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2006-05-09 第164回国会 参議院 外交防衛委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月九日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         舛添 要一君     理 事                 浅野 勝人君                 山本 一太君                 榛葉賀津也君                 柳田  稔君                 高野 博師君     委 員                 愛知 治郎君                 岡田 直樹君                 金田 勝年君                 川口 順子君                 小泉 昭男君                 櫻井  新君                 福島啓史郎君                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 今泉  昭君                 佐藤 道夫君                 白  眞勲君                 遠山 清彦君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        国務大臣        (防衛庁長官)  額賀福志郎君    副大臣        防衛庁長官   木村 太郎君        外務大臣    金田 勝年君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        愛知 治郎君        外務大臣政務官  遠山 清彦君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       長嶺 安政君        外務大臣官房参        事官       梅田 邦夫君        外務大臣官房国        際社会協力部長  神余 隆博君        外務省経済協力        局長       佐藤 重和君        国土交通大臣官        房技術参事官   中尾 成邦君    参考人        財団法人日本国        際協力システム        理事長      佐々木高久君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千  九百八十九年十月六日にモントリオールで署名  された議定書締結について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付) ○国際水路機関条約改正議定書締結について  承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○国際海事機関条約改正簡易化委員会設置  )の受諾について承認を求めるの件(内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 舛添要一

    委員長舛添要一君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件及び参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に、政府参考人として、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官長嶺安政君外四名の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として財団法人日本国際協力システム理事長佐々木高久君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書締結について承認を求めるの件、国際水路機関条約改正議定書締結について承認を求めるの件及び国際海事機関条約改正簡易化委員会設置)の受諾について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 櫻井新

    櫻井新君 おはようございます。  提案された案件については賛成でありますが、私、今日は、前回に引き続いて十五分やれというので、この間きっと長くしゃべり過ぎて、またしゃべれば困ると思って抑えられたんだろうと思いますが、要領よくやるつもりですので、どうぞ大臣、ひとつよろしく頼みます。  前回は、モルディブのことについて聞いたり、あるいは額賀さんに、国境線をどう本気で守るか、それでなければ自衛隊の士気も上がらぬぞという話をしたつもりでありますが、今回は、たまたま今日のマスコミ報道でも、昨日総理海外視察を終わってこられて、海外経済協力会議というのを開いて積極的に環境問題について取り組もうというようなお話をされたそうで、私も実はここのところ三回続けてベトナムインド、それからバングラと三か国を訪問してきたので、そのいずれも環境問題をしっかりやらなきゃならぬと、こう思っておりましたので、そのことについて触れたいと思っております。  実は、今朝書類を整理をしておりましたら、二〇〇三年の十二月の九日に、これは日経新聞かな、FTAの、上中下だったのか上下だったか分かりませんが、「FTA 試される日本」という議題で論説が載っておったんでありますが、その中に、私と野呂田さんは守旧派で、谷津君ともう一人の人が、まあ名誉のために名前は伏せておきますが、この人たち改革派総理のところへ行って進言したら、そうか、そんなに貴重なことを今日は大変いい勉強をした、分かった、どんどんやれやれと、こう言ったそうなんです。それは、要するにFTAでどんどん相手が欲しがっている国に輸出をせいと、こういうことなんですが。  私は、おととしの十二月から昨年夏までにかけて三回インドナート大臣とこのWTO交渉のことで話をしたんだ。それは、基本は、こんなに私ども自由化自由化グローバル化ということでやっているけれども、結果的にはこの地球を壊す手伝いをしているようなもんだわいと、もうタイタニック号の上でばか騒ぎをしているのと同じじゃねえのかという話をしたら、ナート大臣も全くそうだと、おれはアメリカの言うことなんか聞かれないと、こういう話なんだ。  だって、あんたは日本を外してアメリカと五か国協議やったじゃないかと、こう言ったら、いや、そういうつもりはなかったんだけど、たまたま来いと言うからジュネーブへ行ってみたら、そこに日本がいなかっただけだなんてうまいこと言っていましたがね。  そういう中で、彼はなぜアメリカの言うことを聞かれないかというと、私と同じ考えで、何百町歩もやっている農家と、日本も、私はベトナムへ行ってみてもそうだし、インドもそうだ、それからアジアはほとんどがそうだと思うんですが、平均農家反別は、一人が耕す面積しかやっていないから一町歩前後なんですよ。分かりやすく言えば、私らの田舎でいう五反百姓なんだな。そういうことですから、それが本気競争すれば、一体何人が農業をやめれば対抗できるようになるかというと、ほとんど全農家がやめるぐらいにしなきゃならぬな。百戸でも二百戸でも一つに合わせてやっと彼らの町歩数に合うかどうかと。そんなことをやってたら、はみ出した人を何で食べさせるかというようなことが実はナートさんの意見なんだ。  で、そうだな、インドも六割は農民だろうなって言ったら、櫻井さん、六割じゃねえわいと、六億五千万人だと言うんだ。言い直すんだよ。うん、そうだ、おまえのところは十一億もいるからなというような話で、そんなことできっこないと。  だから、WTOはと言っていますが、今WTOを進めようとしているけれども、四割もそうやって競争をしてつくった食料を無駄に使っている、目的どおりに消化していないんだ。だとすれば、この辺でWTOの在り方も、地球全体、我々はどんなに頑張ったって地球と共生するしかないんですから。去年も今年も、私の地域は豪雪地ですが、まだ雪消えませんからね、ツバメも巣を作れないほど田んぼの上に雪が一杯なんだ。そういう状況が続いておる。あの地震から始まってずうっと異常気象が続いているわけですから、それは明らかに我々人間が過剰なエネルギー消費をした結果なんですから。そういう視点に立つと、まあ総理がこう言っているのも、環境と言ってくれるのは有り難いけれども、グローバリズムなんという発想がそもそも間違いなんで、それぞれの国に合った生き様というものをすべきだったと思う。  私は、日本は戦後、敗戦の中で外地に行った人が六百万人も帰ってきて、そして食べられなくなって餓死者まで出たね、あの当時。それで、買い出し列車なんかガラスを割ってそこから乗り込むほどの騒ぎだったんですが、そういう中からわずか四十年ぐらいで食料は十分余るほどの国になった。別に世銀やアメリカから金もらったんでも何でもない、日本の知恵で働き出したんですから。今は世界じゅうの国へ行って、日本の戦後のまねをすれと、こう言って、それぞれの国の自然条件に合った生き方を開発して、人から金をもらうよりも自ら努力をして立ち上がってくれという話をして歩いているんです。  そういう中で、実はベトナムに行きましたら、ベトナムは全くそれと同じようなことをやっておりまして、さっきも話したように、ほとんどが一町歩前後、一町歩足らずと言った方がいいんでしょう、平均面積。それをベトナム政府としては、大規模化なんてことはやらないで、それはそれでみんなやって生きてくれと。しかしそれだけではベトナムがこれから発展、復興はできないから、農外収入をどうするかと、このことに専念をしてくれと。  こう言っていた中で、一つは、びっくりしたんですが、ハノイから北西部の方に行ったところで、行ってみましたら、竹やぶばっかりなんだな、山が。竹が非常に多いところなんですよ。で、その竹で実は割りばしを作っているんですよ。もう十歳ぐらいの子供から始まって、みんな村挙げてその竹加工工場へ行って、割りばし加工工場へ行って、そこ見てきました。そしたら、いろんな機械も、まあ近代的な流れ作業機械も仕入れてやっておりましたが、大方は手作業です。そして、みんなが働いているんですが、輸出先はどこだって言ったら、ほとんど日本ですと、一部台湾ですと、こういう話だ。そう言われれば、はしを使うのは日本台湾中心なのかなと思って聞いておりました。いずれにしても、それが非常に、教育から始まって戦後のベトナム復興の大きな糧になっているそうです。  それからもう一つ、今日はあなたに特にお願いしたい第一点は、日本環境権を買っていただいて、ベトナムの戦争で荒廃して、爆撃でやられて、全く北朝鮮みたいになったんでしょう、そういうところをこれから国挙げて植樹をして植林をしていきたいと、こういうことなんで、環境権を買ってもやらなければならない企業日本にはたくさんあるから、そこで買ってくれと私は正式に依頼を受けた。  そこで、これを、そういう企業外務省にも御相談申し上げたり環境省にも御相談申し上げて、昨日は炭谷事務次官にも会ってきました。そして、そういう方々に是非あっせんをしていただいて、中継ぎをして、ベトナム日本の戦後のような考え方で自ら立ち上がって、あの国を人の世話にならぬでやろうとしていることについて積極的に協力していただきたいと思っておりますが、まず一点目、ベトナムのことについて、外務大臣、今、私の話を聞いてお答えをいただければ有り難いと思います。
  6. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 過日のいわゆる経済協力に関する第一回の会合においては、これは初めての会合でもありますんで、大枠の枠組みの話であって、主に内容に触れたわけではありません。  ただし、今言われましたように、環境等々の問題に関しては、これはいわゆる、隣国からのいわゆる黄砂などいろんな例がありますんで、私どもにとっては、これは環境問題というのは地球環境全体の話であって、その国に限らず、こちらまで影響が出てくる話でもありますので、この問題に関しては、回り回って地球全体に与える影響というのも考えるということが必要という観点も忘れちゃいかぬところではないかというお話で、ODA対象として、これはいわゆるもう中進国になっているからとかいうんではなくて、環境というのは少し別に考えなきゃいかぬのではないかというのが討議をされたその背景と御理解いただければと存じます。  ただ、ODAに関しましては、全体の戦略の問題としてどういうのがいいのかというのは余り系統立てて考えたわけではありませんので、これからきちんと企画立案等々を外務省としては体制も整えて、きちんとしたODA対象というものを、どういったものを対象考えるかという中の大きな柱の一つとして、環境という問題が今上がってきつつあるというのが現状だと存じます。
  7. 櫻井新

