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篠原委員 具体的な数字で申し上げますと八十六万トン、平成二十七年度の目標であるにもかかわらず、今の現状の八十六万トンでいいんだというふうになっているわけです。これは全然、
生産していこうという意欲に欠けるんですよね。
その次の、五ページ、六ページ、七ページ、麦関係の
資料をちょっと見ていただきたいんです。
五ページの
資料は、これはウルグアイ・ラウンドのさなかに、こうやったらいいんじゃないかといって書いた若い役人の提言なんですよね。ここにも、麦をつくるべきだというふうに書いてあるんです。その後、麦はいろいろでこしゃこするわけですね。つくれと言ったり、つくらなくていいと言ったり。
私は、一度ここで申し上げたかどうかは忘れてしまったので、ちょっと申し上げたいんですが、麦はいわゆる猫の目農政に翻弄されてきたと私が言ったら、もっと厳しいことを言う方がおられました。いや違う、麦については農政は全くなかったんだ、米に翻弄されただけだと。これは非常に事実に近いんじゃないか。米が余ったから、では、つくるものがないから麦をつくれとかいう形で麦がないがしろにされてきたんじゃないかと思います。
余談ですけれ
ども、私の本籍地、今も置いて、住民登録しているところは、長野県中野市田麦というところで、だから麦にこだわっているんだなんてばかなことを言う人がいるんですが、それだからこだわっているわけじゃないんですよ。やはり麦をちゃんとつくらなきゃいけない。それでつくっていたんです。先ほどの、昔犬で鳥獣害を防いでいたと同じように、麦をつくって、米をつくって、そして
自給率を高めて、それで暮らしていたんです。それをぜひやっていただきたいんです。
それで、つい最近の新聞記事だけでも、これだけあるんですよ。余り多過ぎるので、私はとってきませんでしたけれ
ども、五月二十日の「遊休農地はぼくらの宝 復活」東京農工大学の学生さんたちが山梨に行ってつくる。これはまさに遊休農地に一番つくりやすいのは麦とか大豆とか、大豆はちょっと難しいんですけれ
ども、菜種とかというものです。その次は、「七〇〇ヘクタールで麦作法人」ということで、簡単につくれるんです。これだけやろうとしている。
最近の新聞でも、六条大麦、これはミスマッチで、需要があるのに
生産が足りないんです。これは関係者の
皆さんは御存じだ思いますけれ
ども。
そして、六月五日の
日本農業新聞の、これは一面だったと思います。「JA出資で大規模法人 岡山 ビール麦産地が結束」つくろうと思えば幾らでもつくれるんですよね。これをちゃんとやっていただきたいと思います。
ところが、どこが問題か。需要がないとかいうので、見ますと、違うんです。あるんです。あるんですけれ
ども、何回も申し上げますけれ
ども、途中に製粉メーカーが入るから、ややこしくなるんです。
次のページ、ちょっと見ていただきたいんですが、製粉
工場の分布マップというもの。これはこの間の農政改革基本法なり担い手経営新法のときの私の答弁で申し上げましたけれ
ども、北海道、あれだけ小麦をつくっていながら、道東の方にぽちょんと
一つ製粉
工場があるだけなんです。これは、私がいろいろ言っています地産地消、フードマイレージ、食べ物の輸送に伴うCO2の排出はなるべく少なくした方がいいんだ、そのために地産地消がいいんだと。ところが、北海道で小麦を幾らつくっても、製粉するところがないんですね。
ミスマッチというのはこれなんです。米はもうコインで精米できるようになっているのに対して、麦は粉化しなくちゃいけないんです。だからお金がかかるんです。一たん麦はもう安楽死させるみたいな形になっちゃったんです、小麦が四十万トン弱になってしまって。だから、製粉
工場というのは臨海地ばかりになってしまったんですね。
喜多方ラーメン、私の先輩の白井さんという方が喜多方市長をやっておられて、非常にいらいらされて、喜多方ラーメンの原材料はみんなASWになってしまっていると。昔は、
丸山さんの話にもありました、ちょうどあそこの会津盆地というのは冷涼な気候で、それから梅雨の影響も少ない。長野県も同じなんです。これは栃木県、群馬県も同じなんです。内陸部は雨が少なくて、麦に適地だ。だから、めん用の麦がよかったんで喜多方ラーメンができたのに、今はみんなASWになってしまった。私は麦をつくれ麦をつくれとしつこく言っていますので、白井さんから我が家に電話がかかってきたりして、どうなっているんだと。消えちゃったんですね、遺伝資源が。しかし、今は復活してやろうとしているんですね。
そのときの一番のネックは何かというと、やはりこの福島県のところ、ちょっとよく見えませんか。これは郡山にしか、製粉
工場がないんです。ですから、全国各地に展開しているどころじゃなくて、喜多方市のラーメン用の原材料も、わざわざ郡山まで持っていって、郡山からまた持ってこなくちゃならない。輸送コストが相当かかるわけですね。それだったら、粉になってしまったのを横浜港から運んだ方がいいというふうになってしまうんです。
さっきの中山間地対策、ポイントポイントでやるんじゃなくて総合的にやっていただかないと、うまく中山間地が動かないのと同じで、麦作振興と言ったら、そら、田んぼだ、種だと。それだけじゃなくて
工場もというのをやっていただかなくちゃならないんですが、手始めに、お手盛りじゃないですけれ
ども、
大臣の地元、すかすかですよ。幹事長の地元もすかすかですよ。大実力者がいながらこれじゃ情けないんじゃないかなと思います。そういう地元誘導をしろと言っているわけじゃありませんけれ
ども、北海道を手始めに、ちゃんと地元に製粉
工場をつくって、地元のパンで学校給食をやるというようなことを率先垂範してやっていただきたいんですけれ
ども、
大臣、いかがでしょうか。