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2006-06-01 第164回国会 参議院 環境委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年六月一日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 関口 昌一君                 橋本 聖子君                 岡崎トミ子君                 鰐淵 洋子君     委 員                 大野つや子君                 狩野  安君                 西田 吉宏君                 真鍋 賢二君                 大石 正光君                 小林  元君                 谷  博之君                 広野ただし君                 加藤 修一君                 草川 昭三君                 市田 忠義君                 荒井 広幸君    国務大臣        環境大臣     小池百合子君    副大臣        環境大臣    江田 康幸君    大臣政務官        環境大臣政務官  竹下  亘君    事務局側        常任委員会専門        員        渋川 文隆君    政府参考人        内閣官房構造改        革特区推進室長        兼内閣構造改        革特区担当室長  大前  忠君        消防庁審議官   貝沼 孝二君        厚生労働大臣官        房審議官     岡島 敦子君        厚生労働省労働        基準局労災補償        部長       森山  寛君        農林水産大臣官        房審議官     吉田 岳志君        経済産業省製造        産業局次長    塚本  修君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       高原 一郎君        国土交通大臣官        房官庁営繕部長  奥田 修一君        環境省総合環境        政策局長     田村 義雄君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       滝澤秀次郎君        環境省地球環境        局長       小林  光君        環境省自然環境        局長       南川 秀樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○特定製品に係るフロン類回収及び破壊実施  の確保等に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  特定製品に係るフロン類回収及び破壊実施確保等に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房構造改革特区推進室長内閣構造改革特区担当室長大前忠君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 特定製品に係るフロン類回収及び破壊実施確保等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 関口昌一

    関口昌一君 自由民主党の関口昌一です。  限られた時間ですので、もう早速質問に入らせていただきたいと思います。  平成十四年四月にフロン回収破壊法が施行されてから四年、そして議員立法としてフロン法が制定されてから五年が経過いたしました。このフロン回収破壊法の制定にも当初から積極的に携われてこられました竹下政務官、今回の法改正目的と概要についてお伺いいたします。
  6. 竹下亘

    大臣政務官竹下亘君) おはようございます。  フロン類排出削減というのは二つ目的があります。一つは、南極の上空で大きくなっておりますオゾン層破壊を食い止めるということ。そして、フロンは二酸化炭素に比べますと、種類によっても違いますが、一千倍とか何万倍とかという温室効果を持っておりますだけに、温暖化防止という観点からも大変重要でございます。  ビル空調機器業務用の冷蔵庫に冷媒、冷やす媒体として充てんされておりますフロン類については、先ほどお話にございましたように、平成十四年四月からこの法律ができまして回収などが義務付けられておりますけれども、現実にはその回収率が三割程度にとどまっているということから、制度をどうしても見直さなければならないという必要が生じておるわけでございます。更に加えて、昨年四月に閣議決定をされました京都議定書目標達成計画におきましても、業務用冷凍空調機器からのフロン類回収率向上させるということになっております。  このために、今回の改正におきましては、業務用冷凍空調機器廃棄やリサイクルの際にフロン類引渡し書面で把握し管理する制度導入をすること、廃棄の際に加えて機器整備、修理の際のフロン類回収についても専門回収業者によることを義務付けること、都道府県知事権限を拡充をしまして、機器廃棄者解体業者等にも指導助言等を行えるようにすると、こういった措置を講ずることにしたものでございます。
  7. 関口昌一

    関口昌一君 ありがとうございました。  今、答弁の中にも業務用冷凍空調機器の話も出てまいりました。これは、環境省調査によりますと全国で約二千百万台あり、そして毎年百数十万台が廃棄されているとのことであります。中小の商店や飲食店も、業務用冷凍空調機器廃棄者としてフロン回収また破壊法対象になってまいります。今回の改正によってこうした中小零細事業者に過大な負担を課すようになってくるのではないかと大変心配している方もおりますが、どのような状況になってくるか、環境省にお伺いいたします。
  8. 小林光

    政府参考人小林光君) 御指摘の点でございます。今回の改正部分につきましては、今政務官から答弁さしていただきましたように、実際にフロンを引き渡す、回収あるいは破壊業者さんに引き渡す、その際の書面の交付といったようなことが中核的な新たな義務と、こういうことになるわけでございまして、これ自身は言わばペーパーワークということでございます。それほどの多くの費用増加ということは考えられないというふうに考えてございます。  さらに、今委員指摘のとおり、いろんな業者がこの空調機器持っているわけでございます。零細業者さんも持っているということでございますが、実際にその機器を壊すというのは、やはり機械でございますから十年に一回程度ということでございまして、端的に言いますと、十年に一回そういった書面をきちっと作って、そして専門業者に渡すということが今回の内容でございますので、そういった意味で経済的な負担ということは大きな問題にはならないのではないかというふうに承知をしてございます。
  9. 関口昌一

    関口昌一君 今経済的な負担はそんなにならないだろうという答弁いただきまして少し安心したところもあるんですが、事業者の中には予算不足等理由に故意にフロン類大気中に放出する業者もいると伺っております。このような状況を見逃していては、まじめに取り組んでいる事業者が浮かばれないと思います。きちんとした監視も必要になってくるかと思いますが、フロン類大気中に放出された場合にどのように感知し、排出源を特定して対策を講ずることができるのか、環境省にお伺いいたします。
  10. 小林光

    政府参考人小林光君) これは今回の法改正部分ではございませんで、当初の先ほど御指摘ございました議員立法時代の条文をそのまま使わさしていただいてございますけれども、みだりにフロン類大気中に放出したそういった悪意の方は一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金という罰則規定が設けられてございます。  しかし、実際にこのフロン類大気中に放出したか否かを見張っている、これはなかなか大変なことでございますので、御質問ではございますが、今回の改正法案はみだりに放出をする前の段階でそういったことを抑制していこうということがポイントでございます。先ほど政務官の方から御説明させていただきましたように、フロン類引渡し書面で捕捉し管理をする、そういう行程管理制度を設けるということが一番のポイントでございます。私ども、さらに、都道府県知事におきまして、こういった行程管理のチェックができるということで指導助言あるいは立入検査を行えるという権限を新たに今回の改正法案の中で提案をさしていただいてございますけれども、その結果、帳票を集めてきて、そして途中でフロンが消えているといったようなことがありますと、それを指導する、そしてそういったことが見張られているということでちゃんとした業者さんが育っていくようにしていきたい、やや間接的になりますけれども、そういったことで対処をいたしたいというふうに考えてございます。
  11. 関口昌一

    関口昌一君 しっかり指導等も行って取り組んでいただきたいと思っております。  数多くの関係者法改正内容がきちんと伝わることがフロン類回収率向上の第一歩だと思います。特に、ビル個人オーナーなどの個人事業者には必要な情報の伝達ということが重要になってくるかと思っております。  個人事業者を含めた関係者法改正についてどのような周知活動を行っていくつもりか、環境省にお伺いいたします。
  12. 小林光

    政府参考人小林光君) 今御指摘のとおりでございまして、先ほど冒頭ございましたようにたくさんの機器があると、こういうことでございますから、それぞれの所有者に対する機器管理、あるいは改修のときに、あるいは整備のときのやるべきことといったようなことについての責任を徹底していく、理解をしていただくということが大変重要だというふうに思っております。  今回の改正では特に、これも政務官説明答弁と重複いたしますが、建物解体元請業者さんが解体される建物におきますところの業務用空調機器設置の有無を確認をして、そして工事の発注者、これはビルオーナーさんでございますが、そういった方に説明するという制度を設けてございます。また、先ほど申し上げましたように、都道府県知事指導権限あるいは行程管理票を作る、こういうことを併せまして、そういった機器廃棄をする方の責任というものが理解をされるようにいたしたいというふうに考えてございます。  また、特にポイントといたしましては、ビルオーナーの方は十年に一度ぐらいの、何というんですか、改修ということになるわけでありますが、日常それをやっております方々空調機器整備業者さんということになりますので、私ども、この空調機器整備業者さん、この方々を大いに働いていただいて、こういったところから情報提供をしていこうというふうに特に考えてございます。
  13. 関口昌一

    関口昌一君 京都議定書目標達成との関係ということが非常に重要になってくるかと思うんですが、今回、このフロン改正を行うということでありますが、この京都議定書約束達成にどの程度貢献するものなのか、環境省にお伺いいたします。
  14. 小林光

    政府参考人小林光君) 今回の提案させていただいておりますこの規制強化といいますか対策強化、まさしく温室効果ガス削減ということを目的一つにしているわけでございます。  御案内のとおり、現行の対策のまま、この法案を入れないで、対策のままでいいますと、ほかの対策のことも併せて申し上げますと、二〇一〇年時点では、温室効果ガスの総量は九〇年比六%の増加になるというふうに想定をされておりまして、これをいろいろな対策を組み合わせてマイナス六%のところまで持っていくと、こういうことでございます。  私ども三本柱というふうに言ってございますけれども国内での排出抑制、そして吸収源強化、そして京都メカニズムの活用というのが大きな柱ですが、この国内排出抑制の中の一つということに今回のフロン破壊というものは位置付けられてございます。  国内排出抑制対策によりますところで私ども想定をしておりますのが、九〇年比六・五%分ということでございますが、この五分の一に当たります一・三%分の削減をこの代替フロン等ガス対策で見込んでございます。これもいろんな対策自主行動とかございますが、今回の規制強化に直接かかわる分を抜き出していきますと、更にその四分の一に当たります〇・三%分、トン数でいいますと四百万トンというような削減ができるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
  15. 関口昌一

    関口昌一君 京都議定書目的達成、この間、参考人質疑も行ったんですが、国内対策をまず徹底するという意見も聞かしていただきましたし、また委員方々からもそういう発言がありました。そうした意味においても、今回の改正がこの議定書にとっても有効になっていくように是非取り組んでいただきたいと思います。  フロン対策には既に市場に出回ったフロン類回収以外にも様々な取組があるかと思いますが、ノンフロン製品利用促進代替ガス利用促進に向けて経産省ではどのような取組を行っておるのか、経産省にお伺いいたします。
  16. 塚本修

    政府参考人塚本修君) お答えいたします。  先生指摘のように、もう既に市場に出回ったフロン回収以外に、まさしくフロン新規代替物質開発とかノンフロン製品利用促進と、こういうものは大変重要であろうかと考えております。  経済産業省といたしましては、これまでも代替ガス開発やノンフロン冷凍空調システム開発等実施してきておりますけれども、既に成果がかなり出ておりまして、実用化に至りました代替ガスやノンフロン製品導入促進ということにつきまして、その先導的な取組に対しまして設備導入補助制度を設けているということでございまして、具体的には、例えば冷媒CO2プロパン等炭化水素を利用しましたノンフロン自動販売機やアンモニアを利用した冷凍機と、それからフロンに代わりましてCO2等を使って発泡させますノンフロン断熱材製造設備、こういうものにつきまして、導入のための支援をしているところでございます。  経済産業省といたしましては、引き続きノンフロン製品代替化促進をするため、ノンフロン技術開発、それから先導的なノンフロン取組につきまして、さらにはノンフロン製品認知度向上のための情報発信等に努めてまいりたいと考えております。
  17. 関口昌一

    関口昌一君 ありがとうございました。  フロン類排出抑制は、オゾン層保護地球温暖化防止観点から真剣に、また緊急に取り組まなければならない課題だと思います。  そこで、最後に、フロン対策推進にかかわる小池、今日は間違えませんので、環境大臣決意を伺います。
  18. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 大臣としての決意はいかが、いかんということでございますが、最初に政務官の方からお答えいたしましたように、今回のフロン類排出削減二つ大きな観点がございます。オゾン層保護、そして地球温暖化防止ということでございまして、その意味でも今回の改正案業務用冷凍空調機器冷媒として使用されておりますフロン類回収率向上を図る、そしてフロン類の一層の排出削減を目指すものでございます。また、今も御指摘、御質問ございましたように、京都議定書目標達成計画の中でも、その目標達成のためにもうばかにならない量を占めることになるわけでございます。  ということから、非常に今後のこの制度の運用をしっかりしていく、冷媒断熱材、ダストブロアなどのノンフロン化のための技術開発であるとか製品普及開発など総合的なフロン対策を進めると同時に、また先ほど御質問ございました周知徹底、これもしっかりやって取り組んでまいりたいと考えております。  ありがとうございます。
  19. 小林元