    櫻井新君 ベトナムの、じゃなくて、バングラデシュのことで話をすることを聞いてもらえば私の考えも分かると思うんですが、金を丸々やるだけではなくて、自分たちの国にあったり自分たちがやれることは自分たちがやると。その中で、やろうとしてもどうしても先進国援助を受けなきゃならぬというような部分についてやることについては、積極的にODAの中に入れていただきたいと思うので、あえてこのベトナムの話も出したんで、そういう考え方で御指導を賜りたいと思います。今、JICAも相談に乗ってやっておりますから、よろしく頼みます。  それから、そのバングラデシュのはどういうことかというと、今まではダッカから上流側の方の私はウオーターコントロールをやってきたんですよ。ところが、ダッカから下の方は、チッタゴンの方は例のカーン大臣出身地の方だけしかやっていないんですが、今度はいわゆる海岸線なんですね。海岸線が、あそこは全く泥、デルタですから、ガンジス川とブラマプトラとメグナが運んできた泥ですから、これが波に洗われたり、雨季、乾季の増水、渇水のはざまのときに欠けるんですね。で、もう既にそこが緑になっているから、そこにうちも造っていれば牧場もある。そういうところ欠けちゃ困るから是非一回見てくれというので、水資源大臣に言われて見に行ってきました。  その欠けた状況のところを、彼らは日本ODAの一部で援助をもらってコンクリートブロックを張り付けています。それで、もう日本のような急流河川のところと違って全く、何というのかな、六、七十センチ立法のコンクリートブロックを作ってただ並べているだけなんです。それでも十分守れるんですね。  その状況を見て、私は、セメントもなければ砂利も砂もないところですから、全部インドの方から持ってくるんですから。そんなところにそんなことをするんじゃなくて、日本から、おととしのあの地震のときもそうでしたが、麻袋といって、ビニールの袋、白い袋に砂利を詰めて土砂崩れのところを一時的に抑えるでしょう。あれと同じようなことをやって、できれば中の泥、それは泥を入れて積むわけだ。それでも十分間に合うわけですから、並べておくだけですから。そして、その泥がもし麻袋ビニールの袋が傷んで壊れても、中がそのままの形で固まれば役に立つわけですね。  ですから、そういうことも実はつくばの土木研究所、あそこの国土交通省土木研究所に研究させたらどうも物になりそうなんで、これがもし物になったら、そういう彼らの手作業で、彼らが仕事をしながら自分国土を守れるような方法については積極的にODAで対応していただきたいと、これが一点です。  時間がなくて三分だそうですからインドの話もついでにしますが、インドは西の方に行ってきたんですけれども、西の方の市へ行ってみましたら、分かりやすく言えば、私、北朝鮮に二度行ってきましたが、北朝鮮と同じで、あの灼熱の太陽の下で幾らでも緑なんか育ちそうなもんだけれども、暑過ぎてまた、上手に植林をして続けていかないと育たないんですね。そういうところが全く砂漠みたいになっちゃった。  そして、でも麦畑なんかは緑になっているんです。ところどころに植えた木も育っているんです。ですから、やりようによってはできると思いますし、JICAも手伝っておりますが、本気日本のノウハウでやればできると思いますから、ベトナムインドバングラも、彼らが自分たちで苗木を育てたりしながらやるところまで教え込んで、やるときには積極的にODAを対応していただきたいと。このあと二か国のバングラインドのことについてもひとつあなたの考えを教えていただきたいと、こう思っております。
  8. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘のありましたように、これは、日本ODAの場合は基本的に施しをするという発想ではなくて、自主、自立、そういったようなことを基本にしております。  特に今、植林の話が出ておりましたけれども日本の場合は、考えてみれば、明治神宮でもあれは全部人工林ですから、そういった意味では人工できちんと植林をするというような技術若しくは伝統というものはかなり根付いている国だと思います。  したがって、インド等々かなり風土等々は違うとは思いますけれども、そういうものを含んだ上で、かんがい用水路、いろいろな問題がまだ未整備なところはあろうとは存じますけれども、少なくとも植林をすることによって温度は下がる、砂漠化は防げる、いろんな意味波及効果地球環境に与える影響極めて大きい、もう御存じのとおりでありますんで、こういうようないわゆる植林含めます農業技術の移転に伴うODA関係というものは十分に考えられるものだと私どももそう思っております。
  9. 櫻井新

    櫻井新君 これで時間だというので終わりにしますが、一言だけ言いますと、二〇〇三年の十二月九日の日経新聞の「FTA 試される日本」という、もうそういう生産を過剰にして輸出競争をする時代じゃなくて、地球がトータルとしてどうバランスを取るかということで、日本がむしろ手本になるべきときだと思うので、私らは守旧派というより地球環境派でありますから、これ、FTAをどんどんやろうやろうという派はこれ破壊派ですから、決して改革派でも推進派でもないということだけ皆さんに申し上げて、終わりにします。
  10. 白眞勲

    白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲です。  まず、国際民間航空条約改正議定書についてお聞きいたします。  この改正議定書平成元年に作成されたということなんですけれども国会提出まで何と十七年も掛かっていると。この件について衆議院外務委員会においては、委員数増加に関しては慎重な態度を取ってきたからだという御答弁もあったんですけれども、ほかの加盟国に対して具体的にどのような働き掛けを十七年間外交上してきたのか、お答えいただきたいと思います。
  11. 舛添要一

