○
大塚(拓)
分科員 JET
プログラムについては私もよく存じ上げていて、留学していたときな
ども、たまに
日本語でしゃべりかけてくる人間がいると思うと、JET
プログラムで
日本に行っていたんだということをよく聞いたわけでございます。
そのJET
プログラムにちょうど関連するので、ちょっと
質問の順番を変えますが、やはり将来の知日派世代の育成というのは大変重要なんだと思うんですね。そういう問題意識を私はもともと持っております。
私はハーバード大学のケネディスクールというところに、
委員長も副
大臣も行かれた学校ですけれ
ども、留学をしていたわけですが、昨年、ハーバード大学ケネディスクールの
日本人留学生の組織というものがありまして、そこで初めての試みとして、ジャパン・トリップというツアーを企画したんですね。
これは、各国から留学してきている、アメリカ人だけじゃなくていろいろな国から留学してきているわけですが、それを三十六名でしたか、四十名弱ぐらいを選抜して
日本に連れてきて、昨年は、小泉首相、
町村当時
外務大臣、安倍当時自民党副幹事長ですか、それから福井日銀総裁とかにお会いいただいたり、トヨタの工場に連れていった。
あるいは、サピックスという、これは小学生のための受験塾なんですけれ
ども、トップ受験塾で、今一番、その塾に入るのも難しいと言われているところなんでございます。ここに連れていって、小学生のトップの連中とハーバードの学生に同じ数学の問題を解かせて競争させるとか、結果は
日本人小学生の大勝でありまして、ハーバードの学生はみんな自信をなくしていたわけですけれ
ども、そういうことを昨年やりました。
これは、参加者の対日イメージの向上というのは大変顕著だったと思っております。向こうに帰ってからも、頼みもしないのにあっちこっち、ハーバードの学長のところまで行って、
日本はこんなにすばらしかったということを宣伝してくれたりとか、地元の学生新聞のライターなんかはその記事をさんざん書いてくれたりとか。恐らく、ここに参加していた連中というのは、各国からの政府の派遣の外交官ですとか政府の役人であったり、もしくは政治家を目指している人間ということなので、非常にこれは、将来の各国のリーダーの卵ということで効果的な活動なのかなというふうに思っております。
ちなみに、参加者の中で今、出世頭は、卒業後にカナダのケベック党というフランス語圏の与党、あそこの党首になった者がいまして、私の同級生でございますが、効果も既に目に見え始めているかというふうに考えておるわけでございます。これについては
外務省の方でも、ボストン領事館の方から、効果的なパブリックディプロマシーのツールということで報告書が上がっているというふうに聞いております。
一方で、やはり
日本に来るというのは非常にコストもかかる、滞在費用が高いわけですね。一人当たりの負担が去年二千数百ドルかかった、二十数万円かかっております。一生懸命我々も寄附を募ろうとするわけですが、やはりそういう公共
分野の場合は、ビジネススクールなんかと違って、なかなか
企業の助成が得られにくいというケースがある。それから、もともと学生の所得もビジネススクールなんかよりも随分低いんですね。
それからまた国際交流基金の助成なんかも、ないかなと思って検討はしてみたんですが、どうも該当する
プログラムがないんですね、短期招聘
プログラムの中で。いろいろ要件が厳しくついていて、それに該当しない。大学院に来ているというだけではなかなか該当しない。それから、年次の
予算のサイクルに縛られているので機動的な
運用ができない。こういったことがありまして、要するに、そういう
プログラムを一年前から準備することなんてまず無理なわけです、学生も入れかわっていきますから。いろいろコスト面であきらめた学生というのは結構おりました。恐らく、国に帰ったら将来はトップの政治リーダーになるべき人材だろうと思われるのに、非常に残念だなと思ったわけです。
こういう、海外の大学院等に留学している有望な学生を招聘してくるというのは非常に効果的な
プログラムなんではないかと思っております。特に、
日本人団体が現地の大学院にあるわけですから、手足となっていろいろ、
日本の文化を発信していこうと一生懸命頑張っているわけですね。これに対して、やはり
日本政府として何らかの助成の手段があってもいいんではないのか。あるいは、現地の大使館、領事館等々から、人のアレンジであるとか場所をアレンジするとか、そういうサポートもあってもいいんではないのかというふうに考えておるんですけれ
ども、
大臣、副
大臣、両方お
伺いできればと思います。