    小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。  三月の委嘱審査の際に、地元の問題で二つ質問をいたしました。最近多少動きがございますので、質問をさしていただきたいと思います。  一つは、神栖市の有機砒素化合物汚染によります健康被害の問題でございます。  最近、環境省の方にも被害者の方が陳情といいますか要請をされている。私も、この緊急措置というのは五年間というふうに承知をしていたんですが、どうやらその中に三年間というような部分もあるということで被害者の方が心配をされているということでございます。したがいまして、ほかの措置並みに五年間ということでそろえていただけないか、引き続き対応をしていただくように心からお願いをしたいと思います。  それからもう一つは、一昨日ですか、環境省が発表しましたその後の地下水汚染調査ということで、せっかくコンクリートの塊を取り出したわけでございますが、地下水に乱れがあったやに伺っておりますし、むしろ汚染が拡大したといいますか、広がったと。もちろん高濃度汚染結果ということではなさそうでございますけれども、いずれにしましても、その辺の調査につきまして内容を御説明いただきたいと思います。
  20. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) まず一点目の緊急措置事業関係でございますが、事業全体の一部でございます健康管理調査につきましては、著しく有機砒素化合物に暴露したと認められる住民、いわゆる、我々、A井戸の水を飲んでいた方と呼んでおりますが、そういった方々対象といたしまして、臨床医学的な調査研究を含めまして、健康状態等に係る調査のことを称しております。この調査初期段階で集中的に調査することが特に有効であるという考え方に基づきまして、調査費用調査協力金を支給いたしまして、平成十五年六月から三か年と年限を設定し、集中的に実施してまいりました。  お話しのように、せんだって、五月二十六日に、被害を受けられた住民から私どもに対してこの健康管理調査延長の御要請があったところでございます。  この本調査延長、継続的な延長につきましては、近々、六月七日でございますが、この関係健康影響臨床検討会が予定されております。その場で医学的な見地からの御意見も伺いまして、またあわせて、関係省庁とも十分御相談しながら適切な対応を検討してまいりたいと考えております。  それから、二日前の調査結果の状況でございますが、おかげさまであのコンクリートの塊については大分処理が進んでおりまして、除去しておるわけでございます。ただ、その地域地下水状態汚染された状態でしばらくはたまっている状態が続くわけでございまして、これをモニタリングと称しまして定期的に濃度を継続的に測定していく、その変化を見極めていくという作業を現在続行しております。これA地区B地区と、約二キロほどの楕円形地域でございますけれども、その中で定点観測をきちっと進めておりまして、それは継続的にもうしばらく進める必要があるだろうというお話でございました。  結論的に、まだその汚染状況がわずかながら続いている状況にはあるわけでございますけれどもモニタリングを進めることによってこれは状況を我々としても引き続き見極めたいと、このように考えているところでございます。
  21. 小林元

    小林元君 ひとつよろしくお願いをしたいと思います。  汚染者が特定できないという状態でございますので、やはり環境省、国に対応お願いするしかないわけでございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。  それからもう一つ地下水の問題でございますが、これは継続してモニタリングをしているという結果のことでございますから、汚染が拡大をしたからといって不安を生ずることはないと思いますが、きちんと今後とも継続した監視というものをお願いしたいと。以上でございます。  それからもう一点は、つくば市の風力発電の問題でございまして、依然として止まったままといいますか、回っていないという状況にあるわけでございます。市の方では早稲田大学にそもそもの基本計画を依頼したわけでございますので、その辺の問題があるというようなことで民事訴訟をするというようなことでやっているわけでございますが、それはそれとして、やはり回らない風車風車といいますか風力発電装置というものを子供たちの目の前にさらしておくというのはいかがなものかというふうにも思いますし、何とか対処をしていただきたいと思います。また、三億円も掛けて二十三基の風力発電装置整備をしたということで、こんな壮大な無駄をして何だという見方もあるわけでございますので、どうかこれについてしっかり対応していただきたい。環境省の方もつくば市と協議といいますか事情聴取をしたり文書のやり取りをしたというふうにも聞いておりますが、その辺の経過について、簡単で結構でございますので、御報告をいただきたいと思います。
  22. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  つくば市の事業でございますけれども、本年一月につくば市等から詳しく聴取をいたしまして、CO2削減量の試算の基となりました、今先生もおっしゃいましたつくば市が早稲田大学に委託をいたしましたつくば小中学校風力発電導入基本計画、この風力発電設備能力と実際に設置された風力発電設備能力が異なるものであって、このままでは当初見込みの発電量が得られないということについて環境省としても確認をしておりまして、国の補助により設置した施設が、今先生もおっしゃられましたように、その目的たる機能を発揮していないということは問題でございまして、本年二月末でございますが、つくば市に対しまして早急に改善策等を検討するように環境省として申入れを行っております。  つくば市からは、本年五月、先月の初めでございますが、回答がございまして、まず、再三にわたって催促したけれども早稲田大学の方から改善方策が提示されてこない、また本事業については現在裁判で係争中で、設置風車の現状を変更することは困難な状況である等の理由を掲げまして現時点での具体的な改善策を示す状況にはないとの回答がございましたが、私ども環境省におきましては、つくば市からこれまで、そして今回の回答の際に得られました資料、これ等を基にいたしまして、この早稲田大学つくば小中学校風力発電導入基本計画、これに示された風況を始めといたしました事業全体の検証等を行っているところでございます。その結果を踏まえまして、適切な対応を検討してまいりたいと考えております。
  23. 小林元

    小林元君 先ほど言いましたように、無残な姿とは言いませんけれども、大変残念な姿が見られるわけでございますので、一刻も早い問題解決を要望したいと思います。  次に、これも最近、このフロン問題にも関係があるわけでございますが、国立環境研が五月十九日にオゾンホール回復予測についてということで研究論文を発表いたしました。これを私新聞で読ませていただいたわけですが、この法案が提出されているさなかに、しっかりフロン対策をやらなくちゃいかぬというような中で、この論文の結論を見ますと、オゾンホールは今世紀半ば消滅という、これは見出しですから環境研責任ではありませんが、今のこのモントリオール条約考え方で世界が対応をしていけば二〇五〇年、四八年ですか、二〇年ごろにはオゾンホールが小さくなり始めて、四八年ごろにはなくなるであろうというような予測があったわけでございます。  いろんな予測ということですから、どういう与件で予測をしたのかということがしっかりしないと、ああもう何にもしなくても大丈夫なんだと、こんな法律改正を一生懸命必死にやる必要もないというふうに受け取る向きもあるわけですよね。ですから、やっぱりここはきちんと発表してもらいたかったなというふうにも思っているわけですが、その何といいますか、与件というんでしょうか、どういう前提条件の中でそういう結果が出たのか。こういう規制をこのぐらいやればとか、あるいはどこの国のやつが問題だとか、先進国はしっかりやって、あるいは途上国ですか、中国とかインドとかいろいろありますから、そういううまくバランス、あるいは全体として縮小をしてオゾンホールが縮小していくんだというような考え方なのか、とにかく与件が分からなくて結果だけを言われても困るといいますか、ではないかと。国民の方も、まあ安心といいますか、もう大丈夫なんだということで取組に気持ちの緩みが出るんではないかということを心配しておりますので、その辺の事情を説明していただきたい。
  24. 小林光

    政府参考人小林光君) 国立環境研究所の研究の趣旨は、今進めております対策がしっかりできれば必ず成果が生まれると、そういうことを申し上げたかったのではないかというふうに思ってございます。いずれにいたしましても、この中身、そして前提はどうかということでございます。  今委員の方からもお話のあったところの実は繰り返しになりますけれども、いろいろな厳しい対策がきちっと行われるということがこの計算の前提になってございます。このモデル、この国立環境研究所と東京大学の気候システム研究センターとの共同開発のモデルでございまして、名前は成層圏化学気候モデルと呼ばれておりますが、今までのモデルと違いまして、塩素によりますオゾン層破壊だけでなくて、ハロン、名前よく聞きますが、消火剤等に使われる物質でございますが、そこに入っております臭素によりますところのオゾン層破壊といったようなこともより広くシミュレーションができるというような点に新味があるわけでございます。  このモデルで計算するに当たりまして、将来、遠い将来の話ですからいろんな前提を置いてございます。具体的に申し上げますと、委員指摘の先進国につきましては、CFCはもうつくらない、使わないということになるのは当然でありますけれども、更にHCFCにつきましても、この生産量等、二〇三〇年までには全廃ということが前提でございます。HCFCは現在でも業務用空調機器によく使われているポピュラーな物質でございますが、これは二〇三〇年には全廃と。そして、途上国でも、やや後れておりますが、先進国を追って厳しい対策をするということでございまして、CFC、一番ポピュラーな、元々ありますフロンでございますが、これについても二〇一〇年には全廃、そして先進国を追っ掛けましてHCFCにつきましても二〇四〇年までには全廃すると、こういうスケジュールできちっとできるというのが実は前提になってございます。  今モントリオール議定書対策を少なくともちゃんとやるということが非常に重要だということが改めて示されたのではないかというふうに受け止めてございます。
  25. 小林元

    小林元君 いろいろ説明を聞けば分かるんですけれども、必ずしもマスコミはこちらの思ったとおり書いてくれるわけではございません。やはり、ですから発表に際しては十分にその辺の与件といいますか前提というものをお話しした上でこういうことが予測されるということにしていただかないと誤解の元になるんではないか、ましてや、この温暖化の問題、オゾン層破壊の問題、大変重要な、人類の危機的な状況でございますから、大事な問題でございますので、十分に注意、注意といいますか、配慮した発表というものを望んでおります。  次に、ハロンの話が出ましたが、ちょっと順序が違っておりますが、消防庁、来ておられますか。ちょっと先に、今お話が出ましたのでお聞きをしたいと思います。  実は参議院の私、麹町の宿舎におりますけれども、何気なくこう見ると、ハロンの消火設備が設置されてございます。これは何だろうか、余り最初は気にならなかったんですが、最近、駐車場のぞくたびにその看板が気になりまして、どうなっているのかなというふうに思ったわけでございます。  もちろん現在は既に生産が全廃されているということでございまして、厳重に管理をされているというようなお話は聞いておるわけでございます。ですから、新たな防火設備の設置に当たりましてはハロンを使わない、代替物質でやるというようなことになろうかと思いますが、あるいはその例外的な、回収をしたハロンというものは一体どうするのか、その辺のことについて、あるいは現在どのぐらいの設備あるいはストック量というんですか、そういうものが、把握していると思いますが、御説明お願いしたいと思います。
  26. 貝沼孝二

    政府参考人貝沼孝二君) お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、ハロンは消火剤として使われておりますが、平成十八年の三月三十一日時点でのハロン消火剤を使った消火設備は、設置件数としまして五万五千件で、その総量は約一万七千トンでございます。なお、ストック量としましては四百トンほどございます。  今先生お話ございましたように、ハロンにつきましてはオゾン層破壊物質であるということから、一九九四年以降、我が国を含む先進国ではハロンの生産、使用、輸入等が全廃されてきているところでございます。しかしながら、必要不可欠な用途、クリティカルユースにつきましては例外ということにされております。  今申し上げましたその必要不可欠な用途でございますけれども、私ども消防庁の方としましては、例えば美術品の展示室だとか通信機械室、それから先生もちょっとお話しされました機械式の駐車場のように、水を消火の用途に使うのが適切じゃなく、かつ二酸化炭素のように人体に影響を与えるようなものを使うのが不適切といったようなごく限られた用途につきましてはハロン消火剤を使うことができるということにしております。  なお、ハロン消火剤、ハロンが無制限に放出されるということがないようにきちんとした管理を行っておりまして、例えば駐車場を改修するといったようなときにはハロンを回収しまして、新たな駐車場でどうしてもハロンが必要というときにはそれをきちんと登録するというようなことで、ハロンの放出量を制限するとともに、ハロンがどういう状況になっているかということについてきちんと管理しているという状況でございます。
  27. 小林元

    小林元君 ちょっと尋ね忘れましたが、実際に、これは消火設備でございますから火事があれば大気中に放出をするということになるわけでございますね。年間としては大体どれぐらいのものがそういう消火に使われたと、大気に放出される、そういう量が分かったら教えていただきたいと思います。
  28. 貝沼孝二

    政府参考人貝沼孝二君) お答え申し上げます。  最近五年間の年平均のハロン放出量でございますけれども、年間十六トンということでございまして、総量一万七千トンというふうに先ほど申し上げたんですけれども、その千分の一ぐらいが実際の消火のために放出されているという状況でございます。
  29. 小林元

