれ利害関係者が、皆さんが一堂に会して議論された結果こういうことになったんだというふうに思っておりまして、そういう意味では、私ども自治体が、ベストのやつではないかも分からないけれども、先ほど申し上げました言葉を使わせていただきますと、うちの市長が言うセカンドベストの選択であるということで思っておりまして、一歩前へ踏み出したという点では評価をさせていただきたいというふうに思っております。
  60. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 役所の中の話については、私もう離れておりますのでどういう調整があったかということは分かりません。  ただ、その拡大生産責任についての誤解があって、生産者負担をしなきゃいけない、企業責任だと、生産者が悪いから何かその責任を負わされるようなイメージが業界にもあって、その言葉が何かタブーのような、そういう扱いを受けてしまっているということは大変残念でございます。  私が申し上げましたように、ちゃんと頑張っている企業がもうかるような、そういうルールの変更であるというふうにちゃんと環境省の方も説明をして説得できるように頑張ってもらいたかったなというふうに感想として持っております。
  61. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 自治体としてはこれまで、企業が生産し住民が消費したものを無条件に受け入れて処理をしてきたわけです。ごみの後始末に徹してきたわけですね。ごみが増えるにつれて清掃工場を造ったり最終処分場を造ってきたわけですけれども、この十数年でスタイルは破綻したというふうに私は思っています。それが地球環境問題であり資源問題であって、いわゆる最終処分場問題です。  恐らく、こういうことを十分論議されて循環型社会形成推進基本法が成立したというふうに思っているわけですけれども、この順位がどこにもなかなか反映されていない。いろんなリサイクル法が、個別のリサイクル法がありますけれども、基本的には循環型形成推進基本法の趣旨に沿ってやるべきだ。自治体ごみを選ぶことができないんですね。また、不特定多数の消費者責任を迫ってもだれも責任取れるわけではないです。消費者は安く便利なものを買う。ですから、どんな容器にするのか、あるいはどういう素材を使うかというのは唯一、生産者が選択権持っているんですね。生産者があります。  ですから、その選択権を持ったところに責任を持ってもらうということがごみをコントロールする当然のシステムだというふうに思っていますので、ですから、そういう点ではこの改正案というのは余り期待できないというふうに思っています。
  62. 市田忠義

    ○市田忠義君 御協力いただいて二分残りましたが、終わります。
  63. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今日は、三人の皆様ありがとうございました。  私は、漫才でいうとお父さんは粗大ごみだと、こういうふうに言われておりまして、再使用していただくことを非常に願っている一人でございますが、その再使用という意味で、非常に不十分であるというような御指摘が異口同音になされているわけです。  これにつきましては後ほどお聞かせいただくことにいたしまして、法案に対しての賛成、反対というような、お立場でいうと、まあにじみ出ておりますけれども、お差し支えなければ、法案に対する賛成、反対というようなことでいうとどんなお立場でございましょうか。大井参考人倉阪さん、鈴木さん、お願いしたいと思います。
  64. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 私どもといたしましては、常々この一年半の間にいろいろ要望もさせていただいたという経緯からいきますと、それが全面的に認められたということではございませんので、そういった点ではまだ不満も残る点もございますが、全体として見ると、やっぱり前に進んだという評価はさせていただいております。  したがって、そういう意味では、賛成か反対かと、白か黒かということであれば賛成という側というふうに理解していただいて結構だと思います。
  65. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) 法律改正機会というのはそうないわけですね。千載一遇のチャンスなのに、これではやはり不満足でございます。  したがいまして、賛成か反対かと言われれば、やはりこのままでは反対ということになります。私が資料を配付しましたように、せめてちょっとは変えるぐらいの気構え、気概を立法府として見せていただきたいというふうに願っております。
  66. 鈴木満

