○馬渡
委員 ぜひ、
日本の国はもっともっと人材力を高めていただきたいので、それは画一的ではなくて、有用なことはどんどん取り入れて、やっていただきたいと希望いたします。
さて、学力が
向上していく。もう一つ、私は、障害を持つお子さんに対して、もっと伸び伸びと学習をしていただきたい、友達をいっぱいつくっていただきたい、そんな
思いを持っているんです。ここ最近は、ノーマライゼーションとかバリアフリーとかユニバーサルデザインというのが随分理解されてくるようになりましたけれども、実際に、あなたは養護学校へ行きなさいと言われても、通常の
学級に通っているお子さんは結構いるんです。今、二千数百というお子さんが全国で通っていると思うんですが、その中で、やはり地域の学校へ通っていれば地域の友達ができる、これはその子の人生にとって物すごい宝になると思うんですが、しかしながら、そういったバックアップしていくいろいろな気持ちの問題とか
施設の問題がまだまだおくれていて、ここのところが、例えば親の付き添いを強要されたり学校の行事に参加を求められたりということで、結果的に盲とか聾とか養護学校にまた追い出されてしまうケースが結構あるそうなんです。ですから、養護学校に通っているお子さん
たちというのは近所に友達がいないわけですから、随分寂しい
思いをしているという
お話を聞きます。
そこで、昨年十二月に出されました中央
教育審議会の答申で「特別
支援教育を推進するための制度の在り方について」というのがあります。この中で、特別
支援教育の理念と基本的考え方が、盲・聾・養護学校の校長はもちろんのこと、普通の小学校、中学校の校長先生を初め、すべての教職員はもとより、
国民一般に広く理解、共有されるようにすることが重要であると。
そしてまた障害者基本法には、すべての障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される、また、すべての障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。中身は物すごくすばらしいこと。ぜひこれが
実現できればいいと思うんですが、実は、その内容に反して現状は厳しいものがある。
子供たちはいろいろ悩み苦しんでいるんです。
こんな事例があります。千葉県のある小学校で、三年生の子なんですけれども、昨年十二月、本当に悲しいことが起きたんです。これは、インフルエンザ脳症で、その後遺症で車いす生活を強いられているお子さんが、最初、入学通知が来て、それで、身体の障害があるというので、あなたは養護学校へ行けと。でも、御本人の希望で通常の
学級に行ったんですが、一人ではなかなか不自由がある。そんなときに、保護者会でそこの学校の教頭先生が、そのお子さんもいる前で、この子がいるために皆さんに迷惑をかけて申しわけないという言葉を発したそうなんですね。それを受けたそのお子さんの心の痛み、またその保護者の方の悲しい、何というか、察してもまだ余りあるものがあると思うんですが、後にこの教頭は謝罪をしたそうですが、学校や
教育委員会は全くこのことに対して
責任を感じていないそうなんです。
だから、先ほど申し上げた中教審のその理念というのが、盲・聾・養護学校だけじゃなくて、一般の教員であれば、その理念というのはしっかり受け持って、ましてや、それだけ不自由している中で一生懸命頑張っているんだから、みんなでサポートしてやろうと言ってしかるべきなのに、何か、申しわけないと言われたら、その子がそこにいちゃいけないんじゃないかと、これ、大人になったときにすごいその傷が残るんじゃないかなと思うんですけれども。
そこで、一方では、宮城県の仙台市とか千葉県の浦安市、そして埼玉県の東松山市なんかは、障害を持つお子さん、そして持たないお子さんがなるべく一緒に生活ができるように、学習ができるようにということで、随分進んでやっているそうなんです。
そこで、学校
教育法施行令では、実は分離
教育が原則なんですね。就学前に、指導
委員会というのがあって、そこでいろいろチェックリストがあって、本人の希望とは別に、あなたは養護学校、あなたは盲学校へ行きなさいと振り分けをされるそうなんです。今は、市町村の
教育委員会が特別な事情があるとすると、例外的に普通の学校に通えると。でも、もうこういう時代になったので、この原則と例外をひっくり返して、どんなお子さんでも普通の学校に通えるようなバックアップ体制を今後つくっていただいて、そして、そこの保護者の方が、いや、うちの子は障害を持っていて、いつまでついていられるかわからないから、ちゃんとした養護学校で、今度名前が変わるんですけれども、そういったところで
教育を受けさせたいという方はそちらの方に行ってもらって、そして、普通の学校で友達いっぱいつくりたいというお子さんは普通の学校で受けていただくようにできないものかな。これについて、これは別に
大臣じゃなくてもお答えいただければ。