    小林元君 ありがとうございました。十分管理をして、きちんと引き続きやっていただきたいと思います。  それでは、元に戻りまして、このフロン対策といいますか、全体像といいますか、なかなか分かりにくいんですね。それで、生産量、いわゆる国内出荷量あるいは輸出量があるわけでございますけれども、そういうものが二〇〇四年で四万八千トンですか、ちょっと前までは五万トン、六万トンというような状態で、ここ五、六年、六万トン台から四万八千トン台というようなことになってきているわけでございます。  そういう中で、市中ストック量というのがいただいた資料によりますと三十三万トンということで、これが冷媒用あるいは断熱材とかいろいろ、洗浄剤とかエアゾールとか、そういうものに使われて、それが三十三万トン地上にあるというんでしょうか、大気中には放出をされていないという。ということになりますと、大体五、六年分ですか、のものがそういう使われている状態大気中には放出されていないということになるわけですね。ということは、逆に言いますと毎年五万トンぐらいずつ大気中に放出をしていると、三十三万トンのうちですね。ですから、需要が増減がもちろんあるんでしょうが、それがないという前提で考えれば五万トン補給をしているということになるんですね。  そうしますと、これまで皆さんが、といいますか、このフロン回収破壊法あるいはリサイクル法等で一生懸命回収をした、その量はトータルして大体五千トンぐらいというふうに聞いておりますが、そうしますと、その五万トンのうち、大ざっぱな話で恐縮ですが、五千トンですから一割が回収をして破壊をされているというのが現状認識なのかなというふうに考えて、ただ実態というものはよく分からない。  この三十三万トンについても、環境省で一生懸命経産省と一緒に調べてこういう状態ではないかということになっておりますが、やはり温暖化対策にしましてもこのフロン対策にしましても、どういう政策を考えるのか、どれぐらい減らしていくのか、あるいはどういうところに重点を置いていくのかということを考えるときに、やはりそういう全体像というものを考えて、どこに焦点を当てて政策を立案していくのか。今回もそういう中で冷凍空調機というものをしっかりやらなきゃいかぬというふうになったんだと私は思っているんですけれども、その辺について何かお話があれば局長さんからお願いをしたいと思いますが。
  30. 小林光

    政府参考人小林光君) 大変いい御示唆だと思います。政策をやっていくということでございますから、全体像をしっかり把握して、その中でこの対策をやっていくと、こういうことがよろしいかというふうに、私どももそう考えてございます。  ただ、お言葉を返すようで恐縮ですが、元々、フロン対策はモントリオール議定書で始まったということで、言わば生産されたものはすべて最終的には大気に放出されてしまうと。なので、生産量自体を制限するということでこの対策が始まったものでございまして、そういうことをいいますと、排出抑制、そして回収破壊というのは日本独自の道でございます。  そういう意味で試行錯誤を重ねてきているわけでございまして、今御指摘の全体の流れがもう一つ、生産量は分かっていても分かんないじゃないかと、こういう議論になっていくのかなというふうに考えてございまして、私ども、今回の法改正も踏まえて、例えば整備時にどういったフロンが扱いになっているのかとかいうようなことで、全体のマテリアルバランスをしっかり把握していくようにいたしたいと思っております。  そういうことで、やや不完全なお話になりますが、全貌を少し申し上げますと、せっかくの機会でございますが、生産量は先ほど御指摘のとおりでございますが、冷媒用途に限って申し上げますと、直近の数字、大分減ってきておりまして、約三万四千トンという数字になってございます。そして、それが二つの大きく分けまして用途に分かれていきます。一つは、新しい冷凍空調機器に初期充てんされる、新品に詰められるもの。そしてもう一つは、このフロン、どうしてもしようがないんですが、使っているうちに漏れていきますので、その補充用ということで小口の販売もされているということでございます。そして、それが市中ストック量を形成しているということでございます。  現在の私どもの推計ですと、市中ストック量が、これはそれほど定かな数字じゃございませんが、例えば五千トンぐらいのオーダーで増えているというふうに考えられておりまして、先ほど委員の御指摘にありましたように、出荷量に対する回収量で見ますと確かに回収が悪いわけでありますが、ストックも増えているということに相なっているのかなというふうに思ってございます。そして、そのストック量が平成十五年ベースの断面で見ますと二十三万トンに達していると、こういうことでございます。そういうものから、機械が壊されるときに回収している量が御指摘のとおり五千トン弱と、こういった全体の流れになっているということでございます。  今、ちょっと分からないところは、整備時に抜けている量とか、普通に使っているときに抜けている量、こういったものがまだ余り定かでございませんので、今回の法改正から得られるデータも含めまして、こういったマテリアルバランスをつくり、そしてその生産規制でない、もちろん生産規制もするわけでありますが、そういった排出抑制対策回収破壊というものがしっかりできるように工夫をしていきたいというふうに考えてございます。
  31. 小林元

    小林元君 御指摘がありましたように、確かにオゾン層破壊するもの、あるいは温暖化に寄与するものを使わないで済めばいいわけでございますね。ですから、暑いときには今日みたいにクールビズで私も上着を脱げばいいんでしょうが。そういうふうに、なるべく使わない、あるいは使うんであればそういうものに関与しない物質を使うと。つまり、ノンフロン化というような手法でやれるのが一番の最良の道だと。  しかし、そうはいっても、今お話がありましたように、残念ながら冷暖房、空調といいますか、そういう需要があって、どうしてもそういう装置を使って、冷媒を使って空気を冷やすというようなことをせざるを得なくて増えているという現実はあるわけでございますから、それには温暖化に寄与しない、あるいは破壊に寄与しない物質を、新たな物質を探してやる、あるいは別な冷却装置を作るというようなことが一番いいんだろうというふうに思っております。  そこで、実は、要は、私が言いたかったのは回収率の問題なんですね。結局、分母が分からないわけなんですよ。いろんなことを聞いても分かりません。例えば家庭用の冷蔵庫にしても、ストックがどれぐらいあって、廃棄がどれぐらいあって、その中で回収がどれぐらいあるのかというようなことを幾ら聞いても、聞いてもというか、なかなか統計的には難しいわけで、難しいことは分かるんでございますが。  幸い、自動車リサイクル法が改正になりまして、廃車をすると、自動車は登録制度になっておりますからすべて登録をされる、そして抹消するあるいは廃車をするというような手続がきちんと取られておりますので、そういうことで、もう自動車をつぶすというときにはフロンを必ず抜きますというようなことができるわけでございまして、そういうふうに改正になったと。以前はですから回収率が分からなかったんですが、現在は一〇〇%というふうになっているそうなんでございますが、その辺の事情について、経産省の方でシステムと、それから回収状況というか、御説明お願いしたいと思います。
  32. 塚本修

    政府参考人塚本修君) 自動車のカーエアコンの件でございますけれども、御案内のように、カーエアコンからのフロン類回収につきましては、平成十四年の十月にいわゆるフロン回収破壊法に基づきまして、自動車の所有者が、適正な処理を行う事業者ということで、例えばディーラーとかそれから自動車の整備事業者、それからフロン回収事業者、そういう人に使用済みの自動車を引き渡して、そこで回収したフロン類を最終的には自動車メーカー、輸入業者が引き取る、最終的には破壊すると、そういうことでやってきているわけですけれども、御指摘のように去年の一月の一日に自動車リサイクル法がスタートしたと。これは先ほど述べましたフロン回収破壊法に基づきました関係者の役割分担、そういうものを引き継ぎつつ、自動車全体のリサイクルを高めるということで法が整備されたわけですけれども、その中で新しく、自動車リサイクル法では、関係事業者に対して使用済み自動車一台ごとにその引取りとか、それから引渡し状況を報告する義務を課したわけであります。  こういうことによりまして、カーエアコンに搭載した使用済み自動車の正確な台数とか、それからフロン回収破壊状況についても正確に把握することができるようになりました。例えば平成十七年度でございますけれども、使用済み自動車全体の約八割に当たる約二百四十万台にカーエアコンが搭載されているということが判明いたしまして、これにつきましては適切に回収破壊がされたということでございます。  いずれにしましても、自動車リサイクル法に基づきまして、カーエアコンからのフロン類回収破壊を徹底してまいりたいと思っております。
  33. 小林元

    小林元君 ですから、いろんな制度といいますかシステムがあるわけでございますが、すべて環境問題だけに集約して統計を取ったり、漏れなく登録をさせたりというのはなかなか大変なことでございますけれども、いろんなデータを組み合わせて実態を把握するということは大事なことではないか。  そういう中で、例えば今の自動車、カーエアコンにつきましても今ちょっとお話がありましたが、クーラーが付いていない車と付いている車というお話がありましたが、こういうものもなかなか把握するのは難しいわけですよね。いわゆる登録時あるいは廃車時に確認をするということで、これは付いていませんでしたよというだけの話で、登録上、エアコン付きか付きでないかというようなことはやってないんだと思うんです。そういうものがあれば本当は一番いいんでしょうけれども。そのために、フロン対策のためにそこまでやる、やらせるのかとなるとなかなか難しい問題はあるんでしょうが、できるだけそういう機会を生かしながら実態を把握していくということが必要ではないかというふうに思っております。  それから次、ちょっと時間がなくなってまいりましたが、本論に入りたいと思いますが、フロン回収の。ですから、今回の業務用冷凍空調機器につきまして、その回収状況というのが必ずしも、先ほどもちょっと話がございましたのでもうこれ以上お聞きはしませんけれども、市中ストック量が九万九千トン、廃棄機器中の量というのが六千九百トンあるというようなことでございますが、その中で二千百トンぐらいしか回収できない。つまり三割だというようなことになっております。  回収率環境省の方では三割というふうに言っているわけでございますが、経産省の方で、何というんですか、この回収システムの検討調査という中で、日本冷凍空調工業会というようなところで調査をした中で、回収率は三七%というふうなことになって、環境省の方は二八%と、いろいろ審議会で議論になったようでありますが、その辺のことにつきまして御説明がいただければと思いますが。
  34. 小林光

    政府参考人小林光君) 政府の中でいろいろな推計に努めているわけでございまして、御指摘のように、環境省の研究そして経済産業省が業界に委託したもので数字が若干違うということでございます。二省にまたがる話でございますので、一括、私の方から御説明をさせていただきたいと思います。  まず、回収率の算出の分母になりますものというのは、これは共通をしているわけでございますけれども廃棄された業務用冷凍空調機器に含まれるフロン類の量ということでございまして、それを具体的にどうやって推計するかと、ここのところがやや違っていると、こういうことでございます。  環境省の場合には、過去の年度別のまず出荷台数、そして平均使用年数みたいなものが分かっておりますので、機種別に平均使用年数などを基にして廃棄台数を一応推計をする。そして、そこに元々冷媒がどれだけ初期充てんされていたかということを踏まえまして、そしてそれが更に使用しているうちに減ってくるわけでございますが、最終的にその回収直前にどこまで減って残っているか、こういったような方法で推計をしてございます。推計の廃棄量、分母が環境省の場合には約六千八百トン、これは平成十五年度の数字でございますけれども、これに対して回収量が分かっておりますから、回収率を計算したら二八%になった、こういうことでございます。  他方、経済産業省が冷凍空調業界に委託をしましたところによりますところの方法というのは、実際に私どもは、機器が平均使用年数においてどんどん廃棄されるというのが環境省側のやや安全に立った推計でございますけれども、もう少し細かい点を経済産業省の方は追っていらっしゃいまして、床面積が増えてきますと新規の機械というのは新しく増えていくわけで、それはすぐには壊されないんで、ストックとして強く残るだろうと、そういう推定でやや細かい推計を行ってございます。こうしますと、新設される業務用の建築面積に伴っては、そこに入った、フロンの入った機械は壊れない、むしろ滅失する、壊している面積に伴うフロンの機械だけが出てくると、こういうことになろうからということで、ストック量が恐らく環境省の推計よりも多くなり、廃棄量が、分母が少なくなる。その回収量自体は同じでございますから、回収されるはずの量、この推計値が小さくなるということでございまして、具体的な数字を申し上げますと、先ほど申し上げました環境省の数字、十五年度が六千八百トンというのが推計でありますが、分母ですが、経済産業省の数字につきましてはこれが五千百トンになるということで、回収率が相対的に高くなって三七%ということになるということでございます。  ただ、そういうことで、先ほど来も御指摘いただいておりますが、全貌が必ずしも分からないところがございますので、私どもくくりまして、いろいろな推計方法の違いがありますが、三割が回収されているというふうに言わさしていただいているところでございます。
  35. 小林元

    小林元君 この法律が、平成十三年ですか、のときには、業界関係者の自主的な取組というようなことで大体五六%というような回収率というんでしょうか、そういう数字が出ていたんだそうでありますが、現実には今おっしゃったような三〇%台というようなことになっているわけでございますが、その辺随分これは、五六と三〇というのは随分食い違ってしまったんですが、それは何か、その五六という見方についてはどういう見方をしたがためにそういう高い数字、業界にお任せをしたからそうなったんではないと思うんですけれども、その辺の御事情は何かおありでしょうか。
  36. 塚本修