    参考人鈴木満君) 結論からいえば反対です。  なぜなら、まず一番のポイントである発生抑制という視点が欠けている。二つ目は、拡大生産者責任というところにメスが入らないという二点であります。
  67. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 なかなか言いづらいところをいろいろありがとうございました。  社団法人の日本経済団体連合会が、よく参議院の調査室で資料も作っていただいているんですけれど、「「拡大生産者責任」強化への疑問」ということで、こういうことを言っているんですが、これについてどのような御見解でございましょうか。  「「拡大生産者責任」強化への疑問」。事業者は、既に再商品化義務を負い、多大なコスト負担しているほか、容器包装の軽量化、薄肉化というんですか、薄くしていく、リサイクル容易化に向けた技術開発や環境配慮設計の推進や商品への識別マークの表示など、様々な形で生産者としての責任を果たしているということでございまして、そのほかにあと四行、五行あるんですけれど、この点につきましての御感想をお聞かせください。
  68. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 事業者の方におかれましては、今御指摘のあったようなことはやっていただいております。それは評価したいというふうに思います。  ただ、私どもが申し上げたいのは、ただ単に金銭を負担をしたから、だからそれでいいんだよということではなくて、先ほどから申し上げております再商品化のために、ポテトチップスの例を申し上げましたが、ああいったような努力を今後とも引き続きやっていただきたいということが一点ございます。  それからもう一つ、このリサイクルということにつきましては、その地域地域によっていろいろやり方も違っておるところがございますので、大きな企業になればなるほど全国展開をされていて全国一律の対応をされるところが多うございますけれども、それを地域の特性に合ったようなことできめ細かな対応をしていただくという、リサイクルのためにはそういった地域ごとに対応をきめ細かく対応していただくということも拡大生産者責任の一つではないかというふうに思っておる次第でございます。
  69. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) そもそも、現行容器包装リサイクル法には十分に拡大生産責任が位置付けられていないというふうに思っております。したがいまして、リターナブルボトルがどんどん減っていっているということから考えても、現行制度自体やはり不十分であると。これは、企業負担を求めるといいますが、これは企業から見れば消費者の方から価格に転嫁する形でお金をもらうような、そういったルール化なわけですね。したがって、企業の利潤を減らせというようなことではないわけです。ここは企業の方の誤解があるのではないか。  したがって、ちゃんとルール化すればそれが公平な市場ルールになりますので、そこの誤解を解いて、経済団体の方もほかの国と同じようなレベルの拡大生産者責任に向かって踏み出していただきたいというふうに思っております。
  70. 鈴木満

    参考人鈴木満君) そもそも、企業努力と社会のシステムをつくる政策、これは別物であるというふうに思っています。それは、この十年間、容器包装リサイクル法が施行されましてやってきた結果が、まるでこれごみが減っていないと。(資料提示)  上の方は埼玉県全体のごみ排出量です。下の方は所沢市のごみ排出量です。この間ごみが減っていないです。というのは、やっぱり今までの延長では駄目だということを言いたいというふうに思っています。  これちょっと、所沢市のこれは平成十四年版と十七年版の事業概要をちょっと切り張りしたものですから、単位がちょっと違いますんで、誤解のないようにお願いします。
  71. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ありがとうございます。  大井参考人に、市長さんの言葉でセカンドベストという言葉がありましたが、よりベストに近づけるには、先ほど来から幾つかの御提案もいただいておりますが、改めて、次に何を手掛けるべきでしょうか。
  72. 大井治夫