    委員長舛添要一君) どなたが答えますか。  神余国際社会協力部長
  12. 神余隆博

    政府参考人神余隆博君) お答え申し上げます。  先生ただいま御質問ございまして、なぜ十七年間も掛かってきたのかと、その間どういう外交努力をしてきたのかということでございますけれども、御指摘のとおり、日本としては、最も進んだ技術の知見を備えた比較的少数の専門家によって高い安全基準を迅速に策定する場としての航空委員会の性格を維持することが重要と考えて、委員数増加に関しては慎重な態度を取ってきたところでございます。  他方、しかし、その間、この航空委員会の数につきましても十五から十九にすべきだという国際航空機関におきます審議がございまして、また加盟国も百十五から百八十九に現在なっているということでございまして、そういう状況の下で、国際航空の安全を確保するためには、様々な技術水準にある国が国際運送に従事しているという現状国際航空委員会の構成にも反映せざるを得ないというのがこのICAO加盟国の共通の認識となってまいった次第でございます。  その間いろいろと、国際航空委員会等におきまして様々な議論を重ねてまいりました。日本としても、日本の立場を主張すると同時に、他方で多数が十九が望ましいという状況にもかんがみ、今般、国際社会の趨勢と歩調を合わせ、この議定書締結することが国際航空の安全を確保する観点及びICAOにおける、結果として我が国の発言力を確保する観点からもむしろ望ましいという判断に至ったわけでございます。その間にかなり年数を要したということは事実でございます。
  13. 白眞勲

    白眞勲君 いや、私の聞いているのは、どのような働き掛けをしていたんですかということなんですよ、ほかの加盟国に対して。それについてお答えくださいというふうに言っているんですよ。もう一度お答えください。
  14. 神余隆博

    政府参考人神余隆博君) お答え申し上げます。  その間に、特にアジアにおきましてその加盟国の数が非常に増えております関係上で、アジア中心といたしまして日本の方から様々な機会を利用いたしまして議論をし、また働き掛けを行ったというふうに承知しておりますけれども、具体的には十七年、その間に国際航空委員会におきまして議論が多数を含めて十九の方向に進んでいったというのが現状でございます。
  15. 白眞勲

    白眞勲君 いや、ですから、具体的にどこの国に対してどのように働き掛けたのか。アジアの国ということではなくてですね、どこの国に対してどういうふうに働き掛けをしたのかということをお聞きしているんですけれども、お答えください。
  16. 神余隆博

    政府参考人神余隆博君) 具体的にどうであったかということにつきましては、ちょっと今手持ちの資料ございません。御質問の事前の通告もございませんでしたので、その点につきましての資料は持ち合わせておりませんことを御了承いただきたいと思います。
  17. 白眞勲

    白眞勲君 しているはずなんですけどね。どのような働き掛けをしたのかということは私は聞いているはずですよ、昨日の時点で。もう一度お答えください。
  18. 神余隆博

    政府参考人神余隆博君) ただいまの御質問につきましては、日本といたしましては国際航空委員会におきましてこの議論に参加をしてきたわけでございますけれども、特段この加盟国に対しまして具体的な働きを行ったかどうかにつきましては、詳しいことは現時点承知をしておりませんので、お答え申し上げることはできません。
  19. 白眞勲

    白眞勲君 どのような働き掛けをしたかどうかが分からなければ、その十七年間ほっておいたという理由もよく分からないわけなんですね。結局、その十七年間、十七年後にこれがやっとここの、まあ何というか、国会の場に出てきたわけじゃないですか。その間の経緯について私はお聞きしたいということは昨日の時点で私は申し上げていたわけなんですよ。今出ていないんだったらば、後でいいですからちょっとこれ出すようにしてください。  それからですね、じゃ、それについてちょっとお願いします。
  20. 神余隆博

    政府参考人神余隆博君) また後ほど御説明させていただきたいと思います。
  21. 白眞勲

    白眞勲君 次に、国際水路機関条約改正議定書についてお聞きいたします。  この改正議定書効力発生に必要な締約国数は五十か国だとのことですけれども、現在の締約国数というのは五か国しかない。  これ、外務大臣にお聞きしたいんですけれども、今後、早期発効に向けて政府はどのような働き掛けをほかの国に対してしていくおつもりなんでしょうか。
  22. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御質問のところですけれども議定書発効のためには、いわゆるこの水路機関条約というのの締約国数の三分の二の締結が必要ということになっておりまして、委員の御指摘のとおりに五か国が締結をしておりますが、今からこれは早期締結に向けて準備を行っていると承知をいたしております。  発効の時期については確たる見通しを申し上げるということはできませんけれども日本としては改正早期発効するのが望ましいと考えておりますので、他の加盟国に対しまして改正締結を今から働き掛けていくということになろうと存じます。
  23. 白眞勲

    白眞勲君 是非早めの発効に向けて努力をしていただきたいというふうに思います。  続きまして、先日、日米両国政府が取りまとめました日米安全保障協議会、いわゆる2プラス2における米軍再編協議について御質問をいたします。  まず、防衛庁長官にお聞きいたしますけれども、ワシントンでの記者会見において長官は、従来の日米防衛協力指針に代わる日米安保の理念を考える時期に来ているというふうに御発言されまして、新しい枠組みの議論をしたらどうかというふうにも述べられたということなんですけれども、これ、いわゆる日米安保の新しい目的、理念を考えていく段階にあるというふうに認識してもいいのかなとも思うんですけれども、この新しい枠組みというのはどういう意味なんでしょうか。
  24. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 日米同盟、安保条約の変遷というのはもう先生も御承知のとおりでありますけれども、再近時においては、冷戦後の日米同盟関係をどういうふうに位置付けるかということで、九六年の日米共同安保宣言というのがあったと思います。その上に立ってガイドラインというものができて、我が国の有事法制とか周辺事態確保法案等々が整備されてきたという経緯があります。  当時、日米新安保宣言の中では、米国の東アジアにおけるプレゼンス、十万人体制を堅持するというふうな形が書いてありますけれども、もはやもうそれは過去のものになりつつあるわけでありますし、その後、テロ事件が発生をしたり、北朝鮮の核開発疑惑あるいはその後の進展、さらには大量破壊兵器の拡散、さらには我が国自衛隊のPKO活動だとかテロ対策だとかイラク復興支援活動とか、当時の安保宣言で想定した以上のことが具体的に自衛隊の活動として行われているのが実態であるというふうに思っております。  そういうさなかに、今度、米軍再編に伴う同盟関係の在り方が新しい段階になりつつあるわけでございまして、その意味で、まあ日米同盟関係の今後のことについて目的とか理念とか、そういうことについて議論をしたらどうなのかと。しかもなおかつ、米軍再編については、この最終合意にも書いてありますけれども、普天間飛行場の移転でさえまあ最高八年ぐらい掛かるんじゃないか、あるいはまた国内の米軍の移転あるいはまた建設等々についても十年ぐらいの年月が掛かるかもしれない。  そういう流れの中で考えると、同盟関係がやっぱり十年、二十年越しでいろいろと想定をしてみる、議論をしてみる必要があるのではないか、そういう問題提起をさしていただいたということでございます。
  25. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、具体的に従来の枠組みのどこを変えたいというふうに防衛庁長官としてはお思いになっているんでしょうか。
  26. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、我々が直接的に問われていることは、日米の同盟関係の中で、具体的に有事になったとき、あるいは周辺事態が起こったときにどういうふうな協力体制ができるのか、役割、任務分担についてしっかりとこれを考えていこうということが問われていると思います。その上に立って、更に我が国の安全、自衛の問題、あるいは周辺事態の問題、と同時に、国際平和協力活動としてイラク支援法だとかテロ特措法だとかPKO法があるんだけれども、そういう国際的な世界の中の日米同盟関係で国際平和協力活動はどういうふうに位置付けていくのか、様々なことについて議論をしていく必要があるのではないかということであります。
  27. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、有事になったときとか何かのことも今お触れになりましたけれども、当然日米共同作戦計画も含まれるということで認識してよろしいですね。
  28. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それはもう当然、これまでの過程でもやっておかなければならないことでありまして、それは後れを取っているから早急にスピードを出してこれはきちっとしていこうではないかということを確認したということだと思います。
  29. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、その日米共同作戦計画は今後スピードを上げてやっていくという認識でよろしゅうございますね。
  30. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 当然であります。
  31. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、当然使用する道路や港、空港、医療施設など、具体名を挙げなければこれ進まなくなってくるんではないかなというふうに思うんですけれども、この件に関して該当施設というか、に対しては策定決定前に了解を得ていかなければいけないということも作業として当然必要になってくるんじゃないかと思うんですが、今回のアメリカ側との話合いのように全く地元への十分な説明なく話を今後も進めるおつもりなのかどうか、お聞きしたいんですけれども
  32. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) もう既に各自治体につきましては、有事法制とか国民保護法制の制定に伴ってしっかりと説明が行われつつあるというふうに認識をしております。
  33. 白眞勲

