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篠原委員 私は円満な解決の方向で今伺ったんですけれ
ども、それだけの決意があれば結構でございます。
今、繰り返して申し上げますが、ホタテガイは
平成七年に禁止された、一九九五年に禁止されたんですね。それで、
日本はまじめですから、通達を出してあれこれ整備してというのは、
大臣がお答えになったとおりです。相当苦労して、そしてきちんとして、それで現地視察も受け入れて、そして
輸入解禁、ですから、
平成七年から
平成十四年、
再開に七年かかっているんです。私は七年かけろと言っているわけじゃないです。
アメリカがどう
対応するかというのでまさに見なければいけないわけですよ。一たん不始末をしでかしたら、信用を取り戻すにはそれだけ時間がかかるということです。私は、じっくり取り組んでいただきたいと思います。
そして、問題を一体どう解決するか。
大臣は非常に腰を据えてじっくり取り組まれるという決意を述べられたので非常に安心いたしましたけれ
ども、私は、
西川委員の先ほどの
質問を聞いておりまして、認識は同じだなと思いました。この問題は、一つは拙速だったんです。
中川大臣もおっしゃいました、急がば回れということですね。
まず、
アメリカ側に行ってびっくりしましたけれ
ども、一頭しか発生していないと言い張るわけですね。一頭目はカナダ産だ、
アメリカのじゃないと。六十万頭しか
検査していないんです。
日本は累計で約五百六十万
頭検査して、そこから二十二頭の
BSEの発生なんですね。
アメリカの大量の牛を
日本と同じように
検査したら、わかりませんけれ
ども、同じ割合で起こるとしたら、五百頭ぐらい発生していていいんです。そもそも
検査頭数が少ないんですね。
アメリカ側の皆さんに伺うと、大した問題じゃないと。
それで、これは皆さんお聞き及びかと思いますけれ
ども、上院、下院の農業
委員長と会って一時間ずつ、上院の方は十五分しかなかったんですが、あと、重立った農業
委員の皆さん四、五人ですかね、意見交換してまいりました。そうしたら、
日本でも
新聞報道されていますけれ
ども、私から言いますと、ちょっと認識のずれが大きいことをおっしゃっているわけですね。車に欠陥があった、それで交通事故で亡くなっている、それだからといって
日本からの車の
輸入を全部禁止するかと。何か取ってつけたような理屈なわけですけれ
ども、一台だけのものと、プリオンが入ってしまった、そうしたらそれで病気になる、それが子供にも伝わっているかもしれないと。大体、イギリスにちょっとでも滞在した人は輸血も禁止されているぐらいなんです。それだけ気を使っている病気です。それと車の欠陥と同列に扱って、そして先ほど言いましたように、単純なミスだと。
ジョハンズ農務長官も
中川大臣等に電話とか会談のとき言っていられるかもしれませんけれ
ども、慌ててやったんです。彼らも認めています、拙速過ぎたと。先ほどの通達、
日本側はこれだけ丁寧に通達を出してやっている、
アメリカの
EVプログラム、ありますけれ
ども、その徹底が一体図られているのかと。
それから、これは皆さんもおわかりだろうと思います。タイソンという世界一の巨大企業、これは感心しました。七月二十五日付、四十ページの
日本語の
説明があるんです、いかにきちんとやっているかという、カラー刷りのそのパンフレットができていました。それからビデオもありました。ビデオは残念ながら英語でしたけれ
ども。それだけ準備しているんです。私は、大企業は当然そういうことをしていると思います。五十万トンの
輸出を
再開したいわけです。当然だと思います。
しかし、アトランティック社、これはどの程度の
会社かわかりません。しかし、一度も
日本に
輸出経験のない
会社です。
日本の常識からすると、そんな
会社が、これだけもめているときにさっさと認可を受けられるなんてないんです。規制緩和の行き着く先ですね。規制緩和、規制緩和と言っていると資格もないような企業に行っちゃって、後からしまったといって取り消している。私は、
日本のしっかりした役所、
厚生労働省、
農林水産省はこんな間違いは絶対にしでかさないと思います。念入りにきちんと精査して、きちんと
検査します。ところが、
アメリカ側はそういうことをしているわけです。徹底していない、拙速だというのが一つ。
二番目は、先ほどから申し上げておりますとおり、構造的な欠陥があるんです。どういうことかというと、考えてみていただければわかると思います。大事な月齢識別、この牛の屠畜直後の、ちょっとこうやって見ていただきたいんですが、牛がつり下げられているけれ