    政府参考人塚本修君) お尋ねの点でございますけれども回収率が当初五六%だったのに今は三〇%、三割だという話で、この違いはどういったことかというお尋ねでございますけれども、当初、自主的取組ということで平成十一年度辺りからやっていたわけですけれども、これにつきましては、当時の自主取組の中では特定フロン、CFCのみを対象に計算をしておりまして、そのときのCFCのみのフロン回収量が約六百五十一トンと。それにつきましてその推定廃棄量が千百六十一トンということで、割り算しますと回収率先生指摘のように五六%ということでございます。  それで、平成十四年度から施行されましたいわゆるフロン回収破壊法ですけれども、これは、CFCに加えまして、業務用冷凍空調機器の中で台数とかフロンの使用量が最も多い、よくビルなんかに設置されておりますけど、パッケージエアコン辺りに用いられていますHCFCや、オゾン層破壊しませんけれども地球温暖化効果の非常に高い代替フロンのHFCも回収対象となっておるということで、そういうことから、直近では平成十六年度の回収量ということで、全体でCFCに加えてHCFCやHFCを対象として回収量が二千百トンと。これに対して廃棄量が五千から六千九百トンということで、約三割という回収率になっている次第でございます。
  37. 小林元

    小林元君 分かりました。  いろいろ前提があって、どちらかといえば大規模な機器類についての回収率といいますか、CFC使用のものというふうに理解いたします。  次でございますが、そういう中で、これまでこの法律によりまして回収破壊というものが行われてきたわけでございますが、そういう中で今回の法改正というふうなことになるわけでございますが、この低迷の、なかなか難しいということで今回の法改正というものがあるんですが、その辺の改善策といいますか。  それから、目標達成計画では六割と、こう言っているんですね。従来は三割というふうなことだったわけでございますが、その要するに目標を倍増するといいますか、ということだろうと思いますし、本来であれば、システムをつくれば全部網に掛かるというふうなことで一〇〇%というんですが、そうではなくてその中間の六割というふうなことにしたようでありますが、その辺について御説明をいただければと思います。副大臣
  38. 江田康幸

    ○副大臣(江田康幸君) 先生の前半の回収率が低迷している理由とその改善策について私の方から、また後半の六〇%目標というのに関しては局長の方から答弁をさせていただきます。  前半についてですが、このフロン回収率は、先生指摘のとおり三割、約三割と低迷をしているところでございます。主な理由としまして、この機器廃棄者フロン類回収業者に対しましてフロン類回収を適切に発注をしていないということが一つ。また、機器廃棄者フロン類回収を発注しても、建物解体業者等が第三者を経由している間に回収の委託が途切れてしまうと、こういうようなことが考えられます。  今回の改正案におきましては、これらの状況を改善するために、三点ございまして、一つは、解体業者による業務用冷凍空調機器設置確認及び廃棄者への情報提供によりまして廃棄者フロン類回収の発注を行わないことを防いでいく。二点目は、行程管理制度導入いたしまして、廃棄者が自らのフロン類引渡しを把握、確認できるようにすることによりましてフロン類引渡しの行程が途中で途切れないようにするということでございます。三点目は、機器廃棄者フロン類引渡しの受託者などより広い主体に対しまして行政が不適正事案を発見した際の指導助言を行えるようにするという、これら三点を進めることによりまして廃棄される業務用冷凍空調機器からのフロン類回収向上を図ることとしているものでございます。
  39. 小林光

    政府参考人小林光君) 引き続きまして、この六割の目標、少し低いのではないかという御指摘かなというふうに受け止めましたが、このつくった考え方でございます。  実は、先ほど来申し上げてございますように、機械の中に残存していますフロンが分母ということになっておりますが、その残存しているフロンの形を見ますと、私も実際にそのフロンの引き抜きの現場にも、見せていただいたわけでありますが、寄せていただいたわけでありますが、やはりコンプレッサーの中の油なんかに溶け込んでいたりとかいうことで、最後まで引き抜くということがなかなかできないということがございまして、実際にフロンはあるんだけれども技術的には八割、九割がまず実際の本当の意味での技術的な回収可能量だというふうに考えております。  そこから、そのうちの六割ではございませんで、ですから六〇%ポイントでありますから、そういう意味でいいますと、見掛け上の数字は低いわけでございますが、技術的なハードルとしてはかなり高いところがございまして、相当なものを漏れなく、今御指摘のとおり、一〇〇%といくのかどうかは別でございますけれども回収破壊に持ってくるということがないと達成できない数字かなと実は思ってございます。  いずれにいたしましても、現状の量を倍にするというとおりでございますけれども、決して低い目標ではないというふうに思っておりまして、その実現に向けて頑張りたいと思います。
  40. 小林元

    小林元君 どうぞ目標達成に向けて頑張っていただきたいと思います。  先ほどの話にちょっと戻るんでございますが、この冷媒といいますか、フロン類の使用というものをできるだけやめるという方向がモントリオール条約の基本だというふうに考えておりますけれども、やはり一足飛びに全廃と、駄目というわけにはいかないと思いますが、使用のその基本方針といいますか、そういう、できるだけ早い時期に全廃をする、あるいはどうしても駄目なら回収に全力を尽くすというようなことだろうと思いますが、その辺の基本的な考え方、方針につきまして、大臣からお願いをしたいと思います。
  41. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) フロン類の排出量を削減するということについては、これまでも御議論いただいておりますように、これまでに既に製造されているフロン類回収するということと、それともう一つはノンフロン化ということ、この二つの道があろうかと思います。  そこで、特に冷凍空調機器冷媒については、使われているのが冷凍倉庫であるとか食品産業などの分野があるわけでございますけれども、その一部の分野においてはフロン類を使わない機器の実用、製品化が進んできているところでございまして、これを促進するということにほかならないわけでございます。ただ、残念なことにまだ値段の方がノンフロンということになりますとお高いということでございますので、さはさりながら普及促進をしていかなければならない。そこで、ある種のパイロット事業といたしまして国が補助金を出してそういったノンフロン化を進めていくという方法を取っているところでございます。  いずれにいたしましても、この業務用冷凍空調機器のノンフロン化ということを推進していくためには、例えば技術開発、民間における技術開発が行われておりますが、それのバックアップであるとか、ノンフロン製品などの普及を更に推進していくということがその目的にかなうのではないかと、このように考えているところでございます。
  42. 小林元

    小林元君 是非そのような方向で努力をしていただきたい。西ドイツなどでは家庭用冷蔵庫について市民団体がノンフロン化、ノンフロン冷蔵庫というんでしょうか、そういうものをやったりしているようでございます。もちろん今大臣が言われたようにコストの問題いろいろあるようでございますが、市民にそのようなコスト問題を超越して使ってもらうというような運動があるようでございます。  そしてまた、自販機ですか、のフロン使用量もばかにならないようでありますが、そういうものについてもノンフロン化を進めるというようなことが出てきているやに聞いておりますが、その辺のことにつきまして、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。局長からでも。
  43. 小林光

    政府参考人小林光君) まず、今回のフロン回収破壊法の守備範囲というのは業務用の空調冷凍機器と、こういうことでございまして、今御指摘の点は、家電リサイクル法の一環としてフロン回収なんかを図っております例えば家庭用機器とか、こういったことも含めてのお話だというふうに承りました。  まず、家庭用の電化製品、特に一番多いのはやはり冷蔵庫と、こういうことになるわけでございますけれども、冷蔵庫のノンフロン化はかなり進んでございまして、今手元にはっきりした数字持ってございませんけれども、最近の出荷の冷蔵庫の台数をベースにすると、八割とかいうようなことでノンフロン化が進んでいるというふうに聞いております。個人的なお話して恐縮ですが、私も二台目のノンフロン冷蔵庫を使わせていただいておりますが、早く廃棄しなきゃいけないかと思いますが、そういうことで、かなり定着をしてきているというふうに思ってございます。  また、単純にノンフロンになっているだけではございませんで、CO2観点からも熱効率が大変いいものが最近の主流になってございます。そういう意味で、家庭用の冷蔵庫ということになりますと、大変ノンフロン化が進んでいるということだというふうに理解をしてございます。  それ以外のものでございますが、大型機器になりますと、昔でいいますとCFCの11といったようなものが大変優秀な冷媒でございます。そして、今はHCFCの22というのがやはり大変優秀な冷媒でございまして、なかなか置き換え難いところがございます。  この辺が苦労をしているわけでございまして、今、各省挙げて一つずつそういった代替冷媒といったようなものの作製ということを進めているところでございまして、決して不可能ではないというふうに考えてございますが、なかなか、能力の高いものということになりますと、現在難点が幾つかあるというふうに承知をしております。
  44. 小林元

    小林元君 そういう方向が一日も早く実現できるように頑張っていただきたいなと。特に経済産業省の方が、どちらかといえば開発あるいは技術開発というようなことになりますとそちらの、経産省の担当かと思いますが、どうぞ頑張っていただきたいなというふうに思っております。  それから、最近、資源逼迫といいますか、鉄を含めてありとあらゆる金属類、に限らないと思いますけれども、資源というものが注目を集めていると。特に今、中国、インド等々におきまして大変な需要が伸びていると。そういう中で、自動車リサイクル法でリサイクル、いわゆる回収費用を事前徴収をするということは大変時宜にかなった制度になって、うまく回転しているのかなというふうにも思っております。  ただ、家電リサイクル法は、残念ながらやっぱり廃棄時に廃棄者が支払うというようなことになっておりまして、不法投棄云々というような問題もあったんですが、それはいつまでも続くとは思えませんけれども、いずれにしましても、そういう方式の方が大変きちんとしたやり方ができるんではないか、しかも、今申し上げましたように資源重視というようなときでございますので、時代的にも国民の理解を得やすいんではないか。  そういうことからいきますと、こういう冷凍機器類についても、聞くところによると、大変貴重な金属材料があって、そんなこと考えなくても大丈夫だよというような話もいただいたんでありますが、その辺の費用負担、事前にいただくというような制度をいろんなリサイクルのシステムづくりに関しまして採用してもいいんではないか、そういう時期ではないかというふうに思っておりますが、大臣の所見ございましたらお願いをしたいと思いますが。
  45. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 今委員の御質問、そして御意見がございましたけれども、そのとおりかと思い、そしてまた、現行法では、フロン類回収破壊の費用というのは、機器を捨てる人が、廃棄する人が廃棄の際に負担するということになっております。  一方で、フロン類回収であるとか破壊費用を機器の購入時に事前に徴収してそのお金をプールするという、フロン類回収が行われた際その回収費用に充てるという方法も考えられるわけでございますけれども冷凍空調機器は、規模であるとか、いつ設置されたのか、その設置状況、千差万別でありまして、販売時点でその将来の回収費用が幾らということを算定するというのはなかなか難しいという問題がございます。それから、既に販売されました機器から費用を徴収するということもなかなか難しい。機器に関します個別の情報とそのプール金とを管理するために、それに対してのコストが掛かってしまうという問題点もあるわけでございます。  そんな課題についても中央環境審議会の答申でも示されているところでございまして、また、今回の改正では費用負担の方法について大幅な見直しは行われておりませんで、まずは行程管理制度導入ということで回収率向上を図ることとしたものでございます。  この法律の円滑な施行によってフロン類回収率向上に努めるということはもちろんでございますし、また、フロン類排出抑制に資する経済的手法の実現の可能性ということも含めまして、更にこの回収率向上策については随時検討を進めていく必要があろうかと、このように考えているところでございます。
  46. 小林元

    小林元君 ありがとうございました。  では、いろいろ質問通告をしておりましたが、時間がなくなってまいりました。最後に一つだけお伺いをしたいと思います。  地方自治体で先行してフロン対策をやっていたというような現実があるわけでございますが、今回の法改正によりまして、そのような都道府県がやっておられたような部分があるのかどうか。そうなりますと、言わば都道府県の条例が上乗せ条例といいますか先行条例ということになって、今回は法律の方でそれが規定をされるということになりますと、それに合わせた条例改正というようなことも必要になってくるんではないかと思いますが、そういうものに該当するような条例というものは現実におありなんでしょうか。
  47. 小林光

    政府参考人小林光君) まず、地方のいろいろな独自のお取組、先駆的な事例ということを私どもも勉強させていただきまして、それを今回の法律の中に取り込んでいる、それはもうそのとおりでございます。  取り込みました内容二つを申し上げますと、一つは、行程管理制度導入する、これが一つポイントでございます。そして、あと、整備時の回収、そして場合によっては破壊、こういうようなことでございます。  これをきっちりと条例で規定をしておりますのは東京都でございます。東京都は今回の法律よりも少し強く書いてございますので、そういう意味で、別に法律にそろえて下げる必要はございませんので、特に改正ということにはならないかと思います。  それ以外は実務として行われておりまして、地域協議会、これは自治体、そして民間、NGO等が総参加している、対策を実際に運用するための、寄り合い世帯と言ったら変ですが、協議会でございます。ここでそういった行動をしていたということでございまして、こちらは事実行為でございますので、わざわざ条例を変えるというようなことにはならないと思います。  いずれにしても、地方から学んでそういったものを導入さしていただいたところでございます。
  48. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) そろそろ時間となっております。
  49. 小林元

