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小坂国務大臣 山口
委員のおっしゃりたいところ、すなわち、役人がわたりであちこち行って、そして税金の無駄遣いが起こっている。こういうことがもしあるとすれば、それは私も直していかにゃいかぬと思うし、そういう点においては与党も野党もありません。我々政治家は、今日的
課題としてのそういった問題に一緒になって取り組んでいるわけですよね。ただ、残念ながら、私がちょっと勘が鈍いのか理解が不足しているのか、山口
委員が今御
指摘をされましたその問題について、どうも問題の視点が、私はちょっと理解できないところがある。
例えば、山口
委員は今、四年の四月から国立大学が独立行政法人化された、そのときには本来そこにいた人間は文部省へ全部帰るべきだ、こうおっしゃった。本当にそういうことが本来の姿なんでしょうか。(山口(壯)
委員「それは逆だ、私が言っているのと」と呼ぶ)いや、さっきそうおっしゃいました。間違いなくそうおっしゃったんですが、その本来の姿とおっしゃる全部帰ることは、国立大学が独立行政法人化されたときに安定性を欠くということにもなります、継続性がなくなってしまうわけですから。
そういう
意味では、それは従来いた人間が、法人化に当たって、法人化というものの趣旨を踏まえて、すなわち、官から民へということよりも、この独立行政法人化の意図したところというのは、より効率的な運営をすることということで、国の機関として、すべての
人事その他においても、これは
文部科学省の職員として
人事が行われるのではなくて、今後は大学が、独立法人としての独立した意思を持ってそういうものにも取り組めるような枠組みをつくるということに主眼があったものですから、そのときに全部入れかわってしまうということが本来の姿ではなくて、順次そういったことが行われながら、そういった趣旨を体せるような方向づけをしていくということが当初の考え方であった。
それを担保するといいますか、そういった
意味での附帯決議が衆議院、参議院でありましたよね。参議院における附帯決議として、「
役員等については、大学の
教育研究や運営に高い識見を有し、当該大学の発展に貢献し得る者を選任するとともに、選任理由等を公表すること。また、政府や他法人からの
役員の選任については、その必要性を十分に勘案し、大学の自主性・自律性を阻害すると批判されることのないよう、節度を持って
対応すること。監事の任命に当たっては、大学の意向を反映するように配慮すること。」また、衆議院においては、「
役員等については、大学の
教育研究や運営に高い識見を有し、当該大学の発展に貢献し得る者を選任するよう努めること。」
すなわち、そういった
意味では、これは別に
文部科学省で経験を積んだ人間ではなくてももちろんいいわけでございますから、そういった方向の人選というものは今後行われてまいりますし、そういった者を排除もしていなかったと思いますが、しかし、それまでに国立大学が今日的
評価をちゃんと得てこられたのは、そういった
一つの今までの
人事ローテーションはそれなりに貢献をしていたということもあるわけでございますから、そういった観点から、四年の四月にこれまでの
人事を改定すべきかどうかという御議論も踏まえて検討が行われ、その後の
人事異動というものが行われていると理解をしているわけでございます。