    白眞勲君 あと、アメリカのラムズフェルド国防長官が今回この記者会見のときに、今回の合意で満足するわけにはいかないというふうにお話しされたということですけれども長官としては、どこの部分が満足していないというふうにラムズフェルド長官考えたと思いますか。
  34. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今言ったような、言ってみれば緊急時の具体的な態勢についてもうちょっとスピードアップしてしっかりやろうじゃないかという話が一つあると思います。その上に立って、さらに、例えばイラク特措法にしてもそれからテロ特措法にしても、これは時限立法であります。今後、我が国が自衛隊を活用して国際的な平和協力活動に対してどういうふうに対応していくのかとか、様々な問題点があると思っております。
  35. 白眞勲

    白眞勲君 私の認識というかマスコミも、このラムズフェルド長官の今回の合意で満足するわけにはいかないというのは、紙での合意ではなくて実際に実践してくれるのかどうかという部分での満足度が違うんじゃないのかなと、ちゃんと金で払ってくれるのか、金を支払ってくれるのかという部分の満足度じゃないかという話もあるんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
  36. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは何のお金でございましたでしょうか。
  37. 白眞勲

    白眞勲君 いわゆる日本側が負担する今後グアムの移転経費とかその他いろいろなものだというふうな意味です。
  38. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これはもう、例えばグアムの移転の問題については、先生も御承知のとおり、これはどうしてスピードアップしてやっていくかということについては、沖縄県民の負担をできるだけ軽減させていただく、沖縄県民にとっては長年の悲願である、そういったことについて我が国も応分の負担をしてこれを成し遂げようということで考えていることでございますから、それについて大枠の枠組みを作って、そして一定の我々の直接的な財政支出と融資等も含めて応分の分担をさせていただいたわけでございまして、これからどういうふうに実施していくかについて詰めの作業を行っていくわけでありますので、これは国会の皆さん方の理解を得ることができればスピーディーにでき上がると思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
  39. 白眞勲

    白眞勲君 その件に関しまして今まで地元住民への十分な説明が一貫して後回しにされてきた。この後回しにした理由というのは何なんでしょうか。
  40. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、やっぱり我々責任ある者が発言をすると、それは最初に発言をすると、それが言ってみれば決まったような形で独り歩きして、後で状況の変化に応じてこういうふうに変わりましたと言うと、それは何か見通しが悪いんじゃないか、基盤がしっかりしていないんじゃないかということで、どちらかというと日本の風土というのは議論が封じ込められる危険性があった。だから、自由な議論ができなかったというふうに感じているところもあります。と同時に、やっぱり責任ある者としては、しっかりとした形で最初から説明をして、そして国民の皆さん方に納得をしていただくことが一番賢明なのではないかというふうに思ってきたところであります。
  41. 白眞勲

    白眞勲君 この再編にかかわる日本側の総負担額というのは、ローレス国防副次官が二百六十億ドル、三兆円と、びっくりするような金額を提示したんですけれども、それに対して政府の安倍官房長官は途方もない額とお話しされた。長官はこの金額はやっぱり驚いているんでしょうか。
  42. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私どもは最初から数字ありきという形で話をしているわけではありませんで、ただ米国側が、海兵隊の移転については幾ら掛かるか知らないけれども日本は七五%負担しなさい、アメリカは二五%であると。その議論というのは、これはある意味では国民に対して説明できる論理ではない。枠が決まっていないのに何割負担するというのは、これは暴論であると。したがって、枠組みは一体どういうふうになっているのか、そして、枠組みの中で我々が負担できるのは何なのかということについてきちっと議論した上で考えさせていただきたいということで積み上げてきたということでございますから、最初に三兆円だとか四兆円だとか、そういう数字があって議論したわけではありません。
  43. 白眞勲

    白眞勲君 私聞いているのは驚いたかどうかという話なんですね。
  44. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 驚くというよりも、私としては、グアムに移転するためにどれくらい金が必要なのか、一定の、ある程度の金が掛かってもこれはやることが日本にとっての国益である、沖縄県民の負担を軽減すること、日米同盟の信頼関係を堅持することができる、その意味ではある程度の金が掛かってもしようがないという思いで交渉をしました。
  45. 白眞勲

    白眞勲君 私聞いているのは驚いたかどうか聞いているんであって、何か交渉しましたとかいう経緯を聞いているわけじゃないんで、結局やっぱり驚いてないということを一生懸命お話ししてくださっているんだなというふうに、私としては印象として持ちましたけれども。  麻生外務大臣は、この三兆円と聞いて、金額を聞いたとき驚きましたですか。
  46. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 驚くより根拠が分かりませんでした。
  47. 白眞勲

    白眞勲君 先日のテレビで防衛庁長官が、在日米軍再編の最終報告に盛り込まれた日本国内の基地再編に伴う施設整備費について、二兆円も三兆円も掛かることではないというふうにお話しされたんですけれども、だったら幾らぐらい掛かるという御認識なんでしょうか。
  48. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ローレス副次官のように大ざっぱに言うわけにいきませんから、ちゃんと精査した上ではっきりと物を言わせていただきたいと思っておりますし、これは国内の米軍施設の移転とか建設の問題でありますから、例えば普天間飛行場のキャンプ・シュワブの移転についても、これはまだしっかりと積算ができていないわけでございますので、そういうことを積み上げた上でお答えするのが親切であり、正しいんだと思いますので、今即座に言えませんけれども、ただ米軍施設の国内移転に伴うお金は二兆円も三兆円も掛かるものではないだろうというふうに考えているということであります。
  49. 白眞勲

    白眞勲君 ただ、四月二十四日に防衛庁守屋事務次官がグアムの移転経費を除き八年間で二兆円と試算していると、こう発言されているんですね。今試算ができていないというふうにおっしゃいました、長官は。これ矛盾していますけれども、その件についてどういう明確な御説明をしていただけるんでしょうか。
  50. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) この点については、ですから、私はきちっと最終合意に基づいて米軍の施設がどういうふうに移転をされていくのか、あるいはどういう施設が必要なのか、どういう施設を統合していくのか、そういうことについて積み上げて、そしてある程度の概算を出して、国民の皆さん方にしっかりと説明をし、理解していただくことが正しいというふうに思っております。  守屋次官がどういうふうに言われたのか、報道とかそういうのでは聞いておりますけれども、それは全体的なイメージとして言われたんだろうと思っておりますし、私はちゃんと積み上げた形でお示しをしたいというふうに思っております。
  51. 白眞勲

    白眞勲君 全体的なイメージでも、二兆円と試算しているというふうにお話ししているのに、なぜこれはイメージなんでしょうか。今、二兆円も三兆円も掛かることはないということをもう一度、額賀長官が今おっしゃったにもかかわらず、片や事務方のトップである方は二兆円と試算しているとはっきりとおっしゃっているじゃないですか。この辺の矛盾はどういうふうに御説明されるのかということを私は聞いているんです。
  52. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私が言っているのは、今度の米軍再編に伴う国内の米軍施設の移転とか統合だとか建設についての話をしております。
  53. 白眞勲

