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松本(大)
委員 私も
文部科学行政の最高責任者の方の発言が非常に重いものであるというのは重々承知をしておるんですが、ただ、
文部科学委員会、何年前だったかちょっと忘れましたが、著作権
法改正のときに、当時の事務方の方は局長だったと思いますが、いや、
大臣答弁は心構えですというようなことをおっしゃられた苦い経験を私は持っているものですから、本当に約束してもらえるのかというところに、余り信用できないといいますか、一抹の不安をやはりぬぐい去れないということであります。
先ほど、附帯決議でという話もありましたので、それはこれからの検討だと思いますけれ
ども、やはり
大臣、今御発言いただいた以上は、しっかりと選定基準を明確に定めていただいて、それから評価もしっかり行っていただく、透明性、公平性をしっかりと確保するんだということをお約束いただきたいと思います。今うなずいていただいたので、心構えじゃないんだというふうに
理解をしたいと思います。
残った時間で、次世代スパコンの関係についてもう少しお話をさせていただきたいと思います。
来週の月曜日に理研の視察が予定されているということらしいんですが、願わくは、この法案の審議の前に本来行くべきなんじゃないかな、それはスパコンの開発主体が理研ということですから、本来はこの法案審議の前にあってしかるべきだなというふうに思うわけですが、私は先日行ってまいりました。
そこで、第三期科学技術基本計画の中で、これは国家基幹技術であるというふうに評価をされていて、重点投資
対象だというふうに言われているわけですが、これまで科学技術基本計画、第一期、第二期の十年間で約四十兆近いお金が投下をされてきた。ところが、その投資
効果についての説明が国民にわかりやすい形で十分にこれまで果たして行われてきたのかなという点については、私は残念ながら十分とは言えないのではないかなという
認識を持っております。
今回のスパコンは、十八年度予算でも三十五億、総
事業費が千百億。それから、総合科学技術
会議の事前評価によれば、完成した後も年間の運営コストは八十億だというふうに書いてあります。これだけ多額のお金をつぎ込む。第三期科学技術基本計画の総額でいえば何と二十五兆にも達するビッグプロジェクトなわけですから、そうすると十五年間で六十五兆のお金を投下する。これは、日本の財政が厳しい中で、本当にそれだけのお金を投じるだけの価値があるのか。やはり納税者の方に負担に対する納得感を持っていただくための説明責任というものを真摯に尽くしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
もちろん、基礎
研究というものは
成果が出るまでに時間がかかるんだ、実社会に
効果があらわれるまで時間がかかるんだ、その点についてはもちろん私も
理解をしているんですが、さはさりながら、やはり投資費用、投資
効果についての説明がいま
一つ不十分ではないかなという
認識を持っております。
そこで、今回は京速計算機なんだ、一秒間に一兆の一万倍もの回数の計算を可能にできるんだ、すごいスペックなんだということは
理解したんですが、納税者の方、一般の国民の方々に、では、どのような恩恵が与えられるのかと。やはり、国民の皆さんが恩恵を実感できるような具体的な
成果や、これまでできなかったことができるようになるんだというような
事例が語られなければならないというふうに思っています。それは、科学技術基本計画に基本姿勢として社会、国民に支持され
成果を還元する科学技術を目指すんだというふうにうたっていらっしゃるわけですから、当然その恩恵を実感できるような何かが語られなければならないというふうに考えます。
そこで、このスパコン開発によってもたらされる具体的な
成果というものについて、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。