○徳田
分科員 ありがとうございました。
小児科医というのは大変不足しており、特に小児救急というものは今、医療現場においても大変、もう
本当に一生懸命頑張る
人たちが苦しい思いをしているというのが
現状です。数年前にも小児科の方が週に三日、四日当直をされて
自殺をされたという方もいらっしゃいましたし、そして、若いお医者さんも、
本当に志を持って小児救急に入ったにもかかわらず、激務に耐えかねてやめるという方もいらっしゃいます。どうかその改善ができたらということを思います。
ここで実例を
一つ挙げさせていただきたいと思います。十二月二十二日の読売新聞にあった記事です。
一昨年八月、三歳だった男児が自宅でコンニャクゼリーをのどに詰まらせ意識を失った。すぐに救急車が到着し、母親は助かったと思ったが、それからが地獄だった。心肺停止
状態の男児に救急隊員
たちは懸命に心臓マッサージをしながら、二分以内で行ける地域の基幹病院に受け入れを要請したが断られ、その後、他の五病院にも次々に搬送を拒否された。男児を乗せたまま自宅から救急車は動かず、母親は涙ながらに隊員に詰め寄った。最初の連絡から十二分後、再度の要請で基幹病院が受け入れを承諾、ようやく救急車は走り出しましたが、男児はその夜亡くなった。このトラブルが起きたのは平日の午前九時過ぎで、その基幹病院には計五名の小児科医がいた。当初の受け入れ拒否の理由は、熱性けいれんの患者がおり、蘇生に必要な酸素を送る設備が足りないだったが、その小児科とは別に救急外来にも酸素の設備があり、母親は病院を提訴した、こういう事件がありました。
この事件において、私は、この
一つの基幹病院だけに問題があるのではなく、その前に五件の病院にも断られているということもありますし、この基幹病院だけに問題があるのではなくて、もっと根本的なところに大きな問題が存在し、それが経常化しているからこそこういう悲しい事件が起こったのだと思います。
その
一つの
対策として、やはり今の救命救急体制というのは、ある
意味では、性善説に基づいた、ドクターであれば、指定病院であったら必ず入れるというものに基づいた形で構築されているのではないか。
本当に医師の医療人としてのモラルの問題というものがあると思います。
もう
一つは、この救命救急体制というものが、もう少し消防と医療というものが一体化して、一体となったシステムを各地区、都道府県ごとにしっかりと構築すること。例えば、子供であればこの病院、何時から何時まではこの病院、循環器であればこの病院ということをしっかりと決めて、事前に、もう走っている段階から、救急車の隊員
たちは安心して連れていける、行く病院の目的がはっきりしているという形になれば、やはり地域において救命救急を担う基幹病院というものは、大きな義務と責任というものが働いてくるのではないかと思います。こういった視点からも、どうかこれからの医療制度改革、この救命救急も含めた医療制度改革を行っていただきたいというふうに思います。
最後に、
一つだけ、脳死臓器移植法についてお伺いをさせていただきたいと思います。
これも二、三日前の新聞なんですが、多摩市で生後八カ月の女の子なんですが、石榑愛ちゃんという子供が、拡張型心筋症で余命半年と診断されております。米国で心臓移植を受けられる、この受け入れ先が決まっておりまして、今両親の友
人たちが寄附を募っている。米国で移植手術を受けるためには、手術費や渡航費などで約一億三千六百万円必要だということであります。
今の臓器移植法において、今の現法では、
本人の生前の意思表示と家族の同意というものが二つ必要になってまいります。そして、十五歳未満の小児での生前の意思表示が認められていないことから、小児の脳死臓器移植というものは不可能であります。この結果、この愛ちゃんのように海外で移植手術を受ける例が毎年七例から八例あるというのを聞いておりますが、その一方で、心臓の移植を必要とする子供
たちのほとんどが機械的循環補助装置というものが必要となっておりまして、重篤な病状と、こういった
経済的理由から海外渡航心臓移植というものができない小児例というものも存在いたします。こういった
現状に対してどう受けとめておられるか。
また、今回の愛ちゃんの件については、先ほど申し上げましたとおり、一億三千六百万も集めなければいけないのにかかわらず、現在のところは四百五十万ほどしか集まっていない。余命半年という中で、
本当に間に合うかどうかわからないんですが、何かしら国として援助措置を検討できないものか、お伺いさせていただきたいと思います。