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小平委員 お話を聞いていると、そういうふうにいくと信じたいんだけれ
ども、実際は、
現場でその話をされてもだれもそうは思わないと思いますよ。それは言葉では言えますよ。
では、別な観点からちょっと申し上げます。
大臣、聞いてください。
今、
我が国の
自給率は四〇%ですね、
食料自給率。しかも、
自給率という言葉は世界では通用語でないんですよね。こんなことを言っているのは
日本ぐらいなものですよ。強いて言うならば韓国がそんなことを言っている。でも、欧米を含めて、いわゆる
自給率なんというのは当たり前のことであって、こんなことはもう話題に上る問題ではないんですよね。この国は、低い
自給率においてそう言っている。そして、
政府は、今の四〇%を四五%に上げるというんでしょう。
私は、この間、
政府にある問いかけをしたんですよ。例えば、
政府が出したこの資料、ここに、全部、米を初めとする各主要作物の
自給率が書いてあります。過去ずっと年度をたどって出ておりますね。それで、今は
自給率が四〇%になってしまっている、こういう資料を私はいただいておりますが、その中で見ていましても、麦、大豆は特に低いんですよ。
ちなみに、米は大体、これは
主要食糧として九六だから、大体一〇〇ですわね、
生産調整していて。あと、いわゆるでん粉等についてもそれなりの八〇%台のものを持っている。あるいは野菜も現行八八%だ。果実は大体半分だ。これは、
日本ではとれない南洋果物とかいろいろありますからね、これは半分だ。でもリンゴは約一〇〇%。オレンジ類で五〇%。そして、
酪農製品では今のところ七五%いっている。それを、
大臣、先ほどはしっかり守っていかれるということの決意も言われた。肉類については、牛肉、豚肉、それから鶏肉とありますけれ
ども、鶏肉は大体六七%持っている。豚肉が五三%、牛肉が約四〇%ですね。そして卵については九六%。
大体カバーされていると私は思うんですよ。
我が国がこの全
品目について一〇〇%、こんなことはどだい無理な話ですよね、それなりに頑張っておられても。だから、これを極力減らさないように、少しでも
ポイント数を上げていくように頑張るのが
国内生産のこれは大事な要諦だと思うんですね。
でも、問題は麦、大豆だ。麦については、例えば、この主力をなす小麦についてはわずか一四%ですよ。大豆に至っては四%だ。豆腐やみそや、この主力をなす、
日本の
食料の、
日本型の食事の大事な分野ですね。わずか四%。
こういう中で、
政府に私はあることを調べさせたんですよ。例えば、麦、大豆を今の倍にしたらどうなるか。麦を、一四%を二八%、あるいは大豆を八%。倍に持っていったらどうなりますかとお聞きをしたんです、
自給率がどうなるかと。そうしたら、御返事をいただきました。麦、大豆の
自給率を倍増した場合の
我が国の全体の
自給率の変化は、四〇%が四二%になります。二
ポイント上がります。
ですから、今、私が前段なぜこんなことを言ったかというのは、ほかの
品目においては大体もう限界があるわけでしょう。米だって一〇〇以上はいけないわけでしょう。そうすると、今、特に力を入れることは、この大事な基幹作物の米につながる麦、大豆の分野を大きく
自給率をふやすことだ、
生産をふやすことだ。これが少なくとも
自給率のアップにつながるわけだ。そこにおいては、もちろん、今、
国民のニーズに合った、いわゆるカナダやオーストラリアでつくっている小麦。パンやめん類に使われるそういうものを品種改良し、これは
政府の主導でやるべきことですね、
研究施設で。そうやって
国民のニーズにかなう麦の品種をつくっていき、
生産量をふやす、これが
政府がもくろんでいる四五%に向かう大きな柱でしょう。これが大
前提にありますよね。そういう
自給率の
向上をうたっておきながら、一方では、今の
品目横断で、麦、大豆のことについては、過去の実績がなければ黄色ゲタだけだ、その年の
生産量、品質に応じて払いますよと。
今、局長が何度も言われた別
対策について、
大臣が言ったことをもとにしてこれからいろいろな
対策を講じていきたい、こう言われているけれ
ども、こういう基本的な問題で、これから
対策を講じるのではなくて、この政策をつくるときに、新しい
制度に移行するときに、最初からこれらについてしっかりとした、スタート
時点からその
対策が見えてこなければ、まず
自給率の
向上もままならないし、同時に、これに対して不公平感、これはこの黄色ゲタということだけじゃなくて、この国には、いわゆる水田地帯、畑地帯あるいは果樹や野菜、いろいろな分野がある、押しなべてそういう
生産者が公平感を持っていかなきゃならぬですよね。今の
状況では不公平感が蔓延している、こういうことを私は心配するから
指摘をしているんですよ。
簡潔に御
答弁くださいね、いろいろな経緯は必要ないから。