○
佐藤(ゆ)
分科員 ぜひとも、少なくともCEOの責任の明確化には取り組んでいただきたいと思いますし、やはり将来的には、両面からきちんと監視するという意味も含めて、CFOも含めるいかんの是非論というのもぜひ御検討いただければというふうに思っております。
では次に、このライブドアの問題を受けましてもう一つ、
事前審査ではありませんけれども、上場基準について、そういった
審査の方向に関する点で一つ御
質問させていただきたいと思います。
最近の株式動向を見ますと、ライブドアのショックが起きまして、東証一部も急落したわけですけれども、その後、比較的速やかに東証一部の方は回復基調を見せているというところではないかと思います。これはまさに、
日本の
経済の再生に対する国内外の投資家の方々の強い期待のあらわれと言えるかと思いますが、その一方で、東証マザーズなどのいわゆる新興
市場につきましては、まだまだライブドアのショックからの立ち直りに時間がかかっているという
状況ではないかと思います。
まさしくライブドアの事件の結果、やはり新興
市場に上場している
企業の会計あるいは倫理観、こういったものに対する投資家の信頼がやや薄らいだということがあったのではないかと思われるわけですが、こういった新興
市場の上場
企業の信用低下につきまして、やはり一部、
市場からも、リスク回避のために新興
市場を離れて、東証一部に投資家の方々が戻っていってしまっているという、いわゆる質への逃避が起きているという報告も受けております。
そうした中でやや懸念されますのは、やはり新興
市場に上場している
企業の基準なんですけれども、こういった不明朗な
企業が健全な
企業と一緒くたにマーケットに上場されているというような印象が
市場の中で流れてしまいますと、やはり健全な
市場形成、あるいはリスクマネーの育成にとって非常に懸念される
状況になってくるのではないかと思います。
特に、
日本の場合ですけれども、今景気回復が全国的に本当に鮮明に出てきている中で、次のポイントとしては、総理も施政方針演説で挙げられましたように、
地域の活性化、これが非常に重要な局面になってきているというところだと思います。
現状を見ますと、
日本の場合には、
企業数の中でも大体八割は中小
企業が占めているという
日本経済の現状があるわけですが、こういった中小
企業におきましても、これからのポイントは、閉鎖していく旧態型の中小
企業、あるいはその閉鎖
企業の件数に対して、新規に活力ある
企業を起こしていく、そうした新規の
企業の設立件数が上回るような形で、
企業部門の新陳代謝というのをやはり進めていかなければならない。そういう極めて重要な
状況に入ってきていると思います。
そうした中で、リスクマネーの育成、
資本市場の育成というのは極めて
重要性を持ちまして、中小
企業の部門での新陳代謝を進めるに当たりまして、やはりリスクマネーを供給するマザーズなどの新興
市場の信憑性、これは極めて重要な問題であると思います。
そうした中で、今回、ライブドアのように、いわゆる粉飾決算のような疑惑を持たれる
企業が出てきた。その一方で、やはり
企業経営者の方々には、新興
企業でありましても、一生懸命努力をして、きちんと公正なルールに従って
利益を出している、そういった
企業もおられるわけでございます。同時に、こういった新興
企業で、そういった粉飾
企業と、それから正々堂々と法令遵守の
企業とが混在している中で、適正な投資判断がそがれてくるということがあるかと思いますが、投資家から見ましても、やはり適正な投資判断がそがれる中で、より情報を収集しなければならない。そういう情報コストも上がってきてしまって、いろいろな弊害が出てくると思います。
そこで、本題に入りますが、これはやや東証の問題かと思われますけれども、上場基準についてお伺いしたいと思いますが、東証の方では、実は、こういった問題を受けまして、新興
企業の上場基準というのを少し
強化していくという方向でいっているかと思います。
確かに、新興
市場の上場
企業と申しますと、東証一部などに上場されています大
企業と違いまして、まず社歴の短い
企業が圧倒的に多いということがあると思います。ですから、やはり同じような条件で上場を考えるということはとても難しい。そうしますと、より一層重要になってくるのは、こういった新興
企業の
企業経営者そのものの資質、あるいはその
経営理念、あるいはガバナンスの
体制がどうなっているか、こういったものに対して、より入念にチェックを加えて上場を決定していく。そういったプロセスが大事ではないかと思いますが、こういった東証の自主規制のあり方について、雑駁ではありますけれども、
金融庁としてどのようなお考えか、お伺いしたいと思います。