○二階
国務大臣 東シナ海のこのガス田の問題につきましては、大変内外関心の深いところでありまして、この際、私の知り得る範囲におきまして御
説明を申し上げておきたいと思います。
まず、
中国側の
開発の
状況についてのお尋ねがありましたが、これは、樫ガス田については、既に海上
構築物が建設され、掘削作業中と考えられております。次に、白樺油ガス田につきましては、既に海上
構築物は建設されていますが、本格的な掘削作業は行われていないものと推察をされておるところであります。これらの油ガス田から
生産される
石油及び
天然ガスを
中国本土に輸送するパイプラインにつきましては、昨年のうちに既に完成している
可能性が高いという認識が一般的であります。
東シナ海
資源開発問題について、東シナ海を
協力の海とすべく私は
政府全体の基本
方針として取り組んでまいりました。今、
委員から御
指摘のありましたように、実は、第三回目の
政府間協議が行われた後、
我が国の提案に対して
中国側から回答が寄せられる番になっているところで会談が中断をされたような
状況でありました。私はその後この
経済産業大臣を拝命されたわけでありますが、これは売り言葉に買い言葉のような調子で議論を繰り返しておるよりも、とにかく円満にテーブルへ着くということがやはり大事なことであって、随分遠くからラリーの応酬をしているようなそういう交渉では、私は、両国のためにいい結果をもたらすということでは、これはちょっといかがかなという思いを持っておりました。
そこで、私は、
中国の薄熙来商務部長、
日本でいいますと商工
大臣ということになりましょうか、この薄熙来部長とWTOあるいはAPEC、そういう席でお会いをするたびに
お互いにバイの会談を申し入れて二度にわたって話し合いをしてまいりました。自分は直接の担当ではないが、
日本の
経済産業大臣の御意向というものは
政府に必ず伝える、こういうことで
お話を
政府の部内に伝えていただいたようであります。そこから、私は、第四回目の会合に入る前に、第三回目の会合が終わったままになっているんですから、第三回目の、三の二というか、もう一つここに非公式の協議があってもいいではないかという思いを持っておりましたら、
中国側も同じような提案がありまして、先ほど来御答弁に立っております小平
エネルギー庁長官と外務省の佐々江
アジア局長、この両名が
中国に参りまして、非公式協議を行ったわけであります。
そこで、先般、私が
中国に参りまして、
中国要路の
皆さんと
お話し合いの中で、トウカセン国務
委員との会談の中に第四回目の会合についての御提案がありました。そこで、私の方としても、かねて願っておることでありますから、第四回目の会合をやろうと。それじゃ、大体の日時を設定してもらいたいというふうなことで協議をした結果、ただいま外交ルートで細かい日時が交渉されておりますが、三月の上旬、我が方から、先ほど申し上げました小平長官と、そして外務省から責任者を派遣して、第四回目の正式協議に入る、こういう段階に相なっております。
先ほど
委員からも御
指摘のありました帝国
石油でありますが、私も、帝国
石油がどう考えておるのかということも交渉の上で大事なことでありますから、私は、就任三カ月ぐらい後になって、帝国
石油を呼んでみました。会長と社長がお見えになりましての
お話は、これは当然といえば当然のことでありますが、我々だって平和の海でなければ、
石油、
天然ガスの掘削などに我々の会社だけで行けるわけがないではありませんかという
お話がありました。極めてもっともなことでありまして、さらに、これは平和的に解決をしなければならない、私はそう考えて先般の会談に臨んだわけでありますが、ようやくにして話し合いができるような
状況までこぎつけました。
ここから先は相手のあることでありますから、会談に臨んだからといって即刻解決するというような話ではありませんが、これから粘り強く交渉を続けて、
日本の国の
エネルギーの重要性、そしてまた
中国も、これまた御案内のとおり、今
エネルギーをたくさん必要としておる
状況でありますから、これも重要であろうと思います。そこで、両国が
協力、協調して、共同の作業としてこのガス田を新しく
開発し、両国の
発展のためにつなげていくということができれば、非常に日中の将来というものを
展望する上においても大事なことではないかというふうに私は考えておるところであります。
そこで、この二月二十一日から二十三日にわたる協議におきまして、
中国側は、温家宝総理も、あるいは大変重要なお立場にありますトウカセン国務
委員もこのことに大変積極的に御対応いただいたわけでありますから、私どもも誠意を尽くしてこれからの交渉に臨んでまいりたいと思っております。第四回目の会合に臨む
我が国の
政府の代表者に対しまして、どうぞ力強い御声援、御支持をいただきますように私からお願いを申し上げておきたいと思います。