    小林元君 はい。いろいろありがとうございました。  いずれにしましても、今回の法改正実施部隊は都道府県というようなことになるわけでございます。十分な連携を取りまして、フロン回収の実を上げるように進めていくことを希望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  50. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  オゾン層保護基金についてという質問になるかもしれませんが、二〇〇五年の十二月に、モントリオールの議定書第十七回締約国会合におきまして、この基金の第六期、二〇〇六年から二〇〇八年でありますけれども、資金規模が決定されまして、日本としては第一期から第六期合わせますと、分担金の関係では、分担率としては一六・八%、総額四億七千四百万ドルになるわけであります。  我が国は技術とか経験をこういった面について有しているわけでありまして、基金の活動を通じて途上国に対するいわゆる技術支援を行っているわけでありますし、今後もこの基金の効率的な運用、一層日本がイニシアチブを取ってやっていくべきだと私も考えてございます。  ただ、この基金の仕組みとか活動について敬意を表しますが、日本はほかの様々な関係についても分担金を出しておりまして、たしか国連の開発資金国際会議、モントレー合意で採択されたODAをGNP比〇・七%にすると。これは努力目標として私も非常に大事な数字であると思っておりますが、ただ、国内の債務残高を含めて極めて厳しい状況にもあることは、これは周知の事実であります。  だからODAを減らせという話を私はしているわけじゃなくして、やはりミレニアム開発目標を含めて、あるいはこれからの地球温暖化対策を機敏に加速度的にやっていかなければいけないことを考えてまいりますと、やはり私は、新しい資金調達のメカニズム、それを考えなければいけないというふうに思っておりまして、やはり国際社会におきまして国際公共財、その保存や保護、先ほど言いましたように地球温暖化関係含めて、例えばよく言われている話でありますけれども、トービン税ですか、そういったものを、あるいはそのようなもの。地球温暖化対策関係では当然これから省エネルギー関係とか、あるいは再生可能エネルギー推進していかなければいけない。それも、途上国にどういう形でやっていくかということは極めて重要なテーマでありますから、その場合に、民間が持っている技術をいかに移転するという話で、当然そこには資金が必要になるわけでありますので、私はやはりトービン税のようなものを考えなければいけない。スマートに創造的な提案を我が国としてもやっていくべきであろうと。ODAとはまた別に、こういう国際的な資金調達のメカニズムに関する枠組みをしっかりとつくっていくことが求められているんではないかと。  それは、環境省が国際社会に向かってこういう提案をすることも大事だと思っておりますが、この辺についてどのような御見解をお持ちですか。
  51. 小林光

    政府参考人小林光君) 大変多岐にわたる御指摘ございました。このODAの活用方策等々は大変すぐれて政治的な話でございますので、また副大臣なりに御答弁いただきたいと思っておりますが。  まず、最初の方にございましたトービン税みたいな新しい、スマートなというふうな御指摘もございましたけれども、新しい環境対策の援助の仕組みというものを提案していったらどうかと、こういう点でございます。  地球温暖化対策を始めといたします途上国支援の仕組みといたしましては、既に三つぐらいあると思っておりますが、一つは途上国の排出削減の機会そのものを削減、クレジットに換えまして、そしてそれを先進国が買い取るというクリーン開発メカニズム、それから地球環境ファシリティーというものが、途上国におきますところの地球環境対策で余分に掛かる費用を負担するということで無償の資金供与というものが行われております。これの拠出については任意拠出ということで、大体、国連分担金等々を参考にみんなが拠出していると、こういうことでございます。それから、もう少し強制的なものとして、先ほど申し上げましたCDMの収益の一部を気候変動に脆弱な途上国の適応策に充てるというための適応基金というのが新しく設けられてございます。  まず、二番目に申し上げましたGEF、地球環境ファシリティーにつきましては、我が国は二〇%程度の拠出をしてございます。また、今般、昨日本会議で成立をいたしました改正地球温暖化対策推進法に基づいて、例えば我が国がCDMクレジットを取得した場合に、その二%は国際的に言わば課税をされまして、そしてこの適応基金に行ってしまうということでございます。これはかなり強制的なメカニズムでございます。それから、冒頭申し上げましたCDM、これは大変な発明品だというふうに私ども受け止めておりますが、途上国の持続可能な開発に先進国も利益を得ると、こういう全く新しいユニークなアイデアでございます。  更にそれを超えるようなものについて何か考えたらいいではないかと、こういうことでございます。直接私どもそういった材料を今のところ持ち合わせてございませんけれども、私ども環境省では、今、環境と金融に関する懇談会というのを設けまして、実務の方々から学者の方々お招きをいたしまして、大臣のイニシアチブの下、いろんな環境取組が金融市場で積極的に評価をされて、そういった取組にファイナンスができるようなもっといい仕組みはないだろうかと、こういう検討をしてございます。  例えば、環境配慮の取組を優遇しますところのために取組の格付をする、あるいは環境レポートの活用をしていく、これはそれぞれ、特に環境レポートなどは日本独自の発展を見せているものでございますが、こういったものと組み合わせることによって環境取組をもっとファイナンスできるものにしようじゃないかということは今議論されているわけでありますが、それを国際的に拡張していくといったようなことも行く行くは考えられるのかなということでございまして、なかなか、既存の政策についての改良ということになろうかと思いますが、今の御意見も踏まえて、またよく勉強させていただきたいと思います。
  52. 加藤修一

    ○加藤修一君 国内的なそういう具体的に環境省が検討会といいますか研究会を開催してやっていることについては敬意を表したいわけでありますけれども、今私が申し上げているのは、国際的な中でどういうふうに我が国として提案し得るかどうかという話であります。  それはもちろん簡単にできる話でありませんが、ただ、通貨取引の関係を考えてまいりますと、国際間の金融取引は年間三百兆ドルと言われておりますので、仮にこの超低率、そういう仮定というふうに考えた場合は、今申し上げましたように原資が相当の金額になっているわけでありますから税収も膨大になると。これはトービン税の話ですけれども。そういうふうに考え、例えば〇・〇五%課税しただけでも年間一千五百億ドル、ODA関係でいいますとそれの三倍ぐらいというふうに聞いているわけなんですね。ですから、非常に、私は再三再四、三種類この地球温暖化関係であるという話だったんですけれども、それで対応できる話じゃないと思うんですね。  もう本当に厳しい深刻な状態に来ているのが地球温暖化の問題でありますので、私はやはり国際的な場で、これは何も日本だけが独自に言う話では当然ないわけでありますけれども、しっかりとその辺のことについて研究もし、検討もし、準備をして、国際社会に向かって発信すべきであるというふうに考えておりますので、是非そういった面での検討をお願いしたいということでありますが、どうでありましょうか。
  53. 江田康幸

    ○副大臣(江田康幸君) 先生の御指摘のとおり、これから開発途上国への支援含めた国際的な資金調達の仕組み等につきまして、ポスト京都議定書、二〇一三年以降の中長期的な取組を踏まえまして、しっかりと政府としてもこの仕組みについても勉強させていただきたいと思います。
  54. 加藤修一

    ○加藤修一君 ワンガリ・マータイさんが、開発環境関係、とりわけ貧困の問題というふうに、貧困と環境の問題というのはリンクしているという話をよくされるわけなんですけれども、正にそういった意味では貧困撲滅ということも極めて重要な話で、ただこれは、私が聞いている話では年間四百億ドル必要だという話なんですね。ですからもう、どこでそういう資金をしっかり集めるかということをやらなければいけない。なかなかそれはうまく進んでないというのが現実でありますので、今、先ほど来から申し上げていることについても積極的に、環境省としても、もちろんこれは外務省とも相談しながらやっていく話であると思っておりますが、是非積極的な検討をお願いしたいと思います。  それでは次に、ノンフロンの普及の関係でありますが、先ほど来から代替フロンの話が出ていて、ただ、オゾン破壊係数はゼロでありますけれども地球温暖化係数が極めて高いということで京都議定書の中でも取り上げられているということであります。  それで、両方の係数がゼロで、あるいは一・〇程度炭化水素、イソブタンが多いわけですけれども、あるいはCO2、アンモニア、こういったノンフロン冷媒でありますけれども、これが使われている家庭用電気製品とかあるいはカーエアコン、業務用冷凍空調機器、それに対する普及の状況、あるいは課題がまだまだあるというふうに伺っておりますのでそういった課題はどうであるのか、あるいは助成措置というのはどういう状況になっているか、その辺についてお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
  55. 小林光

    政府参考人小林光君) もしかして後ほど経済産業省の方から補足的な御答弁あろうかと思います、あるかもしれませんが、私の方から総括的に少し申し上げたいと思います。  先ほど来答弁申し上げたところとやや重複いたしますけれども、家庭用冷蔵庫につきましては、今御指摘のイソブタンを冷媒に使用した機器が既に実用化をされ、普及も進んでいるということでございまして、先ほど御答弁申し上げましたように、二〇〇四年の新規出荷に対するそういったノンフロン冷媒のものは八割、正確に申し上げますと二〇〇四年度で七八・七%というように、ノンフロンの冷蔵庫になっている。二〇〇五年度の前半だけですと八八・七%ということでございます。  それから、自動販売機になりますと、これがなかなかまだ思わしくございませんで、出荷台数といいますか自販機の存在台数を言いますと、これが二百六十七万台というようなことではございますが、そのうちノンフロン化のもの、炭化水素のものや二酸化炭素、今御指摘のとおりですが、ものを全部合わせましても五千台ということで、かなり使用状況が悪いと、こういうことでございます。  また、業務用冷凍空調機器につきましては、残念ながらまだそれが統計を取るほどのものになっていないということでございまして、現状が把握されていないという状況でございます。  それから、カークーラーなどになりますと研究開発段階でございまして、空気冷媒とかそういったようなものが試されてきております。そういったものも開発中であるというふうに承知をしておりますが、これもまだデータとしてはございません。  以上が環境省の方で承知している概況でございます。
  56. 加藤修一

    ○加藤修一君 是非、より一層ノンフロン冷媒が普及されるように最大限の努力をしていただきたいと思います。  それで、次に経済産業省にお尋ねいたしますけれども、先ほど小林委員からも話がありました。国環研の研究チームが、現在の規制を緩めることなく継続していった場合には二〇五〇年ごろまでにオゾンホールがなくなるということで、非常に喜ばしい話でありますけれども、今後、経済産業省としてはノンフロン化への転換の見通しあるいはそれにかかわる新技術の開発関係について、どのようにお考えを持っていらっしゃるのか、お願いいたします。
  57. 塚本修

    政府参考人塚本修君) ノンフロン化への取組それから見通し等の状況でございますけれども、先ほど小林局長からの御答弁がございましたけれども、家庭用の冷蔵庫とか自動販売機につきましては、これはもう既にノンフロン化の技術が実用化域に達しているということで、もう既に製品が出荷されているというふうな理解をしております。  ただ、業務用とか家庭用、自動車用のエアコンの分野、それからショーケース等の業務用の冷凍冷蔵機器分野では、先ほどの家庭用冷蔵庫とか自動販売機等に比較しまして、やはり、一つは充てんされる冷媒量が大変多いということ、それから冷媒を配管でつないで循環させているということで、それから自動車の場合には特に機器そのものが頻繁な移動をするということで、冷媒の漏えいの可能性があるということから、安全性や効率性の観点から、現在直接フロンに代わる新しいいい物質が見いだされるという状況にはまだないということでございますので、引き続きこうした状況を踏まえながら、特に安全性や効率性の面でも十分に対応できるような、フロンに劣らない物質の開発、それから冷凍空調システム開発経済産業省として引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。
  58. 加藤修一

