○大石正光君
是非ひとつそういう方向で努力をしていただきたいと思うわけでありますが、もう少しこの
お話をちょっとさしていただければと思います。
実は、寺山さんと一緒に猿が毎日朝行動している行動の道どおりにずっと歩いて実はたどってまいりました。なるほど、猿がこういうふうにやれば渡りやすいだろうな、我々人間から見て、例えば駐車場とか広い空き地のところはできるだけ避けて、例えば木とか屋根とかに伝わって道路を渡っていく、電線を伝わって、できるだけ危険があるような地上に降りないというのがその話でありました。
一つの例として、四月十六日、朝六時から九時四十分、旧軽井沢郵政省宿舎前から始まって、銀座のロータリー、八百屋に十頭、旧軽井沢倶楽部へ、南の人家侵入六頭以上、ふん尿、ミカン、こんなようなことを毎日毎日書いておりまして、ロータリー南からさらにはパウロ教会、一本松に行ったとか、旧軽井沢公民館から万平通りに渡っていった。毎日毎日こうやって、一日、毎日こういう日計を取って彼らは監視をしている。それも朝夕、朝五時から大体九時ごろまでと夕方だそうでありまして、昼間は猿が昼寝をするということでありますね。そして、私はその話の中で、彼が一生懸命言っているように、できるだけ猿を脅かすと、脅かしてここにいることが怖いということを分からして山に送り返すというんですね。
何で一体
動物がこういうところに来るんだろうか、えさが欲しくて来るんだろうかというときに、彼はこういう話をしたんです。
実は、
動物が山の中でえさを食べているけれ
ども、えさを食べるとき絶えず周りを気にして、危険であるからえさを食べることも大変難しい。ところが、軽井沢のような別荘地に下りてくると敵がいない。安全だから、その安全な
場所でえさをたくさん食べる方がより彼らにとっていいんだというんですね。だから、軽井沢の旧
地域がえさを食べるときに危険であるということを彼らに教え付ければ、猿は来なくなる。だから、彼らを脅かして、特定な
人たちが何人かで、ここはおまえたち来たら危険なんだぞ、えさを食べに来たらおまえたち殺されるんだぞということを学習させて送り返せれば、必ず猿は来なくなるだろう。そうやって人間と猿との共存を図っていくんじゃないかという話をされたときに、猿の政策と言っていいか分かりませんけ
ども、考え方、
行政の在り方ももっともっと
研究して、やっぱり猿に負けないようなひとつことをしなきゃならないんじゃないかな。正直言って何となく笑い話になるような感じでありますけ
ども、本当にそういう話を実は感じたわけであります。
ツキノワグマは当然えさをあさりに来るということでありますが、また
イノシシが盛んに来ている。ところが、
イノシシの話を聞いていると、なるほどなと。
イノシシはどこに出るかといったら、旧軽井沢の高級別荘地に現れるというんですね。何でそこに現れるんですかと言ったら、高級別荘地は庭がこけで覆われている方が多い。それぞれ別荘を持っている方は、こけを一生懸命生やして自然形態の庭を造っている。ところが、こけの下にミミズが一杯いるんだそうであります。
イノシシはミミズを食べに追っ掛けてくる。モグラがミミズを食べるんじゃなくて、
イノシシが食べて、鼻で掘っくり返して、ブルドーザーで土が山のようになるくらいあちこちにできているというんですね。
そしてさらに、そういう話を聞いたとき、一体人間と
動物のかかわり、人間は結局
動物の圏域をどんどん侵して広げていっているわけでありますから、やっぱりそういう
意味において、
環境省も人間が守るべきルールというものを
動物に対してやっぱり作っていくべきだ。この
鳥獣保護法であるように、やっぱり
動物には
動物の世界があり、人間には人間の世界がある。お互いに
共生していくためには、やはり一つの線をきちっと我々も引いて、我々も我慢することを我慢するというものを考えていかなければ、私はますます、そういう
意味において、希少
動物が多くなったり、さらには多くの