    参考人大井治夫君) まずは、今回、法が改正になりましたら、それを着実に定着させることが第一だと思っております。それで、それがどういうふうに成果があるかということを見極めた上で、それで正すべきところは次の見直しのときにまた自治体として提案をさせていただけたらというふうに思っておる次第でございます。
  73. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 倉阪参考人から、社会のルールということでございます。  先ほど、個別の企業で対応していたら、やらないところ出てくれば、それはやらない方がいいだろうということに恐らく今の判断ではなるんで、社会全体にルールを掛けて、先ほどの拡大生産者責任についても、みんなが負担するものなんだと。それが経済的にも長期的に見てもちろん環境に対してはいいわけで、そういう企業こそ評価されてしかるべきだと。そういう今度我々の目も必要なわけですよね。そういうところに対しても、いわゆるCSRとかSRIというんでしょうか、企業の社会的責任に対して株を買えと小泉さん盛んに言うわけですが、仮に株投資する場合にはそういう企業にこそ投資をするという、そういう我々の気持ちも必要なんだろうというふうに思うんです。  そこで、先ほどのお話で大変私も勉強になっておったんですけれども、いわゆるリターナブルの容器で、スウェーデンでは大体九八%回収していると、デンマークでは九九%の回収だと、こういうことですが、デポジット制度日本導入する、こういったことの、何といいますか、経済性というんですか、企業意味というんですか、これは私は評価はかなりされるんだろうと思いますが、例えば飲料容器の場合です、さっき言ったのは、そういうふうになかなかなれないんじゃないかなと、企業としてまだまだ。ルール化すればもうみんな行っちゃうんですけれど、その悩ましさがあるというふうに思うんですが、倉阪先生のこうしたところにデポジット制度を入れるという方法論、こんなことありましたら、お聞かせください。
  74. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) デポジット制度は、実は日本に適しております。というのは、日本は島国ですので、国境を陸地で接しておりません。したがいまして、デポジット制度導入をして、もう製品を作る段階からデポジットを掛けるということを明確化しておけば導入が容易でございます。  デポジット制度についての反対論としては、日本小売店舗が小さくてなかなかそういったものを置いておけないよという話があるわけでございますが、何も買ったところに返さなければいけないというルールをつくらなくてもいいわけですね。ガソリンスタンドでも学校でも、どこでもいいわけです。そういう回収ポイントを柔軟に設定をして、日本全国でデポジットを導入すると、社会的コストは例えば自動車リサイクルに掛けているコストよりはずっと安く付くのではないかというふうに思います。
  75. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 それから、先ほどは名古屋の金山地区ですか、の事例がありましたけど、私の福島の須賀川というところも、てんぷらの廃油を回収するのにお店に持ってきていただく。お店に持ってきていただくと、ウルトラマンスタンプという、ウルトラマンの円谷さんの発祥の地なものですから、シールを張ると、それが二十枚たまると商品券になったりするわけですけれども。その負担分はそれで走らせる自動車の産廃の方なんですが、そのトラックに入れますから、バイオディーゼルに全部変わるわけです。すると、軽油の分安くなるんですね、軽油を買うより安くなる。その部分の一部をスタンプで商工会に寄附をして、回収と同時に意識を高めていただくというようなことをやっているわけで。  先ほど倉阪参考人からもありましたけれども、大学の取組が、いわゆるエコマネーとかエコクーポンという表現されましたけれども、地域経済とかあるいは貢献と言ってもいいと思うんですね、お金というばかりじゃなくて。そういうもので評価される、世の中が回っていくというものがもう一つあっていいというふうに思うんです。そういうものを我々は公という言葉を使います。官とか民という考え方じゃなくて、民も協力してもらう、官も協力してもらう。公、税金を極力使わない形で助け合う。そういう公の発想というのがこういうエコマネーとかエコクーポンというのにすごくあると思うんですが、こういうものをもっと導入していくということにいいんじゃないか。  例えば、先ほどのデポジットでも、昔は廃品回収とか含めて、我々、瓶を五円返してもらうことから始まってやっていたわけですよね。だから、そういうものの運動というんですか、こういうものも、この法案、五年後に見直しということで、五年後どうなっているか分かりませんけれども、そういう視点が私は抜けているんじゃないかなと、この法案ということだけじゃなくて。そういう総合的な考え方が入ってこないとなかなか成果が上がらないのかなというふうにも思っているんですが、ちょっと御感想を聞かせていただければと思います。
  76. 大井治夫

    参考人大井治夫君) 私どものやっておりますエコクーぴょんを評価していただいて、ありがとうございます。  私ども、御指摘のように、それは法律でということでなれば、それは皆さんやられるだろうとは思いますが、やっぱり市民運動というものが発想の原点にございますので、やはりそういうことではなく、自然な盛り上がりという中で今までやってきましたし、これを広げていきたいというふうに思っておる次第でございます。それじゃないと、法律で決められたからということだとやっぱり横を向く方もそれなりにお見えになりますので、特に環境NPOに携わってみえる方だとか、そういった方はそういうこともあろうかとも懸念されますので、私どもといたしましては、純然たる市民運動として広げていきたいなというふうに思っておる次第でございます。  以上でございます。
  77. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 倉阪さん、いかがでしょうか。
  78. 倉阪秀史

    参考人倉阪秀史君) やはりルールで決めるところというのは、一定の限界はあろうかと思います。ちゃんと頑張っているところがきっちり評価されるようにする、ここまでがルールでございます。その達成のために地域で様々な取組をやっていくと、こういった関係にあろうかと思います。  ちゃんと頑張っているところが評価できるようにするためには、そのデータをちゃんと取るとか、それが見えるような形にするとか、それに応じて今回の、例えば拠出金が分配できるとか、そういうことをやっていく必要はあろうかと思います。そういう工夫をしていただければ幸いでございます。
  79. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 時間がありませんので、鈴木さん、またの機会にお願いします。  ありがとうございました。
  80. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 以上で参考人に対する質疑は終わりました。  参考人方々に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十五分散会