    白眞勲君 ですから、守屋事務次官と同じ話をしているんじゃないんでしょうか。
  54. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 守屋次官の場合は、恐らくこの米軍再編とか自衛隊あるいはまた基地の問題、様々な経費を総合的に大ざっぱに話をしたんじゃないかなという思いがいたします。
  55. 白眞勲

    白眞勲君 グアム移転経費を除きとはっきりと守屋事務次官はおっしゃっているんですよ。ですから、これは私は矛盾していないと思うんですけれどもね、いわゆる守屋事務次官と、今、額賀防衛庁長官お話ししていることは、全く一緒の話をしながら金額が違うんですよ。これについてどうなんですかということを聞いているんです。  もう一度お答えください。
  56. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ですから、私が言っているのは、地域の振興費だとか思いやり予算だとか、そういうものは全然含んでおりません。
  57. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、今言った地域の振興費や思いやり予算を含めると二兆円、三兆円は掛かるということでよろしゅうございますね。
  58. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私はまだそういう積算をしておりません。
  59. 白眞勲

    白眞勲君 でも、思いやり予算だけでも六千億円ですよね。そうすると二兆円、三兆円も掛かることがないと言いながらも、思いやり予算を入れればこれは普通に二兆円を軽く突破するというのが一般的な考え方だと思うんですけれども長官、いかがでございますか。
  60. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これから米軍移転の問題については積算をさせていただきたいというふうに思っております。ですから、それはきちっとした数字を私は後で申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
  61. 白眞勲

    白眞勲君 今回、最終報告の中に記述された海兵隊のグアム移転経費の日本側負担分については六十・九億ドルという数字で、長官は積み上げ方式ということで決めたということらしいんですけれども、当然根拠があってその数字というのははじき出されたと思います。  その中で、四月二十八日に衆議院の外務委員会防衛庁の大古防衛局長が、家族住宅に関しては、全体で九千人の家族が移転するうち、普通の家族構成で三千五百戸程度というふうに考えているということですから、この二十五・五億ドルですね、二十五・五億ドルを単純計算すると、一戸当たり、一ドルこれは大体換算百十二円と換算しますと八千百六十万円になっちゃうんですよ。八千百六十万円が、これ土地代は含まれていませんよ、一戸建ての建築費が八千百六十万円になっちゃう。これ豪邸だと思うんですね。それでいいんですよね。
  62. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 確かに出融資二十五・五億ドルとなっておりますけれども、その中で効率化、合理化していく形で、二十五・五億ドルを使わなくても住宅等々を建設できるのではないかという試算をしております。
  63. 白眞勲

    白眞勲君 全然私の聞いたことに答えになっていないですよ。  八千百六十万円は、確かに二十五・五億ドルです。数字は今おっしゃいました二十一億ドルというふうに考えても、これ計算すると一戸当たり七千万円になっちゃうんですよ。建築費で七千万円なんですね。これ相当な金額だということは間違いないわけなんですけれども、この七千万円の住宅を建ててあげるという、これ平均ですよ、平均七千万円の住宅を、建築費だけですよ、建築費だけで建てるということでよろしゅうございますね。
  64. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、そういうことについてもこれからきちっと精査をしていくということでございます。  我々は、例えば財政支出においても、これは上限の価格として試算をしているわけでございまして、それぞれの価格においてもできるだけ合理化を図っていくということが当然のことだと思っております。
  65. 白眞勲

    白眞勲君 合理化を図っていくって、これはまずこの話合いをするときに、ある程度それは戸数が決められているんだったらば、金額幾らぐらいということは、その辺りのグアムの相場ということを考えてやっていくべきなんではないんだろうかというふうに思うんですね。  私も、この件について現地の不動産屋さんをインターネットで調べてみたんですよ。そうしましたところ、五十五万ドルで発見したのがこの住宅なんですけれども、これが大体六千百万円なんですね、五十五万ドルで。六千百万円で百十坪ですよ、これ。居住面積百十坪付いて、四つのベッドルーム、三つのバスルームが付いているんです。百十坪の家ですよ。これ土地代を含めて、百十坪なんですよね、プール付きですけれども。  今回のこの住宅というのは、当然これはプール付きということも考えているわけですね。
  66. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) まだそういう細かいことまで考えておるわけではありません。
  67. 白眞勲

    白眞勲君 いや、ですから、プール付きって向こうが要求したらプール付きにするんですか。
  68. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これはこれから米国側とも話合いをしながら協議をしていくことでございますけれども、これは、国内で、例えば沖縄でこれまでも住居を造ったりなんかしているわけでありますから、そういうことを勘案しながら常識的な線で考えるのが当然であるというふうに思います。
  69. 白眞勲

    白眞勲君 これは、国内で海兵隊の司令官用の住宅というのが大体二百四十平米ぐらいじゃないかと言われているんですよ。そうすると、これは百十坪いかないですね。百十坪ということは、何ですか、三百三十平米、じゃないや、三百六十とか七十になりますよね。ですから、これ、平均がですよ、平均でもこれだけの広い住宅を建てるということになると、どう考えたって、これは今のお話からすると相当これで、あれじゃないですか、値段を低くしないとおかしくなりませんか。
  70. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) すべてこれからいろいろと協議をし、積算をしていくことでありますから、白先生の博識なところも参考にしながら考えさせていただきたいというふうに思います。
  71. 白眞勲

    白眞勲君 ハクだから博識というのはまあ有り難いことなんですけれども。  でも、プール付きかどうかというのも、結構やっぱり一般国民からすりゃこれはちょっと驚くんですよね。今、長官は全然御否定されていませんよね、それについて。プール付きはとんでもないよねとかいう話は全然しないわけですよね。ですから、やっぱりそういったことを考えますと、相当な豪邸、まるでビバリーヒルズみたいなものをグアムに造るような、そういうイメージしかこれは考えられないんですよ。  ですから、それについて、これ一つ、例えば住宅についてもそうなんですよ。これはどういうことなんだということを聞いているんですよ。もう一回お答えください。
  72. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これまで、だから、沖縄に住まわれていた住居等々を参考にしながら常識的な線で積算をし、建設をしてまいりたいというふうに申し上げます。
  73. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、相当、額安くなりますね。
  74. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) すべて今度の価格は上限として認識をしていただきたいと思っております。
  75. 白眞勲

    白眞勲君 それから、これは返してもらうということですよね、家賃だということなんですけれども。これは例えば、これ八千万円の返済で金利二%ぐらいでざっと計算すると、毎月二十万円、これ家賃払ったとしても六十年近く掛かるんですね。六十年もたったら、これ、家つぶれちゃいますよ、普通、大体。これ、そういうことでいい、そういうふうに考えておられるんですか。
  76. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) まだそこのところの期限を六十年にするとかいうことが決定されているわけではありません。これからきちっとそういうものも整理をさせていただくということであります。
  77. 白眞勲

    白眞勲君 今、長官お話聞いていると、全然まだまだこれは道半ばというようなイメージしか持たれないんですね。精査精査とか、話し合ってとか、これからとかいう言葉ばっかりが多分これから議事録見ると何個も出てくるんじゃないかと思うんですよ。もう一度これは精査する必要性があるんじゃないかなというふうに思うんですね。  ちょっと残りですけれども、せっかくこれ国際協力システムさん、いらっしゃっておりますので、インドネシアの津波関連につきまして次にお聞きしたいと思うんですけれども前回の放送局用の家具についてまたお聞きいたします。  この家具、十一社にファクスで、これ、事務用机ですね、放送局用の、普通の事務用机ですけれども、これは全部ジャカルタの業者でよろしゅうございますね。
  78. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) はい、すべてジャカルタの業者でございます。
  79. 白眞勲