    ○加藤修一君 同じく経済産業省質問ですけれども断熱材のノンフロン化技術の関係についてはどうでしょうか。
  59. 塚本修

    政府参考人塚本修君) お尋ねの断熱材につきましては、これは大きく分けますと、工場で既に板状に成形して出荷する断熱材と、それから建築現場で発泡させる、この二通りの種類があると思っております。  建築用の断熱材の約七割を占めます板状の成形品でございますけれども、これは平成十一年当初ぐらいから一生懸命技術開発等を行いまして、その辺の成果が十分出られて、この板状につきましてノンフロンを施した断熱材がもう既に開発されているということで、メーカーによっては供給体制が整いつつあるということでございます。  それから、残る三割の現場で発泡させる断熱材でございますけれども、これはやっぱりまだ安全性や性能といった技術的な課題が残されているということで、一部には製品化されつつあるものもありますけれども、まだ全面的にフロンを代替するには至ってないということでございます。  それで、特に、また断熱材中のフロンは時間とともに放出をされるということでございまして、そういう意味では断熱材からフロン類を効果的に回収破壊をしていくということはなかなか困難だと考えておりますので、やはり抜本的には、断熱材の効果的なフロン対策を図るためにはノンフロン化推進するということが大変重要かということで技術開発を進めているということでございます。  それで、特にこういう取組の先進的なものに対しましては、ノンフロン断熱材製造設備や現場発泡設備につきまして、平成十六年度に約一億円、それから平成十七年度に、これ具体的な申請ベースで約二千五百万の補助を行っているということで、結果的には、平成元年当時と比べますと、平成十六年時点で約、断熱材向けのフロンにつきますと八八%が削減をされているというような状況でございまして、引き続き断熱材ノンフロン化に努めてまいりたいと、さように考えております。
  60. 加藤修一

    ○加藤修一君 ありがとうございます。  次に、国土交通省と環境省お願いしたいんですけれども、グリーン購入法がございますけれども、公共工事時に使用する断熱材の判断基準として、従来からはオゾン層破壊する物質が使用されていないことがありましたけれども平成十七年の見直しにおいては代替フロンが使用されてないということが追加されたわけでありますけれども、地方自治体を含めて公共施設に適用されている現状を、それぞれお示しをしていただきたいと思います。
  61. 奥田修一

    政府参考人(奥田修一君) それでは、まず国の方でございますけれども、私ども国土交通省官庁営繕部が整備いたします官庁施設に使用する断熱材につきましては、ただいまの御指摘のとおり、グリーン購入法の基本方針におきまして代替フロンを使用しないいわゆるノンフロンのものとするということが規定されるのに合わせまして、平成十七年度までに、成形品だけではなくて現場発泡断熱材も含めまして、すべての断熱材についてノンフロンのものに切り替えているという状況でございます。
  62. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 地方公共団体の方につきまして御説明を申し上げます。  地方公共団体につきましては、御承知のように、グリーン購入法に基づきまして、それぞれグリーン購入の調達方針を作成する、そして物品等の調達を行う、努めるものとするという、言わば努力義務を負っているわけでございます。  環境省といたしましても、地方公共団体に対しまして、毎年度地方自治体にブロック別の説明会を行いまして、例えば毎年毎年基本方針を改正するごとにこういうような調達品目を加えた、こういう配慮基準を加えたというようなことを詳細に説明を行いましてその調達の推進に努めているところでございまして、また、昨年十一月に環境省実施したアンケート調査結果によりますと、都道府県レベルにおいてはすべての都道府県が調達方針を作成しておりまして、そのうち多くの、三十を超える都道府県におきましては、この断熱材につきまして国の判断基準に則しまして同様の対応が図られていると、そのように承知をいたしております。
  63. 加藤修一

    ○加藤修一君 もう時間がなくなってまいりましたのでちょっと質問飛ばしますが、総務省にお聞きしたいと思います。  機械式の駐車場の新設の際には消火設備設置を当然しなければならないわけでありますけれども、ハロンガス使用か二酸化炭素ガス使用かについて、いろいろなところで話が入ってくるのは、統一性がなくて消防署によって判断が異なると、そんなふうに聞こえてくる部分もあるわけでありますけれども、やはりハロンの排出抑制という観点から考えていった場合には、やはり二酸化炭素ガス、そういったオゾン破壊係数が小さいガスに統一すべきだと、そんなふうに考えたらいいのではなかろうかと、そういう意見もあるわけなんですけれども、この辺についてはどのような御見解をお持ちですか。
  64. 貝沼孝二

    政府参考人貝沼孝二君) お答え申し上げます。  今先生お話ございました機械式駐車場でございますけれども、最近様々なもの、タイプが出ているというふうに承知しておりますが、大きく分けまして、車の出入りを専従職員が管理するタイプと、それから専従職員を置かずにユーザーが自分で操作するタイプという二つのタイプがあるというふうに承知しております。  後者のタイプ、つまりユーザーが自分で操作をするというタイプの場合につきましては、もし消火設備を誤操作することによりまして駐車場に人がいるのにもかかわらず消火剤をまくというふうなことになりますと、もしそれが二酸化炭素であれば人命に大きな影響を及ぼすというようなことがございますので、その場合に限りましてハロンを使用するように、それ以外の場合につきましては二酸化炭素消火剤をということで、各全国の消防署を指導しているところでございます。  先生指摘のように、もしその運用面でばらつきというんでしょうか、もしまちまちなところがあるとしますと、いろんな場を通じて、今申し上げましたように、きちんとハロンを使用する駐車場というのを限定的に扱っているという趣旨を徹底させてまいりたいというふうに考えております。
  65. 加藤修一

    ○加藤修一君 今の答弁の中で、誤操作でCO2が出て人命に及ぼす影響がある場合があるのでそれを避けなければいけないということの話がありましたけれども、人命に影響というのは、どういうことを想定してCO2の排出の関係を話ししているんですか。
  66. 貝沼孝二

    政府参考人貝沼孝二君) 駐車場の防護区域の中にもし人が残っていると、例えば車に人が残っているときに火災が発生したためにその車の同乗者とか何かが外から消火剤をまくようなスイッチを押すというようなことを想定した場合に、その中に入っている人に二酸化炭素が吹き掛けられますと窒息するおそれがある、二酸化炭素の量にもよるんですけれども。二酸化炭素ですと空気を全部排出というんでしょうか、空気を除去することになりますので、二酸化炭素は人命に大変危険を伴う場合があるということでございます。
  67. 加藤修一

    ○加藤修一君 いずれにいたしましても、統一的な様式に基づきまして、しっかりと周知徹底をよろしくお願いしたいと思います。  以上です。
  68. 市田忠義

    ○市田忠義君 フロン類の排出に対してどのように取り組むかということは、オゾン層保護という点からも地球温暖化防止の面からも、両方の面で非常に重要な課題だと思います。  最初に、幾つか実態について数字上の確認をしたいんですが、質問時間もそう長くありませんので、お聞きした数字だけ端的に答えていただければ有り難いと思っています。  まず、世界全体の中で占める日本のCFCとHCFCの消費量、それからHFC等三ガスの排出量、何%を占めているか、お答えいただけますか。
  69. 小林光

    政府参考人小林光君) これは二〇〇二年のデータでございます、UNEPのデータでございますが、お答えだけです。  日本は、CFCについては世界シェア一〇%、HCFCについては一四%でございます。それから、排出量ベースでいいますと、これも同じく二〇〇二年のデータでございますけれども、日本は一二%のシェアというふうに聞いております。
  70. 市田忠義

    ○市田忠義君 オゾン層破壊物質からの転換で今後急激な増加が見込まれるHFC等三ガスですけれども、その中でHFCの出荷量の推移について、二〇〇二年の出荷推計量が基準年の一九九五年と比較した場合、CO2換算でどうなっているでしょうか。
  71. 小林光

    政府参考人小林光君) まず、一九九五年に比べました二〇〇二年のデータでございますけれども、倍数だけでよろしければ二・四倍ということでございます。それから、これはお聞きになっていることを超えますけれども、二〇〇四年のデータまで出ておりまして、二・九倍でございます。
  72. 市田忠義

    ○市田忠義君 一番新しいデータで二・九倍というお話でした。  次に、HFC等三ガスについて、現状対策と、追加対策を講じた場合、二〇一〇年の排出量の見通しですけれども、直近の二〇〇四年と比較した場合、CO2換算でどれぐらいになるでしょうか。
  73. 小林光

    政府参考人小林光君) 今御指摘お話は、京都議定書目標達成計画におきます将来の推計値が二つございます。成り行きケースと追加対策をした場合でございます。  まず成り行きケースでございますが、これは二〇一〇年の排出量が六千七百万トンと想定をされます。それから、追加対策ケースでありますと五千百万トンでございます。これに対しまして、現状の二〇〇四年の排出量二千二百九十万トンでございますので、それぞれ大幅に下回っている。例えば追加対策ケースで申し上げますと、二千八百万トンほど少ない排出量に現状はとどまってございます。
  74. 市田忠義

    ○市田忠義君 排出予測で二〇〇四年比二一七・九%になるかと思うんですけれども、産業界の自主動計画に基づく二〇〇四年度排出分について、総括フォローアップでも、有効な対策が取られない限り、近い将来における排出増は避けられない状況となっているというふうに述べていますが、この排出対策として今回の法改正による効果はどの程度見込んでおられるのか、京都議定書目標達成計画の二〇一〇年時点における温室効果ガス排出削減量に占める割合でお答えいただけますか。
  75. 小林光

    政府参考人小林光君) これにつきましては、冒頭もちょっと御説明したことがあろうかと思いますけれども、基準年排出量比では三ガス対策全体で一・三%の削減を見込んでございますけれども、その内数として今回の規制強化で四百万トン分、〇・三%相当を期待をしております。
  76. 市田忠義

    ○市田忠義君 今回の法改正では回収強化するということになっていますが、その対象となるHFC等がどこにどれだけ存在するかは把握されているんでしょうか。
  77. 小林光

    政府参考人小林光君) 先ほど小林委員からの御質問もございましたけれども、私ども、正直なところ、既に二千百万台というような出荷台数、設置台数になってございます。個々の設置場所、設置者の設置状況等々については詳細のデータを持ち合わせていない現状にございます。
  78. 市田忠義

    ○市田忠義君 実態は把握できていないというお答えでした。  フロン回収推進方策検討会の報告書を読みますと、回収を確実に行うためには可能な限り所有者から届出を出させるような方策を検討することが望ましいと、こう述べられています。  機器設置の際、若しくは建物解体前に届け出る制度をつくるべきだと思いますし、大量の出荷、消費、排出をしているのに、回収すべき対象の実態把握すらできていないということでは、私は抜本的な放出対策は取れないのではないかと、そう思います。  そこでお聞きしたいんですが、温室効果ガス排出削減でHFC等三ガス削減によるマイナス一・三%のうち、目標全体の大きな位置を占めている産業界の自主行動計画についてです。この分野の対策が確実に行われるかどうかというのは非常に重要な問題だと思うんです。  環境省確認したいんですが、その設定される目標や実際の削減が不十分な場合、産業界に対してどのように働き掛けをされるのか、簡潔にお答えください。
  79. 小林光

    政府参考人小林光君) 産業界の自主的取組、自由にすればいいということではございませんで、きちっと毎年進捗状況のフォローアップをするということでございます。産業構造審議会、そしてまた中央環境審議会でもこういった点検をしてございます。現状のところは順調に削減されているとの、一言で申し上げると、状況でございます。  しかし、ちゃんと最終的な段階まで行っても大丈夫なのかと、こういうことでございます。私ども代替フロン等ガス排出削減は大変重要だと思っておりますので、万が一、産業界の取組が不十分だというような兆候ございましたら、更に追加的な対策を検討し、施策の強化を図っていくのが当然だというふうに考えてございます。
  80. 市田忠義

    ○市田忠義君 自主行動計画についてのフォローアップを見ますと、HFC等製造分野、半導体製造分野では、ここ数年の間、削減が十分でないと、そういう報告が続いて、改善の方向が見られない。  結局、私は、自主的な取組に任せるんじゃなくて、ヨーロッパなどでやられているように、拘束力を持つ国と産業界の協定を結んで、そうやってこそ確実な削減が担保できるんじゃないかなと。二〇〇七年の京都議定書目標達成計画の見直しの際にはやっぱり協定化に踏み出すべきじゃないかなと。大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  81. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 代替フロン等の三ガスにつきましては、まず京都議定書目標達成計画に基づいて、産業界の自主的な取組、そして代替物質の開発利用促進、それから冷凍空調機器に充てんされてきました冷媒回収の徹底などによって排出抑制を図っていくことといたしております。  産業界の自主的取組では生ぬるいのではないかという御質問でございますけれども、今この自主的な取組については進捗状況のフォローアップをいたしておりますし、また京都議定書目標達成計画をその都度、毎年点検もしているのは御承知のことだと思っております。これらの取組の確実な実施を図っていくということがまず一点。  それから、代替物質の開発、そして利用促進でございますけれども、自主的な取組に加えまして、代替物質などの技術開発の支援であるとか、それから、グリーン購入法などに基づいて率先的導入推進することによって更に促進が図られる。それから、代替製品の普及啓発もしっかりやっております。より一層の対策推進をしてまいるということが必要かと考えております。  それからさらに、冷媒として用いられておりますフロン類回収でございますけれども、御審議いただいておりますこのフロン回収破壊法を始めとして、先ほども指摘ございましたけれども、自動車リサイクル法、家電リサイクル法、フロンなどの今使われているものがそれぞれ自動車であったり家電であったりばらばらでございますけれども、今申し上げましたようなリサイクル法によってカバーをしていくということも可能でございます。  環境省としては、これらの施策を有効に組み合わせることによりまして、御指摘の代替フロンなどの三ガス、これらを含みます温室効果ガス排出削減対策、これを積極的に進めてまいる、このような形で一つ一つきっちりと前に進めさせていただきたいと考えております。
  82. 市田忠義

