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町村委員 どうもありがとうございました。
格差拡大ということが大変この
委員会でも話題になってまいりました。私は、戦前のいわば反省に立って、戦後、平等というものが大変強調されてきた、それはそれで
意味のあることだった、こう思っております。
ただ、この場合の平等というのは、あくまでも
チャンス、機会の平等であって、結果の平等ではなかったはずなんでありますが、いかんせん
日本も貧しかったということもあって、結果の平等も随分追い求めてきた。自由
民主党の政権のもとでも、実は随分結果平等を追い求めてきた
政策があったと思います。それはある時期よかったんだろうと思いますが、しかし、だんだんこういう時代になってくると、いつまでも結果平等ということを言い過ぎると、まことに奇妙なことが起きてまいります。
私は、
文部大臣をやっていた経験でいうと、よく
漫画チックに言われますけれ
ども、徒競走をやると、ゴール前五メートルで速い子も遅い子もみんな手をつないで同時にゴールインする。これは本当に冗談みたいな話ですが、いっぱいあるんです、そういうことが。
あるいは、私が
文部大臣のときに、
民主党の
日教組出身の女性の
先生からこういうことを聞かれました。
自分が教室の担任のときに、
演劇会というんですか、
クラス会か何かで
白雪姫をやったら、
女生徒全員に
白雪姫をさせたというんです。
文部大臣、これ、すばらしいでしょうと言うんですね。私、きょとんとして、何がすばらしいのかなと言ったら、
子供たちは
全員演劇の
才能をひとしく持っているから、だから
全員に
白雪姫をさせるという
考えだと。
ところが、それは
白雪姫が好きな子もいるだろうけれ
ども、大道具、小道具が好きな子もいるし、照明が好きな子もいれば、いろいろな
才能がある。顔が違うようにいろいろな
才能があるから、
全員が
白雪姫というのはかえって悪平等と違いますかと言ったら、その
先生は大変お怒りになられまして、とんでもない
文部大臣だといって私は随分しかられましたが、今でもそれはおかしかったなと思っております。
それから、これは文部省のお役人も全く嫌がることなんですが、私は、一年たったら何で一
学年上がるんだろうかと。これはみんなごく当たり前に思っていますけれ
ども、ゆっくり勉強して
理解が到達する子もあれば、早く
理解する子もある。それを
無理無理一つの
学年に閉じ込めておくこと自体が、
学年進行主義といいますが、これは私は実は悪平等なんではないのかな、こう思うんですね。ですから、
学校教育法に十八歳でなければ大学受験できないことになっております。私は、
義務教育が終わったらいつでも大学を受けたって構わない。一部の例外、十七歳から受けられるようになっていますけれ
ども。
こんなことで、実は
教育界というのは
大変悪平等が蔓延しているところであります。さっき
天井の高さのことも言われましたが、もう
教育の実態の
場面ですごくそういうところが多いんです。
きょうは
厚生労働大臣にちょっとお伺いしたいんでありますが、
地元に帰ると必ず耳にする話、それは、
基礎年金の額と
生活保護の額がほとんど変わらない、これじゃみんな、こつこつ一生懸命
掛金を払って、そして
一定の年齢に達したら
年金をもらう、やめてしまうと。そんなの払おうが払うまいがどうせ十三万円前後の
お金がもらえるんならば、それならもう
掛金を払うのをやめちゃおうと。
お手元の資料一で見ると、
基礎年金、
夫婦合計十三万二千円。
生活扶助の額は九万四千円から十二万円、まあ十一万円ぐらいとしても、これに
住宅扶助が一万三千円入り、さらに七十歳以上の
高齢者には三千円強の
老齢加算がある、これを足せば大体十三万円になっちゃうんですよね。
もちろん、
制度の
趣旨等が違うから単純な
比較ができないのはわかりますが、しかし、世の人々は、どうせ
年金の
掛金を払ったって戻ってくるかわからないんだからと、安心して
生活保護にみんな流れていく。私は、今
生活保護の
世帯率がどんどん上がっているのは、もちろん
失業率がある、そういう
影響があるのはわかりますが、そうした面もあるんじゃないか。もっと言うならば、
生活保護の水準が、設定が、実は高過ぎるのではないか、特に
基礎年金の
比較において。こういう意見をしばしば
地元で耳にしますけれ
ども、
厚生労働大臣、どうお
考えでしょうか。