    白眞勲君 そうすると、なぜこの普通の事務用の家具を、アチェから飛行機で約二時間ですね、ジャカルタまで、これ、日本でいうと福岡から北海道にまでの距離に匹敵するかもしれないような遠いところで調達するのか、理由がよく分からないんですね。要するに、奥尻島の津波の際に福岡で普通の家具を調達しているということなんですね。  何でジャカルタで調達しなければならないのか、その必然性はどこにあるのか、バンダアチェで十分そろえられるんではないんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
  80. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 業者はジャカルタの業者でございますが、その業者がほかのところで、例えばメダンとかバンダアチェで現物を調達しましてそれを納めるということも可能でございます。
  81. 白眞勲

    白眞勲君 じゃ、実際にこれを調達した会社というのはバンダアチェとかメダンに事務所があるんですか。
  82. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 現時点でちょっとそこまで存じ上げておりません。
  83. 白眞勲

    白眞勲君 それをやっぱりきちっと私は精査していただきたいと思うんですね。  やはり、バンダアチェで津波が起こったと、こういう事務用の机等については十分にバンダアチェでも調達できる、それだったらそこでお金を落としてあげるのが筋なんじゃないのかなと私は思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
  84. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 津波直後のバンダアチェの被害とかなんとかも考えまして、インドネシア政府と協議した上で十一社というものを選びまして、その会社を相手に入札したということでございます。
  85. 白眞勲

    白眞勲君 今、インドネシア政府と協議したということですけれどもインドネシアのどこと協議して十一社を選定したんでしょうか。
  86. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 情報省だそうでございます。
  87. 白眞勲

    白眞勲君 情報省が、そうすると十一社を提示したということなんでしょうか。
  88. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 情報省が現地の事情をよく知っているわけでございますので、情報省より情報をいただいて、それを、十一社を選んだということでございます。
  89. 白眞勲

    白眞勲君 私、実際先方のバンダアチェ、地元のラジオ局、これは調達された荷物が届いたラジオ局に行って幹部の方に聞いたんですけれども、この程度の家具ならばアチェ市内で安く調達可能だと言われちゃったんですね。大体百万円だということですけど、彼らが調べたら、四十五万円ぐらいでアチェで調達できるんじゃないかと言っているんですよ。  で、これね、私、まあ百歩譲って、彼らが言うには、メダンだったら間違いなくこれ、何でもそろうというふうに言っているんですけれども、それについていかがですか、百万円という金額について。輸送料が掛かって百万円になっているというふうに書いてありますけれども
  90. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) そういう入札を行う際には、予定価格というものを決めまして、その範囲内に収まった業者の札を取ることになりますけれども、予定価格を決める際にはいろいろ市場の状況、その物資がどのぐらいの値段で売られているかというようなことも調べた上で予定価格を決めますので、そんなに高い価格にはなっていないと承知しております。
  91. 白眞勲

    白眞勲君 まあこの辺は認識の違いだというふうに思いますけれどもね、たかが百万円程度のことで何でこうやって白はしつこくこの佐々木理事長さん、皆人件費の高い人たちを呼ぶのかというふうにも思われるかもしれませんけど、要は、調達した相手はやはりマスコミなんですね、現地の。で、マスコミがそういう印象を持っているということなんですよ。四十五万円で買えるようなものを百万円も調達して日本政府は買っているよという認識が向こうの現地のマスコミに入ってきているということは、すこぶる評判が悪いんですね。もちろん彼らは表面的には、援助してくれるわけだから、ありがとうと言いますよ。そうはいっても、内心はどうなのかというと、その辺をやっぱり自覚して、こういう細かい仕事についてやっていただきたいというふうに思うんですね。  そこで、ちょっと大臣にもお聞きしたいんですけれども大臣、今までの答弁聞いていて、どういうふうに思われますか。ちょっと調達代理機関としての機能は果たしているのかどうかということも含めまして、御認識をお聞きしたいと思います。
  92. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) まあ基本的にはいろいろ、今になってみれば、ああすればよかった、こうすればよかったという話はよくある話だとは思います。しかし、現実問題として、今そのような状況で遠隔地において物を調達するときに当たって、アチェの地域は被害に遭って、ほとんど物は流されているというような状況で事をスタートさせるわけですから、いろんな意味で、終わってみればもう少し、四十万円ぐらい安くなったんじゃないか等々の話は調べりゃ幾つも出てくるだろうなというぐらいのことは、想像は付かぬわけではありません。
  93. 白眞勲

    白眞勲君 これは、例えばアチェ、この津波というのはちょっと地震と違うなというのは、私も印象としてあるのは、流されたところは流されて大変な被害なんですけれども、流されていないところは全然、まあ被害ないわけなんですね。ですから、例えばメダンとかなんかでしたらば全然被害はないというところをやっぱりよく認識していただいて、これからも調達業務というのをやっていただきたいというふうに思うんですけれども。  ところで、JICSの手数料についてお聞きしたいんですけれども、三億一千百万円という一部報道がありますけれども、これは何ですか。
  94. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) JICSがインドネシア政府と調達代理契約を結びまして、その中に書いてございますのは、各契約金額の二%の手数料、それにプラスいたしまして管理費として二千万円、それから現地事務所の維持費として五百万円という数字が載っておりますが、それらを合計いたしますと約三億一千万円になるだろうと。ただ、入札した際の価格、予定価格より当然下回りますから、その二%ということで、残ったお金につきましてはまた新たに契約をして、その二%ということになりまして、それをみんな足しますと約三億一千万円ぐらいになるだろうという数字でございます。
  95. 白眞勲

    白眞勲君 ここに私、紙一つ持ってきたんですけれども、前もって事前にこれ通告して、この紙あるよって、この紙、御認識あると思うんですけれども、これに書いてある、この紙って一体何ですか。
  96. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 前回、白先生がそれ御提示いただいた紙だと思いますが、それはインドネシア政府で検討していた紙だと承知しております。
  97. 白眞勲

    白眞勲君 もう一度ちょっと。インドネシア政府で何とおっしゃいましたか。
  98. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) インドネシア政府で作成した紙であると承知しております。
  99. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、日本政府側が作成した紙じゃないということですね。
  100. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) いえ、それはインドネシア政府がいろいろな案を出してきまして、日本政府と現地で協議会というのを設けておりまして、そこで議論いたしまして、両者が合意したものについて先に進むというふうに理解しております。
  101. 白眞勲

    白眞勲君 もう一度お聞きしますが、インドネシア政府側が作成したんであって、日本政府側が作成したわけではないということですね。
  102. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) そこのところは十分存じませんが、原案はインドネシア政府が作成したものだと承知しております。
  103. 白眞勲

    白眞勲君 今ちょっと、ちょっと違うんじゃないですか。  今、インドネシア政府側が作成したというふうに言っていて、今度は原案が作成はインドネシア政府側だというふうにおっしゃったんですけれども、どういうことなんですか。もう一度お聞きしたいんですが。
  104. 佐藤重和

    政府参考人佐藤重和君) ただいま白先生から御指摘のございました文書について、恐らく、ちょっと今手元にございませんが、恐らく前回御提示になった文書だと思いますが、これは正にインドネシア政府側が作成をして、今後の支援についての候補案件、こういったことを考えていますということで、インドネシア政府側が作成をして日本側に対して提示をした文書であるというふうに理解をしております。
  105. 白眞勲

    白眞勲君 そこで、もう一つお聞きしたいんですけれども、三億一千百万円がこれJICSに入金されたという事実はないですか。
  106. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 現在までのところ、JICSに入りましたお金は約一億円でございます。
  107. 白眞勲