    ○市田忠義君 どうして産業界の自主的な取組に任せていては駄目かと。例えばこういうことを言われているんですね。二〇〇四年分のフォローアップを見ますと、HFC等製造分野からは、早めに目標を達成すれば更に厳しい削減を求められる、正直者がばかを見ると、こういう発言が公然と行われているわけですね。この間のフロン対策を振り返っても、やっぱり関係業界は、利益追求のためにはそれが害悪を出すものだと分かっていても絶えず規制に反対して対策を遅らせてきたと。やっぱりこれに対して環境省がもっと厳しい態度を取るべきだと。私は、確実な排出削減迫るためには協定化が必要だということを指摘しておきたいと思うんですが。  そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、東京都では二〇〇二年度から温暖化対策で企業に対して地球温暖化対策計画書の提出と公表を義務付けることにしましたが、この間、制度強化を行っています。これ、もう時間が余りありませんので、その主な点を、ポイント局長、紹介していただけますか。
  83. 小林光

    政府参考人小林光君) 東京都独自の制度でございますけれども事業者の方に対しまして、地球温暖化対策計画書を出すということでございましたが、特に制度強化の点というところだけを申し上げますと、知事が助言指導ができる、そしてその結果を評価、公表するというような仕組みが導入をされております。そして、事業者の側にも報告を必ずしなければいけないという義務付けが行われております。また、一般的な義務が必ず掛かる人以外にも、対象規模未満であっても計画書をなるべく出してくださいと、こういうようなことを促しているというふうに承知をしてございます。
  84. 市田忠義

    ○市田忠義君 今お話がありましたように、東京都の場合、都が指導助言を行う、そして取組結果が社会的に評価されることによってより高い水準の削減を達成する仕組みへと制度強化を行って、しかも事業所ごとの温室効果ガス排出量と削減目標について評価をした上で公表をしていると。これは、当初の制度では削減目標の設定が事業者任せでは水準が低いと、そういうことを受けて、より実効性ある制度として充実強化されたと。正に自主的な取組の限界をこの事実は私は明確に示していると思うんです。最初の計画書案の段階では、五二%の事業所について、基本対策が不十分で、運用改善のみ計画しているか、運用改善が未計画だと。ところが、都の指導助言によって九九%が、基本対策をすべて計画化している以上の評価に水準が上がったというふうに言われています。  早速成果が上がっているこういう制度のように、やっぱりどこの事業所でフロン類をどれだけ生産、排出しているか、また削減計画と達成状況の報告書を提出させる、国民だれの目にも分かるように事業所ごとに公表させるべきだと思いますが、改めて大臣に、〇七年の京都議定書目標達成計画の見直しの際に、東京都ですらやっているこういうことを盛り込むべきじゃないかというふうに思いますが、大臣の見解を伺います。
  85. 小林光

    政府参考人小林光君) 方針につきましてはまた大臣の方に答弁いただきたいと思いますが、事実関係だけでございますけれども、国の法律におきましても、既に当初の法律で二十二条、これは温暖化対策推進法で、個々の事業者さんが温室効果ガスの排出の抑制のための計画を策定して実施状況を公表しなさい、これは努力義務ではございますけれども、書かさせていただいております。さらに、それを補強するために、昨年の法改正におきまして、実際に排出量の報告をしなければいけないということで決まりまして、つい先ごろ、それをやるための政令あるいは今マニュアル作り等をしてございますけれども、そういったデータの公表するための仕組みというのを設けていただきました。これは義務的なものでございます。  そういうことでございまして、東京都と比較しますとまだ生ぬるいではないかということではございましょうが、そういった情報公開を通じまして、国民の目の下で事業者取組が進んでいく仕組みというのを設けております。  更に進んで、見直しの中でもう少し強化のことも考えたらいいんじゃないかというのが御質問の点だと思いますが、この点についてはまた大臣の方から答弁いただきたいと思います。  なお、ちょっと私の答弁で先ほど、早速数字が下方修正で申し訳ないんですが、私、日本のシェア、HCFCの排出量のシェアを一二%と答弁いたしましたが、八%でございました。申し訳ございません。
  86. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 今局長が答えたとおりでございますけれども京都議定書目標達成計画、毎年各対策がそれぞれ部門ごとに定められ、そしてその進捗状況によってそれを更に強めたり、まあ弱めることは余りないと思いますけれども、そういった形で毎年シビアに点検をして、特にこれから、もう直前、二〇〇八年を直前にしているわけでございますから、これからますます地球温暖化対策という観点からもこのフロンの扱い、そして三ガスなどの扱いというのはよりシビアに見ていかなければならない。ましてや、その目標達成計画の中におきましても、この三ガスなどの扱いにつきましてはCO2と比べまして非常に地球温暖化のある種の寄与度は極めて高いわけでございますので、これにしっかりと対応していくということは京都議定書達成ということの観点からも必要なことでございます。  よって、今後の排出量の推移であるとか、それから今後の温室効果ガスの排出量の推移であるとか、先ほど来の御指摘の産業界の自主的取組推進状況、それから代替フロンなど三ガスの代替物質の開発状況などを踏まえながら、必要があるならば追加的な対策を検討して施策の強化を図っていくと、このように考えております。
  87. 市田忠義

    ○市田忠義君 少し大きな話になりますけれども、地球が生まれて四十六億年、生命体が生まれて三十五億年。当時は海の中。これは温度が高過ぎ、あるいは紫外線の直撃を受けると。陸上で生命体が生存することができるようになったのは四億年ぐらい前だと思うんです。言わば三十億年ぐらい掛かって生命維持装置とも言うべき装置ができたと。かつてはオゾン層もなかったわけで、ほとんど二酸化炭素に覆われていたのが、今、窒素と酸素がほとんど。それで陸上で生活できるということになったわけですけれども。  これ、改めて調べてみたら、地球大気の中のCO2の量というのは、この四億年間〇・〇一%でほとんど変わっていない。ところが、無制限な経済活動のために、最近のわずか数十年と言ってもいいと思うんですけれども、この期間に大きな変動をし始めたわけですし、フロンということになれば、これがオゾン層破壊するということをアメリカの学者ローランド氏がたしか一九七四年にその警告を発したときは、アメリカのフロン生産の大きな会社であるデュポンが、それは机上、机の上での仮説にすぎないということで抵抗したわけですね。  私、言いたいのは、企業というのは利潤追求が第一だというのは当たり前だと思うんです、それでなかったら企業でないわけですから。しかし、そういう利潤追求第一主義に任せていたら、せっかく三十数億年にわたってつくり上げてきた生命維持装置そのものが人間によって壊されると、そういう今瀬戸際にいるという認識に、これは政治的立場とか党派の問題じゃないというふうに私は思っているんです。  やはり一定のルールできちんとした産業界と国とが協定を結ぶというようなことをしなかったら、企業や産業界の善意だけに任せておったら、一企業だけの努力では、それは自分のところだけが削減したらもうけは少なくなるわけですからそれは成り立っていかない。やっぱり一定のルールを設けることによって、そういうルールの中での競争であるべきじゃないかと。やはり産業界の自主的な取組だけに任せないで、きちんとした国としての産業界への当然の規制やらなかったら、地球の存続、人類、生命体の存続すら困難になる、そういう問題だと。自主的取組に任せていれば後は野となれ山となれと。ヨーロッパの古い言葉では我亡き後に洪水よ来たれと、これは資本論の中でマルクスも引用した言葉ですけれども、やっぱりこれは政治的立場の違いを超えてそういう取組が必要だということを指摘して、もう時間が来ましたから、終わります。
  88. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 私も同感でございます。  今日は、最初に、厚生労働省からもお越しいただいておりますが、そこをお願いします……
  89. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 荒井委員、少々お待ちいただけますでしょうか。
  90. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 はい。
  91. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 申し訳ありません。     ─────────────
  92. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  特定製品に係るフロン類回収及び破壊実施確保等に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会厚生労働省労働基準局労災補償部長森山寛君を政府参考人として出席を求め、その説明聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  94. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 森山さん、済みません。  これは、東京の夕刊、東京新聞です。アスベスト特有のがんの一種、中皮腫を原則すべて認定するなど認定基準を緩和したことなどがあって、労災に認定された人は前年、これは四年度になるんだと思います、二〇〇四年度百八十六人に対して四倍近い七百二十二人に増えたと。本当に早くそうしておけばよかったと、このように思います。これからも改善点、反省点、患者さんの立場から対応するべきことだと、このように思うわけです。  そこで、石綿暴露による肺がん及び中皮腫例の調査研究というのを独立行政法人労働者健康福祉機構がずっと臨床医学研究で取り組んできて、明日六月二日に、岡山労災病院の岸本副院長さんという方が学会で緊急に発表することがあるというんです。これはまたNHKで昨日放送しておったわけですけれども、アスベストを吸った場合に胸に胸膜プラークというものができて、これが特有な影でCT画像に映るんだそうですけれども、中皮腫と診断された八十九人の患者さんの治療記録を十二年から今年の二月まで、平成十二年から今年の二月まで調べたんだそうです。そうしましたら、その特有の影が見付かったというのは六割程度の方だったそうでございます。肺から直接アスベストが検出されたにもかかわらず、この特有の影が確認できないケースがあった。これ非常に大きな、何といいますか、分析結果だと思うんです。  この岸本さんという先生は、特有の影がなくてもアスベストにさらされている人がかなり多いことが分かった、患者を見逃さないためにはアスベストに触れる環境にあったかどうか子細に聞き取りを行うことが更に重要になる。これは今度の救済法、救済新法でも重要なポイントでございますし、今後は、特に労災の場合なんですが、認定基準の見直しも検討する必要があるのではないかと、これはアスベスト救済新法にもかかわってくるところです。  そこで、部長にお尋ねいたしますけれども、こういったことが明日正式に発表されるわけですけれども、参考とすべきところ多々あるんじゃないかと思いますが、御見解聞かせてください。
  95. 森山寛

    政府参考人(森山寛君) まず、労災の認定の状況でございますが、先生今おっしゃいましたように、十七年度の認定件数、請求件数、肺がん、中皮腫ともに、例えば肺がんにおきましては前年度の十一・七倍、七百十二件ということで上っておりますし、また中皮腫につきましては請求件数千八十四件でございまして、前年度に比べまして七・三倍ということでございます。大変にこれは昨年末以来の社会的関心が高まった、また私どもの周知、広報の結果であろうというふうに思っています。  先生おっしゃいましたように、それを迅速に認定をしていくということは非常に重要であると考えておりまして、私ども既に、認定基準につきましては環境省さんと一緒に研究いたしまして、中皮腫であれば、これはそのほとんどが石綿によるものであるということで認定基準を改正をいたしまして、その周知、広報を努めておりますし、またそれに伴う迅速な補償といいますか、認定につきましては努力をしていきたいと考えています。  今先生がおっしゃいました労災病院の研究、これにつきましても診断あるいはその治療につきまして研究を進めてございまして、私ども、それらも踏まえて適切なる対応というものをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  96. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 是非、患者さんの立場に立った対応お願いしたいと思います。  それでは、ここまでですので、ありがとうございます。  続いて、本題に入らせていただきたいと思います。  フロン回収率などについて三〇%であると。同時に、お話を承っておりまして心配事が一つあるんです。それは、この法律は二〇〇七年十月ですから来年の十月、一年ちょっと先からスタートということですね。非常に厳しい懸念も先生方から出されたわけです。そうなりますと、この見直し規定を置いていますね、見直し規定は更にその後の五年後見直しですから、二〇一二年になっちゃうんでしょうか。そうしますと、約束期間の二〇一二年は終わっちゃっていまして、あらうまくいきませんでしたと、こういうおそれがあるんだと思うんです。  そこで、毎年適切に見直して適切に対応を求めていくと、こういったこと、この仕組みが必要だと思うんですが、この点についてお尋ねします。
  97. 江田康幸

