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遠藤(宣)
分科員 最終的に警察が治安の責任をとらなければならないという観点からしますと、もちろん警察に情報をすぐに上げる、集中させるということが原則ではありますが、今のお話の中で、最終責任をとる、そして常に上げてもらいたいという中で、一方において情報過多になる。
となれば、昨今行われたような、例えば、性犯罪者の情報をあらかじめ法務省との間で共有する、これを敷衍しまして、過去に犯罪を犯した人間、あるいは事前の他機関の持っている情報、こういったものをより警察の方に材料として持たすことによって、いわば大量の通報に対しての識別の能力が警察は高まる。
大原則が警察にすべて上げなければならないということであるならば、それを識別する能力を高めるために、そこを補完する情報を他省庁、法務省はもちろんでしょうけれ
ども、もっと事前に入手した情報が識別できる情報を持つような工夫をしていっていただきたい、このように思うわけであります。
そして四番目になりますが、私はかねがね思っておるのですが、刑罰の問題。
今、外国人犯罪というものが本当にふえています。法律をかじった方であれば御存じだと思いますが、刑法といいますか刑罰の機能。一般予防という、一般の人が悪いことをしたらこんな目に遭うよということで抑止力になるか、あるいは特別予防、犯罪を犯した人がもう二度とやはりするまいと思う、教育刑主義といいますか、そういった
考えがいまだに議論がされております。
例えば外国人犯罪、簡単に言いますと、ある外国人が母国で法律を犯すよりも
日本で法律を犯した方がもうけが大きくて刑が軽い、そうなれば、水は高いところから低いところに流れるように、これを食いとめろといってもなかなか大変なものになってしまう。もちろん、入国管理とかさまざまなものを駆使して
努力をされていることは十分
承知です。そしてまた、主権の問題というのがありますが、私は、これ以上外国人犯罪について
日本の治安が脅かされるケースがふえるようであれば、例えば二国間協定を結んで、一定の犯罪についてはより重い母国の方で裁かせるぞというようなことが
考えられないか、そんなようなことも昨今思っております。
この問題につきましては、
警察庁というよりも法務省の問題になりますから、本日は深い
質問にはいたしませんけれ
ども、この外国人犯罪と刑罰のあり方、今
考える時期にあると思います。
そして、たしか広島県であったと思いますけれ
ども、高齢者の刑務所、わざわざ、そこのところに戻ってきたいために広島の管内に来る。御飯も食べられる、暖かいところで寝られる、最後に、たしか私の記憶によればお墓まで建ててもらえる、外で不安を持ちながら道に座っているよりも簡単な軽犯罪を犯して刑務所に戻してくれればいい、こんな話を私は聞いたことがあります。
つまり、刑罰というものが、外国人犯罪者であれ高齢者の犯罪者であれ、抑止力にならなければそれは刑罰の意味がない。とかく権力とか刑罰というのは抑止的に使わなければいけないという刑法学の原則からすれば奇抜な
意見かもしれませんが、私たちは、冒頭申し上げたように、最終目標は治安の回復ですから、今やタブーなく、その目的を達成するために議論をしなければならない時期にあるということを
指摘しておきたいと思います。
そして最後に、これも時流と逆行するかもしれませんが、警察の職務範囲と機密費の話があります。
岸
内閣のときの警職法の改正で大荒れになったという過去のトラウマがあると思いますが、警察は職務の権限の拡大に非常に憶病である。自分たちからなかなか言い出せない。最近のものであれば機密費の問題があります。
確かに一部不適切な使われ方をしたものがあるかと思いますが、私の知人で税関の
部長をやっていた人間、あるいは警察の第一線でやっていた人間、今、情報公開法あるいは個人情報保護法、もろもろの中で、実際にネタをとるために、犯罪を犯している側の組織と接触しなきゃいけない、そこといろいろと交渉しなきゃいけない、こういったときにどうしても必要なもの、機密費が要るんだと。
さまざまな監査のあり方、その扱い方、いろいろな議論があると思いますが、犯罪組織側からの内部告発という観点からすると、これは必要なものであります。なかなか警察の側からは言いにくいかもしれませんが、この機密費の扱い方、しっかりした監査のもとに適切に拡大をしていかなければならないと私は
考えておりますが、そのあたりの御所見について伺えればと思います。