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山中大臣政務官 ただいま
麻生外務大臣からおっしゃっていただきましたように、今回、人権
担当の
外務大臣政務官、そして
特命チームの一員という
立場で、
横田早紀江さん初め
拉致家族の皆様と同行させていただきました。
簡単にその全体の
経緯を申し上げたいと思います。
まず、一番最初から申し上げますと、
横田早紀江さんは、大変体が痛い状態ですけれ
ども、それを全部見せないで、この旅程を全部こなされたという、その
意思の力というのにまず
一つ大きな感動を覚えました。
そして、先ほどからお話に出ていない、まず国防総省のことからちょっと申し上げたいと思います。
国防総省に伺いましたときは、実はローレス副次官あたりとお目にかかれるだろうと思っておりましたところ、イングランド副
長官が出ていらっしゃいました。この日は、ラムズフェルド国防
長官は御存じのようにイラクに行っておりましたので、これは副
長官ということではなくて、ラムズフェルド国防
長官代理という形でイングランド副
長官が出ていらっしゃったんですが、皆さん、青いリボンを胸にして、そのときもう既にしていらしているんです。国防総省というイメージと全く、本当にそれがぴったり合うのかなというような配慮が随所に見られました。
イングランド氏は、私も長年の友人でしたから、大変いい方だというのはわかっていたんですが、御
家族の話を一人ずつお聞きになった
最後に、御
自分から、まず写真を撮りましょうということで、
家族と
一緒に写真を撮られました。その後、翌々日の
公聴会に間に合うように、引き伸ばしした写真を用意なさって、一人一人の
家族に、
横田早紀江さん、あるいは市川さん、そういう名前をお書きになって、
自分のメッセージを書いて、サインしたものを
公聴会の前に必ず届けよと。そして、
公聴会頑張ってください、そういう心遣いをして、その写真を受け取った御
家族の方たちは、ああ、
アメリカの国防総省の方たちが私たちを応援してくれているんだ、そういうお
気持ちになったというのがそばにいて大変強く印象づけられました。
そして、
公聴会のときですけれ
ども、先ほどの中で、皆さんが涙を流したというのは、
横田早紀江さんが、亡命した工作員の
証言として、娘が工作船の暗い船底に閉じ込められて、お母さん助けて、お母さん助けてと壁をかきむしりながら連れていかれたというところを話したときに、
日本語のわかる人はもうそこで涙がいっぱいでしたが、議員の
方々がそれに対して非常に大きく感動をなさったのは、先ほどちょっと
理事懇のときに私が申し上げました、スーザン古森さんという
アメリカでの
支援者の方がずっと付き添って、
早紀江さんの
気持ちを全部わかっていて、お母さん、マザー、ヘルプ・ミー、マザー、セーブ・ミーと、違う
言葉を使って助けて助けてを言いました。そのときにも
下院の議員の方たちが涙しているのが見えまして、会場自体がしいんとなりました。
しかし、
早紀江さんの
証言は
自分の娘さんのことだけで終わったのではなくて、一番
最後に、
世界各国から
拉致されたすべての
被害者の方たちを助け出し、これからの人生を自由の地で過ごさせてやりたい、ひどい
人権侵害に苦しんでいる
北朝鮮の人々も助け出してあげなければなりませんという、全体に配慮した
言葉で締めくくったわけで、個人的なことだけの訴えではなく、全体の人権、それから
世界各地の人たちのことへ思いをはせたという、この
早紀江さんの
証言というのが皆様の感動を誘ったわけです。
即、人権国際活動の
委員会のスミス小
委員長が、先ほどから述べられましたG8
サミットに何とかこれを提案したいということをその場でおっしゃいました。その後、ハイド氏という外交問題
委員長のところへ全員で伺ったときに、ハイド
委員長にスミスさんが、私がそういうふうに提案したけれ
ども、これからもし
日本の議員の方たちといろいろな接触があるとしたら、私が全部窓口になってやっていいですかということをハイド
委員長に確認して、そして、ハイド
委員長はぜひそういうふうにやってくれというようなことで、この
議会の
証言の後のフォローアップもそういう形で終わったわけでございます。
ブッシュ大統領との
面談のときに、
横田早紀江さんは、お嬢さんが、めぐみさんがいなくなって、どこへ行ったかわからないときに、頭が変になりそうなときがあったと私におっしゃいました。そのときに、実は私はクリスチャンになったんですと。ところが、
ブッシュ大統領のお顔を見た途端に、聖書の上に手を置いて宣誓している
ブッシュ大統領のテレビの画面がすっと頭に浮かんだそうで、
ブッシュ大統領も宣誓をなさったけれ
ども、私もクリスチャンですとおっしゃって、そこから人間の尊厳とか自由とかというお話になったようです。
そして、そのめぐみさんの写真を見せたときに、彼女はここにいないけれ
ども、ここにいることにしましょうと言って、間に置いてあった小さな机に
ブッシュ大統領がみずから写真を飾って、それが皆様報道でごらんになった、新聞に写っている
横田めぐみさんの写真、そういう経過で置かれたものです。
最後に、出るときに、
大統領がハグというか、温かく抱きしめた。予想外のことだったので、
早紀江さんが私に、
言葉はわからなかったけれ
ども、マム、何とかと言った
大統領のニュアンスが、お母さん、頑張りましょう、そういうふうに言ったように思えましたということを語っていらっしゃいました。
先ほどから、
官房長官、
外務大臣がおっしゃったように、これは長い間の御
家族の苦しい中で耐えてきた忍耐と、それからそれを支える会、また議連の
方々、そして
アメリカにいる
支援者の
方々、それに
官房長官、
外務大臣、
外務大臣の督励を受けて本省そして大使館も
全力でお手伝いしたわけですが、
シーファー大使を通しても
米国の要人の
方々にこの
拉致の現状をよくわかっていただけた、これが
一つの成果だと思います。
二つ目は、核の問題のみならず、
拉致の問題においても人権の問題においても、
米国と
日本が
協力して、一糸乱れぬ団結の
姿勢が示せた、これは
世界に対する、大変大きな国際的な
圧力というふうに
考えております。そのほかに、
情報の交換もし、多分議員のこれからのいろいろな交流も続くと思います。
さまざまな面での
日米の
協力というのがここで
一つの
段階を迎えたと思いますけれ
ども、私
どもみんなが望んでいるのは、
北朝鮮が、今回の
ブッシュ大統領あるいは
米国の
議会での御
家族の
証言、これを通して、
拉致問題というのは避けて通れない問題であって、真摯にきちんと
対応するというふうな
認識を持っていただければ、我々の言う
対話、真の
意味の
対話というものを
実現できる。その
圧力として、国際的な
圧力として今回は大変大きな
意味があったと思いますし、もう
一つプラスして申し上げさせていただければ、やはり母の心、母の思いというのが
世界を動かしたかなというふうに私は感じております。
以上でございます。