    ○副大臣(江田康幸君) 先生、御質問、見直し、五年後では不十分で毎年行うべきではないかという御質問だと思います。  お答えさせていただきますが、今回の改正案に盛り込まれました内容を着実に実施することにより京都議定書目標達成計画の目標値は達成できるものと、先ほど来の討議でも申し上げておるところでございますが、今回の改正案におきましては、フロン類回収業者は毎年回収したフロンの量等を都道府県知事に報告することとなっております。都道府県知事はこれを取りまとめて環境大臣、経産大臣に通知することとなっております。この報告を用いて環境省及び経産省におきましてフロン類回収にかかわる実績を把握して、毎年行われる京都議定書目標達成計画の点検において確認をして施策の運用改善を図るということにしていく所存でございます。  ですから、新法の見直しというのは先生も御指摘のとおり五年後で、懸念があるということではございますけれども、以上申し上げましたように、施策の運用に関しましては毎年点検をして、そして万全を期していくということで、この目標は達成していくという決意でございます。
  98. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 大臣の方からも、今度の改正による効果というのはばかにならない効果があるんだということで、約四百万トン見ているんですね、先ほどのお話では。そういったことですから、副大臣おっしゃるように、是非、今回は行程管理もしていくわけですから、行程管理が期限管理目標達成管理につながっていくように、しっかりそこはお願いしたいと思います。私は若干不安を持っている次第です。  そこで、先ほど来からフロン、抜けるとか漏れると、こういう言葉が随所にあるわけです。どうしても広い意味で漏えいというものは出てくるんだろうなと、なかなか難しいんだろうなと、こういうふうに思って聞いておりましたが、こうした、途中で破棄するとき、整備するとき、これも今度の法律回収破壊を義務付けているわけですが、機器を使用している最中の漏えい、これもあるというふうにお聞かせいただいています。そういったことからは、大型冷蔵庫などを使っているとき、クーラーなどを使っているときの漏えい、こういったものの使用中の防止対策というもの、これは非常に技術的な面多々あるわけでございますが、このような開発とか設計、そうした技術的な対応、これについて経産省にお尋ねしたいと思います。
  99. 塚本修

    政府参考人塚本修君) 先生指摘のように、使用時における漏えい防止というのは大変重要な問題であろうかということでございまして、製造業者も従来から使用時の漏えい対策というか、そういうことで心を配っているわけですけれども、具体的にはフロン法フロン回収破壊法第三十条に基づきまして、経済産業省それから国土交通省、環境省合同で、これは平成十四年の三月の二十九日付けの告示をしております。特定製品の使用及び廃棄に際してのフロン類排出抑制に関する指針でございますが、その指針の中におきまして、特定製品を設計、製造する場合には、フロン類の充てん量の低減、一層の漏えい防止の配慮に努めることとしております。  これを受けまして、製造メーカーにおきましては、この一層の漏えい防止を図るため、まず設計段階におきまして、冷媒フロン類の漏えいを抑制する構造を採用したり冷媒量が少なくて済むような設計を取り入れる、それから製造段階では、冷媒が漏れることのないように溶接をしっかりする、それからその製品が完成しましたら、完成品の検査段階におきまして冷媒の漏えいが起こらないように検査体制の強化を図る。こういうことで、この指針を受けまして適切な対応を取っていただいているということでございまして、こういう漏えい対策が進みました機器市場に出ているということでございますので、経済産業省も引き続きこういう状況につきましてよく注視をしてまいりたいと思っております。
  100. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ノンフロン化技術開発も含めて重要なところだと思いますので、お願いしたいと思います。ちりも積もれば山となるということですから、クリーンもたまれば環境に良くなると、こういうことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  さて、大臣、前回、行政監視委員会で、知床の二月下旬に発見されました五千羽の海鳥が死んでおったわけです。これC重油によるものだというようなお話があったんです。  しかし、その後、海上保安庁も調査を、原因者の特定を、見ました、分からない。だから、国内でそういう、例えばC重油というのはほとんど船舶に使われますから、船がぶつかったのではないかということで、日本の国内にも聞き当たりましたし、そして、外務省は外交ルートで、北朝鮮だけなぜか除いているわけですけれども、アメリカ、カナダにまで、中国、韓国、そしてロシア、ここに照会をしましたが、そのようなことはないと。当初、ロシアのパイプラインが破損したのではないかということもあったんですが、そういうこともないということなんです。一説では、その流れてきたところが、ずっとサハリンの方から流れて海流に乗ってきたんだろうと言われているんですが、その辺りがちょうど密漁にとって非常にいいところになっておりまして、非常に漁獲がいいんですね。それで、密漁しているんで、密漁したところの例えば船なんかがぶつかったところが国に言うわけないだろうと、こういう前提も置いている方もいるわけなんですが。  果たして、これが仮に生物化学兵器であった場合に、このまま放置しているという我が国の安全保障の体制であってはならない。こういった点を防衛庁長官と外務大臣、そして官房長官が途中で退席されたので官房長官には後日ということにいたしましたが、環境にとってもこれは非常にゆゆしき問題でして、オオワシに二次被害が出ていると、高橋はるみ道知事がこうしたことの指摘も四月にされているんです。いつまでもこの原因者が特定されてないということは、環境面からいたしましても保全からいたしましても、そしてまた安全保障全般からいたしましても、私は国家的非常に重要問題。それがこのままずっとないがしろといいますか、何か鳥が死んだのかなというようなことで終わってしまうことを非常に危惧しております。  先日も、テレビで何か、だれが原因者なんだというようなテレビが報道されたようにも聞いておりますけれども大臣からも是非、環境と安全保障の両面から、原因者の特定に全力を尽くすよう閣内で関係大臣に申し入れて、御協力されて進めていただきたいと思いますが、大臣に御見解を聞かせていただきたいと思います。
  101. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) まず、今回の海鳥への被害の問題につきましては、これは環境省として、まず自然、動物、野生生物など自然の観点から、そしてまた知床は世界遺産にせんだって、昨年登録されたばかりでございますので、その観点から、両面から私ども大変関心は持っているところでございます。そのためにも、原因者の特定については関係省庁情報共有を行いまして鋭意進めているところでございます。  そこで、海鳥が漂着しているのが知床半島の左側、西側ということなどもございまして、斜里でございますが、地元の自治体との協力、そして海岸の巡視であるとか死骸の回収にも当たってきたわけでございます。NGOなどももう大変な活躍をしてくださっているところでございます。それから、外交ルート、ロシア政府からの情報収集など、それから四月に日ロ環境保護合同委員会が開かれたんですけれども、そちらに参加いたしておりまして、ロシア政府との情報交換なども行っております。さらに、国立環境研究所の方に対しまして衛星で画像の解析などを依頼しておりまして、その関係の地点などの画像を買いまして、そこからの分析ということなどなど、原因解明に努めてまいりたいと考えております。
  102. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 国立環境研究所の方から衛星を、商用衛星に頼んでやっているんですが、先生方御案内のとおり、日本は情報収集衛星というのを上げております。上げておりますが、これについて環境省から調べてくれという申入れをして調べるようになるんですが、環境省は外れているんです。ところが、環境汚染という意味においては環境省が申し出られるような体制をつくれとこの間も申し入れておりますし、その国の衛星がどのようにそれをつかまえているかということを公表すると、安全保障上、どこにどういうふうに照準を当ててどういう能力があるかということが分かるから言えないと言うんです。分かるから言えなくて原因者特定できないような、持っている国民こそ不幸であります。これはもう完全に安全保障上の問題で大きな欠点です。これを正していただきたいと思います。  結びになりますけれども、その大臣お話しされた斜里町や羅臼町のいわゆるこの国立知床、そして世界遺産でございますけど、自動車の乗り入れを昭和四十九年の通達にいたしまして制限などして環境や自然保護になるように考えているようなんですが、やはり循環型あるいは共生、地域循環型ですね、今日は農林省も国交省も来ていただいておりますが、代表して環境省にお尋ねしたいんですが、バイオエタノールやバイオディーゼルなどで観光バスやマイクロバスを走らせて一層の車の乗り入れなどに制限といいますか工夫といいますか、こういったことをするべきではないかと、環境対策や自然保護になる観点からお尋ねをしたいと思います。
  103. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 国立公園におきましては、御指摘の知床国立公園のカムイワッカ地域を筆頭に、全国すべて、十五公園、十五の国立公園、二十五の地域で自動車利用適正化対策ということで行っております。根拠は基本的には道路交通法でございまして、警察等と協力しながら進めております。  まず、燃料でございますが、私どもシャトルバスを用いまして、それでマイカーの代わりにお客さんを運んでおるということでございます。低公害車は着々と導入をしておりまして、現在私ども把握している範囲では百八十六台が低公害車ということになっておりますが、その中身につきましては、ハイブリッドバス、それから電気バス、ガスによるCNGバスということでございます。現状ではバイオディーゼル等を燃料として用いてはございません。  これは、一つには、民間がすべて行っていますので採算性の問題があるということと、知床のように砂利道を走る場合があるということもございまして、現状では私ども実際に走行性能がはっきりしておる低公害車にできるだけ替えていくということを進めたいと考えております。
  104. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今のようなやり方を一層進めていただきたいと思いますが、地域で、実はあそこは輪作ですから、バイオエタノールの原料になりますサトウダイコン、ビート、こういったものも取れます。地域循環型の、そして共生型のやり方というものに前向きに進めていただきたいんです。  そこで、内閣官房の特区推進室長さん、この斜里町というのは、町長さんとコカ・コーラでしたか、私も拝見してきましたけど、その五千台ある、自動販売機五千台ですね、まだノンフロンは、その中のものを取り入れてやっているんです。ノンフロン対応というのを非常にやっているわけで、そういったものを含めて、バイオエタノールやバイオディーゼルを走らせて、特区、こういったことは可能でしょうか。特区室長、お願いします。
  105. 大前忠

    政府参考人大前忠君) お答え申し上げます。  構造改革特区制度は、地方公共団体や民間の方々から、地域におきまして事業を進める際に支障となっております規制につきまして規制改革に向けた御提案をいただきまして、まずは私ども特区室が関係省庁と折衝して特例措置を実現した上で、そうした特例措置の活用を希望する地域を特区として認定するものでございます。  今お話のございましたバイオディーゼル燃料やバイオエタノールの活用に関しまして、これまで直接関係する特区の特例措置はございませんが、今後、地域において検討が進む中で具体的な提案が出されるようであれば、特区室といたしまして、提案者の立場に立ち、提案を実現するためにはどうしたらよいかという観点から、関係省庁に対して積極的に対応を求めてまいりたいと思います。
  106. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 終わります。
  107. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  特定製品に係るフロン類回収及び破壊実施確保等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  108. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  小林君から発言を求められておりますので、これを許します。小林元君。
  109. 小林元

    小林元君 私は、ただいま可決されました特定製品に係るフロン類回収及び破壊実施確保等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国民新党・新党日本の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     特定製品に係るフロン類回収及び破壊実施確保等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一、業務用冷凍空調機器からのフロン類回収が確実に行われるよう、業務用冷凍空調機器廃棄実施者、設備工事業者建物解体業者フロン類回収業者整備事業者等の各主体に対し、関係各省及び地方自治体との連携のもと、本制度の周知を徹底し、適切な指導助言等を行うとともに、業務用冷凍空調機器の製造事業者等の関係者による自主的な取組促進を支援すること。  二、建材用断熱材に用いられているフロン類については、現行法附則第五条の規定の趣旨を踏まえ、効率的な処理への支援並びにノンフロン化等、その排出抑制対策を一層推進すること。  三、フロン類の確実な排出削減のため、冷凍空調機器断熱材、ダストブロワー等のあらゆる分野においてノンフロン化のための技術開発及び普及を積極的に支援するとともに、ノンフロン製品の購入を促進すること。  四、オゾン層保護の更なる推進のため、CFC及びHCFC以外の、ハロン、臭化メチル等のオゾン層破壊物質についても、適切な管理を確保するとともに、その処理方法や体制の整備の検討を行うこと。なお、オゾン層破壊をもたらさずかつ地球温暖化に配慮した代替物質への転換等を着実に推進すること。  五、京都議定書削減約束を確実に達成するため、京都議定書目標達成計画に掲げられた代替フロン等ガスに関する対策・施策を着実に実施し、それらの進捗状況に応じ適宜その見直しを行うこと。  六、業務用冷凍空調機器からのフロン類回収等の費用負担の方法については、現行の機器廃棄時から機器購入時等における事前徴収等への変更について、本法の施行状況を踏まえ、その実現可能性を含めて検討すること。  七、オゾン層破壊地球温暖化が地球規模での環境問題であることを踏まえ、途上国におけるフロン類の生産量及び消費量の削減に向けた取組フロン類回収破壊のための取組オゾン層破壊をもたらさずかつ地球温暖化に深刻な影響を及ぼさない代替物質、代替技術の普及等の途上国における脱フロン対策推進に向けた取組について、積極的な国際協力を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  110. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいま小林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  111. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、小林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、小池環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小池環境大臣
  112. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
  113. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十二分散会