○阿部(知)
委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日、私は、実は昨年の秋に民主党の
皆さんが予備的調査として請求してくださった、公益法人や外郭団体への
国家公務員OBの天下り問題について、ちょうどタイムリーに調査局からこんな厚い
資料が出てまいりました。これは天下り一覧。一冊、こんなにございますが、何と約四千団体近くに二万人以上の
国家公務員OBが天下っておると。
民主党の
皆さんは、補助金との関連で、このことを今後もっともっとさらに追及していかれると
思いますが、本日の私の
質疑は、よくこのごろ市場化テストという言葉が使われますが、天下りテストというのをやらせていただきたいと
思います。
どういうことかというと、もちろん、官僚の経験をその後の住民生活や市民生活、公益、公共のために生かすような官僚のあり方というのもあると私は
思いますし、いたずらに官僚バッシングしても、市民生活がよくならなければ結局不幸だと
思います。
しかし、きょう私が取り上げさせていただく
二つの事例は、そのような
意味で、果たしてこの天下られた官僚の
皆さんは本当に国民の公益や住民の声を聞いているんだろうかということで、強く疑義を差し挟む案件ですので、
厚生労働大臣並びに、この案件と直接には
関係ございませんが、
財務大臣に御
質疑をさせていただきたいと
思います。
まず一件目は、骨髄移植推進財団の問題でございます。
皆さんも御承知と
思いますが、骨髄移植は、今や我が国の、特に小児がんや再生不良性貧血といった難病の
一つの大きな光となり、治療としても普及しておりまして、この骨髄移植のドナーとして三十万人登録ということが求められております。
一九九一年、この財団ができましてから、もともとはボランティアの方々が非常に熱心に、この骨髄移植を進めるべく、本当に地道な
努力を重ねられ、財団という形になり、発足してことし十五年目と
思います。ところが、この財団をめぐって、ことしに入ってからも、相次ぐさまざまな、何と申しましょうか、悲しい報道が続いてございます。
例えば、二〇〇五年の四月には、この骨髄移植財団の
理事人事をめぐって、医者に偏った
理事構成であったり、あるいは、引き続いて六月には、内部留保金といって、財団の中にためるお金が多くなり過ぎて、本来であれば、患者さんたちがもっと安く、少しでも安くいい治療を受けられるためのお金に還元されてしかるべきではないか。これは実は私が
委員会で取り上げさせていただき、患者さん
負担は少し軽減されたと
思いますが、やれやれと思っていた矢先、今度は秋口になりまして、ここの財団内のさまざまな人事や、あるいは、場合によってはセクハラではないかと思うような事態が生じていて、とても運営上支障があるんだということが報道されるようになってございます。
まず、川崎厚労
大臣にお手元の一枚目を見ていただきたいと
思いますが、ここに財団の
委員会体制、組織図が書いてございます。上に
理事会、下に事務局とございますが、これだけの
日本の中においてたくさんの子供を救っている骨髄移植という大事な仕事を担いながら、実は、事務局のところで、中央事務局には四十二名がコーディネート作業とかあるいは広報活動しておりますが、常勤はわずか十四名で、契約が二十名、そして非常勤が八名。これは
厚生労働大臣も、先般、やはりいろいろな仕事を常勤でやってもらいたいよという御答弁、随所でございましたが、そういうことから見ても、非常にこれは非常勤の方に頼る、あるいは一年契約の方に頼るという形式でやっております。
実は、この一年八カ月ほどの間、とりわけ新しい事務
局長体制になりましてから、人事の中で非常に多くの方がやめていかれる、離職される、あるいは人事案件に問題感を持たれる。そして、ついに昨年の十一月には、ユニオンという形で組合が結成されました。主な理由は、そこで取り上げられているセクシュアルハラスメントのことが十分にこの部局内で
改善されていないのではないか等々、そして東京の労働局からは是正勧告が出されたりしております。
冒頭、ここを主管なさる、指導なさる
厚生労働大臣として、そして、大事な移植ということをつかさどる部署でこのような事態が生じておるということはお耳に入っておりましょうや、一点目、お願いいたします。