ども、べろを出しています。
西川さんも気が強そうだが、これを見たら肉を食べたくなくなるという
気持ちはよくわかる。僕もそうでした。この左のを見るとげろを吐きそうになりました。これはどうやっているかというと、この牛の舌を出しているところをがばっとあけて、歯でもって三十カ月齢のを識別しているわけです。我々に
説明している間にさあっと六頭ぐらい過ぎていきました。だからそれは
検査されていないということです。それはなぜかというと、ぱっぱぱっぱ動いていくわけです。僕は無理だろうと思うんです、こういう効率一点張りの食肉加工
処理工場は。やはりこれは直してもらわなくちゃいけないんだろうと思います。
構造的欠陥が一つ、これですね。余りにも効率一点張りで、大事な食べ物を丁寧に扱っているとは、松坂牛、どれだけ丁寧に扱っているかというのを川崎
大臣はおわかりだろうと思います。松坂牛は年四千頭です。全体で四千頭。一つ一つ丁寧に解体
処理している。それを、
アメリカのカンザス州の一
工場で一日で四千頭を
処理してしまう。食べ物に対する認識が全然違うわけです。
これはやはり、習慣の違いと言ってしまえばそうかもしれませんけれ
ども、それでまたこの写真を見ながら考えていただきたいんですが、では、間違いがあった、これが起こったとき、だだだだっとオートメーション化して動いているラインをとめられるんでしょうか。あるいは、あっちだこっちだと簡単に分けられるんでしょうか。そう簡単には分けられないんです。昔から
アメリカはこれを非常に苦労してやってきたんです。フォードが、自動車のアセンブリーラインも食肉加工
処理のこれを見て思いついたぐらいなんです。ですから、このような雑な扱い方というのは、やはり
日本向け輸出には私は向かないんだろうと思います。
それから、解決方法はいろいろあるんですけれ
ども、一番の解決方法は、簡単なんです。これはグッドラットという下院の農業
委員長もあれこれおっしゃっていましたけれ
ども、この点は認めました。私はこう言ったんですよ。そんな、屠畜してから口を開いて三十カ月かどうか、それから、肉がこうやって並んでいるところから、肉質を見て、これが若い肉か年寄りな肉か、私と
大島委員長の肉を比べてみてどっちの肉が質がいいか、大体同じ年ですけれ
ども、さっとわかるはずがないんだろうと私は思います。それが、年齢が幾つかというのを、最初から生産
記録がわかっていれば、何年何月に生まれたということがわかっていれば、そんなことはしなくて済むんです。
そうしたら、
アメリカ側の皆さんの答えもちゃんとしていました。パッカーではどう言ったかというと、こういうふうに正直に言っていました。一つの
会社は、生産
記録があるのは今一〇%から二〇%だ、しかし、この春からは、
アメリカも気がついてやり始めたので、四〇%から五〇%になると。片方は、今四、五%だけれ
ども、すぐ数十%になっていくと。ピーターソンさんという下院の農業
委員会の筆頭
理事は、いや、実は私は三年前にアニマルIDシステムという法案をつくっている、動物にみんな
日本で言う
耳標、トレーサビリティーと同じのを、それが反対されてしまった、しかし究極の解決はそれだと。今現に、きちんと言えば、生産農家の九〇%は何年何月に生まれたかわかると。そうすれば、
アメリカだって三十カ月で分けているんです、
日本は二十カ月と言いますけれ
ども。つまり、月齢判別がキーポイントなんです。これを徹底すればいいと。グッドラット
委員長も、それは簡単にはできないけれ
ども、それはそのとおりだと言っております。
だから
日本側は、これから
アメリカ側には、月齢識別をきちんとする、そうすると、ラインに入ってから、これが二十カ月未満、これは三十カ月未満、これは三十カ月以上なんて面倒くさいことをしなくて済むんです。これがなぜ大事かというと、
アメリカの
消費者グループも言っていました、
日本に頑張ってほしいと。
日本がきちんとした態度をとることが
アメリカの食の安全にもつながるんだ、残念ながら、
アメリカの
消費者は食の安全についてちょっと鈍感なところがある、だから
日本に頑張ってほしい、
日本は大のお客様ですから、お客様に合わせようと企業がする、そして全体がいい方向に直っていくと思います。
そういう点では、川崎
厚生労働大臣と
中川農林水産大臣の役割は非常に大事なんです。きちんとした態度をとるべきです。二十カ月齢の生産
記録をちゃんと備えたものでなければ
輸入しないと
アメリカにきちんと
要求していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。