    白眞勲君 昨年の五月にJICSの当時の総務課長さんが週刊誌に対して、この手数料三億一千百万円は既に受け取ったというふうに話をしたとのこともあるんですけれども、そういった事実というのはないということですね。
  108. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 質疑時間が終了しておりますので、簡潔に答弁願います。  佐々木参考人
  109. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) そういう事実はございません。
  110. 白眞勲

    白眞勲君 以上です。
  111. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 以上で白眞勲君の質疑を終了いたします。  緒方靖夫君。
  112. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 議題の三件については、いずれも各国際機関の業務に資するものと認められますので、賛成でございます。  今日は、2プラス2の合意について質問したいと思います。  まず伺いたいのは、やはり再編経費の日本側の負担の問題です。    〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕  発表されたロードマップによれば、施設整備の建設費やそのほかの費用は、明示されていない限り日本政府が負担するとなっております。グアム移転経費での折半、そしてそのロードマップの中には三項目、米側の負担、そう書かれております。それを除いてすべて日本側の負担ということになるわけです。大変大掛かりな施設整備ということになるわけですけれども、一体、どういう施設の項目と、それぞれ幾ら掛かるのか。もちろん、今の段階ですから概要ということになります。しかし、いずれにしても、試算抜きにアメリカと話したということにはならないだろうと思うんですね。これは責任の問題もそうです。したがって、その試算の概要を示していただきたいと思います。
  113. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) この前、日米の間で米軍再編に伴う最終合意を行いました。その中で、資金的な枠組みで合意しましたのは沖縄の海兵隊をグアムに移転する際の総枠組みであります。それが百二・七億ドル。それを日米の間で分担し合って、スピーディーにこれを行おうということでございます。  その際に、日本側の分担が、財政支出、いわゆる真水が二十八億ドル。それから住宅、この二十八億ドルというのは司令部の庁舎とか教場とか……
  114. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣、簡潔で結構です。簡潔で結構ですから。
  115. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) はい、分かりました。  それから、家族住宅等の、あるいはインフラ等の融資で三十二・九億ドル。合わせて六十・九億。米国側が四十一……
  116. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 国内のことを伺っておるんです。
  117. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 四十一・八億でございます。そして、日本側の場合は真水が二十八億ドルで、融資が三十二・九億ドルでありますから、この出資、融資は、もうほとんど、いずれ日本に返ってくる金でありますから、全体の負担としては、大ざっぱに言うと日本は実質的な負担は半分以下であるというふうに認識をしております。    〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕
  118. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私のお聞きしたのは、全体の国内整備についての試算についてお伺いしております。
  119. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今の国内整備については、先ほども言いましたように、仮にその普天間飛行場のキャンプ・シュワブ移転についても、この前ようやく中身が合意された段階でありまして、具体的に今後どれくらいお金が掛かるのかということをこれから検討していくわけでございますので、今の段階でまだ発表できるほどの段階ではないと。きちっと積算した上で御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
  120. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 きちっとした積算は当然なんですがね。  防衛庁の守屋事務次官は、先月二十四日の講演で、これ引用しますけれども、グアム移転経費を除き八年間で二兆円と試算している、年間二千六百億円と述べているわけです。  防衛庁長官は、私は試算していないと言われましたけれども、事務方は試算しているわけですよ。もちろん、精査という点では、もっと詰めなきゃならないことがあるから当然ですけれども、概算の試算というのはあるわけでしょう。
  121. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私が言っているのは、例えば今、グアム移転費については今申し上げたとおりですね。それから、米軍基地がこれから移転をしたり、統合したり、新しい施設を造ったりすることについてはこれから試算をしていくことであると、積算をしていくということであると、その点についてはまだよくきちっと説明できる段階ではありませんと。  守屋次官がおっしゃったのは、そういうことを大ざっぱに、ある意味では思いやり予算だとか地域振興費だとか、様々なことを考えて、きちっとした根拠に基づいた数字というよりも、イメージ的な数字をおっしゃったのではないのかというふうに思っております。
  122. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それにしても、幾ら掛かるのかということは非常に大事な問題なわけですよね。  しかも、守屋事務次官の数字というのは、ローレス副次官が述べた三兆円ということが非常に大きな額だということで話題になっておりますけれども、非常に近い額なんですよ。要するに、ローレス氏が述べたのは、グアムを除き二百億ドルという、そういう額を述べました。これはレートの計算によってかなり近い数字なんですね、守屋次官と。そういうことになります。  したがって、今の時点で、もちろん精査したのは示してもらわなきゃ困りますけれども防衛庁には試算というもの、試算をしたということはあるわけでしょう。そうしなければ交渉できませんよ。はっきり述べてください。
  123. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ローレス副次官がおっしゃった数字につきましても、同じ我が党の安全保障関係者がローレス副次官とこの前の連休中にワシントンでお会いしたときに、あれはきちっとした積算に基づいた数字ではないということを自ら言っていると聞いております。  したがって、それぞれきちっとした根拠に基づいた数字ではないと我々は思っておりますし、私は責任者としてそういう数字を申し上げるわけにはまいらないので、しっかりとした積算に基づいた数字を国民の前にお示しをし、国会にも御報告をさせていただきたいというふうに思っているということでありますから、もうちょっとしばらくお待ちしていただければ、しっかりした数字を出させていただきたいというふうに思っております。
  124. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 試算があることはアメリカ側の高官の発言からも裏付けられるわけですよ。これはテレビで七日に放映されたものですけれども、つまり久間さんの後にローレス氏が述べたことですが、基になった情報は日本側パートナーから提供された、試算は日本側からの提供だということをはっきり述べているわけですよ。  ですから、私はやはり、アメリカ側には交渉の中で当然概算にせよ積み上げた数字を述べて、大体このくらいだということを述べている。しかし、ここでは後で詳しく述べると先延ばしする、こんなおかしな話はないと思いますよ。
  125. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 一般論的に言いますと、例えばアメリカアメリカの事情で、米軍再編に伴う経費は全体的にこれくらい掛かるけれどもアメリカの負担はこれくらいですよというふうにどうしても少なめに言いたい。日本日本で、自分の本当の負担はそんなに多くしたくないから、これくらいいろいろと掛かっているんだからそんなに負担できませんよというふうに話を一般論的にやるのは人情的にはあるわけであります。  しかし、しかし、我々責任ある者にとってはしっかりと根拠に基づいた数字を示していかなければならないというふうに思っているから、そういう数字が独り歩きすることがないように我々はしっかりと説明をしていきたいということを言っているわけです。
  126. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 先ほど大臣は、守屋事務次官の述べた数字については根拠のない数字だとおっしゃられました。私はこれは異例な発言だと思いますよ。自分の副官をそういう形で言っていいものかどうか。  私は大臣に求めたいんですけれども、守屋事務次官が述べたその数字、根拠、もちろんその時点のものですけれども、やはりそれをきちっと聞いて、報道ベースではなくてきちっと聞いて、それをやはり示していただきたい、お願いします。
  127. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私が言ったのは、米軍の基地の言ってみれば移転だとか統合だとか新しい施設を造るとか、そういうことについてのきちっとした根拠についての積算はない、それはこれからしっかりと示しますと。守屋次官が言っているのは、今までの経験則的に、地域振興費だとか、それから思いやり予算だとか、いろんなことを統合していくとそれくらい掛かるのかねという話を大ざっぱにしたものであろうというふうに言ったわけでありまして、根拠がないとか、そういうことを言っているわけではありません。  ただ、そういうふうな、彼は彼なりに専門家としてのそういうイメージを言ったのではないのかというふうに思っております。
  128. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 緒方靖夫君、質疑時間が終了しておりますので、簡潔に。
  129. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 はい。最後です。  非常に重要な発言ですよね。やはり守屋事務次官の発言、述べた数字というのは根拠のない数字ではないということを今大臣ははっきりおっしゃられました。  私はここで委員長に申し上げたいと思います。ここでやはりどれだけ一体額が掛かるのかということについては非常に重要な問題です、日本の今後にとっても。しかし、これを何度聞いても示さない。私はこれはとてもおかしいと思うんですね。これではまともな国会審議ができないと思います。  そこで、防衛庁に対して、守屋事務次官が認め米側に示したという積算根拠、これをやはりきちっと示すように取り計らっていただきたいと思います。
  130. 舛添要一