被害が生まれてくる。そういう問題をもう一回見直しを言ってこそ、初めて
鳥獣保護法というものがあって、人間と
動物のかかわりが共存できるということに私はなるんじゃないかと思うんですね。
そして、さらに猟友会の話を聞きました。各県ごとに猟友会があって、それぞれ各県ごとに猟友会が一生懸命縄張りをつくって、そして
環境省や役場から頼まれて、それぞれ
動物の数を減らしたり
個体を減らすような、一生懸命やっている。ところが、よく話を聞いてみると、猟友会の
人たちが例えば市町村や県から要請されて、その県の中にある猟友会に要望された。彼らは、お金を五十万か六十万、その要望のために、殺してくれという、数多く。ところが、彼らはその金を使ってやってないっていうんですね。彼らはその金は飲み食いに使って、書類だけ出して、実際にこうやりましたと書類を出して、あと何もしていない。
要するに、猟友会の
人たちは、親分たちはただ命令をするだけで、
報告書を出しているにすぎないというんですよ。ですから、猟友会の在り方も、各県ごとにみんな分かれているけれ
ども、その猟友会の
許可制、さらにそういう在り方も当然やっぱり見直しをするべきだという話を実はされたわけであります。
そしてさらに、
動物というのはなるほどなと思ったことがもう一つありました。直接にこの
鳥獣保護法に関することではないけれ
ども、実は、東北の方はよく分かっていると思いますが、阿武隈川という川があって、福島県と宮城県を境にしている大きな川があります。ところが、その川を境に
動物が阿武隈川を渡って北上できないというんですね。
イノシシが今北上しようと思っても、結局は阿武隈川の急流を渡ることができずに、今までは
イノシシは宮城県に入ることができなかったそうであります。ところが、最近入っているんですね。なぜ入っているかって聞いたら、道路に橋が架かっています。道路に架かっている橋の歩道を、夜に
イノシシが橋を渡って宮城県に入っていっている。猿が歩道橋を渡って新幹線を越えたように、人間が利用している部分を
動物も利用して、どんどんどんどん移動に利用しているというんです。ですから、追い掛ければ追い掛けるほどそっちの方に逃げていって農業
被害が多くなっている。ですから、そういうことを考えて、やっぱりそういう
動物に対する様々な課題も
是非これからも考えてやっていただきたいなと、そのように思うわけであります。
大分いろんな道にそれてしまいましたけれ
ども、実はこの猿
被害、軽井沢だけじゃないんですね。かなり前に日光でも猿
被害が出て、実はマスコミで騒がれて、たちまち脚光を浴びてみんな見に行ったそうであります。軽井沢も同じように、今年の連休に実はマスコミが毎日押し掛けてきて、猿はどうなりました、どうなりました。要するに、テレビの舞台に、取材をしたくて役場に毎日あらゆるテレビ局や報道関係から来る。要するに軽井沢銀座に人が一杯来たときに猿はどういう行動をするんだろうかということが一番の話題だそうであります。すなわち、猿を利用して話題としてつくっているのか、それとも一体になっているのか、逆に報道の
被害の方がひどいということが実は役所の話でありました。
しかし、この
可能性がある大型連休のときに、猿対策を一体
環境省はどういうふうに考えるんでしょうか。例えば、役所に対して要望したこと、役所が言ったことと現場のいろんな監視の
人たちの意見とかなりの食い違いあります。役場は猿のえさを、ごみを捨てないでおけばその
被害が少なくなるという物の考え方であるけど、一方、その駆除をする担当者の
皆さんは決してそうじゃないと。結局、ごみじゃなくてその
環境の問題で、ごみだけをやれば解決できる問題じゃないと。そういう意見の食い違いがあるわけでありまして、そういう意見の食い違いをよく
環境省として、細かいことでありますけれ
ども、意見を聴取して、
是非具体的な政策を出して役場や県に
指導していただきたいと思うんですが、どうかひとつその辺、
局長、いかがでございますか。