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中馬国務大臣 規制改革を担当する
内閣府
特命担当大臣、
行政改革、
構造改革特区・
地域再生担当大臣として、
所信の
一端を申し述べます。
戦後六十年を経過し、
高度経済成長による高
所得国家の構築に寄与した
我が国の
行政システムや
規制も、最近では、急速なる
高齢化、
人口減少傾向、
経済の
国際化と東アジアの劇的な
経済状況の変化、
IT等情報化の
進展等により、その
機能が低下してきています。
今後とも
我が国が
国際競争力を保持し、
所得面だけでなく
文化面、
精神面の豊かさや
居住環境の快適さ、
社会全体の
利便性等を
向上させていくためには、個人、
地域、
企業等がそれぞれの能力を
最大限に発揮できるようにすることが重要であり、そのためには、これまでの
行政システムや
規制のあり方を大胆に見直し、新しい視点で諸
制度を
改革しなければなりません。
また、そのような
改革は、国の補助金や
規制に頼りがちな
我が国の
経済社会の構造を変革し、自立した個人、
地域、
企業等が主役となって自己
解決能力の高い
経済社会をつくっていく作業であり、個々の主体の自立に向けた意識
改革を必要とする、文字どおり民主革命でもあります。
こうした
改革に当たっては、
政府がその活動を
国民にわかりやすく
説明するとともに、その権限や業務を中央から地方へ、官から民へ可能な限りゆだね、簡素で効率的な
政府を
実現していくことが必要不可欠であります。このような
道筋を一層確かなものとし、
改革路線を不動のものとするため、昨年末に閣議決定した
行政改革の重要
方針に盛り込まれた広範な分野の
改革について、
基本理念や
基本方針を定める簡素で効率的な
政府を
実現するための
行政改革の
推進に関する
法律案を今
国会に
提出してまいります。
特殊法人等
改革については、特殊法人等整理合理化計画に基づき、廃止、民営化、独立行政法人化等の措置を講じ、
改革前と比べて、
財政支出を約一兆八千億円削減いたしました。また、引き続き検討することとされていた公営競技関係法人等について、今後の措置内容を決定いたしました。
政策金融
改革については、民業補完の原則を徹底し、残すべき
機能を中小零細企業や個人の資金調達
支援、重要な海外資源の獲得や
国際競争力の
確保に不可欠な金融、円借款の三分野に限定するとともに、
政策金融の貸出残高対GDP比半減、
政策金融機関の民営化、廃止及び統合等を内容とする抜本的
改革に
取り組み、
平成二十年度から新
体制に移行させたいと考えております。
独立行政法人については、本年度末までに中期
目標期間が終了する五十六法人を四十二法人に整理統合、約一万二千人の役職員の非
公務員化等の見直しを行いました。
平成十八年度以降は、特殊法人等から移行した法人について、事業、組織及び当該事業の裏づけとなる国の
政策の必要性について見直しを行い、
財政支出の縮減を図ります。また、
平成十八年度においては、融資業務等を行う法人の当該事業の見直し等を実施いたします。
総
人件費改革については、
政府の規模の大胆な縮減に向けて避けて通れない
課題と考えております。このため、郵政公社職員を除く
国家公務員の定員について、民間の有識者の知見も活用しつつ業務の大胆かつ構造的な見直しを進めることなどにより、五年間で五%以上純減させるとともに、給与についても、民間準拠をより徹底するなど給与
制度の
改革を強力に
推進してまいります。
公務員制度改革については、能力実績主義の人事管理の徹底、再就職管理の
適正化等の
観点から、総
人件費改革の進捗
状況等も踏まえつつ、関係者との率直な
対話と調整を進め、具体化を図ってまいります。
公益法人
制度改革につきましては、官から民への流れの中で、二十一
世紀の
社会経済の一翼を担う民間非営利部門の活動の発展を
促進するため、現行の公益法人
制度を明治の民法制定以来百年ぶりに抜本的に見直し、新たな
制度を創設するための
法律案を今
国会に
提出いたします。
規制改革につきましては、昨年末に
規制改革・民間開放
推進会議の第二次答申が取りまとめられました。今後は、答申に盛り込まれた内容が迅速かつ着実に実施されるよう、今年度末に
規制改革・民間開放
推進三カ年計画を再改定する等、
規制改革、民間開放を強力に
推進してまいります。
特に、いわゆる市場化テストは、官の
世界に競争原理を導入し、簡素で効率的な
政府の
実現を目指すものであり、その本格的導入に向け、競争の導入による公共サービスの
改革に関する
法律案を今
国会に
提出したところであります。法案に御
理解をいただいた上で、
国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスを
実現するよう努めてまいりたいと思います。
構造改革特区については、既に七百九件の特区が誕生しているほか、特区での実施の
状況を踏まえ、株式会社等の農業経営参入を初め、さまざまな特例措置の全国展開を決定するなど、幅広く
制度の活用が進んでおります。
また、
地域再生についても、既に五百六十二件の
地域再生計画を認定し、それぞれの
地域の多様な
取り組みが動き出しています。さらに、このたび、大学を活用した
地域の自主的な
取り組みを応援するため、
地域の知の拠点再生プログラムを策定したところであり、これを
推進してまいります。
今後とも、民間や地方自治体からの提言を踏まえつつ、特区
制度と
地域再生
制度を車の両輪として、より一層効果的に
規制改革と
地域経済の
活性化を
推進してまいります。
産業再生機構については、昨年三月末の債権買い取り申込期限までに四十一件の
支援決定を行い、このうち二十二件について
支援を完了しております。
残りの
支援案件についても、買い取った債権等の三年以内の売却等に向け、
支援決定した事業者の事業の再生を行うとともに、事業再生市場の
活性化に貢献すべく引き続き
全力を尽くしてまいります。
佐藤委員長を初め
理事、
委員各位の御
理解と御
協力をこれからお願いいたします。
ありがとうございました。(
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