    委員長舛添要一君) その件につきましては、後ほど理事会においてお諮りいたしたいと思います。
  131. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 終わります。
  132. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 議題となっております三件につきましては賛成でございますが、二点ばかり簡潔な質問をお伺いしたいと思います。  まず、外務省にお伺いしますが、国際水路機関条約改正議定書締結、つまりIMOの簡易化委員会に参加することによって我が国にとってどのようなメリットがあるか、とりわけ我が国の国際物流の活性化にどう結び付くのか、簡潔に見通しをお聞かせください。
  133. 神余隆博

    政府参考人神余隆博君) お答え申し上げます。  IMOでございますけれども、これは国際の海上の安全、その他、海上におきます環境問題等について様々なその規則を制定しているところでございます。  IMOに加盟をして日本も相当活発な活動を続けてきておりますけれども、船舶の海洋汚染の防止あるいは海運の広範な側面に関する国際協力を促進する機関でございますので、日本といたしましても、この今回の改正を通じて更に活発な活動を展開していく素地ができるというふうに認識をしております。
  134. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 国土交通省にお伺いします。  我が国の主要な港湾施設において輸出入や港湾関係の手続等を簡潔にする一つとして、その手続の電子化、いわゆるシングルウインドーシステムが普及しつつあると聞いていますが、このシステムの現況及び更なる利便性の向上に向けた今後の政府の取組について簡潔に御説明ください。
  135. 中尾成邦

    政府参考人(中尾成邦君) 輸出入・港湾手続につきましては、平成十七年にFAL条約、国際海上の簡素化に関する条約、これを締結いたしまして、様式の大幅な簡素化、共通化を図るとともに、これに対応したシステムの改良を行いまして、シングルウインドー利用者の利便性の向上を実現したところでございます。  さらに、平成十七年十二月、昨年ですけれども関係府省で連携して、輸出入及び港湾・空港手続関係業務の業務・システム最適化計画、これを策定しまして、平成二十年十月には府省共通のポータル、窓口でございます、を稼働させることにしました。これによりまして、この一つの窓口に接続すればすべての関係手続を行うことが可能となる次世代のシングルウインドー化が実現しまして、利用者の利便性が一層向上するものと期待しております。
  136. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣にお伺いいたします。  今回の日米安全保障協議委員会の共同発表文の後半部分に、再編案の実施により同盟関係における協力は新たな段階に入りとあります。日米関係は一体どういう段階からどんな新たな段階に入るのか、御説明いただきます。
  137. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今回、御指摘のありました同盟関係における協力というものが新たな段階に入るというのは、今、在日米軍の兵力態勢の再編の具体的施策を実施するための計画というものを閣僚レベルで承認をしておりますが、これらの取組を通じまして、日米の安全保障体制が一層確固たるものになるというように考えておりまして、このような基盤の上に立ちまして、今安全保障関係における様々な課題というのがございますけれども、日米が協力をして対応していくという趣旨を述べたものだと御理解いただければと存じます。
  138. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 再編実施のための日米のロードマップについて防衛庁長官にお願いいたします。  ロードマップにある沖縄における再編に関連して、普天間飛行場代替施設の項で、「民間施設の緊急時における使用を改善するための所要が、二国間の計画検討作業の文脈で検討され、普天間飛行場の返還を実現するために適切な措置がとられる。」とありますが、これはどういうことでございますか。
  139. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、例えば普天間飛行場の場合は、緊急時の滑走路利用というのはありますが、それは国内の鹿屋とか新田原とか、そういうところで代替機能を果たすということになっておりますが、それとは別に、日本が周辺事態だとか緊急時の場合に、やっぱり米軍も含めて、民間の飛行場とかあるいは自衛隊の基地とかが機動的に有効に活用できるような仕組みをどういうふうにつくっていくかということについてお互いに協力体制をしこうじゃないかと。それは日本の防衛と地域の安定につながっていくことになると、そういう認識でこういうふうに書かれているというふうに思います。
  140. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 同じく防衛庁長官にお願いいたします。  ロードマップの中で、普天間飛行場代替施設の項で、「代替施設の建設は、二〇一四年までの完成が目標とされる。」とありますが、そうなると、二〇一四年まで普天間飛行場が現状のまま残って、ヘリ部隊の使用というのがずっと続くということでしょうか。
  141. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今先ほど普天間飛行場の緊急時の移転について、鹿屋と言いましたけれども、築城でありましたから、間違えましたので訂正させていただきますが、もちろんこれは、普天間飛行場はそれぞれの機能があるわけでありますから、それがパッケージできっちりと移転されることが望ましいということになっておりますので、その過程では普天間の飛行場の機能が維持されていくということが前提になっております。
  142. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ロードマップにはグアムへ移転する部隊名が具体的に記載されていますが、それは米軍側が一方的に決めたわけですか。  これまで防衛庁長官は、基地の削減と抑止力の維持というのを同時並行的にやるということをおっしゃってきたわけですが、その部隊の中にたしか戦闘部隊みたいなのも入っていると思うんですが、それで抑止力が確保できるのか。日本側としても、アメリカと調整してこれが決定されたのですか。
  143. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは日米の間で協議をする中で決定されたわけでございまして、当然抑止力の維持という視点もありますから、何かが起こったときの初動態勢、初期態勢が堅持されるように担保されているというふうに考えていただければよろしいと思います。
  144. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 それじゃ、今の日米が調整して決定されたということですが、私が前々から絶えずお聞きしております、現在の普天間飛行場にいる部隊をそのままグアムへ移駐する八千人の中に含めてしまえば新たな基地を造る必要はないということを繰り返して申し上げてきたわけなんですが、そういう申入れは一切しなかったということですか、確認させてください。
  145. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 日米協議の上に取りあえず八千人の移転ということで合意をしたわけでございますから、それに伴う体制をしいたということでございまして、したがって、八千人移動しても、ちゃんと沖縄の地政学的な立地条件からして一定の初期対応能力が堅持されるような形になって抑止力が維持されているというふうに配置したということであります。
  146. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 再編実施のための日米のロードマップが完了したとして、どれだけの沖縄の基地が削減されるとお考えですか。言い方を換えますと、このロードマップが完了した段階で、沖縄の在日米軍専用施設の比率というのは一体どれくらいになるんですか、御存じですか。
  147. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 施設の今は七五%と言われているのがどれくらいに減りますかという意味ですか。
  148. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 はい。
  149. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ちょっと待ってください。  嘉手納以南の土地ですね、千五百ヘクタールが返還されるという形になっておりますが、全面返還だとか一部返還だとか、こうなっておりますので、まだきちっと整理されてませんので、後で御報告させていただきたいと思います。
  150. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 最後の質問になりますが、よく沖縄の基地が削減されるということをおっしゃいますけれども、私は辺野古の方に新たに基地を造らなければ目に見える形の削減はあると思うんですけれども、辺野古に新たな、キャンプ・シュワブに新たな基地をどちらかというと集中的に造られる、それから浦添に那覇軍港の代わりを造られて、さらにその倉庫地帯の分野も膨らませるという今計画になっていますから、ほとんど減らないというふうに、それほど目立つ削減はないと見ているんですが、その辺は是非御検討いただきたいと思います。  終わります。
  151. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  152. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、国際水路機関条約改正議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  153. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、国際海事機関条約改正簡易化委員会設置)の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  154. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十一分散会