○滝
分科員 とにかく画期的なことだという
評価は、もう
地方団体の
関係者、異口同音にお認めいただいているということだろうと思うんですけれども、最後のところの、バルクセールのところだけは何となくしっくりいかないところがあるわけでございます。
それからもう
一つ、これは税の話になるわけですけれども、
地方税も
大分姿が整ってきて、住民税は比例税率になりました。要するに、昔から住民税は緩やかな累進税制ですから、余り景気にそんなに響くような累進構造はとっていなかったんですけれども、今度はもう一歩進めて比例税制、単一税制ですから、景気がよくなってもそんなに伸びない、こういうことになりますよね。それから、これからの
議論として消費税の問題が出てくれば、
地方消費税の方も余り景気に左右されない。要するに、景気がよくなったって、消費税の方はそんなにふえるわけでもない。
そうすると、全体として
地方税は景気に対して極めて鈍いというか安定した税ですから、これから今までの借金を返すには、自然増収を
期待するといったって、なかなか、景気に敏感な税制構造をとっていませんから、そこのところが難しいんですよね。
そこで問題になるのは、先ほど申しましたけれども、とにかく頼りは
交付税、そういうものがどうなるかということでございますので、それがいろいろな名目をつけて切り込まれると
地方はたまったものじゃない、こういうことですよね。
長野県の場合で申しますと、今の
田中知事が就任して以来四年間で、長期債務の累積残高を五百億円を超えて切り込んできたわけです。それはよく
銀行も認めたと思うんですよね。要するに、多少繰り上げ償還もしたんだろうし、それから新規債務を抑えてきたということもあるでしょうけれども、とにかく累積債務残高を五百億円抑え込んできた。そういうことでも、やはり累積債務残高はいまだにワーストツーなんですよね。たまりにたまった借金を抑え込むのがいかに難しいか、こういうことだろうと思うんですよね。
ですから、国の方が長期債務残高が多い、十八年度末で五百四十二兆円に対して
地方は二百四兆円だ、こういうような数字が出ているわけですけれども、それだけ見ると、同じような財政規模で国の方は三倍もあるのかなと思うんですけれども、実際問題として、国の方は、五百四十二兆円といったって、基本的に借りかえ借りかえでやりますから、大体平均三十年償還のものが多いというふうに見れば、大体、五百四十二を三十で割れば、年間十八兆円ぐらいの元金を返せばいいのかなと。そういう単純なものじゃありませんけれども、全部積み上げしていかないと、こんな数字は出てこない話ですけれども。そうすると、
地方の方は、二百四兆は、大体
地方債は十年だからというとんでもない数字でもって割ると、大体二十兆だと。
大体、頭の数字は大きいけれども、毎年毎年の償還額はそんなに
地方も国も違うわけじゃないんですよね。だから、頭の数字で、国は大変だ、
地方はその三分の一ぐらいの債務残高だというだけで、
地方が国に余り同情してはいけないんじゃないだろうかなという感じがありますので、その辺はひとつよろしくお願いを申し上げたいと思うんです。
次に、
三位一体の中の、何の
補助金をカットするかということで、この辺のところは右往左往した結果ですから、それについてとやかく言えるような、だれもこれを
批判するわけにはいかないと思うんです。
ところが、昨日の義務教育費国庫負担法の一部改正法案について、
竹中総務大臣と小坂文部科学
大臣との間で答弁に、当然のことながらニュアンスの差があるんですよね。
当然、文部科学
大臣は、二分の一から三分の一にしたのは、これは最終的な決着だというふうに
表現されていますし、
竹中大臣は、多少ニュアンスのあるような
表現で、まだまだ検討の余地があるような、はっきりとはおっしゃっていませんけれども、そういう含みのある答弁で、これからどうするのかというのは今後の問題だというぐらいのニュアンスというふうに受けとめてまいったのでございます。
私は、この問題はやはり、長い間かかってでき上がった
制度ですけれども、もともとの発想方法は、国が
地方に対して余り関与してもしようがないということで、何とかすっきりさせたいと。それが全体としてはすっきりとした無駄のない国の統治機構になるんだという発想方法で
地方もやろう、
地方も少し痛手をこうむってもそれに協力するというところで出発しているわけですから、そこら辺のところを何とかもうちょっとお考えいただいた方がいいんじゃないだろうかなという感じがいたします。
新党
日本の代表の
田中知事は、義務教育費国庫負担金は当然残すべきだということを言っているんですけれども、
地方全体とすれば、その辺のところはかなりいろいろな
意見があります。国の統治機構そのものをシンプルなものにするという
意味ではもっともっと
努力の程度がある、あるいは、文部科学省も、義務教育に関するかかわり方はもうちょっと何か別の方法があるんじゃないだろうかなという感じがあるものですから、ここは
竹中大臣の御
意見を承っておきたいと
思います。