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榛葉賀津也君 包括的な答弁、ありがとうございました。
これインドというのは十一億の人口があるわけで、いわゆるレバノン、パレスチナ、イスラエル、シリアから始まって、朝鮮半島までの、私余り好きな表現じゃないんですが、不安定の弧というものがよく使われるんですが、そこの中間に位置して
世界最大の民主主義国家、このインドの存在というのが非常に大きいわけでございまして、今
外務大臣がおっしゃったように、これプラスとマイナス、プロとコンがあると思うんですね。私も
大臣とこの原子力政策に対する
考え方は余り違っていないんだなというふうに思いますが、エネルギー自給率が四%のこの国で、私はやはりポイントは持続可能、安定供給、そしてCO2を出さないというようなもろもろの問題をこの国はクリアしていかなければいけない。
私は、エネルギーで自立できない国は真の独立国だとは思わないというのが私の考えの一つなんですが、他方、私、
日本は原子力に対して非常に敏感、これは私はいいことだと思っています。過去二回の原爆を経験し、この経験をきちっと
世界にアピールし、核の平和利用という問題を訴えていかなければならないと思うんですが、ちょっと調べると、この
日本の原子力政策の原点というのは、何と戦後たった九年後の一九五四年に、当時のお金で二億三千五百万円の
予算で、被爆からたった九年後に原子力政策を国の政策として推進していこうということを、何と
政府ではなくて立法府の国会がこの方向性を決めているんですね。非常に勇気ある私決断だと思うんですが、恐らく、さきの大戦の原因の一つが
日本の不安定なエネルギー事情にあったということで、当時の私たちの大先輩の
国会議員の
先生方が様々な議論をされてこの
予算を付けたんだと思います。
私は、やはり
日本がこの原子力を正しく使いながら、かつこの原子力政策の言わば番人のような形で
世界に対して存在感を出していかなければならないと思うんですが、先ほど
大臣がおっしゃったように、このインドとアメリカとの原子力においての
協力というものはプラスとマイナスがあると思っています。中国の存在もあります。ロシアの存在もあります。そして、東南アジアの問題もあります。様々な問題があると思うんですが、まあプラスの部分は、今
長官がおっしゃったように、IAEAの査察が入るであるとか、このやはりサイクル
事業を含めましてアメリカがいわゆるプルサーマルに一歩踏み込んだ決定をつい先日いたしました。今後この
分野がどのように、極めてこれ研究者、科学者、技術者、
専門家が育ちにくい環境にありまして、このFBR進めていくというのは
日本の原子力政策を補完するだけではなくて、ある種そのいわゆる放射線レベルを下げていく、いわゆるマイナーアクチノイドであるとか、こういった研究は更に
世界レベルで私やっていかないと、各国ベースでは追い付かない問題があると思っています。
加えて、
大臣がおっしゃったように、化石燃料というのはもう年数が限られていまして、LNGでも六十年、石油はあと四十年しかもたない。ウランでさえ六十年しかもたない。まあ石炭はあと二百四十年ぐらいもつと言われていますが、これは先ほど
大臣おっしゃったようにCO2の問題がありますから、いわゆるそのベストミックスでどのように考えていくかという議論がやはり
政治ベースでも私は必要なんだろうなと思っています。
そのプラス部分はそれでいいんですが、やはり
政治的なマイナス部分もどうしても考えざるを得ないと思います。
先ほど
大臣おっしゃったように、NPTの問題もありましたが、その点についてもう少し詳しくお伺いしたいんですが、現在インドは、パキスタン同様に、この核兵器不拡散条約、いわゆるNPTに入っていないということでございます。このNPTの基本理念というのは、米、ロ、英、仏、中の五か国をいわゆる核兵器国と定めて、それ以外の核兵器の拡散を防いでいこうというのが基本理念、いわゆる核の不拡散であります。それから核軍縮、そして原子力の平和利用。そして、このNPTの第六条には核軍縮の義務というものがうたっているんですが、このアメリカがNPT非加盟国のインドにこれだけ原子力
協力するというのは、このNPTの形骸化に私はつながるんじゃないかという懸念があるんですが、その問題をもう少し
大臣にお伺いしたいと思います。